1.第1発明
[第1-1実施形態]
図1において、ヘルスケアシステム10は、クライアント端末11A、11B、11C、および健診結果出力装置に相当する健診結果出力サーバ12等を備える。クライアント端末11A~11Cおよび健診結果出力サーバ12は、ネットワーク13を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク13は、例えば、インターネットあるいは公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)である。
クライアント端末11Aは、健診の受診者の自宅14に設置され、受診者が操作する。クライアント端末11Bは、健診を実施する施設である健診施設15に設置され、健診施設15のスタッフが操作する。健診施設15は医療施設や地域保健センター等であり、健診施設15のスタッフは医師や保健師等である。クライアント端末11Cは、各種保健サービスを提供する企業である保健サービス企業16に設置され、保健サービス企業16のスタッフが操作する。保健サービス企業16は、フィットネスジム、配食サービス企業、献立提供サイトの運営会社等であり、保健サービス企業16のスタッフはインストラクターや管理栄養士等である。以下、特に区別する必要がない場合には、クライアント端末11A~11Cをまとめてクライアント端末11という。なお、クライアント端末11は、自宅14等で固定的に使用するものに限らず、例えばスマートフォンやタブレット端末等の持ち運び可能なものでもよい。
健診施設15には健診情報サーバ17が、保健サービス企業16には行動履歴サーバ18がそれぞれ設けられている。これらの各サーバ17、18(以下、まとめてサーバ群19という)はネットワーク13に接続されている。健診情報サーバ17は健診情報データベース(以下、DB(Data Base)と表記)20を有し、健診情報DB20には健診情報21が格納されている。行動履歴サーバ18は行動履歴DB22を有し、行動履歴DB22には受診者の行動の履歴である行動履歴23が格納されている。
健診結果出力サーバ12は、データセンター24に設置されている。健診結果出力サーバ12は統合情報DB25を有し、統合情報DB25には健診情報21と行動履歴23を統合した統合情報26が格納されている。なお、図1では、自宅14、健診施設15、保健サービス企業16はそれぞれ1つずつしか描かれていないが、実際には複数存在する。
クライアント端末11、健診結果出力サーバ12、およびサーバ群19は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションといったコンピュータをベースに、オペレーティングシステム等の制御プログラム、および各種アプリケーションプログラムをインストールして構成される。
図2に示すように、健診情報DB20の健診情報21は、個々の受診者を識別するための記号および番号である受診者ID(Identification Data)が関連付けられて、受診者単位で管理される。受診者IDは、健診施設15および保健サービス企業16で共通に使用されるものであり、例えば受診者のマイナンバーである。健診施設15または保健サービス企業16の一方で発行した受診者IDを、他方で使い回してもよい。
健診情報21は、健診に係る複数の測定項目に対応する複数の測定値を、健診日毎に記録したものである。測定項目は、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査といった各種医療検査別に整理されている。測定項目には、例えば身体測定であれば身長、体重、BMI、腹囲等があり、血液検査であれば総コレステロール(T-chol(Cholesterol))、HDLコレステロール(HDL-chol)、LDLコレステロール(LDL-chol)、中性脂肪、空腹時血糖、HbA1c等がある。
健診は、一般企業等の場合は1年のうちで同じ時期に実施される。図2においても、健診日が毎年4月の第2週の月曜日となっている。このため、各測定値は1年のうちで同じ時期に測定されたものであるといえる。
受診者IDに関連付けられて受診者単位で管理される情報には、健診情報21に加えて属性情報30がある。図3に示すように、属性情報30は、受診者の属性を記録したもので、性別、年齢、生年月日、住所、職業、体型、飲酒、喫煙の各枠を有する。体型は、図示の普通、肥満型の他に、痩せ型がある。飲酒、喫煙の枠には、それらの嗜好の有無(ありの場合はその量と頻度)が記録される。なお、属性としては、上記で挙げたものの他に、既往症、アレルギー情報、遺伝情報等を含めてもよい。
