JP3471223B2 - 調味液およびその製造方法 - Google Patents

調味液およびその製造方法

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JP3471223B2
JP3471223B2 JP15916698A JP15916698A JP3471223B2 JP 3471223 B2 JP3471223 B2 JP 3471223B2 JP 15916698 A JP15916698 A JP 15916698A JP 15916698 A JP15916698 A JP 15916698A JP 3471223 B2 JP3471223 B2 JP 3471223B2
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幹治 土居
隆太 八木
耕士 田中
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マルトモ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚節から抽出する
魚節エキスを含有する調味液およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばプロテアーゼを含有した水
溶液中に生魚や魚節を浸漬し、所定時間後に濾過して回
収した液体を調味液としたものが知られている。
【0003】この調味液は、生魚や魚節から抽出した旨
味成分や抽出した蛋白質がプロテアーゼにより分解され
たアミノ酸である旨味成分を含有しており、特有の良好
な旨味を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記プ
ロテアーゼを含有した水溶液中に生魚や魚節を浸漬して
得られる従来の調味液は、良好な旨味を有しているが、
アミン臭などの生臭さがあり、特に生魚を用いたもので
は生臭さが強く感じられる他に腐敗臭に似た独特の臭気
を有し、広く普及しにくい問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みて、生
臭さがなく良好な旨味および風味を有した調味液および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の調味液
は、加水分解によって変性した蛋白質を含有する粉状の
魚節と魚節エキスとを混合させて、この魚節エキス中に
前記変性した蛋白質を溶出させ、前記魚節と魚節エキス
との混合物にプロテアーゼを添加して、前記変性した蛋
白質をペプチドに分解させた混合液であるものである。
【0007】そして、加水分解によって変性した蛋白質
を含有する粉状の魚節と魚節エキスとを混合させて、こ
の魚節エキス中に変性した蛋白質を溶出させる。さら
に、魚節と魚節エキスとの混合物にプロテアーゼを添加
して、変性した蛋白質をペプチドに分解させた混合液と
する。この結果、この蛋白質の分解の際に、この蛋白質
が既に変性されているから、アミン臭などの生臭さや腐
敗臭は生じにくくなっている。すなわち、魚節から抽出
した旨味成分、魚節エキス中の旨味成分、魚節から抽出
された変性した蛋白質あるいは魚節エキス中の蛋白質や
変性した蛋白質が分解されて旨味成分が生成し、良好な
旨味が得られ、魚節から抽出した香気成分や魚節エキス
中の香気成分にて製造中および製造後の蛋白質の分解臭
や酸化臭などの生臭さが抑制されて、製造中および製造
後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さが抑制される
とともに、プロテアーゼにより蛋白質が分解されて生成
するペプチドにより製造中および製造後の蛋白質の分解
臭や酸化臭などの生臭さがマスキングされ、良好な香気
が付与され、良好な風味が得られる。
【0008】求項記載の調味液は、請求項記載の
調味液において、プロテアーゼは、このプロテアーゼに
より分解されたエキス分が、アミノ酸とペプチドとの比
が略1:1程度でペプチド中のジペプチド、トリペプチ
