以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機として具現化した第1の実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、遊技機本体1は、矩形枠状の外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に前面板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着されている。また前枠3の下部には、余剰球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが夫々設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段10によって発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12内の遊技領域13には、その略中央に表示窓14を有する表示枠15が装着され、また表示枠15の下側に特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等が、表示枠15の一側方に普通図柄始動手段19が夫々配置されている。
遊技盤5の裏側には、図2及び図3に示すように、表示枠15の表示窓14に対応して配置され且つ固定板22により遊技盤5に固定された液晶表示パネル20、この液晶表示パネル20を固定板22と共に裏側から覆う保護カバー23、この保護カバー23の下側に近接して遊技盤5に固定された集球ケース24、保護カバー23の裏側の収容凹部26内に配置されたドライバ基板21及び電源インターフェース基板27、演出制御基板28を収容し且つ収容凹部26を裏側から塞ぐように保護カバー23の裏側に着脱自在に固定された演出制御基板ケース29、集球ケース24内に配置された中継基板30、主制御基板31を収容し且つ集球ケース24の裏側に着脱自在に固定された主制御基板ケース32等が設けられている。
表示枠15は、遊技盤5の前面側に当接して装着されたベース板33と、ベース板33の前面に固定され前側に突出する飾り部34と、飾り部34の下部側に形成されたステージ部35と、ベース板33、飾り部34等の内周から後方に屈曲する窓枠部36と、窓枠部36の後端側に装着された透明な窓板37とを備えている。
窓枠部36は遊技盤5の開口38に前側から嵌合され、その後端部側が、窓板37を介して液晶表示パネル20の表示画像を視認可能な表示窓14となっている。ステージ部35は飾り部34の一側の球入り口39から入った遊技球をその下側の落下口40へと案内するためのもので、窓板37と同様に透明に形成されている。
液晶表示パネル20は偏平な横長矩形状に構成されており、演出制御基板28の制御により、ドライバ基板21を介して駆動され、特別図柄始動手段16の遊技球の検出を条件に所定時間変動して大当たり図柄、外れ図柄の何れかで停止する1個又は複数個の演出図柄の変動画像、大当たり発生時の演出画像等の各種の画像を表示可能である。
液晶表示パネル20は、板金製の固定板22の前面側に装着された状態で、その前面が窓板37の後側に近接又は当接するように、固定板22を介して遊技盤5の裏側に固定されている。
保護カバー23は、前側が開放した背面視略矩形状の箱形に形成されており、その前側を液晶表示パネル20及び固定板22で略塞ぐように例えば固定板22の裏側に着脱自在に固定されている。
保護カバー23には、その背壁部41から前向きに固定基部42が複数突設されており、この固定基部42が固定板22の背面側にねじ止め等により着脱自在に固定されている。
また、保護カバー23には、背壁部41の上縁部及び左右の側縁部に沿って周壁部43が後ろ向き突出状に一体形成されており、背壁部41の後側で且つ周壁部43により三方を取り囲まれた領域が収容凹部26となっている。
この収容凹部26内には、液晶表示パネル20駆動用の電源インターフェース基板27とドライバ基板21とが左右に隣接して配置され、背壁部41に着脱自在に固定されている。なお、ドライバ基板21は、収容凹部26内に収容され且つ背壁部41に対して着脱自在に固定される基板カバー44により後側から覆われている。
中継基板30は、遊技盤5側の特別図柄始動手段16、大入賞手段17等の検出スイッチ、ソレノイドその他の電気部品と、演出制御基板28、主制御基板31等との接続を中継するためのもので、特別図柄始動手段16、大入賞手段17の裏側で保護カバー23の下側に配置された取り付け台45に裏側から着脱自在に固定されている。
