JP5059757B2 - 組み換えゴナドトロピンの製造のための無血清培地 - Google Patents

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Description

本発明の分野
本発明は、組み換えタンパク質の製造の分野にある。より詳しく述べると、それは、組み換え二量体ゴナドトロピンの製造のための抗酸化剤を含む無血清培地の使用に関する。前記抗酸化剤は、L-グルタチオン、2-メルカプトエタノール、L-メチオニン、並びにアスコルビン酸と(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物から成る群から選択されるかもしれない。
本発明の背景
本発明は、組み換え卵胞刺激ホルモン(FSH)の製造に関する。FSHは、ゴナドトロピン類に属する。
FSHは、女性及び男性患者の両者の不妊症及び生殖障害の治療に使用される。FSHは、例えば、生殖補助医療技術(ART)のための、排卵誘発法(OI)及び調節卵巣刺激法(COH)において女性患者に使用される。排卵誘発法のための代表的な治療計画において、患者には、約6〜約12日間の期間、FSH又はその誘導体(約75〜300IU RFSH/日)の連日注射が投与される。調節卵巣刺激法のための代表的な治療計画において、患者には、約6〜約12日間の期間、FSH又はその誘導体(約150〜600IU RFSH/日)の連日注射が投与される。FSHは、また、精子減少症に罹患している男性の精子形成の誘発にも使用される。週2回の2’500IUのhCGとの併用で週3回の150IUのFSHを使用する投薬計画が、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に罹患している男性の精子数の改善をもたらすのに成功した。受胎能障害の治療におけるFSHの重要さのため、高い安定性と高い比活性のFSHの供給が望ましい。
本来は、FSHは下垂体によって産生される。医薬用途のために、FSHは、組み換えにより製造されるか(rFSH)、又はそれは、閉経後の女性の尿から単離されるかもしれない(uFSH)。rFSHの製造工程には、以下の2つの主なステップ:FSHを発現する遺伝子操作された細胞の培養、そして、タンパク質の精製、を必要とする。そして、タンパク質は、医薬組成物を得るために医薬として許容される担体と共に処方される。
細胞の培養に関して、これまで、血清を補った培地が使用され、それが全ての哺乳動物細胞株の成長及び維持のための普遍的な栄養素として役立った。しかしながら、長い潜伏期間(a long latency or incubation period)を有するウシの伝播性神経変性疾病であるBSE(ウシ海綿状脳症)の出現は、生理活性製品の製造において動物由来の血清を使用することに関する規制に対する懸念を引き起こした。それ故に、現在、無血清培地を使用した組み換えタンパク質を製造することが好ましい。そのような培地は、当該技術分野で周知であり、いくつかの会社、例えば、Sigma、BioWhittaker、Gibco BRL、Cambrex、及びJRHなどによって商品化されている。
rFSHを保存する時に遭遇する問題の1つが、酸化型FSHの存在である。この問題をある程度解決するため、治療を必要する患者に投与される前の保存中、FSHタンパク質を安定させるために医薬組成物に抗酸化剤が加えられる。例えば、EP 0 853 945(Skrabanja及びVan den Oetelaar、1998年)は、例えば、25〜100mMのクエン酸ナトリウムと1〜10mMのL-メチオニンなどの安定化剤との混合状態の液状ゴナドトロピン含有製剤について説明している。それには、そのような製剤がより長期間のFSH製剤の保存を可能にすることが示されている。WO 92/15614(Takruri H.、1992年)は、また、液体又は半液体組成物、例えば、保存媒体又は水性点眼液などの中のポリペプチドの酸化抑制方法に関する。具体的には、WO 92/15614は、10mg/Lの濃度のL-メチオニンを含む点眼液又は眼軟膏が、ヒト上皮成長因子を安定させることを示している。しかしながら、前記文献は、培地においてではなく、医薬製剤における抗酸化剤の使用を開示しているだけである。
アミノ酸、及び抗酸化剤活性を示す化合物は、また、栄養素として、又は細胞死から細胞株を保護するために培地に加えられる。例えば、米国特許番号第4,560,655号は、ブタ精巣細胞、AG14骨髄腫細胞、及びマウス脾臓細胞の培養に使用される、約30mg/LのL-メチオニンを含む無血清培地を開示している。WO 95/12664は、不十分な量の様々な成長制限因子(その1つがL-メチオニン・アミノ酸である)による不都合が、特定の細胞株について克服され得る方法を教示している。特に、WO 95/12664は、高められた細胞密度で増殖するように、ヒトM-CSFを発現するCHO E5F3G細胞株に適合させる方法を教示している。この方法において、CHO E5F3G細胞は、104mg/LのL-メチオニンを含む培地で培養される(実施例及び表2を参照のこと)。Yunらは、グルタチオンと鉄キレート剤の組み合わせ物の培地中への添加がCHO細胞の細胞死を減少させることを教示している(Yunら、2003年)。Saitoらは、細胞死から細胞株を保護するために様々な抗酸化剤が培地に使用されるかもしれないことを更に教示している(Saitoら、2003年)。しかしながら、WO 95/12664、米国特許番号第4,560,655号、Yunら、及びSaitoらは、(もしあれば)細胞株によって産生された組み換えタンパク質の酸化状態に対するアミノ酸、グルタチオン、及び鉄キレート剤の潜在的な効果について触れていない。結論として、これらの文献は、培養細胞の増殖、及び/又は生存率を改善するための、鉄キレート剤と組み合わせたL-メチオニン、あるいはグルタチオンの使用を開示しているだけである。
WO 99/50390は、白血球からのインターフェロン-αを製造するための培地に関し、上記培地にはメチオニンが含まれている。精製後のインターフェロン-αタンパク質の品質が、培地へのメチオニンの添加により改善されることがHPLCによって実証されている。WO 99/50390の発明者は、この改善がインターフェロン-αタンパク質の減少した酸化に起因するかもしれないという仮説を立てた。WO 99/50390は、少な過ぎるメチオニンの量が効果の低下をもたらし、そして、多過ぎる量が低いインターフェロン収量を引き起こすことを更に示している。具体的には、WO 99/50390は、白血球からのインターフェロン-αを製造する時には、約50〜100mg/Lの範囲が特に好ましい範囲であることを教示している。加えて、WO 99/50390は、単量体タンパク質であるインターフェロン-αの製造のための培地を検討しているのみである。WO 99/50390は、例えば、二量体化により単独で分泌されるFSHなどの二量体ホルモンの製造のための培地に触れていないし、示唆してもいない(Matzukら、1988年)。
