JP5060561B2 - 新規外用剤 - Google Patents
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Description
(1)一般式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物、溶剤および基剤を含む外用剤。
(2)一般式(I)で表される化合物が、メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドである(1)に記載の外用剤。
(3)吸収促進剤を含む(1)または(2)に記載の外用剤。
(4)分離防止剤を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の外用剤。
(5)2種以上の分離防止剤を含む(4)に記載の外用剤。
(6)水を含む(1)〜(5)のいずれかに記載の外用剤。
(7)基剤がワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウおよびサラシミツロウからなる群より選択される1種以上である(1)〜(6)のいずれかに記載の外用剤。
(8)溶剤が分子量200〜600のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油およびオレイン酸からなる群より選択される1種以上である(1)〜(7)のいずれかに記載の外用剤。
(9)吸収促進剤がミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチルおよびフタル酸ジエチルからなる群より選択される1種以上である(3)〜(8)のいずれかに記載の外用剤。
(10)分離防止剤が分子量1000〜50000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸、オレイン酸、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートおよびグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上である(4)〜(9)のいずれかに記載の外用剤。
(11)グリセリン脂肪酸エステルが、モノステアリン酸グリセリン、イソステアリン酸ジグリセリルおよびポリリシノレイン酸ヘキサグリセリルからなる群より選択される1種以上である(10)に記載の外用剤。
(12)分離防止剤が分子量1000〜50000のポリエチレングリコールおよびグリセリン脂肪酸エステルである(10)に記載の外用剤。
(13)グリセリン脂肪酸エステルが、モノステアリン酸グリセリンである(11)に記載の外用剤。
(14)全製剤量に対して、10〜30重量%の溶剤および5〜20重量%の吸収促進剤を含み、かつ溶剤と吸収促進剤の合計が20〜40重量%である(3)〜(13)のいずれかに記載の外用剤。
(15)(1)〜(14)の外用剤において、分子量1000〜50000のポリエチレングリコールおよびグリセリン脂肪酸エステルを配合することによる液状成分の分離防止方法。
好ましくは、C1−3アルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、1−プロピル基(n−プロピル基)、2−プロピル基(i−プロピル基)、2−メチル−1−プロピル基(i−ブチル基)、2−メチル−2−プロピル基(t−ブチル基)、1−ブチル基(n−ブチル基)または2−ブチル基(s−ブチル基)であり、より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
好ましくは、C1−3アルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、であり、より好ましくはメトキシ基である。
また、Rの定義における「C1−6アルコキシ基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等が挙げられる。
好ましくは、アミノ基、モノC1−3アルキルアミノ基またはジC1−3アルキルアミノ基であり、より好ましくはアミノ基またはモノメチルアミノ基である。
無機酸塩の好ましい例としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が挙げられ、特に好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩またはリン酸塩である。有機酸塩の好ましい例としては、例えば酢酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等が挙げられ、特に好ましくはメタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩である。
無機塩基塩の好ましい例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられ、有機塩基塩の好ましい例としては、例えばジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、メグルミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等が挙げられる。
酸性アミノ酸塩の好ましい例としては、例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等が挙げられ、塩基性アミノ酸塩の好ましい例としては、例えばアルギニン塩、リジン塩、オルニチン塩等が挙げられる。
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド塩酸塩;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’,N’−ジメチルテレフタラミド;
エチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−メチルテレフタラミド;
プロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド;
イソプロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル]−N’−エチルテレフタラミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−プロピルテレフタラミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−イソプロピルテレフタラミド;