取り付け台45は遊技盤5と略平行に配置されており、上側が保護カバー23の下側の支持台46に着脱自在に係止され、下側の左右一対の取り付け脚部47がねじ等の固定具を介して遊技盤5に着脱自在に固定されている。
集球ケース24は大入賞手段17、特別図柄始動手段16、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に通過した遊技球を集めて案内口48から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図4等に示すように、上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、保護カバー23の下側に配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
演出制御基板28は、液晶表示パネル20に表示される特別遊技図柄を制御する特別図柄表示制御機能、液晶表示パネル20に表示される各種演出画像を制御する画像演出制御機能、各種表示ランプの点滅等を制御するランプ演出制御機能、スピーカからの音声を制御する音声演出制御機能等を有し、ケース本体51とケース蓋体52とで構成される演出制御基板ケース29内に収容されている。
演出制御基板ケース29は、保護カバー23の裏側の基板カバー44、電源インターフェース基板27等の後側を覆う覆いを兼用しており、保護カバー23側の周壁部43の後端面を取り付け面として、収容凹部26を後側から略塞ぐように着脱自在に装着されている。
主制御基板31は、遊技盤5側の遊技部品による遊技動作を制御する遊技動作制御機能を有し、主制御基板ケース(基板ケース)32に収容された状態で、基板ケース装着板 (基板ケース装着部)60を介して集球ケース24の背面側に装着されている。
主制御基板ケース32は、主制御基板31を収容可能な基板収容部32aを備えた例えば左右方向に長い矩形箱形で、ケース本体61及びケース蓋体62と、主制御基板ケース32の一端側でケース本体61とケース蓋体62とを係脱及び開閉自在に結合するヒンジ手段63と、主制御基板ケース32の他端側でケース本体61とケース蓋体62とを閉鎖状態で封止可能な封止手段64とを備えている。
ケース本体61は、略矩形板状の底板65と、この底板65の外周に沿って基板収容部32a側に突設される外周枠66とを一体に備えており、その外周枠66内に、その裏面側を底板65側に向けた状態で主制御基板31が装着されるようになっている。なお、外周枠66の内側には、主制御基板31を底板65から一定の隙間を空けた位置で支持する支持リブ67が複数設けられている。
また、ケース本体61には、例えば左右方向の一端側に基板ケース装着板60側の係合孔60aに対応する係合突部68が、左右方向の他端側に基板ケース装着板60側の締結つまみ60bに対応する被締結部69が、夫々外向き突出状に一体形成されている。
ケース蓋体62は、ケース本体61側が開放する略矩形蓋状であって、ケース本体61側の底板65に対向する天板71と、その天板71の外周に沿って基板収容部32a側に突設され且つケース本体61側の外周枠66の外側に嵌合する周壁部72とを一体に備えている。天板71には、主制御基板31の表面側に設けられた電子部品に対応する中央部分に膨出部71aが、その周辺部、例えば上縁部及び下縁部に凹部71bが夫々形成されている。
凹部71bの底面部73は主制御基板31の表面に当接又は近接し、その底面部73には主制御基板31側のコネクタを露出させるためのコネクタ孔75が形成されている。なお、主制御基板31はケース本体61とケース蓋体62とにより挟持され、主制御基板ケース32の基板収容部32a内に位置決め突起等により固定されている。
ヒンジ手段63は、ケース本体61の一端側、例えば左端側に一体に形成された上下一対のヒンジピン63aと、このヒンジピン63aに対応してケース蓋体62の一端側、例えば左端側に一体に形成され且つヒンジピン63aに係脱、回動自在に係合する上下一対の係合片63bとで構成されている。
係合片63bは、ケース蓋体62の左周壁部72aから外向きに突設されており、ケース本体61側の外周枠66とヒンジピン63aとの間からヒンジピン63aに対して係脱自在であり、その係合状態でヒンジピン63aを前側から抱き込むように、前側に突出するU字状その他の円弧状に湾曲形成されている。
封止手段64は、主制御基板ケース32におけるヒンジ手段63とは反対側の開閉端側、例えば右端側に沿って一列状に複数個(ここでは4個)配置され、それら4個の封止手段64により最大4回までの封止、開封が可能となっている。
