JP5441015B2 - 洗浄水タンク装置 - Google Patents
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Description
このような、従来の洗浄水タンク装置においては、便器の大洗浄を行う際には、筒体の開口が切替弁で開放されたままの状態で排水弁が上昇して排水口を開放することにより、洗浄水タンク内の洗浄水が筒体の開口を通過し、排水口から便器へ排出される洗浄水量を多くする一方、便器の小洗浄を行う際には、筒体の開口が切替弁で閉鎖された状態で排水弁が上昇して排水口を開放し、洗浄水タンク内から排水口を経て便器へ排出させる洗浄水量を少なくすることにより、大洗浄モードと小洗浄モードのいずれかの洗浄モードに切り替えるようになっている。
したがって、上述した従来の洗浄水タンク装置において、例えば、小洗浄モードの洗浄水量よりもさらに少ない洗浄水量に設定したエコ小洗浄モード等、大洗浄モードや小洗浄モード以外の洗浄モードの洗浄水量に設定することができるようにするためには、筒体にさらなる開口とこれを開閉するさらなる切替弁を追加して設ける等、筒体の構造を複雑にしなければならないという問題がある。
このように構成された本発明においては、排水弁が上昇して貯水タンクの排水口が開放され、貯水タンク内の洗浄水が排水口から便器へと供給される際に、開口部切替弁により壁体の開口部を開放した状態と閉鎖した状態にそれぞれ設定することにより、少なくとも2段階の便器洗浄が可能となる。さらに、排水弁閉止時間切替手段により、排水弁が排水口を閉止する時間を切り替え、更なる段階の便器洗浄が可能となる。したがって、少なくとも2段階の便器洗浄が可能となる状態となっている壁体に複雑な構造を施すことなく、排水弁閉止時間切替手段を追加することによって、排水時の排水弁が排水口を閉止する時間を変化させることができ、貯水タンクの排水口から便器へと供給される洗浄水の水量が大、中、小の少なくとも3段階を含む多段階の便器洗浄を簡易な構造で実現することができる。
このように構成された本発明においては、排水弁が上昇して貯水タンクの排水口が開放され、貯水タンク内の洗浄水が排水口から便器へと供給される際、排水弁閉止時間切替手段の水抜き穴切替弁が貯水部の水抜き穴を閉鎖した状態に設定することにより、貯水部に貯水された洗浄水の荷重が錘となって、排水弁が閉止する時間が早まり、且つ安定して下降することができる。
このように構成された本発明においては、排水弁が最も上昇した状態では、排水弁閉止時間切替手段の貯水部の上端が壁体の上端以下に位置していることにより、大、中、小の少なくとも3段階を含む多段階の便器洗浄のいずれの場合においても、貯水タンクの第1の内部領域内の洗浄水の水位の下降が開始することにより、排水弁の下降を開始させることができ、排水弁が排水口を閉鎖した際の閉止音を低減させることができる。
まず、図1により、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を説明する。図1は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。
なお、本実施形態による洗浄水タンク装置は、上述した洗落し式以外の他のタイプの水洗便器(例えば、サイホン式水洗便器など)にも適用可能である。
この蓋体24の下方には、吐水口24bから流入する水を、後述する排水弁装置34の筒体36内に導く導水部材38が設けられている。
操作装置52は、操作レバー54と、モータ56と、このモータ56に接続される操作ボタン58と、を備える。
操作ボタン58は、後述する大洗浄用、小洗浄用、エコ小洗浄用の3つの操作ボタンを備えている。
このように、本実施形態では、使用者は、大洗浄及び小洗浄については、操作レバー54を操作してもよいし、操作ボタン58を押してもよい。
さらに、エコ小洗浄については、モータ56によってのみ、即ち、使用者が操作ボタン58を押すことによって、排水弁装置34が作動される。
この回転伝達部材60の他端側には、その回転に伴って、回転伝達部材60を中心に揺動する第1の引き上げ部材62及び第2の引き上げ部材64が取り付けられ、これらの第1の引き上げ部材62及び第2の引き上げ部材64の先端部には、それぞれ、第1玉鎖66の上端部分及び第2玉鎖68の上端部分が取り付けられている。
図3は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の分解斜視図であり、図4は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の排水開始前の状態を示す正面断面図である。