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタル酸;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタル酸;
エチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッド;
プロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッド;
イソプロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−メチルイソフタルアミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−エチルイソフタルアミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−プロピルイソフタルアミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−イソプロピルイソフタルアミド;
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド 2−メトキシエチルエステル;および
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタラミックアシッド 2−メトキシエチルエステル。
一般式(I)で表される化合物は、好ましくはメチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドである。
不活性溶媒中、塩基存在下または非存在下で、化合物(A−3)と酸クロリドである化合物(B−2)との反応により本発明にかかる化合物(I−1)を製造する方法である。
化合物(A−3)は、国際公開第99/37622号パンフレットの製造例7に記載の方法により製造することが可能である。
化合物(B−2)は、公知の化合物、購入可能な化合物、または購入可能な化合物から当業者が通常行う方法により容易に製造することができる化合物を用いることができる。例えば、4−クロロカルボニル安息香酸 メチルエステル等が挙げられる。
化合物(A−3)1モルに対して、化合物(B−2)は1〜10倍モル当量用いることができ、好ましくは1〜2倍モル当量である。
使用される溶媒としては出発物質をある程度溶解し、かつ本工程の反応を阻害しなければ特に限定は無いが、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ピリジン、2−、3−もしくは4−ピコリン等の有機塩基類もしくは水またはこれら溶媒の混合剤をあげることができ、好適にはテトラヒドロフランまたはピリジンである。
使用される塩基としては目的の化合物を得ることができ、かつ分離不可能な副生成物を生成しないものであれば特に限定はないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基類またはピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類を挙げる事ができ、好適にはピリジンである。
上記塩基は、化合物(A−3)1モルに対し、1〜10倍モル当量用いることができ、好ましくは、1〜4倍モル当量である。
反応温度は溶媒、試薬により異なるが通常−30ないし180℃であり、好適には0ないし100℃である。
反応時間は溶媒、反応温度により異なるが通常通常0.5ないし200時間であり、好適には1ないし100時間である。
分子量200〜600のポリエチレングリコールとは、日本薬局方第十五改正のマクロゴール400の項に規定の平均分子量試験を行ったときに、平均分子量が200〜600であるポリエチレングリコールをいう。分子量200〜600のポリエチレングリコールの中でも、日本薬局方第十五改正のマクロゴール400の項に規定の平均分子量試験を行ったときに、平均分子量が380〜420であるポリエチレングリコール400が特に好ましい。
2種類以上の分離防止剤を使用すると分離防止効果を高めることができるため好ましい。好ましい分離防止剤は、分子量1000〜50000のポリエチレングリコールとモノステアリン酸グリセリンとの組合せである。分子量1000〜50000のポリエチレングリコールを使用することで、溶剤、特に分子量200〜600のポリエチレングリコールの分離を防止できる。また、モノステアリン酸グリセリンを使用することで、吸収促進剤、特にミリスチン酸イソプロピルの分離を防止できる。
分子量1000〜50000のポリエチレングリコールとは、日本薬局方第十五改正のマクロゴール4000の項に規定の平均分子量試験を行ったときに、平均分子量が1000〜50000であるポリエチレングリコールをいう。分子量1000〜50000のポリエチレングリコールの中でも、日本薬局方第十五改正のマクロゴール4000の項に規定の平均分子量試験を行ったときに、平均分子量が2600〜3800であるポリエチレングリコール4000が特に好ましい。
3−(2−クロロ−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イル)フェニルアミンの合成
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.86(3H,s),4.01(3H,s),5.40(2H,br),6.79(1H,dd,J=1.6,8.0Hz),6.93(1H,brd,J=8.0Hz),7.02(1H,t,J=1.6Hz),7.24(1H,t,J=8.0Hz),7.41(1H,s),7.43(1H,s).
[4−(3−アミノフェニル)−6,7−ジメトキシキナゾリン−2−イル]メチルアミンの合成
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.12(3H,d,J=5.2Hz),3.80(2H,brs),3.82(3H,s),4.03(3H,s),5.30(1H,br),6.83(1H,dd,J=1.6,8.0Hz),6.99(1H,t,J=1.6Hz),7.04(1H,brd,J=8.0Hz),7.07(1H,s),7.15(1H,s),7.30(1H,t,J=8.0Hz).