ドおよびテトラペプチドが約90%以上含有する条件で
添加されたものである。
【0009】そして、プロテアーゼにより分解されるエ
キス分がアミノ酸とペプチドとの比が略1:1程度でペ
プチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテトラペプ
チドが約90%以上含有するようにプロテアーゼを添加
するため、旨味成分のアミノ酸により良好な旨味が得ら
れるとともに、蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さを
マスキングするテトラペプチドなどの複数のペプチド結
合を有するペプチドが得られ、別途マスキング剤を添加
しなくても異臭を生じないで、良好な風味が得られる。
【0010】求項記載の調味液は、請求項1または
記載の調味液において、混合液は、魚節の混合後に固
形分が分離された液体であるものである。
【0011】そして、固形分を分離するため、そのまま
調味液として利用しても食感を損なうことがなく、固形
分による濁りなどの外観の低下も防止される。
【0012】求項記載の調味液は、請求項1ないし
いずれか一記載の調味液において、魚節エキスは、魚
節の製造の際に生じる蒸煮液であるものである。
【0013】そして、魚節と混合する魚節エキスとし
て、魚節の製造の際に生じる魚節の旨味成分および香気
成分を多量に含有する蒸煮液を用いるため、蒸煮液中の
魚節特有の良好な香気成分により、生臭さの発生が確実
で容易に防止されて良好な風味が付与されるとともに、
蒸煮液中の抗酸化物質により保存性の長期化が図れ、副
生成物の蒸煮液の有効利用によりコストの低減が図れ
る。
【0014】請求項5記載の調味液の製造方法は、加水
分解によって変性した蛋白質を含有する粉状の魚節と魚
節エキスとを混合させて、この魚節エキス中に前記変性
した蛋白質を溶出させ、前記魚節と魚節エキスとの混合
物にプロテアーゼを添加して、前記変性した蛋白質をペ
プチドに分解するものである。
【0015】そして、加水分解によって変性した蛋白質
を含有する粉状の魚節と魚節エキスとを混合させて、こ
の魚節エキス中に変性した蛋白質を溶出させる。さら
に、魚節と魚節エキスとの混合物にプロテアーゼを添加
して、変性した蛋白質をペプチドに分解させる。この結
果、この蛋白質の分解の際に、この蛋白質が既に変性さ
れているから、アミン臭などの生臭さや腐敗臭は生じに
くくなっている。すなわち、魚節から抽出した旨味成
分、魚節エキス中の旨味成分、魚節から抽出された変性
した蛋白質あるいは魚節エキス中の蛋白質や変性した蛋
白質が分解されて旨味成分が生成し、良好な旨味が得ら
れ、魚節から抽出した香気成分や魚節エキス中の香気成
分にて製造中および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭な
どの生臭さが抑制されて、製造中および製造後の蛋白質
の分解臭や酸化臭などの生臭さが抑制されるとともに、
プロテアーゼにより蛋白質が分解されて生成するペプチ
ドにより製造中および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭
などの生臭さがマスキングされ、良好な香気が付与さ
れ、良好な風味が得られる。
【0016】請求項記載の調味液の製造方法は、請求
項5記載の調味液の製造方法において、魚節および魚節
エキスを混合した後に固形分を分離して混合液を調製
し、この混合液にプロテアーゼを添加するものである。
【0017】そして、魚節および魚節エキスを混合して
固形分を分離した混合液にプロテアーゼを添加するた
、固形分の分離により、そのまま調味液として利用し
ても食感を損なうことがなく、固形分による濁りなどの
外観の低下も防止される。
【0018】請求項記載の調味液の製造方法は、請求
項5記載の調味液の製造方法において、魚節および魚節
エキスを混合して混合物を調製し、この混合物にプロテ
アーゼを添加した後に固形分を分離するものである。
【0019】そして、魚節および魚節エキスを混合した
混合物にプロテアーゼを添加した後に固形分を分離する
