JP6501062B2 - 排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器 - Google Patents
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Description
また、少ない洗浄水量の水位の低下に対応する小洗浄用フロートは大洗浄用フロートよりも高い位置に配置されるため、小洗浄用フロートから延びる小洗浄用カム部材と係合するための小洗浄用突起部も、大洗浄用突起部よりも高い位置に配置されていた。従って、弁体主軸の長さが、小洗浄用突起部を配置する分だけ長くなって(高さが高くなって)しまうという問題があった。
このように、弁体主軸の長さが長くなると、弁体主軸を引上げ動作ができるようにしながら収納する排水弁装置の高さが高くなってしまうため、水洗大便器の低シルエット化の要請に対応することが難しいという問題があった。
このように構成された本発明においては、弁体の弁体主軸の1つの共通突起部が、大洗浄モード用の引上げ量を引上げられたときに、大洗浄側カム係合部と係合し、小洗浄モード用の引上げ量を引上げられたときに小洗浄側カム係合部と係合し、大洗浄モード及び小洗浄モードにおいて、弁体を引上げた状態で、洗浄水を洗浄水タンクの排水口から便器に排出する。小洗浄モードにおいては、洗浄水タンク内の水位が所定の小洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、小洗浄用フロートが水位と共に下降することにより、小洗浄側カム係合部と弁体主軸の1つの共通突起部との係合が解除され、弁体が降下して排水口を閉止する。大洗浄モードにおいては、洗浄水タンク内の水位が所定の大洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、大洗浄用フロートが水位と共に下降することにより、大洗浄側カム係合部と弁体主軸の1つの共通突起部との係合が解除され、弁体が降下して排水口を閉止する。このように、弁体主軸の1つの共通突起部を用いて、小洗浄モード及び大洗浄モードを行うことができる。従って、弁体主軸が、小洗浄側カム係合部及び大洗浄側カム係合部に対し、1つの共通突起部のみを有するので、弁体主軸の長さを短くすることができ、排水弁装置の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する便器に配置することができる排水弁装置を提供することができる。
このように構成された本発明においては、小洗浄側カム係合部は、大洗浄側カム係合部よりも低い位置に配置されている。弁体主軸の1つの共通突起部が、大洗浄側カム係合部の高さまで引上げられたときに、大洗浄側カム係合部と係合することができ、大洗浄側カム係合部の高さよりも低い位置に配置されている小洗浄側カム係合部の高さまで引上げられたときに、小洗浄側カム係合部と係合することができる。従って、従来のように小洗浄側カム係合部が大洗浄側カム係合部よりも高い位置に配置されていない。よって、従来のように大洗浄側カム係合部よりも高い位置に配置されている小洗浄側カム係合部に対応する小洗浄用突起部を弁体主軸に設ける必要をなくすことができる。従って、弁体主軸が、大洗浄側カム係合部よりも低い位置に配置されている小洗浄側カム係合部と係合する1つの共通突起部を有するので、弁体主軸の長さを短くすることができ、排水弁装置の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する便器に配置することができる排水弁装置を提供することができる。
このように構成された本発明においては、小洗浄側カム係合部は、フロート支持軸の下端部に連結されるので、比較的低い位置で1つの共通突起部と係合することができる。従って、弁体主軸が、比較的近い位置に1つの共通突起部を有するので、弁体主軸の長さを短くすることができ、排水弁装置の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する便器に配置することができる排水弁装置を提供することができる。
このように構成された本発明においては、ケーシング部の支持部がフロート支持軸を摺動可能な状態で側方から支持することができるので、従来のようにフロート支持軸の下端部をケーシングの底部から支持する底部支持部を設ける必要がなくなる。従って、フロート支持軸の下端部に小洗浄側カム係合部を連結することができ、小洗浄側カム係合部を、比較的低い位置に配置することができる。
