以下、本実施の形態に係る遊技機について図1〜図27に沿って説明する。なお、以下の説明中における方向は、遊技機と向かい合うようにして着座した際のユーザー(遊技者)から見た方向を基準として説明するものとする。
[スロットマシンの全体構成]
図1には、遊技機の一例であるスロットマシン1が示してある。スロットマシン1は、図1に示すように、本体部である筐体2及び該筐体2に開閉自在に取付けられた扉部である前扉3を有して構成されている。
筐体2は、図2に示すように、底部に配置される底板5、左右に対向するようにして側部に配置される2枚の側板6,7、背部に配置される背板9、及び頂部に配置される天板10からなり、背板9の対向する筐体2の正面側が開口されている。
また、底板5の上面であって、その略中央付近には、図2に示すように、メダルを払い出すためのホッパーユニット11が配置されている。該ホッパーユニット11の左隣には、スロットマシン1に電源を供給するための電源装置12が隣接して配置されており、該電源装置12には、スロットマシン1の主電源を入り切りするメインスイッチなどの各種スイッチなどが設けられている。また、ホッパーユニット11の右隣には、ホッパーユニット11から溢れ出したメダルを溜めておくためのオーバーフロータンク13が配置されている。
ホッパーユニット11の上方であって、左右の側板6,7の上下方向における略中央付近には、筐体2内を上方と下方とに仕切る中板15が左右の側板6,7間に架設されており、該中板15の上方には、リールユニット16が配置されている。該リールユニット16は、左回転リール19、中回転リール20、及び右回転リール21の3つの回転リールから構成されており、各回転リール19,20,21の外周面には、図示しない複数の図柄が表示されている。これら各回転リール16は、中板15上に配置された枠体22に回転自在に支持されており、図示しない駆動モータによって回転駆動するように設けられている。
さらに、枠体22には、基板ユニット23が設けられており、これらリールユニット16、枠体22、及び基板ユニット23などからスロットマシン1の交換ユニット25が構成されている。そして、枠体22は、筐体2内から着脱可能に設けられており、例えば、この交換ユニット25を交換する際には、枠体22を取外すだけでよく、電源装置12やホッパーユニット11などは、そのままの状態で使用することができるように構成されている。
[前扉の構成]
前扉3は、筐体2の開口された正面を開閉するため、回動自在で筐体2に取付けられている。そして、前扉3は、図1及び図2に示すように、中板15から上方を覆う上扉26、及び中板15から下方を覆う下扉27の2つの扉から構成されている。
[上扉の構成]
上扉26は、図1に示すように、正面視で略矩状に形成されており、その扉面の中央から下方側にかけて各回転リール19,20,21に設けられた図柄を表示するための図柄表示窓29が設けられている。また、図柄表示窓29の上方には、液晶表示装置などで遊技に関する数字や演出による画像(動画)などを表示する演出表示部30が設けられており、該演出表示部30の周辺には、演出表示部30を囲うようにして、飾り部31が設けられている。
図2に示すように、上扉26は、その左側端部側が筐体2に設けられた2つの回動支持部32各々にヒンジ装置33を介して支持されて、回動自在に筐体2に取り付けられている。また、上扉26は、その右側端部側に設けられて施錠装置を構成する鉤部(フック)28が、対応する筐体2の位置に設けられた突片36に引っ掛ることで、筐体2の正面側における中板15から上方を閉じた状態で筐体2に固定さるようになっている。
[下扉の構成]
上扉26の下方に配置され、中板15から下方を覆う下扉27は、上扉26と同様に、2つの回転支持部32各々にヒンジ装置34を介して支持されており、鉤部35が対応する筐体2の位置に設けられた突片36に引っ掛ることで、筐体2の正面側における中板15から下方を閉じた状態で筐体2に固定さるようになっている。また、下扉27は、図2に示すように、主に、筐体2の正面側に配置される扉本体であるキャビネット39、及びキャビネット39と筐体2との間に介在し、キャビネット39が固定される、基体(ベース部材)であるバリア下37から構成されている。
[バリア下の構成]
バリア下37は、図5及び図12に示すように、正面視で矩形状に形成されていると共に、略板状に形成されている。そして、バリア下37の表側面(以下、単にバリア面という)であって、その中央部付近には、図13に示すように、後述する表示シート147が収容された下パネル143を照らす光源としての照明装置を収容するための照明装置収容部38が設けられている。該照明装置収容部38には、照明装置として2つのLED基板42が収容されており、該LED基板42は、照明装置収容部38に設けられた照明装置を支持するための照明装置支持部40,41に支持されて照明装置収容部38の上下各々に配置されている。また、上側に設けられた照明装置支持部40は、下パネル143のパネル面に対してLED基板42を若干上方向に傾斜させた状態で支持しており、下側に設けられた照明装置支持部41は、照明装置収容部38における下端側に配置され、下パネル143を斜め下から照らすようにLED基板42を上方向に傾斜させた状態で支持している(図26参照)。なお、照明装置としてLED基板42を用いて構成したがこれに限らず、例えば、蛍光灯などから構成される照明装置でもよく、蛍光灯を照明装置支持部40,41に支持させた状態で照明装置収容部38に収容する構成であってもよい。
照明装置収容部38の下方であって、バリア下37の下端部側には、図14に示すように、スピーカ47をバリア下37に装着するため、スピーカ47を収容する凹部(以下、スピーカ収容凹部という)45,46がそれぞれ左右に設けられている。ここで、バリア下37に装着される(スピーカ収容凹部45,46に収容される)スピーカ47は、前面が楕円状に形成されたいわゆるコーン型スピーカであり、主に磁気回路体49、該磁気回路体49に結合されるスピーカフレーム50、及び該スピーカフレーム50内に配置される振動板(いわゆるコーン紙)51などを有して構成されている。
磁気回路体49は、図示しないボイスコイル、マグネット、及びヨークなどを有して構成されており、その外形は略円柱状に形成されている。また、スピーカフレーム50は、略円錐形状に形成されている。そして、振動板51は、その周縁がスピーカフレーム50に支持されてスピーカフレーム50内に配置されており、スピーカフレーム50には、振動板51による背圧(音)を抜くための音抜け孔52が複数形成されている。さらに、スピーカフレーム50の開口側には、スピーカ47をバリア下37(スピーカ収容凹部45,46)に固定するためのフランジ部であるスピーカフランジ53が設けられており、該スピーカフランジ53には、スピーカ47を固定するための固定孔である4つのフランジ孔55が設けられている。また、スピーカフランジ53のフランジ面には、図13及び図14に示すように、スピーカフレーム50の開口縁に沿うようにしてガスケット56が取り付けられている。
左右のスピーカ収容凹部45,46は、図12に示すように、スピーカフレーム50を覆うようにして支持するスピーカフレーム支持部(以下、単にフレーム支持部という)57を有しており、該フレーム支持部57には、音抜け孔52の後方を覆う音抜け孔被覆部58が設けられている。該フレーム支持部57は、バリア面に楕円形状に開口された開口縁から後方に向かって突き出るように形成されていると共に、その内部空間は、スピーカフレーム50を支持するためスピーカフレーム50と同じく略円錐状に形成されている。また、フレーム支持部57の頂点部(先端部)には、スピーカの磁気回路体49が嵌合する磁気回路体嵌合部63が設けられており、該磁気回路体嵌合部63は、磁気回路体49の形状に合わせて円柱状に開口されている。
さらに、フレーム支持部57には、スピーカ47内の空気を吸排気するための開口部(以下、支持部開口部という)65が複数設けられており、該支持部開口部65は、フレーム支持部57に支持されたスピーカ47の音抜け孔被覆部58が設けられた以外の部位に設けられている。即ち、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に収容した際に、前方から見て音抜け孔52と支持部開口部65とが重ならないようにそれぞれズレた位置になるように設けられている。
また、音抜け孔52を覆う音抜け孔被覆部58には、階段状に形成されたフレーム支持部凸部66が設けられている。該フレーム支持部凸部66には、音抜け孔52と連通する連通孔68が設けられており、該連通孔68は、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に装着する方向(前後方向)と交差する方向(即ち、側板6、7側に向かう横方向)に向かってに開口されている(図4及び図10参照)。そして、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に装着した際、これら連通孔68からスピーカ47内に空気が取り込まれるようになっている。但し、振動板51を突き抜けて音抜け孔52から棒材(例えば針金Wなど)を差し込んだとしても、連通孔68が前後方向に対して直交している(交差している)ので、連通孔68から針金Wなどが筐体2の内部への侵入を抑えることが可能である。