3−(2−クロロ−6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イル)フェニルアミン(製造例A)の別法
窒素気流下、炭酸ナトリウム 634g(5.98mol)に水 2.91kgを加え撹拌して溶解し、この溶液へテトラヒドロフラン 3.0L、3−アミノフェニルホウ素酸1水和物 431g(2.78mol)、トリフェニルホスフィン 30.4g(0.116mol)、ジクロロパラジウム 26.0g(0.116mol)を順次加えた。この混合液を60℃にて撹拌しながら、2,4−ジクロロ−6,7−ジメトキシキナゾリン 600g(2.32mol)のテトラヒドロフラン(12.0L)溶液を2時間で滴下し、同温で16時間撹拌した。反応液へ5%食塩水 3.0kg、テトラヒドロフラン 12.0Lを順次加え、50℃にて1時間撹拌した後25℃へ冷却した。この反応液をセライト濾過して不溶物を除去し、濾液を分液装置に移し有機層を分取した。得られた有機層へ無水硫酸マグネシウム 150g、活性炭 60.0gを加え、50℃にて1時間撹拌した後25℃へ冷却した。この混合液をセライト濾過して不溶物を除去し、濾液を減圧濃縮した。残渣へ水 6.0Lを加え室温にて1時間撹拌した後、析出している結晶を濾過した。得られた結晶を50℃にて減圧乾燥し、目的物 730g(含有率 62.2%)を得た。収率62.1%。
[4−(3−アミノフェニル)−6,7−ジメトキシキナゾリン−2−イル]メチルアミン(製造例B)の別法
3−(2−クロロ−6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)フェニルアミンの粗体 200g(含有量 124g:0.394mol)をテトラヒドロフラン 1.2Lとイソプロパノール 0.6Lの混合液に懸濁し、これにメチルアミンのメタノール溶液 1.2Lを加え、SUS製オートクレーブ中で90℃にて15時間撹拌した。反応液を25℃に冷却後、減圧濃縮した。残渣に水 1.0L、クロロホルム 4.0Lを加え、50℃にて0.5時間撹拌した後25℃へ冷却した。この反応液をセライト濾過して不溶物を除去し、濾液を分液装置に移し有機層を分取した。得られた有機層へ無水硫酸マグネシウム 50.0g、活性炭 20.0gを加え、50℃にて1時間撹拌した後25℃へ冷却した。この混合液をセライト濾過して不溶物を除去し、濾液を減圧濃縮した。残渣へクロロホルム 904mLを加え50℃にて1時間撹拌した後、熱源を切って終夜撹拌した。次いで、氷冷下で2時間撹拌し、析出している結晶を濾過した。得られた結晶を50℃にて減圧乾燥し、目的物 76.3gを得た。
収率38.7%。
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.88(3H,d,J=4.4Hz),3.74(3H,s),3.89(3H,s),3.92(3H,s),6.99(1H,s),7.00(1H,brs),7.17(1H,s),7.46(1H,d,J=8.0Hz),7.55(1H,t,J=8.0Hz),7.87(1H,brd,J=8.0Hz),8.08(4H,s),8.20(1H,brs),10.61(1H,s).
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド 塩酸塩の合成
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.05(3H,brs),3.82(3H,s),3.98(3H,s),7.32(1H,s),7.54(1H,brd,J=8.0Hz),7.55(1H,brs),7.61(1H,t,J=8.0Hz),7.91(1H,d,J=8.0Hz),8.06(4H,s),8.35(1H,brs),10.71(1H,s).
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’,N’−ジメチルテレフタラミドの合成
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):3.01(3H,s),3.05(3H,s),3.13(3H,s),3.83(3H,s),3.99(3H,s),7.11(1H,s),7.27(1H,s),7.52(1H,ddd,J=1.6,1.6,8.0Hz),7.57(2H,d,J=8.4Hz),7.58(1H,t,J=8.4Hz)7.81(1H,ddd,J=1.6,2.0,8.0Hz),8.04(2H,d,J=8.4Hz),8.19(1H,t,J=2.0Hz).
エチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−メチルテレフタラミドの合成
プロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
イソプロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル]−N’−エチルテレフタラミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−プロピルテレフタラミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−イソプロピルテレフタラミドの合成
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタル酸の合成
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.91(3H,d,J=4.8Hz),3.76(3H,s),3.92(3H,s),3.93(3H,s),7.01(1H,s),7.02(1H,brs),7.19(1H,s),7.48(1H,brd,J=8.0Hz),7.57(1H,t,J=8.0Hz),7.72(1H,t,J=8.0Hz),7.92(1H,brd,J=8.0Hz),8.17(1H,brd,J=8.0Hz),8.22(1H,t,J=1.6Hz),8.26(1H,brd,J=8.0Hz),8.56(1H,t,J=1.6Hz),10.67(1H,s).