まず、図3に示すように、本実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置34は、貯水タンク22の底面に取り付けれて排水口22aを形成する排水口形成部材22bと、この排水口形成部材22bを取り囲むように貯水タンク22の底面から上方に延びるように設けられた筒体36と、この筒体36の内方に上下方向に延びるように配置され、排水口22aと連通するように排水口形成部材22bに取り付けられるオーバーフロー管70と、筒体36の側面に形成された開口部36aを開閉する切替弁72と、弁体74と、この筒体36の内方に配置されるフロート76と、このフロート76の上端部に回動可能に取り付けられ、後述するフロート76の貯水部76aの底面に形成された水抜き穴76bを開閉する切替弁部材78を備えている。
また、筒体36は、開口部36aの下方且つ側方の両側に軸36bを備え、切替弁72は、筒体36の軸36bに回動可能取り付けられる受部72aを備えている。
さらに、切替弁72の上端部には、第2玉鎖68の下端部が取り付けられ、第2の引き上げ部材64が第2玉鎖68を引き上げることにより、切替弁72が、筒体36の軸36bを中心に所定の下方位置から開口部36aを閉鎖する位置まで回動することができるようになっている。
また、貯水タンク22の内部領域は、筒体36の各壁体部36c,36d,36e,36fにより、貯水タンク22内において、筒体36の各壁体部36c,36d,36e,36fの上端以下に配置される貯水タンク22の内部領域は、排水口22a及び弁体74を含む第1の内部領域V1と、排水口22a及び弁体74を含まない第2の内部領域V2とに分離されている。
ここで、排水弁装置34の弁体74が排水口22aを閉止する時間(排水弁閉止時間)については、操作ボタン58又は操作レバー54の操作によりフロート76及び弁体74が最も上昇した時からフロート76及び弁体74が下降し、弁体74が排水口22aを閉鎖して停止する時までの時間に相当している。
まず、図2〜図8により、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置により実行される3種類の洗浄モードのうちの大洗浄モードについて説明する。
図5は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の大洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図6は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の大洗浄モードにおける排水開始直後の状態を示す概略断面図である。
また、図7は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の大洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図8は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の大洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
このとき、切替弁72は、自重と錘80の重さにより、筒体36の開口部36aを開放した状態となっている。
また、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって開放された状態となっている。
このとき、図5に示すように、フロート76及び弁体74は、最も上昇した状態となり、フロート76の貯水部76aの上端が、筒体36の壁体部36c,36d,36e,36fの上端と同一の高さ位置にあるか、或いは、筒体36の壁体部36c,36d,36e,36fの上端よりもわずかに低い高さ位置にある。
これにより、排水弁装置34の弁体74が上昇して排水口22aが開放され、排水が開始され、貯水タンク22の水位WL1が低下するが、排水開始時には、貯水タンク22の第1の内部領域V1、第2の内部領域V2、及び筒体36のフロート76の貯水部76aには、洗浄水が満たされている状態となっている。
また、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって開放された状態となっている。
第1の引き上げ部材62によってフロート76の引き上げが完了すると、操作レバー54は初期位置に戻されて、第1の引き上げ部材62が初期位置に戻され、或いは、第1の引き上げ部材62が初期位置に戻るようにモータ56が作動される。
このとき、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって開放された状態となっており、フロート76の貯水部76a内と筒体36の内部領域V1とが水抜き穴76bによって連通しているため、フロート76の貯水部76a内の水位は、筒体36の内部領域V1の水位WL3と等しくなる。
そして、フロート76の貯水部76a内の洗浄水が水抜き穴76bから筒体36の内部領域V1に抜けて、筒体36の内部領域V1の水位WL5が筒体36の開口部36aの上縁部付近まで低下した時点で、筒体36の内部領域V1の水位WL5と筒体36の外部領域V2の水位WL6が等しくなる。