要約すれば、先に触れた文献のいずれもが、二量体ゴナドトロピンの酸化を低減するための無血清培地への抗酸化剤の使用に関連していない。
本発明の概要
本発明は、rFSHの製造中に、酸化型rFSHが、細胞培養上清中に既に出現しているという予想外の発見に基づいている。そのうえ、無血清培地中でのrFSHの製造は、血清添加培地中でのrFSH製造に比べてより高レベルの酸化型をもたらす。本発明の枠組みの中において、驚いたことに、酸化型rFSHのレベルが、保存中だけでなく、培養ステップ中にも低減されることがわかった。この低減は、生産性を損なうことなく達成される。低減は、培地への抗酸化剤の添加を通して行われる。具体的には、rFSHを発現する細胞の培養中、(i)2-メルカプトエタノール、(ii)アスコルビン酸と(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、(iii)L-メチオニン、又は(iv)L-グルタチオンのいずれかを無血清培地に補うことで、酸化型rFSHのレベルが低減することがわかった。
それ故に、第1の側面において、本発明は、組み換え二量体ゴナドトロピンの製造のための無血清培地の使用であって、上記培地が、以下の:
− 約1〜約20mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
− 約5〜約15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
− 約200〜約500mg/Lの濃度のL-メチオニン;及び
− 約10〜約50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と約5〜約25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
から成る群から選択される抗酸化剤を含むことを特徴とする前記使用に関する。
第2の側面において、本発明は、その製造工程中に酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを低減する方法であって、前記の組み換え二量体ゴナドトロピンを発現する細胞が、抗酸化剤を含む無血清培地中で培養されることを特徴とする前記方法に関する。
本発明の第3の側面は、組み換え二量体ゴナドトロピンの製造のための無血清培地であって、上記培地が、以下の:
− 約1〜約20mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
− 約5〜約15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
− 約200〜約500mg/Lの濃度のL-メチオニン;及び
− 約10〜約50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と約5〜約25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
から成る群から選択される抗酸化剤を含むことを特徴とするものに関する。
本発明の詳細な説明
本発明は、抗酸化剤を含む無血清培地中でのrFSHを発現する細胞の培養により、酸化型rFSHのレベルが、顕著に低減されるかもしれないという発見に端を発する。実施例3に示されているように、(i)2-メルカプトエタノール、(ii)アスコルビン酸と(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、(iii)L-メチオニン、又は(iv)L-グルタチオンのいずれかが、培養過程中の酸化型rFSHのレベルを低減するために特に有利である。重要なことに、この低減は、細胞の生存率及び代謝を損なうことなしに、且つ、rFSHの力価を損なうことなしに達成される。
それ故に、本発明の第1の側面は、組み換え二量体ゴナドトロピンの製造のための無血清培地の使用であって、上記培地が、以下の:
− 約1〜約20mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
− 約5〜約15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
− 約200〜約500mg/Lの濃度のL-メチオニン;及び
− 約10〜約50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と約5〜約25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
から成る群から選択される抗酸化剤を含むことを特徴とする前記使用に向けられる。
好ましくは、本発明による無血清培地には、約1、1.5、2〜約4、5、6、7、8、9、10、15、又は20mg/Lの濃度のL-グルタチオンが含まれる。最も好ましくは、無血清培地には、約2.5又は3mg/Lの濃度のL-グルタチオンが含まれる。本明細書中に使用される場合に、「グルタチオン」は、「L-グルタチオン」と互換的に使用される。
好ましくは、本発明による無血清培地には、約5、6、7、8、9〜約11、12、13、14、又は15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノールが含まれる。最も好ましくは、無血清培地には、約10mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノールが含まれる。
好ましくは、本発明による無血清培地には、約10〜約50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と約5〜約25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物が含まれる。より好ましくは、そのような培地には、約5、8、10、又は12〜約16、18、20、22、又は25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロール、及び約15、20、又は25〜約35、40、又は45mg/Lの濃度のアスコルビン酸が含まれる。最も好ましくは、そのような無血清培地には、約14mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロール、及び約30mg/Lの濃度のアスコルビン酸が含まれる。本明細書中に使用される場合、「(+)-α-トコフェロール」は、「ビタミンA」と互換的に使用され、そして、「アスコルビン酸」は、「L-アスコルビン酸」と互換的に使用される。