ため、固形分の分離により、そのまま調味液として利用
しても食感を損なうことがなく、固形分による濁りなど
の外観の低下も防止される。
【0020】請求項記載の調味液の製造方法は、請求
5ないし7いずれか一記載の調味液の製造方法におい
て、プロテアーゼは、このプロテアーゼにより分解され
たエキス分が、アミノ酸とペプチドとの比が略1:1程
度でペプチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテト
ラペプチドが約90%以上含有する条件で添加するもの
である。
【0021】そして、プロテアーゼにより分解されるエ
キス分がアミノ酸とペプチドとの比が略1:1程度でペ
プチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテトラペプ
チドが約90%以上含有するようにプロテアーゼを添加
するため、旨味成分のアミノ酸により良好な旨味が得ら
れるとともに、蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さを
マスキングするテトラペプチドなどの複数のペプチド結
合を有するペプチドが得られ、別途マスキング剤を添加
しなくても異臭を生じないで、良好な風味が得られる。
【0022】求項記載の調味液の製造方法は、請求
ないしいずれか一記載の調味液の製造方法におい
て、魚節エキスは、魚節の製造の際に生じる蒸煮液であ
るものである。
【0023】そして、魚節と混合する魚節エキスとし
て、魚節の製造の際に生じる魚節の旨味成分および香気
成分を多量に含有する蒸煮液を用いるため、蒸煮液中の
魚節特有の良好な香気成分により、生臭さの発生が確実
で容易に防止されて良好な風味が付与されるとともに、
蒸煮液中の抗酸化物質により保存性の長期化が図れ、副
生成物の蒸煮液の有効利用によりコストの低減が図れ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の調味液の製造方法
の実施の一形態を説明する。
【0025】かつお、さば、まぐろ、いわし、あじなど
の原料魚を、常法により頭、腹肉および内臓を除去して
適宜の大きさに切断する。なお、冷凍された原料魚を用
いる場合には、適宜解凍して生肉を切り出す。
【0026】そして、切断した生肉を、常法により荒節
を形成する。すなわち、例えば90℃〜95℃の温水で
60分〜120分煮熟する。なお、蒸煮に限らず遠赤外
線にて加熱したり、高圧を掛けるなど、蛋白質を変性さ
せるいずれの方法でもよい。そして、蒸煮後に水切り
し、焙乾・あん蒸処理する。すなわち、例えば100℃
〜120℃で12時間焙乾後、室温で12時間あん蒸
し、再び90℃〜100℃で6時間焙乾後、室温で18
時間あん蒸する工程を約20回繰り返して、水分が13
%程度になるまで乾燥させて、荒節を得る。
【0027】次に、この得られた荒節を蒸気殺菌処理す
る。そして、この蒸気殺菌にて蒸気が結露し、荒節の表
面に付着するタール分が結露に含有され、このタール分
を含有する結露を回収して蒸煮液を取り出す。
【0028】一方、魚節の製品化の際に魚節の表面を切
削して整形する工程で生じる削り滓である粉末魚節や魚
節の削り節の製造の際に歩留まりとして生じる粉末状の
削り滓である粉末魚節を回収しておく。
【0029】そして、この粉末魚節と魚節の製造の際に
生成する蒸煮液とを適宜混合、例えば50℃〜60℃で
粉末魚節と蒸煮液とを1:4の比で攪拌混合して混合物
を調製する。次に、50℃〜60℃に保温しつつプロテ
アーゼを適宜、例えば粉末魚節に対して1/25の割合
で添加し、16時間程度反応させる。この後、85℃程
度で10分〜20分加熱しプロテアーゼを失活させ、濾
過により固形分を除去して調味液を得る。この得られた
調味液は、だし汁の源などに直接用いたり、別途魚醤油
などの調味液を製造するためのエキス分として用いる。
【0030】次に、上記実施の一形態の作用について説
明する。
【0031】魚節の切削にて生じる粉末魚節は、既に蒸
煮や焙乾・あん蒸などにて加水分解された変性した蛋白
