以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は本発明の一実施形態に係る遊技機としてのスロットマシンを示し、1はスロットマシンの遊技面である前面部を構成する前扉であって、この前扉1は、筐体2の前方開口部に正面側から向かって左側をヒンジ側として開閉可能に取り付けられている。
上記前扉1の上部には上部ランプ3、液晶表示部4及び左右2つのスピーカ5a,5bが設けられているとともに、前扉1の中央部には中央パネル6及び中央操作部7が設けられている。液晶表示部4は、遊技の進行に応じてキャラクターなどを画面上に表示して遊技演出を行うようになっている。中央パネル6は、アクリル板のような透明な合成樹脂板や強化ガラス板などの裏面にシルクスクリーン印刷により絵柄や模様などを施してなり、この中央パネル6には、シルクスクリーン印刷を施さず透明なままの部分である矩形状のリール表示窓8が形成されている。また、中央操作部7にはメダル投入口11、スタートレバー12、3つの停止スイッチ13,13,13及びマックスベットスイッチ14などが設けられており、中央操作部7よりも下側の前扉1の下部には下部パネル16、メダル払出口17及びメダル受け皿18が設けられている。
上記筐体2内には、図2に示すように、前扉1のリール表示窓8に対向してリール装置21が配置されている。このリール装置21は、各々独自に回転する横並び3つの回転リール22a,22b,22cを有しており、これらの回転リール22a〜22cの外周面にはそれぞれ複数の図柄(図示せず)が施され、前扉1を閉じた状態で各回転リール22a〜22c毎3つずつ計9つの図柄が前扉1のリール表示窓8を通して外部に見えるようになっている。また、筐体2内のリール装置21上側には、スロットマシンの主制御基板45(図6及び図7参照)を収容する主基板ケース23が取付プレート24を介在して筐体2の背面部に固定して配置されているとともに、筐体2内のリール装置21右側には内部中継基板25が筐体2の側壁部に固定して配置されており、筐体2内のリール装置21下側にはホッパー装置26及び電源ユニット27などが配置されている。
一方、上記前扉1の裏面側には、図3に示すように、液晶表示部4及びスピーカ5a,5bなどを制御する副制御基板(図示せず)を収容する副基板ケース31が取り付けられているとともに、中央パネル6のリール表示窓8周辺で各種の報知を行う報知器(図示せず)を装着するための内枠パネル32が取り付けられており、この内枠パネル32の下部には更にその上から扉中継基板33が取り付けられている。副基板ケース31内の副制御基板及び扉中継基板33は、それぞれ別々のケーブル(扉中継基板33の場合、図13中の符号81)を介して上記主基板ケース23内の主制御基板45に接続されている。また、前扉1の裏面側には、各停止スイッチ13に接続した停止スイッチ基板34が取り付けられているとともに、メダル投入口11から投入されたメダルを選別するためのセレクター35及びメダル払出通路36などが取り付けられている。
ここで、図示していないが、上記主制御基板45には、スロットマシンの遊技動作を司る中央演算処理装置(CPU)、遊技動作に関する情報を記憶した読み出し専用記憶装置としてのROM49(図6参照)などが実装されている。そして、スロットマシンは、スタートレバー12の操作が行われたことに応じて、上記CPUで抽選を行うとともに、回転リール22a〜22cを一斉に回転させる。その後、各停止スイッチ13の操作に応じて、対応する回転リール22a〜22cを、上記抽選の結果と、各停止スイッチ13の操作のタイミングとに応じて、所定の駒数以内にて停止させるように構成されており、また、所定の入賞図柄の組み合わせがリール表示窓8の有効入賞ライン上に停止したとき、所定枚数の遊技媒体としてのメダルを払出口17から払い出すようになっている。上記主制御基板45は、スタートレバー12の信号を受けて各回転リール22a〜22cの回転を指令する信号を出力し、また、入賞が成立したことを判定した後所定枚数のメダルの払出を指令する信号を出力することによって、遊技動作を実現している。この主制御基板45には、上述した各信号の入出力のため、あるいは主制御基板45に電源を供給するためのコネクタが複数設けられている。
本発明の遊技機用基板ケースは、本実施形態の場合、上記主基板ケース23に適用したものであり、この主基板ケース23の第1の実施形態としての具体的な構造を、図4ないし図12を用いて以下に説明する。
すなわち、上記主基板ケース23は、図4ないし図7に示すように、上ケース41と下ケース42とにより収容空間としての矩形箱型のケース本体43を構成し、このケース本体43内に、ROM49やコネクタ44a,44b,44c,44dなどの電子部品を実装した主制御基板45を収容するものである。下ケース42の下面には、主基板ケース23を筐体2の背面部の取付プレート24に取り付けるための取付部材28が固定されている。
上記上ケース41及び下ケース42は、共に透明又は半透明なアクリル樹脂などの合成樹脂からなり、下ケース42の互いに対向する2つの短辺のうち、一方の短辺には外方に延出する係合突起部46が形成され、この係合突起部46は、上ケース41の対応する短辺に設けたスリット50内に挿通されて、係合突起部46をヒンジ点として上ケース41が下ケース42に対し開閉されるようになっている。また、上ケース41の開閉ヒンジ点と反対側の短辺には、上ケース41と下ケース42とを結合するための2つの第1の結合部47a,47aと、上ケース41を取付部材28を介して取付プレート24に結合するための4つの第2の結合部47b,47b,…とが短辺に沿って横並びに形成されており、2つの第1の結合部47a,47aは、図示するように、4つの第2の結合部47b,47b,…を間に挟むように設けられている。そして、一回の結合時には、少なくとも1つの第1の結合部47aで締結具48により上ケース41と下ケース42とが分離不能に結合され、また、一回のケース取付時には、少なくとも1つの第2の結合部47bで締結具48により上ケース41と取付部材28とが分離不能に結合される。