また、フロート76の貯水部76a内の水位についても、筒体36の内部領域V1とが水抜き穴76bによって連通しているため、貯水タンク22の内部領域V1,V2の洗浄水の全体の水位WL7と等しくなる。
なお、大洗浄モード時に貯水タンク22の排水口22aから便器本体2へ排出されて便器洗浄に使用される洗浄水量Q1は、図4及び図8に示す排水開始前の貯水タンク22内の水位WL0から図8に示す排水終了後の貯水タンク22内の水位WL7を差し引いた水位に相当する洗浄水量となる。
図9は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図10は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図11は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
また、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって開放された状態となっている。
さらに、第2の引き上げ部材64の揺動により、第2玉鎖68を介して切替弁72が引き上げられ、切替弁72が筒体36の開口部36aを閉鎖する。
これにより、排水弁装置34の弁体74が上昇して排水口22aが開放され、排水が開始され、貯水タンク22の水位WL101が低下するが、排水開始時には、貯水タンク22の第1の内部領域V1、第2の内部領域V2、及び筒体36のフロート76の貯水部76aには、洗浄水が満たされている状態となっている。
このとき、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって閉鎖されたままの状態となっており、フロート76の貯水部76a内には洗浄水が満水状態となっている。
したがって、このようなフロート76の貯水部76a内に貯水された洗浄水の荷重が錘(水錘)となって、フロート76及び弁体74を押し下げる力として作用するため、フロート76及び弁体74が、筒体36の内部領域V1の洗浄水の水位WL103より下に沈み込み、その状態を維持しつつ水位WL103の下降速度とほぼ同一の速度で下降するか、或いは、筒体36の内部領域V1の洗浄水の水位WL103よりも早い速度で下降する。この結果、フロート76及び弁体74が、上述した大洗浄モードより早く降下することになり、排水口22aを早く閉止することになる。
また、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bが切替弁部材78の弁部78bによって閉鎖されているが、フロート76の貯水部76a内の水位についても、筒体36の内部領域V1の水位がフロート76の貯水部76aの上端を上回るため、貯水タンク22の内部領域V1,V2の洗浄水の全体の水位WL105と等しくなる。
図12は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のエコ小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図13は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のエコ小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図14は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のエコ小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
また、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって開放された状態となっている。
さらに、第2の引き上げ部材64の揺動により、第2玉鎖68を介して切替弁72が引き上げられ、切替弁72が筒体36の開口部36aを閉鎖する。
これにより、排水弁装置34の弁体74が上昇して排水口22aが開放され、排水が開始され、貯水タンク22の水位WL201が低下するが、排水開始時には、貯水タンク22の第1の内部領域V1、第2の内部領域V2、及び筒体36のフロート76の貯水部76aには、洗浄水が満たされている状態となっている。
また、エコ小洗浄モードでは、使用者が操作ボタン58を押すことによって、モータ56によって、第2の引き上げ部材64が引き上げた状態が維持され、切替弁72が筒体36の開口部36aを閉鎖した状態が終始維持される。
このとき、フロート76の貯水部76aの水抜き穴76bは、切替弁部材78の弁部78bによって閉鎖されたままの状態となっており、フロート76の貯水部76a内には洗浄水が満水状態となっている。