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタル酸の合成
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.91(3H,d,J=4.8Hz),3.76(3H,s),3.94(3H,s),7.01(1H,s),7.02(1H,brs),7.20(1H,s),7.48(1H,brd,J=8.0Hz),7.57(1H,t,J=8.0Hz),7.69(1H,t,J=8.0Hz),7.92(1H,brd,J=8.0Hz),8.15(1H,brd,J=8.0Hz),8.22(1H,brd,J=8.0Hz),8.23(1H,t,J=1.6Hz),8.56(1H,t,J=1.6Hz),10.65(1H,s).
エチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッドの合成
プロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッドの合成
イソプロピル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタリックアシッドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−メチルイソフタルアミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−エチルイソフタルアミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−プロピルイソフタルアミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]−N’−イソプロピルイソフタルアミドの合成
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド 2−メトキシエチルエステル
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.91(3H,d,J=4.8Hz),3.32(3H,s),3.69(2H,m),3.76(3H,s),3.93(3H,s),4.45(2H,m),7.01(1H,s),7.03(1H,brs),7.19(1H,s),7.49(1H,brd,J=7.6Hz),7.57(1H,t,J=7.6Hz),7.90(1H,brd,J=7.6Hz),8.11(4H,s),8.12(1H,t,J=1.8Hz),10.65(1H,s).
N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]イソフタラミックアシッド 2−メトキシエチルエステル
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.91(3H,d,J=4.8Hz),3.32(3H,s),3.69(2H,m),3.76(3H,s),3.93(3H,s),4.46(2H,m),7.01(1H,s),7.03(1H,brs),7.19(1H,s),7.49(1H,brd,J=8.0Hz),7.57(1H,t,J=8.0Hz),7.73(1H,t,J=8.0Hz),7.92(1H,brd,J=8.0Hz),8.17(1H,dt,J=8.0,1.6Hz),8.22(1H,t,J=1.6Hz),8.26(1H,dt,J=8.0,1.6Hz),8.54(1H,t,J=1.6Hz),10.68(1H,s).
t−ブチル [3−(2−クロロ−6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)フェニル]カルバメートの合成
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.52(9H,s),3.97(3H,s),4.07(3H,s),6.62(1H,br),7.33(1H,s),7.38−7.43(1H,m),7.48−7.53(3H,m),8.00(1H,br). ESI MS:m/z 438(M+Na)+.
t−ブチル {3−[6,7−ジメトキシ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]フェニル}カルバメートの合成
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.52(9H,s),3.12(3H,d,J=5.2Hz),3.85(3H,s),4.03(3H,s),5.11(1H,brd,J=5.2Hz),6.59(1H,br),7.07(1H,s),7.19(1H,s),7.36−7.48(3H,m),7.80(1H,br). ESI MS:m/z 433(M+Na)+.
[4−(3−アミノフェニル)−6,7−ジメトキシキナゾリン−2−イル]メチルアミンの合成
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.12(3H,d,J=5.2Hz),3.80(2H,brs),3.82(3H,s),4.03(3H,s),5.30(1H,br),6.83(1H,dd,J=1.6,8.0Hz),6.99(1H,t,J=1.6Hz),7.04(1H,brd,J=8.0Hz),7.07(1H,s),7.15(1H,s),7.30(1H,t,J=8.0Hz).
