JP5058427B2 - 大豆蛋白の製造法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、風味の優れた大豆蛋白の製造法に関する。
背景技術
近年、大豆蛋白はその保水性、ゲル形成能を活かして、ハム、ソーセージ、水産練製品、ハンバーグ、しゅうまいなどの加工食品に幅広く使用されている。
しかしながら、大豆蛋白には大豆由来の「大豆臭」と呼ばれる不快臭が存在し、これら加工食品に利用した場合に食品の本来の風味を損なうという問題点があった。この問題点を解決するため、従来様々な検討がなされてきた。例えば、大豆蛋白の製造工程においてエタノール水溶液を用いて洗浄を行なう方法が挙げられる。
しかしながらこの方法では、周到に処理しなければエタノールによって大豆蛋白が変性することにより、ゲル形性能等の大豆蛋白がもつ機能が発揮されにくくなったり、コストがかかるという問題点があった。
また、特開昭63−219343号公報には、リポキシゲナーゼアイソザイムを欠失した大豆から大豆蛋白を製造する方法が開示されているが、このような大豆は高価な上、入手が容易ではなく、実用性に乏しかった。
一方、特公昭53−19699号公報(特開昭48−80754号公報)(US3642490号)には、pH約2.0〜約4.2で固形分含量10〜15%の範囲内で単離した大豆蛋白のスラリーを生成し、連続方式でスラリーの連続部分を温度約250(華氏)〜320(華氏)に実際上、瞬間的に加熱し、次に大豆物質中に変化を起こし、その中のトリプシンインヒビターを破壊するように加圧状態で少なくとも数秒から数分迄の間スラリーを加熱状態に保持し、次いでスラリーの連続的に送られた部分から次々に圧力を急激に下げ、それによってスラリーから水蒸気の瞬間的揮発と除去を起こさせ、かつスラリーから蒸気を分離してそれによって酸に安定な単離大豆蛋白製品をつくる工程より成ることを特徴とする酸に安定な蛋白質物質を生成する単離大豆蛋白の連続処理方法、が開示されているが、中性で用いることも、得られた大豆蛋白が風味に優れることも教示していない。その目的は酸可溶性蛋白を得ることであり、また本発明者の知見では、これを中性下で用いると、溶解性が低くなり、また必ずしも風味が優れているとは言えない。
発明の目的
本発明は、大豆蛋白に存在する大豆由来の「大豆臭」と呼ばれる不快臭が極めて少なく、加工食品に利用した場合に食品の本来の風味を損なうことのない風味の優れた大豆蛋白を得ることを目的とした。
発明の概要
本発明者等は、前記問題を解決すべく鋭意研究する中で、大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を酸性下で加熱し、中和することにより大豆蛋白に存在する不快臭が極めて少ない風味の優れた大豆蛋白が得られる知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を酸性下で加熱後、中和することを特徴とする大豆蛋白の製造法である。中和のpHは、pH6.0〜8.0が好ましい。加熱温度は80〜155℃が好ましい。より好ましくは加熱温度は100〜130℃が適当である。中和後は2回目の加熱をすることが好ましい。大豆蛋白スラリー又は大豆蛋白溶液を中和する前に燐酸もしくは有機酸又はそれらの塩を添加し、しかる後に、カルシウム化合物又はマグネシウム化合物を添加することが好ましい。中和した後には噴霧乾燥することが好ましい。
発明の詳細な説明
本発明において用いられる大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液としては、大豆もしくは脱脂大豆に水を加え磨砕したスラリー、このスラリーからホエーを除いたスラリー、大豆もしくは脱脂大豆を水抽出しておからを除いた抽出液、この抽出液を酸沈殿させたカードスラリー、又はこれを中和した中和溶液が適当である。
この大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を酸性下に調整することが強い大豆臭を軽減する上で重要である。ただし、pHが低過ぎれば、加熱後にも酸っぱい臭いが残ったり、中和後の灰分が増加したりしてしまい、またpHが高過ぎれば大豆臭が残存する傾向となるため、好ましくはpH2.0〜4.0、さらに好ましくは2.8〜3.7に調整することが適当である。
酸性下へのpH調整に用いる酸は食品添加物として用いることができる酸ならば、単独で或いは併用して何を用いてもよく、通常大豆蛋白の酸沈殿に用いられる硫酸、塩酸、リン酸、酢酸などが適当である。
次に、酸性にpH調整した大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を加熱することが重要である。加熱温度が低過ぎれば大豆臭が残存しやすくなり、また加熱温度が高過ぎれば加熱により新たな不快臭が発生しやすくなるため、好ましくは80〜155℃、さらに好ましくは100〜130℃の範囲で加熱することが適当である。
