JP5056127B2 - メディア搬送機構及びそれを備えたメディア処理装置 - Google Patents
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Description
また、互いのメディア同士の位置ずれが大きいと、最上部のメディアの中心孔に把持部を挿入して把持する際に、把持部が下方側(2枚目以降)のメディアの中心孔の縁部に接触してしまい、把持部の爪が全てメディアに接触できなくなって良好な把持動作が行われず、把持不良を生じることがある。
これにより、把持力を周方向でバランス良く作用させることができ、特に、積層状態に収容されたメディアの最上部のメディアを下方側のメディアとの貼り付き力に抗して確実に把持して持ち上げることができる。
この構成によれば、一の把持爪に対して他の把持爪が付勢部材の付勢力によって半径方向外方へ付勢されるので、付勢部材によってメディアの位置ずれによる把持爪の半径方向外方への移動量のばらつきを吸収しつつ、各把持爪をメディアの中心孔の内周面に押し付けて確実に把持することができる。
この構成によれば、把持爪の長さ寸法がメディアの厚さ寸法以下であるため、積層状態のメディア同士の位置ずれが大きくても、下方側のメディアの中心孔の縁部に把持爪を接触させることなく、最上部のメディアだけを確実に把持することができる。
この構成によれば、メディアの中心孔よりも僅かに小さな径の基端部から先端へ向かって次第に窄まる円錐形状のメディアガイドが把持部に設けられているので、把持対象のメディアの中心位置がずれていても、メディアガイドをメディアの中心孔に挿入することにより、容易にメディアの中心を調心することができ、各把持爪の把持力のさらなる均等化を図ることができ、より確実にメディアを把持することができる。また、メディアの位置ずれを修正してから把持することができるため、各把持爪の径方向の移動範囲を小さくすることができる。
この構成のメディア処理装置によれば、メディアを確実に把持することが可能なメディア搬送機構を備えているので、処理の信頼性の高い処理装置とすることができる。
なお、本実施形態では、パブリッシャからなるメディア処理装置に適用した場合を例にとって説明する。
図1はパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図、図2はパブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図、図3はパブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図、図4はパブリッシャに設置されたレーベルプリンタ部分の斜視図である。
また、正面視左側の開閉扉4は、レーベルプリンタ11のインクカートリッジ12の入れ換え時に開閉するためのものであり、この開閉扉4を開けると、鉛直方向に配列された複数のカートリッジホルダ13を有するカートリッジ装着部14(図2参照)が露出するようになっている。
メディアドライブ41は、メディアへのデータ書き込み位置とメディアの受け取り受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ41aをそれぞれ有している。
なお、インク供給機構71には、その上部に主部を配置するように加圧機構74が設けられており、この加圧機構74は、圧縮空気を送り出してインクカートリッジ12内を加圧し、インクカートリッジ12内のインクパックに貯留しているインクを送り出す。
このヘッドメンテナンス機構81は、ホームポジションに配置されたキャリッジ62の下面に露出するインクジェットヘッド61のインクノズルを覆うヘッドキャップ82と、インクジェットヘッド61のヘッドクリーニング動作やインク充填動作によってヘッドキャップ82に排出されたインクを吸引する廃インク吸引ポンプ83とを備えている。
この廃インク吸収タンク85は、ケース86内に吸収材を配設したもので、その上面は、複数の通気孔87を有するカバー88によって覆われている。
なお、ヘッドメンテナンス機構81の下方には、廃インク吸収タンク85の一部である廃インク受け部89が設けられ、ヘッドメンテナンス機構81から滴下したインクを受け止め、吸収材によって吸収するようになっている。
図5はメディア搬送機構を示す斜視図、図6はメディア搬送機構の一部の斜視図、図7は搬送アームとタイミングベルトとの連結機構部分を示す斜視図である。
図5に示すように、メディア搬送機構31は、垂直に取り付けられているシャーシ32を備え、ベース72に取り付けられている水平支持板部34とシャーシ32の天板33との間に、垂直ガイド軸35が取り付けられている。そして、この垂直ガイド軸35に搬送アーム36が昇降可能かつ旋回可能な状態で支持されている。
したがって、駆動モータ37を駆動すると、タイミングベルト104が上下方向に移動し、そこに取り付けられている搬送アーム36が垂直ガイド軸35に沿って昇降する。
図8は図7に示した構成をその下方側から視た拡大斜視図である。