したがって、このようなフロート76の貯水部76a内に貯水された洗浄水の荷重が錘(水錘)となって、フロート76及び弁体74を押し下げる力として作用するため、フロート76及び弁体74が、筒体36の内部領域V1の洗浄水の水位WL203より下に沈み込み、その状態を維持しつつ水位WL203の下降速度と略同一の速度で下降するか、或は、筒体36の内部領域V1の洗浄水の水位WL203が下降する速度よりも早い速度で下降する。この結果、フロート76及び弁体74が、上述した大洗浄モードより早く降下することになり、排水口22aを早く閉止することになる。
さらに、切替弁部材78によってフロート76の貯水部76aの水抜き穴76bを閉鎖することにより、切替弁部材78によってフロート76の貯水部76aの水抜き穴76bを開放している場合よりも排水弁装置34の弁体74が排水口22aを閉止する時間を早めて、排水口22aを早く閉鎖し、更なる段階の便器洗浄が可能となる。
したがって、少なくとも2段階の便器洗浄が可能となる状態となっている筒体36において、さらなる開口部を設けたりする等の複雑な構造を施すことなく、切替弁部材78によってフロート76の貯水部76aの水抜き穴76bを開閉することにより、排水弁装置34の弁体74が排水口22aを閉止する時間を変化させることができるため、貯水タンク22の排水口22aから便器本体2へと供給される洗浄水の水量が大、中、小の少なくとも3段階(大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄)を含む多段階の便器洗浄を簡易な構造で実現することができる。
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 トラップ管路
8a 排水トラップ管路の入口
8b 排水トラップ管路の上昇路
8c 排水トラップ管路の下降路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 洗浄水タンク装置
20 外装タンク
22 貯水タンク
22a 排水口
22b 排水口形成部材
22c 弁座
24 蓋体
24a 手洗い鉢
24b 吐水口
26 断熱体
28 係合部材
30 係合部材
32 手洗いカラン
34 排水弁装置
36 筒体
36a 開口部
36b 軸
36c 壁体部
36d 壁体部
36e 壁体部
36f 壁体部
38 導水部材
40 洗浄水給水装置
42 給水管
44 給水装置用フロート
45 吐水管
46 レバー
48 給水バルブ
50 手洗い給水管
52 操作装置
54 操作レバー
56 モータ
58 操作ボタン
60 回転伝達部材
62 第1の引き上げ部材
64 第2の引き上げ部材
66 第1玉鎖
68 第2玉鎖
70 オーバーフロー管
70a 円筒部
72 切替弁(開口部切替弁)
72a 受部
74 弁体
76 フロート
76a 貯水部(排水弁下降速度切替手段)
76b 水抜き穴
76c 受部
76d フロート部
76e ガイド部
78 切替弁部材(排水弁下降速度切替手段、水抜き穴切替弁)
78a 軸
78b 弁部
80 錘
Claims (3)
- 便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、
洗浄水を貯水し、底面に排水口が形成された貯水タンクと、
上下動することにより上記排水口を開閉して便器への洗浄水の供給を行う排水弁と、
上記貯水タンクの底面から上方に延びるように設けられた壁体であって、この壁体の上端部が上記排水弁による排水が開始される前の上記貯水タンク内の貯水水位よりも低い所定位置に位置し、上記貯水タンクの内部領域について、上記排水口側に配置される第1の内部領域とこの第1の内部領域の外側に配置される第2の内部領域とに分離する共に、上記第1の内部領域と上記第2の内部領域とを連通させる開口部が形成された上記壁体と、
この壁体の開口部を開閉する開口部切替弁と、
上記貯水タンクの排水口から便器へと供給される洗浄水の水量が大、中、小の少なくとも3段階を含む多段階の便器洗浄が可能となるように、上記排水弁が上記排水口を閉止する時間を切り替える排水弁閉止時間切替手段と、を有することを特徴とする洗浄水タンク装置。 - 上記排水弁閉止時間切替手段は、上記排水弁の上方に洗浄水を貯水する共にその貯水された洗浄水を所定流量で排出する水抜き穴が形成された貯水部と、この貯水部の水抜き穴を開閉する水抜き穴切替弁と、を備え、上記排水弁閉止時間切替手段は、上記水抜き穴切替弁により上記貯水部の水抜き穴を閉鎖した状態で、上記貯水部に貯水された洗浄水の荷重を上記排水弁に作用させることにより、上記排水弁が上記排水口を閉止する時間を早める請求項1記載の洗浄水タンク装置。
- 上記排水弁閉止時間切替手段は、上記排水弁が最も上昇した状態では、上記貯水部の上端が上記壁体の上端以下に位置するように設定する請求項2に記載の洗浄水タンク装置。
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