このように構成された本発明においては、フロート支持軸は、外面に小洗浄用フロートと螺合するネジ部が形成されている。よって、洗浄水タンク内の水位が所定の小洗浄水量を排出する水位まで低下するとき洗浄水タンク内の水位と共に下降を開始する小洗浄用フロートの高さ位置をフロート支持軸のネジ部に沿って微調整可能である。従って、洗浄水タンクから排出される所定の小洗浄水量を、従来のように段階的な調整によらずに、比較的高い精度で微調整することができ、例えば節水化の要請に伴い洗浄水タンク内の洗浄水量が低減される場合にも、この低減された洗浄水量のうちの所定の小洗浄水量を、比較的高い精度で微調整することができる。
このように構成された本発明においては、排水弁装置の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する洗浄水タンク装置を提供することができる。
このように構成された本発明においては、排水弁装置の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する水洗大便器を提供することができる。
まず、図1乃至図3を用いて、操作装置が取り付けられる前の状態の排水弁装置、この排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器について説明する。
図1は本発明の一実施形態による排水弁装置が適用される水洗大便器の概略斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿って見た断面図であり、図3は図1のIII−III線に沿って見た断面図である。
この蓋8の上面には、詳細は後述する押しボタン式の手動操作装置18が設けられている。使用者が手動操作装置18の押しボタンを押下する操作を行うことによって、大洗浄モードの洗浄操作又は小洗浄モードの洗浄操作のいずれかの洗浄形態に応じた所定の流量の洗浄水が洗浄水タンク装置4から便器本体2に供給される。
洗浄水タンク装置4は、1.5リットル乃至6リットルの洗浄水量を便器本体2に供給できるようにされ、好ましくは、1.5リットル乃至3.8リットルの洗浄水量を便器本体2に供給して洗浄する、節水型の水洗大便器における洗浄水タンクとすることもできる。
また、便器本体2のボウル部12の底部には、排水トラップ管路16の入口16aが開口し、この入口16aから後方の排水トラップ管路16は排水ソケット(図示せず)等を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
本実施形態による水洗大便器1は、サイホン作用を利用してボウル部12内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路16から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器であってもよく、他に、水洗大便器1としては、サイホン式の水洗大便器に限定されず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
また、導水路20は、便器本体2の後方の中央から前方側に向かって延びた後、分岐されて第1リム吐水口22又は第2リム吐水口24まで延びる流路を形成している。貯水タンク6の排水口10から排出された洗浄水は、導水路20において便器本体2の後方の中央から前方側に向かって流れた後、分岐されて、第1リム吐水口22又は第2リム吐水口24に到達する。第1リム吐水口22及び第2リム吐水口24のそれぞれから吐水された洗浄水は、ボウル部12を洗浄し、汚物を排水トラップ管路16から排出するようになっている。
図2および図3に示すように、洗浄水タンク装置4は、貯水タンク6内に洗浄水を供給する給水装置26と、使用者の手指等による操作により大洗浄モードの洗浄操作又は小洗浄モードの洗浄操作のいずれかの洗浄操作を開始させる手動操作装置18と、貯水タンク6に貯えられた洗浄水について排水口10を開放して便器本体2の導水路20に流出させる排水弁装置28と、を備えている。
また、給水装置26においては、排水弁装置28により、貯水タンク6内の洗浄水が便器に排水されると、洗浄水の水位が低下してフロート34が下降し、それにより給水バルブ32が開き、吐水口からの吐水が開始され、貯水タンク6の外部の給水源(図示せず)から貯水タンク6内への吐水が開始されるようになっている。さらに、吐水が継続されて貯水タンク6内の水位が上昇すると、フロート34が上昇し、それにより給水バルブ32が閉鎖され、吐水口からの吐水が止水されるようになっている。これにより、貯水タンク6内の洗浄水の水位が満水時の所定水位に維持されるようになっている。
