以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2はスロットマシンを前方右上から見た斜視図、図3は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図4(a)はコネクタ部分の横断面拡大図、図4(b)はコネクタホルダを移動させた状態を示す断面拡大図、図5は前面開閉部材を開放した状態の機種ユニットを前方右上から見た斜視図、図6は機種ユニットの分解斜視図、図7は機種ユニットを後方右上から見た斜視図、図8(a),(b)はコネクタホルダの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図9は配線中継部材の分解斜視図、図10は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図11,図12はコネクタホルダからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図、図13はコネクタホルダを後方左下から見た斜視図で、図14はコネクタ部分の縦断面拡大図、図15はコネクタ部分を移動させた状態を示す縦断面拡大図、図16(a)はコネクタの連結保持状態を示す斜視図、図16(b)はその際用いられる結束バンドの斜視図、図17はコネクタの連結保持状態を示す縦断面拡大図、図18は前面開閉部材及び演出表示装置を分解した状態を前方右上から見た斜視図、図19は前面開閉部材を前方右上から見た拡大斜視図、図20は前面開閉部材及び演出表示装置を組合せた状態の縦断面図及び金具の斜視図、図21は図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図、図22は図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図、図23は図柄変動表示装置の分解斜視図、図24はリールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図、図25はリールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図、図26はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図27は他の形態を示すストッパーの斜視図、図28はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図29はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図30はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図31は図30の分解斜視図、図32はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図33は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図34は電源装置を前方左下から見た斜視図、図35は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図36は透明板を装着した扉形前面部材の要部断面図、図37はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図38はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図39は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図41は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図42(a)は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42(b)は連結具の突出状態を示す断面斜視図、図43は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図44は図43の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。ここで、外本体100が本発明の筐体に相当し、図柄変動表示装置300が本発明の遊技表現手段及び回転ドラムに相当する。また、図18に示すように、画像表示体500は、樹脂製の前面開閉部材501と、その前面側に取付けられた演出表示装置590とを具備して構成されている。
[外本体]
外本体100は、図1〜図3に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟(図示しない)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口(図示しない)が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201(図2参照)に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。ここで、メダル放出装置110が本発明の電気部品に相当する。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨んでいる。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
電源装置112は、図30〜図34に示すように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図34参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。
装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図34参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には、図31に示すように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図35は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112の上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先を溝102cに嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図34参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図30において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図30において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し本例の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本例のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを本例のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらに、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースにはケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図2に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。ここで、操作部202が本発明の遊技操作部及び入力装置に相当する。
また、投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、図柄変動表示装置300と画像表示体500における演出表示装置590とが上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって図柄変動表示装置300と演出表示装置590との領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする大きさに設定しておけば、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
縁部材214bは、図36に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
また、図36において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217aの光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図1参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図36は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図36から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300について、図21〜図25を基に説明する。図21に示すように、図柄変動表示装置300は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301c(以下各リール301とする)と、該各リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各リール301の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。
