以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16−1,図16−2はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図24はスロットマシン上部の縦断面図、図25はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図26は図25の分解斜視図、図27はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図28は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図29は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図30は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図31は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図32は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図33は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を装着した扉形前面部材の図32A−A線相当断面図、図35はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図36はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図37は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図38は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図40は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図41は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図42は図41の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図43は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図44は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。ここで、外本体100が本発明の筐体に相当し、ケース部材400が本発明のユニット本体に相当する。さらに画像表示体500が演出表示装置に相当し、前面開閉部材としても機能している。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図24想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図25〜図29に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図29参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。
装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図29参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図25,図26に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図30は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112の上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図29参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図25において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図25において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。ここで、操作部202が本発明の遊技操作部に相当する。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図32,図33に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図34に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図33では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図34に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図32,図33において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図32拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図33の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図32拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図32〜図34において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。
左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図34に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図33拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図34は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図34から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天部板305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張ていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示したように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図43参照))も配線作業空間408内に装着されている。ここで、メイン基板409は、操作部202の操作等に基づいて遊技の進行を制御するものであり、本発明の遊技制御手段に相当する。また、演出制御基板510は、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行するものであり、本発明の演出制御手段に相当する。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図18に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図43参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図43に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図35は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図35の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図36の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図36(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図39及び図40に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図38のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図39において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図39において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図40,図41に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図43参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図31に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図31は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図43及び図44参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16−1に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。
なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、
該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、
一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、
該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図16−2に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427bを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図24想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図24に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[連結具の他の例]
続いて、連結具の他の例について、図45乃至図49に基づき説明する。ここで、図45は連結具80の作動状態を示す斜視図、図46は連結具80における要部の構成を示す斜視図、図47は連結具80の分解斜視図、図48は連結具80を裏側から見た背面図、図49は連結具80の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。
図45乃至図47に示すように、連結具80は、画像表示体500の裏面に形成された溝状の収容部500b内に、大部分が埋込まれた状態で配置されている。つまり、画像表示体500の背面からあまり突出することない状態で設けられている。また、この連結具80は、ケース部材400が外本体100内に装着され、しかもケース部材400の開口が画像表示体500によって閉じられた状態では操作できないように、画像表示体500の回動外縁部分に設けられている。このため、画像表示体500を開いた状態で連結具80を止め軸703に連結することが必要となり、ひいてはロック片421の解除を忘れたまま連結具80を連結すること、すなわち扉形前面部材200及び画像表示体500が開けられなくなる事態が発生すること、を未然に防ぐことができる。
連結具80は、連結具700と同様、画像表示体500の回動外縁から突出し、先端側が止め軸703に対して回転自在に連結される樹脂製の連結杆800と、その連結杆800を、画像表示体500における回転軌跡の径方向に沿って摺動可能に支持する摺動案内部材801とを具備して構成されている。つまり、連結杆800を突出方向に対して出没可能に支持することにより、扉形前面部材200の回動に伴って扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が変化しても、連結杆800の摺動によって連結状態を保持することを可能にしている。
