JP5057191B2 - 排水弁装置、及び、それを備えた洗浄水タンク装置 - Google Patents
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Description
このような、従来の洗浄水タンクの排水弁装置及びそれを備えた洗浄水タンク装置においては、便器の大洗浄を行う際には、筒体の開口が開放されたままの状態で排水弁が上昇して排水口を開放することにより、洗浄水タンク内の洗浄水が筒体の開口を通過し、排水口から便器へ排出される洗浄水量を多くする一方、便器の小洗浄を行う際には、筒体の開口を弁体で閉じた状態で排水弁が上昇して排水口を開放し、洗浄水タンク内から排水口を経て便器へ排出させる洗浄水量を少なくすることにより、大洗浄モードと小洗浄モードのいずれかの洗浄モードに切り替えるようになっている。
したがって、このような洗浄水によって開弁時の排水弁の弁体を押し下げようとする水圧が作用するため、排水弁が洗浄水の流れと共に早閉まりすることになり、排水弁が排水口を閉鎖後に洗浄水タンク内に残される洗浄水の水位(死水水位)がばらつくという問題がある。
また、このような排水弁の早閉まりを抑制するためには、例えば、大きい浮力が排水弁に作用するように排水弁のフロートを大きくする等の措置も必要となるが、排水弁装置全体が大型化してしまうという問題もある。
このように構成された本発明においては、排水弁を上昇させて開弁し、洗浄水タンク内の洗浄水が排水口から便器に供給されて便器の洗浄が行われる際に、洗浄水タンク内の洗浄水が筒体の開口部から筒体内に流入し、排水弁の制御筒から排水口まで延びた側面に形成された連通口を通過して、排水口へと流れる。この際、筒体の開口部が、制御筒から排水口まで延びた側面に形成された連通口の上端以下の高さ位置に配置されているため、洗浄水タンク内の洗浄水が筒体の開口部から筒体内に流入しても、洗浄水の流れの勢いが弱められた状態で流入する。したがって、このような流れの勢いが弱められた洗浄水により、開弁状態の排水弁の弁体を閉鎖する方向に押し下げる力も弱められるため、洗浄水の流れによる排水弁の弁体の早閉まりを防ぐことができる。この結果、排水弁の閉鎖後に洗浄水タンク内に残される洗浄水の死水水位を安定させることができ、便器の安定した洗浄を行うことができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内の洗浄水が排水口から便器に供給されて便器の洗浄が行われる際に、排水弁の弁体が上昇した所定の最高高さ位置が、筒体の開口部の上端以上の高さ位置に設定されているため、筒体の開口部から筒体内に流入した洗浄水により、開弁状態の排水弁の弁体が閉鎖する方向に押し下げられることをより効果的に防ぎ、洗浄水の流れによる排水弁の弁体の早閉まりをより効果的に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、排水弁の制御筒の貯水部の小穴が、筒体の開口部の上端以上の高さ位置に配置されているため、洗浄水タンク内の洗浄水が排水口から便器に供給されて便器の洗浄が行われた際に、制御筒の貯水部の小穴から排出される洗浄水が、筒体の開口部から筒体内に流入した洗浄水の影響を受けることがなく、制御筒の貯水部内の水位が安定して低下するため、フロートを安定して下降させることができると共に、排水弁の弁体を安定して下降させることができる。
このように構成された本発明においては、排水弁の弁体の下端部が上方から下方に向って窄まるように縮径する曲がり面を形成しているため、排水弁の弁体が開弁されて洗浄水タンク内の洗浄水が排水弁の弁体の下端部を通過する際に、洗浄水が弁体の下端部の曲がり面に沿って滑らかに流れて排水口から排出される。したがって、排水弁の弁体の下端部を通過する洗浄水の圧力損失を低減させることができ、便器の洗浄性能を向上させることがきる。
このように構成された本発明においては、排水弁の弁体の下端部と対向する排水口の面が下方へ延びる内周面に沿って縮径する流路面を形成することにより、排水弁の弁体が開弁され、洗浄水タンク内の洗浄水が排水口から便器に排出される際に、排水口の下方へ延びる内周面に沿って縮径する流路面に沿って滑らかに流れて排出される。したがって、排水口を通過する洗浄水の圧力損失を低減させることができ、便器の洗浄性能を向上させることがきる。
このように構成された本発明においては、排水弁の閉鎖後に洗浄水タンク内に残される洗浄水の死水水位を安定させることができ、便器の安定した洗浄を行うことができる。