質を含有している。このため、粉末魚節と蒸煮液との混
合により、蒸煮液中に粉末魚節中の変性された蛋白質が
溶出される。また、蒸煮液には、魚節の蒸煮により、表
面に付着するタール分の他に魚節中の変性された蛋白質
が溶出されている。さらに、蒸煮液中に溶出したタール
分は、フェノール系の香気成分が多量に含まれている。
【0032】そして、粉末魚節と蒸煮液との混合物に5
0℃〜60℃に保温しつつプロテアーゼを添加し、所定
時間加熱することにより、変性された蛋白質はほとんど
アミノ酸およびペプチドに分解される。なお、プロテア
ーゼにより分解されたエキス分は、アミノ酸約50%、
ジペプチド約20%、トリペプチド約15%、テトラペ
プチド約10%、その他のペプチド約5%程度で、アミ
ノ酸とペプチドとの比が略1:1程度である。
【0033】この蛋白質の分解の際に、蛋白質は既に変
性されており、アミン臭などの生臭さや腐敗臭は生じに
くくなっている。また、蒸煮液中に溶出した香気成分に
より、生臭さや腐敗臭、酸化臭の発生が防止され、香気
成分による香気にて魚節特有の良好な風味が付与され
る。さらに、プロテアーゼの添加により、変性された蛋
白質や残存する蛋白質は一部がジペプチドやトリペプチ
ド、テトラペプチドなどのペプチドに分解され、このペ
プチドが生臭さや腐敗臭、酸化臭をマスキングし、抽出
した香気成分により効率よく香気が得られ、良好な風味
が得られる。
【0034】ここで、プロテアーゼによる蛋白質の分解
において、例えば反応時間が短い、または、プロテアー
ゼの添加量が少ない、あるいは、反応温度が低いなどの
場合、十分に蛋白質が分解されず、アミノ酸、ジペプチ
ド、トリペプチドの量が少なくなるとともにテトラペプ
チドやよりペプチド結合の多いペプチドが多くなる。こ
のため、テトラペプチドやよりペプチド結合の多いペプ
チドにより生臭さや腐敗臭、酸化臭などの異臭はマスキ
ングされるが、旨味成分であるアミノ酸や旨味成分とな
るジペプチドやトリペプチドであるペプチド結合が1ま
たは2と少ないペプチド、特にアミノ酸の生成量が少な
くなり、調味液としての良好な旨味や風味が得られなく
なる。
【0035】一方、例えば反応時間が長い、または所定
時間加熱後にプロテーゼを失活させない、あるいは反応
温度が高いなどの場合には、蛋白質がほとんどアミノ酸
やジペプチドなどのペプチド結合が1個程度の少ないペ
プチドに分解され、旨味成分は得られるが、生臭さや腐
敗臭、酸化臭などの異臭のもととなる特にトリメチルア
ミンを取り囲むようにマスキングする効果が高くなるテ
トラペプチドやよりペプチド結合が2個以上と多いポリ
ペプチドがほとんど得られなくなる。このため、マスキ
ング効果の低いジペプチドあるいはマスキング効果は多
少有しているが少量であるトリペプチドによる弱いマス
キング効果により異臭が若干残ってしまう。
【0036】したがって、50℃〜60℃に保温しつつ
プロテアーゼを粉末魚節に対して1/25の割合で添加
し、16時間程度反応後に加熱して失活、すなわち、プ
ロテアーゼにより分解されたエキス分が、アミノ酸とペ
プチドとの比が略1:1程度でペプチド中のジペプチ
ド、トリペプチドおよびテトラペプチドが約90%以上
含有する条件、特にアミノ酸約50%、ジペプチド約2
0%、トリペプチド約15%、テトラペプチド約10
%、その他のペプチド約5%程度となる条件となるよう
に添加する条件を設定することが好ましい。
【0037】上述したように、上記実施の形態によれ
ば、魚節と魚節エキスとしての蒸煮液とを混合しプロテ
アーゼを作用させるため、魚節から抽出した旨味成分、
魚節エキス中の旨味成分、および、魚節から抽出されあ
るいは魚節エキス中の変性した蛋白質がプロテアーゼに
て分解された旨味成分などにより良好な旨味が得られ、
かつ、蒸煮液中の魚節特有の良好な香気成分により、製
造中および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭
さが抑制されて良好な魚節の香気を付与でき、良好な風
味が得られる。
【0038】そして、魚節と混合する魚節エキスとし