図7及び図8に示すように、搬送アーム36の基部110には、摺動軸111が鉛直方向に沿って設けられており、この摺動軸111は、タイミングベルト104を把持するベルトクリップ112の軸穴112aに摺動可能に挿通されている。これにより、ベルトクリップ112は、摺動軸111に沿って上下方向へ摺動可能である。
なお、ベルトクリップ112には、タイミングベルト104を挟んで固定する固定部112cが形成されている。
次に、搬送アーム36の内部機構について説明する。
図9は、搬送アームの内部構造を示す斜視図、図10はメディアを把持した搬送アームの下面側から視た平面図、図11は搬送アームの把持部における断面図、図12は搬送アームの把持部に設けられたメディアガイドの斜視図、図13は搬送アームの把持部に設けられたメディアガイドの平面図、図14はグリッピング機構を説明するアームベースの平面図、図15はグリッピング機構の把持爪部分の斜視図、図16はグリッピング機構の拡大平面図、図17から図19は旋回板及び把持爪の動きを説明するそれぞれ平面図、図20は把持爪を説明する把持爪の断面図、図21は蹴落とし機構を示すアームベースの平面図、図22は把持部を断面視した搬送アームの正面図、図23は蹴落とし機構の斜視図、図24は蹴落とし機構に設けられた揺動機構部分の断面図、図25は蹴落とし機構に設けられた揺動機構部分の平面図、図26及び図27は蹴落とし機構の動きを説明するそれぞれ概略平面図である。
また、旋回板163の後方腕部163bの先端には、円形穴125cの略径方向に沿うスライド面163eが形成されており、このスライド面163eには、旋回板162の前方腕部162aの前端部が接触しないように設定されている。また、旋回板162の後方腕部162bの先端には、円形穴125cの略径方向に沿うスライド面162eが形成されており、このスライド面162eには、旋回板161の前方腕部161aの前端部が摺接可能とされている。ここで、旋回板161の長穴161d及び旋回板162,163のスライド面162e,163eは、各旋回板161〜163が同一方向に旋回するように設定された凹状の湾曲形状に形成されている。
この状態で把持爪141〜143をメディアMの中心孔Maに挿入し、しかる後に、旋回板161〜163を逆方向R1に旋回すると、把持爪141〜143が半径方向の外側に押し広げられる。この結果、それら把持爪141〜143がメディアMの中心孔Maの内周面Mbに押し付けられ、メディアMが把持された状態になる。
そして、このキックレバー182は、その連結点181で図21中R3方向へ揺動すると、作用片183がメディアガイド133の窓部133aから側方へ突出し、把持爪141〜143で把持する最上部のメディアMの下方側の2枚目のメディアMの中心孔Maの内周面Mbに当接する。また、この状態からキックレバー182が逆のR4方向へ揺動すると、作用片183がメディアガイド133内に引き込まれる。
ラック194は、図5に示すように、メディア搬送機構31を構成するシャーシ32に、垂直ガイド軸35と平行に垂直に支持されている。このラック194には、水平方向の軸193aを中心として回転可能にアームベース125aに支持された水平複合伝達歯車193のピニオン193bが噛み合わされており、搬送アーム36が昇降されることにより、ラック194に噛み合わされたピニオン193bを有する水平複合伝達歯車193が回転する。
鉛直複合伝達歯車192には、平歯車192cが設けられており、この平歯車192cは、鉛直方向の軸191aを中心として回動可能にアームベース125aに支持された複合クラッチ歯車191の平歯車191bに噛み合わされている。これにより、鉛直複合伝達歯車192が回転されると、互いに噛み合わされた平歯車191b,192cによって鉛直複合伝達歯車192の回転が複合クラッチ歯車191に伝達され、この複合クラッチ歯車191が回転する。
図25に示すように、間欠歯車191cは、周面の一部に複数の歯196aからなる歯列196を有しており、この歯列196は、鉛直複合伝達歯車192の平歯車192cと歯合可能とされている。
例えば、ブランクメディアスタッカ21から、積層状態で収納されているメディアMの最上部のメディアMを把持して持ち上げる場合について説明する。
まず、搬送アーム36がブランクメディアスタッカ21の真上の所定高さ位置に配置された状態で、グリッピング機構130の電磁ソレノイド176をオンする。この状態では、電磁ソレノイド176の作動ロッド176aが内蔵されたばねに逆らって引き込まれ、この動きがリンク175を介して旋回板161に伝達され、この旋回板161が図16における矢印R2方向に旋回した配置となる。これにより、残りの旋回板162,163も同一方向に旋回した配置となり、これら3枚の旋回板161〜163の支持腕161c〜163cの先端に取り付けられている把持爪141〜143が相互に接近した位置に移動されて、メディアMの中心孔Maに挿入可能な状態に窄まった状態となる。
したがって、最上部のメディアMに2枚目のメディアMが貼り付いている場合、把持爪141〜143をメディアMの中心孔Maの内周面Mbに当接させただけでは、最上部のメディアMを側方へずらして位置決めするのが困難である。
このため、メディア搬送機構31では、最上部のメディアMに対して上方側から所定の押圧力を作用させることにより、メディアガイド133のガイド面部135bによるメディアMの側方へ向かう押圧力を作用させて、メディアMを確実に側方へ移動させて位置決めするようになっている。
