JP5176942B2 - 特徴抽出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、健康な人または疾病予備群に該当する人を主な対象とした、個人的かつ能動的な自己健康管理を支援するための技術に関し、特に、生体指標の測定データから健康状態の評価に利用するための特徴量を抽出する技術に関する。
近時、健康への関心が高まりをみせており、血圧や体重、摂取カロリーなどを日頃から管理したり、ジョギングやウォーキングなどの運動を積極的に行う人が増えはじめている。従来より、個人向け・家庭向けの健康関連機器としては血圧計、血糖計、体重計、体組成計、体温計などのさまざまな種類の計測装置が普及し、また運動を支援するための機器としては歩数計や活動量計などが提供されており、これらは健康管理ツールの一つとして活用されている。しかしながら、これらの機器で得ることができる情報は、あくまでも単なる数値(しかも測定した時点のスポット的な数値)でしかなく、その数値をどのように健康管理に生かすかはユーザ次第であるのが現状である。
上記のような実情に鑑み、本発明者らは、個人や家庭における健康管理のあるべき姿とそのために必要な要素技術について鋭意検討を重ねてきた。
従来のシステムは、疾病管理や診断のために必要な数値情報(血圧値、血糖値など)を与えることを目的とするものが殆どであった。しかしながら、個人や家庭における健康管理の対象となるユーザには、疾病をもつ人だけでなく、健康な人や疾病予備群(発症してはいないが身体のどこかに兆候が現れ得る状態)の人も多く含まれる。健康な人や疾病予備群の人の場合は、計測装置で得られる測定値は正常範囲にあるため、そのような値だけでは自分の健康状態(疾病リスク度)を把握することはできない。また、どのような疾病を発症する虞があるかわからない段階では、ユーザは具体的に何の数値をどのように注意し管理すべきかを明確に特定することができない。つまり、各種の計測装置を利用すれば、家庭でも血圧値、血糖値、体重、体組成、体温など、さまざまな生体指標を計測できるものの、殆どのユーザは個別の測定値をどのように健康管理に役立てればよいかわからないのである。将来的には、さまざまな種類の計測装置が普及し、家庭で多種類の生体指標を日常的に計測する環境が実現するものと期待されるが、計測等により得られる生データの数が膨大になり情報過多になるほど、一般のユーザはそこから有意な情報、つまり自己の健康管理に有益な情報を得ることが難しくなるものと懸念される。
健康な人や疾病予備群の人が知りたい情報は、ある一時点における個別の測定値ではなく、たとえば、自分は人と比べて健康なのかどうなのか、健康であるとしてもどの程度健康なのか、あるいは健康でないとしたらどれくらい深刻なのか、といった総合的な評価であったり、さらには、その評価を維持するには又はその評価を改善するにはどのようなアクションを採るべきなのか、といった具体的な指針であると考えられる。
また、個人や家庭における健康管理を支援するために欠くことのできない観点として「継続性」が挙げられる。健康な状態を保つため、あるいは、疾病の発症リスクを下げるためには、日常的に生体指標を計測し評価したり、定期的な運動を心がけたりといった習慣が最も効果的であるし、また長期の測定値が蓄積されるほど有益な情報を提供できるからである。このような継続性を実現するには、ユーザのモチベーションを向上し維持する仕掛けが必要であり、さらにその仕掛けを実現するには、納得性及び信頼性のある情報をいかに分かり易い形でユーザに提供できるかが一つの鍵になるものと思われる。なお別の見方をすれば、個人用・家庭用の計測装置は、一回だけのスポット的な計測というよりも、
ユーザ本人が気軽に定期的・日常的に生体指標を計測し蓄積できるところにこそ存在意義がある。したがって、継続という点に実現性及び付加価値がなければ、個人や家庭における健康管理は成立しないともいえる。
特許文献1では、血圧値や血糖値などのバイタルデータの測定値から疾病発症リスクを算出する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の方法では、一回分の測定値のみを用いてリスクの評価を行っているため、測定誤差等の影響を受けやすく、評価結果の信頼性を保証することが難しいという問題がある。また、血圧値や血糖値などのバイタルデータは、常に一定の値をとるわけではなく、一日の中で変動するのが一般的である。バイタルデータの日内変動(時間変化)は健康状態を評価・推定する上で有用な情報であるが、従来の方法ではこの種の情報を考慮することができなかった。