て、魚節の製造の際に生じる魚節の旨味成分および香気
成分を多量に含有する蒸煮液を用いるため、蒸煮液中の
抗酸化物質により調味液の保存性の長期化が図れるとと
もに、副生成物の蒸煮液の有効利用によりコストの低減
が図れる。
【0039】さらに、プロテアーゼにより分解されるエ
キス分がアミノ酸とペプチドとの比が略1:1程度でペ
プチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテトラペプ
チドが約90%以上含有するようにプロテアーゼを添加
するため、旨味成分のアミノ酸により良好な旨味が得ら
れるとともに、蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さを
マスキングするテトラペプチドなどの複数のペプチド結
合を有するペプチドが得られ、別途マスキング剤を添加
しなくても異臭を生じないで、良好な風味が得られる。
【0040】また、固形分を分離するため、そのまま調
味液として利用しても食感を損なうことがなく、固形分
による濁りなどの外観の低下も防止できる。
【0041】さらに、魚節として粉末状のものを用いる
ため、魚節からの旨味成分や変性した蛋白質が魚節エキ
ス中に抽出し易くなり、短時間に効率よく旨味成分の含
有量を増大でき、また、削り滓などの歩留まりを有効利
用するため、安価に製造できる。
【0042】なお、上記実施の形態において、魚節エキ
スとしては、魚節の製造の際に生成する例えば煮熟液や
燻液、あるいは、魚節の製造の際のかび付けのために削
り落とされる荒節の表面のタール分に富んだ部分である
削り滓を別途水に浸漬してエキス分を周出した液体を用
いるなどでもできる。
【0043】ここで、煮熟液は、変性していない蛋白質
を含有するため、蒸煮液を用いた場合に比して、製造時
や得られた調味液に多少生臭さが生じるとともに、蛋白
質の分解に時間を要し、製造性が多少低下する。また、
燻液を用いた場合には、燻液中の旨味成分の含有量が低
いため、蒸煮液を用いた場合に比して、調味液の旨味が
弱い。さらに、削り滓などからエキス分を抽出した液体
を用いる場合には、別途抽出のための工程が必要となる
とともに、蒸煮液の有効利用が図れない。これらのこと
から、蒸煮液を用いることが最も好ましい。なお、プロ
テアーゼにより分解されるエキス分がアミノ酸とペプチ
ドとの比が略1:1程度でペプチド中のジペプチド、ト
リペプチドおよびテトラペプチドが約90%以上含有す
るようにプロテアーゼを添加するようにしたり、別途ペ
プチドを添加することにより、魚節を用いずに蒸煮液を
用いるなど、魚節を用いないで魚節エキスのみを用いて
もよい。
【0044】また、魚節として、削り滓などの粉末魚節
を用いたが、魚節をそのまま用いたり、削り節を用いて
もよい。なお、歩留まりの有効利用やコストの面から、
粉末魚節を用いることが好ましい。
【0045】さらに、粉末魚節と蒸煮液との混合の際や
プロテアーゼの添加の際、ペプチドを別途添加してもよ
い。すなわち、プロテアーゼの添加により生成するペプ
チドは、エキス分においてアミノ酸との比が1:1で、
ペプチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテトラペ
プチドが約90%以上含有する割合が調味液として好ま
しい。したがって、ペプチドを別途添加することによ
り、特にペプチド結合が多いマスキング効果のポリペプ
チドの量が少なくても、確実に生臭さや腐敗臭、酸化臭
などの異臭をマスキングでき、魚節特有の良好な風味お
よび香味が得られる。このペプチドの添加の際、旨味に
関与するペプチド結合の少ないペプチドを併用するとさ
らに魚節特有の良好な風味および香味が得られる。
【0046】なお、得られた調味液にはペプチドが含有
された状態であるため、この調味液を生臭さを除臭する
除臭剤として利用することもできる。
【0047】
【実施例】魚節としてかつお節の削り屑であるかつお粉
末を用い、魚節エキスとして蒸煮液を用いて調味液を製
造し、製造時および調味液の臭気を観察するとともに、