なお、給水装置26は、本実施形態では説明を省略するが、リフィール管36等を備えており、このリフィール管36から流出する一部の洗浄水が、オーバーフロー管内に流れ込み、便器本体2の導水路20を経て補給水としてボウル部12内に供給されることができるようになっている。
使用者が小洗浄ボタン40を押下する操作を行う場合には、小洗浄ボタン40とともに小洗浄用棒部材44が押し下げられ、小洗浄用棒部材44の先端部44aが後述する排水弁装置の小洗浄操作部86を押し下げるようになっている。
使用者がこの大洗浄ボタン38あるいは小洗浄ボタン40を押下する操作を行うことによって、排水弁装置28を大洗浄モードの洗浄操作又は小洗浄モードの洗浄操作のいずれかの洗浄操作に応じて駆動させることができるようになっている。
図4は本発明の一実施形態による排水弁装置のケーシングの蓋部及び胴部を取り外した状態で内部構造を見た概略斜視図であり、図5は図2のV−V線に沿って見た断面図であり、図6は図2のVI−VI線に沿って見た断面図であり、図7は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードを開始するために弁体部を引上げた直後の状態を示す図である。
ケーシング46は、ケーシング46の側部周面を形成する筒状の胴部56と、排水弁装置28の頂部を形成し、この胴部56の頂部の開口部分を概ね覆うように形成されている概ね円形の蓋部58と、貯水タンク6の排水口10に取り付けられる排水口部60と、を備えている。
さらに、排水口部60は、オーバーフロー管68の下方部分と排水口部本体62とを一体的に接続及び連通するオーバーフロー管接続部70を備えている。オーバーフロー管68は、貯水タンク6内の洗浄水がオーバーフロー管68の上端位置に相当する高さの規定水位を超えた場合に排水弁装置28へ流出させることができる。
また、弁体部48の弁体主軸76は、下端側に弁体74が接続されていると共に、上端側が大洗浄ボタン38および小洗浄ボタン40により操作される引上げ機構50と連結される平板取付部78と接続されている。
また、上辺80bが外側に向かう傾斜面を形成していることから、弁体部48が引上げられるときには、上辺80bが係合凸部94b及び/又は係合凹部114cと係合することなく、これらの部材よりも上方まで引上げられることができるようになっている。
第2リンク90の下端部は、平板取付部78の取付孔82内に挿入された後、向きを変えて配置されていることにより、第2リンク90の上昇時に平板取付部78の下面と係合して、平板取付部78及び弁体部48全体を引上げることができる。
次に、使用者が大洗浄ボタン38を押し下げ操作して、大洗浄操作部84が下方に押し込まれて大洗浄モードの洗浄操作が開始される場合においては、第1回転リンク88が比較的大きな回転量だけ回転され、第2リンク90が上方に比較的大きな移動量引き上げられる。よって、第2リンク90の下端部が平板取付部78を比較的大きな移動量H2まで引上げ、弁体部48は排水口10を開き、大洗浄モードの洗浄操作が開始される。
次に、使用者が小洗浄ボタン40を押し下げ操作して、小洗浄操作部86が下方に押し込まれて小洗浄モードの洗浄操作が開始される場合においては、第1回転リンク88が比較的小さな回転量だけ回転され、第2リンク90が上方に比較的小さな移動量引き上げられる。よって、第2リンク90の下端部が平板取付部78を比較的小さな移動量H4まで引上げ、弁体部48は排水口10を開き、小洗浄モードの洗浄操作が開始される。
小洗浄用フロート96は、フロート支持軸98の軸方向(上下方向)の中間部分において取り付けられており、フロート支持軸98への小洗浄用フロート96の取付位置が軸方向に変更可能となっている。
支持軸用取付孔部58aは、鉛直方向下方に向かって開口され、フロート支持軸98の上端部98bを受け入れることができるように形成されている。支持軸用取付孔部58aは、フロート支持軸98を上下方向のみに摺動できるように支持している。
