JP5054984B2 - 個別健康指導支援システム - Google Patents
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Description
次に,疾病リスク算出のために使用する指導項目決定方法について述べる。上記したように,このシステムは,まず,指導項目を決定するが,単独の健診施設が持つ健診情報の量は必ずしも十分でない場合があるため,全ての関連生活習慣項目を指導項目とするのは,その値を組合せた条件を持つ人が少なくなってしまうことから実現上難しい。そのため,各疾病の関連生活習慣項目の中から効果的な指導項目を選択する必要があり,その方法として,以下のように糖尿病,高血圧,高脂血症などの複数疾病に対して共通に高い関連を示している生活習慣項目を選択する方法が考えられる。
(1) (1)生活習慣項目と各疾病発症との関係を分析し,各項目の値別の発症割合を算出する。次に,発症割合が高い生活習慣項目の値を生活習慣が悪い値,発症割合が低い生活習慣項目の値を生活習慣が良い値とし,生活習慣が良い値と悪い値の発症割合から疾病別の寄与度(オッズ比)を求める。ここで,オッズ比は,生活習慣が悪い値の発症割合をP1,生活習慣が良い値の発症割合をP0とすると(P1/1- P1)/(P0/1- P0)で計算される
(2) (2)関連が見られた生活習慣項目を組合せ,組合せ別に組合せた項目数と寄与度の和を求め,項目数が最小で寄与度の和が最大の項目の組合せを指導項目として選択する。
また,信頼区間は,真のオッズ比が存在していると思われる区間とその信頼度を示すものである。例えば,あるオッズ比の95%信頼区間が,1.2〜1.8であった場合,真のオッズ比は,1.2〜1.8の区間にあると考えられ,その信頼度は95%であることを意味する。信頼度は,通常95%がよく用いられる。つまり,ある健診項目のオッズ比の95%信頼区間を求め,その最低値が1より大きい値であれば,その項目はその疾病発症に対して統計的に有意な関連が見られる項目となる。そこで,疾病別,項目別に,オッズ比と95%信頼区間を算出し,95%信頼区間の最低値が1より大きい場合は,算出されたオッズ比がその項目の寄与度となる。1以下の場合は,寄与がない項目となる。これにより,疾病発症に有意な関連が見られる項目を抽出できる。算出された疾病別寄与度情報は,図3の形式でデータベース106に記録される。例えば,喫煙313の糖尿病寄与度304の値1.6は,喫煙なし群に対する喫煙あり群の糖尿病発症リスクが1.6倍高いことを示しており,喫煙313が,糖尿病発症に有意な関連が見られる項目であることを示している。一方,喫煙313のメタボリックシンドローム寄与度303の値が書かれていないところは,喫煙313が,メタボリックシンドロームの発症に有意な関連が見られない項目であることを示している。
図3の食事の例では,メタボリックシンドロームの寄与度の値がある項目は,外食日数/週,食事量,食事早さの3個,糖尿病では朝食日数/週,外食日数/週の2個,高血圧では食事量の1個,高脂血症では朝食日数/週,外食日数/週,食事早さ,食事バランスの4個である。したがって,その組合せ数は,3×2×1×4で24となり,その組合せ別に項目数と組合せ寄与度と重み付け組合せ寄与度を算出する。例えば,項目の組合せとして,食事量(メタボリックシンドローム),朝食日数/週(糖尿病),食事量(高血圧),朝食日数/週(高脂血症)を組合せた場合,項目数は,食事量,朝食日数/週の2,組合せ寄与度は,各疾病の寄与度,1.5(メタボリックシンドローム),1.5(糖尿病),1.4(高血圧),1.4(高脂血症)の和である5.8となる。また,重み付け組合せ寄与度は,生活習慣が悪い値を持つ群の発症割合P1で重み付けした各疾病の寄与度,0.24×1.5(メタボリックシンドローム),0.13×1.5(糖尿病),0.30×1.4(高血圧),0.40×1.4(高脂血症)の和である1.5となる。算出された項目数・組合せ寄与度情報は,図4の形式でデータベース106に記録される。
次に,改善項目抽出ステップ1306を行う。ここでは,まず,改善項目抽出手段110が,図9の指導内容から,相対リスクが存在する指導項目を疾病別に抽出し,これを各疾病の推奨改善項目とする。次に,改善項目抽出手段110が,疾病数・組合せリスクから,疾病数が最大で組合せリスクが最大の指導項目を抽出し,これを最も推奨される改善項目とする。これにより,各疾病の発症リスクを低減させる改善項目と全疾病の発症リスクを共通に低減させる改善項目を抽出できる。この場合,メタボリックシンドロームの推奨改善項目は,20歳からの体重増加10kg未満,アルコール量/日3合以下,定期的な運動ありとなり,糖尿病の推奨改善項目は,20歳からの体重増加10kg未満,アルコール量/日3合以下,喫煙なしとなる。また,高血圧の推奨改善項目は,20歳からの体重増加10kg未満,アルコール量/日3合以下,食事量多くないとなり,高脂血症の推奨改善項目は,20歳からの体重増加10kg未満,アルコール量/日3合以下,喫煙なし,外食日数/週1日以下となる。さらに,最も推奨される改善項目は,疾病数が最大で,組合せリスクが最大の20歳からの体重増加10kg未満となる。