スピーカ収容凹部45,46は、図13及び図14に示すように、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に収容した際に、スピーカフランジ53が嵌合するスピーカフランジ嵌合部(以下、単に、フランジ嵌合部という)59,60を有しており、該フランジ嵌合部59,60は、バリア面に楕円形状に開口された開口面(フレーム支持部57)を囲うようにして正面視で略矩形状に形成されていると共に、後方側に窪むようにして形成されている。
また、フランジ嵌合部59,60には、フランジ孔55と嵌合するスピーカフランジ嵌合部凸部(以下、単に、フランジ嵌合部凸部という)61及びスピーカフランジ53をバリア下に固定するためのフランジ固定孔62が複数設けられている。フランジ嵌合部凸部61は、フランジ嵌合部59,60(即ち、バリア面から)から前方に向かって突き出るようにして設けられており、また、フランジ固定孔62は、フランジ嵌合部59,60から後方に向かってそのネジ穴が形成されている。
各フランジ嵌合部凸部61及び各フランジ固定孔62は、フランジ嵌合部59,60の各角部側に設けられている。具体的には、バリア面上において、その左側に設けられたスピーカ収容凹部45が有するフランジ嵌合部(以下、左フランジ嵌合部という)59にあっては、図13に示すように、正面側から見て4つの角部のうち、左上の角部側及び右下の角部側にフランジ嵌合部凸部61a,61bが設けられており、また4つの角部のうちの右上の角部側及び左下の角部側には、フランジ固定孔62a,62bが各々設けられている。即ち、フランジ嵌合部凸部61a,61bは、左フランジ嵌合部59において対角線上に配置されており、バリア面に楕円形状に形成されたフレーム支持部57の開口面を挟むように対向配置されている。
また、フランジ固定孔62a,62bも同様に、左フランジ嵌合部59において、フレーム支持部57であるバリア面に楕円形状に形成された開口面を挟むようにして、対角線上に対向配置されている。そして、フランジ嵌合部凸部61は、図14に示すように、スピーカ収容凹部45,46にスピーカ47を取付けた際に、2つのフランジ嵌合部凸部61a,61b間を結ぶ左フランジ嵌合部59上(即ち、バリア面上)の直線がスピーカ47のスピーカ面の中心部(センターキャップ48の中心付近)を通過するように配置されている。なお、ここでスピーカ面とは、振動板51の前面側であって、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に取付ける際の取付け方向であるバリア面の前後方向と交差するスピーカフレーム50の開口面である。
また、フランジ固定孔62にあっても同様に、2つのフランジ固定孔62a,62bを結ぶ左フランジ嵌合部59上の直線がスピーカ47の中心部を通過するように配置されている。そして、そのフランジ嵌合部凸部61a,61b同士間を結ぶ直線とフランジ固定孔62a,62b同士間を結ぶ直線とがスピーカ面の中心部で交差するようになっている。
また、バリア面において、その右側に設けられたスピーカ収容凹部45が有するフランジ嵌合部(以下、右フランジ嵌合部という)60においても同様にして、4つの角部のうちの右上の角部側及び左下の角部側にフランジ嵌合部凸部61c,61dが設けられており、4つの角部のうちの左上の角部側及び右下の角部側にフランジ固定孔62c,62dが各々設けられている。そして、フランジ嵌合部凸部61c,61d及びフランジ固定孔62c,62dの各々は、バリア面に楕円形状に形成されたフレーム支持部57の開口面を挟むようにして、対角線上に対向配置されており、フランジ嵌合部凸部61c,61d間を結ぶ右フランジ嵌合部60上における直線及びフランジ固定孔62c,62d間を結ぶ右フランジ嵌合部60上における直線は、スピーカ面の中心部付近で交差するようになっている。
バリア面であって、左右のスピーカ収容凹部45,46の間には、後述するメダル受け皿107にメダルを払い出すための払出口(以下、バリア下払出口という)67が矩形状に設けられている。また、バリア下37の裏側面であって、スピーカ収容凹部45,46の上方側には、バリア下払出口67にメダルを搬送するメダル搬送路69がバリア下払出口67から上方に向かって延設されている。
バリア下37には、バリア下37からキャビネット39の方向に差し込むネジによってキャビネット39をバリア下37に固定するためのバリア下固定孔70が複数設けられている(図5参照)。そして、複数設けられたバリア下固定孔70の内の1つは、メダル搬送路69の下方であって、左右のスピーカ収容凹部45,46の間に設けられている(以下、第1バリア下固定孔70aという)。具体的には、第1バリア下固定孔70aは、左フランジ嵌合部59における右下の角部側に設けられたフランジ嵌合部凸部61b及び右フランジ嵌合部60における左下の角部側に設けられたフランジ嵌合部凸部61dのそれぞれと近接するように、それら2つのフランジ嵌合部凸部61b,61dの中間の位置に設けられている。
また、左側に設けられたスピーカ収容凹部45よりも外方側であって、スピーカ収容凹部45とバリア下37の側端部との間にもバリア下固定孔(以下、第2バリア固定下孔という)70bが設けられており、さらには、右側に設けられたスピーカ収容凹部46よりも外方側であって、スピーカ収容凹部46とバリア下37の側端部との間にもバリア下固定孔(以下、第3バリア下固定孔という)70cがそれぞれ設けられている。より具体的には、第2バリア下固定孔70bは、左フランジ嵌合部59における左上の角部側に設けられたフランジ嵌合部凸部61a寄りに設けられている。即ち、第2バリア下固定孔70bは、フランジ嵌合部凸部61aに近接するようにして設けられており、第3バリア下固定孔70cにあっては、右フランジ嵌合部60における右上の角部側に設けられたフランジ嵌合部凸部61cに近接するように、そのフランジ嵌合部凸部61c寄りに設けられている。そして、第1、第2及び第3バリア下固定孔70a,70b,70cは、それぞれフランジ嵌合部凸部61に近接させるように設けたのに伴い、後述するキャビネット39をバリア下37に固定した際にスピーカフランジ53に当接するスピーカグリルボス部116の各々と近接するように設けられている。
また、第2バリア下固定孔70b及び第3バリア下固定孔70cは、第1バリア下固定孔70aに対して、スピーカ収容凹部45,46を挟むようにして対向するように設けられており、この第1バリア下固定孔70aと第2バリア下固定孔70bとを結ぶバリア下37の裏側面上における直線及び第1バリア下固定孔70aと第3バリア下固定孔70cとを結ぶバリア下37の裏側面上における直線は、上述のフランジ嵌合部59,60の角部側に設けられた2つのフランジ固定孔62間を結ぶバリア面上における直線と互いに交差するように設けられている(図5参照)。
また、この第2バリア下固定孔70bと第1バリア下固定孔70a及び第3バリア下固定孔70cと第1バリア下固定孔70aとを結ぶ直線は、フランジ嵌合部59,60の角部側に設けられた2つのフランジ嵌合部凸部61間を結ぶ直線とも交差する(図5参照)。しかし、これらバリア下固定孔70(70a,70b,70c)間を結ぶ直線は、フランジ嵌合部凸部61間を結ぶ直線と交差こそするものの、フランジ固定孔62間を結ぶ直線とは異なり、フランジ嵌合部凸部61間を結ぶ直線と略同一方向に向かってのびている。つまりは、バリア下固定孔70がフランジ嵌合部凸部61に近接した位置に設けられていればよく、バリア下固定孔70(70a,70b,70c)間を結ぶ直線が、フランジ嵌合部凸部61間を結ぶ直線と交差しなくてもよい。
そして、2つのフランジ固定孔62にスピーカ固定ネジ167を螺合することでスピーカ47をバリア下37に固定し、また第1、第2、及び第3バリア下固定孔70a,70b,70cのそれぞれに扉固定部材であるキャビネット固定ネジ169を螺合して、バリア下37にキャビネット39を固定する。すると、キャビネット39をバリア下37に固定した際のバリア下37上におけるスピーカ固定ネジ167間を結ぶ直線に対してキャビネット固定ネジ169間を結ぶ直線が交差するようになっている(図5参照)。
一方、キャビネット39には、図15に示すように、複数のバリア下固定孔70に対応する位置各々にキャビネット固定孔74が設けられており、バリア下37にキャビネット39を取付けた際に、バリア下固定孔70とキャビネット固定孔74とが合致するように配設されている。
また、上述のメダル搬送路69は、複数の屈曲部を有して形成されおり、その上方側には、後述するメダル投入口127から投入されたメダルを検知するメダルセレクタ71が設けられている。該メダルセレクタ71の隣には、メダル投入口127から投入されたメダルをホッパーユニット11に搬送するメダルシュート72が設けられており、該メダルシュート72の上方には、後述するコネクタ保持部130に対応して設けられたバリア下開口部73(図5参照)が矩形状に開口されている。該バリア下開口部73の隣には、下部基板である中継基板(ここで、中継基板とは、後述するスタートレバー119、ストップボタン120、MAXBETボタン121などの各種操作スイッチからの信号を主制御基板(不図示)などに送る基板のことである)75をバリア下に取付ける基板取付部76が設けられている。
基板取付部76は、バリア下37の裏側面から突出して設けられており、正面視で略矩形状に形成されている。また、基板取付部76の中央部には、矩形状の凹部77が形成されており、この凹部77が中継基板75を収容する基板収容部77を構成している。また、基板取付部76には、後述する基板カバー83を封印するための封印部材95が挿入される封印部79が設けられていると共に、バリア下固定孔70(70d)が設けられている(図6参照)。