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの無水物結晶1の製造
テレフタル酸モノメチル10.00g(55.51mmol)と1,2−ジメトキシエタン90mLの懸濁液を10℃の冷水浴で冷却しながら撹拌し、これにN,N−ジメチルホルムアミド2.0mLとチオニルクロリド6.61g(52.75mmol)を順次投入した。この懸濁液を60〜65℃で1時間加熱撹拌後、放冷し、さらに氷水浴で冷却しながら撹拌した。この溶液に、ジイソプロピルエチルアミン6.83g(52.82mmol)を滴下した。次いで、反応液を室温で撹拌し、内温が20℃に達してから30分後に撹拌を停止した。反応液を200mLナスフラスコに移して計量し、[テレフタル酸モノメチルクロリド/ジイソプロピルエチルアミン]混合溶液109.49g(テレフタル酸モノメチルクロリド含有量 8.89g)を微黄褐色溶液として得た。
続いて、[4−(3−アミノフェニル)−6,7−ジメトキシキナゾリン−2−イル]メチルアミン9.50g(30.00mmol)とテトラヒドロフラン380mLの懸濁液を0℃で冷却しながら撹拌した。この懸濁液に上記[テレフタル酸モノメチルクロリド/ジイソプロピルエチルアミン]混合溶液80.71g(テレフタル酸モノメチルクロリド含有量 6.55g,33.00mmol)を1時間かけて滴下し、0℃で11時間撹拌した。この反応混合物に、0℃冷却下、酢酸エチル190mLを加え、次いで、5%重曹水380gを滴下した。反応液を分液ロートへ移し、酢酸エチル190mLで洗い込んだ。抽出後、有機層を分液し、5%食塩水190g、水190mL(2回)で順次洗浄した。有機層を40℃で減圧濃縮し、濃縮残渣にメタノール143mLを加え、40℃に加熱しながら撹拌した。撹拌開始から33分後にオイルバスの設定を75℃に変更し、内温が60℃を超えてから30分後にオイルバスの設定を50℃に変更した。内温が55℃に下がったところで、2−プロパノール143mLを滴下した。次いで、内温27.3℃まで徐冷後、20℃で17時間撹拌した。析出した結晶を吸引濾過し、メタノール14.3mLと2−プロパノール14.3mLの混合液で洗浄した。真空ラインで10分間吸引して脱液し、目的物の粗体15.72g(wet体、目的物含有量 13.31g)を淡黄色結晶として得た(収率 93.9%)。
目的物の粗体(wet体)15.48g(目的物含有量 13.11g,27.00mmol)とジメチルスルホキシド40mLの懸濁液を60℃で加熱撹拌し、結晶を溶解させた。この溶液を清澄濾過し、ジメチルスルホキシド10mLで洗浄した。この濾液を、あらかじめ60℃の温水ジャケットで加熱しておいた1000mL四頸ガラス容器に移し、ジメチルスルホキシド10mLで洗い込んだ後、60℃で加熱しながら撹拌した。この溶液に2−プロパノール119mLを滴下した後、目的物の種結晶49.3mgを投入し、さらに2−プロパノール60mLを滴下した。この懸濁液を60℃で2時間撹拌した後、ジャケット温度を80℃に設定して加熱撹拌を16.5時間継続した。次いで、2−プロパノール120mLを滴下し、3時間後、さらに2−プロパノール362mLを滴下した後、20℃まで徐冷(10℃/h)、同温で撹拌した。59.5時間後、析出した結晶を濾取し、結晶をジメチルスルホキシド2.6mLと2−プロパノール24mLの混合液で洗浄し、さらに2−プロパノール40mLで洗浄した後、真空ラインで吸引して脱液した。得られた結晶を減圧乾燥し、目的物9.84gを黄色結晶として得た(収率 73.7%)。
得られた結晶の粉末X線回折パターンの測定は、日本薬局方の一般試験法に記載された粉末X線回折測定法にしたがい、以下の条件で行った。
(装置)
理学X線DTAシステム:RINT−2000(株式会社リガク製)
(操作方法)
結晶をメノウ鉢で粉砕後、銅製基板にサンプリングし、以下の条件で測定を行った。
使用X線:CuKα線
管電圧:40kV
管電流:200mA
発散スリット:0.3mm
散乱スリット:1/2deg
走査速度:2°/分
走査ステップ:0.02°
測定範囲(2θ):5〜40°
得られた粉末X線回折パターンを図3に示す。主なX線回折角(2θ)は、8.2°、16.5°、24.5°であった。
メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