好ましくは、本発明による無血清培地には、約200、205、210、215、220、225、230、235、240、又は245mg/L〜約300、325、350、375、400、425、450、475、又は500mg/Lの濃度のL-メチオニンが含まれる。最も好ましくは、無血清培地には、約250mg/Lの濃度のL-メチオニンが含まれる。本明細書中に使用される場合、「メチオニン」は、「L-メチオニン」と互換的に使用される。
あらゆる無血清培地に、本発明による抗酸化剤が補われる可能性がある。本発明に従って使用され得る市販の無血清培地には、例えば、SFM 90(JRH、67350)、SFM 90.1(JRH、67350)、Supmed300又はSupmed300変法(JRH、67350)、DMEM(Gibco、7490571)、DMEM/F12(Gibco、99.5043)、SFM CHO 3a(BioWhittaker)、CHO PFM(Sigma、C6970)、ProCHO 5、EX-CELL培地、例えば、EX-CELL 302(JRH、カタログ番号14312-1000M)又はEX-CELL 325(JRH、カタログ番号14335-1000M)など、CHO-CD3、(Sigma、カタログ番号C-1490)、CHO III PFM(Gibco、カタログ番号96-0334SA)、CHO-S-SFM II(Gibco、カタログ番号12052-098)、CHO-DHFR(Sigma、カタログ番号C-8862)、ProCHO 5(Cambrex、カタログ番号BE12-766Q)、SFM4CHO(HyClone、カタログ番号SH30549.01)、Ultra CHO(Cambrex、カタログ番号12-724Q)、HyQ PF CHO(HyClone、カタログ番号SH30220.01)、HyQ SFX CHO(HyClone、カタログ番号SH30187.01)、HyQ CDM4CHO(HyClone、カタログ番号SH30558.01)、IS CHO-CD(Irvine Scientific、カタログ番号#91119)、IS CHO-V(Irvine Scientific、カタログ番号#9197)、及びその誘導体が含まれる。本発明に従って使用されるかもしれないSFM 90、SFM 90.1、SupMed300、DMEM、DMEM/F12、SFM CHO 3a、及びCHP PFMの組成物が、以下の表1に示されている。
Figure 0005059757
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本発明の好ましい態様において、無血清培地は化学的に規定された培地である、すなわち、精製された成分から調製されるので、そのため、その正確な組成が知られている。具体的には、化学的に規定された培地には、動物由来の成分も、規定されていない加水分解物も含まれていない。
本発明に従って製造されるかもしれないゴナドトロピンには、黄体形成ホルモン(LH;OMIM受入番号152780)、卵胞刺激ホルモン(FSH;OMIM受入番号136530)、絨毛性性腺刺激ホルモン(CG;OMIM受入番号118860)、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH;OMIM受入番号188540)が含まれる。ゴナドトロピンは、二量体ホルモンである。これらのホルモンは、それぞれ、α及びβサブユニットの非共有結合性の二量体から成る。αサブユニットは、4種類のホルモンの全てで同じであり(OMIM受入番号118850)、そして、βサブユニットが二量体の内分泌機能を規定する(Talmadgeら、1983年)。
本発明の最も好ましい態様において、ゴナドトロピンは、ヒトFSHである。本明細書中に使用される場合、用語「FSH」は、SwissProt受入番号P01215に該当するαサブユニット、及びSwissProt受入番号P01225に該当するβサブユニットが含まれる二量体タンパク質に関する。FSHは可溶性の、分泌タンパク質であるので、天然のシグナル・ペプチドによって、又は異種のシグナル・ペプチド、すなわち、使用される特定の発現系においてより効果的であるかもしれない別の分泌タンパク質に由来するシグナル・ペプチドによって、細胞培養上清中に放出される。
用語FSHには、SwissProt受入番号P01215に該当するαサブユニットとSwissProt受入番号P01225に該当するβサブユニットを含む二量体タンパク質のスプライス変異体、対立遺伝子変異体、突然変異タンパク質、機能性誘導体、活性画分、融合タンパク質、及び循環的並び換えタンパク質(circularly permutated proteins)が更に含まれる。
本明細書中で使用される場合、用語「突然変異タンパク質」は、FSHの類似体であって、天然のFSHと比較した場合に、得られた生成物の活性を著しく変えることなく、天然のFSH又はウイルスによるFSHの1もしくは数個のアミノ酸残基が別のアミノ酸残基によって置き換えられているか、若しくは欠失しているか、又はFSHの天然の配列に1もしくは数個のアミノ酸残基が付加されているものを指す。これらの突然変異タンパク質は、公知の合成によって、及び/又は部位特異的突然変異誘発技術によって、あるいは、そのために好適ないずれかの公知の技術によって製造される。
本発明による突然変異タンパク質には、ストリンジェント条件下、FSHをコードするDNA又はRNAにハイブリダイズする、例えば、DNA又はRNAなどの核酸によってコードされるタンパク質が含まれる。用語「ストリンジェント条件」は、ハイブリダイゼーションとその後の洗浄条件を指し、当業者は、通常、「ストリンジェント」と呼ぶ(例えば、Ausubefら、Current Protocols in Molecular Biology、前掲、Interscience、N.Y.、§§6.3及び6.4、1987年、1992年を参照のこと)。制限されることなしに、ストリンジェント条件に関する例には、検討中のハイブリッドの計算されたTmを12〜20℃下回る、例えば、2×SSC及び0.5%のSDS中、5分間、2×SSC及び0.1%のSDS中、15分間;0.1×SSC及び0.5%のSDS中、37℃にて30〜60分間、その後、0.1×SSC及び0.5%のSDS中、68℃にて30〜60分間の洗浄条件が含まれる。当業者は、ストリンジェントな条件が、また、DNA配列、オリゴヌクレオチド・プローブ(例えば、10〜40塩基など)、又は混成オリゴヌクレオチド・プローブの長さにも依存することを理解している。混成プローブが使用される場合、SSCの代わりに塩化テトラメチル・アンモニウム(TMAC)を使用することが望ましい。Ausubel、前掲を参照のこと。