また、中継基板75は、矩形状に形成されており、その左右両端側及び上端側には、ワイヤーハーネス80に設けられたコネクタ81を接続するためのコネクタ接続部である受け側コネクタ82がコネクタ81に対応するように複数設けられている。そして、該受け側コネクタ82にコネクタ81が接続されることで、中継基板75は、他の装置や部材とワイヤーハーネス80を介して接続されるように構成されている。
基板収容部77に収容された中継基板75は、基板取付部76に固定される基板カバー83に覆われて保護される(図5及び図6参照)。基板カバー83は、中継基板75を保護するカバー本体部85を有しており、該カバー本体部85は、正面視で略矩形状に形成されている。カバー本体部85には、カバー本体部85を基板取付部76に固定する、カバー固定部86が設けられており、該カバー固定部86は、カバー本体部85から突出するようにして設けられている。また、カバー固定部86は、カバー本体部85と同様に正面視で略矩形状に形成されており、その先端部側には、カバー本体部85を前記基板取付部76に固定するカバー固定ネジ87を挿入させるためのカバー固定ネジ孔89が設けられている。さらに、カバー本体部85には、基板カバー83を基板取付部に取付けた際に、バリア下固定孔70dに螺合されたキャビネット固定ネジ169を操作できないように(固定の解除ができないように)覆う被服部である、カバー被覆部88が設けられている(図6参照)。
また、カバー本体部85には、中継基板75を保護した際に受け側コネクタ82に接続されたコネクタ81のコネクタ面81aに当接する、当接部であるカバー凸部90,91がカバー本体部85のカバー面上のそれぞれ左右に設けられている。なおここで、コネクタ81のコネクタ面とは、コネクタ81を受け側コネクタ82に接続する際に、抜き差しする方向、即ち、受け側コネクタ82の前後方向と交差する(直交する)面であって、カバー凸部90,91が当接するのは、ワイヤーハーネス80のケーブルが接続された側のコネクタ面81aである(図7参照)。
この左右のカバー凸部90,91は、コネクタ81のコネクタ面80aと当接するその当接面90a,91aがコネクタ81の抜き差し方向に向かって突出するように設けられている。即ち、当接面90a,91aが中継基板75側に向かって突出するように、カバー凸部90,91自体が中継基板75に向かって突起するように形成されている。そして、カバー本体部85で中継基板75を覆った際に、カバー凸部90,91が中継基板75の左右両端側に設けられた受け側コネクタ82の手前に位置し、かつ受け側コネクタ82と接続状態にあるコネクタ81のコネクタ面81aに、その先端である当接面90a,91aが当接するようにそれぞれ配設されている。
また、左右のカバー凸部90,91の間であって、カバー本体部85の略中央部には、中継基板75側に向かって窪む、窪み部92が設けられており、該窪み部92の下側の壁部93には、封印部材95を挿入するための封印部材挿入孔94が設けられている(図6参照)。そして、基板カバー83は、カバー本体部85を基板取付部76に固定した際に、カバー本体部85及び基板取付部76を貫くようにして封印部材95を取付けることができる。即ち、封印部材95を封印部材挿入孔94から挿入し、封印部材95が封印部79に到達するようにして装着することで、カバー本体部85を封印状態で基板取付部76に固定することができるように構成されている。
封印部材95は、タブ部96と矢尻部97とから構成されており(図6参照)、基板カバー83の封印解除に伴い、タブ部分96と矢尻部分97とが分離し、封印部材95が破壊される構成となっている。
また、カバー本体部85には、正面視で矩形状に形成されたカバー開口部99が設けられており、該カバー開口部99は、中継基板75に設けられた封印対象外の受け側コネクタ82に対応する位置に設けられている。そして、基板カバー83が封印状態で基板取付部76に固定されても、封印対象外の受け側コネクタ82については、カバー開口部99からコネクタ81を着脱することができるように構成されている。
さらに、バリア下37は、キャビネット39がバリア下37に取付けられた際に(またはキャビネット39にバリア下37を取付けた際に)、キャビネット39自体の強度を向上させる機能を有して構成されている。即ち、バリア下37は、キャビネット39の強度を高める補強部材としての機能を有して構成されている。
[キャビネットの構成]
バリア下37に固定されるキャビネット39は、バリア下37と同じく正面視で矩形状に形成されている。キャビネット39の左右両側には、バリア下37に固定された際、バリア下37の左右の側方を覆う左右の側板100,101が設けられており、該左右の側板100,101は、図12及び図13に示すように、キャビネット39の表側面(以下、単にキャビネット面という)から直交する後方に向かって延設されている。また、キャビネット39の上側には、バリア下37に固定された際に、バリア下37の上方を覆う天板103が設けられている。そして、該天板103は、図17に示すように、キャビネット面から後方向かって延設されていると共に、後述するジョグダイヤル122を取付けるための取付け孔104などが設けられている。
また、キャビネット面には、図16に示すように、正面視で矩形状に開口された開口部であるキャビネット開口部105が設けられている。該キャビネット開口部105には、キャビネット開口部105と同一形状に形成された下パネル143が着脱自在に取付けられるようになっており、この下パネル143によってキャビネット開口部105が塞がれる構成となっている。また、キャビネット開口部105の下方であって、キャビネット39の下端側には、バリア下払出口67から払い出されるメダルをメダル受け皿107払い出すための払出口(以下、キャビネット払出口という)108が設けられている。また、該キャビネット払出口108は、バリア下払出口67と同一の形状に形成されていると共に、バリア下払出口67に対応する位置に設けられている。即ち、キャビネット払出口108は、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、バリア下払出口67と一体となって(重なりあって)スロットマシン1からメダルを払い出すための払出口を構成するように設けられている(図3参照)。
さらに、キャビネット39の下端部には、図17に示すように、遊技の進行に伴い、キャビネット払出口108から払い出されるメダルを溜めておくためのメダル受け皿107が設けられている。該メダル受け皿107は、キャビネット払出口108に面するように設けられると共に、キャビネット面から前方に向かって突出するように設けられており、その左側には、ユーザー(遊技者)が吸ったタバコの吸い殻などを溜めておくための灰皿109が設けられている。
また、メダル受け皿107が設けられたキャビネット39の下端側には、スピーカ収容凹部45,46に収容されたスピーカ47の正面側(スピーカ面)を覆うスピーカグリル部110が設けられている。該スピーカグリル部110は、図15及び図16に示すように、キャビネット39に設けられた複数のスピーカ孔111及びキャビネット39の裏側面に配置されるスピーカグリルプレート115などを有して構成されており、該スピーカグリルプレート115には、スピーカ孔111の配置に合わせて楕円形状に開口された左右のプレート開口部112,113が設けられている。
スピーカグリルプレート115には、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、先端部がスピーカフランジ53に当接する、突起部であるスピーカグリルボス部116が複数設けられている。該スピーカグリルボス部116は、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、スピーカグリルプレート115のプレート面からスピーカ収容凹部45,46に向かって突出するようにして設けられており、それぞれ左右のプレート開口部112,113の開口縁の近傍に設けられている。
遊技者側からみて、左側のプレート開口部112の開口縁の近傍に設けられたスピーカグリルボス部116にあっては、図12及び図16に示すように、プレート開口部112の中心に対して、左斜め上方及び右斜め下方にそれぞれ設けられており、プレート開口部112を挟むように対向して配置されている。また、右側のプレート開口部113の開口縁の近傍に設けられたスピーカボス部116についても同様に、プレート開口部113の中心に対して、右斜め上方及び左斜め下方にそれぞれ設けられており、プレート開口部113を挟むように対向して配置されている。即ち、スピーカグリルボス部116は、フランジ嵌合部59,60に設けられたフランジ嵌合部凸部61に対応する位置に設けられている。そして、スピーカグリルボス部116は、その先端がスピーカフランジ53に当接した際に、スピーカ収容凹部45,46に収容されたスピーカ面であるスピーカフレーム53の開口面を挟んで対向するようにして配置されており、対向配置された2つのスピーカグリルボス部116間を結ぶ直線(つまりは、スピーカグリルボス部116がスピーカフランジ53に当接した際における、その当接位置間を結ぶバリア面上における直線)は、スピーカ面の中心部を通過すると共に、フランジ固定孔62に挿入されたスピーカ固定ネジ167間を結ぶ直線(即ち、対角線上に対向配置された2つのフランジ固定孔62同士間を結ぶ直線)と交差している。