各封止手段64は、図5〜図8、特に図8に示すように、ケース蓋体62の天板71と、その天板71の内面側に固着された封止板81と、ケース本体61側の例えば外周枠66の内側に突設された離脱防止板82とに跨がって設けられている。
各封止手段64は、離脱防止板82に形成された離脱防止部83と、離脱防止板82に当接して離脱防止部83に対応する封止部84と、封止部84側から離脱防止部83へと貫通して両者を分離不能に封止する封止ピン85と、封止前の封止ピン85を保持するピン保持部86と、封止部84及びピン保持部86を封止板81に一体に接続する封止損壊部87と、ケース蓋体62の外側から封止ピン85を結合方向に押圧するための押圧用開口部88と、封止損壊部87をケース蓋体62の外側から切断するための天板71側の切断用開口部89とを備え、封止時にピン保持部86内の封止ピン85を押圧用開口部88を介して内向きに押圧することにより、この封止ピン85が封止部84側から離脱防止部83に離脱不能に係合して主制御基板ケース32を封止し、またその封止状態で封止損壊部87を切断することにより主制御基板ケース32を開封できるようになっている。
離脱防止部83は、離脱防止板82に形成された封止ピン85用の挿通スリット91と、この挿通スリット91の両側で離脱防止板82と一体に形成された一対の弾性係合部92とを備え、その各弾性係合部92に封止ピン85の案内傾斜面が形成されている。なお、離脱防止板82には、各挿通スリット91の両側に逃げ用スリット93が形成され、その隣り合うスリット91,93間が弾性係合部92となっている。
ピン保持部86は封止ピン85を封止前の状態で保持するためのもので、角形の枠体により構成され、封止板81とケース蓋体62の嵌合リブ95との間に配置されている。ピン保持部86は、その上下方向の中間に係合凸部96が相対向して設けられ、また先端部に、閉じたときに離脱防止板82に当接するように封止部84が一体に設けられている。封止部84は角形のピン挿通孔97を有している。封止損壊部87はニッパー等の切断具で容易に切断可能な板状であって、ピン保持部86の上部側中央と封止板81とを接続するように一体に形成されている。
封止板81には、この封止板81の内周側から各封止損壊部87の下方側へと斜めに傾斜する傾斜部98が一体に形成されている。この傾斜部98は、ピン保持部86、封止部84及び封止損壊部87をケース蓋体62の内側から覆うと共に、封止状態のときに下端側を離脱防止板82上の突条部99に当接させて切断用開口部89の下方側を塞ぐためのものである。
封止ピン85は封止部84側から離脱防止板82の離脱防止部83側に貫通して、ケース本体61とケース蓋体62とを封止状態に結合するためのもので、封止前の封止ピン85はピン保持部86内に保持されている。封止ピン85は、断面矩形状の軸部85aと、矩形状の係合鍔部100と、軸部85aの先端側の台形状の係合頭部101と、係合鍔部100から上側に突出する円柱状の被操作部100aとを備え、適当な弾性を有する合成樹脂材料により一体に成形されている。
係合鍔部100はピン保持部86に嵌合する角形状であって、封止前の状態では係合凸部96によりピン保持部86内に係止され、また封止状態では封止部84に上側から係合するようになっている。係合頭部101は封止前の状態では封止部84のピン挿通孔97に嵌合し、また封止状態では離脱防止部83の弾性係合部92に下側から離脱不能に係合するようになっている。
ケース蓋体62は、その天板71の後側に4個の嵌合枠部102を備え、この嵌合枠部102にピン保持部86が下側から嵌合している。ピン保持部86は嵌合枠部102に所定の間隙をおいて遊嵌しており、封止損壊部87が損壊されて離脱防止板82側に結合状態にあるときに、嵌合枠部102に対して嵌脱自在である。嵌合枠部102は、嵌合リブ95及び天板71に一体に形成され、また封止損壊部87に対応する位置が開放状の切り欠き部103となっている。
押圧用開口部88は、封止ピン85の被操作部100aに合わせた小径の丸孔で、嵌合枠部102の中央で天板71に形成されており、この押圧用開口部88に封止前の封止ピン85の被操作部100aが下側から嵌合している。また、ケース蓋体62の天板71には、押圧用開口部88に対応してねじ止め基部104が例えば外向き突出状に一体形成されている。このねじ止め基部104には、その軸心部にねじ孔105が形成されており、そのねじ孔105が押圧用開口部88の外側に連通している。