図4および図5において、行動履歴DB22の行動履歴23は、健診情報21および属性情報30と同じく、受診者IDが関連付けられて、受診者単位で管理される。行動履歴23には、行動の実施日とその内容とが記録される。
図4に示す行動履歴23は、保健サービス企業16がフィットネスジムであった場合である。このため行動の内容には、「有酸素運動30分(トレッドミル)」といった、フィットネスジムで受診者が実施した運動の内容が記録されている。一方、図5に示す行動履歴23は、保健サービス企業16が配食サービス企業であった場合である。このため、行動の内容には、「タンパク質調整食(夕食)」といった、配食サービス企業が提供して受診者が食べた食事の内容が記録されている。なお、未だ行動を実施していない受診者は、当然ながら行動履歴23は記録されていない。
図示は省略するが、行動履歴23には、図4および図5で例示したものの他に、栄養補助食品(サプリメントとも呼ばれる)を受診者が購入した履歴もある。この場合の保健サービス企業16は、栄養補助食品の通販会社等である。
図6に示すように、統合情報DB25の統合情報26は、健診情報21および属性情報30と行動履歴23とを文字通り統合したものであり、受診者単位で管理される。受診者IDがP003の受診者等、未だ行動を実施しておらず、行動履歴23が記録されていない受診者については、統合情報26は健診情報21および属性情報30のみとなる。なお、本実施形態では、受診者IDを、健診施設15および保健サービス企業16で共通に使用されるものとしたが、健診施設15と保健サービス企業16とで別々に異なる受診者IDが付された場合には、健診施設15で付された受診者IDと保健サービス企業16で付された受診者IDとを関連付ける作業を受診者自らが行うことで、健診情報21および属性情報30と行動履歴23とを統合する。
図7において、健診情報サーバ17は、健診情報DB20に格納された全ての健診情報21および属性情報30を健診結果出力サーバ12に送信する。同様に、行動履歴サーバ18は、行動履歴DB22に格納された全ての行動履歴23を健診結果出力サーバ12に送信する。健診結果出力サーバ12は、健診情報21および属性情報30と行動履歴23とを統合して統合情報26とし、統合情報DB25に格納する。
健診結果出力サーバ12は、統合情報26に基づいて、健診結果を表示する健診結果表示画面35(図20および図21も参照)を生成する。そして、生成した健診結果表示画面35をクライアント端末11に送信する。
健診結果出力サーバ12は、クライアント端末11に対して認証キーを発行して、健診結果出力サーバ12へのアクセス権限を与える。健診結果出力サーバ12は、認証が成功したクライアント端末11に対してのみ、健診結果表示画面35を送信する。
健診結果表示画面35は、健診結果の出力の一形態である。健診結果出力サーバ12は、ウェブブラウザ上で閲覧可能な健診結果表示画面35を生成する。より具体的には、健診結果出力サーバ12は、健診結果表示画面35を、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用の画面データの形式で出力する。クライアント端末11は、画面データに基づき健診結果表示画面35をウェブブラウザ上に再現して表示する。健診結果表示画面35以外の各種表示画面も同様である。XMLに代えて、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
図8において、クライアント端末11および健診結果出力サーバ12を構成するコンピュータは、基本的な構成は同じであり、それぞれ、ストレージデバイス40、メモリ41、CPU(Central Processing Unit)42、ディスプレイ43、入力デバイス44、および通信部45を備えている。これらはデータバス46を介して相互接続されている。
ストレージデバイス40は、クライアント端末11等を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブルあるいはネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブ、もしくはハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス40には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種表示画面の表示データ等が記憶されている。
メモリ41は、CPU42が処理を実施するためのワークメモリである。CPU42は、ストレージデバイス40に記憶されたプログラムをメモリ41へロードして、プログラムにしたがった処理を実施することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