Claims (6)
- 複数の生活習慣項目及び検査項目を含む健診結果を複数人分蓄積した健診情報から1以上の疾病に関する個人別の予防・健康増進のための情報を提示する個別健康指導支援システムであって,
指導すべき生活習慣の種別ごとに分類された複数の生活習慣項目を予め定められた生活習慣項目分類に分類する項目分類手段と,
前記生活習慣項目と疾病発症との関係を分析し,生活習慣項目の内容に該当する人と該当しない人の各々の発症した割合を示す発症割合を算出し2つの発症割合を比較し,算出した発症割合が高い前記生活習慣項目の値を生活習慣が悪い値,前記算出した発症割合が低い前記生活習慣項目の値を生活習慣が良い値とし,前記生活習慣が良い値の発症割合と前記生活習慣が悪い値の発症割合から疾病別の寄与度を算出する疾病別寄与度算出手段と,
前記項目分類手段で分類された生活習慣項目分類に属する各生活習慣項目の組合せを新たに生成し,生成した組合せに含まれる生活習慣項目に対する前記疾病別寄与度算出手段で算出された寄与度を前記生活習慣が悪い値の発症割合で重み付けした総和である重み付け組合せ寄与度と,前記生成した組合せに含まれる生活習慣項目の数である項目数とを算出する項目数・組合せ寄与度算出手段と,
前記項目分類手段で分類された生活習慣項目分類別に,前記項目数・組合せ寄与度算出手段で算出された項目数と重み付け組合せ寄与度から,項目数が最小で重み付け組合せ寄与度が最大の前記生活習慣項目の組合せを指導項目として選択する指導項目候補選択手段と、
前記指導項目と検査項目の値を組合せた条件と、その組合せを持つ人の中で発症した人の割合を示す発症割合と、発症した人数を健診情報数で割った値である支持度とで構成されるルールを複数持つリスク知識を疾病別に作成するルール作成手段と、
前記各疾病のリスク知識から指導対象者の健診結果に対応した各疾病の発症割合等を示す前記ルールを検索するルール検索手段と,
検索ルールの前記生活習慣項目が悪い値を全て前記生活習慣項目が良い値に変更したルールに対する相対リスクを示す生活習慣が良い人に対するオッズ比であるリスクと、前記生活習慣項目が悪い値を1個ずつ前記生活習慣項目が良い値に変更したルールに対するオッズ比である相対リスクを示す項目別相対リスクと、を疾病別に算出する相対リスク算出手段と,
指導項目別に前記項目別相対リスクの和を示す組合せリスクと前記項目別相対リスクが算出された疾病の数を算出する疾病数・組合せリスク算出手段と, 前記項目別相対リスクが存在する項目を推奨改善項目として抽出し,前記疾病数・組合せリスクから,疾病数が最大で組合せリスクが最大の項目を最も推奨される改善項目として抽出する改善項目抽出手段を有することを特徴とする個別健康指導支援システム。 - 請求項1記載の個別健康指導支援システムにおいて,前記項目数・組合せ寄与度算出手段で生成された生活習慣項目の組合せ別に,組合せに含まれる生活習慣項目に対する前記疾病別寄与度算出手段で算出された寄与度の総和である組合せ寄与度を算出する手段と,
前記項目分類手段で分類された生活習慣項目分類別に,前記組合せ寄与度と前記項目数・組合せ寄与度算出手段で算出された項目数から,項目数が最小で組合せ寄与度が最大の生活習慣項目の組合せを選択する手段と,
選択した生活習慣項目の組合せと前記指導項目候補選択手段で選択された指導項目とを比較し,異なる場合に両方の組合せを指導項目候補として前記項目分類手段で分類された生活習慣項目分類別に表示することを特徴とする個別健康指導支援システム。 - 請求項1記載の個別健康指導支援システムにおいて,前記疾病数・組合せリスク算出手段が,指導項目別に,前記指導対象者の健診結果に対応したルールの各疾病の発症割合で乗じて重み付けした前記項目別相対リスクの和を示す重み付け組合せリスクと前記項目別相対リスクが算出された疾病の数を算出し,前記改善項目抽出手段が,前記項目別相対リスクが存在する項目を推奨改善項目として抽出し,前記疾病数・重み付け組合せリスクから,疾病数が最大で重み付け組合せリスクが最大の項目を最も推奨される改善項目として抽出することを特徴とする個別健康指導支援システム。
- 請求項1記載の個別健康指導支援システムにおいて,指導対象者の各疾病の前記発症割合,生活習慣が良い人に対するリスク,推奨改善項目,最も推奨される改善項目を一覧表示する指導内容作成手段を有することを特徴とする個別健康指導支援システム。
- 請求項1記載の個別健康指導支援システムにおいて,指導対象者の各疾病の前記発症割合と,前記推奨改善項目や最も推奨される改善項目が良い値の場合の発症割合の変化を棒グラフで表示する指導内容作成手段を有することを特徴とする個別健康指導支援システム。
- 請求項1記載の個別健康指導支援システムにおいて,指導対象者の各疾病の前記発症割合と,前記推奨改善項目や最も推奨される改善項目が良い値の場合の発症割合の変化を円グラフで表示する指導内容作成手段を有することを特徴とする個別健康指導支援システム。
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