切断用開口部89は主制御基板ケース32を開封するときに、切断具を挿入して封止損壊部87を切断するためのもので、ケース蓋体62の天板71側に、各封止損壊部87に跨がって長孔状に形成されている。なお、主制御基板ケース32の構成部材は、封止手段64の封止ピン85等を除いて、内部を極力視認できるように透明な合成樹脂材料により構成されている。
基板ケース装着板60は、略矩形板状の装着板本体111と、この装着板本体111の背面側に設けられ且つ主制御基板ケース32を保持する係合孔60a及び締結つまみ60bと、主制御基板ケース32の外側から封止損壊部87を覆う封止カバー112とを備え、集球ケース24の後壁部113側に形成された開口114を略塞ぐように、下部側の左右一対のヒンジ手段115と、上部側の左右一対の係合爪116とにより、集球ケース24の背面側に開閉及び着脱自在に固定されている。
ヒンジ手段115は、集球ケース24の裏側下端部に一体に設けられたヒンジピン117と、基板ケース装着板60の下端に設けられた前後一組のヒンジ爪118とを備えている。ヒンジピン117は上下両側が偏平で、その左右両端が集球ケース24から後方に突出する突部により一体に連結されている。前後一組のヒンジ爪118は、両者でヒンジピン117を相対回動自在に抱き込むように構成され、また前後一組のヒンジ爪118の先端側は、その先端側を偏平部分に合わせたときにヒンジピン117に対して相対的に嵌脱できるようになっている。係合爪116は集球ケース24の上端部側の左右両側に設けられ、基板ケース装着板60をヒンジピン117廻りに揺動させて集球ケース24の背面側に略密着させたときに基板ケース装着板60の上部側に係脱自在に係合するようになっている。
装着板本体111は、その背面側が主制御基板ケース32を装着するための基板ケース装着面111aとなっており、その基板ケース装着面111aの外周部に沿って、主制御基板ケース32を支持する支持枠119が後ろ向き所定高さに突設されている。また、装着板本体111の背面側には、その左右方向の一端側、例えば右縁側に係合孔60aが、その係合孔60aとは反対側の端部側、例えば左端側に締結つまみ60bが、夫々設けられている。締結つまみ60bは、装着板本体111の背面側に装着板本体111に垂直な方向の回転軸60cにより揺動自在に装着されており、主制御基板ケース32側の被締結部69に係脱自在に係合可能となっている。主制御基板ケース32は、そのケース本体61の外面側を基板ケース装着面111aに沿わせつつ、その一端側の係合突部68を係合孔60aに嵌合させ、更に締結つまみ60bを回して他端側の被締結部69に係合させることにより基板ケース装着板60に保持される。
封止カバー112は、封止損壊部87を含む封止手段64の略全体を主制御基板ケース32の外側から覆うもので、主制御基板ケース32における封止手段64側端部、即ち右端部に対応して配置されており、例えば装着板本体111に沿って上下方向に配置されたヒンジ121により装着板本体111の背面側に枢支されている。そして、封止カバー112はヒンジ121廻りに揺動させることにより封止損壊部87を覆う閉状態と封止損壊部87を開放する開状態とに切り換え可能であり、閉状態において固定手段122(図6,図7)により主制御基板ケース32側に固定されるようになっている。
封止カバー112は、図4〜図8に示すように、閉状態のときにケース蓋体62側の天板71の外面側に沿うカバー板部123と、このカバー板部123の一端側と装着板本体111側のヒンジ121との間を連結する側壁部124とで例えば断面L字型に形成されている。カバー板部123は、封止損壊部87を切断できないように切断用開口部89を外側から塞ぐための部分であり、例えば切断用開口部89を含む封止手段64の略全体を覆う大きさの略矩形状に形成され、ねじ止め基部104のねじ孔105に対応してねじ挿通孔125が設けられている。
固定手段122は、図6,図7等に示すように、ケース蓋体62側に設けられたねじ止め基部104と、このねじ止め基部104のねじ孔105に螺合可能な固定ねじ126とで構成されており、封止カバー112を閉じた状態で、固定ねじ126をねじ挿通孔125を介してねじ止め基部104にねじ込むことにより、封止カバー112を主制御基板ケース32に固定するようになっている。