加熱方式は間接加熱方式も使用できるが、直接加熱方式の方が好ましく、高温高圧の水蒸気を直接大豆蛋白スラリー或いは大豆蛋白溶液に吹き込んで大気圧に急激に解放する高温瞬間加熱殺菌機(UHT殺菌機)を用いることがより好ましい。
加熱に要する時間は特に限定しないが、例えば、80℃以上100℃未満では1秒〜3時間、100℃以上155℃以下では1秒〜30分間程度が適当である。
尚、このように酸性下で加熱する際の大豆蛋白スラリー或いは大豆蛋白溶液の固形分濃度は、低すぎると乾燥効率が悪く製造コストがかかってしまい、また高すぎると脱臭効果が少なくなったり大豆蛋白溶液の粘度が上昇して加熱装置内を流動し難くなる場合があるので、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%とすることが適当である。
前述した通り、水蒸気を直接酸性の大豆蛋白スラリーや大豆蛋白溶液に吹き込むUHT殺菌機などを用いて、加熱後に大気圧以下の雰囲気下に開放することが風味改善に好ましい。
本発明において、風味が改善される理由は完全に明らかではないが、一般にアルデヒド、ケトンなどのカルボニル化合物が「大豆臭」の原因物質と言われており、酸性下において、このカルボニル化合物と蛋白質の相互作用が弱まるため、酸性下における加熱によってカルボニル化合物が解離しやすくなるので、この解離した臭い物質を加熱することにより臭い物質が蒸気の蒸散とともに除去されるものと推察される。
得られた溶液は、そのままでは酸っぱく、また、中性付近の食品と混合するとその割合によってはpHが等電点付近となって凝集してしまい、さらに酸性のまま保存すると、微量に含まれる油脂が不安定となって酸化するためか風味の劣化が早いので、常法により中和する。
中和は公知のアルカリ剤を用いることもできるが、好ましくは大豆蛋白スラリーもしくは溶液を中和するに際して燐酸もしくは有機酸またはそれらの塩とカルシウムまたはマグネシウムイオンを添加することが適当である。
中和後のpHは6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5に中和することが適当である。
中和に用いるアルカリは食品添加物として用いることができるアルカリならば何を用いてもよく、例えば通常大豆蛋白の中和に用いられる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの他、カルシウム化合物、マグネシウム化合物が挙げられる。カルシウム化合物の例としては、水酸化物である水酸化カルシウムや、カルシウム塩である炭酸カルシウム等が挙げられる。マグネシウム化合物の例としては、水酸化物である水酸化マグネシウムや、マグネシウム塩である炭酸マグネシウム等が挙げられる。これらのアルカリは単独でも併用でも使用することができる。
ここでアルカリとしてカルシウム化合物又はマグネシウム化合物を用いた場合は、水酸化ナトリウム等の1価金属のアルカリを単独で用いた場合と比較して風味が良好であり好ましい。一方で1価金属のアルカリを用いた場合に比べ、凝集による水への溶解性の低下が見られる。
そこで、カルシウム化合物又はマグネシウム化合物を用いる場合は、中和する前に燐酸もしくは有機酸又はそれらの塩を添加することが好ましい。ここで有機酸の種類としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸又はグルコン酸等を用いることが出来る。なお、中和する前とは、大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を酸性下に調整する前後いずれでも良く、酸性下で加熱した後でも構わない。燐酸もしくは有機酸又はそれらの塩の添加量は添加される2価金属イオン重量の等量〜10倍量が適当である。
これら燐酸もしくは有機酸またはそれらの塩を添加することにより、大豆蛋白の凝集、あるいは水溶性の低下が防止できるメカニズムは明らかではないが、キレート作用によって、カルシウムまたはマグネシウムと大豆蛋白との反応を弱める働きをしているものと推察する。
なお、中和の際の蛋白質の濃度は溶液状態であれば特に限定しないが、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%が適当である。濃度が高いと粘度が高くなり、次の噴霧乾燥装置に応用し難く、生産性が低下する。また濃度が低くても収率が低くなり、生産性が低下する。
尚、中和後の溶液は、そのまま、あるいは単に噴霧乾燥しただけでは溶解性が不足しており、中和後に2回目の加熱を行うと、酸性下での加熱のみの場合よりも溶解性及びゲル化能が向上し、ザラつきも改善され、品質を更に向上させることができるので、好ましい。
2回目の加熱の際の溶液の固形分濃度は、酸性下で加熱した時の濃度によって規定されるが、おおよそその時の固形分濃度の±2%の範囲内である。
この2回目の加熱すなわち中和後の加熱温度は、低過ぎれば溶解性が不足し、また高過ぎれば悪風味が生じる傾向にあるため、好ましくは100℃〜155℃、さらに好ましく110℃〜150℃とすることが適当である。
2回目の加熱に要する時間は特に限定しないが、好ましくは1秒以上30分間程度が適当である。