また、本例の連結具80には、画像表示体500と連結杆800との間に伸縮アーム820が介在されている。伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されており、伸縮アーム820が伸びると、図45(b)及び図49(b)に示すように、連結杆800が突出方向に飛び出した状態となり、一方、伸縮アーム820が縮むと、図45(a)または図49(a)に示すように、連結杆800が没入した状態となる。
次に、連結杆800、摺動案内部材801、及び伸縮アーム820の構成について詳細に説明する。連結杆800は、図47に示すように、全体的に略棒状の形状を呈し、基部800a側には円形の軸孔部800dが穿設され、先端側には長手方向が長径となる長孔形状の軸孔部800cが穿設されている。なお、基部800a側と先端側では上面の高さが等しいが、基部800a側から長手方向の略中央部分にわたって、高さ方向の厚みが約1/2となっており、底上げした形態となっている。つまり、基部800aの下部に空間を形成することにより、伸縮アーム820の一部をもぐり込ませることを可能にし、ひいては伸縮アーム820が折れ曲がった際に伸縮アーム820と基部800aとが部分的に重なりあっても、高さ方向の厚みが大きくなり過ぎないようになっている。特に、基部800aの側面(図49(b)では下側の面)には、半円状の切欠部800eが形成されており、後述する第二腕部820bの先端側に形成された連結部分の一部を収容可能としている。
また、連結杆800の先端側には、連結杆800の側面から回転軌跡の周方向に向って突出した突出補強部材800bが形成されている。この突出補強部材800bは、扉形前面部材200が開放位置から閉鎖位置に回動する際、すなわち扉形前面部材200を閉じる際、止め軸703(図39参照)が支持されたベース部材215aに当接し回転中心方向に押圧される位置に形成されている。このため、扉形前面部材200を閉じる際に、止め軸703のみによって連結杆800を押圧するものに比べ、止め軸703及び連結杆800に加わる荷重を分散することができ、荷重の集中による止め軸703または連結杆800の破損を抑制することができる。
一方、摺動案内部材801は、連結杆800を回転軌跡の径方向に案内するための部材であり、樹脂で形成され、画像表示体500に対向する面が開放された断面略コ字形の形状を呈するガイド部分801aと、その先端側の裏面縁部から上下方向に延出された一対のフランジ部801bとを具備して構成されている。なお、フランジ部801bは、図45に示すように、溝状の収容部500bからはみ出した状態で画像表示体500の裏面に取付けられており、夫々の中央部分には、取付けネジを挿通させるための貫通孔が穿設されている。
また、図47及び図49に示すように、摺動案内部材801の側面には、伸縮アーム820が貫通する長方形状の開口部801cが長手方向に沿って形成されており、特に、その中央部分には、伸縮アーム820の連結部分を収容可能とする半円形の切欠801dが底面にまで及んで形成されている。なお、この切欠801dは、連結杆800が没入状態となった場合に、連結杆800に形成された切欠800eと上下方向において合致する位置に形成されており、その重なった状態において連結部分が挿入されるようになっている。
伸縮アーム820は、画像表示体500の裏面に固定された支持軸830(図45参照)に対し一端側が軸支された第一腕部820aと、両端側が第一腕部820aの先端側及び連結杆800の基部800aに夫々軸支された第二腕部820bとからなり、「く」の字形に折れ曲がるように構成されている。さらに詳しく説明すると、第一腕部820aは、基端側に平面視C字形の支持環820cを備えており、支持軸830に対し回動可能に外嵌されている。なお、支持軸830の位置は、連結杆800の摺動直線上(すなわち摺動案内部材801の内部)から後側に逸脱した位置に設定されており、連結杆800が最も突出した状態(図49(b)参照)では連結杆800の長手方向と第一腕部820aの長手方向とが略平行となり、一方、連結杆800が没入した状態(図49(a)参照)では、第一腕部820aの先端側が連結杆800に食い込んだ状態となる。なお、第一腕部820aの先端側には、支持環820cと略同径の連結部分が形成され、その内部に軸孔部820dが形成されている。
第二腕部820bは、平面視が眼鏡形の形状を呈しており、その両端側には、軸孔部820dと同径の軸孔部820e,820fを有する連結部分が形成されている。そして、第一腕部820aの軸孔部820dと第二腕部820bの軸孔部820eとが回転軸821aを介して互いに回転可能に連結され、第二腕部820bの軸孔部820fと連結杆800の軸孔部800dとが回転軸821bを介して互いに回転可能に連結されている。なお、第二腕部820bの高さ方向の厚みは第一腕部820aよりも薄くなっており、連結杆800の下部に形成された空間に潜り込むことが可能になっている。
このように、伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されているため、折り畳まれると連結杆800の長手方向における寸法を短くすることが可能になる。特に、支持軸830が連結杆800の摺動直線上から外れた位置に配置されているため、伸縮アーム820を没入させる際、すなわち伸縮アーム820が折り畳まれる際、連結杆800を摺動案内部材801の一番奥まで挿入させることが可能となる。
ところで、連結杆800は、回転軸821bを中心として、画像表示体500の回転軌跡と同方向に所定範囲内で揺動可能に支持されている。また、図49に示すように、摺動案内部材801における内幅Mは、連結杆800の横幅Wよりも幾分大きくなるように設定されている。このため、揺動規制部805によって制限された回動範囲内で連結杆800を揺動させることができ、連結杆800の突出方向を変化させることが可能となる。したがって、扉形前面部材200の回動中に、画像表示体500の回動外縁に対する扉形前面部材200の相対位置が変化しても、連結杆800に無理な力が加わることを抑制でき、回動中における連結杆800の反りや破損を防止することができる。