蛋白質の分解状況を測定した。
【0048】なお、調味液の製造は、50℃〜60℃に
保温された温浴中で、蒸煮液4kgにかつお節1kgを
加えて200rpmで攪拌混合する。そして、2種類の
プロテアーゼを20gずつ添加し、保温状態で16時間
反応させる。この反応終了後、濾過して調味液とした。
また、比較試料として蒸煮液の代わりに水を用いて調製
した調味液を用いた。
【0049】また、臭気の観察は官能試験による。さら
に、蛋白質の分解状況は、ペプチド総量に対する開裂し
たぺプチド量の割合を分解率とし、OPA分析法(o―
phathalaldehydeAnalysis)に
基いて測定した。
【0050】すなわち、四硼酸ナトリウム(di―so
diumtetraborate)7.62g、ドデシ
ルスルホン酸ナトリウム(sodiumdodecyl
sulphate:SDS)200mg、エタノール4
mlに97%o−フタルアルデヒド(o―phthal
aldehyde:OPA)を160mg溶解させた溶
液、99%ジチオトレイット(dithiothrei
tol:DTT)176mgを150mlの蒸留水に溶
解させ、さらに水を加えて200mlとしてOPA試薬
を調製する。また、セリン(serine)50mgを
500mlの蒸留水に溶解させてセリン試薬を調製す
る。さらに、100mlの蒸留水に調味液0.2gを溶
解させて測定試料を調製する。
【0051】そして、OPA試薬3mlとセリン試薬
0.4mlとを混合したスタンダード液、OPA試薬3
mlと測定試料0.4mlとを混合したサンプル液、O
PA試薬3mlと蒸留水0.4mlを混合したブランク
液を調製後、それぞれ混合2分後に340nmの分光に
て吸光度を測定し、式1に示す式にて測定する。なお、
スタンダード液の吸光度をODst、サンプル液の吸光
度をODsu、ブランク液の吸光度をODblとする。
【0052】
【式1】
【0053】そして、本実施例と比較例との官能試験の
結果および蛋白質の分解率の測定結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】この表1に示す上記実験の結果、従来のプ
ロテアーゼ水溶液に魚節を浸漬して得られる調味液であ
る比較試料では、製造時および調味液に独特のアミン臭
のような分解臭が感じられたが、本実施例の蒸煮液を用
いたものでは、上品なかつお風味が付与され、分解臭は
感じられなかった。
【0056】また、比較試料より分解率が高く、旨味成
分が多いことがわかる。
【0057】一方、生魚を酸により蛋白質をペプチドを
生成せずにアミノ酸に分解して得た調味液と上記粉末魚
節をプロテアーゼによりアミノ酸およびペプチドが良好
に含有する状態に蛋白質を分解して得た調味液とを用い
て、異臭のマスキング効果を実験した。
【0058】なお、実験方法は、生魚としてマアジをそ
れぞれ調製した調味液10%水溶液に10分間浸漬させ
た後、調味液中の異臭原因となるトリメチルアミンの量
を食品衛生検査指針に基いて測定した。
【0059】その結果、ペプチドを含有しない旨味成分
であるアミノ酸のみを含有した調味液ではトリメチルア
ミンが約240mg%で生臭さを生じていたが、上記プ
ロテアーゼを適宜添加させた調味液ではトリメチルアミ
ンが約45mg%で生臭さは生じていなかった。このた
め、ペプチドのマスキング効果が認められ、調味液とし
てペプチドが良好に含有される状態に蛋白質をアミノ酸
に分解させるようにプロテアーゼを添加する必要がある
ことがわかった。
【0060】さらに、生魚を浸漬しても生臭さをマスキ
ングできることから、例えば煮干しのだし汁に添加して
生臭さをマスキングしたり、タラコ加工品に添加して生
臭さをマスキングしたり、刺身を浸して生臭さをマスキ
ングするなど食品の異臭を除去する除臭剤としても利用
できることがわかる。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の調味液によれば、蛋白質
の分解の際に、この蛋白質が既に変性されているから、
アミン臭などの生臭さや腐敗臭は生じにくい。したがっ