フロート支持軸98の下端部98cは、従来の下方から上方に立ち上がるような支持部により支持されていないので、従来よりも下方の、排水口部60の頂部60aの近傍の領域に位置することができる。従って、小洗浄側カム係合部94を大洗浄側カム係合部114よりも低い位置且つ排水口部60の頂部60aの近傍の比較的低い位置に配置することができる。このように、従来においては、フロート支持軸の下端を従来の支持部により支持する必要があったため、下端に小洗浄側カム係合部を取付けることがそもそも想定されておらず且つ取付けることが困難であったが、本発明においては、フロート支持軸の支持方法を工夫することにより、このような課題を解決している。
大洗浄カム回転軸114bは、ケーシング46の胴部56の内壁に設けられた一対の軸受部(図示せず)に回動可能に取り付けられるようになっている。
係合凹部114cは、アーム部114aの大洗浄用フロート110側が上昇した位置にある場合には、下辺114eが弁体主軸側に近づくように回転され且つ下辺114eが横向きの(又は横向きに近い)傾きを有している状態となる。係合凹部114cは、アーム部114aの大洗浄用フロート110側が下降した位置にある場合には、下辺114eが弁体主軸側から離れるように回転され且つ下辺114eが斜めに傾けられた状態となる。よって、この大洗浄側カム係合部114は、大洗浄用フロート110の下降により弁体主軸76の共通突起部80との係合が解除されるように形成されている。
内側制御貯水部112内に大洗浄用フロート110が配置されることにより、内側制御貯水部112内の水位に応じて、大洗浄用フロート110の上下動、すなわち、大洗浄用フロート機構54の大洗浄カム回転軸114bを中心とする回動、を制御することができるようになっている。
内側制御貯水部112の貯水領域の水位の低下速度については、小孔112aの開口面積を調整して小さく設定する程、内側制御貯水部112の外部の水位の低下速度との速度差が大きくなり、弁体主軸76及び弁体74の下降動作(閉弁動作)が開始するタイミングが遅延され、排水終了時の貯水タンク6内の死水水位(DWL)が低くなり、大洗浄モード時に貯水タンク6から便器本体2に供給される洗浄水の総量が多く設定されるようになっている。
逆に、内側制御貯水部112の貯水領域の水位の低下速度については、小孔112aの開口面積を調整して大きく設定する程、内側制御貯水部112の外部の水位の低下速度との速度差が小さくなり、弁体主軸76及び弁体74の下降動作(閉弁動作)が開始するタイミングが早くされ、排水終了時の貯水タンク6内の死水水位(DWL)が高くなり、大洗浄モード時に貯水タンク6から便器本体2に供給される洗浄水の総量が少なく設定されるようになっている。
なお、本実施形態においては、大洗浄用フロート機構54は、内側制御貯水部112を備えているが、大洗浄用フロート機構54は内側制御貯水部112を備えていなくてもよい。このとき、大洗浄用フロート110は、貯水タンク6内の水位に応じて上下動されることとなる。
従来においては、小洗浄用フロート96が大洗浄用フロート110よりも高い位置に配置されるため、小洗浄用フロート96と連結される小洗浄側カム係合部が、大洗浄側カム係合部よりも高い位置に設けられていた。従って、従来においては、弁体部48の弁体主軸76は、大洗浄側カム係合部と係合する大洗浄用突起部より高い位置に、小洗浄側カム係合部と係合する小洗浄用突起部を設ける必要があった。
このように、弁体部48の高さH1を比較的低い高さに形成することができることにより、ケーシング46の蓋部58までの全体の高さH3を比較的低い高さに形成することができる。排水弁装置28のケーシング46の高さを比較的低い高さに形成することができるため、排水弁装置28を収容する貯水タンク6の高さを低くすることができ、貯水タンク6が配置されている水洗大便器1の低シルエット化を実現することができる。
また、手動操作装置18が、押しボタン式の手動操作装置である場合には、排水弁装置28の内部に押しボタンの引上げ機構等を収容するため、排水弁装置28の高さが高くなりやすい構造であるが、本発明においては、排水弁装置28の高さを比較的低い高さに形成することができる。
また、排水弁装置28の高さを低くすることにより、排水弁装置28を形成する樹脂等の体積を低減してコストを安くすることもできる。