特開2006−163932号公報
図9は、本発明者らが想定する健康管理システムのコンセプトモデルを示している。同システムは、大きく分けて、「CHECK」、「PLAN」、「ACTION」の3つのカテゴリの機能を備え、生体から情報を収集し(CHECK)、その情報に基づき健康を維持・改善するための計画を立て(PLAN)、その計画の実施を支援する(ACTION)というサイクル(以下、CPAサイクルという)を総合的にサポートするものである。このようなCPAサイクルの提供により、個人や家庭における能動的な自己健康管理の継続実施が実現されるものと期待できる。
本出願に係る発明は、上記コンセプトモデルの中のCHECK機能に関わる要素技術を提供することを目的とするものである。具体的には本発明の目的の一つは、継続的な測定により得られた複数の測定データから、健康状態の評価に有意な特徴量を抽出するための新規な技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を採用する。すなわち、本発明に係る特徴抽出装置は、生体指標の測定データから健康状態の評価に利用するための特徴量を抽出する特徴抽出装置であって、過去の所定期間に蓄積された複数の測定データをもとに、前記生体指標の値の確率分布を表すモデルを作成するモデル作成手段と、評価の対象となるN個の測定データ(Nは2以上の整数)を取得する評価用データ取得手段と、前記モデルを参照して前記N個の測定データの各値の出現確率を求める出現確率算出手段と、前記N個の測定データの各値の出現確率を統合して1つのスコアを算出し、該スコアを前記N個の測定データの特徴量として出力する特徴量算出手段と、を備える。
この構成によれば、過去の所定期間に蓄積された測定データから確率分布を表すモデルが作成される。このモデルは、評価対象者本人の生体指標の値の時間的な変動やばらつきを、分布若しくはパタンとしてモデリングしたものといえる。このようなモデルに評価の対象となる測定データを当てはめることにより、その測定データの値が評価対象者本人の通常状態からどの程度乖離しているのかを定量化することができる。そして、N個の測定データの各値の乖離度合い(出現確率)を求め、それらを統合して1つのスコアを算出することで、継続的な測定により得られた複数の測定データを1つの特徴量(値)に変換することができる。
上記特徴量は次のような利点をもつ。(1)N個の測定データをもとに算出されるパラメータゆえ、測定誤差等の影響を可及的に小さくできる。(2)評価対象者本人のモデルを利用することにより本人の通常状態を基準とした相対評価が可能となり、生体指標の個
人差や、性別・年齢による差などを吸収することができる。(3)生体指標の値の変動やばらつきを反映したモデルを用いるため、健康状態を評価する上で重要かつ有用な生体指標の時間変化を考慮した特徴量を得ることができる。(4)特徴量が1つのスコア(値)で表され、しかも通常状態から乖離するほど単調増加(若しくは単調減少)するパラメータゆえ、比例ハザードモデル等のイベント発生リスク推定手法の入力因子として利用がしやすい。
本発明において、1日の中に複数の時間区分が設定されており、時間区分ごとに前記モデルが作成され、前記評価対象となる測定データの値の出現確率は、当該測定データの測定時刻に対応する時間区分のモデルを参照して算出されることが好ましい。この構成により、生体指標の値の日内変動をより詳細にモデル化できるため、特徴量の信頼性をより向上することができる。
前記スコアは、前記N個の測定データの各値の出現確率の積であることが好ましい。これにより、N回分の測定結果の総合的な乖離度合いを簡単に評価することができる。
本発明は、上記手段の少なくとも一部を有する特徴抽出装置として捉えてもよいし、その特徴抽出装置とそこから出力されたN個の測定データの特徴量に基づいて健康状態を評価する健康状態判断装置とを備える健康状態判断システムとして捉えてもよい。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む特徴抽出方法、または、かかる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体として捉えることもできる。なお、上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、継続的な測定により得られた複数の測定データから、健康状態の評価に有意な特徴量を抽出することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