また、固定ねじ126は、ねじ止め基部104に螺合する際にその先端側で封止ピン85を内向きに押し進め、やがて封止ピン85が離脱防止部83に係合して主制御基板ケース32が封止されたとき、その固定ねじ126により封止カバー112が主制御基板ケース32に完全に固定されるようになっている。このように、固定手段122の固定ねじ126は、封止カバー112を主制御基板ケース32に固定すると同時に封止ピン85を封止方向に押圧するものであるから、封止に使用する1つの封止手段64に対応して常に1個の固定ねじ126のみが使用され、2個以上の固定ねじ126が同時に使用されることはない。
上記構成のパチンコ機の組み立て工程における主制御基板ケース32の取り付け時には、まず主制御基板ケース32を構成するケース本体61とケース蓋体62とを主制御基板31を挟み込んだ状態で組み合わせ、封止カバー112を開いた状態でその主制御基板ケース32を基板ケース装着板60に装着する。そして、封止カバー112を閉じた後、その封止カバー112の外側から、1個の固定ねじ126を、封止に用いる1つの封止手段64に対応するねじ止め基部104に螺合させる。これにより、その封止手段64により主制御基板ケース32が封止されると共に封止カバー112が主制御基板ケース32に固定される。
この状態では、封止手段64の封止損壊部87は封止カバー112のカバー板部123により外側から覆われているため、そのままではその封止損壊部87をニッパー等で切断して主制御基板ケース32を開封することはできない。主制御基板ケース32を開封するためには、まず固定ねじ126を緩めてねじ止め基部104から抜き取り、封止カバー112を開いて主制御基板ケース32側の封止損壊部87を露出させ、更に封止に用いている封止手段64に対応する封止損壊部87を切断する必要がある。
このように、封止を行う際には、固定ねじ126をねじ止め基部104に螺合させるだけで主制御基板ケース32の封止と封止カバー112の主制御基板ケース32への固定とを同時に行うことができるのに対し、開封する際には、固定ねじ126を外し、封止カバー112を開いて更に封止損壊部87を切断するという手順を踏む必要があるため、その作業を遊技ホール内で他人の目を盗んで短時間で行うことは困難である。また、主制御基板ケース32の封止と封止カバー112の主制御基板ケース32への固定とを同時に行うことができるため、製造工程における作業効率がよいという利点もある。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、基板ケース装着板60に設けられ且つ主制御基板ケース32の外側から封止損壊部87を覆う封止カバー112と、この封止カバー112を主制御基板ケース32に固定する固定手段122とを備えているため、封止状態の主制御基板ケース32を開封する際には固定手段122による固定を外して封止カバー112を開き、更に封止損壊部87を損壊するという手順を踏む必要があり、また主制御基板ケース32を取り外す場合も固定手段122による固定を外して封止カバー112を開く必要がある。これにより、基板ケースを開放して内部のROMを不正ROMに交換するゴト行為はもちろん、制御基板を基板ケースごと交換するゴト行為についてもその作業を遊技ホール内で他人の目を盗んで短時間で行うことは困難であり、基板ケース交換及び基板ケース開封によるゴト行為を効果的に防止できる。また、封止カバー112は、封止損壊部87及びその周辺部分をカバーすればよいため、基板ケース内部の視認性を大きく低下させることはない。
固定手段122は、封止ピン85の外側に対応してケース蓋体62側に設けられたねじ止め基部104と、封止カバー112の外側からねじ止め基部104に螺合可能な固定ねじ126とを備え、固定ねじ126がねじ止め基部104に螺合される際に固定ねじ126の先端側が封止ピン85を押圧するように構成されているため、封止を行う際には、固定ねじ126をねじ止め基部104に螺合させるだけで主制御基板ケース32の封止と封止カバー112の主制御基板ケース32への固定とを同時に行うことができ、ゴト行為とは無関係の封止操作については効率よく短時間で行うことが可能である。
図9及び図10は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を改良して、各封止手段64に対応する固定ねじ126を保持するねじ保持部131を封止カバー112側に設けた例を示している。
本実施形態では、図9及び図10に示すように、封止カバー112の外面側に、ねじ挿通孔125に対応してねじ保持部131が例えば一体に設けられている。ねじ保持部131は、例えばその内径が固定ねじ126の頭部126aの外径と略等しい略円筒状で、その内部に固定ねじ126が軸部126bの先端側をねじ挿通孔125に挿入した状態で内向きに装着されている。なお、ねじ保持部131には、その周方向の複数箇所に軸方向のスリット132が設けられ、そのスリット132により分割された各保持片131aの外側端部に内向きの突起部133が設けられており、固定ねじ126は、各保持片131aを半径方向外向きに弾性変形させつつねじ保持部131内に圧入されている。