また、キャビネット面の上方側には、スロットマシン1における遊技の進行に用いるための操作部117が設けられており、該操作部117は、主に、回転リールの回転を開始させるスタートレバー119、回転リール16を停止させるストップボタン120、クレジット内メダルについて3枚掛けを行うMAXBETボタン121、及び例えば、液晶表示装置などに表示されたアイコンなど操作するジョグダイヤル122などの各種スイッチから構成されている。
ストップボタン120は、キャビネット開口部105の上方であって、キャビネット面の左右幅方向における略中央付近に配置されており、左回転リール19を停止させる第1ストップボタン123、中回転リール20を停止させる第2ストップボタン124、及び右回転リール21を停止させる第3ストップボタン125の各3つのボタンから構成されている(図13参照)。スタートレバー119は、第1ストップボタンの左側方で上下方向に揺動自在に配設されている。また、MAXBETボタン121及びジョグダイヤル122は、スタートレバー119及びストップボタン120の上方であって、キャビネット39の天板103に装着されており、さらに、ジョグダイヤル122の隣には、メダルを投入するためのメダル投入口127が設けられている。
また、キャビネット39に装着された各種操作スイッチ(スタートレバー119,ストップボタン120,MAXBETボタン121,ジョグダイヤル122など)には、図16に示すように、各操作スイッチ119,120,121,122を各種基板などに接続するための接続部119a,120a,121a,122aが設けられている。これら接続部119a,120a,121a,122aは、各操作スイッチ119,120,121,122に配置される基板(不図示)などで構成されており、その接続部を構成する基板は、各操作スイッチ119,120,121,122をキャビネット39に取付ける際の取付け孔に差し込む方向に設けられている。即ち、各操作スイッチ119,120,121,122をキャビネット39に装着した際に、接続部119a,120a,121a,122aがキャビネット39の内側(下扉27内)に位置するように設けられている。そして、接続部を構成する基板に設けられた受け側コネクタなどに、ワイヤーハーネス80の一端側に設けられたコネクタ81を差し込み、各種基板の受け側コネクタなどに、ワイヤーハーネス80の他端側に設けられたコネクタ81を差し込むことで、各操作スイッチ119,120,121,122は、ワイヤーハーネス80を介して各種基板と電気的に接続される構成となっている。
各種操作スイッチ119,120,121,122の接続部119a,120a,121a,122aの近傍であって、キャビネット39の裏側面には、図16に示すように、コネクタ81を保持するコネクタ保持部130が設けられており、該コネクタ保持部130は、キャビネット39の裏面側からバリア下37に向かって突出するように設けられた3つのボス部材131a,131b,131cから構成されている。そして、それら3つのボス部材131a,131b,131cの内、2つのボス部材131a,131bは、キャビネット開口部105の上方であって、キャビネット39の左右幅方向における略中央付近に並ぶようにして配置されており、1つのボス部材131cは、それら2つのボス部材131a,131bの上方であって、かつ2つのボス部材131a,131bの間に配置されている。即ち、3本のボス部材131a,131b,131cは、三角形状に配置されている。
また、コネクタ保持部130の側方であって、キャビネット開口部105と各種操作スイッチ119,120,121,122との間には、ワイヤーハーネス80を収納するためのスペースが設けられており、このスペースがコネクタ81をコネクタ保持部130に保持させた際に、余分なワイヤーハーネス80を収納させておくハーネス収納部132を構成している。
ハーネス収納部132には、収納したワイヤーハーネス80を固定するハーネス固定部133が設けられている。該ハーネス固定部133は、鉤状(フック状)に形成されており、ワイヤーハーネス80をハーネス収容部132に収納した際には、収容したワイヤーハーネス(ハーネス)80をこのハーネス固定部133に引っ掛けて固定することによって、ワイヤーハーネス80がハーネス収納部132から飛び出てしまうことを防止するように構成されている。また、ハーネス収容部132には、ワイヤーハーネス80を収容した際のワイヤーハーネス80の位置をハーネス収容部132内に位置決めするためのハーネス収容部ボス部135が設けられており(図16参照)、該ハーネス収容部ボス部135は、ハーネス固定部133と対向するように設けられている。なお、ハーネス固定部133を鉤状に形成したがこれに限らず、ワイヤーハーネス80をハーネス収容部132内に固定し得るものであれば何れのものでもよく、例えば、クリップ状に形成してもよい。
また、キャビネット開口部105の縁部(開口縁部)136には、図16に示す下パネル143がキャビネット開口部105に取付けられた際、下パネル143に設けられた後述する上側フック153が係止する(フックする)、第1被係止部である2つの上側フック受け137が設けられている。該上側フック受け137は、キャビネット開口部105の上辺側であって、その左右の隅部にそれぞれ設けられており、開口縁部136から下方に向かって突出する開口縁部突起部139に矩形状の開口部140が形成されて構成されている。
また、左右の上側フック受け137の間であって、開口縁部136の上辺側略中央付近には、図18に示すパネル側フック159が係止する(フックする)、第3被係止部であるスライドフック141が設けられており、該スライドフック141は、開口縁部136に沿って移動し得るようにスライド可能に設けられている。さらに、上側フック受け137の下方側であって、キャビネット開口部105の下辺側には、後述する下側フック150がフックする下側フック受け142が複数設けられている(図17参照)。
[下パネルの構成]
キャビネット開口部105に取付けられる下パネル143は、図18に示すように、下パネル143の正面側を構成する、前パネル部である前ケース145と下パネル143の背面側を構成する、後パネル部である後ケース146とからなる2分割構造で構成されている。これら2つのケース145,146を重ね合わせるようにして一体化させることで下パネル143を形成するように構成されており、下パネル143内には、前ケース145及び後ケース146に挟まれるようにして、スロットマシン1の遊技内容やキャラクターなどを表示した表示シート147が収容されるように構成されている。
前ケース145の上辺側には、図18及び図19に示すように、前ケース145と後ケース146とを重ね合わせた際に、後ケース146にフックする2つの前ケース上側フック149が左右に設けられている。また、前ケース145の下辺側には、下パネル143をキャビネット開口部105に取り付けた際に、下側フック受け142にフック(嵌る)する、前突起部である4つの下側フック150が設けられており、これら各下側フック150には、正面視で略矩形状に開口された下側フック開口部151がそれぞれ設けられている。さらに、下側フック150には、図20に示すように、後述する後ケース突起部152の爪部がフックする(嵌る)ための溝部150aが設けられている。この溝部150aは、下側フック開口部151側に設けられており、矩形状に形成された下側フック開口部151の下辺に沿うようにして設けられている。
また、後ケース146の下辺側には、図19及び図21に示すように、下側フック開口部151に係止する(嵌る)、後突起部である4つの後ケース突起部152が設けられており、これら後ケース突起部152は、下側フック150に対応する位置(前ケース145と後ケース146とを重ね合わせた際、下側フック150の位置と同じ位置)にそれぞれ設けられている。さらに後ケース突起部152には、下側フック150に設けられた溝部150aにフックする爪部152aが設けられており、この爪部152aは、後ケース突起部152の先端側から後ケース突起部152を下側フックに嵌め込む方向に向かって延設されている。
そして、後ケース突起部152の爪部152aが下側フック150の溝部150aに嵌るのに伴い、図22に示すように、後ケース突起部152が下側フック開口部151に嵌合する(即ち、下側フックと後ケース突起部152とが互いに係止しあった状態となる)。このように、下側フック150と後ケース突起部152とが一体化することで、下パネル142の下辺側をキャビネット開口部105に取付けるための第2係止部154が形成されるように構成されている。
後ケース146の上辺側であって、その左右両側には、上側フック受け137にフックする、第1係止部である上側フック153が設けられており、該上側フック153は、後ケース146から後方に(下パネル143をキャビネット開口部105に取付ける方向に)向かって延設されている。
また、上側フック153は、図18に示すように、平板状に形成されたフック本体部155と該フック本体部155に設けられた係止突起部156とを有して構成されている。そして、係止突起部156は、下面で係止するように側面視で半矢羽根状に形成され、かつ上側フック153が上側フック受け137にフックした際に、フック本体部155から下パネル(後ケース146)143の内方側に向かってその尖った先端が突出するように設けられている(図25参照)。また、後ケース146のケース面であって、上側フック153の下側は、矩形状に開口されており、その開口された縁部を囲うようにして、補強リブ157が設けられている。