まず、図1により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム10と、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、この第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部を洗浄するようになっている。
洗浄水タンク装置18は、陶器製の外装タンク20と、この外装タンク20内に配置され、水洗便器1を洗浄する洗浄水が貯水される貯水タンク22と、外装タンク20に載せられる蓋体24を備えている。
貯水タンク22の底部には、便器本体2の導水路6と連通する排水口22aが形成され、貯水タンク22内の洗浄水が導水路6へと排水されるようになっている。また、貯水タンク22は、便器の種類に応じて、貯水する洗浄水の量が異なっている。
なお、本実施形態による洗浄水タンク装置18においては、上述した洗落し式以外の他のタイプの水洗便器(例えば、サイホン式水洗便器など)にも適用可能である。
図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置について蓋体を取り外した状態で貯水タンク内の構造を前方斜め上方から見た斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の貯水タンク内の構造を示す平面図である。
また、図4は、図3のIV−IV線に沿って見た断面図であり、図5は、図4のV−V線に沿って見た断面図である。なお、図4及び図5においては、貯水タンク22の満水時の止水水位をWL0で示している。
給水装置26は、更に、給水バルブ32に接続されたリフィール管38を備え、このリフィール管38の下流端は、後述する排水弁装置28のオーバーフロー管40の上端開口の上方に位置している。
図6は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の分解斜視図である。
また、図7(a)は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の閉弁時の排水弁装置を示す図3のVII−VII線に沿って見た断面図であり、図7(b)は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水開始時の状態の排水弁装置を示す図3のVII−VII線に沿って見た断面図であり、図7(c)は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始時の状態の排水弁装置を示す図3のVII−VII線に沿って見た断面図である。
ここで、本実施形態では、一例として、操作レバー42及び回転軸44については、使用者が操作レバー42を直接回転操作して回転軸44を回転させるような手動式の操作形態について説明するが、このような形態に限定されず、操作レバー42及び回転軸44を回転させるためのモータ等の駆動手段を設け、外部に設定された操作ボタン(図示せず)又は人感センサー(図示せず)からの指令信号によって駆動手段の作動を自動的に制御するような操作形態にしてもよい。
この玉鎖引き上げ部材46においては、回転軸44の中心軸線44aに対して一方の側には、回転軸44の回転により上下動するようになっている第1玉鎖48が取り付けられる第1玉鎖取付部46aが設けられ、回転軸44の中心軸線44aに対して他方の側には、回転軸44の回転により上下動するようになっている第2玉鎖50が取り付けられる第2玉鎖取付部46bが設けられている。
さらに、玉鎖引き上げ部材46において、第2玉鎖取付部46bから操作レバー42側に隣接した所定位置に、回転軸44の回転により上下動するようになっている第3玉鎖54が取り付けられる第3玉鎖取付部46cが設けられており、第3玉鎖54の下端は、後述する切替弁56の第3玉鎖取付部56aに取り付けられている。
一方、図7(c)及び図9(b)に示すように、操作レバー42を他方に回動させると、第1玉鎖48が弛んだ状態で第2玉鎖50及び第3玉鎖54が玉鎖引き上げ部材46によって引き上げられ、フロート部材52及び弁体84が上昇すると共に切替弁56が閉弁し、後述する便器の小洗浄モードによる排水が開始されるようになっている。
この排水口形成部材64の下端部は、貯水タンク22の底面を貫き、シール部材66を介して締結部材68によって締結され、排水口形成部材64が貯水タンク22の底面に固定されている。
さらに、排水口形成部材64の上端開口部74の外周の所定の対角位置には、後述する排水弁ユニット60の制御筒76が上方から着脱可能に取り付けられる制御筒取付用の保持突起78が形成されている。