また、上記係合突起部46は、スリット50の壁部の厚さよりも長く形成されており、上下ケース41,42の結合時には、図5に示す如く外側に向かって突出するようになっている。そして、主基板ケース23を取付プレート24に取り付ける際には、この係合突起部46を取付プレート24の前扉ヒンジ側の端部に設けた挿通孔(図示せず)に差し込み、ネジ孔56の部分を取付プレート24に通常のネジにより固定することによって取り付けられるようになっている。
上記締結具48は、上ケース41及び下ケース42と同じくアクリル樹脂などの合成樹脂からなるもので、図8に拡大詳示するように、先端に第1の係合爪51を有するピン部52と、このピン部52の基端側の外周を囲繞する円筒状の頭部53と、この頭部53とピン部52の基端とをピン部52の軸線を挟む2個所でそれぞれ連結する連結部54,54とを備えてなる。第1の係合爪51は、ピン部52の先端に形成した逆U字状の溝55を挟んだ両側の部位に形成されていて、下ケース42の後述する係止穴65に挿入される時弾性変形して挿入され易くなっている。頭部53の外周面には、その軸線方向の中央部でかつ軸線を挟む2個所にそれぞれ第2の係合爪57が形成されているとともに、軸線方向の先端側でかつ円周方向に位相が各第2の係合爪57と90度異なる2個所にそれぞれ第3の係合爪58が形成されている。各第2の係合爪57は、その周囲の三方つまり左右両側と先端側とに形成したコ字形の切り欠き溝59により弾性変形可能になっており、また各第3の係合爪58も、その左右両側に形成した切り欠き溝60,60により弾性変形可能になっている。各連結部54は、全長に亘って狭小で脆弱に形成されており、特に、頭部53寄りの部位に幅寸法が他の部位よりも小さい脆弱部54aを有している。
一方、上記第1及び第2の各結合部47a,47bは、図9及び図10に詳示するように、それぞれ締結具48の頭部53が嵌合可能な底部47cを有する円筒状に形成されており、その深さは締結具48の頭部53の軸線方向の長さ寸法と略同一に設定されている。この各結合部47a,47bの内周面には、第2の結合部47bの場合、図10に示すように、開口寄りの軸線を挟む2個所にそれぞれ、締結具48の頭部53が結合部47b内に浅く嵌合する仮止め状態のとき上記各第3の係合爪58が係合する仮止め用の係止凹部61が形成されているとともに、深さ方向の中央部でかつ円周方向に位相が各仮止め用の係止凹部61と90度異なる2個所にそれぞれ、図11(a)に示す如く締結具48の頭部53が結合部47b内に嵌合した結合状態のとき上記各第2の係合爪57が係合する結合用の係止凹部62が形成されている。また、各結合部47a,47bの底部47cには、上記結合状態のとき締結具48のピン部52が貫通する貫通孔63が設けられている。
上記下ケース42及び取付部材28には、取付部材28の場合、図10及び図11に示すように、上ケース41の各結合部47a,47bに対応して、それぞれ締結受け部64が設けられている。この締結受け部64は、取付プレート24上に支持された台座形のもので、締結受け部64の中心には、締結具48の頭部53が結合部47a,47b内に嵌合したときそのピン部52先端の第1の係合爪51が抜け止め状態に係合する係止穴65が設けられており、これにより、上ケース41の結合部47a,47bと下ケース42又は取付部材28の締結受け部64との間で両ケース41,42又は上ケース41と取付部材28が締結具48によって分離不能に結合される。この結合状態を解除して両ケース41,42又は上ケース41と取付部材28を開放するときには、締結具48の2つの連結部54,54の各脆弱部54aを共にニッパなどで切断すると、図11(b)に示すように、締結具48の頭部53は上ケース41の結合部47a,47b内に嵌合した状態のまま残り、締結具48のピン部52のみが上ケース41の結合部47a,47bの貫通孔63から下ケース41又は取付部材28の締結受け部64に抜け落ちて結合状態が解除されるようになっている。
さらに、図4ないし図6に示すように、上記上ケース41は、その長手方向の両端部分が中央部よりも一段低く形成されており、この上ケース41の長手方向両端部分には主制御基板45に実装された各コネクタ44a〜44dに対向して複数(図では4つ)の開口部66,67,68,69が設けられ、これらの開口部66〜69を通してそれぞれ主制御基板45側の各コネクタ44a〜44dに対しケーブル側のコネクタ(図示せず)が接続される。ここで、主制御基板45側のコネクタ44a〜44dのうち、コネクタ44aは、前扉1裏面側の扉中継基板33にケーブル81を介して接続されるものであり、主基板ケース23の取付時にはこのコネクタ44aが筐体2内部の前扉ヒンジ側側壁部に近接するようになっている(図2参照)。また、コネクタ44bは、前扉1裏面側の副基板ケース31内に収納された副制御基板にケーブル(図示せず)を介して接続されるものであり、コネクタ44cは、筐体2内の電源ユニット27にケーブル(図示せず)を介して接続されるものであり、コネクタ44dは、筐体2内の内部中継基板25にケーブル82を介して接続されるものである。
