JP5058671B2 - 光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は高速で駆動電圧が低く、かつDCバイアス電圧が小さく、製作の歩留まりの良い光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)の素子をパッケージ化したLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
[従来技術]
このLN光変調器にはz−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を使用するタイプがある。ここでは、従来技術としてx−カットLN基板とコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したx−カット基板LN光変調器をとり上げ、その上面図を図7に示す。図8は図7のA−A’における断面図である。また、図9に従来技術の斜視図を示す。なお、以下の議論はz−カット基板やy−カット基板でも同様に成り立つ。
図中、1はx−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域では透明な200nmから1μm程度の厚みのSiOバッファ層、3はx−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。なお、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。相互作用部におけるCPW進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。
この従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(RF電気信号とも言う)を重畳して印加する。また、SiOバッファ層2は電気信号のマイクロ波実効屈折率nを光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
5は筐体(一般に金属なので、金属筐体と呼ぶ)、6は高周波電気信号を入力するためのコネクタ、7aはコネクタ6の心線であり、中心導体4aにおいて高周波電気信号が入力する領域である入力用フィードスルー部20の中心導体4a’に接続されている。7b、7cは金属筐体5と進行波電極4の接地導体4b、4cを電気的に接続するための金ワイヤ(金リボンでも良いが、ここではこれらを総称して金ワイヤと呼ぶ)、8は絶縁性の基板上に抵抗9a、9bを形成した電気的終端、10a、10b、10cは電気的終端8と進行波電極4とを電気的に接続する金ワイヤであり、金ワイヤ10aは高周波電気信号が電気的終端8に伝搬する領域である出力用フィードスルー部21の中心導体4a’’に接続されている。LN光変調器の高周波駆動電圧は数ボルトであるので、その電圧を消費する抵抗9a、9bも大きくなり、それらをパターニングした電気的終端8の寸法は大きいのが実情である(電気的終端8の動作原理については特許文献1を参照)。
また、11はx−カットLN基板1を固定するための筐体に設けた台座(以下、筐体台座と略す)、30は金属筐体5の側壁、31は金属筐体5の底板である。また、40はコネクタの心線7aを包含するコネクタ保持部である。なお、金属筐体5、筐体台座11、側壁30、底板31、及びコネクタ保持部40は一体で製作されている。前述のように、LN光変調器の素子をパッケージである筐体(あるいは金属筐体)5に入れたものはLN光変調器モジュールと呼ばれているが、名称として長いので、ここでは簡単にLN光変調器と呼ぶ。なお、説明を簡単にするために、LN光変調器への光の入出力や前述のDCバイアス電圧が抵抗9a、9bに印加されないようにするためのコンデンサーなどは省略した。なお、これらのコンデンサーはその寸法が大きく、そして実際には電気的終端8に実装されるため、電気的終端8の幅の寸法はx−カットLN基板1の幅より大分広い。
次に、この従来技術の問題点について考える。これまで、金属筐体5は切削加工技術を用いて、SUS304などのステンレス材料から、コネクタ保持部40、側壁30、あるいはその中の底板31や筐体台座11の全てが一体で削り出して作られて来た。
切削加工技術は人件費の観点から加工費が高い。そしてステンレスは硬くて切削加工性が良くないため、加工に時間がかかり、金属筐体5の価格が高いのが現状である。そのため、金属筐体5がLN光変調器におけるコストの多くを占めており、LN光変調器の価格の低減を妨げる主要因となっている。
一方、同じく光部品の一つである半導体レーザモジュールではパッケージである金属筐体としてFeNiCo合金(いわゆる、コバール)が広く大量に使用されている。