図8は図1のIII−III線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードを開始するために弁体部を引上げた直後の状態を示す図であり、図9は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおいて、共通突起部が小洗浄側カム係合部と係合している排水途中の状態を示す図であり、図10は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の小洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す図であり、図11は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードを開始するために弁体部を引上げた直後の状態を示す図であり、図12は図1のIII−III線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードを開始するために弁体部を引上げた直後の状態を示す図であり、図13は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおいて、共通突起部が大洗浄側カム係合部と係合している排水途中の状態を示す図であり、図14は図1のII−II線に沿って見た部分断面図であり、本発明の一実施形態による排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了時の状態を示す図である。
また、小洗浄側カム係合部94の係合凸部94bは弁体主軸76の共通突起部80よりも上方に位置し、両者が係合していない状態となっている。大洗浄側カム係合部114も弁体主軸76の共通突起部80よりも上方に位置しており、両者が係合していない状態となっている。
このとき、弁座66に対する弁体74の上昇高さ(ストローク)Hが、大洗浄モードの最大の上昇高さH2よりも低いH4となり、貯水タンク6の排水弁装置28による水洗大便器1の便器本体2への小洗浄モードの排水が開始される。洗浄水が排水口10から排出され、貯水タンク6内の水位が水位W1に示すように低下を開始する。
小洗浄用フロート96は、自身に働く浮力によりフロート支持軸98と一体になって上昇し、小洗浄側カム係合部94の連結部94aが上昇されている。小洗浄側カム係合部94は、小洗浄カム回転軸94cを中心に回転され、係合凸部94bの長辺94dの上端が弁体主軸側に近づくように回転され(傾けられ)た状態となっている。このように、共通突起部80は、小洗浄モード用の引上げ量H4を引上げられたときに、後述するように小洗浄側カム係合部94の係合凸部94bと係合できるような、係合凸部94bより上方の位置に位置している。
小洗浄用フロート96は、貯水タンク6内の水位が所定の小洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、水位と共に下降を開始するようになっており、小洗浄用フロート96が下降して、後述するように排水が終了するとき、死水水位W3となって、所定の小洗浄水量(およそ満水水位Wfから死水水位W3までに貯水タンク6から排水された洗浄水量)が便器本体2に供給される。
また、フロート支持軸98が下降すると、小洗浄側カム係合部94の連結部94aが下降される。小洗浄側カム係合部94は、小洗浄カム回転軸94cを中心に回転され、係合凸部94bの長辺94dの上端がフロート支持軸側に近づくように回転され(傾けられ)た状態となる。よって、共通突起部80と係合凸部94bとの44との係合が解除され、共通突起部80が係合凸部94bの長辺94dに沿って下降することとなる。このとき、弁体主軸76および弁体74が水位の低下と共に下降し、排水弁装置28の小洗浄モードにおける閉弁動作が開始される。
このとき、大洗浄用フロート機構54の大洗浄側カム係合部114は、共通突起部80よりも上方に位置しており、両者が係合していない状態となるため、弁体主軸76および弁体74の下降による閉弁動作が妨げられることはない。
また、排水終了時の状態では、貯水タンク6内の水位とケーシング46の内部の水位が、図9に示す水位W1よりも低い水位W3まで低下し、死水水位(DWL)となる。この小洗浄モード時の死水水位W3(DWL)は、図14に示す大洗浄モード時の死水水位W7(DWL)よりも高くなる。
このとき、弁座66に対する弁体74の上昇高さ(ストローク)Hが小洗浄モード時の引き上げ高さH4よりも高い最大高さ(最大ストローク)H2となり(H2>H4)、貯水タンク6の排水弁装置28による水洗大便器1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始される。