好ましい態様において、FSH突然変異タンパク質は、天然に存在するFSHの配列と少なくとも40%の同一性を有する。より好ましくは、それに対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、あるいは、最も好ましくは、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する。
同一性は、配列を比較することによって測定される2つ以上のポリペプチド配列、又は2つ以上のポリヌクレオチド配列の間の相関を反映する。一般に、同一性は、比較される配列の全長にわたる2つのポリヌクレオチド、又は2つのポリペプチド配列それぞれの、厳密なヌクレオチドとヌクレオチド、又はアミノ酸とアミノ酸の一致を指す。
厳密な一致が存在しない配列に関して、「%同一性」が測定されてよい。一般に、比較されるべき2つの配列を、その配列の間で最大の相関を生じさせるように整列させる。これには、整列の度合いを高めるための、一方又は双方の配列への「ギャップ」の挿入が含まれてよい。%同一性は、同じであるか非常に似通った長さの配列について特に好適である、比較されるそれぞれの配列の全長にわたる測定であるか(いわゆる、「全般的な整列」)、あるいは、不揃いな長さの配列についてより好適である、より短い、規定された長さにわたる測定であってよい(いわゆる、「局所的な整列」)。本発明の枠組みの中で、「%同一性」は、比較されるそれぞれの配列の全長にわたって測定された全般的なパーセント同一性を指す。
特定のポリペプチドが本発明の配列に対して一定割合(%)の同一性をもつかどうか判断するために、公知のコンピュータ・プログラムが使用されてよい。そのようなアルゴリズム及びプログラムには、例えば、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、及びCLUSTALWが含まれる(Altschulら、1990年;Altschulら、1997年;Higginsら、1996年;Pearson及びLipman、1988年;Thompsonら、1994年)。タンパク質及び核酸配列の相同性は、好ましくは、当該技術分野で周知であるBasic Local Alignment Search Tool(「BLAST」)を使用して評価される(Altschulら、1990年;Altschulら、1997年、及びKarlin及びAltschul、1990年)。
BLASTプログラムは、問い合わせアミノ酸若しくは核酸配列と、好ましくはタンパク質若しくは核酸配列データベースから得られる試験配列の間の、本明細書中で「高スコアリング・セグメント対」と呼ばれる類似したセグメントを特定することによって相同性配列を特定する。高スコアリング・セグメント対は、その多くが当該技術分野で知られているスコア・マトリックスによって、好ましくは特定される(すなわち、整列される)。使用されるスコアリング・マトリックスは、BLOSUM62マトリックスであってよい(Gonnetら、1992年;Henikoff及びHenikoff、1993年)。PAM又はPAM250マトリックスもまた、使用されてよい(例えば、Schwartz及びDayhoff編、(1978年)Matrices for Detecting Distance Relationships:Atlas of Protein Sequence and Structure、Washington:National Biomedical Research Foundationを参照のこと)。BLASTプログラムは、特定された全ての高スコアリング・セグメント対の統計的有意性を評価して、そして、好ましくは、例えば、使用者によって指定されたパーセント相同性などの使用者によって指定された有意性の閾値を満たすそれらのセグメントを選択する。好ましくは、高スコアリング・セグメント対の統計的有意性は、カルランの統計的有意性式を使用することで評価される(Karlin及びAltschul、1990年)。BLASTプログラムは、初期設定のパラメーター又は使用者によって提供される修正パラメーターを用いて使用されてよい。
全般的な配列の整列とも呼ばれる、問い合わせ配列(本発明の配列)と対象配列の間の最良の全体的な一致を測定するための好ましい方法は、Brutlagのアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータ・プログラムを使用することで測定できる(Brutlagら、1990年)。配列整列において、問い合わせ配列と対象配列は共にアミノ酸配列である。前述の全般的な配列の整列の結果は、パーセント同一性単位である。FASTDBアミノ酸整列に使用される好ましいパラメーターは:マトリックス=PAM 0、k-タプル(k-tiple)=2、ミスマッチ・ペナルティー=1、連結ペナルティー=20、ランダム化群=25、長さ=0、カットオフ・スコア=1、ウインドウ・サイズ=配列長、ギャップ・ペナルティ=5、ギャップ・サイズ・ペナルティー=0.05、ウインドウ・サイズ=247又は対象アミノ酸配列の長さのいずれか短い方、である。
内側の欠失によってではなく、N若しくはC末端の欠失により対象配列が問い合わせ配列より短い場合、FASTDBプログラムは、全般的なパーセント同一性について計算する時に、対象配列のN及びC末端の先端切断を考慮しないので、パーセント同一性による結果を手作業で補正しなければならない。問い合わせ配列に対して、N及びC末端にて先端を切断されている対象配列について、パーセント同一性は、問い合わせ配列の全塩基の中の割合(%)として対応する対象残基と一致/整列しない、対象配列のN及びC末端にある問い合わせ配列の残基数を計算することによって補正される。残基が一致/整列するかどうかは、FASTDBの配列整列の結果によって判断される。そして、このパーセンテージが、指定されたパラメーターを使用した先のFASTDBプログラムによって計算されたパーセント同一性から差し引かれて、最終的なパーセント同一性スコアが導き出される。この最終的なパーセント同一性スコアが、本発明の目的のために使用される。問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列のN及びC末端の残基だけが、パーセント同一性スコアを手作業で調整する目的のために考慮される。すなわち、対象配列の最も遠いN及びC末端残基の外側の問い合わせアミノ酸残基だけである。