そして、上記主制御基板45側のコネクタ44a及びコネクタ44dには、それぞれそのコネクタ44a,44dとそれに接続されるケーブル側のコネクタとを共に覆うコネクタカバー71,72が装着されている。この両コネクタカバー71,72は、共にアクリル樹脂などの透明又は半透明な合成樹脂からなり、コネクタカバー71の内側側面には、コネクタ44aに接続されたケーブル81を外部に導出させるための切り欠き部73が形成されている一方、コネクタカバー72の外側側面にも、同様にコネクタ44dに接続されたケーブル82を外部に導出させるための切り欠き部74が形成されている。
上記コネクタカバー71は、図6及び図7に示し、また図12に詳示するように、その開口面積が上ケース41の開口部66のそれよりも一回り大きく形成されており、このコネクタカバー71の長手方向両側には、コネクタカバー71を開口部66に装着したとき、それぞれ上ケース41の開口部66近傍に設けた挿入孔75と主制御基板45に設けた挿入孔76とに挿入して主制御基板45の挿入孔76に係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部77,77が形成されており、この各係合部77は、上ケース41と下ケース42との結合を解除してケース本体43の内側である主制御基板45の裏側からのみ係合状態を解除可能に設けられており、各係合部77の係合状態は、係合部77を破壊することなく主制御基板45の裏面側から係合部77を弾性変形により撓ませた状態でコネクタカバー71を引く抜くことで解除可能に設けられている。
また、上記コネクタカバー72は、図6及び図7に示すように、コネクタカバー71の場合と同様に、その開口面積が上ケース41の開口部69のそれよりも一回り大きく形成されており、このコネクタカバー72の長手方向両側には、コネクタカバー72を開口部69に装着したとき、それぞれ上ケース41の開口部69近傍に設けた挿入孔78と主制御基板45に設けた挿入孔79とに挿入して主制御基板45の挿入孔79に係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部80が形成されており、この各係合部80は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して主制御基板45の裏側からのみ係合状態を解除可能に設けられており、各係合部80の係合状態は、係合部80を破壊することなく主制御基板45の裏面側から係合部80を弾性変形により撓ませた状態でコネクタカバー72を引き抜くことで解除可能に設けられている。
一方、上記主制御基板45側のコネクタ44aにケーブル81を介して接続された前扉1裏面側の扉中継基板33は、通常、専用のケース内に収容することなく露出した状態で内枠パネル32の下部上に取り付けられるが、本実施形態の場合、図13に拡大詳示するように、この扉中継基板33に実装されたコネクタ83a,83b,83cを含めて扉中継基板33の取付面と反対側の表面全体を覆う基板カバー84が装備されている。ここで、扉中継基板33に実装されたコネクタ83a〜83cのうち、コネクタ83aは、上述した主制御基板45にケーブル81を介して接続されるものであり、コネクタ83bは、前扉1裏面側の停止スイッチ基板34にケーブル85を介して接続されるものであり、コネクタ83cは、同じく前扉1裏面側のセレクター35にケーブル86を介して接続されるものである。
上記基板カバー84は、図14及び図15にも示すように、扉中継基板33と対向する略横長矩形状の平面部84aの略全周縁に亘ってフランジ部84bが形成されてなり、扉中継基板33側のコネクタ83a〜83cに対応する部位では、フランジ部84bに切り欠き部85,86が設けられて、ケーブル81,85,86の配線を確保するようになっており、コネクタ83aに対応する部位では、コネクタ83a全体を覆うように平面部84aの縁部を下方に延ばして庇部87が形成されている。上記コネクタ83a〜83cは、切り欠き部85,86の幅寸法を狭く設定することにより、基板カバー84で覆われた状態ではケーブル81,85,86側のコネクタとの脱着が不能になっている。また、基板カバー84は、内枠パネル32に対し、上縁側の左右2箇所でそれぞれ通常のネジ88により固定されているとともに、下縁側の左右2箇所にそれぞれフランジ部84bより下方に突出して形成した固定部89でワンウエイネジ90により固定されている。
上記固定部89は、図16に拡大詳示するように、ワンウエイネジ90が挿入可能な段付き孔91を有する円筒状のものであり、この固定部89と基板カバー84のフランジ部84bとの間には両者を連結しかつ固定部89を基板カバー84から切断し易くするための一対の狭小な連結部である脆弱部92,92が形成されている。また、固定部89には、この一対の脆弱部92,92に挟まれた部位にスリット93が設けられているとともに、段付き孔91の大径孔部の内面には、ワンウエイネジ90の頭部と滑り難くするための一対の鋸刃状の滑り止め部94,94が形成されている。
上記ワンウエイネジ90は、図17に詳示するように、頭部90aのスクリュードライバーと係合する係合溝90bの形状に特徴があるもので、スクリュードライバーでは締め付け方向にのみ操作可能に設けられている。つまり、係合溝90bの壁面のうち、スクリュードライバーによる締め付け時にそのスクリュードライバーと当接する壁面90c,90cは溝底面90dと略直角に交差しているが、締め付けを緩める時にスクリュードライバーと当接する壁面90e,90eは溝底面90dと斜めに傾斜している。従って、このワンウエイネジ90により固定部89ひいては基板カバー84を一旦固定すると一対の脆弱部92,92を共に切断しない限り基板カバー84は分離不能になる。