大洗浄用フロート110は、内側制御貯水部112内において、自身に働く浮力により上昇され、大洗浄側カム係合部114のアーム部114aが上昇されている。大洗浄側カム係合部114は、大洗浄カム回転軸114bを中心に回転され、係合凹部114cの下辺114eが弁体主軸側に近づくように回転され(傾けられ)且つ下辺114eが横向きの(又は横向きに近い)傾きを有している状態となっている。
また、小洗浄用フロート96は、自身に働く浮力によりフロート支持軸98と一体になって上昇し、小洗浄側カム係合部94の連結部94aが上昇されている。小洗浄側カム係合部94は、小洗浄カム回転軸94cを中心に回転され、係合凸部94bの長辺94dの上端が弁体主軸側に近づくように回転され(傾けられ)た状態となっている。このように、共通突起部80は、大洗浄モード用の引上げ量H2を引上げられたときに、後述するように大洗浄側カム係合部114の係合凹部114cと係合できるような、係合凹部114cより上方の位置に位置している。
大洗浄用フロート110は、貯水タンク6内の水位が所定の大洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、水位と共に下降を開始するようになっている。本実施形態においては、大洗浄用フロート110は、貯水タンク6内の水位が所定の水位まで低下するとき、内側制御貯水部112内の水位が低下する。内側制御貯水部112内の水位が水位W8まで低下すると、大洗浄用フロート110が下降して、上述するように排水が終了するとき、貯水タンク6内の水位が死水水位W7となって、所定の大洗浄水量(およそ満水水位Wfから死水水位W7までに貯水タンク6から排水された洗浄水量)が便器本体2に供給される。このように、貯水タンク6内の水位の低下より少し遅延している内側制御貯水部112内の水位の低下により貯水タンク6から排水される洗浄水量を決定することができる。
また、排水終了時の状態では、貯水タンク6内の水位とケーシング46の内部の水位が、図10に示す小洗浄モード時の死水水位W3よりも低い水位W7まで低下し、死水水位(DWL)となる。
小洗浄モードにおいては、貯水タンク6内の水位が所定の小洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、小洗浄用フロート96が水位と共に下降することにより、小洗浄側カム係合部94と弁体主軸76の1つの共通突起部80との係合が解除され、弁体74が降下して排水口10を閉止する。
大洗浄モードにおいては、貯水タンク6内の水位が所定の大洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、大洗浄用フロート110が水位と共に下降することにより、大洗浄側カム係合部114と弁体主軸76の1つの共通突起部80との係合が解除され、弁体74が降下して排水口10を閉止する。
このように、弁体主軸76の1つの共通突起部80を用いて、小洗浄モード及び大洗浄モードを行うことができる。
従って、弁体主軸76が、小洗浄側カム係合部94及び大洗浄側カム係合部114に対し、1つの共通突起部80のみを有するので、弁体主軸76の長さを短くすることができ、排水弁装置28の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する水洗大便器1に配置することができる排水弁装置28を提供することができる。
従って、従来のように小洗浄側カム係合部94が大洗浄側カム係合部114よりも高い位置に配置されていない。よって、従来のように大洗浄側カム係合部よりも高い位置に配置されている小洗浄側カム係合部に対応する小洗浄用突起部を弁体主軸に設ける必要をなくすことができる。
従って、弁体主軸76が、大洗浄側カム係合部114よりも低い位置に配置されている小洗浄側カム係合部94と係合する1つの共通突起部80を有するので、弁体主軸76の長さを短くすることができ、排水弁装置28の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する水洗大便器1に配置することができる排水弁装置28を提供することができる。
従って、弁体主軸76が、比較的近い位置に1つの共通突起部80を有するので、弁体主軸76の長さを短くすることができ、排水弁装置28の高さを低くして、比較的低いシルエットを有する水洗大便器1に配置することができる排水弁装置28を提供することができる。
従って、フロート支持軸98の下端部98cに小洗浄側カム係合部94を連結することができ、小洗浄側カム係合部94を、比較的低い位置に配置することができる。