また、2回目の加熱も、前述のような高温高圧の水蒸気を大豆蛋白溶液に直接吹き込む高温瞬間加熱方式が適当である。加熱後に大気圧以下の雰囲気下に開放することにより更に風味が一層改善される。
以上のようにして、本発明の大豆蛋白を得ることが出来る。
この大豆蛋白は溶液であれば、そのまま或いは濃縮して流通しユーザーはそのまま利用することが出来るが、通常は噴霧乾燥し、粉末とした方が保存性が高く、食品素材として使用しやすい形態となり、好ましい。
以上のようにして得られた大豆蛋白は、不快臭が極めて少ない風味の優れたものである。
実施例
以下、実施例により本発明について具体的に説明を行う。
◎実施例1
PDI(Protein Dispersibility Index)80以上を示す低変性脱脂大豆(不二製油(株)製)に15重量倍の水を加え、1NのNaOHでpH7.5に調整し、ホモミキサーにて室温で1時間、3000rpmの回転数で抽出を行った。この後、遠心分離によりおから成分を除去して脱脂豆乳を得た。これに1NのHClを加えてpHを4.5に調整し、蛋白質成分を沈澱させ、遠心分離(1000g×10分)して沈澱物を採集し、分離大豆蛋白カードスラリー(以下「カードスラリー」という)を得た。このカードスラリーの固形分は約30重量%であった。これに固形分10重量%になるように水を加えた後、1NのHClを加えて表1に示したpHに調整し、その後蒸気直接吹き込みによる直接高温瞬間加熱装置(UHT殺菌機)を用いて120℃で10秒間加熱後直ちに大気圧下に開放した。
この後、加熱処理された大豆蛋白カードスラリーを1NのNaOHでpH7.0に中和した。この中和された大豆蛋白溶液を、UHT殺菌機を用いて再度120℃で10秒間加熱殺菌した後直ちに大気圧下に開放し、噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。この粉末状分離大豆蛋白の5重量%水溶液の風味の官能評価を10名のパネラーで行った。点数は10点満点で点数が高いほうが風味が良いとし、10名の平均で示した。
Figure 0005058427
加熱時のpHは酸性下において5点以上の評価が得られ、風味は大豆臭が少なくいずれも良好であり、特にpH2.9、pH3.4では大豆臭はほとんど感じることがなく、風味が非常に良好であった。pH1.9ではやや酸っぱい臭いが感じられた。pH2.4ではわずかに酸っぱい臭いがした。pH3.8ではわずかに大豆臭が感じられ、pH4.1ではやや大豆臭が感じられた。
◎実施例2
実施例1と同様にして得られたカードスラリーを固形分10重量%になるように水を加えた後、1NのHClを加えてpHを3.2に調整し、その後UHT殺菌機を用いて表2に示した温度で10秒間加熱後直ちに大気圧下に開放し、さらに1NのNaOHでpH7.0に中和した。これをUHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放し、噴霧乾燥により粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は実施例1と同様に行った。
Figure 0005058427
加熱温度70℃では大豆臭がまだ残っていた。90℃では大豆臭はまだ感じられたがかなり低減されていた。110℃、120℃では大豆臭はごく弱く、風味良好であった。140℃では若干加熱による不快臭が感じられ、160℃では強く感じられた。
◎実施例3
実施例1と同様にして得られたカードスラリーを固形分10重量%になるように水を加えた後、スラリー固形分に対して2重量%のクエン酸を添加し、さらに1NのHClを加えてpHを3.2に調整し、その後UHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱後直ちに大気圧下に開放した。水酸化カルシウムをカルシウムがスラリー固形分に対して1重量%になるように添加し、さらに1NのNaOHでpH7.0に中和した。これをUHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放した後噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は実施例1と同様に行ったところ、点数は9.1で大豆臭はほとんど感じられず、風味は極めて良好であった。
◎実施例4
実施例1と同様にして得られたカードスラリーを固形分10重量%になるように水を加えた後、1NのHClを加えてpHを3.2に調整し、その後UHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放し、続いて1NのNaOHでpH7.0に中和した。これを噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は実施例1と同様に行ったところ、点数は7.7で大豆臭は弱かった。また、この製品の水溶性を調べるために、PDIの測定を行った。測定方法を下記に示した。
<PDIの測定>