ディスプレイ43は、入力デバイス44の操作に応じた各種表示画面を表示する。表示画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。クライアント端末11等を構成するコンピュータは、表示画面を通じて入力デバイス44からの操作指示の入力を受け付ける。通信部45は、ネットワーク13を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。
以下の説明では、クライアント端末11を構成するコンピュータの各部には添え字の「A」を、健診結果出力サーバ12を構成するコンピュータの各部には添え字の「B」をそれぞれ符号に付して区別する。
図9において、ウェブブラウザが起動されると、クライアント端末11のCPU42Aは、メモリ41等と協働して、GUI制御部50、およびブラウザ制御部51として機能する。
GUI制御部50は、各種表示画面をディスプレイ43Aに表示し、かつ各種表示画面を通じて入力デバイス44Aから入力される様々な操作指示を受け付ける。操作指示には、健診結果出力サーバ12への健診結果表示画面35の配信指示、健診結果表示画面35の編集指示等がある。GUI制御部50は、受け付けた操作指示をブラウザ制御部51に出力する。
ブラウザ制御部51は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部51は、GUI制御部50からの操作指示に応じた要求、具体的には健診結果表示画面35の配信指示に応じた健診結果表示画面35の配信要求、健診結果表示画面35の編集指示に応じた健診結果表示画面35の編集要求等を健診結果出力サーバ12に対して発行する。
また、ブラウザ制御部51は、健診結果出力サーバ12からの各種表示画面の画面データを受け取る。ブラウザ制御部51は、画面データに基づきウェブブラウザ上に表示する表示画面を再現し、これをGUI制御部50に出力する。GUI制御部50は、表示画面をディスプレイ43Aに表示する。
図10において、健診結果出力サーバ12のストレージデバイス40Bには、作動プログラム55が格納されている。作動プログラム55は、健診結果出力サーバ12を構成するコンピュータを、健診結果出力装置として機能させるためのアプリケーションプログラムである。ストレージデバイス40Bには、導出結果格納テーブル56(図11参照)も格納されている。
作動プログラム55が起動されると、健診結果出力サーバ12のCPU42Bは、メモリ41等と協働して、取得部60、格納検索部61、導出部62、導出結果管理部63、受付部64、抽出部65、および画面出力制御部66として機能する。
取得部60は、健診情報21および属性情報30と行動履歴23の送信要求をサーバ群19に対して発行する。送信要求は、健診情報DB20に格納された全ての健診情報21および属性情報30、並びに行動履歴DB22に格納された全ての行動履歴23を送信せよ、という内容である。取得部60は、例えば1か月毎等、定期的に送信要求を発行する。
取得部60は、送信要求に応じてサーバ群19から送信された健診情報21および属性情報30と行動履歴23を取得する。健診情報21には測定値が含まれる。このため、取得部60は、測定値と行動履歴23とを取得する取得機能を担う。取得部60は、取得した健診情報21および属性情報30と行動履歴23を格納検索部61に出力する。
格納検索部61は、取得部60からの健診情報21および属性情報30と行動履歴23を統合情報26とし、統合情報DB25に格納する。また、格納検索部61は、全ての統合情報26を統合情報DB25から読み出し、導出部62に出力する。さらに、格納検索部61は、健診結果を出力する対象の受診者である対象受診者の統合情報26を統合情報DB25から読み出し、抽出部65および画面出力制御部66に出力する。
導出部62は、格納検索部61からの全ての統合情報26について、測定値の推移と行動との因果関係を統計的に分析し、測定値に有意な改善が見られた場合に実施した行動である改善行動を導出する導出機能を担う。導出部62は、改善行動の導出結果を導出結果管理部63に出力する。
導出結果管理部63は、導出部62からの導出結果を、導出結果格納テーブル56に格納する。また、導出結果管理部63は、導出結果格納テーブル56を抽出部65に出力する。
受付部64は、クライアント端末11からの各種要求を受け付ける。受付部64は、各種要求のうちの健診結果表示画面35の配信要求を格納検索部61と画面出力制御部66に、健診結果表示画面35の編集要求を画面出力制御部66に、それぞれ出力する。