装置ケース302は、図23に示すように、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、各リール301の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
右側板306及び左側板307の前側上端部分には、左右外側に向って突出する取付耳部306a,307aが夫々形成され、取付耳部306a,307aの略中央にはネジ(図示しない)を挿通可能とする透孔306b,307b(図21参照)が前後方向に貫通して穿設されている。また、図示していないが、底部板304には、垂直下方に折り曲げられた垂下片が左右方向に複数(例えば3つ)並設されており、それらの垂下片にも、前後方向に貫通する透孔が穿設されている。そして、取付耳部306a,307aを、ケース部材400の前面上端に設けられた補強部材407(図6参照)にネジで固定し、さらに、垂下片を、ケース部材400の中央よりも上側に横設された補強桟402にネジで固定することにより、図柄変動表示装置300がケース部材400に取付けられる。また、図23に示すように、装置ケース302の前縁には、各リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、各リール301の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図22に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール基板315が配置されており、リール基板315によって中継された駆動信号により各リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール基板315には、基板ケース314の開口を通して突出する四つのコネクタ316a,316b,316c,316dが設けられており、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各リール301を駆動制御するための信号が入力されるとともに、各リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号をメイン基板409に出力するようになっている。また、基板ケース314の上面から突出するコネクタ316bには、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、このコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してリール基板315に供給される。また、基板ケース314の底面から突出するコネクタ316cには、後述する中継板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出するコネクタ317)に対し、コネクタ付きハーネス(図示しない)を介して連結されており、各リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、各リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、各リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、スロットマシン1の組付工程において、左中右の各リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、スロットマシン1の品質を確保することができる。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図23及び図25に示すように、装置ケース302内には、各リール301と、夫々のリール301を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、各リール301の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、各リール301の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され各リール301を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸321aの先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、リール301aは、右側の側面(図25では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図25では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図25に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図24に示すように、円形収容部330bには、リール301の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323がリール301aの側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸321aがリール301の側面部材330に直結されている。なお、各リール301はロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸321aのブレを防止することが可能になる。
図25に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図23に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313を装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位302aとからなるコーナー部分に中継板326が取付けられている。この中継板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図22参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが取付けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、中継板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、各リール301内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図24に示すように、各リール301における側面部材330の内面側には、リール301が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、リール301aの側面部材330は、リール301aと一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含むリール301全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、リール301aの回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては各リール301の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本例では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、リール301a及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位302bに当接する側には、所定の間隔で配置された三つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、各リール301の内面側には、夫々のLED322aから放射された光をリール301の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、リール301aの内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
[ケース部材]
ケース部材400は、外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、図5及び図6に示すように、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が演出表示装置590の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が図柄変動表示装置300の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば後述する演出制御基板510)も配線作業空間408内に配置されている。ここで、メイン基板409は、操作部202の操作等に基づいて遊技の進行を制御するものであり、本発明の遊技制御手段に相当する。また、演出制御基板510は、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行するものであり、本発明の演出制御手段に相当する。