このように、固定ねじ126を保持するねじ保持部131を封止カバー112側に設け、このねじ保持部131内に全ての封止手段64に対応する固定ねじ126を予め収容しておくことで、固定ねじ126の紛失等を防止できる。
図11及び図12は本発明の第3の実施形態を例示し、開閉可能な封止カバー112を主制御基板ケース32に固定する固定手段122を、封止カバー112に設けられ且つ封止カバー112が閉状態のときに封止ピン85を離脱防止部83に係合するまで押圧する押圧ピン141と、封止カバー112を閉状態で固定すると共に所定の閉止損壊部142を損壊することによりその固定状態を解除可能な閉止手段143とで構成した例を示している。
本実施形態では、基板ケース装着板60の背面側に、封止カバー112が装着されるカバー装着台144が例えば一体に設けられている。このカバー装着台144は、主制御基板ケース32の封止手段64側端部、即ち右端部側近傍に、封止手段64の配置方向に沿って配置されており、主制御基板ケース32側の天板71と略面一となるように配置された細長矩形状の上壁145と、この上壁145の外周と装着板本体111とを連結する周壁146とで矩形箱形に形成されている。なお、カバー装着台144と主制御基板ケース32との間には所定の隙間147が形成されている。
封止カバー112は、主制御基板ケース32側の各封止手段64に対応して複数個(ここでは4個)独立に設けられ、夫々ヒンジ148により例えばカバー装着台144の主制御基板ケース32側とは反対側の縁部に枢支されている。そして、封止カバー112はヒンジ148廻りに回転させることにより封止損壊部87を覆う閉状態と封止損壊部87を開放する開状態とに切り換え可能であり、固定手段122により閉状態で固定されるようになっている。
封止カバー112は、図11及び図12に示すように、主制御基板ケース32側の天板71及びカバー装着台144側の上壁145の外面側に沿う例えば細長矩形状のカバー板部151と、このカバー板部151の外周に沿って例えば主制御基板ケース32側に突設される補強リブ152とを一体に備え、その一端側においてヒンジ148によりカバー装着台144の上壁145の一側に枢支されており、閉状態のときにその先端側が、対応する封止手段64の押圧用開口部88及び封止損壊部87を外側から覆うようになっている。本実施形態では、押圧用開口部88の外側に、第1の実施形態におけるねじ止め基部104ではなく、例えば外側に向かって円錐面状に広がる案内部153が設けられている。
なお、本実施形態の封止カバー112は、封止中の封止手段64に対応する1つの封止カバー112のみが固定手段122により閉状態で固定され、他の封止カバー112は例えばカバー装着台144の側壁部124側に設けられた係止手段149により開状態で保持されるようになっている。
また、封止カバー112には、主制御基板ケース32側を覆う先端側の第1カバー部112aと、カバー装着台144側を覆うヒンジ148側の第2カバー部112bとの間、即ちカバー装着台144と主制御基板ケース32との間の隙間147に対応する位置に閉止損壊部142が設けられている。即ち、封止カバー112には、カバー板部151上に隙間147に対応して切断用開口部150が形成されており、この切断用開口部150の外側の補強リブ152が一対の閉止損壊部142となっている。なお、係止手段149は、例えば各封止カバー112の閉止損壊部142に係脱自在に係合可能な係合爪により構成されており、封止カバー112をカバー装着台144の周壁146に沿わせたとき、係止手段149が閉止損壊部142に係合して封止カバー112をその位置で保持するようになっている。
固定手段122は、封止カバー112の第1カバー部112a上に設けられ且つ封止カバー112が閉状態のときに封止ピン85を離脱防止部83に係合するまで押圧する押圧ピン141と、封止カバー112を閉状態で固定すると共に閉止損壊部142を損壊することによりその固定状態を解除可能な閉止手段143とを備えている。押圧ピン141は、主制御基板ケース32側の押圧用開口部88に対応してカバー板部151の内面側に一体に突設されている。