健診結果表示画面35の配信要求には、対象受診者の受診者IDが含まれる。格納検索部61は、受付部64からの健診結果表示画面35の配信要求に含まれる受診者IDの統合情報26、すなわち対象受診者の統合情報26を統合情報DB25から検索する。格納検索部61は、検索した対象受診者の統合情報26を抽出部65および画面出力制御部66に出力する。
抽出部65は、格納検索部61からの統合情報26に含まれる対象受診者の測定値のうち、異常範囲にある測定値の測定項目である異常項目に対応する改善行動を抽出する抽出機能を担う。抽出部65は、改善行動の抽出結果を画面出力制御部66に出力する。
画面出力制御部66は、健診結果の出力の一形態としての健診結果表示画面35を含む各種表示画面の出力を制御する。すなわち、画面出力制御部66は、健診結果の出力を制御する出力制御部に相当し、出力制御機能を担う。
健診結果表示画面35の配信要求および編集要求には、要求元のクライアント端末11を識別するための端末IDが付されている。画面出力制御部66は、この端末IDで要求元のクライアント端末11を特定し、特定したクライアント端末11に健診結果表示画面35を送信する。
図11において、導出部62は、改善行動の導出に先立ち、各行動AC1、AC2、AC3、・・・に関する統計表70を作成する。統計表70には、複数の測定項目I1、I2、・・・のそれぞれについて、高値異常と低値異常の枠が用意されている。高値異常は、正常範囲の上限値よりも測定値が高い場合である。一方、低値異常は、正常範囲の下限値よりも測定値が低い場合である。導出部62は、これら高値異常である場合と低値異常である場合の二通りについて、異常範囲にある測定値が行動によって改善した受診者の数、改善しなかった受診者の数、および改善した受診者の割合をそれぞれ登録する。導出部62は、この統計表70と予め設定された導出条件にしたがって改善行動を導出する。
図11では、行動AC1の統計表70が例示されている。改善した受診者の割合は、例えば測定項目I1が高値異常の場合が90%、測定項目I2が低値異常の場合が16%である。そして、導出条件は、改善した受診者の割合80%以上である。このため、この場合の改善行動には、導出結果として示すように、改善した受診者の割合が90%である、測定項目I1が高値異常の場合の行動AC1が導出される。
導出結果格納テーブル56には、統計表70と同じく、複数の測定項目I1、I2、・・・のそれぞれについて、高値異常と低値異常の枠が用意されている。導出結果管理部63は、これら高値異常である場合と低値異常である場合の二通りについて、改善行動を登録する。
図11では、測定項目I1が高値異常の場合は行動AC1、AC2、AC3が、測定項目I1が低値異常の場合は行動AC2が、それぞれ改善行動として登録されている例を示している。測定項目I2については、高値異常、低値異常のいずれの場合も改善行動が登録されていない。このように、改善行動は、1つの枠に対して複数存在する場合もあれば、1つの枠に対して1つしか存在しない場合もあり、さらには全く存在しない場合もある。
なお、測定項目によっては、正常範囲の上限値または下限値のいずれか一方のみが設定され、異常範囲が高値異常または低値異常のいずれか一方に限られるものがある。こうした測定項目については、統計表70および導出結果格納テーブル56の枠は、当然ながら高値異常または低値異常のいずれか一方となる。
図12~図17は、異常範囲にある測定値が行動によって改善したか否かを、導出部62で判断する様子を示す図である。
図12に示すように、行動AC1を実施する前の測定値V1Aが異常範囲にあり、行動AC1を実施した後の測定値V1Bが正常範囲にあった場合、導出部62は、当該行動AC1の実施で測定値が改善したと判断する。そして、統計表70の該当する枠の改善した受診者の数をインクリメントする。同様に、図13に示すように、行動AC1を実施する前の測定値V1Aが異常範囲にあり、行動AC1の実施を終了してから所定期間(例えば1週間等)内に得られた測定値V1Bが正常範囲にあった場合、さらには図14に示すように、行動AC1を実施している間に異常範囲にあった測定値V1Aが正常範囲の測定値V1Bとなった場合も、導出部62は測定値が改善したと判断し、統計表70の該当する枠の改善した受診者の数をインクリメントする。
一方、図15に示すように、行動AC1を実施する前の測定値V1Aが異常範囲にあり、行動AC1を実施した後の測定値V1Bも依然として異常範囲にあった場合、導出部62は、当該行動AC1の実施で測定値が改善しなかったと判断する。そして、統計表70の該当する枠の改善しなかった受診者の数をインクリメントする。同様に、図16に示すように、行動AC1を実施する前の測定値V1Aが異常範囲にあり、行動AC1の実施を終了してから所定期間(例えば1週間等)内に得られた測定値V1Bも異常範囲にあった場合、さらには図17に示すように、行動AC1を実施している間も測定値V1A、V1Bがともに異常範囲にあった場合も、導出部62は測定値が改善しなかったと判断し、統計表70の該当する枠の改善しなかった受診者の数をインクリメントする。