て、魚節から抽出した旨味成分、魚節エキス中の旨味成
分、魚節から抽出された変性した蛋白質あるいは魚節エ
キス中の蛋白質や変性した蛋白質が分解されて旨味成分
が生成し、良好な旨味が得られ、魚節から抽出した香気
成分や魚節エキス中の香気成分にて製造中および製造後
の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さが抑制されて、
製造中および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生
臭さが抑制されるとともに、プロテアーゼにより蛋白質
が分解されて生成するペプチドにより製造中および製造
後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さがマスキング
され、良好な香気が付与され、良好な風味が得られる。
【0062】求項記載の調味液によれば、請求項
記載の調味液の効果に加え、プロテアーゼにより分解さ
れるエキス分がアミノ酸とペプチドとの比が略1:1程
度でペプチド中のジペプチド、トリペプチドおよびテト
ラペプチドが約90%以上含有するようにプロテアーゼ
を添加するため、旨味成分のアミノ酸により良好な旨味
が得られるとともに、蛋白質の分解臭や酸化臭などの生
臭さをマスキングするテトラペプチドなどの複数のペプ
チド結合を有するペプチドが得られ、別途マスキング剤
を添加しなくても異臭を生じないで、良好な風味が得ら
れる。
【0063】求項記載の調味液によれば、請求項1
または2記載の調味液の効果に加え、固形分を分離する
ため、そのまま調味液として利用しても食感を損なうこ
とがなく、固形分による濁りなどの外観の低下も防止で
きる。
【0064】求項記載の調味液によれば、請求項1
ないしいずれか一記載の調味液の効果に加え、魚節と
混合する魚節エキスとして、魚節の製造の際に生じる魚
節の旨味成分および香気成分を多量に含有する蒸煮液を
用いるため、蒸煮液中の魚節特有の良好な香気成分によ
り、生臭さの発生を確実で容易に防止でき良好な風味を
付与できるとともに、蒸煮液中の抗酸化物質により保存
性の長期化が図れ、副生成物の蒸煮液の有効利用により
コストの低減が図れる。
【0065】請求項5記載の調味液の製造方法によれ
ば、蛋白質の分解の際に、この蛋白質が既に変性されて
いるから、アミン臭などの生臭さや腐敗臭は生じにく
い。したがって、魚節から抽出した旨味成分、魚節エキ
ス中の旨味成分、魚節から抽出された変性した蛋白質あ
るいは魚節エキス中の蛋白質や変性した蛋白質が分解さ
れて旨味成分が生成し、良好な旨味が得られ、魚節から
抽出した香気成分や魚節エキス中の香気成分にて製造中
および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さが
抑制されて、製造中および製造後の蛋白質の分解臭や酸
化臭などの生臭さが抑制されるとともに、プロテアーゼ
により蛋白質が分解されて生成するペプチドにより製造
中および製造後の蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さ
がマスキングされ、良好な香気が付与され、良好な風味
が得られる。
【0066】請求項記載の調味液の製造方法によれ
ば、請求項5記載の調味液の製造方法の効果に加え、
節および魚節エキスを混合して固形分を分離した混合液
にプロテアーゼを添加するため、固形分の分離により、
そのまま調味液として利用しても食感を損なうことがな
く、固形分による濁りなどの外観の低下も防止できる。
【0067】請求項記載の調味液の製造方法によれ
ば、請求項5記載の調味液の製造方法の効果に加え、
節および魚節エキスを混合した混合物にプロテアーゼを
添加した後に固形分を分離するため、固形分の分離によ
り、そのまま調味液として利用しても食感を損なうこと
がなく、固形分による濁りなどの外観の低下も防止でき
る。
【0068】請求項記載の調味液の製造方法によれ
ば、請求項5ないし7いずれか一記載の調味液の製造方
法の効果に加え、プロテアーゼにより分解されるエキス