ケース部材400の天板406には、図7に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が外本体100の貫通孔132,132…(図1参照)を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。なお、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には、図7に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114(図1参照)に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図7に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が仕切板105の突段部106(図1参照)に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106との嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図28に示すように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図29に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図26に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1に示すように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図26実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図26想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図27に示すように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、ケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
[画像表示体]
画像表示体500における演出表示装置590は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材501(図18参照)の前面側に取付けられている。図18に示すように、前面開閉部材501は、下側から2/3の領域が演出表示装置590を収容する部分で、上側から1/3の領域が図柄変動表示装置300の前方に配置される部分となっている。つまり、前面開閉部材501の前面側には、周囲に周壁515aが形成された収容部515が設けられており、下側から2/3の領域に演出表示装置590が収容され、上側から1/3の領域に装飾部材591が収容される。なお、前面開閉部材501及び装飾部材591には、機種ユニット50の前方から、ケース部材400内に配置された図柄変動表示装置300を視認させるための開口部516,591aが夫々形成されている。
また、図18に示すように、前面開閉部材501の裏面側には、演出制御基板510を収容する基板ケースユニット551、及び小基板ケース554等が組付けられている。基板ケースユニット551は、透明な樹脂部材からなり、演出制御基板510の底面側(すなわち前面開閉部材501側の面)を覆う基板ケース下部552と、演出制御基板510の上面側を覆うとともに基板ケース下部552に対して着脱可能な基板ケース上部553とから構成されている。このため、前面開閉部材501が開かれると、演出制御基板510を収容する基板ケースユニット551がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。また、演出表示装置590と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。ここで、基板ケースユニット551が本発明のケースに相当する。
ところが、上記のように、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を配置し、前面開閉部材501の背面側に基板ケースユニット551を配置する構成を採用すると、演出表示装置590の背面側が前面開閉部材501によって覆われるため、演出表示装置590に対するノイズ対策として、アースを取ることが困難となったり、アース線等によって見栄えを低下させたりする虞がある。
そこで、本例では、図19及び図20に示すように、演出表示装置590が収容される前面開閉部材501の収容部515に対し、前後方向に貫通する横長四角形状の開口部520を形成するとともに、その開口部520を通して前面開閉部材501の表裏に跨るように、断面が略コ字形である電導性の金具522が設けられている。この金具522は弾性の金属片からなり、前面開閉部材501の表側に位置する前側部分523が演出表示装置590の裏面の金属板521(シールド板)に当接するようになっており、前面開閉部材501の裏側に位置する後側部分525がアース線527に接続されている。つまり、アース線527及び金具522を介して、演出表示装置590の裏面の金属板521が電気的に接地された状態となっており、演出表示装置590に対してのノイズの侵入を抑制している。このように、前面開閉部材501の前面側に取付けた演出表示装置590に対し、前面開閉部材501の背面側でアース線527に接続することから、演出表示装置590を前面開閉部材501に取付けた後にアース線527を接続することが可能になるとともに、アース線527が前面開閉部材501と演出制御基板510(基板ケースユニット551)との間に配線されることから、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することが可能になる。
また、前面開閉部材501には雄ネジ530を螺合可能とするネジ孔529が設けられており、前面開閉部材501の後方から雄ネジ530がねじ込まれると、前面開閉部材501の前面から突出し、さらに雄ネジ530の先端部分によって、金具522の前側部分523を背面側から押圧する。すなわち、雄ネジ530の推進力によって金具522の前側部分523を弾性変形させ、演出表示装置590の裏面の金属板521に向って付勢する。このため、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を取付けた後、雄ネジ530を螺合させるだけで、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に圧接させることができ、ひいては金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。
また、金具522の後側部分525には、雄ネジ530が挿通可能な透孔526が設けられており、この透孔526を通して、雄ネジ530が前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれると、金具522が前面開閉部材501に固定された状態となる。換言すれば、金具522を前面開閉部材501に固定させるための雄ネジ530を用いて、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に向って弾性変形させることが可能になる。このように雄ネジ530を兼用することにより、構成が簡単になるとともに、作業工程が少なくなるため、低廉化を図ることが可能になる。
また、アース線527の先端にはY形端子528が圧着されており、Y形端子528を金具522に取付けることにより金具522の後側部分525に対してアース線527が接続される。特に、本例では、雄ネジ530が後側部分525の透孔526を通して前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれる際、後側部分525との間でY形端子528を挟持した状態でネジ込まれる。すなわち、一つの雄ネジ530をねじ込むことにより、金具522の取付け及び前側部分523の弾性変形に加え、Y形端子528を固定させることも可能にしている。このため、全体の構成が一層簡単になるとともに、作業工程をさらに少なくすることができる。ここで、Y形端子528が本発明の端子に相当する。
また、金具522には、前側部分523の裏面に凹状の受止部524が形成されており、雄ネジ530が前面開閉部材501にねじ込まれると、雄ネジ530の先端が受止部524に当接するようになっている。このため、雄ネジ530をねじ込む際に金具522の前側部分523が雄ネジ530の推進方向(軸方向)から逃げることを防止でき、前側部分523を演出表示装置590に向って確実に押圧することが可能になる。なお、前側部分523の受止部524を凸状に形成し、雄ネジ530の先端に凹状の窪みを設けるようにしてもよく、このように構成しても、前側部分523の逃げを効果的に防止することができる。
また、断面コ字形の金具522は、開放部分を下方に向け、開口部520の下縁に掛止された状態で固定される。このため、金具522を前面開閉部材501に取付ける際に、金具522を手で支えなくても、掛止された状態で保持することが可能になる。したがって、例えば片手で作業を行うことが可能となる。特に、金具522を開口部520の下縁に掛止した際に、金具522に穿設された取付用の透孔526と前面開閉部材501に形成されたネジ孔529とが重なるように位置が設定されているため、透孔526とネジ孔529との位置合せを極めて容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