(健康管理システムの全体像)
図1は、本発明に関わる健康管理システムの全体的な構成を示している。この健康管理システムは、前述したCPAサイクルをサポートするためのシステムである。「CHECK」に関わる機能として、日々の健康状態を測定するための「生体指標測定機能」と、測定で得られた情報から将来のリスクを推定するための「リスク推定機能」を備える。また、「PLAN」に関わる機能として、CHECKで得られた結果に基づきリスクの要因となる生活習慣等の因子を抽出するための「リスク因子抽出機能」と、改善目標の設定や改善計画の提案を行うための「改善計画支援機能」を備える。また、「ACTION」に関わる機能として、PLANで得られた改善目標・計画に従って生活改善活動(運動)の実施を支援するための「改善効果確認機能」と、必要に応じて計画・目標を修正するための「改善計画修正機能」を備える。これらのCHECK、PLAN、ACTIONの各機能が有機的に結びつき、そのサイクルを繰り返すことで、複数の生体指標に基づく総合的な健康状態の判断、将来的な健康リスクの評価、及び当該リスクと日常生活における活動との関係を可視化することができ、個人や家庭における能動的な自己健康管理の継続実施を支援することができるものと期待できる。
以下に述べる総合健康状態判断システムは、上記健康管理システムの構成のうちのCHECK機能(より詳しくは生体指標測定機能及びリスク推定機能)を担う要素技術として位置付けられるものである。
(総合健康状態判断システム)
図2は、本発明の実施形態に係る総合健康状態判断システム(以下、単に「システム」ともいう。)の一構成例を示す図である。
このシステムは、総合健康状態判断装置1と、1以上の計測装置2〜5と、特徴抽出装置6とから構成される。計測装置としては、人の身体から生体指標(生体情報ともいう)を測定するための装置や、人の活動や生活習慣などの生活指標を測定するための装置などを用いることができる。生体指標の計測装置としては、たとえば、体重、体組成(体脂肪、筋肉など)、BMIなどを測定可能な体重体組成計、血糖値を測定する血糖計、血圧及び脈拍数を測定する血圧計、体温を測定する体温計、心拍数を測定する心拍計などがある。また生活指標の計測装置としては、たとえば、身体活動量や運動強度を測定する活動量計、歩数を測定する歩数計、睡眠の状態を測定する睡眠センサ、食事のカロリー計算を行うカロリー計などがある。図2に示す本実施形態のシステムでは、体重体組成計(2)、血糖計(3)、血圧計(4)、及び活動量計(5)が用いられている。
総合健康状態判断装置1と各計測装置2〜5とは、有線または無線によりデータ通信可能である。各計測装置で得られた測定データは、総合健康状態判断装置に送られ集約される。基本的には、総合健康状態判断装置と各計測装置とは常時接続されており、測定が行われるたび若しくは予め決められたタイミングで、計測装置から総合健康状態判断装置へのデータ送信が行われる。これにより両装置間のデータの同期が図られる。なお、総合健康状態判断装置と計測装置とが常時接続でない場合には、計測装置または総合健康状態判断装置が接続の有無を監視し、接続を検知したときに自動的にデータの同期をとるとよい。もちろん、ユーザ自身の操作により、測定データを健康状態判断装置に転送してもよい。
特徴抽出装置6は、生体指標の測定データから特徴量を抽出するための装置である。例えば、特徴抽出装置6は、総合健康状態判断装置1から直近N回分(Nは2以上の整数)の測定データを受け取ると、それら複数のデータを一意の特徴量へと変換し、総合健康状態判断装置1へ出力する。この特徴量は、総合健康状態判断装置1において、疾病発症リスクなどのイベント発生リスクの推定や総合健康状態の評価などの処理に利用される。なお本実施形態では総合健康状態判断装置1と特徴抽出装置6を別体の装置としたが、1つの装置(ハードウエア)に両装置1、6の機能を実装してもかまわない。
(特徴抽出装置のハードウエア構成)