なお、揺動規制部805は、摺動案内部材801の先端側に設けられており、連結杆800の突出長さが短くなるほど、揺動可能範囲が狭くなるように構成されている。つまり、画像表示体500の回動外縁側と扉形前面部材200の回動外縁側との距離は、扉形前面部材200の開放角度が大きくなるほど長くなる傾向にある(換言すれば、扉形前面部材200の開放角度が小さくなるほど短くなる傾向にある)が、これに対し本例では、扉形前面部材200が閉鎖位置に近づくほど揺動可能範囲が狭くなるため、夫々の開度状態に応じた適切な範囲内の揺動のみを許容することとなる。このため、扉形前面部材200の回動中における画像表示体500のガタツキを極力抑え、安定した状態で回動させることができる。
また、図45に示すように画像表示体500の回動外縁には、外方向に突出した制動部材500cが形成されている。また、連結杆800の側面には、突出補強部材800bとは反対側に突出した突出部800fが形成されており、図49(a)に示すように、画像表示体500が閉鎖位置になると(すなわち連結杆800が没入位置になると)、制動部材500cと突出部800fとが互いに当接するように位置が設定されている。これにより、画像表示体500が閉じられた際に連結杆800の揺動を阻止することが可能になり、ひいては画像表示体500が閉じられた使用可能状態では、画像表示体500を定位置に保持することができ、遊技中の振動による異音の発生を防止することができる。
また、図46に示すように、摺動案内部材801の基部側面には、弾性的な片持ち梁式のストッパ801sが形成されている。ストッパ801sは止め軸703から外した連結杆800を摺動案内部材801の内部に納めて保持するためのものであり、連結杆800の基部800a側の円形部分に係合して連結杆800の盲動を防止する。
[機種ユニットの防犯構造1]
ところで、上記のように交換可能な機種ユニット50を備えるものでは、旧機種の遊技機を、新しいコンセプトを有する新機種の遊技機に交換する場合、機種ユニット50のみを交換することとなるが、この場合、機種ユニット50のみが単独で輸送され、遊技店舗に搬入されることとなるため、輸送途中において、機種ユニット50の内部に組み込まれたメイン基板409や演出制御基板510(特にCPUやROM)が不正に操作されたり、別の制御基板に交換されたりする虞がある。
そこで、本例の機種ユニット50は、図52及び図53に示すように、前面開閉部材90をケース部材400の前面開口を閉鎖可能とする大きさに形成するとともに、前面開閉部材90を閉鎖位置に固定しケース部材400の前面開口が閉鎖された状態を保持する閉鎖保持手段920を備えている。なお、この閉鎖保持手段920は、本発明の侵入防止手段及び不正抑制手段として機能しており、メイン基板409及び演出制御基板510等が配置されたケース部材400の収容空間に対し、人の手や不正用異物が侵入すること、すなわち輸送中にメイン基板409や演出制御基板510に対し意図的に接触することを阻止している。
閉鎖保持手段920としては、結束バンド921を例示することができる。この結束バンド921は、周知の結束部材であり、図52に示すように、鋸歯状列歯928を片面側に設けた可撓性のバンド部929と、バンド部929の一端側に設けられそのバンド部929を挿入させることが可能な大きさの挿通孔930aを有する頭部930と、挿入孔930aの内部に形成され、鋸歯状列歯928を係止可能とする係止爪931とから構成されており、挿通孔930aに対しバンド部929を深く挿入するほど環状の結束部分が収縮され、締付力が強くなるように構成されている。特に、係止爪931は、鋸歯状列歯928を一定方向(締結方向)にのみ摺動可能とし、その逆方向(解除方向)には摺動できないように(すなわち係止されるように)構成されている。
一方、ケース部材400の回動外縁側上端に軸支されたロック片421には、前後方向に貫通する貫通孔925が穿設されている。また、画像表示体500の裏側から突設しロック片421の先端が係合する受部508には、その背面を貫通する貫通孔926及び上面を貫通する貫通孔927が穿設されている。なお、ロック片421が受部508に係合すると、受部508の貫通孔926がロック片421の貫通孔925に合致するように、夫々の貫通孔925,926の位置が設定されている。これらの貫通孔925,926,927は結束バンド921を通して前面開閉部材90をケース部材400の前面に固定するために設けられた孔である。
具体的に説明すると、工場から機種ユニット50を出荷する際、結束バンド921におけるバンド部929の先端側を、貫通孔925及び貫通孔926,927に順に通し、その後、そのバンド部929を頭部930の挿通孔930aに挿入させることが行われる(図53参照)。すると、バンド部929の片面側に形成された鋸歯状列歯928が、挿通孔930aの内部に形成された係止爪931に係止され、前面開閉部材90の回動外縁側がケース部材400に固定される。特に、係止爪931は、バンド部929の解除操作ができないように構成されているため、前面開閉部材90を閉鎖位置に固定させ、ケース部材400の閉鎖状態を保持することが可能になる。
このような閉鎖状態では、メイン基板409及び演出制御基板510が配置された空間が、ケース部材400及び前面開閉部材90によって覆われることとなり、メイン基板409等への接触を比較的簡単な構成でブロックすることが可能になる。つまり、前面開閉部材90を閉鎖位置に固定するだけで、メイン基板409等への接触が阻止されるため、空間を覆うための部材を新たに設けることなく、防犯効果を発揮することが可能になる。
特に、本例では、ロック片421及び受部508に貫通孔925及び貫通孔926,927を設け、ロック片421を係止状態に固定することにより、前面開閉部材90を閉鎖位置に固定するため、閉鎖状態が保持されていることと、前面開閉部材90を開放させることができないこととの、因果関係を容易に視認させることができ、例えば前面開閉部材90が閉鎖位置に固定されているのに気づかず、前面開閉部材90を無理やり開けようとすることによる前面開閉部材90の破壊等、を抑制することが可能になる。
ところで、結束バンド921によって前面開閉部材90を閉鎖位置に固定する方法では、結束バンド921が切断されると、閉鎖状態を保持することができなくなる。しかしながら、この場合には、結束バンド921が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを容易に把握することが可能になる。なお、本例では、結束バンド921として、市販されていない特殊な色の結束バンドを用いており、仮に、不正な行為を行った後に、市販の結束バンドを用いて前面開閉部材90を固定させる上記の操作が行われたとしても、色の違いにより不正な行為が行われたことを把握することが可能になる。
