[1.スロットマシンの全体構造]
以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16−1,図16−2はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図24はスロットマシン上部の縦断面図、図25はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図26は図25の分解斜視図、図27はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図28は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図29は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図30は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図31は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図32は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図33は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を装着した扉形前面部材の図32A−A線相当断面図である。
本発明のスロットマシン1は、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動モータの回転によって変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[1−1.外本体]
外本体100は、図1〜図4に示すように、底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図24想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[1−1−1.仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示すように、中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[1−1−2.下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[1−1−2(a).メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。この1枚ずつ送り出されたメダルは払出センサ110dにより検出されるようになっている。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110eが設けてあり、そのオーバーフロー樋110eの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。このメダル用補助収納箱111がメダルで満タンになると、メダル満タンスイッチ111aにより検出されるようになっている。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[1−1−2(b).電源装置]
前記電源装置112は、図25〜図29に示すように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図29参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。
装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図29参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図25,図26に示すように、凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図30は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図29参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[1−1−2(c).電源装置の固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
つまり、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図25において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図25において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[1−1−2(d).電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
なお、電源装置112には、図26に示すように、スロットマシン1の電源をON・OFFする電源スイッチ112tと、スロットマシン1の設定を変更する際に操作する設定キースイッチ112vと、スロットマシン1に異常が発生してそのエラーを解除する際に操作するリセットスイッチ112w等も備えている。このリセットスイッチ112wは、設定キースイッチ112vが操作され、続いて後述する主制御基板409の設定変更スイッチによってスロットマシン1の設定が変更された際にも操作される。設定が変更されてリセットスイッチ112wが操作されることによって、変更されたスロットマシン1の設定が有効となる。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[1−1−3.上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[1−2.扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、このメダル用受け皿201の左右側にスピーカ201aがそれぞれ設けられている。また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリー(内蔵するRAM)にデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、主制御基板409のメモリー(内蔵するRAM)にデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ停止させる左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b及び右リール停止ボタン211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したロックアウトソレノイド207aをON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。なお、メダルセレクタ207は投入センサ207bを内蔵しており、投入口203からメダル樋212に流れるメダルを検出する。
[1−2−1.透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図32,図33に示すように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[1−2−2.透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図34に示すように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、例えばその内部空間に左発光ユニット217aと、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図33では、左発光ユニット217a、上発光ユニット217b及び右発光ユニット217cが扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の左発光ユニット217a、上発光ユニット217b及び右発光ユニット217cは、図34に示すように、例えば左発光ユニット217aは、縁部材214bの中に嵌め込まれており、透明板214aと左発光ユニット217aは、一体の部品として取り扱われる。発光ユニット217aと同様に、上発光ユニット217b及び右発光ユニット217cも透明板214aと一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図32,図33において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図32拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図33の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図32拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図32〜図34において、符号217aa〜217caは左発光ユニット217aの左発光体、上発光ユニット217bの上発光体そして右発光ユニット217cの右発光体であり、符号217ab〜217cbは左発光体217aaを支持する左反射部材、上発光体217bbを支持する上反射部材そして右発光体217cbを支持する右反射部材である。
左に位置する左発光ユニット217aの反射部材217ab及び右に位置する右発光ユニット217cの反射部材217cbは、図34に示すように、棒状の左発光体217aa及び右発光体217caの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に左発光ユニット217a及び右発光ユニット217cを組み込んだ形態は、左発光体217aa及び右発光体217caをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。
また、上に位置する上発光ユニット217bの上反射部材217bbは、上発光体217ba(光源217ba−1と導光板217ba−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である左発光ユニット217a、上発光ユニット217b及び右発光ユニット217cは、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図33拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図34は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図34から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[1−2−3.錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。この錠装置215に専用キーを挿入して左回りに回すと、錠装置215の奥に設けたエラー解除センサ215aからの検出信号がリセット信号として後述する主制御基板409に入力されるようになっている。一方、右回りに回して扉形前面部材200を外本体枠100から開放させると、扉形前面部材200の裏面に設けた扉開放検出スイッチ220からの開放信号が入力されるようになっている。