さらに、後ケース146の上辺側であって、その略中央付近には、第3係止部であるパネル側フック159が設けられている。該パネル側フック159は、後ケース146から後方に(下パネル143をキャビネット開口部105に取付ける方向に)向かって延設されており、その先端部が屈曲されて平面視で略鉤状に形成されている。そして、このパネル側フック159はキャビネット開口部105に設けたスライドフック141が係止する(フックする)ように形成されている。
[ジョグダイヤルの構成]
また、キャビネット39に装着される、操作スイッチであるジョグダイヤル122は、図23に示すように、略円柱状に形成されたジョグダイヤル本体部160及び該ジョグダイヤル本体部160の上方に回転自在に配置されると共に、略円盤状に形成されたジョグダイヤル操作部161を有して構成されている。
ジョグダイヤル本体部160の正面側(ジョグダイヤル122をキャビネット39に取り付けた際にキャビネット39の裏側面(キャビネット面の反対側の面)に面する側)には、ジョグダイヤル本体部160をキャビネット39の取付け位置である取付け孔104に位置決めする、位置決め部である前側フック162が設けられており、その反対側であるジョグダイヤル本体部160の背面側(ジョグダイヤル122をキャビネット39に取り付けた際にバリア面に面する側)には、前記前側フック162によって取付け孔104に位置決めされたジョグダイヤル本体部160をキャビネット39に仮止め(仮固定)する、仮固定部である後側フック163が設けられている。
前側フック162はジョグダイヤル本体部160から前方に向かって突起するように設けられており、後側フック163は、ジョグダイヤル本体部160から上方に向かって延設されており、かつ可撓性を有して設けられている。また、ジョグダイヤル本体部160の背面側であって、後側フック163の下方には、図24に示すように、操作スイッチ被係止部である2つのジョグダイヤル凹部165が左右に並ぶようにして2つ設けられている。
これら2つのジョグダイヤル凹部165は、ジョグダイヤル122を取付け孔104に差し込む方向と交差する方向に向かって窪んでいる。即ち、ジョグダイヤル122をキャビネット29に取付けた際に、ジョグダイヤルの本体部160からキャビネット面に向かって窪んでいる。また、バリア下39のバリア面には、ジョグダイヤル122を装着した状態でキャビネット39をバリア下37に固定した際に、ジョグダイヤル凹部165に係止する(嵌合する)、基体係止部である2つのバリア下凸部166が設けられている。
これら2つのバリア下凸部166は、バリア面上であってジョグダイヤル凹部122に対応した位置(キャビネット39をバリア下に固定した際に、ジョグダイヤル凹部165に嵌合し得る位置)に設けられていると共に、ジョグダイヤル凹部122と同様にジョグダイヤル122を取付け孔104に差し込む方向と交差する方向に向かって延設されている。即ち、キャビネット39をバリア下37に固定した際、バリア面からキャビネット面に向かって延設されている。
[作用及び効果]
次いで、上述のように構成されたスロットマシン1の組み立てについて説明する。作業者(例えば、工場における作業員あるいはパチンコ店などのホールスタッフなど)は、下パネル143をキャビネット開口部105に取付けるため、前ケース145と後ケース146とを重ね合わせるようにして一体化する。この際、下パネル143内に表示シート147を収容するため、表示シート147の表裏を前ケース145及び後ケース146で挟み込むようにする。
このとき、作業者は、後ケース突起部152を下側フック開口部151に差し込むようにして嵌合させた後(図22参照)、後ケース146の上辺側を前ケース145側に回動させるようにして、前ケース145と後ケース146とを重ね合わせる。前ケース145と後ケース146とを重ね合わせることで、前ケース上側フック149が後ケース146に係止して(フックして)、前後ケース145,146が一体化して下パネル143が形成される。
上述のようにして、形成された下パネル143をキャビネット開口部105に取付ける際は、下側フック150を下側フック受け142に差し込むようにして嵌め込んだ後、下パネル143の上辺側をキャビネット開口部105側に向かって回動させる。下パネル143を回動させると、上側フック153は、図25に示すように、上側フック受け137の開口部140内に侵入する。そして、係止突起部156の尖った先端が下パネル143の内方側に向かって突起した状態(即ち、キャビネット開口部105と下パネル143との間に挿入される針金Wによって押される方向に突起した状態)で、上側フック受け137にフックすると共に、下パネル143がキャビネット開口部105を塞いだ状態でキャビネット39に取付けられる。なお、下パネル143をキャビネット開口部105から取外す際には、上側フック受け137に対する上側フック153のフックを解除させる必要があり、その解除は、上側フック受け137に対して係止突起部156を押し上げるようにして上側フック153を反らせることで行われる。
また、下パネル143がキャビネット開口部105に取付けられた際に、作業者がスライドフック141をスライドさせてパネル側フック159をスライドフック141に係止させる(フックさせる)と、パネル下143がキャビネット面から取外すことができなくなるようになる(図16参照)。即ち、キャビネット39の裏側面からスライドフック141をスライドさせて、パネル側フック159のスライドフック141とのフック状態を解除しない限り、下パネルをキャビネット開口部105から取外すことができなくなる状態となる。
そして、下パネル143がキャビネット開口部105に取付けられると、下パネル143内に収容された表示シート147は、発光体支持部40,41に支持されたLED基板42によって照らされる。なお、この際、下パネル(後ケース146)143のパネル面は、図26に示すように、このパネル面に対して傾斜するLED基板42によって照らされ、パネル面に設けられた補強リブ157及びその周辺は、図26の矢印Aに示すように、斜め下側からLED基板42によって照らされる状態となる。
また、作業者がジョグダイヤル122をキャビネット39に取付ける際は、ジョグダイヤル122をキャビネット39の取付け孔104に差し込み、前側フック162をキャビネット39の取付け孔104の手前側にフックさせた後(図11参照)、前側フック162を支点として後側フック163が下方に移動するように、ジョグダイヤル本体部160を回動させて取付け孔104に嵌め込む。そして、後側フック163をキャビネット39にフックさせて、ジョグダイヤル122をキャビネット39に仮止め状態で取付ける。
さらに、作業者は、キャビネット39をバリア下37に取付ける前に、一端側に設けられたコネクタ81がスタートレバー119、ストップボタン120、MAXBETボタン121などの接続部119a,120a,121a,122aに接続されたワイヤーハーネス80の他端側に設けられたコネクタ81を、ボス部材131a,131b,131c間に挟持させる(コネクタ保持部130に保持させる)と共に、ワイヤーハーネス80をハーネス収容部132に収容する(図16参照)。
一方で、作業者がバリア下39にスピーカ47を装着する際は、左右のスピーカ収容凹部45,46にスピーカ47を装着する(図14参照)。そして、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に装着する際は、スピーカ47の背面側を嵌め込むようにしてスピーカ収容凹部45,46に収容する。
スピーカ47がスピーカ収容凹部45,46に収容されると、その磁気回路体49が磁気回路体嵌合部63に嵌合すると共に、スピーカ47は、そのスピーカフレーム50の背面側が覆われるようにしてフレーム支持部57に支持される。この際、音抜け孔52と支持部開口部65とは、互いにズレた状態となる。即ち、音抜け孔52は、その後方側が音抜け孔被覆部58で塞がれるようにして覆われると共に、支持部開口部65は、その前方側がスピーカフレーム50によって塞がれた状態となる。その際、フレーム支持部凸部66は、音抜け孔52に面して位置する状態となる。
また、磁気回路体49が磁気回路体嵌合部63に嵌合するまでスピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に嵌め込むと、スピーカフランジ53がフランジ嵌合部59,60に嵌合する。その際スピーカフランジ53のフランジ面は、バリア面から後方側に一段下がった状態となる(図14参照)。この際、フランジ嵌合部凸部61がフランジ孔55に嵌合すると共に、フランジ嵌合部59,60に設けられたフランジ固定孔62とスピーカフランジ53に設けられたフランジ孔55とが合致した状態となる。そして、その合致状態にあるフランジ孔55及びフランジ固定孔62にスピーカ固定部材であるスピーカ固定ネジ167を螺合させる(図14参照)。
キャビネット39及びバリア下37を上述のような状態にした後、作業者がキャビネット裏側面をバリア面に重ね合わせるようにして、キャビネット39をバリア下37に配置すると、バリア下固定孔70とキャビネット固定孔74との位置が合致した状態となる。そして、作業者は、その合致状態にあるバリア下固定孔70及びキャビネット固定孔74にキャビネット固定ネジ169を挿入し、螺合させると、キャビネット39は、バリア面に引き込まれるようにしてバリア下37に固定される。このキャビネット39のバリア下37への固定に伴い、スピーカグリル部(スピーカグリルプレート115のプレート面)110がバリア下37のバリア面に接すると同時に、ガスケット56がスピーカグリルプレート115のプレート面と接した状態になる(図10参照)。また、スピーカ収容凹部45、46に収容されたスピーカ47は、ガスケット56を介してスピーカグリルプレート115と、フレーム支持部57とに前後方向から挟持された状態でパリア下37(スピーカ収容凹部45,46)に固定される(図9参照)。