なお、上記の例では、閉鎖保持手段920として結束バンド921を示したが、前面開閉部材90を閉鎖位置に固定する手段は、特に限定されるものではなく、封印シールを用いたり、環状の巻装部材を用いることも可能である。封印シール935は、図54に示すように、前面開閉部材90の画像表示体500とケース部材400の側面とに跨って貼着され、前面開閉部材90の回動を禁止するものである。特に、この例の封印シール935は、ロック片421を係止状態に固定するように、すなわちロック片421の回動を規制するようにロック片421の側方に貼られている。このため、閉鎖状態が保持されていることと、前面開閉部材90を開放させることができないこととの、因果関係を容易に視認させることができる。
なお、封印シール935は接着剤を介して貼り付けられており、閉鎖保持状態を解除するために封印シール935が剥がされた場合には、前面開閉部材90及びケース部材400にその痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを容易に把握することができる。このように、封印シール935を用いることにより、極めて簡単な構成で閉鎖状態を保持することが可能になるとともに、前面開閉部材90やケース部材400の構成も簡単になる。なお、封印シール935の一部には、機種ユニット50の装着時における剥離を容易にするため、接着剤が塗られていない非接着領域935aが設けられている。
一方、巻装部材936は、図55に示すように、前面開閉部材90が回動しないように、機種ユニット50全体の外周を巻装する部材であり、環状に形成されている。また、巻装部材936は、伸縮しない材料から形成され、鋏等によって切断されるまで、外れないように緊結されている。このため、前面開閉部材90が閉鎖位置に固定された状態となり、ケース部材400内に組付けられたメイン基板409等に対する不正操作を確実に防ぐことができる。また、巻装部材936を目立たせることができ、不正行為に対する抑止力を生じさせることが可能になる。また、不正を行うために巻装部材936が切断された場合には、痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを巻装部材936の状態によって把握することができる。特に、その痕跡は、封印シール935のように前面開閉部材90やケース部材400に残されるものではないため、ケース部材400等を再利用することも可能になる。
さらに、上記の例では、侵入阻止手段として閉鎖保持手段920を備えるもの、すなわち前面開閉部材90を閉鎖位置に固定することによりメイン基板409等への接触を防止するものを示したが、図56または図57に示すように、機種ユニット50全体を封止された状態で被包するようにしてもよい。つまり、図56に示す箱体937または図57に示す袋体938等の被包部材を備え、この被包部材によって機種ユニット50全体を包み込むようにしてもよい。このように構成しても、メイン基板409等が配置された空間に対しての侵入を阻止することが可能であり、優れた防犯効果を発揮することができる。また、機種ユニット50が箱体937または袋体938で被包した状態で輸送されるため、機種ユニット50自体を保護することも可能になり、輸送途中での損傷を防止することもできる。また、このように、被包部材で機種ユニット50全体を被包するものでは、前面開閉部材90がケース部材400の開口のうち一部のみしか閉塞しない場合(すなわち閉鎖されていない部分が残されている場合)、またはケース部材400の前面以外に大きな開口が形成されている場合(すなわち開口から手等を侵入させることが可能である場合)、あるいは、ユニット本体が枠状または筒状である場合(すなわちユニット本体だけでは空間を囲むことができない場合)においても、防犯効果を発揮することが可能になる。なお、本例の箱体937及び袋体938は何れも不透明の部材で形成されているため、機種ユニット50を視認させることなく運搬でき、防犯効果を一層高めることが可能になる。
[機種ユニットの防犯構造2]
ところで、本例では、メイン基板409等が組み込まれた機種ユニット50を、簡単に交換することが可能になっているため、機種ユニット50を外本体100に収容した後にも不正な行為が行われる虞がある。つまり、不正なメイン基板または演出制御基板が組込まれた別の機種ユニットに交換されたり、遊技店舗以外の場所で機種ユニット50の内部に組み込まれたメイン基板409または演出制御基板510(特にCPUやROM)が不正に操作されたりする虞がある。
そこで、本例では、図58に示すように、ユニット保持手段940を備え、機種ユニット50が外本体100内に収容された後、機種ユニット50におけるケース部材400が外本体100に対して固定状態に保持されるように構成されている。特に、このユニット保持手段940は、痕跡生成部材から成形されており、ケース部材400の固定状態が解除されると(すなわち外本体100内に収容されている機種ユニット50を取出すことが可能な状態になると)、痕跡が残されるようになっている。このため、ユニット保持手段940の状態を認識させることにより、機種ユニット50の固定状態が解除されたことを遊技店舗等において把握させることが可能になる。つまり、不正なメイン基板等を有する機種ユニットと交換されたにも拘らず何事もなかったかのように見せることができなくなる。したがって、メイン基板409等が不正な行為によって変更されることを抑制でき、メイン基板409等における信頼性を確保することが可能になる。
ユニット保持手段940としては、結束バンド944を例示することができる。この結束バンド944は、前述した結束バンド921と同様であり、バンド部946、頭部947、挿通孔948、及び係止爪949を具備して構成されている。つまり、挿通孔948に対しバンド部946を深く挿入するほど環状の結束部分が収縮され、締付力が強くなるように構成され、また、係止爪949は、鋸歯状列歯を一定方向(締結方向)にのみ摺動可能とし、その逆方向(解除方向)には摺動できないように(すなわち係止されるように)構成されている。