例えば、90アミノ酸残基の対象配列を、100残基の問い合わせ配列と整列させて、パーセント同一性を測定する。対象配列のN末端で欠失が起こっているので、FASTDB整列は、N末端において最初の残基と一致又は整列しない。10個の不対残基は配列の10%に相当するので(一致しなかったN及びC末端における残基数/問い合わせ配列の総残基数)、FASTDBプログラムによって計算されたパーセント同一性スコアから10%が差し引かれる。残った90残基が完全に一致している場合には、最終的なパーセント同一性は90%になるだろう。
本発明による突然変異タンパク質の好ましい変更は、「保存的な」置換として知られているものである。本発明によるFSHの保存的なアミノ酸置換には、その群のメンバー間の置換がその分子の生物学的機能を維持する十分に類似した生理化学的性質を有する群の中の同義アミノ酸が含まれてよい(Grantham、1974年)。特に、その挿入又は欠失がわずかなアミノ酸、例えば30アミノ酸未満、好ましくは10アミノ酸未満にのみ影響を及ぼし、そして、機能的な立体構造に重要なアミノ酸、例えば、システイン残基、の取り外し又は置き換えをしない場合には、アミノ酸の挿入及び欠失もまた、それらの機能を変えることなく先に規定された配列において行われるかもしれないことが明らかである。そのような欠失、及び/又は挿入によって作り出されるタンパク質及び突然変異タンパク質は、本発明の範囲に含まれる。
用語FSHの「融合タンパク質」は、例えば、体液中で長い滞留時間を有する別のタンパク質と融合させた、FSH、その突然変異タンパク質、又はフラグメントを含むポリペプチドを指す。FSHは、免疫グロブリン又はそのフラグメント、例えば、免疫グロブリンFc部分などに融合されてよい。成熟FSHの配列は、また、促進された分泌を可能にするシグナル・ペプチド、及び/又はリーダー配列にも融合される。
本発明の好ましい態様において、FSHのβ-サブユニット又はそのフラグメントは、hCGのβ-サブユニットのカルボキシル末端ペプチド(CTP)に融合される。得られたタンパク質には、延長された循環半減期を除いては、FSHと同一の試験管内における受容体結合及び生物活性がある(LaPoltら、1992年)。
FSH又はその突然変異タンパク質の「活性画分」として、本発明は、単独の、又はそれに連結している関連分子若しくは残基、例えば、糖若しくはリン酸残基、と一緒に、タンパク質分子のポリペプチド鎖のあらゆるフラグメント、又は前駆体、あるいは、それら自体によるタンパク質分子若しくは糖残基の集合体に及ぶが、上述の画分は、FSHに実質的に類似した活性を有することを条件とする。
本明細書中に使用されるFSHの「機能性誘導体」は、当該技術分野で公知の手段によって、残基の側鎖又はN若しくはC末端として生じる官能基から調製されるかもしれないFSHの誘導体、あるいはその突然変異タンパク質に及び、そして、それらが医薬として許容されるままである限り、すなわち、それらが、ゴナドトロピンの活性と実質的に類似したタンパク質の活性を破壊せず、且つ、それを含む組成物に毒性特性を与えない限り、本発明に含まれる。これらの誘導体には、例えば、抗原部位をマスクし、体液中でのFSHの滞留を延ばすかもしれないポリエチレングリコール側鎖が含まれるかもしれない。他の誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニア又は1級若しくは2級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド、アシル部分(例えば、アルカノイル又は炭素環式アロイル基)により形成されたアミノ酸残基の遊離アミノ基のN-アシル誘導体、あるいは、アシル部分により形成された遊離ヒドロキシル基(例えば、セリル又はトレオニル残基のもの)のO-アシル誘導体が含まれる。好ましい態様において、機能性誘導体は、追加のグリコシル化を示すFSH分子に該当する。
用語FSHの「塩」は、本明細書中、FSHのカルボキシル基の塩、及びアミノ基の酸付加塩の両方を指す。カルボキシル基の塩は、当該技術分野で知られている手段によって形成されるかもしれず、そして、無機塩、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、第二鉄塩、又は亜鉛塩など、及び、例えば、アミンを用いて形成されたもののような有機塩基、例えば、トリエタノールアミン、アルギニン若しくはリジン、ピペリジン、プロカインなどを用いた塩が含まれる。酸付加塩には、例えば、鉱酸、例えば、塩酸若しくは硫酸などを用いた塩、及び、有機酸、例えば、酢酸又はシュウ酸などを用いた塩が含まれる。もちろん、そのような塩のいずれもが、ゴナドトロピンの生物活性を維持しなければならない。
本明細書中に使用される場合に、用語「組み換え二量体ゴナドトロピン」は、遺伝子操作された細胞の培養により製造されるゴナドトロピンを指す。前記ゴナドトロピンは、あらゆる起源の細胞により産生されるかもしれない。二量体ゴナドトロピンを発現する遺伝子操作された細胞は、上述の二量体ゴナドトロピンの両方のサブユニットを発現した。
本明細書中に使用される場合に、用語「遺伝子操作された細胞」は、外来DNAが所望のゴナドトロピンの両方のサブユニットの発現を可能にするような方法で導入された細胞を指す。前記外来DNAは、所望のゴナドトロピンのサブユニットをコードする配列を含んでよい。あるいは、前記外来DNAには、所望のゴナドトロピンのサブユニットをコードする内在性配列の発現を活性化する配列が含まれてよい(例えば、WO 91/09955を参照のこと)。
前記細胞は、例えば、動物、昆虫、又は微生物起源のものであってよい。本明細書中に使用される場合に、用語「動物細胞」には、ヒト及びヒト以外の哺乳動物細胞、哺乳動物以外の細胞、及びハイブリドーマが含まれる。組み換え二量体ゴナドトロピンを産生し得る哺乳動物細胞の例には、例えば、3T3細胞、COS細胞、ヒト骨肉腫細胞、MRC-5細胞、BHK細胞、VERO細胞、CHO細胞、rCHO-tPA細胞rCHO-Hep B 表面抗原細胞、HEK 293細胞、rHEK 293細胞、rC127-Hep B表面抗原細胞、正常ヒト繊維芽細胞、間質細胞、肝細胞、PER.C6細胞、及びヒト永久羊水細胞(human permanent amniocytic cell)が含まれる。組み換え二量体ゴナドトロピンを産生し得るハイブリドーマの例には、例えば、DA4.4細胞、123A細胞、127A細胞、GAMMA細胞、及び67-9B細胞が含まれる。
本発明の枠組みの中で、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を培養することが好ましい。