さらに、前面開閉部材501の裏面側に凹凸面550が形成されており、金具522は凹凸面550の中の低くなっている部分、すなわち後方に向って突出していない部分に配置されている。このため、金具522や雄ネジ530の頭部によって基板ケースユニット551の組付けが困難となることを防止できる。なお、図18に示すように、演出制御基板510は、合成樹脂等で形成された非導電性の基板ケースユニット551に収容されているため、たとえ金具522が前面開閉部材501の裏面側に突出した状態で配置されても、金具522と演出制御基板510との接触を防止でき、電気的な故障を抑制することが可能となる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図37は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図37の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図38の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図38(a)〜(c)に示すように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構に相当しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図5〜図7に示すように、ケース部材400の縦の補強部材407のうちヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図6において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図6の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と前面開閉部材501を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図41及び図42に示すように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図40のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図41において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることによりストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図41において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図6に示したように、補強桟402には、係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部(図示していない)が設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図43,図44に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444(図7参照))には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図3に示したように把手口422(図7参照)が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。
[前面開閉部材−照明装置]
図3に示すように、前面開閉部材501の前側に収容された装飾部材591の背面側には、下方に向って光を放射する複数の照明装置502aと、該照明装置502aの下方に配置され照明装置502aから放射された光を遊技者側に向って反射させる反射部材502bとが配設されている。特に反射部材502bは、下側ほど装飾部材591に近づくように湾曲した白色の反射面を前面に有しており、装飾部材591の略全域に対して光を略均等に照射している。なお、装飾部材591は光透過性の部材からなり、反射部材502bによって反射された光は、装飾部材591を通して外部(遊技者側)に放射される。つまり、照明装置502a及び反射部材502bによって装飾部材591を面発光させることが可能となっている。
[配線手段]
外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、本例のスロットマシン1は、画像表示体500とケース部材400とからなる機種ユニット50が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図9に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図3に示したように、ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、図9に示すように、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423(図11参照)とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
2枚のコネクタ基板122,123のうち、図9,図10において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425(図11参照)と対をなすコネクタ124が設けられている。ここで、コネクタ425が本発明のユニット側コネクタに相当し、コネクタ124が本発明の本体側コネクタに相当する。つまり、コネクタ425をコネクタ124に連結することにより、メイン基板409に作動用電力を供給するとともに、ケース部材400の外部に配置された本体側電気部品に対し、メイン基板409から制御用の信号を送信することが可能になる。
一方、図9,図10において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示すように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427(図11参照)と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125とコネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。ここで、コネクタ427が本発明のユニット側コネクタに相当し、コネクタ125が本発明の本体側コネクタに相当する。つまり、コネクタ427をコネクタ125に連結することにより、演出制御基板510から、扉形前面部材200の裏側に設けられたランプ駆動基板(図示しない)やスピーカ(図示しない)に駆動信号が送られ、これらを動作させることが可能となる。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、後述する本体側ガイド部453とを有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、配線ダクト129の内部を通り、外本体100(図1参照)の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口(図示しない)を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口とは無関係にそのまま接続される。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、演出制御手段510につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図11に示すように1つのコネクタホルダ428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダ428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有しホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、後述するユニット側ガイド部452とからなり、図4に示すように配線中継部材113の支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダ428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり機種ユニット50単体で工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
仮止め棚418は、図4及び図8に示したようにケース部材400の内側から配線窓411(図7参照)に向かわせた棚板状の部材であり、コネクタホルダ428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダ428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図4(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダ428の取着片431が簡単に外れるようになっている。
しかして、仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダ428を載置し、該コネクタホルダ428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダ428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダ428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダ428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図4(b)→図4(a)に示すように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダ428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダ428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダ428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材400から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダと、