次に、上記実施形態の作用効果、特に、スロットマシンの筐体2内に装備される主基板ケース23の作用効果を説明するに、この主基板ケース23内に主制御基板45を収納して主基板ケース23の上ケース41と下ケース42とを少なくとも1つの第1の結合部47aで締結具48により分離不能に結合した後、主制御基板45のコネクタ44a,44dに対し、それぞれ上ケース41の開口部66,69を通してケーブル側のコネクタを接続し、この両コネクタを覆ってコネクタカバー71,72を装着するとこの各コネクタカバー71,72は、その長手方向両側に設けた係合部77,77又は80,80がそれぞれ主制御基板45に設けた挿入孔76,76又は79,79に挿入して係合するようになり、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して主制御基板45の裏側からでないと解除できなくなる。このため、不正な遊技者などがコネクタカバー71,72を外して主制御基板45側のコネクタ44a,44dに不正な機器を接続することは容易ではなく、その分不正行為を防止することができる。また、仮に締結具48の脆弱部54aをニッパなどで切断することにより、上ケース41と下ケース42との結合を解除してコネクタカバー71,72を取り外した場合にはその解除の痕跡が残ることからも不正行為を予防ないし防止することができる。
一方、コネクタカバー71,72を装着した後コネクタ44a,44dの抜き差しが必要になるときは主制御基板45のメンテナンス時や検査時などで主基板ケース23を開放するときでもあることから、上述の如く主基板ケース23の上ケース41と下ケース42との結合を解除して主基板ケース23を開放した後、この主基板ケース23の内側である主制御基板45の裏側から各コネクタカバー71,72の係合部77,80と主制御基板45の挿入孔76,79との係合状態を解除することにより、各コネクタカバー71,72を容易に取り外すことができるので、メンテナンス作業などに支障を来すことはない。
特に、本実施形態の場合、主基板ケース23の開放時には、締結具48による結合を解除した後、下ケース42の係合突起部46を上ケース41のスリット50から引き抜く方向に下ケース42を上ケース41に対しスライドさせることにより、下ケース42を外すことができるが、このとき、主制御基板45は、図7に示す如くROM49などの実装面を上ケース42に向けた状態でコネクタカバー71,72によって上ケース41と一体に保持されている。このため、主制御基板45からROM49などを取り外すのに時間を要することになり、不正行為の防止化をより図ることができる上、メンテナンス時などに下ケース42を不用意に外した場合でも主制御基板45が落下してしまう虞が少なくなり、安全性を高めることができる。
また、図7に示す状態から、各コネクタカバー71,72の係合部77,80を主制御基板45から外すと、図6に示すように、主制御基板45を取り外すことができる。このように、コネクタカバー71,72の取り外し時にその係合部77,80を破壊することなく、係合状態を解除することができるので、コネクタカバー71,72の取り替えを必要とせず、その分コストの低廉化及び利便性の向上を図ることができる。
さらに、上記主基板ケース23内に収納された主制御基板45側のコネクタ44aにケーブル81を介して接続されかつ専用のケース内に収納することなく露出した状態で前扉1裏面側に取り付けられた扉中継基板33は、上記ケーブル81と接続されるコネクタ83aを含めて扉中継基板33の取付面と反対側の表面全体が基板カバー84によって覆われており、またこの基板カバー84は、その下縁側の2箇所にそれぞれ形成した固定部89でワンウエイネジ90により分離不能に固定されているため、扉中継基板33側のコネクタ83aに接続されたケーブル81を外した上このケーブル81を利用して主制御基板45に不正な信号を入力するなどの不正行為を防止することができる。この結果、上述した主基板ケース23側での不正行為の防止構造と相俟って不正行為の防止効果を確実に高めることができる。
その上、上記扉中継基板33のメンテナンス時などには、基板カバー84の各固定部89においてその固定部89と基板カバー84のフランジ部84bとを連結する一対の脆弱部92,92をニッパなどで切断して固定部89を基板カバー84から切り離すことにより、基板カバー84を取り外すことができるので、メンテナンス作業に支障を来すことはなく、実施化を容易に図ることができる。また、基板カバー84を取り外した後新しい基板カバー84を取り付けるに当たっては、前扉1裏面側の内枠パネル32上に残った固定部89をワンウエイネジ90と共に取り外す必要があるが、固定部89にスリット93が設けられているとともに、固定部89の段付き孔91の大径孔部内面に一対の鋸刃状の滑り止め部94,94が形成されているため、ラジオペンチなどで固定部89の外周側からワンウエイネジ90を挟んで回す際に上記各滑り止め部94がワンウエイネジ90の頭部90aに食い込んでワンウエイネジ90をも容易に回すことができ、この点からも実施化を図る上で有利なものである。
図18は本発明の第2の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例、特に主制御基板45に実装されたコネクタ44aとこれに接続されるケーブル側のコネクタ(図示せず)とを覆って装着されるコネクタカバー101の変形例を示すものである。