また、キャビネット39は、バリア下37に取付けられることで、その内側がバリア下37に支持された状態となる。即ち、キャビネット39の側板100,101は、バリア下37の両側辺部37a,37bによって支持され、また、キャビネット39の天板103はバリア下の上辺部37cによって支持され、キャビネット39の裏面側はバリア下37のバリア面によって支持されることになる(図3及び図4参照)。そして、キャビネット39の内側がバリア下39に支持されるのに伴い、キャビネット39自体の強度が向上することになる。
スピーカグリルプレート115のプレート面がバリア面に接すると、スピーカグリルボス部116は、フランジ孔55に嵌合したフランジ嵌合部凸部62の先端部と嵌合し、これに伴いスピーカグリルボス部116の先端部がスピーカフランジ53のフランジ面に当接した状態となる(図9参照)。
そして、上述のように、キャビネット固定ネジ169によるキャビネット39のバリア37への固定に伴い、キャビネット39がバリア面に引き込まれると共に、スピーカグリルボス部116は、スピーカ47をスピーカ収納凹部45,46側へと押し込むようにスピーカフランジ53のフランジ面を加圧する。このスピーカグリルボス部116によるフランジ面への加圧により、スピーカ47は、振動不可能な状態でスピーカ収容凹部45,46に固定される。
さらには、キャビネット39をバリア下37に固定することで、各種操作スイッチ119,120,121,122の接続部119a,120a,121a,122aや、この接続部119a,120a,121a,122aに接続されたワイヤーハーネス80がバリア下37で覆い隠された密閉状態となると同時に、コネクタ保持部130がバリア下開口部73からバリア下37の裏面側に突出する(図5参照)。これに伴い、コネクタ保持部130に保持させたコネクタ81もバリア下37の裏側面上に位置するようになり、作業者は、そのコネクタ81をバリア下37の裏側面上に引き出すことが可能となる。
また、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、バリア下凸部166がジョグダイヤル凹部165に嵌合する(図11参照)。すると、ジョグダイヤル122は、前側フック162及び後側フック163で着脱容易な状態でキャビネット39に装着された仮止め状態から、前側フック162、後側フック163、及びバリア下凸部166とジョグダイヤル凹部165との嵌合によって、取外し困難な状態でキャビネット39に装着された固定状態(本止め)となる。
作業者は、コネクタ保持部130に保持されたコネクタ81をバリア下37裏側面上に引出して、中継基板75に設けられた受け側コネクタ82に接続する。その後、作業者は、中継基板75を覆うようにして、基板カバー83を基板取付部76に装着し、カバー固定ネジ87でカバー本体部85を基板取付部76に固定して中継基板75を保護する。
この基板カバー83の取付けに伴い、中継基板75の受け側コネクタ82に接続されたコネクタ81及びワイヤーハーネス80のコネクタ81側の一部がカバー本体部85に覆われると共に、受け側コネクタ82に接続されたコネクタ81のコネクタ面81aにカバー凸部90,91の当接面90a,91aが当接した状態となる。そして、このカバー凸部90,91の当接面90a,91aとコネクタ81のコネクタ面81aとの当接に伴い、受け側コネクタ82と不完全な接続状態のコネクタ81にあっては(即ち、接触不良の状態)、カバー凸部90,91によって受け側コネクタ82側に押し込まれて、受け側コネクタ82と完全な接続状態となる。また一方で、受け側コネクタ82と完全な接続状態にあるコネクタ81にあっては、カバー凸部90,91が当接することによって、その接続状態が解除されないように位置決めされる(図7参照)。
また、基板カバー83の基板取付部76への取付けに伴い、基板取付部76に設けられたバリア下固定孔70d及び該バリア下固定孔70dに螺合するキャビネット固定ネジ169は、カバー被覆部88によって覆れて、キャビネット固定ネジ169の固定を解除することができなくなる(図6参照)。
さらに、中継基板75を覆うようにして基板取付部76に固定された基板カバー83の封印部材挿入孔94に、作業者が封印部材95を挿入し、そのタブ部96が壁部93に接するまで封印部材95を挿入すると、封印部材95の矢尻部分97が封印部79まで到達して、基板カバー83は基板取付部76に封印される。即ち、基板カバー83は、封印部材95を破壊することなく基板取付部76から取外すことができない状態となる。
上述のように、バリア下37にスピーカ収容凹部45,46を一体に形成し、スピーカ収容凹部45,46に収容されたスピーカ47をスピーカ収容凹部45,46とスピーカグリルプレート115とで挟持してバリア下37に固定するので、スピーカ47をバリア下37又はキャビネット39にネジなどで固定することなく前扉3に配置することができ、例えば、スピーカ47をスピーカ取付カバーでキャビネット39やバリア下37に取付ける場合と比して、スピーカ取付カバーを固定するためのネジなどが必要ないことから、使用するネジの数を抑えることができる。これにより、製造コストを抑えることができ、かつスピーカを着脱する際に、スピーカ取付カバーの着脱作業も不要となるで、スピーカ着脱時の作業性の向上を図ることもできる。
また、フレーム支持部57に音抜け孔52の後方を覆う音抜け孔被覆部58を設けると共に、フレーム支持部57に支持部開口部65を設け、フレーム支持部57でスピーカフレーム50を支持した際に、音抜け孔52と支持部開口部65とが互いにズレるようにしたので、音抜け孔52の後方側を音抜け孔被覆部58で塞ぐことができ、かつ支持開口部65の前方側をスピーカフレーム50で塞ぐことができる。これにより、音抜け孔52に異物である針金Wなどが差し込まれても音抜け孔被覆部58でその針金Wなどが筐体2内部に入り込むのを防ぐことができると共に、スピーカフレーム50によって針金Wなどが支持部開口部65に差し込まれるのを防ぐことができる。この結果、振動板51によって生じた背圧を音抜け孔52を介して支持部開口部65から排出することで、スピーカの音質の向上を図ることができると共に、針金Wなどがスピーカ47から筐体2内に差し込まれるのを防止することができ、コーン破りなどのゴト行為を防止することができる。
また、音抜け孔52を覆う音抜け孔被覆部58にフレーム支持部凸部66を設けると共に、音抜け孔52と連通する連通孔68をフレーム支持部凸部66に設け、かつフレーム支持部66に設けた連通孔68自体をスピーカ収容凹部45,46におけるスピーカ47の取付け方向である前後方向と直交する横方向に向けて設けたので、連通孔68からスピーカ47内に空気を取り込むことができるものでありながら、音抜け孔52を介して連通孔68に針金Wなどが差し込まれたとしても、その針金Wなどは、横方向に向かって挿入される。これにより、連通孔68からスピーカ47内に空気を取り込むことで、スピーカ47の音質の向上を図ることができると共に、針金Wなどが音抜け孔52を介して連通孔68に挿入されたとしても、その針金Wなどがフレーム支持部57よりも後方である筐体2内部に挿入されることを防止することができ、コーン破りなどのゴト行為を防止することができる。
また、バリア下37をキャビネット39の補強部材としての機能を有して構成したので、キャビネット39をバリア下37に取付けるのに伴い、キャビネット39の側板100,101がバリア下37の左右両辺部37a,37bに支持され、キャビネット39の天板103がバリア下37の上辺部37cに支持され、キャビネット39の裏面側がバリア下27のバリア面に支持されるので、キャビネット39自体の強度を向上させることができる。これにより、下扉27自体の耐久性も向上し、例えば、ホッパーユニット11へのメダル補給に伴う下扉27の開閉動作を長期間行っても下扉26の破損を抑えることができ、スロットマシン1自体の信頼性や耐久性を向上させることができる
また、中継基板75を保護する基板カバー83のカバー本体部85にカバー凸部90,91を設け、カバー本体部85を基板取付部76に固定して中継基板75を覆った際に、受け側コネクタ82と不完全な接続状態のコネクタ81は、完全な接続状態となるようにカバー凸部90,91で受け側コネクタ82側に押し込まれ、受け側コネクタ82と完全な接続状態のコネクタ81は、その接続状態が解除されないようにカバー凸部90,91の当接面90a,91aとコネクタ81のコネクタ面81aとが当接するので、基板交換などのゴト行為などから中継基板75を保護するものでありながら、コネクタ81と受け側コネクタ82との接触不良や、コネクタ81が受け側コネクタ82から外れてしまうことなどを防ぐことができる。これにより、例えば、接触不良などによるスロットマシン1の誤作動などを防止することができる他、コネクタ81の接触不良を解消すべくコネクタ81を再接続する度に、下扉27を開けて、基板カバー83を取外す必要もないので、ホールスタッフなどの負担も軽減することができる。
また、基板カバー83を基板取付部76に固定して中継基板を保護した際に、コネクタ81及びワイヤーハーネス80のコネクタ側の一部がカバー本体部85によって覆われると共にカバー凸部90,91がコネクタ81に当接しているので、基板カバー83を取外さない限り、コネクタ81を受け側コネクタ82から外すことができないようにすることができる。これにより、例えば、不正に基板を取り換えるゴト行為やワイヤーハーネス80を交換して行われるゴト行為などを防止することができる。