また、排水口形成部材64は、排水口上縁部70と上端開口部74との間に円周方向に沿って所定間隔を置いて上下方向に延びる複数のリブ80を備え、これらのリブ80により、制御筒76の外側の洗浄水を排水口22aへ流入させるための複数の連通口82が形成されている。
さらに、フロート部材52は、フロート部52cの上端に固定されて所定距離上方に延びた後、半径方向内側にアーチ状に延びてオーバーフロー管40の円筒部40bの上端が取り付けられるオーバーフロー管取付部52eを備えている。
さらに、オーバーフロー管40の円筒部40bの上端は、フロート部材52のオーバーフロー管取付部52eに取り付けられて、オーバーフロー管取付部材86によって固定される。
このオーバーフロー管取付部材86は、実質的には、洗浄水タンク22内の所定水位(満水水位)を超えた洗浄水が流入するオーバーフロー管40の上端の流入口86aを形成している。
また、オーバーフロー管40の上端の流入口86aは、オーバーフロー管40の管径に対して滑らかに上方且つ外側に広がるラッパ形状となっており、洗浄水タンク22内の所定水位(満水水位)を超えた洗浄水がオーバーフロー管40によって洗浄水タンク22の外部へより確実に排出されるようになっている。
この係合溝90aは、ほぼL字形の鍵穴状の溝を形成し、筒体取付用保持突起72を下方から挿入可能した後、係合溝90aを水平方向に移動させることにより筒体取付用保持突起72に係止可能となっている。
なお、本実施形態においては、スライド部材90eが開口部90dにスライド可能に取り付けられ、スライド部材90eをスライドさせることにより開口部90dの開口面積を調節するような形態について説明しているが、このような形態に限定されず、開口部90dの開口面積に応じて開口部90dに着脱可能に取り付けた部材を着脱することにより、開口部90dの開口面積を調節するようにしてもよい。
まず、図7(a)及び(b)と図8(a)〜(d)により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される2種類の洗浄モードのうちの大洗浄モードについて説明する。
なお、以下で説明する大洗浄及び小洗浄の各洗浄モードでは、いずれも、筒体本体90の流量調節用の開口部90dが流量調節用のスライド部材90eによって閉鎖した状態の例について説明する。
また、図7(a)に示すように、切替弁56については、錘56bを加えた切替弁56自体の自重により、筒体本体90の洗浄モード切替用の開口部90cを開放した状態となっている。
このとき、貯水タンク22内の水位は、満水時の止水水位WL0となり、制御筒76の上端よりも上方且つオーバーフロー管40の流入口86aよりも下方に位置しており、筒体本体90の内部及び制御筒76の貯水部76bの内部は、洗浄水で満たされている。
このとき、弁体84は、制御筒76の底部に当接し、筒体本体90の開口部90cの上端以上の高さ位置となる最高高さ位置に位置し、引き上げが完了した状態となっており、切替弁56が筒体本体90の開口部90cを開放したままの状態で、排水口22aが開放され、排水が開始される。
しかしながら、筒体本体90の外側の領域から連通口82を経て排水口22aに流れ込む流速は、制御筒76の貯水部76b内から小穴76aを経て筒体本体90内に流入する流速よりも速いため、制御筒76の貯水部76b内の水位WL1’は、貯水タンク22内の水位WL1よりも高く且つ止水水位WL0よりも低い状態となる。
そして、貯水タンク22内の水位が、図8(b)に示す水位WL1から時間と共に低下し、筒体本体90の上端に達した後は、貯水タンク22内と筒体本体90内が開口部90cで連通しているため、貯水タンク22内の水位と筒体本体90内の水位が同一の水位WL2で低下し、この水位WL2が時間と共に制御筒76の貯水部76bの小穴76aの上端よりも低下すると、制御筒76の貯水部76bの小穴76aから流出する貯水部76b内の洗浄水の流量に応じた所定の速度で制御筒76の貯水部76b内の水位WL2’が低下し始める。
また、図8(c)に示す制御筒76の貯水部76b内の水位WL2’の低下に伴ってフロート部材52も下降し、このフロート部材52の下降に連動してオーバーフロー管40及び弁体84も、フロート部材52の下降速度と同じ速度で下降する。
このとき、貯水タンク22内と筒体本体90内の水位は、図8(c)に示す水位WL2よりも低い死水水位DWLとなる。
このとき、玉鎖引き上げ部材46の第1玉鎖取付部46a及び第2玉鎖取付部46bとフロート部材52の第1玉鎖取付部52a及び第2玉鎖取付部52bは、図7(a)に示すように、それぞれが再び上下方向に対向し、第1玉鎖48及び第2玉鎖50の双方が上下方向にほぼ直線状に伸ばされた状態となる。