一方、ケース部材400の底板部941における前縁部側には、上下方向に貫通する第一貫通孔942が穿設されている。また、機種ユニット50を載置する仕切板105(本発明の載置板に相当)には、上下方向に貫通する第二貫通孔943が穿設されている。特に、ケース部材400の第一貫通孔942と仕切板105の第二貫通孔943とは、機種ユニット50が仕切板105上に載置された際に互いに合致する位置に設けられている。そして、これらの貫通孔942,943に結束バンド944が通され、締付けられることにより、機種ユニット50のケース部材400を、外本体100の仕切板105に固定状態で保持することが可能になる。
具体的に説明すると、遊技店舗においては、新機種の機種ユニット50を外本体100内に収容(詳しくは仕切板105の上に載置)した後、結束バンド944におけるバンド部946の先端側を、第一貫通孔942及び第二貫通孔943に順に通し、その後、そのバンド部946を頭部947の挿通孔948に挿入させることが行われる。すると、バンド部946の片面側に形成された鋸歯状列歯が、挿通孔948の内部に形成された係止爪949に係止され、ケース部材400の底板部941が外本体100の仕切板105に固定される。特に、係止爪949は、バンド部946の解除操作ができないように構成されているため、ケース部材400を固定状態に保持することが可能になる。
このような固定状態では、ケース部材400の底板部941と、機種ユニット50を載置する仕切板105とが、結束バンド944によって締め付けた状態で固定されるため、機種ユニット50の安定性をさらに向上させることができる。
特に、結束バンド944における係止爪949は、鋸歯状列歯を一旦係止させると、その後の解除操作ができないように構成されているため、ケース部材400を固定状態に保ち、不正行為を確実に防止することができる。また、バンド部946が切断された場合には、機種ユニット50を交換することが可能になるが、この場合には、結束バンド944が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを把握することが可能になる。なお、本例では、結束バンド944として、市販されていない特殊な色の結束バンドを用いており、仮に、不正な行為を行った後に、市販の結束バンドを用いてケース部材400を固定させる、という上記の操作が行われたとしても、色の違いにより不正な行為が行われたことを把握することが可能になる。
なお、遊技店舗において旧機種の機種ユニット50を取外す際には、結束バンド944を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業性の低下を抑制することができる。ここで、結束バンド944が本発明の結束部材に相当する。
また、上記の例では、ユニット保持手段940として結束バンド944を示したが、機種ユニット50を固定状態に保持する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、図59に示すように、封印シール950を用いることも可能である。封印シール950は、ケース部材400における底板部941と外本体100における仕切板105とに跨って貼着され、機種ユニット50のケース部材400を固定状態に保持する。
なお、封印シール950は接着剤を介して貼り付けられており、機種ユニット50を取出すために封印シール950が剥がされた場合には、底板部941または仕切板105にその痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを容易に把握することができる。このように、封印シール950を用いることにより、極めて簡単な構成で固定状態を保持することが可能になるとともに、底板部941や仕切板105の構成も簡単になる。
このように、本例のスロットマシン1によれば、図43及び図44に示すように、外本体100の内部には、メイン基板409及び演出制御基板510が組付けられた機種ユニット50が収容されており、機種ユニット50ごと交換することが可能になっているため、スロットマシン1の機種を変更する場合、外本体100及び扉形前面部材200をそのまま利用し、最小限必要な構成のみをユニットごと交換することが可能になる。したがって、機種変更にかかる費用の負担を軽減するとともに、交換部分の小型化及び軽量化が図れることから運搬や設置における作業性が向上することができる。特に、ユニットごと交換することから、取扱いが容易となり速やかに交換することができる。
また、この機種ユニット50は、前面の少なくとも一部が開口するケース部材400と、その開口を開閉可能に塞ぐ前面開閉部材90(画像表示体500及び枠部材501とからなる)とを具備して構成され、前面開閉部材90を開くと、ケース部材400の前面の開口が開放され、機種ユニット50の内部を確認したり、メイン基板409や演出制御基板510等に対して作業を行ったりすることが可能になる。逆に、前面開閉部材90を閉じると、ケース部材400の前面の開口が閉鎖され、メイン基板409や演出制御基板510への操作を禁止することが可能になる。また、前面開閉部材90によって開口を塞ぐことにより、ケース部材400内への前方からの視覚を遮蔽し、例えば、扉形前面部材200の透視窓214を通した視覚の中に、メイン基板409や演出制御基板510が露出されることを防止できる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材90が装飾性を有しており、扉形前面部材200に設けられた透視窓214を通して視認可能となっているため、比較的広い領域に亘って装飾を施すことができ、遊技者の注意を惹きつけることが可能になる。特に、前面開閉部材90の上部側が画像表示体500によって構成されているため、表示画面を比較的大きく形成し、迫力のある画像を明瞭に視認させることができる。また、機種ユニット50を交換することにより、演出内容だけではなく、画像表示体500の外観や配置位置も変更することが可能になる。また、画像表示体500に所定の演出を導出する演出制御基板510が、画像表示体500の背面側に組付けられているため、画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、機種ユニット50内に、図柄変動表示装置300が組付けられているため、図柄変動表示装置300もユニットごと交換することが可能になる。