本発明の第2の側面は、その製造工程中に、酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを低減する方法であって、上述の組み換え二量体ゴナドトロピンを発現する細胞が、抗酸化剤を含む無血清培地中で培養されることを特徴とする前記方法に向けられる。
本明細書中に使用される場合に、用語「酸化型」は、酸化剤が1つ以上のアミノ酸残基の酸化を引き起こしたポリペプチドを指す。そのような形態は、例えば、FSHに関する実施例2.1に記載されているHPLC、によって検出され得る。
培養は、例えば、ペトリ皿、T型フラスコ、又はローラーボトルなどのあらゆる好適な環境において、しかし、好ましくは、より大きい容量をもつ容器、例えば、バイオリアクターにおいて行われてよい。
培養ステップには、以下のステップ:
− 前述の無血清培地中への前述の細胞の植菌;
− 増殖段階;そして、
− 製造段階、
が含まれる。
増殖段階は、工程パラメーターが細胞増殖を後押しするように設定される細胞培養工程の部分である。所望の細胞密度に達した時点で、通常、細胞培養は、工程パラメーターが細胞の生産性を後押しするように設定される製造段階に切り換えられる。工程パラメーターは、増殖段階と製造段階中、同じであってよい。製造段階中の細胞密度は、好ましくは、1・106〜5・107細胞/mlの範囲内に含まれる値、例えば、約1・106、5・106、107、又は5・107細胞/mLである。最も好ましくは、前述の細胞はCHO細胞である。
1つの態様において、抗酸化剤は、細胞の植菌前に無血清培地に加えられる。他の態様において、抗酸化剤は、細胞の植菌の直後(例えば、植菌後24時間以内)に無血清培地に加えられる。
好ましくは、製造工程には、組み換え二量体ゴナドトロピンが含まれる培地を回収するステップが含まれる。
好ましい態様において、製造工程には、組み換え二量体ゴナドトロピンを精製するステップが更に含まれる。ゴナドトロピンを精製する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、FSHは、EP 04 105639.1、WO 98/20039、WO 00/63248、又はWO 88/10270に記載されているように精製されるかもしれない。
更に好ましい態様において、製造工程には、医薬として許容される担体と共に組み換え二量体ゴナドトロピンを処方して、医薬組成物を得るステップが更に含まれる。
用語「医薬として許容される担体」は、本明細書中に使用される場合、有効成分の生物活性の有効性を妨げることなく、且つ、それが投与される宿主にとって毒性でない、あらゆる担体を含むことを意味する。例えば、非経口投与のために、活性タンパク質は、例えば、生理的食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン、及びリンゲル液などの溶媒中に注射用の単位投与形態で処方されるかもしれない。
そして、本発明によリ処方される医薬組成物は、さまざまな方法で個人に投与されるかもしれない。投与経路には、皮内、(例えば、持続放出製剤による)経皮、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、頭蓋内、硬膜外、局所、直腸、又は鼻腔内経路が含まれる。その他の治療として有効な投与経路、例えば、上皮若しくは内皮組織を通じた吸収が、あるいは、生体内で発現され、そして分泌されるべき活性物質をもたらす、活性物質をコードするDNA分子が(例えば、ベクターを介して)患者に投与される遺伝子治療によって、使用されてもよい。加えて、本発明によるタンパク質は、例えば、医薬として許容される界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤、及び溶媒などの生理活性物質の他の成分と一緒に投与されてもよい。非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)投与のために、活性タンパク質は、溶液、懸濁液、乳濁液、又は医薬として許容される非経口的溶媒(例えば、水、生理的食塩水、デキストロース溶液)、及び等張性を維持する添加物(例えば、マンニトール)又は化学的安定性を維持する添加物(例えば、保存料と緩衝剤)を伴った凍結乾燥粉末として処方されてもよい。製剤は、一般的に使用される技術によって殺菌される。
本発明の好ましい態様において、その製造工程中に、酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを低減する方法は、上述の製造工程の少なくとも2、3、4、5、又は6ステップが抗酸化剤の存在下で実施されることを特徴とする。好ましくは、前述の製造工程の全てのステップが抗酸化剤の存在下で実施される、すなわち、全製造工程が抗酸化剤の存在下で実施される。
例えば、その製造工程中に、酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを軽減する方法には、以下のステップ:
− 抗酸化剤を含む無血清培地中で上述の組み換え二量体ゴナドトロピンを発現する細胞を培養し;
− 上述の組み換え二量体ゴナドトロピンを含む培地を回収し;そして、
− 抗酸化剤の存在下、上述の組み換え二量体ゴナドトロピンを精製する、
が含まれてよい。
好ましくは、その製造工程中に、酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを低減する方法には、抗酸化剤を含む医薬組成物中に上述の組み換え二量体ゴナドトロピンを処方するステップが更に含まれる。
抗酸化剤は、抗酸化剤が使用される製造工程の全てのステップで同じであってよい。あるいは、異なる抗酸化剤が、培養ステップ、精製ステップ、及び/又は製剤ステップで使用されてよい。抗酸化効果を有する多数の化合物が、当該技術分野で知られている。これらの化合物には、例えば、システイン、アスコルビン酸、L-メチオニン、L-グルタチオン、2-メルカプトエタノール、α-トコフェロール及びその誘導体、BO-653、t-ブチル-4-メトキシ-フェノール、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル・フェノール;ビメタ-亜硫酸水素カリウム若しくはナトリウム(potassium or sodium bimeta-bisulfite)、亜硫酸水素ナトリウム、ヒスチジン、タウリン、グリシン、アラニン、カルノシン、アンセリン、並びに1-メチルヒスチジンが含まれる。
本発明の第3の側面は、組み換え二量体ゴナドトロピンの製造のための無血清培地であって、上述の培地が、以下の:
− 約1〜約20mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