(f)該コネクタホルダを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダ428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダ428は、外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425及びコネクタ427は、1つのコネクタホルダ428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダ428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダ428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し本例の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダ428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダと、
該コネクタホルダを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、
一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダに装着し、さらにそのコネクタホルダに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダと、
該コネクタホルダを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、本例では、コネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部のテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダ428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダ428の具体例を図12に示した。この例では、コネクタホルダ428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔469aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダ428の受筒429aにコネクタ427の遊孔469aを遊嵌させ、座金付きのビス469をもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダ428に対し、遊孔469aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2つ以上でもよい。
また、本例では、コネクタ124とコネクタ425、及びコネクタ125とコネクタ427との連結作業をさらに容易にするために、コネクタホルダ428の挿入方向を案内する機構を備えている。具体的に説明すると、図4(b)及び図9に示すように、外本体100の背板104において、コネクタ基板122及びコネクタ基板123を覆うように樹脂製のカバー体121が設けられていることは、前述した通りであるが、このカバー体121には、コネクタホルダ428側に向って突出する本体側ガイド部453が形成されている。本体側ガイド部453は、開口126の下側に配置されており、横倒した四角柱状の外観を呈する突出部462と、左右方向の中央部分において上下方向に貫通するスリット状の本体側透孔461とから構成されている。なお、この本体側ガイド部453は、カバー体121と別々に形成し接着するようにしてもよいが、本例では、カバー体121と一体に成形されている。
一方、図4(b)及び図13に示すように、コネクタホルダ428の底面には、本体側ガイド部453と対向するようにユニット側ガイド部452が形成されている。ユニット側ガイド部452は、本体側ガイド部453の突出部462が挿入可能な穴部463を有する穴部形成部材464を備えている。つまり、カバー体121に形成された本体側ガイド部453と、コネクタホルダ428に設けられたユニット側ガイド部452との協働によって、外本体100側(配線中継部材113側)のコネクタ124,125(以下、「本体側コネクタ124等」という)と、コネクタホルダ428に組み付けられたコネクタ425,427(以下、ユニット側コネクタ425等)という)との連結作業を一層容易なものとしている。すなわち、配線中継部材113に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されている。具体的には、図15に示すように、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを対向させた場合、穴部形成部材464における穴部463の開口部分と突出部462との距離mは、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との距離nよりも短くなっており、突出部462の先端が穴部463に挿入され穴部463の周面に沿って相対的に摺動する途中で、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが当接し、さらに、図14に示すように突出部462の先端が穴部463の奥側まで挿入されると、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが連結されるようになっている。したがって、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが完全に連結された状態でも、突出部462は穴部463の最も奥の壁には達しないようになっている。このため、突出部462の長さまたは穴部463の深さに製造上の誤差が生じても、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結を確実に行うことが可能となる。また、コネクタホルダ428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、複数のユニット側コネクタ425等の嵌合をまとめて案内することができる。
ところで、カバー体121に形成された突出部462とコネクタホルダ428に形成された穴部463とによって、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内するものでは、少なくとも突出部462の先端が本体側コネクタ124とユニット側コネクタ425との連結部分よりも前方に突出することになる。このため、突出部462がコネクタ124よりも上方に配置されたものでは、コネクタ124とコネクタ425との連結部分が突出部462によって部分的に遮られることになり、例えばコネクタ124とコネクタ425との間に異物が挟まっていても気づかない虞がある。また、コネクタ同士の連結状態を視認させることが困難となる場合もある。これに対し、本例では、穴部463を形成するブロック状の穴部形成部材464をコネクタホルダ428の底面に配置しているため、突出部462または穴部形成部材464によってコネクタ124とコネクタ425との連結部分が遮蔽されてしまうことを防止でき、連結状態の目視確認を容易に行わせることが可能となる。
ところで、本体側コネクタ124等と、ユニット側コネクタ425等とを互いに分離可能な状態で連結するものにおいては、コネクタ124とコネクタ425、またはコネクタ125とコネクタ427とが互いに分離され、いずれかのコネクタに不正な制御手段や不正な部品が取り付けられるおそれ、すなわち不正な信号に基づいた遊技が行われるおそれがある。なお、この問題を解決するため、ユニット側コネクタ425等を、本体側コネクタ124等に連結した後、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを分離不能な状態で固着させることも考えられるが、これによれば、機種ユニット50の取外しが極めて困難になり、機種ユニット50を交換可能とした利点がなくなる。
そこで、本例では、機種ユニット50が外本体100内に収容され、且つユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された後、図16(a)に示すように、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とを結束し、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を保持するようにしている。特に、この結束バンド454は、痕跡生成部材からなり、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されると(すなわちユニット側コネクタ425等に対して別の不正部材を連結させることが可能な状態になると)、痕跡が残されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、図15に示すように、ユニット側ガイド部452またはコネクタホルダ428の少なくともいずれか一方にはユニット側透孔460が設けられ、本体側ガイド部453には、連結した際にユニット側透孔460に重ね合わすことが可能な本体側透孔461が設けられているため、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることができ、ひいてはユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持される。結束バンド454は、図16(b)に示すように、鋸歯状列歯を片面側に設けたバンド部455と、バンド部455の一端側に設けられバンド部455を挿入させることが可能な挿通孔を有する頭部456と、その頭部456における挿通孔の内部に形成され、バンド部455の鋸歯状列歯を係止可能で且つ係止後の解除操作が不能な係止爪457と、バンド部455の延長上に形成されロゴが刻印されたロゴ表示部458とを具備して構成されている。このため、図16(a)及び図17に示すように、ユニット側透孔460及び本体側透孔461に結束バンド454のバンド部455を通し、その後、そのバンド部455を頭部456の挿通孔に挿入させると、バンド部455の片面側に形成された鋸歯状列歯が、挿通孔の内部に形成された係止爪457に係止され、本体側ガイド部453とユニット側ガイド部452とが結束される。そして、挿通孔に対しバンド部455を深く挿入するほど環状の部分(結束部分)が収縮され、締付力が強くなる。特に、係止爪457は、鋸歯状列歯を一旦係止させると、その後の解除操作ができないように構成されているため、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持され、不正行為を防止することが可能になる。また、結束バンド454が切断された場合には、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等を外すことが可能になるが、この場合には、結束バンド454が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを把握することが可能になる。なお、遊技店舗において旧機種の機種ユニットを取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