また、カバー凸部90,91の当接面90a,91aが中継基板75の基板面に向かって突出するように、カバー凸部90,91自体をカバー本体部85のカバー面から中継基板75方向に突起するように形成し、その当接面90a,91aをコネクタ面81aに当接させるようにしたので、例えば、中継基板75の基板面にコネクタ81よりも大きい電子部品が配置され、カバー本体部85のカバー面を中継基板75の基板面から離間させなければならない場合であっても、基板カバー83による中継基板75の保護に伴い、コネクタ81を受け側コネクタ82に押し込むことができる。これにより、例えば、基板面にコネクタ81よりも大きな電子部品が配置された基板であったとしても基板カバー83で保護することができると共に、コネクタ81の接触不良や、その接触不良に伴う誤作動を防ぐことができる。
また、中継基板75を基板カバー83で保護する際に、封印部材95によってカバー本体部85を封印状態で基板取付部76に固定することができるので、封印部材95の破壊により基板カバー83が不正に基板取付部76から取外されたことを検知することができる。これにより、例えば、基板を交換するゴト行為などを早期に検知することができる。
また、カバー本体部85を基板取付部76に固定した際に、基板取付部76に設けられたバリア下固定孔70に螺合するキャビネット固定ネジ169がその固定の解除ができないようにカバー被覆部88によって覆われるので、基板カバー83を取外さない限り、バリア下37に固定されたキャビネット39の固定を解除することができないようにすることができる。これにより、例えば、各種操作スイッチ119,120,121,122と接続されるワイヤーハーネス80の交換するゴト行為などを防止することができる。
また、スピーカグリルプレート115にスピーカグリルボス部116を設け、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、スピーカグリルボス部116がスピーカフランジ53に当接することでスピーカ47を振動することのないようにスピーカ収容凹部45,46に固定するようにしたので、例えば、スピーカフランジ53の4隅をネジで固定して、スピーカの振動を抑えるものと比して、スピーカ47の振動を抑えるために用いるネジの数を抑えることができる。これにより、スピーカのビビリ音を抑えて音質の向上を図ることができるものでありながら、スロットマシン1の製造コストを抑えることができる。
また、スピーカ47をバリア下37に固定した際の、スピーカ固定ネジ167のバリア下37上における固定位置間を結ぶ直線とスピーカフランジ53に当接した際のスピーカグリルボス部116間(スピーカフランジ53への当接位置間)を結ぶ直線とが交差すると共に、キャビネット固定ネジ169でキャビネット39をバリア下37に固定した際の、バリア下37上におけるキャビネット固定ネジ169の固定位置間を結ぶ直線が、スピーカ固定ネジ167の固定位置間を結ぶ直線と交差するようにしたので、上述のスピーカグリルボス部116によるスピーカフランジ53への当接と相まって、スピーカグリルプレート115のプレート面にスピーカ47のガスケット56が接するようにして、キャビネット固定ネジ169でキャビネット39をバリア下37に固定した際に、キャビネット39がバリア面へ引き込まれるのに伴い、スピーカグリルボス部116がスピーカフランジ53のフランジ面を加圧してスピーカ47を固定する。これにより、スピーカフランジ53の4隅のうちの対角線上にある2つ隅部(角部)をスピーカ固定ネジ169で固定するだけでスピーカフランジ53の4隅を固定した状態で、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に固定することができる。この結果、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に収容させた状態で、スピーカ47に設けられたガスケット56をスピーカグリルプレート115のプレート面に接するようにし、かつスピーカ47の振動を抑えるためスピーカフランジ53をネジで固定するように構成しても、スピーカ47の振動を抑えるのに用いるネジや、ガスケット56をスピーカグリルプレート115に接地させるのに用いるネジなどの数を抑えることができ、さらには、ガスケット56をスピーカグリルプレート115に密着させることで音質を向上させつつ、スロットマシン1に用いるネジの数を抑えてスロットマシン1の製造コストを抑えることができる。
また、第1、第2、及び第3バリア下固定孔70a,70b,70cをフランジ嵌合部凸部61に近接した位置に設け、キャビネット39をバリア下37に固定する際、フランジ嵌合部凸部61に近接した位置にてキャビネット39をバリア下37にキャビネット固定ネジ169で固定することができるようにしたので、スピーカグリルボス部116をバリア面側に強い力で引き込めるようにすることができ、スピーカグリルボス部116をスピーカフランジ53のフランジ面に強く押付けることができる。これにより、スピーカ固定ネジ167による固定と相まって、スピーカフランジ53をバリア面側に向かって、強くかつバランスよく押し付けることができ、スピーカのビビリ音が生じるのを抑えることができる。
また、上述のように、スピーカ47をバリア下37に設けられたスピーカ収容凹部45,46に装着した場合であっても、ガスケット56をスピーカグリルプレート115に密着させて音質の向上を図ることができる共に、スピーカ47をビビリ音の発生を抑えてスピーカ収容凹部45,46に装着することができるので、例えば、スロットマシン1についてリユースを行う際にあっては、キャビネット39側にスピーカ47が取付けられたスロットマシンについてリユースを行う場合と比べて、スピーカ47を廃棄対象であるキャビネット39から取外す必要がないため、リユースを行う際の作業性の向上を図ることができる。
また、キャビネット39にコネクタ81を保持するコネクタ保持部130を設けると共に、バリア下37のコネクタ保持部130に対応する位置にバリア下開口部73を設け、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、バリア下開口部73からコネクタ保持部130に保持させたコネクタ81を引き出せるようにしたので、例えば、キャビネット39の交換作業を一人で行う際、各種操作スイッチ119,120、121,122に一端がコネクタ81を介して接続されたワイヤーハーネス80の他端側のコネクタ81を容易にバリア下37の裏側面に引き出すことができる。これにより、キャビネット39の交換作業を行う際に行うバリア下37の裏面側へのコネクタ81の引き出し作業の負担が軽減され、キャビネット39をバリア下37に取付ける際の取付け作業性の向上を図ることができる。この結果、キャビネット39の交換作業(組み立て作業)を1人でも容易に行うことができる。
また、キャビネット39にハーネス収容部132を設け、コネクタ保持部130にコネクタ81を保持させた際、余分なワイヤーハーネス80を収容できるようにしたので、キャビネット39をバリア下37に取付ける際にキャビネット39とバリア下37との間にワイヤーハーネスが挟み込まれることを防止することができる。これにより、ワイヤーハーネス80を傷つけることなくキャビネット39の組み立て作業をスムーズに行うことができる。
また、ジョグダイヤル本体部160にジョグダイヤル凹部165を設けると共に、バリア下37にバリア下凸部166を設け、ジョグダイヤル122を装着した状態でキャビネット39をバリア下37に固定した際に、バリア下凸部166がジョグダイヤル凹部165に嵌合して固定状態(本止め)となるようにしたので、例えば、キャビネット39に設けられた取付け孔104とジョグダイヤル本体部160との隙間に針金Wが差し込まれ、その針金Wにより後側フック163におけるキャビネット39へのフックが解除されたとしても、バリア下凸部166がジョグダイヤル凹部165に嵌合しているため、ジョグダイヤル122をキャビネット39から取外すことができない。このためキャビネット39をバリア下37から取外さない限り、キャビネット39(即ち下扉27)からジョグダイヤル122を取外すことができないが、キャビネット39は、複数のキャビネット固定ネジ169によってバリア下37に固定され、かつそのキャビネット固定ネジ169の内の1つが上述のように、カバー被覆部88によってその固定の解除ができないように覆われるので、バリア下37からキャビネット39を(またはキャビネット39からバリア下37を)容易に取外すことができないように取付けられている。これにより、バリア下37からキャビネット39を取外すことで、バリア下凸部166とジョグダイヤル凹部165との嵌合の解除を行うことも困難となる。この結果、ジョグダイヤル122をキャビネット39から取外すことが困難となり、ジョグダイヤル122の取外しに伴い、取付け孔104を介して行われるゴト行為などを防止することができるものでありながら、キャビネット39をバリア下37に固定する一連の作業でジョグダイヤル122をキャビネット39(下扉27)に固定でき、ジョグダイヤル122の取付け作業の作業性の向上を図ることができる。