ところが、LN光変調器について、パッケージである金属筐体5をコバールで作ると、以下に述べる重大な問題が生じる。つまり、x−カットLN基板1の長手方向の熱膨張係数は17.2x10−6〔1/K〕とステンレスの熱膨張係数16.5x10−6〔1/K〕には近いが、コバールの熱膨張係数4.4x10−6〔1/K〕とは大きく異なり、両者の差は12.8x10−6〔1/K〕にもなる。
一般にx−カットLN基板1の長さ(図7や図9のLtotal)は70mm程度あるので、例えば120℃程度の温度変化(例えば、よく使用される−40℃から80℃までのヒートサイクル試験での温度変化)により、双方に約108μmの長さの差が生じる。
そして、通常x−カットLN基板1は金属筐体5の一部である筐体台座11に半田や接着剤により強固に固定されているので、この約108μmの長さの差はx−カットLN基板1にストレスを与え、LN光変調器としての特性の変化はおろかx−カットLN基板1を破壊してしまうことになる。
次に、金属筐体5の材料としてコバールを用いる場合におけるこれらの不具合を回避するには、図7において、x−カットLN基板1の入力用フィードスルー部20の直下付近のみをコバールである金属筐体5に固定する方法が考えられる。しかしながら、そうすると固定した箇所以外では筐体台座11という補強がなくなるのでx−カットLN基板1の機械的な強度はx−カットLN基板1単体が有する強度のみとなり、振動や衝撃が加わった際にx−カットLN基板1が破壊される場合が生じる。
また、x−カットLN基板1と金属筐体5との熱膨張係数の差に起因して、ヒートサイクル試験の際に、x−カットLN基板1の長手方向において金ワイヤ10a、10b、10cに伸び縮みの力が繰り返し加わり、金属疲労のために最終的に切断される、あるいは金ワイヤ10a、10b、10cが進行波電極(4a’’、4b、4c)からはがれてしまうなどの不具合が生じる。一般に、金ワイヤ10a、10b、10cの長さは2mm以下と短いので少しの伸び縮みでも金属疲労を発生し易いことが知られている。なお、電気的終端8の代わりに高周波電気信号をLN光変調器の外部にとりだすためのコネクタを使用しても、例えばそのコネクタの心線と進行波電極の中心導体4a’’のはがれという現象を生じる。
特開平11−183858号公報(図1)
以上のように、従来技術ではパッケージである金属筐体がステンレスであったので、主にその切削加工にかかる人件費がLN光変調器のコストアップの主な要因であった。また、金属筐体をコバールで製作すると、金属筐体とx−カットLN基板との熱膨張係数の差から温度変化とともに特性が変化する、さらにはx−カットなどのLN基板が破壊されるなどの問題を生じていた。
さらに、従来技術における最も大きな問題は金属疲労による金ワイヤの切断・はがれである。つまり、LN基板の高周波電気信号を入力するためのコネクタの近傍のみ、あるいは高周波電気信号を入力するための入力用フィードスルー部の直下近傍のみなどLN基板の一部のみを筐体台座に固定すると、LN基板の特に上下方向の機械的強度が劣化する、あるいは出力用フィードスルー部の中心導体と電気的終端とを接続する金ワイヤが切断される、もしくははがれるという問題が生じていた。また、電気的終端の代わりに高周波電気信号を出力するためのコネクタを使用すると、そのコネクタの心線と出力用フィードスルー部の中心導体とのはがれが生じていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、パッケージのコスト低減に伴う材料の熱膨張係数の差に起因する光変調特性の劣化を解決する光変調器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる電極と、該電極と電気的に接続された電気的終端と、前記基板を内蔵し、側壁と底板を具備する筐体とを有し、前記基板の長手方向の一端側寄りに、前記中心導体と前記接地導体とを含んでなる入力用フィードスルー部を有し、当該入力用フィードスルー部の前記中心導体に前記基板の側面側からコネクタの心線が接続され、当該コネクタを介して外部から前記高周波電気信号が入力され、前記基板の長手方向の他端側寄りに、前記中心導体と前記接地導体とを含んでなる出力用フィードスルー部を有し、当該出力用フィードスルー部に前記基板の側面側から前記電気的終端が電気的に接続されている光変調器において、前記筐体とは別体で前記基板の厚み方向における前記基板と前記筐体との間に熱膨張係数が前記筐体より前記基板に近い基板台座を具備し、該基板台座に前記基板を一体的になるように固定し、かつ前記基板台座は前記光導波路の光導波方向に伸縮可能となるよう、前記入力用フィードスルー部の前記中心導体と前記コネクタの心線との接続部の近辺にて前記筐体に伸縮不可能に固定されているとともに、前記出力用フィードスルー部の近辺で前記筐体に伸縮可能に固定されており、さらに、前記電気的終端は、前記基板台座に固定されているとともに、前記出力用フィードスルー部の前記中心導体及び前記接地導体とそれぞれ金ワイヤを介して電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、前記筐体はFe、Ni、及びCoを含む合金であることを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、前記基板台座はステンレスであることを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、前記基板は長手方向がx−カット、及びy−カットの少なくとも一方の成分を含むリチウムナイオベートからなることを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、別体でなる前記側壁と前記底板とが半田付け又は銀ロウ付けにより組み立てられて前記筐体をなすことを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、別体からなるコネクタ保持部、もしくは外部装置へ固定するためのネジを有する別体からなる金属ブロックの少なくとも一つをさらに半田付け又は銀ロウ付けにより組み立てられて前記筐体をなすことを特徴とする。
本発明の請求項7の光変調器は、前記接地導体と前記基板台座とを電気的に接続することにより前記接地導体の電気的アースをとっていることを特徴とする。
本発明では、まずLN光変調器のパッケージとして、LN基板と大幅に熱膨張係数が異なるコバールなどの材料からなる金属筐体の側壁と、底板などを別体で製作し、その後、銀ロウ付けなどにより組み立てている。これによりステンレスの切削と比較してパッケージ(金属筐体)製作が簡単になりパッケージのコストを飛躍的に低減できる。次に新たに基板台座を設け、LN基板をこの基板台座に載置・固定する。これにより基板台座がLN基板の補強板の役割をしてLN基板の機械的強度を確保できる。そして、この基板台座を熱膨張係数が大きく異なる例えばコバールなどの材料で製作した筐体台座に部分的に固定する。その固定部以外の基板台座と筐体台座は互いにフリーであるので、ヒートサイクル試験や環境温度の変化に伴い、互いに自由に伸び縮みをすることができる。従って、こうした温度変化の際にLN基板に機械的ストレスが加わることがないので、特性が変化する、あるいはLN基板が破壊されるなどの問題は生じない。さらに、本発明の最も重大な点は電気的終端をLN基板とともに基板台座に搭載したことである。そのため、金ワイヤが伸び縮みすることがなく、金属疲労による金ワイヤの切断の問題は生じない。よって、本発明を適用することにより、LN光変調器としてのパッケージのコストを著しく低減しつつ、LN基板の強度の確保、熱膨張係数の違いにより生じるLN光変調器としての特性の変化とLN基板の破壊、及び電気的終端と進行波電極とを接続する金ワイヤの金属疲労による切断などの問題を完全に解決することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図7から図9に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1に本発明の第1の実施形態についての斜視図を、図2にその上面図を示す。また、図2のB−B’における断面図を図3に示す。図中、50はコバールなどの金属筐体である。本実施形態と図7に示した従来技術との大きな違いの一つは、金属筐体50の材料と構成、及びその製作方法である。
本実施形態ではまずLN基板と基板台座は強固に固定されており、基板台座がLN基板の補強板の役割をしてLN基板の機械的強度を確保している。パッケージに関しては、まず筐体台座12と、筐体台座12に一体化、もしくは別体化されている底板33と、通常四面からなる側壁32、及びコネクタ6の心線7aを包含するコネクタ保持部70とを当初別体として作り、その後これらを半田付けや銀ロウ付けにより接合して金属筐体50を製作するという簡単な工程を用いる(図1と図3を参照)。
例えば銀ロウ付けでは、筐体台座12と、筐体台座12に一体化、もしくは別体化されている底板33と側壁32及びコネクタ保持部70など、LN光変調器用として必要な一連の部品を組み立て、それを高温の炉の中を通過させることにより簡単に接合を行うことができるので、従来技術における切削加工による削り出しで製作する方法と比べて飛躍的に低いコストで金属筐体50を製作することが可能となる。
本実施形態と図7に示した従来技術とのもう一つの大きな違いは、x−カットLN基板1と熱膨張係数が近いステンレス材料などからなり、面積的に充分広い基板台座13を新たに設け、x−カットLN基板1のみではなく、電気的終端8もその広い基板台座13の上に搭載し、固定している点である。そして、基板台座13をほぼ平面状の筐体台座12に載置するという簡単な構造を用いている。