なお、本例の結束バンド454は、ロゴ表示部458に特定のロゴが刻印されているため、譬え、不正行為が行われた後に別の結束バンドを用いて元の状態に戻したとしても、結束バンドの種類が異なることから、不正行為が行われたことを把握させることができる。また、この結束バンド454は、蛍光色の部材からなるため、ケース部材400の中に配置された他の部材よりも目立たせることができ、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されたか否かを明瞭に認識させることが可能になる。また、ケース部材400は透明部材から形成されているため、画像表示体500によってケース部材400の前面が閉鎖された状態でも、結束バンド454の状態を、ケース部材400の外部から視認することができる。
また、図13に示すように、ユニット側透孔460は、穴部形成部材464の後端側に形成された切欠状の溝部460aと、その溝部460aに連通するとともにコネクタホルダ428に穿設された貫通孔460bとからなる。このため、図14に示すように、穴部形成部材464の中に、本体側透孔461を有する本体側ガイド部453を挿入させると、これらの貫通孔460b及び溝部460aと本体側透孔461とを通して結束バンド454を上下方向に挿通させるとともに、穴部形成部材464の外周面に沿って結束バンド454を締め付けることが可能になる。特に、コネクタホルダ428だけではなく穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタ425の奥側(連結部分側)に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を前方側(作業者側)に近づけることができ、作業性を向上することが可能になる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に形成された溝部460aは後端が開放された形状であることから、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、穴部形成部材464に形成された溝部460aの横幅寸法が、結束バンド454の横幅に略一致しているため、溝部460aに挿入された結束バンド454の動き、特に左右方向の遊動を防止することができる。つまり、穴部形成部材464によって結束バンド454の位置決めが行われるため、適切な位置に安定した状態で結束させることが可能になる。
また、図14に示すようにコネクタホルダ428の上面側には、ユニット側透孔460(特に貫通孔460b)に向って下り傾斜した進入ガイド部465が形成されており、結束バンド454を取着させる際、コネクタホルダ428の前側から貫通孔460bに向って結束バンド454の進入方向が案内される。このため、貫通孔460bがコネクタホルダ428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易に貫通孔460bに到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。
また、図13に示すように、穴部形成部材464の底面及び前面には送出ガイド部466が形成されており、ユニット側透孔460を挿通した後の結束バンド454の先端が、穴部形成部材464の前方に向って案内される。このため、貫通孔460bに挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。なお、送出ガイド部466は、略円弧状の誘導面467と、その誘導面467に沿って形成された堤部468とを具備して構成されている。このため、略円弧状の誘導面467に沿って結束バンド454を滑らかに送り出すことが可能になる。
なお、ユニット側コネクタ425等に接続されたハーネス424(図11参照)は、ユニット側透孔460の穿設方向と略平行に配線されている。具体的には、ハーネス424が、ユニット側コネクタ425等の取付方向に対して垂直である上方に向って繰出されている。このため、ユニット側透孔460に挿入される結束バンド454とハーネス424とが交差することを回避でき、ひいては結束バンド454による結束作業がハーネス424の存在によって困難となることを防止できる。
ところで、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とが合致された状態に保持されていても、ユニット側ガイド部452が形成されたコネクタホルダ428に対してユニット側コネクタ425等が着脱可能に取り付けられている場合には、結束バンド454を切断することなく、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から外すことが可能になる。
これに対し、本例によれば、図11に示すように、複数のユニット側コネクタ425等が、ネジ469によってコネクタホルダ428に取付けられているが、このネジ469は、図4に示すように、コネクタホルダ428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジ469を緩めることができなくなる。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取ること」が防止される。
一方、図9に示すように、外本体100では、本体側ガイド部453を形成したカバー体121が、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122等を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。特に、カバー体121は、コネクタ基板122等に対しネジ(図示しない)を用いて取付けられているが、そのネジは、コネクタホルダ428と対向する位置に穿設された透孔134aを通してねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジを緩めることができなくなる。つまり、ユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された状態では、ネジがねじ込まれた部分に対してドライバー等の工具を挿入させることができないようになっている。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ基板122等から外すこと」が防止される。
また、図4に示すように、機種ユニット50におけるケース部材400内に棚状の仮止め棚418が形成されていることは前述した通りであるが、仮止め棚418におけるベンチ部433とベンチ側板434とによってコネクタホルダ428の可動範囲が制限されるようになっている。このため、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等に連結させる際に、まず、ベンチ部433及びベンチ側板434によってコネクタホルダ428の大まかな位置決めがなされ、その後、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452によって精度の高い位置決めがなされる。したがって、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452が視認し難い位置に配置されていても、これらを容易に合致させることが可能となり、ひいてはユニット側コネクタ425等の嵌合方向を円滑に案内することが可能となる。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟(図示しない)とを木ねじ等の固定部材で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに木ネジ(図示しない)を挿通させ、さらにドライバー等の工具で天窓部443越しに固定部材を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図3に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133(図1参照)に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
続いて、連結具の他の例について、図45乃至図49に基づき説明する。ここで、図45は連結具80の作動状態を示す斜視図、図46は連結具80における要部の構成を示す斜視図、図47は連結具80の分解斜視図、図48は連結具80を裏側から見た背面図、図49は連結具80の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。