図12~図17のいずれも、測定項目がI1で、実施した行動がAC1の場合を例示している。そして、図12~図14は、正常範囲の上限値UL1よりも測定値V1Aが高い高値異常の場合、図15~図17は、正常範囲の下限値LL1よりも測定値V1Aが低い低値異常の場合をそれぞれ例示している。上限値UL1、下限値LL1といった正常範囲の情報75(以下、範囲情報75、図19参照)は、ストレージデバイス40Bに格納されている。
なお、図15~図17では、測定値V1A、V1Bがともに異常範囲にあり、かつ測定値V1Aよりも測定値V1Bのほうが正常範囲から遠ざかっている場合を例示した。このため、当該行動の実施で測定値が改善しなかったと導出部62で判断した。対して図18に示すように、測定値V1Bは依然として異常範囲にあるものの、測定値V1Aよりも正常範囲に近付いていた場合は、図15~図17の場合と比べれば測定値が改善したと言える。そこで、図18の場合は、図12~図14の場合と同じく、当該行動AC1の実施で測定値が改善したと判断し、統計表70の該当する枠の改善した受診者の数をインクリメントする。
改善行動を導出する方法としては、t検定等に代表される統計的仮説検定を用いてもよい。具体的には、全受診者の統合情報26を、ある行動を実施した受診者のグループと、ある行動を実施しなかった受診者のグループとに分ける。そして、これら2つのグループ間で、ある測定項目の測定値の推移に有意差があるか否かを判断する。より詳しくは、ある行動を実施したことで測定値が推移したのか、ある行動とは無関係に測定値が推移したのかを判断する。
2つのグループ間で、ある測定項目の測定値の推移に有意差がある、すなわち、ある行動を実施したことで測定値が推移したと判断し、かつある行動を実施した受診者のグループの測定値が改善していた場合、導出部62は、当該行動を当該測定項目の改善行動として導出する。一方、2つのグループ間で、ある測定項目の測定値の推移に有意差があると判断した場合でも、ある行動を実施した受診者のグループの測定値が改善していなかった場合は、導出部62は、当該行動を当該測定項目の改善行動として導出しない。2つのグループ間で、ある測定項目の測定値の推移に有意差がない、すなわち、ある行動とは無関係に測定値が推移したと判断した場合も同様に、導出部62は、当該行動を当該測定項目の改善行動として導出しない。
ある行動を実施した場合に、ある測定項目の測定値が改善する確率がどの程度であるかを示す尤度比を算出し、尤度比に基づいて改善行動を導出してもよい。尤度比は、言い換えれば、ある行動がある測定項目の改善行動であるといえる尤もらしさを示す指標である。
この場合、導出部62は、ある行動を実施した場合に、ある測定項目の測定値が改善した受診者の数A1、ある行動を実施しなかった場合に、ある測定項目の測定値が改善した受診者の数A2、ある行動を実施した場合に、ある測定項目の測定値が改善しなかった受診者の数B1、ある行動を実施しなかった場合に、ある測定項目の測定値が改善しなかった受診者の数B2を集計する。そして、下記式(1)により尤度比LRを求める。
LR={A1/(A1+A2)}/{B1/(B1+B2)}・・・(1)
尤度比LRは、その値が大きい程、ある行動を実施した場合に、ある測定項目の測定値が改善する確率が高いことを示している。導出部62は、尤度比LRが予め設定された閾値以上の場合に、当該行動を当該測定項目の改善行動として導出する。
このように、改善行動の導出には、様々な方法を採用してよい。つまり、測定値に有意な改善が見られたか否かの判断には、様々な方法を適用することができる。ただし、いずれの方法も、測定値の推移と行動との因果関係を統計的に分析することには変わりない。あくまでも重要なのは、測定項目毎に、各行動に有意な効果があるか否かを見極めることであり、かつその見極めた結果を明示的に表示することである。なお、測定値に有意な改善が見られたか否かの判断は、測定値の推移と行動との因果関係を統計的に分析する母集団にも依存する。このため、母集団には、何らかの意味がある受診者達が適宜選択される。例えば、遺伝子解析を用いる場合には、遺伝子が類似した受診者達を母集団として選択してもよい。あるいは、単純に性別や年齢等の諸々の属性をもつ受診者達を母集団として選択してもよい。