このように機種ユニット50をユニット毎交換するだけで、スロットマシン1のコンセプトとして特徴づけることが可能な、前面開閉部材90、画像表示体500、及び図柄変動表示装置300を異種のものとすることが可能になり、全く異なったコンセプトのスロットマシンを比較的安価に提供することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材90の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にし、扉形前面部材200の横開き動作を前面開閉部材90に伝達する連動機構を備えているため、扉形前面部材200を開放させると、連結具700または連結具80を介して前面開閉部材90も同方向に回動しケース部材400の前面が開放される。つまり、前面開閉部材90が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることができる。特に、連結具700または連結具80は、扉形前面部材200及び前面開閉部材90における夫々の回動外縁側同士を連結することから、連結操作及びその解除操作が容易に行えるとともに、連結具700または連結具80が受ける荷重を比較的小さくでき、ひいてはそれらの破損を防止することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材90の回動を阻止するロック片421が備えられており、ロック状態(係止状態)にすると、前面開閉部材90がケース部材400に対して所定の位置で固定されるため、機種ユニット50を外本体100に装着していない状態、すなわち機種ユニット50の輸送中に、前面開閉部材90が揺れ動くことを防止し、輸送中における画像表示体500等の破損を防止できる。また、安定した状態で輸送することが可能になり、輸送業者に安心感を与えることができる。
さらに、本例のスロットマシン1によれば、ユニット保持手段940が設けられており、ケース部材400の固定状態が解除されると、痕跡が残されるようになっているため、ユニット保持手段940の状態を認識させることにより、機種ユニット50の固定状態が解除されたことを遊技店舗等において把握することが可能になる。したがって、メイン基板409等が不正な行為によって変更されることを抑制でき、メイン基板409等における信頼性を確保することができる。特に、ユニット保持手段940として、結束バンド944が用いられ、ケース部材400の底板部941と仕切板105とが結束された状態で固定されるため、比較的容易に連結させることができ、しかも機種ユニット50を取外す際には、切断するだけで容易に保持状態を解除することができる。したがって、作業者に負担を掛けることなく、防犯効果を発揮させることができる。また、結束バンド944は、底板部941の前縁近傍において結束されるため、機種ユニット50を固定状態に保持する際には、機種ユニット50をケース部材400内に収容した後、機種ユニット50の前側において連結作業を行えばよい。したがって、十分な作業スペースを確保することができ、作業性をさらに高めることが可能になる。また、結束バンド944を目立たせることが可能になり、結束バンド944の状態に異変がないか否か、すなわち機種ユニット50が交換された虞がないか否かを明瞭に認識させることも可能になる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、前面開閉部材90に画像表示体500を組付けるもの、すなわち画像表示体500を機種ユニット50の一部として、交換可能に組込むものを示したが、画像表示体500を扉形前面部材200に組付けるようにしてもよい。これによれば、画像表示体500を共通部品として扱うことが可能になる。なお、同じ画像表示体500を採用しても、画像表示体500に表示される演出を変化させることにより、コンセプトの異なった遊技機を提供することが可能になる。
また、上記実施形態では、機種ユニット50を仕切板105によって分割し、上部側に画像表示体500を、下部側に図柄変動表示装置300を夫々配置するものを示したが、図50及び図51に示すように、図柄変動表示装置300を上部側に配置し、画像表示体500を下部側に配置するように構成した機種ユニット901を備えるようにしてもよい。なお、図50では、上記実施形態と同一の構成は同一の番号を付してある。つまり、画像表示体500を前面開閉部材90に備えること、図柄変動表示装置300をユニット本体902内に配置することは上記実施形態と同様であるが、この例では、図柄変動表示装置300と画像表示体500との上下関係のみが逆になっている。そして、このように構成すれば、画像表示体500がスロットマシン1の略中央部分に配置されることから、画像表示体500に表示される演出画像を一層迫力のあるものとし、臨場感を醸し出すことが可能になる。
また、上記実施形態では、ケース部材400を、外本体100に設けられた仕切板105に対して固定させるものを示したが、外本体100に直接固定させるようにしてもよい。具体的には、ケース部材400の側板と外本体100の側板とを連結するようにしてよい。
また、上記実施形態では、一本の結束バンド944で、ケース部材400と外本体100とを連結するものを示したが、複数本の結束バンド944で固定するようにしてもよい。これによれば、作業時間が余分にかかるものの、防犯効果を一層高めるとともに、機種ユニット50をより安定した状態で支持することが可能になる。
また、上記実施形態では、結束バンド944によってケース部材400を固定させるもの(すなわち締め付けるもの)を示したが、別の部材を用いてケース部材400を固定させ、その固定状態の保持のみをユニット保持手段940によって行わせるようにしてもよい。具体的に言えば、結束バンド944を締め付けることなく、緩やかな状態で連結させるようにしてもよい。つまり、外本体100に対して機種ユニット50のケース部材400が多少変位しても、結束バンド944を切断しない限り機種ユニット50を取外すことができない状態に連結されてさえいれば、ユニット保持手段940としての防犯効果を発揮することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1を示したが、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。