図45乃至図47に示すように、連結具80は、画像表示体500の裏面に形成された溝状の収容部500b内に、大部分が埋込まれた状態で配置されている。つまり、画像表示体500の背面からあまり突出することない状態で設けられている。また、この連結具80は、ケース部材400が外本体100内に装着され、しかもケース部材400の開口が画像表示体500によって閉じられた状態では操作できないように、画像表示体500の回動外縁部分に設けられている。このため、画像表示体500を開いた状態で連結具80を止め軸703に連結することが必要となり、ひいてはロック片421の解除を忘れたまま連結具80を連結すること、すなわち扉形前面部材200及び画像表示体500が開けられなくなる事態が発生すること、を未然に防ぐことができる。
連結具80は、連結具700と同様、画像表示体500の回動外縁から突出し、先端側が止め軸703に対して回転自在に連結される樹脂製の連結杆800と、その連結杆800を、画像表示体500における回転軌跡の径方向に沿って摺動可能に支持する摺動案内部材801とを具備して構成されている。つまり、連結杆800を突出方向に対して出没可能に支持することにより、扉形前面部材200の回動に伴って扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が変化しても、連結杆800の摺動によって連結状態を保持することを可能にしている。
また、本例の連結具80には、画像表示体500と連結杆800との間に伸縮アーム820が介在されている。伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されており、伸縮アーム820が伸びると、図45(b)及び図49(b)に示すように、連結杆800が突出方向に飛び出した状態となり、一方、伸縮アーム820が縮むと、図45(a)または図49(a)に示すように、連結杆800が没入した状態となる。
次に、連結杆800、摺動案内部材801、及び伸縮アーム820の構成について詳細に説明する。連結杆800は、図47に示すように、全体的に略棒状の形状を呈し、基部800a側には円形の軸孔部800dが穿設され、先端側には長手方向が長径となる長孔形状の軸孔部800cが穿設されている。なお、基部800a側と先端側では上面の高さが等しいが、基部800a側から長手方向の略中央部分にわたって、高さ方向の厚みが約1/2となっており、底上げした形態となっている。つまり、基部800aの下部に空間を形成することにより、伸縮アーム820の一部をもぐり込ませることを可能にし、ひいては伸縮アーム820が折れ曲がった際に伸縮アーム820と基部800aとが部分的に重なりあっても、高さ方向の厚みが大きくなり過ぎないようになっている。特に、基部800aの側面(図49(b)では下側の面)には、半円状の切欠部800eが形成されており、後述する第二腕部820bの先端側に形成された連結部分の一部を収容可能としている。
また、連結杆800の先端側には、連結杆800の側面から回転軌跡の周方向に向って突出した突出補強部材800bが形成されている。この突出補強部材800bは、扉形前面部材200が開放位置から閉鎖位置に回動する際、すなわち扉形前面部材200を閉じる際、止め軸703(図41参照)が支持されたベース部材215aに当接し回転中心方向に押圧される位置に形成されている。このため、扉形前面部材200を閉じる際に、止め軸703のみによって連結杆800を押圧するものに比べ、止め軸703及び連結杆800に加わる荷重を分散することができ、荷重の集中による止め軸703または連結杆800の破損を抑制することができる。
一方、摺動案内部材801は、連結杆800を回転軌跡の径方向に案内するための部材であり、樹脂で形成され、画像表示体500に対向する面が開放された断面略コ字形の形状を呈するガイド部分801aと、その先端側の裏面縁部から上下方向に延出された一対のフランジ部801bとを具備して構成されている。なお、フランジ部801bは、図45に示すように、溝状の収容部500bからはみ出した状態で画像表示体500の裏面に取付けられており、夫々の中央部分には、取付けネジを挿通させるための貫通孔が穿設されている。
また、図47及び図49に示すように、摺動案内部材801の側面には、伸縮アーム820が貫通する長方形状の開口部801cが長手方向に沿って形成されており、特に、その中央部分には、伸縮アーム820の連結部分を収容可能とする半円形の切欠801dが底面にまで及んで形成されている。なお、この切欠801dは、連結杆800が没入状態となった場合に、連結杆800に形成された切欠800eと上下方向において合致する位置に形成されており、その重なった状態において連結部分が挿入されるようになっている。
伸縮アーム820は、画像表示体500の裏面に固定された支持軸830(図45参照)に対し一端側が軸支された第一腕部820aと、両端側が第一腕部820aの先端側及び連結杆800の基部800aに夫々軸支された第二腕部820bとからなり、「く」の字形に折れ曲がるように構成されている。さらに詳しく説明すると、第一腕部820aは、基端側に平面視C字形の支持環820cを備えており、支持軸830に対し回動可能に外嵌されている。なお、支持軸830の位置は、連結杆800の摺動直線上(すなわち摺動案内部材801の内部)から後側に逸脱した位置に設定されており、連結杆800が最も突出した状態(図49(b)参照)では連結杆800の長手方向と第一腕部820aの長手方向とが略平行となり、一方、連結杆800が没入した状態(図49(a)参照)では、第一腕部820aの先端側が連結杆800に食い込んだ状態となる。なお、第一腕部820aの先端側には、支持環820cと略同径の連結部分が形成され、その内部に軸孔部820dが形成されている。
第二腕部820bは、平面視が眼鏡形の形状を呈しており、その両端側には、軸孔部820dと同径の軸孔部820e,820fを有する連結部分が形成されている。そして、第一腕部820aの軸孔部820dと第二腕部820bの軸孔部820eとが回転軸821aを介して互いに回転可能に連結され、第二腕部820bの軸孔部820fと連結杆800の軸孔部800dとが回転軸821bを介して互いに回転可能に連結されている。なお、第二腕部820bの高さ方向の厚みは第一腕部820aよりも薄くなっており、連結杆800の下部に形成された空間に潜り込むことが可能になっている。
このように、伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されているため、折り畳まれると連結杆800の長手方向における寸法を短くすることが可能になる。特に、支持軸830が連結杆800の摺動直線上から外れた位置に配置されているため、伸縮アーム820を没入させる際、すなわち伸縮アーム820が折り畳まれる際、連結杆800を摺動案内部材801の一番奥まで挿入させることが可能となる。
ところで、連結杆800は、回転軸821bを中心として、画像表示体500の回転軌跡と同方向に所定範囲内で揺動可能に支持されている。また、図49に示すように、摺動案内部材801における内幅Mは、連結杆800の横幅Wよりも幾分大きくなるように設定されている。このため、揺動規制部805によって制限された回動範囲内で連結杆800を揺動させることができ、連結杆800の突出方向を変化させることが可能となる。したがって、扉形前面部材200の回動中に、画像表示体500の回動外縁に対する扉形前面部材200の相対位置が変化しても、連結杆800に無理な力が加わることを抑制でき、回動中における連結杆800の反りや破損を防止することができる。
なお、揺動規制部805は、摺動案内部材801の先端側に設けられており、連結杆800の突出長さが短くなるほど、揺動可能範囲が狭くなるように構成されている。つまり、画像表示体500の回動外縁側と扉形前面部材200の回動外縁側との距離は、扉形前面部材200の開放角度が大きくなるほど長くなる傾向にある(換言すれば、扉形前面部材200の開放角度が小さくなるほど短くなる傾向にある)が、これに対し本例では、扉形前面部材200が閉鎖位置に近づくほど揺動可能範囲が狭くなるため、夫々の開度状態に応じた適切な範囲内の揺動のみを許容することとなる。このため、扉形前面部材200の回動中における画像表示体500のガタツキを極力抑え、安定した状態で回動させることができる。
また、図45に示すように画像表示体500の回動外縁には、外方向に突出した制動部材500cが形成されている。また、連結杆800の側面には、突出補強部材800bとは反対側に突出した突出部800fが形成されており、図49(a)に示すように、画像表示体500が閉鎖位置になると(すなわち連結杆800が没入位置になると)、制動部材500cと突出部800fとが互いに当接するように位置が設定されている。これにより、画像表示体500が閉じられた際に連結杆800の揺動を阻止することが可能になり、ひいては画像表示体500が閉じられた使用可能状態では、画像表示体500を定位置に保持することができ、遊技中の振動による異音の発生を防止することができる。
また、図46に示すように、摺動案内部材801の基部側面には、弾性的な片持ち梁式のストッパ801sが形成されている。ストッパ801sは止め軸703から外した連結杆800を摺動案内部材801の内部に納めて保持するためのものであり、連結杆800の基部800a側の円形部分に係合して連結杆800の盲動を防止する。