すなわち、上記コネクタカバー101は、第1の実施形態におけるコネクタカバー71と同じく、その開口面積が上ケース41の開口部66のそれによりも一回り大きく形成されており、また、このコネクタカバー71の長手方向両側にはそれぞれ前方に延出しかつ内向きに突出した一対の矢尻形の係合部102,102が形成されているが、この各係合部102は、コネクタカバー101を開口部66に装着したとき、それぞれ上ケース41の開口部66近傍に設けた挿入孔75に挿入した後主制御基板45の縁部に係合し、かつその係合状態は上ケース41と下ケース42との結合を解除してケース本体43の内側である主制御基板45の裏側からのみ解除可能に設けられており、各係合部102の係合状態は、係合部102を破壊することなく主制御基板45の裏面側から係合部102を弾性変形により撓ませた状態でコネクタカバー101を引き抜くことで解除可能に設けられている。尚、主基板ケース23のその他の構成は、第1の実施形態の場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
そして、上記第2の実施形態においては、第1の実施形態の場合と同様な作用効果を奏することができる上、第1の実施形態の如く主制御基板45に、コネクタカバー101の係合部102を挿入して係合する挿入孔を設ける必要がないので、実施化を図る上で有利である。
図19ないし図23は本発明の第3の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例、特に主制御基板45側のコネクタ44aなどを覆って装着されるコネクタカバー111などの変形例を示すものである。
すなわち、上記コネクタカバー111は、主基板ケース23の上ケース41の開口部66を通して外部に突出する主制御基板45側のコネクタ44aの上方及び周囲四方のうち内側側方を除く三方を覆うカバー本体111aと、このカバー本体111aの長手方向両側にそれぞれ外向きに形成された一対の水平なフランジ部111b,111bとからなる。一方、主基板ケース23の上ケース41には、開口部66をその長手方向に挟んだ両側に上記コネクタカバー111の各フランジ部111bが摺動可能に嵌合する一対のガイド溝112,112が設けられているとともに、開口部66の内側側方に沿って垂直に立った垂直壁113が設けられている。そして、コネクタカバー111は、その各フランジ部111bがガイド溝112に嵌合してその案内の下に上ケース41の開口部66を覆う被覆位置と、各フランジ部111bがガイド溝112から上ケース41側方に外れて上ケース41の開口部66を開放する開放位置との間を摺動可能に設けられており、被覆位置ではコネクタカバー111が上ケース41の垂直壁113に当接し、この両者で主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル側のコネクタを覆うようになっている。
また、上記コネクタカバー111のカバー本体111aの外側側面には、コネクタ44aに接続されたケーブル81を外部に導出させるための切り欠き部114が形成されているとともに、コネクタカバー111の各フランジ部111bにはそれぞれ、下向きに突出したフック状の係合部115と、この係合部115の周囲三方をコ字状に切り欠いた切り欠き溝116とが1つずつ設けられている。そして、コネクタカバー111が上述した被覆位置に摺動したとき上記各係合部115が上ケース41に設けた陥入孔117に陥入して係合するようになっており、その係合状態は、主基板ケース23の上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からのみ解除可能に設けられており、各係合部115の係合状態は、係合部115を破壊することなく上ケース41の内側から係合部115を弾性変形により撓ませた状態でコネクタカバー111を被覆位置から摺動することで解除可能に設けられている。
尚、主基板ケース23のその他の構成は、第1の実施形態の場合と同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
そして、上記第3の実施形態においては、コネクタカバー111が上ケース41の開口部66を覆う被覆位置に摺動したとき、このコネクタカバー111の両側のフランジ部111b,111bに設けた一対の係合部115,115がそれぞれ上ケース41の陥入孔117に陥入して係合するようになっており、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からでないと解除できないため、第1の実施形態の場合と同様に、コネクタカバー111を外して主制御基板45側のコネクタ44aに不正な機器を接続することなどの不正行為を防止することができる。
その上、上記コネクタカバー111は、被覆位置から開放位置に摺動するとき各フランジ部111bがガイド溝112から上ケース41の側方に外れるようになっているが、図2に示すように、スロットマシンの筐体2の背面部に取り付けられた主基板ケース23の上ケース41のコネクタカバー111外れ側の側方は、筐体2の左側側壁部に近接しているため、主基板ケース23を筐体2の背面部から取り外さなければコネクタカバー111を取り外すことができない。このため、上述したコネクタカバー111の係合部115による係合構造と相俟ってコネクタカバー111を不正に外すのを2重に防止することができ、不正行為の防止化をより図ることができる。
図24ないし図27は本発明の第4の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例、特に主制御基板45側のコネクタ44aなどを覆って装着されるコネクタカバー121などの変形例を示すものである。
この第4の実施形態の場合、主制御基板45側のコネクタイ44aは、その接続面を外向きにした横倒し状態で実装されており、主基板ケース23の上ケース41には、このコネクタ44aに対向して、側端面の下縁から切り欠いてなる開口部122が設けられているとともに、この開口部122を長手方向に挟む両側に一対の挿入孔123,123が設けられている。