図28は搬送アームのベルトクリップの下降ストロークとメディアにかかる荷重との関係を示すグラフ図である。
まず、搬送アーム36の把持部132が最上部のメディアMに接触した状態(図28におけるAの状態)から駆動モータ37の駆動が継続されると、タイミングベルト104に固定されたベルトクリップ112が弱いばね力の第1の引っ張りばね113の付勢力に抗して下方へ引き下げられ、ベルトクリップ112が隙間Sの寸法分下降し、その後、ベルトクリップ112が押圧レバー116に当接する(図28におけるBの状態)。これにより、最上部のメディアMには、把持部132が接触してからベルトクリップ112が押圧レバー116に当接するまで、弱いばね力の第1の引っ張りばね113の付勢力からなる第1の弾性押圧力が付与される(図28におけるA〜Bの領域)。
駆動モータ37の駆動がさらに継続されてベルトクリップ112が下降されることにより、搬送アーム36の撓み力が強いばね力の第2の引っ張りばね119よりも大きくなると(図28におけるCの状態)、押圧レバー116が第2の引っ張りばね119の付勢力に抗して支持板部117における支持箇所を支点として揺動する。これにより、最上部のメディアMには、第1の引っ張りばね113の付勢力及び搬送アーム36の撓み力に第2の引っ張りばね119の付勢力が加わった第2の弾性押圧力が付与される(図28におけるC〜Eの領域)。
このようにすると、ブランクメディアスタッカ21内の積層状態のメディアMには、その最上部のメディアMに、適当な荷重(約10N)を付与することができ、これにより、2枚目のメディアMとの貼り付きに関わらず、メディアMをメディアガイド133のガイド面部135bによって確実に側方へ移動させて位置決めすることができる。
また、荷重を付与することにより、メディアMの中心位置がずれていたとしても、メディアガイド133を確実にメディアMの中心孔Maに挿入して位置決めすることができる。
具体的には、まず、電磁ソレノイド176をオフに切り替え、その作動ロッド176aが、ばねのばね力によって突出すると、作動ロッド176aに、リンク175を介して連結されている旋回板161がR1方向に旋回する。これに連動して他の二枚の旋回板162,163が、引っ張りコイルばね174の引っ張り力によって、旋回板161と同様にR1方向に旋回する。この結果、把持爪141〜143が押し広げられ、把持爪141〜143がメディアMの中心孔Maの内周面Mbに押し付けられ、メディアMが把持された状態になる。
したがって、万一、最上部のメディアMの中心位置がピックアップ中心からずれていたとしても、各把持爪141〜143が、それぞれ独立して外周側へ広がるので、メディアMの中心孔Maの内周面Mbに全ての把持爪141〜143が当接し、把持不良などが確実に防止される。
これにより、万一、持ち上げるメディアMに貼り付いて2枚目のメディアMが持ち上げられそうになっても、キックレバー192の作用片183が2枚目のメディアMの中心孔Maの内周面Mbに当接することにより、2枚目のメディアMを確実に蹴落として最上部のメディアMだけを持ち上げることができる。
これにより、把持力を周方向でバランス良く作用させることができ、特に、積層状態に収容されたメディアMの最上部のメディアMを下方側のメディアMとの貼り付き力に抗して確実に把持して持ち上げることができる。
さらに、把持爪141〜143の長さ寸法がメディアMの厚さ寸法以下であるため、積層状態のメディアM同士の位置ずれが大きくても、下方側のメディアMの中心孔Maの縁部に把持爪141〜143を接触させることなく、最上部のメディアMだけを確実に把持することができる。
そして、上記パブリッシャ1によれば、メディアMを確実に把持することが可能なメディア搬送機構31を備えているので、処理の信頼性の高い処理装置とすることができる。
Claims (4)
- 把持部に設けられた少なくとも3本の把持爪を把持対象のメディアの中心孔に挿入し、
前記把持爪をそれぞれ半径方向に広げて前記中心孔の内周面に押し付けることにより、前
記メディアを把持するメディア搬送機構であって、
前記把持爪は、それぞれ独立して前記メディアの半径方向外方へ移動可能であり、
一の把持爪に対して他の把持爪が付勢部材によって連結され、前記一の把持爪の前記半
径方向外方への移動に対して他の把持爪が前記付勢部材の付勢力によって前記半径方向外
方へ移動されることを特徴とするメディア搬送機構。 - 請求項1に記載のメディア搬送機構であって、
前記把持爪は、前記メディアの厚さ寸法以下の長さ寸法であることを特徴とするメディア搬送機構。 - 請求項1または2に記載のメディア搬送機構であって、
前記把持部には、前記メディアの中心孔よりも僅かに小さな径の基端部から先端へ向か
って次第に窄まる円錐形状のメディアガイドが設けられていることを特徴とするメディ
ア搬送機構。 - 請求項1から3の何れか一項に記載のメディア搬送機構を備えていることを特徴とするメディア処理装置。
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