図19において、抽出部65は、範囲情報75に基づいて、格納検索部61からの対象受診者の最新の健診情報21の各測定項目の測定値のうち、異常範囲にある測定値を判定する。そして、異常範囲にあると判定した測定値の測定項目を、異常項目として選定する。続いて抽出部65は、導出結果管理部63からの導出結果格納テーブル56を参照して、選定した異常項目に対応する改善行動を抽出する。
図19では、測定項目I1(高値異常)、測定項目I2(低値異常)が異常項目として選定された場合を例示している。そして、測定項目I1(高値異常)の改善行動として行動AC1、AC2、AC3が抽出され、測定項目I2(低値異常)の改善行動は抽出されなかった様子を示している。すなわち、図19の例では、測定項目I1(高値異常)が、抽出部65で改善行動が抽出された異常項目であり、測定項目I2(低値異常)が、抽出部65で改善行動が抽出されなかった異常項目、すなわち非抽出項目である。
図20および図21において、健診結果表示画面35は、2つのタブ80A、80Bを備えている。これらのタブ80A、80Bは、カーソル81で択一的に選択することが可能である。画面出力制御部66は、タブ80A、80Bの選択状態に応じて、健診結果の表示内容を切り替える。すなわち、図20に示すようにタブ80Aが選択された場合は、画面出力制御部66は、一覧表82等を表示する。一方、図21に示すようにタブ80Bが選択された場合は、画面出力制御部66は、改善提案表示領域90等を表示する。なお、図20および図21では、タブ80A、80Bのうちの選択されたほうをハッチングで示している。
タブ80A、80Bをカーソル81で選択することが健診結果表示画面35の編集指示に該当する。この場合に発行される健診結果表示画面35の編集要求は、健診結果表示画面35の表示状態を、図20から図21の状態に、あるいはその逆の状態に切り替えよ、という内容である。
図20において、一覧表82は、対象患者の各測定項目の測定値をまとめたもので、健診結果の一種である。一覧表82の各測定項目は、身体測定、血圧測定といった医療検査毎、および脂質代謝、糖代謝、肝機能といった健康状態を判定するためのカテゴリ毎に分けられている。一覧表82には、各測定項目の上下限値、および前回の健診時の測定値と今回の健診時の測定値が表示される。一覧表82の横には、一度に表示しきれない測定項目および測定値をスクロール表示するための縦スクロールバー83が設けられている。
一覧表82の測定値のうち、高値異常の測定値には「H」を四角で囲んだ高値異常表示マーク84Aが表示され、低値異常の測定値には「L」を四角で囲んだ低値異常表示マーク84Bが表示される。これらの各マーク84A、84Bによって、どの測定値が異常で、異常項目が何であるかが一目で分かる。図20では、今回の健診で、LDLコレステロール、中性脂肪、HbA1cの3つの測定項目の測定値が高値異常である場合を例示している。
健診結果表示画面35には、一覧表82に加えて、受診者情報表示領域85、受診基本情報表示領域86、およびコメント表示領域87が設けられている。受診者情報表示領域85には、対象受診者の受診者ID、氏名、生年月日、年齢、性別が表示される。受診基本情報表示領域86には、受診した健診施設15の名称、受診日、健診のコースが表示される。コメント表示領域87には、今回の健診の測定値に対するコメントが表示される。
図21において、改善提案表示領域90には、異常項目、および異常項目に対応する改善行動で構成される改善提案91が表示される。改善提案91は、より具体的には、異常項目、改善行動、および改善した受診者の割合を繋げた文章である。例えば、異常項目が「中性脂肪」、改善行動が「週2日以上、30分以上の有酸素運動」、改善した受診者の割合が「90%」であった場合、改善提案91は、「あなたの異常項目の中性脂肪は、週2日以上、30分以上の有酸素運動を続けることで、90%の方が正常範囲に改善しています。」という文章になる。
健診結果表示画面35には、改善提案表示領域90に加えて、保健サービス企業16の広告バナー92を表示する広告バナー表示領域93が設けられている。広告バナー92はカーソル81で選択可能である。広告バナー92がカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面35とは別に、保健サービス企業16のウェブサイトの画面がウェブブラウザ上に表示される。
広告バナー92は、保健サービス企業16から表示データと表示条件が提供されてストレージデバイス40Bに格納されている。表示条件は、例えば異常項目、対象受診者の年齢、性別等を含む。画面出力制御部66は、表示条件に見合った広告バナー92を選択的に広告バナー表示領域93に表示する。図21では、表示条件に異常項目が含まれ、異常項目に関連性がある広告バナー92が画面出力制御部66で選択されて、広告バナー表示領域93に表示されている様子を示している。