まず、図7(a)及び図9(a)に示されるような小洗浄モードにおける排水が開始される前の状態の排水弁装置28においては、上述した図8(a)に示されている大洗浄モードの場合と同様であるため、説明は省略する。
同時に、第3玉鎖54についても、玉鎖引き上げ部材46の第3玉鎖取付部46cによって引き上げられ、切替弁56の第3玉鎖取付部56bも上方に引き上げられて筒体本体90の開口部90cが切替弁56によって閉鎖される。
このとき、弁体84は、制御筒76の底部に当接し、筒体本体90の開口部90cの上端以上の高さ位置となる最高高さ位置に位置し、引き上げが完了した状態となっており、切替弁56が筒体本体90の開口部90cを閉鎖した状態で、排水口22aが開放され、排水が開始される。
そして、筒体本体90内の洗浄水は、排水口ユニット60の連通口82を通過し、排水口22aから便器本体2の導水路6に排出され、貯水タンク22内の水位WL3は、図9(b)に示すように、排水によって満水時の止水水位WL0よりも低下し、例えば、筒体本体90の上端よりも上方且つ制御筒76の上端よりも下方に位置している。
しかしながら、筒体本体90の外側の領域から連通口82を経て排水口22aに流れ込む流速は、制御筒76の貯水部76b内から小穴76aを経て筒体本体90内に流入する流速よりも速いため、制御筒76の貯水部76b内の水位WL3’は、貯水タンク22内の水位WL3よりも高く且つ止水水位WL0よりも低い状態となる。
しかしながら、第3玉鎖54が弛んでいても、上述した切替弁56の内外で水圧の差圧によって切替弁56に筒体本体90の開口部90cを閉鎖する方向の力Fが加わった状態となっているため、切替弁56が閉弁状態に保持されている。
さらに、筒体本体90内の水位WL4”が時間と共に制御筒76の貯水部76bの小穴76aの上端よりも低下すると、制御筒76の貯水部76bの小穴76aから流出する貯水部76b内の洗浄水の流量に応じた所定の速度で制御筒76の貯水部76b内の水位WL4’が低下し始める。
また、図9(c)に示す制御筒76の貯水部76b内の水位WL4’の低下に伴ってフロート部材52も下降し、このフロート部材52の下降に連動してオーバーフロー管40及び弁体84も、フロート部材52の下降速度と同じ速度で下降する。
さらに、図9(b)と同様に、切替弁56の内外で水圧の差圧によって切替弁56に筒体本体90の開口部90cを閉鎖する方向の力Fが加わった状態となっているため、切替弁56が閉弁状態に保持されている。
このとき、貯水タンク22内の水位WL5は、図9(c)に示す水位WL4と同一であり、実質的な貯水タンク22内の死水水位DWL’となる。
一方、筒体本体90内の水位WL5”は、図9(c)に示すWL4”よりも低下し、実質的な筒体本体90内の死水水位DWL”となる。
また、玉鎖引き上げ部材46の第1玉鎖取付部46a及び第2玉鎖取付部46bとフロート部材52の第1玉鎖取付部52a及び第2玉鎖取付部52bは、図7(a)に示すように、それぞれが再び上下方向に対向し、第1玉鎖48、第2玉鎖50及び第3玉鎖54が上下方向にほぼ直線状に伸ばされた状態となる。
さらに、図9(b)及び(c)と同様に、切替弁56の内外で水圧の差圧によって切替弁56に筒体本体90の開口部90cを閉鎖する方向の力Fが加わった状態となっているため、切替弁56が閉弁状態に保持されている。
この際、回転軸44の中心軸線44aは、排水弁ユニット58の中心軸線58aを通過し、玉鎖引き上げ部材46の第1玉鎖取付部46aと第2玉鎖取付部46bとの間隔は、フロート部材52の第1玉鎖取付部52aと第2玉鎖取付部52bとの間隔とほぼ同一となるように設定されているため、大洗浄モードと小洗浄モードのそれぞれの場合における弁体84及びオーバーフロー管40の上下動のストロークが等しくなる。
また、弁体84及びオーバーフロー管40が上下動する際に、弁体84及びオーバーフロー管40の中心軸58a回りの回転を低減させることができ、弁体84が排水口22aに着座する位置が止水動作毎に平面内で生ずるずれが抑制することにより、シートパッキン等のシール部材からなる弁体84の着座面にひずみが生じて止水不良に至ることを防ぐことができる。
この際、筒体本体90の開口部90cが、排水口形成部材64の連通口82の上端以下の高さ位置に配置されているため、貯水タンク22内の筒体本体90の外側の洗浄水が筒体本体90の開口部90cから筒体本体90内に流入した状態では、筒体本体90の開口部90cが連通口82の上端よりも上方の高さ位置に配置されている場合よりも、洗浄水の流れの勢いが弱められた状態となる。