窒素気流下、テレフタル酸モノメチル1.997kg(11.08mol)と1,2−ジメトキシエタン15.60kgの懸濁液をジャケット温度10℃で冷却しながら撹拌し、これにN,N−ジメチルホルムアミド400mL(5.17mol)を投入、次いでチオニルクロリド1.323kg(10.56mol)を投入し、その容器を1,2−ジメトキシエタン1.00Lで洗い込んだ。この懸濁液を60〜73℃で1時間2分加熱撹拌した後、冷却しながら撹拌した。この溶液をジャケット温度0℃で冷却しながらN,N−ジイソプロピルエチルアミン1.36kg(10.52mol)を滴下し、その容器を1,2−ジメトキシエタン1.00Lで洗い込んだ。次いで、反応液をジャケット温度25℃で撹拌し、内温が20℃に達してから38分後に撹拌を停止した。反応液をポリ容器に移して計量し、[テレフタル酸モノメチルクロリド/N,N−ジイソプロピルエチルアミン]溶液22.00kg(テレフタル酸モノメチルクロリド含有量:1.84kg)を微黄褐色溶液として得た。
(2)メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドの合成
窒素気流下、[4−(3−アミノフェニル)−6,7−ジメトキシキナゾリン−2−イル]メチルアミン2.000kg(6.39mol)とテトラヒドロフラン71.14kgの懸濁液をジャケット温度0℃で冷却しながら撹拌した。この懸濁液に[テレフタル酸モノメチルクロリド/N,N−ジイソプロピルエチルアミン]溶液16.70kg(テレフタル酸モノメチルクロリド含有量:1.40kg,7.03mol)を1時間26分かけて滴下し、この容器を1,2−ジメトキシエタン1.40Lで洗い込んだ後、0℃で13時間4分撹拌した。この反応混合物に、0℃冷却下、酢酸エチル36.5kgを加え、次いで、5%重曹水80.1kgを滴下した後、ジャケット温度20℃で1時間10分撹拌した。酢酸エチル37.3kgを投入し、撹拌後、水層を分液した。有機層を5%食塩水40.0kg、水40.2kg、水40.1kgで順次洗浄した。有機層をジャケット温度40℃で減圧濃縮し、濃縮残渣にメタノール23.70kgを加えた後、60〜66℃に加熱しながら1時間1分撹拌した。この懸濁液をジャケット温度50℃で撹拌しながら、2−プロパノール23.60kgを1時間で滴下した。次いで、10℃/hで徐冷後、ジャケット温度20℃で12時間23分撹拌した。析出した結晶を濾取し、この結晶をメタノール3.00Lと2−プロパノール3.00Lの混合液で洗浄し、さらに2−プロパノ−ル6.00Lで洗浄し、目的物の粗体5.52kg(wet体、目的物含有量:2.57kg、5.44mol)を淡黄色結晶として得た(収率85.3%)。
窒素気流下、目的物の粗体(wet体)5.398kg(目的物含有量:2.518kg,5.33mol)とジメチルスルホキシド8.01Lの懸濁液を60〜70℃で加熱撹拌し、結晶を溶解させた。この溶液を清澄濾過し、ジメチルスルホキシド2.00Lでリンスした。この濾液を、ジャケット温度60℃であらかじめ加熱しておいた210L反応缶に移し、ジメチルスルホキシド2.01Lで洗い込んだ。この溶液に2−プロパノール18.9kgを40分で滴下した後、目的物の種結晶15.02gを投入し、さらに2−プロパノール9.44kgを57分間で滴下した。この懸濁液を60℃で1時間30分撹拌した後、ジャケット温度を80℃に設定して加熱撹拌を37時間24分継続した。次いで、2−プロパノール56.6kgを2時間8分で滴下し、20℃まで徐冷(10℃/h)した後、同温で65時間50分撹拌した。析出した結晶を濾取し、この結晶をジメチルスルホキシド534mLと2−プロパノール4.81Lの混合液で洗浄し、さらに2−プロパノール8.01Lで洗浄した。得られた結晶をジャケット温度50℃で減圧乾燥し、目的物2.30kgを黄色結晶として得た(収率90.8%)。
表1に示した処方で、製造例25のメチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッド無水物(以下、化合物A)を含有する軟膏剤を製造した。まず、化合物Aを80℃の条件下でポリエチレングリコール400およびdl−α−トコフェロールとともに加熱溶解した(I液)。一方、白色ワセリン、ポリエチレングリコール4000、ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40を80℃の条件下で溶解し、攪拌混合した。これにI液を加え80℃で3分間攪拌混合した。その後32℃になるまで攪拌しながら冷却し、0.01重量%の化合物Aを含む軟膏剤を製造した。
実施例1と同様にして、表2に示した処方に従い、0.01重量%の化合物Aを含む軟膏剤を製造した。