また、ジョグダイヤル本体部160にキャビネット39の取付け孔104に位置決めする前側フック162を設けると共に、ジョグダイヤル本体部160をキャビネット39に仮止め状態で取付ける後側フックを設け、バリア下凸部166がジョグダイヤル凹部165に嵌合する位置でジョグダイヤル122をキャビネット39に仮止め状態で取付けることができるようにしたので、常にバリア下凸部166がジョグダイヤル凹部に嵌合する位置でジョグダイヤル本体部160をキャビネット39に取付けることができる。これにより。ジョグダイヤル122の本固定が行いやすくなり、キャビネット39のバリア下37への固定をスムーズに行うことができる。この結果、キャビネット39をバリア下37に取付ける取付け作業の作業性の向上を図ることができる。
また、下パネル143をキャビネット開口部105から取外す際には、上側フック受け137に対する上側フック153のフックの解除を行う必要があるが、上側フック153を平板状のフック本体部155と係止突起部156とから構成すると共に、上側フック153が上側フック受け137にフックした際に、係止突起部156の尖った先端が下パネル143の内方側に向かって突起した状態になるようにしたので、例えば、図25に示すように、キャビネット開口部105と下パネル143との間に挿入された針金Wによって上側フック153が押されたとしても、その針金Wによって押される方向は上側フック153のフック状態を強める方向であるため、上側フック受け137に対する上側フック153のフックの解除を防ぐことができる。これにより、キャビネット開口部105から下パネル143が外されることを防ぐことができ、下パネル143を外して行われるゴト行為などを防止することができる。
また、下パネル143を2分割で構成し、かつ前ケース145に下側フック開口部151が設けられた下側フック150を設けると共に、後ケース146に後ケース突起部152を設け、前ケース145と後ケース146と重ね合わせる際に、後ケース突起部152に下側フック開口部151に嵌合させることで、下パネル143をキャビネット開口部105に取付ける際に係止する第2係止部を形成するようにしたので、例えば、下側フック150と対応しない位置であって、後ケース146の側辺側に突起部を設け、この突起部及び下側フック150をキャビネット開口部105の開口縁部136にフックさせて下パネルをキャビネット開口部105に取付ける場合と比して、開口縁部136に設けるフック受けの数を抑えることができる。これにより、スロットマシン1の製造コストを抑えることができる。
また、後ケース146にパネル側フック159を設けると共に、キャビネット39にスライドフック141を設け、下パネル143をキャビネット開口部105に取付けた状態でパネル側フック159をスライドフック141にフックさせると、パネル下143がキャビネット面から取外すことができなくなるようにしたので、例えば、下パネルにおけるパネル側フック159以外のフックが外されたとしても、下パネル143がキャビネト開口部105から取外されることを防止することができる。これにより、下パネル143を外して行われるゴト行為などを防止することができる。
また、下パネル143がキャビネット開口部105に取付けられた際に、図26の矢印Aに示すように、斜め下側からLED基板42によってそのパネル面が照らされるようにしたので、補強リブ157など上側フック153及びその周辺の形状が下パネル143のパネル面に映り込むのを防止することができる。これにより、パネル面の美観が損なわれるのを抑えることができる。
なお、本実施の形態では、中継基板75が取付けられたバリア下37の基板取付部76にカバー本体部85を固定することで、中継基板75を覆うようにして保護する基板カバー83にカバー凸部90,91を設けたが、これに限らず、コネクタを接続するための受け側コネクタが設けられた基板を保護する基板ケースであれば何れでもよく、例えば、基板の裏側面を下カバーで覆うと共に、その基板の表側面を上カバーで覆い、下カバーと上カバーとで基板を挟み込むようにして密封する基板ケースであって、受け側コネクタが設けられた基板面と面するカバー面に凸部を設け、受け側コネクタに接続されたコネクタに当接させる構成であってもよい。
また、本実施の形態では、当接面90a,91aが中継基板75側に向かって突出するように、当接部であるカバー凸部90,91自体を中継基板75に向かって突起するように構成したが、これに限らず、基板カバーで基板を保護した際に、基板カバーに設けた当接面が基板の受け側コネクタに接続されたコネクタのコネクタ面に当接すればいずれのものであってもよい。例えば、図27の(A)に示すように、基板カバー83Aに設けられた当接部170,171の当接面170a,171aが中継基板75の基板面を覆うカバー面と同一の高さ、即ち、カバー面と同一平面上にあるように構成してもよく、さらには、図27(B)に示すように、当接面172a,173aが中継基板75を覆う基板カバー83Bのカバー面と離れた位置にある、即ち、当接部172,173を中継基板75基板面から離れる方向(基板面とは逆の方向)に突起するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、スピーカ45に当接する突起部をスピーカフランジ嵌合部凸部62の先端部と嵌合するスピーカグリルボス部116で構成したが、これに限らず、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、スピーカに当接してスピーカ47を固定できれば何れのものであってもよい。例えば、スピーカグリルプレート115に凸部を設け、該凸部をスピーカフランジ53に当接させてもよい。
また、本実施の形態では、スピーカフランジ53の4隅のうち2つをフランジ孔55にスピーカ固定ネジ167を螺合させ、他の2つにスピーカグリルボス部116を当設させてスピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に固定する構成としたが、これに限らず、スピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に固定することができれば何れでものであってもよく、例えば、スピーカグリルプレート115におけるスピーカフランジ53の4隅に対応する位置にスピーカグリルボス部116を4つ設け、この4つのスピーカグリルボス部116をスピーカフランジ53の4隅に当接させてスピーカ47をスピーカ収容凹部45,46に固定させる構成であってもよい。
また、本実施の形態では、操作スイッチ被係止部をジョグダイヤル凹部165で構成し、かつ基体側係止部をバリア下凸部166で構成したが、これに限らず、ジョグダイヤル本体部160を取外すことができないように固定できれば何れのものであってもよく、例えば、操作スイッチ被係止部を凸部で構成し、基体側係止部を凹部で構成しても当然によく、また、バリア下37にフックを設けると共に、ジョグダイヤル本体部160にフック受けを設けてジョグダイヤル本体部160をバリア下37にフックさせる構成であってもよい。
また、本実施の形態では、キャビネット39のバリア下37の固定に伴い、ジョグダイヤル122に設けたジョグダイヤル凹部165がバリア下37に設けたバリア下凸部166に嵌合することで、ジョグダイヤル122を取外し不能な状態でキャビネット39に取付けるように構成したが、これに限らず、キャビネット39に取付けられるスイッチであれば何れのスイッチであってもよい。例えば、MAXBETボタン121に操作スイッチ被係止部を設け、その操作スイッチ被係止部がキャビネット39のバリア下37への固定に伴い、バリア下37に設けた基体係止部と係止することで、MAXBETボタン121が取外し不能な状態でキャビネット39に取付けられるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、コネクタ係止部を3つのボス部材131a,131b,131cで構成したが、これに限らず、コネクタ81を保持できれば何れのものであってもよく、例えば、コネクタ81を挟んで保持するためのクリップなどを設けてもよい。
また、本実施の形態では、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、ボス部材131a,131b,131cがバリア下開口部73からバリア下37の裏側面上に突出するのに伴い、ボス部材131a,131b,131cに保持させたワイヤーハーネス80のコネクタ81がバリア下37の裏側面上に位置することにより、そのコネクタ81をバリア下37の裏側面上に引き出し得るように構成したが、これに限らず、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、ボス部材131a,131b,131cに保持させたワイヤーハーネス80のコネクタ81をバリア下開口部73から引き出せれば何れのものであってもよい。例えば、キャビネット39をバリア下37に固定した際に、ボス部材131a,131b,131cはバリア下37の裏側面上に突出しないが、コネクタ81自体はバリア下37の裏側面上に位置し、またはコネクタ81自体もバリア下37の裏側面上に位置しないがバリア下開口部73の開口面に近接した場所に位置することでコネクタ81を引き出し得るように構成してもよい。
また、本実施の形態では、第2係止部を下側フック150に設けられた下側フック開口部151に後ケース突起部152が嵌合させて形成するように構成したが、これに限らず、前突起部と後突起部が互いに係止して形成されれば何れのものであってもよく、例えば、後ケース突起部152に開口部を設けると共に、下側フック150を嵌合させて第2係止部を形成する構成であってもよい。
また、本実施の形態では、上扉及び下扉の2枚の扉で構成される前扉に本発明を適用して説明したがこれに限らず、1枚で構成される前扉にも当然に本発明を適用することができる。