一方、上記コネクタカバー121は、その開口面積、特に本実施形態の場合長手方向長さが上ケース41の開口部122のそれよりも大きく形成されており、このコネクタカバー121の長手方向両側には、コネクタカバー121で上記主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタ(図示せず)を覆って装着したとき、それぞれ上記挿入孔123に挿入して係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部124,124が形成されており、この各係合部124は、主基板ケース23の上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からのみ係合状態を解除可能に設けられており、各係合部124の係合状態は、係合部124を破壊することなく上ケース41の内側から係合部124を弾性変形により撓ませた状態でコネクタカバー121を引き抜くことで解除可能に設けられている。
そして、上記第4の実施形態においても、コネクタカバー121で主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタを覆って装着したとき、コネクタカバー121の長手方向両側に設けた一対の係合部124,124がそれぞれ上ケース41の挿入孔123に挿入して係合するようになり、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からでないと解除できなくなるので、第1の実施形態の場合と同様に不正行為を防止することができる。
また、上記コネクタカバー121は、上ケース41の側端面の側方から装着され、あるいは側方に外されるようになっているが、第3の実施形態の場合に述べたように、スロットマシンの筐体2の背面部に取り付けられた主基板ケース23の上ケース41のコネクタカバー121外れ側の側方は、筐体2の左側側壁部に近接していることから、主基板ケース23を筐体2の背面部から取り外さなければコネクタカバー121を取り外すことができず、不正行為の防止化をより図ることができるという効果を奏する。
図28ないし図33は本発明の第5の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例、特に主制御基板45側のコネクタ44aなどを覆って装着されるコネクタカバー131などの変形例を示すものである。
この第5の実施形態の場合、主制御基板45側のコネクタ44aは、第1の実施形態の場合と同じく、上ケース41の開口部66より外部に延出しており、このコネクタ44aの長手方向両側の爪部132,132は、それぞれ支軸133を中心に回動可能に設けられている。また、上ケース41の開口部66の長手方向両端近傍にはそれぞれ挿入孔134,134が設けられているが、この各挿入孔134は、第1の実施形態の場合の挿入孔75と比べて開口部66から若干離れた位置に設定されている。
一方、上記コネクタカバー131は、図34ないし図38にも示すように、上面部131aの長手方向長さが上ケース41の開口部66の長手方向長さよりも小さく、開口縁131bの長手方向長さが上ケース41の開口部66の長手方向長さよりも大きくなるように、長手方向両端の短辺側壁部131c,131cに互いに開口縁131bに向かって外向きに傾斜する傾斜面部131d,131dを有している。このコネクタカバー131の各短辺側壁部131cには、コネクタカバー131で上記主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタ(図示せず)を覆って装着したとき、それぞれ上記挿入孔134に挿入して係合するように開口縁131bより前方に延出しかつ内向きに突出した矢尻形の係合部135が形成されており、この係合部135の延出長さは、第1の実施形態の場合の係合部77のそれよりも短く設定されている。これに伴い、コネクタカバー131の各短辺側壁部131cには、対応する係合部135が弾性変形により撓み易くなるための一対の可撓性部としての切り欠き溝136,136が形成されているとともに、この係合部135をコネクタカバー131の外側から撓めるのを阻止するためのカバー部137が形成されている。
また、上記コネクタカバー131の内側側面を構成する内側長辺側壁部131eにはコネクタ44aに接続されたケーブル81を外部に導出させるための切り欠き部138が形成されているとともに、コネクタカバー131の内側には、切り欠き部138の両端2個所とそれより内側の2個所の計4個所にそれぞれ、内側長辺側壁部131eと上面部131aと外側長辺側壁部131fとに連接するリブ部139a,139b,139c,139dが形成されている。この各リブ部139a〜139dは、いずれも主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタに沿うような形状に形成されている。具体的には、図38に示されているように、リブ139aは、主制御基板45側のコネクタ44aに当接する部位での幅寸法が大きく、かつケーブル81側のコネクタに当接する部位での幅寸法がこれによりもやや小さい段付きの切り欠きを設けることで接続部分の断面形状に沿った形状になっている。また、切り欠き部138の内側2個所のリブ部139b,139cは、上面部131aから切り欠き部138の上縁位置にまで形成されている一方、切り欠き部138の両端2個所のリブ部139a,139dは、主制御基板45側のコネクタ44aの爪部132との干渉を避けるように両長辺側壁部131e,139f間の中央部が内寄りに段差状でかつ上面部131aから開口縁131bにまで形成されている。