− 約5〜約15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
− 約200〜約500mg/Lの濃度のL-メチオニン;そして、
− 約10〜約50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と約5〜約25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
から成る群から選択される抗酸化剤を含むことを特徴とするものに向けられる。
無血清培地には、通常、水、オスモル濃度調節物質、緩衝剤、エネルギー源、アミノ酸、無機若しくは組み換えの鉄源、組み換え若しくは合成の増殖因子、必要に応じて非鉄金属イオン、ビタミン、及び補因子が含まれる。例えば、先に列挙した市販の無血清培地のいずれかが、本発明に従って変更されてよい。
ここで本願発明について十分に説明したので、同じものが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、且つ、必要以上の実験なしに、幅広い等価のパラメーター、濃度、及び条件の中で実施される得ることが、当業者によって理解される。
本願発明を具体的な態様に関連して説明してきたが、それは更に修飾ができることが理解される。当該出願は、一般に、本発明の原理に従い、そして、本発明が関係する当該技術分野の中で知られるようになるか又は慣行になる、且つ、添付の請求項の範囲に従って本明細書中で上文に記載された基本的特徴に応用されてよく、当該開示からの逸脱を含めた、本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅するものとする。
学術雑誌の記事若しくは抄録、公開された若しくは未公開の米国若しくは外国特許出願、交付された米国若しくは外国特許、又はその他の参考文献を含めた本明細書中に引用されている全ての参考文献は、その引用された参考文献中に提示された全てのデータ、表、図面、及び文章を含めて本明細書中に完全に援用される。加えて、本明細書中に引用されている参考文献中に引用された参考文献の全内容もまた、完全に援用される。
公知の方法ステップ、在来法のステップ、公知の方法、又は在来法の参照は、本発明のいずれかの側面、説明、又は態様が、関連技術により開示、教示、又は示唆されていると認めるものでは決してない。
具体的な態様の先の説明は、他の当業者が、(本明細書中に引用された参考文献の内容を含めた)当該技術分野の技能の範囲内の知識を応用することによって、必要以上の実験なしに、本発明の全般的な概念から逸脱することなく、そのような具体的な態様を容易に変更する、及び/又は様々な適用に適応させることができるほどに、本発明の全般的な性質を十分に明らかにしているであろう。それ故に、そのような適応及び変更は、本明細書中に提示された教示及び手引きに基づく、開示された態様の同等物の意味の範囲内にあるものとする。本明細書中の表現又は用語は、説明のためのものであって、制限するためのものではないことが理解されるべきであり、本明細書中の用語又は表現は、当業者の知識と組み合わせて、本明細書中に提示された教示及び手引きを踏まえて当業者によって解釈されるべきである。
実施例1:細胞培養工程
1.1. 細胞株と培地
全ての実験を、ヒトFSHの両方のサブユニットを発現するCHO細胞株を用いて実施した。産生されたタンパク質は、またrFSHとも呼ばれる二量体ゴナドトロピンである。αサブユニットはSwissProt受入番号P01215に該当し、そして、βサブユニットはSwissProt受入番号P01225に該当する。
細胞培養に使用した培地は、CHO細胞の培養のために設計された基礎無血清培地(SFM)であった。SFM培地に、実施例3で詳しく述べるように試験される抗酸化剤を補った。基礎SFMで試験される抗酸化剤の初期濃度を、表Iに示す。
Figure 0005059757
1.2. 植菌、増殖、及び製造条件
培養工程は、「実験(run)」とも呼ばれ、植菌ステップ、増殖段階、及び製造段階が含まれる。実験1、2、3、4、及び5と呼ばれる5種類の異なる実験を実施した。
少なくとも2.4・109の生存rFSH産生細胞を、マイクロキャリアを含む11Lの作業容量をもつ15Lのバイオリアクター(newMBR、Zurich)に移した。播種の直後に、2日間又は3日間続くバッチ段階をおこなった。次に、バイオリアクターに、1/日の希釈率まで、且つ、11L/日の潅流速度まで、SFMを連続的に与えた。
増殖段階と製造段階を、同じpH及び温度(37℃、pH=7)にて実施した。実験の間中、溶存酸素(DO)を50%の空気飽和率にて維持した。
実施例2:解析法
2.1. 酸化型rFSHの測定
酸化型を、Bassett及びDriebergen(Bassett及びDriebergen、2005年)によって説明されるように未精製の採取物においてRP-HPLCによって測定した。
酸化型の割合(%)を、基準として実験2において280mg/LのL-システインを用いて得られた酸化型の割合(%)を使用して標準化した(すなわち、酸化型の割合(%)を23.4%で割った)。
2.2. 総生存細胞密度の測定
総生存細胞密度は、マイクロキャリア上に付着した細胞の密度と、懸濁液の状態の生存細胞の密度の合計と規定される。マイクロキャリア上に付着した細胞の密度を、クリスタルバイオレット核計数法(Fluka 61135)を使用して測定した。懸濁液の生存細胞の密度は、トリパンブル排除法(Sigma T-8154)を使用して測定した。
総生存細胞比(TVC比)を、以下のとおり計算した:[総生存細胞密度、試験終了]/[総生存細胞密度、試験開始]、ここで、試験開始は、新しい抗酸化剤を培養物中に導入した日と規定され、そして、試験終了は、次の抗酸化剤を培養物中に導入する前の日と規定される。
2.3. rFSH力価の測定
rFSH力価を、Wallac-ADL製のDelphia hFSHキット(カタログ番号A017-201)を使用して免疫蛍光定量的アッセイによって計測した。
2.4. グルコース消費速度(GCR)の測定
1リットルあたり、及び1日あたりのグラム単位で表されるグルコース消費速度(GCR)を、以下のとおり計算した:GCR=(G0−Gt)Dt+(Gt-1−Gt)、ここで、Gが「グルコース濃度」を表し、そして、Dが「希釈率」を表す。指数は、以下の:
− 0:SFMを与えた状態のもの;
− t:時間tに計測されたもの;及び
− t−1:時間t−1に計測されたもの、
を指す。
実施例3:様々な抗酸化剤の効果
無血清工程で得られる酸化型のレベルを低減するために、2通りの15L実験(実験1及び2)を実施し、様々な抗酸化剤の効果を試験した。いずれの抗酸化剤も添加しない実験を、対照として実施した(実験3)。