したがって、このような流れの勢いが弱められた洗浄水により、開弁状態の排水弁ユニット58の弁体84を閉鎖する方向に押し下げる力も弱められるため、洗浄水の流れによる排水弁ユニット58の弁体84の早閉まりを防ぐことができる。この結果、排水弁ユニット58の弁体84の閉鎖後に貯水タンク22内に残される洗浄水の死水水位DWLを安定させることができ、水洗便器1の安定した洗浄を行うことができる。
図10(a)は、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の閉弁時の排水弁装置を示す断面図であり、図10(b)は、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水開始時の状態の排水弁装置を示す断面図であり、図10(c)は、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始時の状態の排水弁装置を示す断面図である。
ここで、図10(a)〜(c)に示す本発明の第2実施形態による排水弁装置において、図7(a)〜(c)に示す第1実施形態による排水弁装置の部分と同一の部分について同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
一方、小洗浄モードによる水洗便器1の洗浄を行う場合には、使用者が操作レバー42を奥側(背面側)に所定角度(例えば、90度)回転させて回転軸44を所定の回転方向に回転操作すると、図10(c)に示すように、玉鎖引き上げ部材46の第2玉鎖取付部46b及び第3玉鎖取付部46cの位置が、図10(a)に示す排水開始前の状態よりも上昇する。そして、第1玉鎖48が弛んだ状態で、第2玉鎖50及び第3玉鎖54のそれぞれが玉鎖引き上げ部材46の第2玉鎖取付部46b及び第3玉鎖取付部46cのそれぞれによって引き上げられ、フロート部材52が上昇し、このフロート部材52の上昇と共に、オーバーフロー管40及び弁体84が一体的に上昇し、切替弁56が筒体本体90の開口部90cを閉鎖した状態で、排水口22aが開放され、小洗浄モードによる排水が実行される。
したがって、例えば、陶器で製造された外装タンク20及び貯水タンク22の製造誤差によって、回転軸44と排水弁ユニット58との相対位置にずれが生じたとしても、大洗浄と小洗浄のそれぞれの場合における弁体84及びオーバーフロー管40の上下動に伴うストロークのずれを抑制することができる。
また、弁体84及びオーバーフロー管40が上下動する際に、弁体84及びオーバーフロー管40の中心軸58a回りの回転を低減させることができ、弁体84が排水口22aに着座する位置が止水動作毎に平面内でずれが生ずることにより、シートパッキン等のシール部材からなる弁体84の着座面にひずみが生じて止水不良に至ることを防ぐことができる。
図11A〜図11Cは、本発明の第3実施形態による排水弁装置において、筒体が排水弁装置に取り付けられた状態から筒体を取り外した状態に設定するまでの工程を示す工程図である。なお、図11A〜図11Cにおいて、上述した本発明の第1実施形態による排水弁装置と同一部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
そこで、以下、図11Aの(a)〜図11Bの(f)を参照して、筒体62が排水弁装置200に取り付けられた状態から筒体62を取り外した状態に設定するまでの工程ついて説明する。
なお、排水弁ユニット58全体を上方に引き上げる際、排水弁ユニット58の制御筒76の上方に位置する玉鎖引き上げ部材46が障害物とならないように、排水弁ユニット58を排水弁装置200から取り外す前に予め玉鎖引き上げ部材46を回転軸44から取り外す。
このとき、図11Cの(h)に示すように、制御筒76の係合溝76dの下方から排水口形成部材64の制御筒取付用保持突起78が挿入されるが、制御筒76の係合溝76dと排水口形成部材64の制御筒取付用保持突起78は完全には係止されていない。
また、再び筒体62を排水弁装置200に取り付ける際には、図11Aの(a)から図11Cの(i)への一連の工程とは逆の工程を行う。
一方、筒体62が排水口ユニット60から取り外された状態では、排水弁ユニット58の弁体84による排水口22aの開放によって便器本体2の導水路6に供給される洗浄水量を所定の大洗浄用の洗浄水量である大洗浄モードのみに設定可能とすることができる。
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 トラップ管路
8a 入口
8b 上昇路