閉止手段143は、カバー装着台144の上壁145に設けられた離脱防止部155と、封止カバー112の第2カバー部112b上に一体に設けられ且つ離脱防止部155に離脱不能に結合する結合ピン156とを備えている。離脱防止部155は、カバー装着台144の上壁145に形成された結合ピン156用の挿通スリット161と、この挿通スリット161の両側で上壁145と一体に形成された一対の弾性係合部162とを備え、その各弾性係合部162に結合ピン156の案内傾斜面が形成されている。なお、カバー装着台144の上壁145には、各挿通スリット161の両側に逃げ用スリット163が形成され、その隣り合うスリット161,163間が弾性係合部162となっている。
結合ピン156は、離脱防止部155の挿通スリット161に対応してカバー板部151の内面側に突設されており、その先端側に、封止カバー112が閉状態のときに挿通スリット161に貫通して弾性係合部162の裏側に離脱不能に係合する例えば台形状の係合頭部156aが設けられている。
本実施形態のパチンコ機において主制御基板ケース32を取り付ける際には、まず主制御基板ケース32を構成するケース本体61とケース蓋体62とを主制御基板31を挟み込んだ状態で組み合わせ、全ての封止カバー112を開状態にしてその主制御基板ケース32を基板ケース装着板60に装着する。そして、主制御基板ケース32の封止に用いる1つの封止手段64に対応する1つの封止カバー112をヒンジ148廻りに主制御基板ケース32側に回転させる。
このとき、押圧ピン141が押圧用開口部88を介して封止ピン85を内向きに押圧すると共に結合ピン156が離脱防止部155の挿通スリット161内に進入し、封止カバー112が完全に封止損壊部87を覆う閉状態となったとき、押圧ピン141に押圧された封止ピン85は離脱防止部83に、結合ピン156は離脱防止部155に夫々離脱不能に係合する。これにより、封止手段64により主制御基板ケース32が封止されると共に封止カバー112が主制御基板ケース32に固定される。
この状態では、封止手段64の封止損壊部87は封止カバー112のカバー板部151により外側から覆われているため、そのままではその封止損壊部87をニッパー等で切断して主制御基板ケース32を開封することはできない。主制御基板ケース32を開封するためには、まず閉状態にある閉止損壊部142を切断して封止カバー112と主制御基板ケース32との固定を解除する必要がある。閉止損壊部142を切断すると、封止カバー112の第1カバー部112aは第2カバー部112bから分離されるため、主制御基板ケース32上から除去して主制御基板ケース32側の封止損壊部87を露出させ、封止に用いている封止手段64に対応する封止損壊部87を切断して主制御基板ケース32を開封することができる。
このように、封止を行う際には、主制御基板ケース32の封止に用いる1つの封止手段64に対応する1つの封止カバー112を閉じるだけで主制御基板ケース32の封止と封止カバー112の主制御基板ケース32への固定とを同時に行うことができるのに対し、開封する際には、閉止損壊部142を損壊して封止カバー112と主制御基板ケース32との固定を解除し、更に封止損壊部87を切断するという手順を踏む必要があるため、その作業を遊技ホール内で他人の目を盗んで短時間で行うことは困難である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態のように固定ねじ126を基板ケース32側のねじ止め基部104に螺合させる際に固定ねじ126の先端側が封止ピン85を押圧して離脱防止部83に係合させるように構成する場合、封止カバー112は基板ケース32が基板ケース装着板60に対して着脱可能な状態で設けられていればよく、必ずしも封止カバー112を開閉可能とする必要はない。
第2の実施形態のように、固定手段122を、封止カバー112に設けられ且つ封止カバー112が閉状態のときに封止ピン85を離脱防止部83に係合するまで押圧する押圧ピン141と、封止カバー112を閉状態で固定すると共に閉止損壊部142を損壊することによりその固定状態を解除可能な閉止手段143とで構成する場合、閉止損壊部142は、それを損壊することにより封止カバー112と基板ケース32との固定状態を解除できるものであればよく、例えば結合ピン156の軸部を閉止損壊部142としてこれを外部から切断可能に構成してもよい。
本発明は、主制御基板31を格納する主制御基板ケース32の他、封止手段を備えた各種基板ケースについても同様に適用可能である。また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。