実施例1と同様にして、表3に示した処方に従い、0.01重量%の化合物Aを含む軟膏剤を製造した。
実施例1〜2および比較例1〜5の軟膏剤を透明ガラス瓶に充填し、室温で1週間保管した後、軟膏剤からの液状成分の染み出しの有無を目視により観察した(A:染み出しがない、B:少し染み出しがある、C:染み出しがある)。
また、製造直後の軟膏剤について、適量を取って手の甲に塗り、使用感を評価した(A:適度、B:やや硬く塗りにくい、C:硬くて実用的でない)。
試験例2および3と同様の方法で、軟膏剤の薬効を評価した(A:著効あり、B:効果あり、C:効果なし)。その結果を表4および5に示した。
実施例1と同様の方法で、化合物Aを0.003、0.01または0.03%含む軟膏剤を製造した。この軟膏剤を使用して、マウス皮膚炎病態モデルにおける皮膚炎の抑制効果を調べた。
1)飼育
試験動物として、5週齢のNC/Nga系雌性マウス(日本チャールス・リバー株式会社)を用いた。1週間以上の馴化・予備飼育後、一般状態に異常の見られなかった動物を以下の試験に供した。
2)感作および皮膚炎の誘発
マウスの左右耳介部へ、0.3%の4−エトキシメチレン−2−フェニル−2−オキサゾリン−5−オン(以下「オキサゾロン」と略す。Sigma社)を含むアセトン(和光純薬工業株式会社)溶液を、それぞれ10μL塗布して感作を行った。
感作後5日目、感作後5日より3日後の計2回、マウスの左耳介部に、0.3%オキサゾロンを10μL塗布することにより、皮膚炎の誘発を行った。皮膚炎を誘発されたマウスは、症状が均一となるように各群に振り分けた。
3)軟膏剤の投与
上記の軟膏剤(約10mg)を、1日1回(オキサゾロン刺激日はその2時間以上前)、軟膏剤の投与開始日を第1日として、第1日から7日間連続で左耳介部に塗布した。
なお、対照群として化合物Aを含まない軟膏剤を塗布する対照群を設けた。
4)軟膏剤の評価
各動物について、第1日から第8日まで1日1回、薬物の投与前(第8日は投与せず)に皮膚炎の状態を観察した。下記の基準により症状をスコア化し、各項目のスコアの合計をそれぞれのマウス個体のスコアとし、投与群ごとの平均点を算出した。
基準 紅斑、擦傷および痂皮・糜爛のそれぞれについて、0点:症状なし、1点:軽度、2点:中等度、3点:重度。
5)試験結果
スコア化した皮膚炎の結果を図1に示した。上記試験の結果、化合物Aを含む軟膏剤を投与した群で、用量依存的に皮膚炎の改善効果が認められた。
1)飼育
試験動物として、5週齢のNC/Nga系雌性マウス(日本エスエルシー株式会社)を用いた。1週間以上の馴化・予備飼育後、一般状態に異常の見られなかった動物を以下の試験に供した。
2)感作および皮膚炎の誘発
馴化・予備飼育期間経過後、マウスの左右耳介部に0.5%のオキサゾロンを含むアセトン溶液を、それぞれ20μL塗布して感作を行った。
感作後4日目、感作後4日より2日または3日後、さらに前記日より2日または3日後の計3回、マウスの左耳介部に0.3%オキサゾロンを10μL塗布して皮膚炎を誘発した。
3)掻爬行動測定
マウスの掻爬行動を、掻痒測定装置(Micro Act装置、ニューロサイエンス社)を使用して、自動測定した。マウスをジエチルエーテル(和光純薬工業株式会社)で麻酔し、マウスの左後足の皮下にマグネット片(直径1mm、長さ3mm、ニューロサイエンス社)を、遅くとも測定の前日までに挿入した。オキサゾロンを塗布して掻爬行動を誘発した後、マウスを直ちにコイルが巻かれたチャンバー(直径11cm、高さ18cm)に移し、マウスの足に挿入したマグネットの動きによって誘導される電流を一定時間測定した。掻爬行動を反映する特徴的な波形を掻痒測定装置で検出し、検出された波形の出現頻度を掻爬行動の回数としてカウントした。
4)軟膏剤の投与
上記の軟膏剤(約10mg)をオキサゾロン刺激の4時間前に、左耳介部に塗布した。試験群として、(1)正常群:皮膚炎の誘発を行わず、化合物Aを含まない軟膏剤塗布群、(2)対照群:化合物Aを含まない軟膏剤塗布群、(3)0.003%の化合物Aを含む軟膏剤塗布群、(4)0.01%の化合物Aを含む軟膏剤塗布群、(5)0.03%の化合物Aを含む軟膏剤塗布群の5群を設定した。なお、2回目の誘発時の掻爬回数を基にして、掻爬回数が均一化するように、マウスを群分けした。
5)軟膏剤の評価
評価は3回目のオキサゾロン塗布(正常群はアセトンを塗布)によって誘発された掻爬回数を指標に実施した。掻爬回数の測定をオキサゾロン塗布の2時間後に行った。
6)試験結果
掻爬回数の測定結果を図2に示した。以上の結果より、本発明の軟膏剤は、掻爬行動を抑制し、かつ掻爬行動によりもたらされる皮膚症状の悪化を抑制していることから、優れた止痒効果を有していることが示された。