SFMに、表IIに示した終濃度に達するように数種類の抗酸化剤、又は抗酸化剤の組み合わせ物を補った。各抗酸化剤、又は抗酸化剤の組み合わせ物を、約10日間の間、試験した。試験の初日に、設定値に達するのに必要な容量の抗酸化剤溶液を加えた。それから毎日、1回の添加による潅流及び置き換えによって、特定の量の抗酸化剤をバイオリアクターから洗い流した(1d-1の希釈率に関して、バイオリアクター容量の63.2%が24時間ごとに入れ替えられるので、これが毎日置き換えられる抗酸化剤の量を表す)。試験期間の終了時に、抗酸化剤を、潅流によってバイオリアクターから洗い流し、そして、試験される他の抗酸化剤によって置き換えた。
酸化型rFSHの割合(%)を、各試験の終了時に計測した(表II)。1.0より低い標準化値は、rFSHの酸化型のレベルを低減させることに関して、試験した抗酸化剤がL-システインに比べてより効果的であることを示す。
総生存細胞密度、GCR、及びrFSH力価を毎日計測した。表IIは、総生存細胞比(TVC比)を示す。1.0より高いか又は等しいTVC比は、試験した抗酸化剤が細胞に対して中毒作用を持っていないことを示す。
Figure 0005059757
表IIに示される結果は、2-メルカプトエタノール、アスコルビン酸と(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、L-メチオニン、及びL-グルタチオンが低レベルのrFSH酸化型を得るのに最良の抗酸化剤であることを示している。
1.0より低いTVC比の総生存細胞は、2-メルカプトエタノールの場合においてのみ得られた。それ故に、2-メルカプトエタノールを除いて、実験1及び2で試験した全ての抗酸化剤が無毒である。加えて、GCRとrFSH力価の測定は、様々な抗酸化剤のいずれもが代謝及び生産性パターンに対して大きな影響を及ぼさないことを示した(データ未掲載)。
L-メチオニンとL-グルタチオンを、製造工程の更なる最適化のために選択した。様々な濃度(1〜20mg/L)のL-グルタチオンを試験するため、1つの実験(実験3)を実施し、そして、様々な濃度(0.25〜3g/L)のL-メチオニンを試験するために、1つの実験(実験4)を実施した。マイクロキャリアが損害を受けたので、L-グルタチオンを試験する実験3を、時期を早めて、製造30日目で止めた。実験3及び4中のL-グルタチオン又はL-メチオニンの試験した濃度を、表IIIに示す。作業0日目(WD0)は、バイオリアクターに播種した日と規定される。製造0日目(PD0)は、細胞培養工程が増殖段階から製造段階に転換された日と規定される。加えて、実験は、抗酸化剤の濃度を変更することなく実施された。この実験では、L-メチオニンを、開始から250mg/Lで加えた(実験5)。全ての実験のために、酸化型rFSHの割合(%)を、定期的に計測した(表IV)。
Figure 0005059757
Figure 0005059757
抗酸化剤を培地に加えた時の酸化型rFSH形態の分析は、L-メチオニンが優れた抗酸化剤であることを示した。細胞を250mg/LのL-メチオニンの存在下で培養した実験5において、酸化型の割合(%)の平均値は、抗酸化剤としてL-システインを用いた実験1及び実験2において得られた結果と比べて約40%まで減少した(表II及びIVを参照のこと)。L-グルタチオンは、その上、特に約2.5mg/Lの濃度において、優れた抗酸化剤である。実験3では、抗酸化剤としてL-システインを用いた実験1及び実験2において得られた結果と比べて、2.5mg/LのL-グルタチオンの存在下で細胞を培養した時に、酸化型の割合(%)が約35%まで減少した(表II及びIVを参照のこと)。
L-メチオニン濃度の増加は、実験4において250〜2000mg/Lの間で酸化型の割合(%)を低減する傾向があるるように見えた。しかしながら、全実験に関して250mg/Lの1種類のL-メチオニン濃度を試験した実験5において観察された変動と比較した場合に、観察された相違が方法の変動性の範囲内に存在するように思われた。加えて、L-グルタチオンとL-メチオニンは、試験した濃度範囲において、細胞の生存率、代謝、及び生産性パターンに大きな影響をもたらさなかったことが確認された(データ未掲載)。
Figure 0005059757
Figure 0005059757

Claims (6)

  1. 組み換え二量体ゴナドトロピンの製造中において、酸化型の組み換え二量体ゴナドトロピンのレベルを低減するための無血清培地の使用であって、ここで上記培地に、以下の:
    1〜20mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
    5〜15mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
    200〜400mg/Lの濃度のL-メチオニン;及び
    10〜50mg/Lの濃度のアスコルビン酸と5〜25mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
    から成る群から選択される抗酸化剤が含まれる上記使用。
  2. 前記抗酸化剤が、以下の:
    3mg/Lの濃度のL-グルタチオン;
    10mg/Lの濃度の2-メルカプトエタノール;
    250mg/Lの濃度のL-メチオニン;及び
    30mg/Lの濃度のアスコルビン酸と14mg/Lの濃度の(+)-α-トコフェロールの組み合わせ物、
    から成る群から選択される、請求項1に記載の使用。
  3. 前記培地が、化学的に規定されている培地である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記培地が、SFM 90、SFM 90.1、SupMed300、DMEM、DMEM/F12、SFM CHO 3a、CHP PFM、ProCHO 5、EX-CELL、CHO-CD3、CHO III PFM、CHO-S-SFM II、CHO-DHFR、SFM4CHO、Ultra CHO、HyQ PF CHO、HyQ SFX CHO、HyQ CDM4CHO、IS CHO-CD、IS CHO-V、及びその誘導体から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 前記の二量体ゴナドトロピンが、卵胞刺激ホルモン(FSH)である、請求項4に記載の使用。
  6. 前記の組み換え二量体ゴナドトロピンが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
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