[1−3.図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、左リール駆動モータ303aで回転可能な左リール301aと、中リール駆動モータ303bで回転可能な中リール301bと、右リール駆動モータ303cで回転可能な右リール301cと、を個別に組込み・収容する装置ケース302とを、有し、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。なお、装置ケース302には、左リール301aの原位置を検出する左リール位置センサ301a’と、中リール301bの原位置を検出する中リール位置センサ301b’と、右リール301cの原位置を検出する右リール位置センサ301c’と、が設けられている。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、左リール301a、中リール301b及び右301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天部板305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。
つまり、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。
ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張ていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示すように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示すように、フランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[1−4.ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。
そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板である主制御基板409が装着され、さらに主制御基板409以外の制御基板等(例えば、後述する周辺制御基板)も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示すように、天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示すように、複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示すように、後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示すように、凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示すように、仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示すように、仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示すように、揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示すように、仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。
なお、ストッパー117を図18に示すように、鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示すように、ケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示すように、ケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記主制御基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309と主制御基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示すように、空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示すように、図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cの回転中心を通る水平面HLと、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[1−5.画像表示体]
画像表示体500は、図11,図12に示すように、液晶表示器(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)500aと、この液晶表示器500aの表示制御等を行う周辺制御基板700等を備えて構成されており、ユニット化されている。画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
図11,図12に示すように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。そうすることにより扉形前面部材200を開いて直ぐに画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックが行える。
なお、画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックを効率よく行う手段として、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてもよい。この場合、実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500は、回転中心の位置が異なるため、両者の動きに相対的なずれが生じるが、そのような動きのずれは、連結具を柔軟なワイヤーにするか或は伸縮自在なロッドにする等して吸収できる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。
もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。
また、ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えば主制御基板409)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示すように、把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の底板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[1−5−1.枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。
また枠部材501の左側には、図11に示すように、クレジット枚数表示部501a、ゲーム数表示部501b、払出枚数表示部501c、メダルインランプ501d、スタートランプ501e、ベットランプ501f及びボーナスフラグ告知ランプ501g等がそれぞれ設けられている。
クレジット枚数表示部501aは最大かけ数(例えば、メダル3枚)を超えるメダルの貯留がある場合にその貯留されているメダル枚数を表示するものであり、ゲーム週表示部501bはボーナスゲームにおいてメダルを集中的に払い出す特典が行われている回数等を表示するものであり、払出枚数表示部501cは当選種類に対応する払い出すメダル数を表示するものであり、メダルランプ501dは遊技者にメダルを投入口203に投入するよう点灯又は点滅して促すものであり、スタートランプ501eは始動レバー210の操作が有効となると点灯又は点滅して遊技者にゲームのスタートを促すものであり、ベットランプ501fは投入口203に投入したメダルの枚数に対応して点灯し遊技者にかけ数を告知するものであり、ボーナスフラグ告知ランプ501gは遊技者にボーナス等に当選したことを告知するものである。
[1−5−2.照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示すように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であって左リール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示すように、真下より遊技者側、つまり透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。
以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光が左リール301a、中リール301b及び右リール301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向を左リール301a、中リール301b及び右リール301cの周面側に向けた場合には、湾曲する左リール301a、中リール301b及び右リール301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることで左リール301a、中リール301b及び右リール301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図31に示すように、下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図31は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[1−6.配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えば主制御基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット(ケース部材400)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット(ケース部材400)の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[1−6−1.配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示すように、配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示すように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記主制御基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示すように、上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、主制御基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示すように、外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品
(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cの回転中心を通る水平面と左リール301a、中リール301b及び右リール301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300の左リール301a、中リール301b及び右リール301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、左リール301a、中リール301b及び右リール301c外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、つまり、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下って左リール301a、中リール301b及び右リール301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの径を大きくすることができる。なお、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[1−6−2.コネクタ]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400の主制御基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、主制御基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16−1に示すように、1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示すように、配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[1−6−3.仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示すように、ケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示すように、コネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。
なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示すように、前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,426の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示すように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示すように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と遊技ユニットが相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)遊技ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、遊技ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、遊技ユニットの外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば遊技ユニットに直接コネクタを取り付け、遊技ユニットを外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな遊技ユニットが輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニットを物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を遊技ユニット側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニットを物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示すように、外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し遊技ユニットから離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、遊技ユニットのみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[1−6−4.コネクタの結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。
しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。つまり2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。
そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、
該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、
一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、
前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、
該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、
該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、
前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、
前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、
前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと遊技ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、遊技ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と遊技ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、遊技ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。
また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示すように、凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図16−2に示す。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427aを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。
また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示すように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300と主制御基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻して主制御基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかして主制御基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す必要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(主制御基板409,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。
そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。
なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図24想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図24に示すように、外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[2.主基板及び周辺基板]
次に、スロットマシン1の各種制御を行う制御基板について説明する。図35は主基制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。スロットマシン1の制御構成は、図35に示すように、主制御基板409及び周辺制御基板700から構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板409について説明し、続けて周辺制御基板700について説明する。
[2−1.主制御基板]
主制御基板409は、図35に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU409a、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート409b、上述した、左リール駆動モータ303a、中リール駆動モータ303b及び右リール駆動モータ30cに駆動信号を出力するドライブ回路409c、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定変更スイッチ409d、図示しない基板検査装置のコネクタを差し込んで主制御基板409(主制御MPU409a)を検査する検査用コネクタ409eを備えて構成されている。主制御MPU409aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU409aは、上述した、1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206、貯留解除スイッチ209、始動レバー210、左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c、投入センサ207b、エラー解除センサ215a、扉開放検出スイッチ220、メダル放出装置110の払出センサ110d及びメダル用補助収納箱111のメダル満タンスイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポート409bを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、上述した、ロックアウトソレノイド207a、クレジット枚数表示部501a、ゲーム数表示部501b、払出枚数表示部501c、メダルインランプ5021、スタートランプ501e、ベットランプ501f、ボーナスフラグ告知ランプ501g及びメダル放出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポート409bを介して、出力する。
また主制御MPU409aは、主制御I/Oポート409b及びリール基板312を介して、上述した、左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リール駆動モータ303a、中リール駆動モータ303b及び右リール駆動モータ303cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ301a’、中リール位置センサ301b’及び右リール位置センサ301c’からの検出信号が入力されたりする。
更に主制御MPU409aは、主制御I/Oポート409bを介して、上述した電源装置112の電源スイッチ112t、設定キースイッチ112v及びリセットスイッチ112wからの信号が入力されたり、払出メダル信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。この外部中継端子板131は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、払出メダル信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、遊技者の遊技を監視している。
なお、主制御MPU409aは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O409b及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板700に送信するようになっている。
[2−2.周辺制御基板]
周辺制御基板700は、図35に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU700a、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM700b、液晶表示器500aを表示制御するVDP(Video Display Processorの略)700c、液晶表示器500aに表示する各種画像を記憶する画像ROM700d、高音質の演奏を行う音源IC700e、この音源IC700eが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM700fを備えて構成されている。