なお、上述のように筐体台座12と底板33は別体であっても良いし、一体化されていても良い。なお、筐体台座12が別体であっても、底板33、側壁32、あるいはコネクタ保持部70とともに半田付けや高温の炉の中での銀ロウ付けにより一体化する。つまり、最終的に筐体台座12、底板33、側壁32、及びコネクタ保持部70は一体として金属筐体50を形成している。従って、基板台座13を筐体台座12に固定するとは、換言すると基板台座13を金属筐体50に固定することと等価である。そのため、本明細書においては基板台座13を筐体台座12に固定するという記述は基板台座13を金属筐体50に固定することを意味している。
以下に説明するように、この電気的終端8を基板台座13の上に搭載することが極めて重要な意味を持つ。図4は基板台座13の一例についての上面図である。ここで、14は基板台座13を筐体台座12に固定するための固定用ネジである。この固定用ネジ14は高周波電気信号を入力するための入力用フィードスルー部20の中心導体4a’とコネクタ6の心線7aの接合部近辺に設けている。なお、上述のように図4は基板台座13の一例であり、基板台座13の形状はこれに限らないことは言うまでもない。例えば、図4では図1のコネクタ保持部70が入るための切り欠き部71を設けるほど基板台座13の横幅を広くしているが、これほど広くしないという選択肢もある。
図4のC−C’における断面図を図5に示す。ここで、しなり防止用ネジ16は基板台座13を筐体台座12にある程度の隙間を介して固定しており、LN光変調器が機械的な振動や衝撃を受けた際に、基板台座13やx−カットLN基板1が上下方向に大きくしなるのを防ぐ役割をしている。また、15は基板台座13が熱膨張・熱収縮する際のスライド用の空間である。さらに、しなり防止用ネジ16とスライド用の空間15という簡単な構成により、基板台座13が左右にぶれるのを防いでいる。また、しなり防止用ネジ16とスライド用の空間15の代わりに、弾性の大きな接着剤を用いて基板台座13と筐体台座12とを固定しても良い。さらには、基板台座13の機械的強度が大きい場合には、しなり防止用ネジ16とスライド用の空間15、あるいは弾性の大きな接着剤などは不要である。なお、これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
ここで、固定用ネジ14により基板台座13と筐体台座12は機械的に極めて強固に接合されている。そして、この固定用ネジ14とコネクタ6の心線7aとの距離は数mm程度、あるいは距離が長くても高々10mm程度以内なので、ヒートサイクル試験や環境温度が変化した際における基板台座13と筐体台座12についての熱膨張係数の差は問題にならない。さらに、固定部以外では、基板台座13と筐体台座12は機械的にフリーである。このように、一部のみを強固に固定することを部分的に固定すると呼ぶ。
次に、熱膨張について詳しく考察する。LN光変調器をヒートサイクル試験にかけたり、環境温度が変化すると、基板台座13(及びこれとほぼ同じ熱膨張係数のx−カットLN基板1)と筐体台座12は熱膨張係数が大変異なるので、互いに独立に大きく熱膨張や熱収縮する。その結果、基板台座13と筐体台座12が同じ長さとなるように設計していても、基板台座13と筐体台座12とでは温度に伴う伸び縮み量が異なり、結果的に長さが異なることになる(従来技術の説明において述べたように、x−カットLN基板1の長さ(図1や図2においてLtotal)が70mm程度ある場合には、例えば−40℃から80℃までのヒートサイクル試験における120℃の温度差でコバールとステンレス及びx−カットLN基板1とでは108μmもの長さの差が生じる)。
ところが、本実施形態では、基板台座13と筐体台座12は限られた部分においてのみ固定用ネジ14(あるいはYAGレーザ溶接や半田付けなどでも良い)により極めて強固に機械的に接合されており、他の部分は互いにフリーなので、ヒートサイクル試験や実際の環境温度が変化しても、空間15を介して伸び縮みをすることができる。従って、基板台座13と筐体台座12の間に大きな機械的ストレスが生じることはない。また、x−カットLN基板1にも大きなストレスが加わることはなく、LN光変調器としての特性が変化することもx−カットLN基板1が破壊されることもない。
さらに、本実施形態において極めて重要な点は、図1や図2からわかるように電気的終端8もx−カットLN基板1と一緒に基板台座13に固定されていることである。そして、接地導体4b、4cと基板台座13とを接続することにより接地導体4b、4cとしての電気的アースをとっている。
これまでの説明からわかるように、x−カットLN基板1と基板台座13はほぼ同じ熱膨張係数なので同程度の伸び縮みをする。従って、ヒートサイクル試験の際や環境温度が変化した場合に、基板台座13に搭載されたx−カットLN基板1と電気的終端8は一体として、筐体台座12とは独立に伸び縮みをするので、ヒートサイクル試験の際に金ワイヤ10a、10b、10cが機械的に動かされることはなく、金ワイヤ10a、10b、10cに金属疲労が発生する心配はない。