2 便器本体
4 洗浄水タンク装置
6 貯水タンク
6a 底部
8 蓋
10 排水口
12 ボウル部
14 リム部
16 排水トラップ管路
16a 入口
18 手動操作装置
20 導水路
22 第1リム吐水口
24 第2リム吐水口
26 給水装置
28 排水弁装置
30 給水管
32 給水バルブ
34 フロート
36 リフィール管
38 大洗浄ボタン
40 小洗浄ボタン
42 大洗浄用棒部材
42a 先端部
44 小洗浄用棒部材
44a 先端部
46 ケーシング
48 弁体部
50 引上げ機構
52 小洗浄用フロート機構
54 大洗浄用フロート機構
56 胴部
56a スリット
58 蓋部
58a 支持軸用取付孔部
60 排水口部
60a 頂部
62 排水口部本体
64 縮径部
66 弁座
68 オーバーフロー管
70 オーバーフロー管接続部
72 連通口
74 支持部材
74 弁体
76 弁体主軸
78 平板取付部
80 共通突起部
80a 下辺
80b 上辺
82 取付孔
84 大洗浄操作部
86 小洗浄操作部
88 回転リンク
90 第2リンク
92 小洗浄用フロート部
94 小洗浄側カム係合部
94a 連結部
94b 係合凸部
94c 小洗浄カム回転軸
94d 長辺
94e 短辺
96 小洗浄用フロート
98 フロート支持軸
98a 雄ねじ
98b 上端部
98c 下端部
100 貫通孔
100a 雌ねじ
102 下端鍔
104 下部上鍔
106 側方支持部
108 軸受部
110 大洗浄用フロート
110a 上端
112 内側制御貯水部
112a 小孔
114 大洗浄側カム係合部
114a アーム部
114b 大洗浄カム回転軸
114c 係合凹部
114d 上端部
114e 下辺
W1 水位
W2 水位
W3 水位
W5 水位
W6 水位
W7 水位
W8 水位
Wf 水位
Claims (7)
- 便器を洗浄する洗浄水を貯える洗浄水タンクの排水弁装置であって、
上方に延びる弁体主軸を備え且つこの弁体主軸の引上げに応じて洗浄水タンクの底面に配置された排水口を開閉する弁体と、
小洗浄用フロート機構であって、上記弁体主軸に係合可能に形成された小洗浄側カム係合部と、上記洗浄水タンク内の水位が所定の小洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、水位と共に下降する小洗浄用フロートとを備え、上記小洗浄用フロートの下降により上記小洗浄側カム係合部と上記弁体主軸との係合が解除されるように形成されている上記小洗浄用フロート機構と、
大洗浄用フロート機構であって、上記弁体主軸に係合可能に形成された大洗浄側カム係合部と、上記洗浄水タンク内の水位が所定の大洗浄水量を排出する水位まで低下するとき、水位と共に下降する大洗浄用フロートとを備え、上記大洗浄用フロートの下降により上記大洗浄側カム係合部と上記弁体主軸との係合が解除されるように形成されている上記大洗浄用フロート機構と、
上記弁体及び上記弁体の上方に配置される上記小洗浄用フロートと上記大洗浄用フロートとを収容するケーシング部、とを有し、
上記弁体の上記弁体主軸が、大洗浄モード用の引上げ量を引上げられたときに、上記大洗浄側カム係合部と係合し、小洗浄モード用の引上げ量を引上げられたときに上記小洗浄側カム係合部と係合する1つの共通突起部を備えていることを特徴とする排水弁装置。 - 上記小洗浄用フロート機構の上記小洗浄側カム係合部は、上記大洗浄用フロート機構の上記大洗浄側カム係合部よりも低い位置に配置されている請求項1記載の排水弁装置。
- 上記小洗浄用フロート機構は、さらに、上記小洗浄用フロートを支持するフロート支持軸を備え、
上記小洗浄側カム係合部は、上記フロート支持軸の下端部に連結されている請求項1又は2に記載の排水弁装置。 - 上記ケーシング部は、さらに、上記フロート支持軸を摺動可能な状態で側方から支持する支持部を備えている請求項3に記載の排水弁装置。
- 上記小洗浄用フロート機構の上記フロート支持軸は、外周面に上記小洗浄用フロートと螺合するネジ部が形成されている請求項4に記載の排水弁装置。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の排水弁装置を備えたことを特徴とする洗浄水タンク装置。
- 上記請求項6記載の洗浄水タンク装置を備えたことを特徴とする水洗大便器。
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