周辺制御MPU700aは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、上述した照明装置502の発光ダイオード504を点灯する点灯信号を出力したり、上述した左発光ユニット217aの左発光体217aa及び右発光ユニット217cの右発光体217caを点滅する点滅信号を、扉形前面部材200の裏面に配置した、周辺制御基板700と別体に設けた扉装飾駆動基板800(図1参照)を介して出力したり、上述した上発光ユニット217bの上発光体217baを階調点灯する階調点灯信号を、扉装飾駆動基板800を介して出力したりする。なお、左発光ユニット217aの左発光体217aa及び右発光ユニット217cの右発光体217caへの点滅信号や上発光ユニット217bの上発光体217baへの階調点灯信号は、周辺制御MPU700aのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATと、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号MODE、ラッチ信号LAT及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板800が左発光ユニット217aの左発光体217aa、右発光ユニット217cの右発光体217ca及び上発光ユニット217bの上発光体217baに出力するようになっており、その詳細な説明は後述する。
VDP700cは、周辺制御MPU700aから出力された制御信号に基づいて画像ROM700dから画像を読み出して液晶表示器500aの表示制御を行う。この液晶表示器500aにはバックライト(冷陰極管)が内蔵されており、図示しないインバータ基板によって点灯されている。
音源IC700eは、周辺制御MPU700aから出力された制御信号に基づいて音ROM700fから音情報を読み込み、扉装飾駆動基板800を介して、上述した扉型全面部材200のスピーカ201aから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[3.扉装飾駆動基板]
次に、扉装飾駆動基板800について説明する。図36は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。扉装飾駆動基板800は、図36に示すように、セレクト回路800a、スイッチ回路800b、駆動回路800cを備えて構成されており、ここでは、まず扉装飾駆動基板800に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路800a、スイッチ回路800b、駆動回路800cについて説明する。なお、図36では、セレクト回路800a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や上発光体217ba等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[3−1.扉装飾駆動基板に入力される各種信号]
扉装飾駆動基板800は、図36に示すように、周辺制御基板700の周辺制御MPU700a(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている(以下、「250kbps(キロビットパーセコンド)」と記載する)。なお、実験によって、発生するノイズが最大でも1μs幅であることが得られており、本実施形態では、1μs幅内のノイズの影響を受けないように、クロック信号S−CLKが250kbps(1クロックが4マイクロ秒(μs)となり、パルス幅が2μsとなる。)と設定されている。なお、クロック信号S−CLKを250kbpsより速くすると、パルス幅が2μsから最大1μs幅のノイズの近づくため、シリアルデータS−DATがノイズの影響を受けやすくなり(シリアルデータS−DATと、ノイズとの区別がつかない)、正しいシリアルデータS−DATが出力できないおそれがある。
シリアルデータS−DATは、データの形式の異なる、左発光ユニット217aの左発光体217aa及び右発光ユニット217cの右発光体217caを点滅する点滅データと、上発光ユニット217bの上発光体217baを階調点灯する階調点灯データと、が含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、図35に示した周辺制御基板700の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPU700aが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATとして作成し、扉装飾駆動基板800に出力するようになっている。このように、データの形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データを周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶するようにすることによって、プログラマーは、例えばそれらの点滅データ及び階調点灯データの整合性を確認する際やデバッグする際に、容易に行うことができ、開発期間の短縮に寄与することができる。
扉装飾駆動基板800は、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATのほかに、周辺制御MPU700a(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号MODE及びラッチ信号LATが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU700a(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路800bに伝える信号であり、モード信号MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路800cに伝える信号であり、ラッチ信号LATは、駆動回路800cが取り込んだシリアルデータS−DATに基づいて、左発光ユニット217aの左発光体217aa及び右発光ユニット217cの右発光体217caに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路800bを介して駆動回路800cに伝えたり、上発光ユニット217bの上発光体217baに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路800bを介して駆動回路800cに伝えたりする信号である。なお、周辺制御基板700と扉装飾駆動基板800との基板間は、図示しないハーネスによって電気的に接続されており、この図示しないハーネスを介して、周辺制御MPU700aからのクロック信号S−CLK、シリアルデータS−DAT、セレクト信号SEL0,SEL1、モード信号MODE及びラッチ信号LATが扉装飾駆動基板800に伝わるようになっている。
[3−2.セレクト回路]
セレクト回路800aは、図36に示すように、インバータIC1(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2,IC3(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2,IC3は、4つの論理積回路を備えている(IC2A〜IC2D、IC3A〜IC3D)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0’として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路800bに出力される。
インバータIC2Aの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1’として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路800bに出力される。
[3−3.スイッチ回路]
セレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路800bは、図36に示すように、論理積IC2B、IC3BのIC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路800cに出力される。このように、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、シリアルデータS−DATを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。なお、周辺制御基板700と扉装飾駆動基板800との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、シリアルデータS−DATを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路800cに出力するか、を切り替えないようになっている。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATを駆動回路800cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATが駆動回路800cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路800cに出力される。このように、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。なお、周辺制御基板700と扉装飾駆動基板800との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力するか、を切り替えないようになっている。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路800cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号LATが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路800cに出力される。このように、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、ラッチ信号LATを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。なお、周辺制御基板700と扉装飾駆動基板800との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC2Bによる演算結果によって、ラッチ信号LATを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えないようになっている。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号LATを駆動回路800cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号LATのノイズ対策としての役割も担っている。
[3−4.駆動回路]