実施例1と同様にして、表6に示した処方に従い、0.01重量%の化合物Aを含む軟膏剤を製造した。そして、試験例1と同様にして、実施例3〜5の軟膏剤の評価を行った。その結果を表6に示した。実施例3〜5の軟膏剤は、染み出しおよび使用感の評価項目において優れていた。
実施例1と同様にして、表7に示した処方に従い、0.01重量%の化合物Aを含む軟膏剤を製造した。なお、水はI液と共に添加した。そして、試験例1と同様にして、実施例6〜9の軟膏剤の評価を行った。その結果を表6に示した。実施例6〜9の軟膏剤は、染み出しおよび使用感の評価項目において優れていた。
実施例6〜9の軟膏剤を20mL遮光ガラス瓶に充填し、5℃または40℃、にて所定期間保存した後、不純物量をHPLCにて測定し、軟膏剤の安定性を評価した。結果を表8に示す(数値は主不純物ピークの面積を主薬ピークの面積で除した数値(%)を示し、NDは不純物が検出できなかったことを示す)。水を添加していない実施例6の軟膏剤は5℃、2週間の保存条件下で不純物が認められたが、水を2%配合した実施例9の軟膏剤は40℃、1ヶ月の保存条件下でも不純物が認められなかった。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長249nm)
カラム:5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した、内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管
カラム温度:45℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル/70%過塩素酸混合液(120:80:1)
流速:約1.5mL/分
Claims (7)
- 一般式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物、
分子量200〜600のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油およびオレイン酸からなる群より選択される1種以上の溶剤、
ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウおよびサラシミツロウからなる群より選択される1種以上の基剤、
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチルおよびフタル酸ジエチルからなる群より選択される1種以上の吸収促進剤、
分子量1000〜50000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸、オレイン酸、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートおよびグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される2種以上の分離防止剤、および
水
を含む外用剤。
- 一般式(I)で表される化合物が、メチル N−[3−(6,7−ジメトキシ−2−メチルアミノキナゾリン−4−イル)フェニル]テレフタラミックアシッドである請求項1に記載の外用剤。
- 分離防止剤が分子量1000〜50000のポリエチレングリコールおよびグリセリン脂肪酸エステルである請求項1または2に記載の外用剤。
- グリセリン脂肪酸エステルが、モノステアリン酸グリセリン、イソステアリン酸ジグリセリルおよびポリリシノレイン酸ヘキサグリセリルからなる群より選択される1種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の外用剤。
- グリセリン脂肪酸エステルが、モノステアリン酸グリセリンである請求項4に記載の外用剤。
- 全製剤量に対して、10〜30重量%の溶剤および5〜20重量%の吸収促進剤を含み、かつ溶剤と吸収促進剤の合計が20〜40重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の外用剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の外用剤において、分子量1000〜50000のポリエチレングリコールおよびグリセリン脂肪酸エステルを配合することによる液状成分の分離防止方法。
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