分がアミノ酸とペプチドとの比が略1:1程度でペプチ
ド中のジペプチド、トリペプチドおよびテトラペプチド
が約90%以上含有するようにプロテアーゼを添加する
ため、旨味成分のアミノ酸により良好な旨味が得られる
とともに、蛋白質の分解臭や酸化臭などの生臭さをマス
キングするテトラペプチドなどの複数のペプチド結合を
有するペプチドが得られ、別途マスキング剤を添加しな
くても異臭を生じないで、良好な風味が得られる。
【0069】求項記載の調味液の製造方法によれ
ば、請求項ないしいずれか一記載の調味液の製造方
法の効果に加え、魚節と混合する魚節エキスとして、魚
節の製造の際に生じる魚節の旨味成分および香気成分を
多量に含有する蒸煮液を用いるため、蒸煮液中の魚節特
有の良好な香気成分により、生臭さの発生が確実で容易
に防止でき良好な風味を付与できるとともに、蒸煮液中
の抗酸化物質により保存性の長期化が図れ、副生成物の
蒸煮液の有効利用によりコストの低減が図れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−62792(JP,A) 特開 昭53−41494(JP,A) 特開 昭62−257360(JP,A) 特公 昭25−621(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/227 A23L 1/325 - 1/327

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解によって変性した蛋白質を含有
    する粉状の魚節と魚節エキスとを混合させて、この魚節
    エキス中に前記変性した蛋白質を溶出させ、 前記魚節と魚節エキスとの混合物にプロテアーゼを添加
    して、前記変性した蛋白質を ペプチドに分解させた混合
    液であることを特徴とする調味液。
  2. 【請求項2】 プロテアーゼは、このプロテアーゼによ
    り分解されたエキス分が、アミノ酸とペプチドとの比が
    略1:1程度でペプチド中のジペプチド、トリペプチド
    およびテトラペプチドが約90%以上含有する条件で添
    加されたことを特徴とする請求項記載の調味液。
  3. 【請求項3】 混合液は、魚節の混合後に固形分が分離
    された液体であることを特徴とした請求項1または2
    載の調味液。
  4. 【請求項4】 魚節エキスは、魚節の製造の際に生じる
    蒸煮液であることを特徴とした請求項1ないしいずれ
    か一記載の調味液。
  5. 【請求項5】 加水分解によって変性した蛋白質を含有
    する粉状の魚節と魚節エキスとを混合させて、この魚節
    エキス中に前記変性した蛋白質を溶出させ、 前記魚節と魚節エキスとの混合物にプロテアーゼを添加
    して、前記変性した蛋白質をペプチドに分解することを
    特徴とした調味液の製造方法。
  6. 【請求項6】 魚節および魚節エキスを混合した後に固
    形分を分離して混合液を調製し、 この混合液にプロテアーゼを添加することを特徴とした
    請求項5記載の調味液の製造方法。
  7. 【請求項7】 魚節および魚節エキスを混合して混合物
    を調製し、 この混合物にプロテアーゼを添加した後に固形分を分離
    することを特徴とした請求項5記載の調味液の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 プロテアーゼは、このプロテアーゼによ
    り分解されたエキス分が、アミノ酸とペプチドとの比が
    略1:1程度でペプチド中のジペプチド、トリペプチド
    およびテトラペプチドが約90%以上含有する条件で添
    加することを特徴とした請求項5ないし7いずれか一
    載の調味液の製造方法。
  9. 【請求項9】 魚節エキスは、魚節の製造の際に生じる
    蒸煮液であることを特徴とした請求項ないしいずれ
    か一記載の調味液の製造方法。
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