ドリンクマスター・ブレンダー(モデル936−2、ハミルトン・ビーチ社)にて、サンプル20gと25℃の蒸留水300mlを8500rpmで10分間混合する。次にこのスラリーを2700rpmで10分間遠心分離し、遠心後の上澄みの15mlをピペットでケルダールチューブに移し、AOCS公的手法Aa5−91またはAOCS公的手法Ba4d−90に準じてケルダール法による窒素量を決定する。
PDI:(B−S)×N×0.014×100×6.25×100/%総蛋白質量
B:ケルダール法におけるブランクの滴定量(ml)
S:ケルダール法におけるサンプルの滴定量(ml)
N:ケルダール法において使用したアルカリの規定
Figure 0005058427
以上の結果から中和後に加熱を行わなかった実施例4の製品は風味良好であったものの、水溶性は低下する傾向となった。
◎実施例5
実施例1と同様にして得られたカードスラリーを固形分10重量%になるように水を加えた後、1NのHClを加えてpHを3.2に調整し、その後UHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱後直ちに大気圧下に開放した。水酸化カルシウムをカルシウムが固形分に対して1重量%になるように添加し、さらに1NのNaOHでpH7.0に中和した。これをUHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放した後噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は実施例1と同様に行ったところ、点数は7.5で大豆臭は弱かった。また、この製品の水溶性を調べるために、PDIの測定を行った。
Figure 0005058427
以上の結果から中和をする際にクエン酸を添加せずに水酸化カルシウムを添加した実施例5の製品は風味良好であったものの、水溶性は低下する傾向となった。
◎比較例1
実施例1と同様にして得られたカードを固形分10重量%になるように水を加えた後、1NのNaOHでpH7.0に中和してからUHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放した。これを噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は実施例1と同様に行ったところ、点数は3.7で大豆臭が強く感じられた。
◎比較例2
実施例1と同様にして得られたカードを固形分10重量%になるように水を加えた後、燐酸を加えてpHを3.2に調整し、その後UHT殺菌機を用いて120℃で10秒間加熱した後直ちに大気圧下に開放した。これを噴霧乾燥し、粉末状分離大豆蛋白を得た。評価は5重量%水溶液を1NのNaOHでpH7.0に中和した後、実施例1と同様に行ったところ、点数は7.5で大豆臭は弱く良好であった。また、この製品のPDIを、ドリンクマスター・ブレンダーで混合時に1NのNaOHでpH7.0に中和して測定した。
Figure 0005058427
乾燥後に中和した比較例2の製品の水溶性は低下していた。
さらに、塩溶性を調べるため、蒸留水の代わりに2.5%食塩水を用いてドリンクマスター・ブレンダーで混合し、食塩水に対するPDIを測定した。
Figure 0005058427
乾燥後に中和した比較例2の製品の塩溶性は大きく低下していた。
実施例4の製品と比較例2の製品を室温(20〜25℃)で3ヶ月間保管した後、中和後の風味の評価を行った。
Figure 0005058427
中和された実施例4の製品はほとんど風味の風味の劣化は認められなかったが、酸性下で保管された比較例2の製品は油脂の酸化臭に類似した臭いが発生し、風味が劣化していた。
発明の効果
本発明、すなわち大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液を酸性下で加熱後、中和することにより、大豆蛋白に存在する大豆由来の「大豆臭」と呼ばれる不快臭が極めて少なく、加工食品に利用した場合に食品の本来の風味を損なうことのない風味の優れた大豆蛋白が得られる。さらに、中和後に再度加熱を行うことにより、溶解性にも優れた大豆蛋白が得られる。さらに、中和に際してアルカリとして2価金属のカルシウム又はマグネシウム塩と燐酸もしくは有機酸又はそれらの塩を選択することにより、更に風味及び溶解性の優れた大豆蛋白が得られる。これらの大豆蛋白を提供することにより、ハム、ソーセージ、水産練製品、ハンバーグ、しゅうまい等の加工食品の品質向上への貢献が大いに期待される。

Claims (1)

  1. PDI80以上を示す低変性脱脂大豆に由来する大豆蛋白スラリーあるいは大豆蛋白溶液に燐酸もしくは有機酸又はそれらの塩を添加し、pH2.9〜3.4の酸性下で、加熱温度が100〜130℃で蒸気吹き込み式加熱により加熱し、その後に、カルシウム化合物またはマグネシウム化合物を添加し、pH6.0〜8.0に中和した後に2回目の加熱を110〜150℃で蒸気吹き込み式加熱によりった後に、噴霧乾燥を行うことを特徴とする大豆蛋白の製造法。
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