8c 下降路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 洗浄水タンク装置
20 外装タンク
22 貯水タンク
22a 排水口
24 蓋体
26 給水装置
28,100,200 排水弁装置
30 給水管
32 給水バルブ
34 フロート
36 吐水口
38 リフィール管
40 オーバーフロー管
40a 弁体保持部
40b 円筒部
40c 曲がり面
42 操作レバー(操作部)
44 回転軸(操作部)
44a 回転軸の中心軸線
46 玉鎖引き上げ部材(操作部)
46a 第1玉鎖取付部
46b 第2玉鎖取付部
46c 第3玉鎖取付部
48 第1玉鎖(大洗浄用連結部材)
50 第2玉鎖(小洗浄用連結部材)
52 フロート部材
52a 第1玉鎖取付部
52b 第2玉鎖取付部
52c フロート部
52d 底部
52e オーバーフロー管取付部
52f フロート部の中央穴
54 第3玉鎖
56 切替弁
56a 第3玉鎖取付部
56b 錘
58 排水弁ユニット
58a 排水弁ユニットの中心軸線
60 排水口ユニット(排水部)
62 筒体
64 排水口形成部材
64a 流路面
66 シール部材
68 締結部材
70 排水口形成部材の排水口上縁部
72 筒体取付用保持突起
74 排水口形成部材の上端開口部
76 制御筒
76a 小穴
76b 貯水部
76c ガイド部
76d 係合溝
78 制御筒取付用保持突起
80 排水口形成部材のリブ
82 連通口
84 弁体
86 オーバーフロー管取付部材
86a 流入口
88 リフィール管取付部材
88a ノズル部
90 筒体本体
90a 係合溝
90b 側壁
90c 洗浄モード切替用開口部
90d 流量調節用開口部
90e 流量調節用スライド部材
Claims (6)
- 便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置であって、
洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する弁体と、この弁体の上下動を制御する制御筒と、を備えた排水弁と、
上記排水口及び上記排水弁の制御筒の周囲を取り囲むように上記洗浄水タンクの底面から上方に延びて上方を開放する側壁と、この側壁を貫くように形成された洗浄モード切替用の開口部と、この洗浄モード切替用の開口部を開閉可能に上記側壁に取り付けられ、洗浄モードに応じて操作可能な切替弁と、を備え、上記便器がサイホン式の便器である場合とサイホン式以外の便器である場合にかかわらず適用される筒体と、を有し、
上記筒体は、上記切替弁が上記洗浄モード切替用の開口部を閉鎖する方向に移動した状態では、小洗浄モードによる排水を行い、上記切替弁が上記洗浄モード切替用の開口部を開放する方向に移動した状態では、上記洗浄水タンク内の上記筒体の外側領域の洗浄水が上記洗浄モード切替用の開口部から上記筒体内に流入して上記排水口から排出される洗浄水量分だけ上記小洗浄モードよりも多くなる大洗浄モードによる排水を行うように構成され、
上記排水弁の制御筒から上記排水口まで延びた側面には、上記筒体と上記排水口とを連通させる連通口が形成され、上記筒体の洗浄モード切替用の開口部は、上記連通口の上端以下の高さ位置に配置されていることを特徴とする排水弁装置。 - 上記排水弁の弁体は、上記洗浄水タンク内の洗浄水が上記排水口から便器に供給される際に所定の最高高さ位置まで上昇し、上記弁体の所定の最高高さ位置は、上記筒体の洗浄モード切替用の開口部の上端以上の高さ位置に設定されている請求項1記載の排水弁装置。
- 上記排水弁の制御筒は、洗浄水を貯水すると共にその貯水された洗浄水を所定の小さな流量で排出する小穴が形成された貯水部と、この貯水部内の水位の低下に伴って下降するように上記貯水部内に設けられたフロートと、を備え、上記排水弁の弁体は、上記フロートの下降と連動して下降して上記排水口を閉鎖するように構成され、上記制御筒の貯水部の小穴は、上記筒体の洗浄モード切替用の開口部の上端以上の高さ位置に配置されている請求項1又は2に記載の排水弁装置。
- 上記排水弁の弁体の下端部は、上記排水口の上方に対向するように位置し、上方から下方に向って窄まるように縮径する曲がり面を形成する請求項1乃至3の何れか1項に記載の排水弁装置。
- 上記排水口は、上記排水弁の弁体の下端部と対向する面が下方へ延びる内周面に沿って縮径する流路面を形成する請求項1乃至4の何れか1項に記載の排水弁装置。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置。
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