そして、上記第5の実施形態においても、コネクタカバー131で主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタを覆って装着したとき、コネクタカバー131の長手方向両端の短辺側壁部131c,131cに設けた一対の係合部135,135がそれぞれ上ケース41の挿入孔134に挿入して係合するようになり、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からでないと解除できなくなるので、第1の実施形態の場合と同様に不正行為を防止することができる。
その上、上記コネクタカバー131は、その長手方向両端の短辺側壁部131c,131cに互いに開口縁131bに向かって外向きに傾斜する傾斜面部131d,131dを有しているため、主制御基板45側のコネクタ44aの爪部132が僅かに開いている場合でもコネクタカバー131を装着するとその傾斜面部131dが爪部132に接触して爪部132が自動的に閉じられるようになり、主制御基板45側のコネクタ44aとケーブル81側のコネクタとの接続を確実に行うことができる。
また、上記コネクタカバー131の各係合部135は、それぞれ一対の切り欠き溝136,136によって撓み易くなっているため、コネクタカバー131の装着時における上ケース41の挿入孔134への挿入係合及びメンテナンス時などにおける上ケース41の内側からの係合解除を円滑に行うことができる。しかも、コネクタカバー131の各係合部135は、それぞれそれを覆うカバー部137によってコネクタカバー131の外側から撓めることができないので、不正行為の防止化を確実に図ることができる。
さらに、上記コネクタカバー131は、その長手方向両端の短辺側壁部131c,131cによって主制御基板45側のコネクタ44aの爪部132の開き回動を規制することができる上、コネクタカバー131の内側に設けた複数、本実施形態の場合4つのリブ部139a〜139dによって、コネクタカバー131の切り欠き部138から不正に針金などの部材を挿入してコネクタカバー131をこじ開けるなどの行為を防止することができ、また、この4つのリブ部139a〜139dにより、コネクタカバー131の各部位の剛性が高められているため、係合部135以外の部分を撓めることもできない。この結果、不正行為の防止化をより確実に図ることができるという効果を奏する。
図39は本発明の第6の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例、特に主制御基板45側のコネクタ44aなどを覆って装着されるコネクタカバー141などの変形例を示すものである。
この第6の実施形態の場合、主制御基板45側のコネクタ44aは、第1及び第5の実施形態の場合と同じく、上ケース41の開口部66より外部に延出しており、このコネクタ44aの長手方向両側の爪部142,142は、それぞれ支軸143を中心に回動可能に設けられている。上ケース41の開口部66の長手方向両端近傍には、第1及び第5の実施形態の場合の如き挿入孔75,134の代わりに、それぞれ鉛直上方に突出する外向きフック状の係合爪部144が設けられているとともに、図40に詳示するように、この係合爪部144が弾性変形により撓み易くなるための外向きのコ字状の切り欠き溝145が設けられている。
一方、上記コネクタカバー141は、基本的には、第5の実施形態の場合のコネクタカバー131と同じく、上面部141aの長手方向長さが上ケース41の開口部66の長手方向長さよりも小さく、開口縁の長手方向長さが上ケース41の開口部66の長手方向長さよりも大きくなるように、長手方向両端の短辺側壁部141c,141cに互いに開口縁に向かって外向きに傾斜する傾斜面部141d,141dを有している。また、コネクタカバー141の内側側面にはコネクタ44aに接続されたケーブルを外部に導出させるための切り欠き部(図示せず)が形成されているとともに、コネクタカバー141の内側には、上記切り欠き部の両端2個所とそれより内側の2個所の計4個所にそれぞれリブ部146a,146b,146c,146dが形成されており、これらのリブ部146a〜146dの形状などは、第5の実施形態の場合のリブ部139a〜139dのそれと同じになっている。コネクタカバー141の、第5の実施形態の場合のコネクタカバー131との相違点として、コネクタカバー141の各短辺側壁部141cに、コネクタカバー141で上記主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタ(図示せず)を覆って装着したとき、それぞれ上記係合爪部144と係合する凹状ないし穴状の係合部147と、この係合部147を外側から覆うカバー部148とが形成されている。
そして、上記第6の実施形態においても、コネクタカバー141で主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタを覆って装着したとき、コネクタカバー141の長手方向両端の短辺側壁部141c,141cに設けた一対の凹状の係合部147,147がそれぞれ上ケース41に設けた係合爪部144と係合するようになり、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して上ケース41の内側からでないと解除できなくなるので、第1の実施形態の場合と同様に不正行為を防止することができる。また、コネクタカバー141の構成は、第5の実施形態の場合のコネクタカバー131のそれと略同一であるため、第5の実施形態の場合と同様の作用効果を奏するのは言うまでもない。
図41ないし図43は本発明の第7の実施形態に係る遊技機用基板ケースとして、第1の実施形態の場合と同じくスロットマシンの主制御基板45を収納する主基板ケース23の変形例を示すものである。