図3は、特徴抽出装置6のハードウエア構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、特徴抽出装置6は、概略、CPU(中央演算処理装置)101、データ送受信デバイス102、通信制御部103、ROM(リードオンリーメモリ)104・RAM(ランダムアクセスメモリ)105及び記憶媒体制御部106、電源107及び電源制御部108を備えている。この装置は、専用の機器として構成することもできるし、パーソナルコンピュータなどの汎用機器に必要なハードウエア及び必要なプログラムを実装することで構成してもよい。
データ送受信デバイス102及び通信制御部103は、総合健康状態判断装置1や各種計測装置との間のデータ通信を実現するための通信手段である。通信方式としては、USB、IEEE1394などの有線通信でもよいし、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、IrDA、無線LANなどの無線通信でもよい。
ROM104は、特徴抽出装置としての機能を提供するプログラム、各種設定値などが
格納される記憶媒体である。EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のように書き換え可能なメモリで構成される。RAM105は、プログラム実行時のワークメモリとして利用される記憶媒体である。ROM104及びRAM105へのアクセスは記憶媒体制御部106によって制御される。なお、EEPROMに加えて、あるいはEEPROMの代わりに、ハードディスクなどの記憶媒体を設けてもよい。
電源107及び電源制御部108は、特徴抽出装置6に電力を供給する機能である。電源107としては電池でもよいしAC電源でもよい。
(特徴抽出装置の機能及び処理)
図4は、特徴抽出装置の機能を模式的に示す機能構成図である。図4に示すように、特徴抽出装置6は、その機能として、概略、測定データ取得部60、モデル作成部61、出現確率算出部62、特徴量算出部63を備える。これらの機能は、CPU101がROM104に格納されたプログラムを読み込み実行することにより実現されるものである。
以下、図5のフローチャートを参照しながら、特徴抽出装置の各機能の詳細及び特徴抽出処理の流れについて説明する。
ステップS50において総合健康状態判断装置1から特徴抽出の要求を受信すると、まず測定データ取得部60は、総合健康状態判断装置1から、評価対象者本人の生体指標の測定データを取得する(ステップS51)。ここでは、生体指標の時間的な変動やばらつきの傾向を把握するために、ある程度長期の期間(例えば、数日、一週間、数週間、一月、数ヶ月)にわたって蓄積された多数の測定データを取得することが好ましい。なおこの期間の長さについては、ユーザ自身が変更できるようにしてもよいし、総合健康状態判断装置1に蓄積された測定データの量や履歴に応じて動的に変化させてもよい。
次に、モデル作成部61が、1日の中に複数の時間区分を設定する(ステップS52)。このとき、図6Aに示すように、あらかじめ定義されている測定推奨時間帯を単位として区分を設定してもよいし、図6Bに示すように、「起床」や「食後」といった特定のイベントを単位として区分を設定してもよい。図6Aの例では、「5:30〜7:30」、「11:00〜13:00」、「18:30〜20:30」の3つの時間帯が設定されている。また図6Bの例では、「起床」、「昼食」、「夕食」の3つの区分が設定されている。横軸は測定時刻τ、縦軸は生体指標xの値を示しており、プロットされた点が測定データを表している。本装置では図6Aと図6Bのいずれの区分方法を用いてもよいが、生活パタン(起床、食事、就寝、勤務などの時間)の人による違いや日々の違いに柔軟に対応できるという利点から、図6Bのようなイベントを単位とする区分のほうが好ましい。なお区分の数は3つに限らず、適宜設定することができる。例えば1日全体を1つの区分として捉えてもよいし、区分数を2つあるいは4つ以上としてもよい。また図6A、図6Bのように区分同士の間を空けてもよいし、隣接する区分同士が接するように各区分を設定してもよい。
次に、モデル作成部61が、各時間区分について、測定データの値の出現確率を適当な確率分布モデルによって近似する(ステップS53)。以下、図7を参照して、混合ガウス分布モデル(GMM;Gaussian Mixture Model)を用いて測定データの値の分布をモデル化する手法について説明する(ただし、確率分布モデル及びモデル化手法については、これに限らず、従来公知のいかなるものも用いることが可能である。)。