図22は、図21に示す健診結果表示画面35を生成する際の抽出部65および画面出力制御部66の処理の詳細を示す。この場合、抽出部65は、LDLコレステロール、中性脂肪、HbA1c(いずれも高値異常)の3つの測定項目を異常項目として選定する。
ここで、導出結果格納テーブル56のLDLコレステロール(高値異常)には改善行動が登録されておらず、中性脂肪(高値異常)には「週2日以上、30分以上の有酸素運動」が、HbA1c(高値異常)には「糖質制限食(昼食、夕食)」が、それぞれ改善行動として登録されている。このため、抽出結果は、LDLコレステロール(高値異常)の改善行動は「なし」、中性脂肪(高値異常)の改善行動は「週2日以上、30分以上の有酸素運動」、HbA1c(高値異常)の改善行動は「糖質制限食(昼食、夕食)」となる。
図22に示す状況は、異常項目が複数あり、抽出部65で改善行動が抽出された異常項目と、抽出部65で改善行動が抽出されなかった異常項目である非抽出項目とがあった場合に該当する。抽出部65で改善行動が抽出された異常項目は、中性脂肪(高値異常)とHbA1c(高値異常)である。非抽出項目は、LDLコレステロール(高値異常)である。
この場合、画面出力制御部66は、改善提案91を、他よりも優先的に、または/および、他と識別可能な形態で出力する一態様として、改善提案91のみを出力し、非抽出項目は出力しない。すなわち、図22の例では、中性脂肪(高値異常)およびHbA1c(高値異常)に関する改善提案91のみを出力し、LDLコレステロール(高値異常)は出力しない。こうすることで、改善提案91を非抽出項目よりも優先的に出力したことになる。
なお、全ての異常項目について抽出部65で改善行動が抽出されなかった場合、つまり全ての異常項目が非抽出項目であった場合は、改善提案表示領域90に表示するものがない。したがってこの場合は、画面出力制御部66はタブ80Bを選択不可とする、あるいはタブ80B自体を表示しない。異常項目自体がなかった場合も同じである。
以下、上記構成による作用について、図23および図24のフローチャートを参照して説明する。まず、図23において、健診情報21および属性情報30と行動履歴23の送信要求の発行タイミングとなった場合(ステップST100でYES)、取得部60からサーバ群19に送信要求が発行される(ステップST101)。この送信要求に応じてサーバ群19から送信された健診情報21および属性情報30と行動履歴23が、取得部60で取得される(ステップST102、取得ステップ)。
健診情報21および属性情報30と行動履歴23は、取得部60から格納検索部61に出力される。そして、格納検索部61で統合情報26とされて統合情報DB25に格納される(ステップST103)。
統合情報DB25の統合情報26は、格納検索部61から導出部62に出力される。導出部62では、図11で示したように、統合情報26に対して統計的な分析がなされ、測定値が高値異常である場合と低値異常である場合の二通りについて、改善行動が導出される(ステップST104、導出ステップ)。この改善行動の導出結果は、導出部62から導出結果管理部63に出力され、導出結果管理部63によって導出結果格納テーブル56に格納される(ステップST105)。これら一連のステップST101~ST105は、定期的に訪れる送信要求の発行タイミングで繰り返し実施される。
導出部62は、測定値が高値異常である場合と低値異常である場合の二通りについて、改善行動を導出する。したがって、より対象受診者の健康状態に適合した改善提案91を出力することができる。
受診者、健診施設15のスタッフ、保健サービス企業16のスタッフといった利用者は、クライアント端末11を通じて健診結果出力サーバ12にアクセスして認証を行う。認証後、クライアント端末11のディスプレイ43Aのウェブブラウザ上には、受診者IDの入力画面が表示される。受診者IDの入力画面には、例えば受診者IDの入力ボックスと、健診結果表示画面35の配信指示をするための送信ボタンとが用意されている。入力ボックスに対象受診者の受診者IDが入力されて送信ボタンが選択された場合、クライアント端末11のブラウザ制御部51から健診結果出力サーバ12の受付部64に、対象受診者の受診者ID等を含む健診結果表示画面35の配信要求が発行される。
図24において、健診結果表示画面35の配信要求が受付部64で受け付けられた場合(ステップST110でYES)、まず、格納検索部61により、統合情報DB25から対象受診者の統合情報26が検索される(ステップST111)。次いで、図19で示したように、抽出部65により、対象受診者の健診情報21の各測定項目から異常項目が選定される(ステップST112)。異常項目が選定された場合(ステップST113でYES)、さらに抽出部65で、異常項目に対応する改善行動が抽出される(ステップST114、抽出ステップ)。