その結果、コバールにより切削加工が必要なステンレスよりも飛躍的に低コストなパッケージ(金属筐体50)を実現でき、さらに従来技術において問題となっていたヒートサイクル試験や環境温度が変化した場合における金ワイヤの切断やはがれ、コネクタの心線のはがれなどの問題も完全に解決できた。なお、図3では基板台座13を略L字状としたが、これを略平板としておけば、基板台座13を製作するコストを低減する効果が著しい。
以上では、高周波電気信号に着目して説明したが、光変調のバイアス点を決定するDCバイアス電圧に関しては、金ワイヤが長くなるので温度変化による熱膨張に起因する金属疲労は問題になりにくい。しかしながら、DCバイアス供給用の線路基板を別途製作し、基板台座13上に固定して、これから供給しても良い。あるいは、DCバイアス供給用の線路基板を金属筐体50の内部に固定するとともに、DCバイアス供給用の線路をx−カットLN基板1上に形成し、DCバイアス供給用の線路基板からx−カットLN基板1上に形成したDCバイアス供給用の線路にDCバイアス電圧を供給しても良い。なおこの時、DCバイアス供給用の線路基板からx−カットLN基板1上に形成したDCバイアス供給用の線路への電気的接続は基板台座13を筐体台座12に固定した付近におけるx−カットLN基板1上で行うと熱膨張の影響をほぼ除去できる。そして、これらのことは本発明の全ての実施形態において言える。
また、本実施形態では基板台座13をコネクタ6の心線7a近傍において筐体台座12に固定するとして説明したが、筐体台座12への基板台座13の固定箇所はこの限りではない。例えば、基板台座13の長手方向の中央付近を長さ10mm程度にわたって筐体台座12に固定することにより、ヒートサイクル試験時や環境温度の変化時での熱膨張に起因する基板台座13と筐体台座12の長さの差を長手方向の両側に分散させても良い。なお、この考え方は本発明の全ての実施形態について言える。
[第2の実施形態]
本発明における第1の実施形態について説明した図5において、LN光変調器が機械的な振動や衝撃を受けた際に、しなり防止用ネジ16が、基板台座13やx−カットLN基板1が上下方向に大きくしなるのを防ぐ役割をしていることを述べた。但し、しなり防止用ネジ16を用いる方法は上下方向のしなりを防ぐ構造としての一例にしか過ぎず、他にも各種ある。
このしなりを防ぐ他の構造例を本発明の第2の実施形態として図6に示す。ここで、60はしなり防止治具であり、その底面が底板33に固定されるとともに、ごくわずかな隙間を介して基板台座13を抑えることにより、LN光変調器が振動や衝撃を受けた際に、基板台座13やx−カットLN基板1が上下にしなるのを防いでいる。勿論、しなり防止治具60と基板台座13は互いには固定されていないので、基板台座13やx−カットLN基板1は長手方向には伸び縮みが可能である。
なお、この場合には第1の実施形態として示した図4や図5のしなり防止用ネジ16や空間15は不要である。また、しなりの防止にはこの他にも種々あるが、どの方法を用いても良いことは言うまでもない。本実施形態においても、しなり防止治具60という簡単な構成で基板台座13の左右のぶれを防いでいる。なお、本実施形態では一つのしなり防止治具60と側壁32という少ない構成要素で左右のぶれを防ぐことができるのも特徴である。
[各実施形態について]
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。また、本発明はプレーナ構造にも適用できるし、リッジ構造や基板を極めて薄くしたLN光変調器にも適用できることは言うまでもない。
なお、LN光変調器をトランスポンダなどの外部装置に固定するためのネジ穴は通常、金属筐体の裏に設けられている。本発明においてこれを実現するには、図1に示した第1の実施形態において、コネクタ保持部、底板、あるいは側壁を別体で製作し、その後、これらを半田や銀ロウなどで固定したのと同様に、トランスポンダへの固定用のネジ穴を有する金属ブロックを別体で製作し、これを底板や側壁に半田や銀ロウ付けなどで固定すればよい。
また、以上の実施形態においては、x−カット、y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板でも良いし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いし、LN基板のみでなく、リチウムタンタレートなどその他の基板でも良いことは言うまでもない。
なお、本発明においては電気的終端を基板台座の上に搭載するとして説明してきたが、側壁、底板、コネクタ保持部などを別体で製作し、その後半田付けや銀ロウ付けなどにより一体化して筐体を構成するという考え方は、電気的終端を用いない電界センサなどにも適用可能である。