まずモデル作成部61は、ステップS51で取得した測定データの中から、同一の時間区分に属するデータを抽出する((1)参照)。図7の例では、「5:30〜7:30」の時間区分のデータが抽出されている。黒いドットがそれぞれ生体指標xの測定データの
値を示している。同一の時間区分に得られた測定データであっても測定時刻も測定値もばらついていることがわかる。次にモデル作成部61は、同一の時間区分の測定値を集約し、それらが同一時刻に測定されたものとみなすことによって、測定時刻の差異を排除する((2−1)参照)。続いてモデル作成部61は、生体指標を複数の区間に分割し、各区間に存在する測定値の累計を出現頻度とするヒストグラムを生成する((2−2)参照)。モデル作成部61は、複数のガウス分布により、出現頻度の分布形状を近似する((2−3)参照)。この際、近似のための学習アルゴリズムとして、EMアルゴリズムを用いる。これにより、生体指標xの各値の出現確率P(x)を表す確率分布モデルが得られる((3)参照)。この(1)から(3)の一連の処理が、各時間区分のデータに対して実行される。
なお、ステップS51からS53までの処理は毎回実行する必要はなく、上記のように求めた確率分布モデルをROM104に格納しておき、次回以降の特徴抽出処理ではモデル作成を省略することも可能である。これにより処理負荷の軽減と処理時間の短縮を図ることができる。
次に、測定データ取得部60は、総合健康状態判断装置1から、評価の対象となる複数の測定データ(以下、単に評価用データともよぶ)を取得する(ステップS54)。評価用データとしては、例えば、直近に測定された数個から十数個程度の短期的な測定データが用いられる。図6A、図6Bにおいて三角でプロットされている点が評価用データを表している。この例に示すように、生体指標の値には日内変動があるため、すべての時間区分から評価用データを準備することが好ましい。
次に、出現確率算出部62が、ステップS53で作成したモデルを参照して、評価用データの各値の出現確率を算出する(ステップS55)。このとき、図8に示すように、出現確率算出部62は、評価用データそれぞれの測定時刻に対応する時間区分の確率分布モデルを参照して、各評価用データの出現確率を求める。図8の例では、時間区分1のx11、x12、x13、時間区分2のx21、x22、x23、時間区分3のx31、x32、x33の計9個の評価用データの測定値について、それぞれ出現確率P(x)が算出されている。
そして、特徴量算出部63は、9個の測定値の出現確率を統合して1つのスコアを算出する(ステップS56)。ここでは、図8に示すように、特徴量算出部63が9個の測定値の出現確率の積を求め、その値(スコア)を9個の評価用データの特徴量として出力する。この特徴量は0から1の間の値をとり、評価用データの値が評価対象者本人の通常状態に近いほど特徴量は大きくなり、逆に評価用データの値が評価対象者本人の通常状態から乖離するほど特徴量は小さくなるという特性をもつ。
このようにして算出した特徴量は、総合健康状態判断装置1に送信され、イベント発生リスクの推定や総合健康状態の評価などに利用される。
(イベント発生リスクの推定)
総合健康状態判断装置1は、計測装置により測定され又はユーザにより入力された各種の生体指標、生活指標、属性指標に基づいてイベント発生リスクを推定する処理を行う。
「生体指標」とは、身体の生理的な状態を示す尺度、およびその数値であり、例えば血圧関連指標(最高血圧値、最低血圧値)、血糖関連指標(空腹時血糖値、随時血糖値)、体組成関連指標(体重、体脂肪率、筋肉率)、血清総コレステロール等が該当する。また「生活指標」とは、日常の身体活動や生活習慣(運動、睡眠、食事など)を示す尺度、およびその数値である。例えば、運動関連指標(単位時間における断続歩行時間、連続歩行
時間、連続歩行回数、歩行パタンの規則性等)、睡眠関連指標(睡眠時間、寝返り回数、呼吸回数等)、食事関連指標(摂取カロリー量、夕食の時間、アルコール摂取頻度等)、その他の情報(喫煙習慣の有無等)が生活指標に該当する。「属性指標」とは、個人の属性を客観的に識別するための尺度、およびその数値であり、例えば性別、年齢、身長、病歴などが該当する。
イベント発生リスクとは、疾病の発症、入院、死亡などの健康状態に関わるイベントが発生するリスクである。本実施形態では、イベント発生リスクを算出するためのリスク評価モデルとして比例ハザードモデルが用いられる。すなわち、ある時点tにおける疾病KのリスクRは、式(1)のように、時間の関数であるR(t)と各影響因子xの線形和の指数関数との積で表される。上記特徴出装置6で得られた特徴量の値は、式(1)の影響因子xの一つとして用いられる。