スイッチ回路800bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路800cは、図36に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[3−4−1.点滅制御IC]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路800bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路800bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路800bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号LATが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DAT(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号LATが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DAT(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217baに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217baに流れて上発光体217baが点灯又は点滅する。
[3−4−2.左側用階調制御IC及び右側用階調制御IC]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路800bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路800bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路800bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号LATが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DAT(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号LATが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DAT(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217aaに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217caに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217aa及び右発光体217caに流れて左発光体217aa及び右発光体217caが点灯又は階調点灯する。
[4.点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板700の周辺制御MPU700a(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板700の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPU700aは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATとして作成し、扉装飾駆動基板800に出力する。図37はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。
周辺制御基板700の周辺制御MPU700aは、図37に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATが点滅データであることを扉装飾駆動基板800に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATである点滅データを扉装飾駆動基板800に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号LATの論理をLOWにして出力することによって、図36に示した、扉装飾駆動基板800の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号LATの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号LATを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217baに点滅信号を出力し、上発光体217baが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号LATの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを扉装飾駆動基板800に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATである階調データを扉装飾駆動基板800に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号LATの論理をLOWにして出力することによって、図36に示した扉装飾駆動基板800の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号LATの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号LATの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号LAT及びモード信号MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号LATを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217aaに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217caに階調点灯信号を出力し、左発光体217aa及び右発光体217caが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号LAT及びモード信号MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1によれば、周辺制御基板700、扉装飾駆動基板800を備えている。周辺制御基板700は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPU700aを実装する。扉装飾駆動基板800は、周辺制御基板700と別体に設けられており、周辺制御MPU700aのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATに基づいて、上発光ユニット217bの上発光体217baに点滅信号を出力し、左発光ユニット217aの左発光体217aa及び右発光ユニット217cの右発光体217caに階調点灯信号を出力する。
扉装飾駆動基板800は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路800aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATの点滅データを取り込み、かつ、上発光ユニット217bの上発光体217baに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATの階調点灯データを取り込み、左発光ユニット217aの左発光体217aaに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATの階調点灯データを取り込み、右発光ユニット217cの右発光体217caに階調点灯信号を出力する。セレクト回路800aは、周辺制御MPU700aのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路800aが、そのシリアルデータS−DATを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATとして取り扱うことができる。
また、スロットマシン1は、外本体100、扉形装飾前面部材200を備えている。外本体100は前面が開口する箱形である。この外本体100は前面が開口する枠形であってもよい。扉装飾前面部材200は外本体100の前面に取り付けられており、ゲーム用の透視窓214が形成され、この透視窓214が透明板214aで覆われている。
透明板214aの周縁に、遊技者と向かい合う前面側に膨出して後側面に開口する殻構造の縁部材214bを一体に成型し、この縁部材214bを扉形前面部材200の前面に配置してその内部に、左発光ユニット217a、上発光ユニット217b及び右発光ユニット217cが組み込まれる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光ユニット217bの上発光体217baに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は、左発光ユニット217aの左発光体217aaに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は、右発光ユニット217cの右発光体217caに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路800aは、周辺制御MPU700aのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。こうすれば、1つのシリアルデータS−DATで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路800aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光ユニット217bの上発光体217baに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光ユニット217aの左発光体217aaに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光ユニット217cの右発光体217caに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路800aは、セレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには点滅制御IC4、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6への切り替えを行わない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路800aは、入力された、セレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATのノイズ対策としの役割も担っている。
[5.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、スロットマシン1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はスロットマシンに限定されるものではなく、スロットマシン以外の遊技機、例えばパチンコ遊技機又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
1…スロットマシン(遊技機)、100…外本体、200…扉形前面部材、214…透視窓、214a…透明板、214b…縁部材、217aa…左発光体(第2の制御負荷)、217ba…上発光体(第1の制御負荷)、217ca…右発光体(第2の制御負荷)、409…主制御基板、409a…主制御MPU、700…周辺制御基板(制御基板)、700a…周辺制御MPU、700b…周辺制御ROM、800…扉装飾駆動基板(駆動基板)、800a…セレクト回路(セレクト回路)、800b…スイッチ回路、800c…駆動回路、IC4…点滅制御IC(第1の駆動負荷専用IC)、IC5…左側用階調制御IC(第2の駆動負荷専用IC)、IC6…右側用階調制御IC(第2の駆動負荷専用IC)。