また、以上の説明においては筐体は金属として説明してきたが、プラスチックやセラミックなどその他の材料でもよいことはいうまでもない。
以上のように、本発明に係る光変調器は、低コストで信頼性が高く、製作の歩留まりの良い光変調器として有用である。
本発明の第1の実施形態における光変調器の模式的な斜視図 本発明の第1の実施形態における光変調器の模式的な上面図 本発明の第1の実施形態における光変調器の模式的な上面図である図2のA−A’における断面図 本発明の第1の実施形態において使用したしなり防止治具の上面図 本発明の第1の実施形態において使用したしなり防止治具の上面図である図4のC−C’における断面図 本発明の第2の実施形態における光変調器の模式的な斜視図 従来技術の上面図 従来技術のA−A’線における断面図 従来技術の斜視図
符号の説明
1:x−カットLN基板(基板、LN基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極(電極)
4a、4a’、4a’’:中心導体
4b、4c:接地導体
5:金属筐体
6:RF電気信号入力用のコネクタ(コネクタ)
7a:コネクタの心線
7b、7c:金ワイヤ
8:電気的終端
9a、9b:抵抗
10a、10b、10c:金ワイヤ
11、12:筐体台座
13:基板台座
14:固定用ネジ
15:空間
16:しなり防止用ネジ
20:入力用フィードスルー部
21:出力用フィードスルー部
30:金属筐体5の側壁(側壁)
31:金属筐体5の底板(底板)
32:金属筐体50の側壁(側壁)
33:金属筐体50の底板(底板)
40:コネクタ保持部
50:金属筐体(筐体)
60:しなり防止治具
70:コネクタ保持部
71:切り欠き部

Claims (7)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる電極と、該電極と電気的に接続された電気的終端と、前記基板を内蔵し、側壁と底板を具備する筐体とを有し、
    前記基板の長手方向の一端側寄りに、前記中心導体と前記接地導体とを含んでなる入力用フィードスルー部を有し、当該入力用フィードスルー部の前記中心導体に前記基板の側面側からコネクタの心線が接続され、当該コネクタを介して外部から前記高周波電気信号が入力され、
    前記基板の長手方向の他端側寄りに、前記中心導体と前記接地導体とを含んでなる出力用フィードスルー部を有し、当該出力用フィードスルー部に前記基板の側面側から前記電気的終端が電気的に接続されている光変調器において、
    前記筐体とは別体で前記基板の厚み方向における前記基板と前記筐体との間に熱膨張係数が前記筐体より前記基板に近い基板台座を具備し、該基板台座に前記基板を一体的になるように固定し、かつ前記基板台座は前記光導波路の光導波方向に伸縮可能となるよう、前記入力用フィードスルー部の前記中心導体と前記コネクタの心線との接続部の近辺にて前記筐体に伸縮不可能に固定されているとともに、前記出力用フィードスルー部の近辺で前記筐体に伸縮可能に固定されており、
    さらに、前記電気的終端は、前記基板台座に固定されているとともに、前記出力用フィードスルー部の前記中心導体及び前記接地導体とそれぞれ金ワイヤを介して電気的に接続されていることを特徴とする光変調器。
  2. 前記筐体はFe、Ni、及びCoを含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記基板台座はステンレスであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光変調器。
  4. 前記基板は長手方向がx−カット、及びy−カットの少なくとも一方の成分を含むリチウムナイオベートからなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の光変調器。
  5. 別体でなる前記側壁と前記底板とが半田付け又は銀ロウ付けにより組み立てられて前記筐体をなすことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の光変調器。
  6. 別体からなるコネクタ保持部、もしくは外部装置へ固定するためのネジを有する別体からなる金属ブロックの少なくとも一つをさらに半田付け又は銀ロウ付けにより組み立てられて前記筐体をなすことを特徴とする請求項5に記載の光変調器。
  7. 前記接地導体と前記基板台座とを電気的に接続することにより前記接地導体の電気的アースをとっていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の光変調器。
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