疾病リスクのモデル:
=R(t)×exp(ΣαjK+ε) (1)
ここで、R(t)は、疾病Kによる時間t後の統計的な死亡率であり、基準ハザードとよばれる。例えば、当初の母数が100人である場合、t=0の時点では100人全員が生存しているため、R(0)=0%である。もし、t=t1の時点で、9人が疾病Kで死亡し、10人が他の原因による死亡や移住等により生存が確認できない場合、母数は90人(=100人−10人)と考え、R(t1)=(9/90)×100%=10%となる。このように、時間の経過とともに疾病K以外の原因による死亡者数(生存が確認できない者含む)を母数から除外していくことで、疾病Kによる純粋な死亡率を表現することができる。なお、ここでは、死亡率を基準ハザードR(t)に選んだが、もちろん、死亡以外のイベントの発生率を基準ハザードR(t)に選んでもよい。例えば、疾病Kに起因する入院、障害、重度の症状などの、日常生活に支障をきたすようなイベントの発生率などが考えられる。
αjKは、各因子xがR(t)に及ぼす影響強度を示すパラメータ(重み)である。またεは、因子x以外の因子によるR(t)への影響を示すパラメータである。パラメータαjK、εの生成手法としては、Exact法(モンテカルロ正確確率検定)、Breslow法、Efron法(ブートストラップ)、離散法等を利用することができる。
本実施形態では、リスク評価モデルの基準ハザードR(t)及びパラメータαjK、εを算出するための基礎データとして、大規模疫学研究の成果である疫学データを利用する。疫学研究の代表的なものとしては、NIPPON DATA80、Framingham study(フラミンガム・スタディ)、大迫研究、久山町研究、吹田研究等がある。このような疫学データに基づき、因子間の影響強度や各時点での死亡率を求めることで、リスク評価モデルに高い精度を実現することができる。また、疫学データをエビデンスとすることで、本システムの出力する評価指標に対するユーザの納得性及び信頼性を高め、健康管理のモチベーションを向上することができると期待できる。
(本実施形態の利点)
以上述べた本実施形態の構成によれば、過去の所定期間に蓄積された測定データから確率分布を表すモデルが作成される。このモデルは、評価対象者本人の生体指標の値の時間的な変動やばらつきを、分布若しくはパタンとしてモデリングしたものといえる。このようなモデルに評価の対象となる測定データを当てはめることにより、その測定データの値が評価対象者本人の通常状態からどの程度乖離しているのかを定量化することができる。
そして、N個の測定データの各値の乖離度合い(出現確率)を求め、それらを統合して1つのスコアを算出することで、継続的な測定により得られた複数の測定データを1つの特徴量(値)に変換することができる。
上記特徴量は次のような利点をもつ。(1)N個の測定データをもとに算出されるパラメータゆえ、測定誤差等の影響を可及的に小さくできる。(2)評価対象者本人のモデルを利用することにより本人の通常状態を基準とした相対評価が可能となり、生体指標の個人差や、性別・年齢による差などを吸収することができる。(3)生体指標の値の変動やばらつきを反映したモデルを用いるため、健康状態を評価する上で重要かつ有用な生体指標の時間変化を考慮した特徴量を得ることができる。(4)特徴量が1つのスコア(値)で表され、しかも通常状態から乖離するほど単調増加(若しくは単調減少)するパラメータゆえ、比例ハザードモデル等のイベント発生リスク推定手法の入力因子として利用がしやすい。つまり上記特徴量は、測定値を入力因子として用いる各種のリスク推定手法に対して高い親和性を有しているため、従来のリスク推定手法への適用が容易であり、極めて有用である。
また本実施形態では、時間区分ごとにモデルの作成及び出現確率の計算を行うため、生体指標の値の日内変動をより詳細にモデル化でき、特徴量の信頼性をより向上することができる。
また本実施形態では、N個の評価用データの出現確率の積を特徴量として採用しているため、N個の測定結果の総合的な乖離度合いを簡単に評価することができる。なおスコアの算出方法はこれに限らず、出現確率の和や平均をスコアとしてもよいし、所定の算出式を用いてスコアを算出してもよい。
上述した実施形態の構成は本発明の一具体例を例示したものにすぎない。本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