このように、本例のスロットマシン1によれば、機種を変更する場合、外本体100及び扉形前面部材200をそのまま利用し、メイン基板409と演出制御基板510とを含む、必要最小限の構成のみを交換することが可能になる。したがって、機種変更にかかる費用の負担を軽減するとともに、交換部分の小型化及び軽量化が図れることから運搬や設置における作業性が向上する。特に、ユニットごと交換することから、取扱いが容易となり、遊技店舗においても速やかに交換することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、演出表示装置590が前面開閉部材501の前面側に取付けられているため、表示画面を比較的大きく形成し、迫力のある画像を明瞭に視認させることができる。また、演出表示装置590での演出制御等、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行する演出制御基板510が、前面開閉部材501の背面側に組付けられているため、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が短くなりケース部材400内の煩雑さを抑制できる。また、前面開閉部材501が開かれると、演出制御基板510を収容する基板ケースユニット551がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の前面側に取付けた演出表示装置590に対し、前面開閉部材501の背面側でアース線527に接続することから、演出表示装置590を前面開閉部材501に取付けた後にアース線527を接続することが可能になるとともに、アース線527が前面開閉部材501と演出制御基板510との間に配線されることから、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することができる。また、雄ネジ530の推進力によって金具522の前側部分523を弾性変形させ、演出表示装置590の裏面の金属板521に向って付勢するため、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を取付けた後、雄ネジ530を螺合させるだけで、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に圧接させることができ、ひいては金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。すなわち、極めて簡単が工程によって、演出表示装置590のアース経路を確保することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、金具522を前面開閉部材501に固定させるための雄ネジ530を用いて、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に向って弾性変形させるため、構成が簡単になるとともに、作業工程が少なくなるため、低廉化を図ることができる。また、その雄ネジ530によってY形端子528も固定することから、全体の構成が一層簡単になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の裏面側に凹凸面550が形成されており、金具522は凹凸面550の中の低くなっている部分、すなわち後方に向って突出していない部分に配置されているため、前面開閉部材501の裏面側に取付けられる演出制御基板510(詳しくは演出制御基板510を収容する基板ケースユニット551)と、金具522との接触を回避することが可能となり、金具522や雄ネジ530の頭部によって演出制御基板510の組付けが困難となることを防止できる。
また、本例のスロットマシン1によれば、金具522には前側部分523の裏面に凹状の受止部524が形成されており、雄ネジ530が前面開閉部材501にねじ込まれると、雄ネジ530の先端が受止部524に当接する。このため、雄ネジ530をねじ込む際に金具522の前側部分523が雄ネジ530の推進方向(軸方向)から逃げることを防止でき、前側部分523を演出表示装置590に向って確実に押圧することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、メイン基板409及び演出制御基板510に接続された複数のユニット側コネクタ425等が配置されており、本体側コネクタ124等に着脱可能に連結させることが可能になっている。特に複数の本体側コネクタ124等は、外本体100内で1箇所に集められて配置されており、一方、複数のユニット側コネクタ425等は、一つのコネクタホルダ428によって纏めて支持されているため、一回の操作によって、複数組のコネクタを同時に連結させることが可能となり、連結に関する作業性を高めることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、外本体100に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されているため、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、コネクタホルダ428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、二つのユニット側コネクタ425,427の嵌合を案内することができ、夫々のユニット側コネクタ及び本体側コネクタにガイド部を形成するものに比べ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を結束バンド454によって保持することから、結束バンド454の状態を視認させることにより、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等が外されたことを遊技店舗等において把握させることが可能になる。したがって、不正な行為によって制御の内容が変更されることを抑制でき、メイン基板409等における信頼性を確保することができる。特に、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることから、極めて簡単な構成で連結状態を保持することができるとともに、結束バンド454の状態によって不正な行為を容易に把握させることができる。なお、遊技店舗において旧機種の機種ユニット50を取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にし、扉形前面部材200の横開き動作を前面開閉部材501に伝達する連結具80を備えているため、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部を視認させることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ケース部材400の後面板内面にメイン基板409が組付けられ、その前方に配線作業空間408が形成されているため、ケース部材400の内部に組付けられたメイン基板409に対しての配線作業が容易となる。特に、配線作業空間408とユニット側コネクタ425等とを隣接させた状態で配置することが可能となるため、これらを繋ぐハーネスの長さが短くなるとともに、配線作業空間408内で容易に連結作業を行うことが可能になる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、演出表示装置590の背面側に設けられた金属板521に対して金具522を接触させるものを示したが、演出表示装置590とは別に金属製のシールド板を配置し、そのシールド板に対して金具522を接触させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、前面開閉部材501に演出表示装置590を組付けるもの、すなわち演出表示装置590を機種ユニット50の一部として、交換可能に組込むものを示したが、演出表示装置590を扉形前面部材200に組付けるようにしてもよい。これによれば、演出表示装置590を共通部品として扱うことが可能になる。なお、この場合、前面開閉部材の代りに、合成樹脂製の取付部材が用いられる。
つまり、「所定の演出画像を表示する演出表示装置590と、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行する演出制御基板510と、演出表示装置590を前面側に取付けるとともに、演出制御基板510を背面側に取付ける樹脂製の取付部材と、取付部材に形成された開口部を通し取付部材の表裏に跨って配置された断面略コ字形で弾性の金属片からなり、取付部材の表側に位置する前側部分523が演出表示装置590の裏面の金属板521に当接可能で、取付部材の裏側に位置する後側部分525がアース線527に接続される電導性の金具522と、取付部材に貫通して設けられたネジ孔に対して取付部材の後方からねじ込まれる雄ネジであって、取付部材の前面から突出する先端部分によって、金具522の前側部分523を背面側から押圧し演出表示装置590の裏面に向って付勢する雄ネジ530とを具備するものとなる。このように構成しても、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することが可能になるとともに、金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。
また、上記実施形態では、機種ユニット50を仕切板105によって分割し、上部側に図柄変動表示装置300を、下部側に演出表示装置590を夫々配置するものを示したが、図柄変動表示装置300を下部側に配置し、演出表示装置590を上部側に配置してもよい。
また、上記実施形態の連結具700,80では、ロッド702及び連結杆800を、回転軌跡の径方向に摺動可能に支持し、扉形前面部材200の回動外縁と前面開閉部材501の回動外縁との距離の変化に応じて出没させるものを示したが、前面開閉部材501の回動軌跡を扉形前面部材200の回転軸を回転中心とする回転軌跡に確実に一致させるように構成した場合には、扉形前面部材200及び前面開閉部材501の回動外縁同士を、摺動することのない連結杆によって連結するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1を示したが、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。