この第7の実施形態の場合、主基板ケース23は、基本的には第1の実施形態の場合と同じであるが、主基板ケース23内に収容された主制御基板45側のコネクタ44a及びこれに接続されるケーブル81側のコネクタ151を覆うためのコネクタカバーを備えていない。また、上記ケーブル81側のコネクタ151の長手方向両側には、主制御基板45側のコネクタ44aに接続したとき、それぞれ主制御基板45に設けた挿入孔152に挿入して係合するように前方に延出しかつ内向き又は外向きに突出した一対の矢尻形の係合部153,153が形成されており、この各係合部153は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して主制御基板45の裏側からのみ係合状態を解除可能に設けられている。
そして、上記第7の実施形態においては、主基板ケース23内に収容された主制御基板45側のコネクタ44aに対し、上ケース41の開口部66を通してケーブル81側のコネクタ151を接続するとケーブル81側のコネクタ151は、その長手方向両側に設けた一対の係合部153,153がそれぞれ主制御基板45の挿入孔152に挿入して係合するようになり、この係合状態は、上ケース41と下ケース42との結合を解除して主制御基板45の裏側からでないと解除できなくなるので、第1の実施形態の場合と同様に不正行為を防止することができる。
尚、本発明は上記第1ないし第7の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記第1の実施形態では、主基板ケース23の上ケース41と下ケース42とを第1の結合部47aで締結具48により分離不能に結合するに当たり、締結具48として、ピン部52と、その外周の基端側を囲繞する円筒状の頭部53と、この両部52,53を連結する連結部54とを備えてなる特殊形状のものを用いたが、本発明は、このものに限らず、ワンウエイネジやリベットなどの他の締結具を用いてもよい。
また、上記第5の実施形態では、コネクタカバー131の各短辺側壁部131cに、上ケース41の挿入孔134に係合可能な係合部135を開口縁131bより前方に延出して形成し、この係合部135の外側寄りにコネクタカバー131の外側から係合部135を撓めるのを阻止するためのカバー部137を形成したが、本発明は、図44に示すように、コネクタカバー131の各短辺側壁部131cの内側に、短辺側壁部131cから離れて前方に突出しかつ上ケース41の挿入孔134に係合可能な係合部161を形成してもよい。この場合、コネクタカバー131の各短辺側壁部131c自体が、コネクタカバー131の外側から係合部137を撓めるのを阻止するための機能を有することになる。
さらに、上記第1ないし第6の実施形態では、コネクタカバー71,72,101,111,121,131,141に、上ケース41又は主制御基板45に係合する係合部77,80,102,124,135,147を設けるに当たり、いずれも係合部77,80,102,124,135,147の係合状態を、係合部を収納空間側から破壊することなく解除可能に設けたが、本発明は、場合によっては、例えば図45に示すように、第5の実施形態の如きコネクタカバー131の各短辺側壁部131cにそれぞれ両面矢尻形の係合部166を形成し、この係合部166が上ケースの挿入孔に係合したとき、上ケースの裏側から係合部166を切断しなければ係合部166の係合状態を解除不能にするように構成してもよい。
加えて、上記第7の実施形態では、ケーブル81側のコネクタ151に、主制御基板45側のコネクタ44aに接続したとき主制御基板45に設けた挿入孔152に挿入して係合する係合部153を設けたが、本発明は、主制御基板45の代わりに、上ケース41に設けた挿入孔に挿入して係合する係合部をケーブル81側のコネクタ151に設けるように構成してもよい。同じく第7の実施形態では、ケーブル81側のコネクタ151の長手方向両側に上記係合部153を一対設けるに当たり、この各係合部153をコネクタ151に一体に形成するようにしたが、例えば図46に示すように、ケーブル81側のコネクタ171にその外周を覆って2つ折り状態で装着されるカバー部材172を設け、このカバー部材172の3箇所(コネクタ171の長手方向両側に対応する箇所)にそれぞれ係合部173を一体に形成してもよい。この場合、ケーブル81側のコネクタ171ないしケーブル81自体に、汎用のものを使用できるという利点がある。
また、上記各実施形態では、いずれも本発明の遊技機用基板ケースを、スロットマシンに装備される主基板ケースに適用した場合について述べたが、スロットマシン以外のパチンコ機などの遊技機に装備される基板ケースにも同様に適用することができるのは勿論である。特に、パチンコ機に装備される基板ケースとしては、遊技内容を制御する主制御基板を収容する主基板ケース、各検出器からの遊技球の検出信号を受けて主制御基板に送信するための中継基板を収容する中継基板ケース、主制御基板からの信号を受けて所定数の賞球の払出を行う払出基板を収容する払出基板ケース、主制御基板から払出信号を受けて払出基板に送信するための中継基板を収容する中継基板ケースなどに適用することが望ましく、上記各実施形態で述べたように、基板に対する不正な信号入力による不正な遊技、ひいては不正な遊技媒体の獲得という不正行為を防止できるという効果を奏する。また、上記各実施形態において、コネクタカバーは上下ケースを封止した後に取付可能であるにも拘わらず、取り外しには上下ケースの封止の解除が条件となるため、本発明の基板ケースは、組立時などの利便性を確保しつつ、不正の防止化を図ることができる。また、不正行為の防止に加えて、接続部分の不用意な破損や変形を防止できる。