図1は、本発明に関わる健康管理システムの全体的な構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る総合健康状態判断システムの一構成例を示す図である。 図3は、特徴抽出装置のハードウエア構成を模式的に示すブロック図である。 図4は、特徴抽出装置の機能を模式的に示す機能構成図である。 図5は、特徴抽出処理を示すフローチャートである。 図6Aは、時間帯を単位とする時間区分の一例であり、図6Bは、イベントを単位とする時間区分の一例である。 図7は、混合ガウス分布モデルを用いて測定値の分布をモデル化する手法を説明する図である。 図8は、各測定値の出現確率と特徴量(スコア)の算出手法を説明する図である。 図9は、健康管理システムのコンセプトモデルを示す図である。
符号の説明
1 総合健康状態判断装置
2〜5 計測装置
6 特徴抽出装置
60 測定データ取得部
61 モデル作成部
62 出現確率算出部
63 特徴量算出部
101 CPU
102 データ送受信デバイス
103 通信制御部
104 ROM
105 RAM
106 記憶媒体制御部
107 電源
108 電源制御部

Claims (7)

  1. 生体指標の測定データから健康状態の評価に利用するための特徴量を抽出する特徴抽出装置であって、
    過去の所定期間に蓄積された複数の測定データをもとに、前記生体指標の値の確率分布を表すモデルを作成するモデル作成手段と、
    評価の対象となるN個の測定データ(Nは2以上の整数)を取得する評価用データ取得手段と、
    前記モデルを参照して前記N個の測定データの各値の出現確率を求める出現確率算出手段と、
    前記N個の測定データの各値の出現確率を統合して1つのスコアを算出し、該スコアを前記N個の測定データの特徴量として出力する特徴量算出手段と、
    を備え
    1日の中に複数の時間区分が設定されており、
    前記モデル生成手段は、時間区分ごとに前記モデルを生成し、
    前記出現確率算出手段は、前記N個の測定データの値の出現確率を求める際に、各測定データの測定時刻に対応する時間区分のモデルを参照して出現確率を算出する
    ことを特徴とする特徴抽出装置。
  2. 前記評価用データ取得手段は、すべての時間区分に対応する測定データが含まれるように、前記N個の測定データを取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の特徴抽出装置。
  3. 前記スコアは、前記N個の測定データの各値の出現確率の積である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の特徴抽出装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の特徴抽出装置と、
    前記特徴抽出装置から出力された前記N個の測定データの特徴量に基づいて健康状態を評価する健康状態判断装置と、
    を備えることを特徴とする健康状態判断システム。
  5. 生体指標の測定データから健康状態の評価に利用するための特徴量を抽出する特徴抽出方法であって、
    コンピュータが、
    過去の所定期間に蓄積された複数の測定データをもとに、前記生体指標の値の確率分布を表すモデルを作成するステップと、
    評価の対象となるN個の測定データ(Nは2以上の整数)を取得するステップと、
    前記モデルを参照して前記N個の測定データの各値の出現確率を求めるステップと、
    前記N個の測定データの各値の出現確率を統合して1つのスコアを算出し、該スコアを前記N個の測定データの特徴量として出力するステップと、
    を実行する特徴抽出方法において、
    1日の中に複数の時間区分が設定されており、
    前記モデルを作成するステップでは、時間区分ごとに前記モデルが生成され、
    前記出現確率を求めるステップでは、前記N個の測定データの値の出現確率を求める際に、各測定データの測定時刻に対応する時間区分のモデルを参照して出現確率が算出される
    ことを特徴とする特徴抽出方法。
  6. 請求項5に記載の特徴抽出方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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