画面出力制御部66では、対象受診者の統合情報26や抽出部65の抽出結果に基づいて、健診結果表示画面35が生成される。健診結果表示画面35は配信要求の要求元のクライアント端末11に送信される(ステップST115、出力制御ステップ)。
健診結果表示画面35の配信要求の要求元のクライアント端末11では、健診結果出力サーバ12からの健診結果表示画面35がディスプレイ43Aに表示される。
異常項目があり、かつそれに対応する改善行動が抽出された場合、タブ80Bがカーソル81で選択可能となる。タブ80Bが選択された場合、健診結果表示画面35には、改善提案91のみが表示される。非抽出項目があった場合は、当該非抽出項目は健診結果表示画面35には表示されない。
非抽出項目は、行動してもあまり改善が見られない測定項目である。このため、非抽出項目のみを出力した場合、または非抽出項目と改善提案91を特に区別せずに出力した場合、対象受診者の行動に対するモチベーションが下がってしまう。対して本実施形態では、改善提案91を非抽出項目よりも優先的に出力するので、対象受診者の行動に対するモチベーションを高確率で上げることが可能となる。
保健指導を受けない対象受診者は、非抽出項目や改善提案91に対する保健指導員からの補足説明がない。このため、こうした保健指導を受けない対象受診者に対しては特に、改善提案91を、他よりも優先的に、または/および、他と識別可能な形態で出力する効果が高い。
非抽出項目は出力されないので、非抽出項目によって対象受診者の行動に対するモチベーションが下がってしまうということがない。改善提案91は、異常項目およびそれに対応する改善行動で構成される。したがって、対象受診者は、改善提案91を見ただけで、異常項目を改善するために自分がとるべき行動がすぐに分かる。具体的な改善行動が示されているので、行動を始めてみようという気が起きやすい。
本実施形態のように、改善した受診者の割合や広告バナー92を表示すれば、さらに改善行動への誘引作用が増す。なお、広告バナー92としては、改善行動への誘引作用をより高めるため、異常項目の実際の測定値を具体的に挙げたものを表示してもよい。
図25に示す健診結果表示画面95は、図21とは別の表示形態で、改善提案91を、他よりも優先的に、および他と識別可能な形態で出力するものである。健診結果表示画面95では、改善提案91と、非抽出項目96とが、同じ表示領域97に一括して識別可能に表示される。より詳しくは、表示領域97において、非抽出項目96よりも上部に改善提案91が表示され、かつ改善提案91と非抽出項目96を区切る境界線98が表示される。非抽出項目96は、非抽出項目の測定値の改善が自助努力では困難であることを示し、医師または保健指導員に相談することを促す文章である。
非抽出項目96よりも上部に改善提案91を表示することで、改善提案91を非抽出項目96よりも優先的に出力したことになる。また、改善提案91と非抽出項目96を区切る境界線98を表示することで、改善提案91を非抽出項目96と識別可能な形態で出力したことになる。こうした表示によっても、対象受診者の行動に対するモチベーションを高確率で上げることが可能となる。
なお、改善提案91を、非抽出項目96よりも優先的に、および非抽出項目96と識別可能な形態で出力する方法としては、改善提案91を太字および大きい文字サイズで表示し、非抽出項目96を細字および改善提案91よりも小さい文字サイズで表示する、改善提案91を太字かつ赤字、非抽出項目96を細字かつ黒字とする、等でもよい。
図26および図27に示す健診結果表示画面100は、図21および図25とはさらに別の表示形態で、改善提案91を、他よりも優先的に、および他と識別可能な形態で出力するものである。健診結果表示画面100では、改善提案91とは別の表示領域に、非抽出項目96が出力される。
より詳しくは、タブ80Bが選択された直後の図26に示す状態では、表示領域101には改善提案91のみが表示され、図25の表示領域97のように非抽出項目96は表示されない。代わりに非抽出項目96を表示するためのリンク102が表示領域101の下部に表示される。このリンク102がカーソル81で選択された場合、図27に示すように、非抽出項目96の表示ダイアログ105が健診結果表示画面100上にポップアップ表示される。表示ダイアログ105は、別の表示領域に相当する。表示ダイアログ105は、閉じるボタン106をカーソル81で選択することで表示が消える。
リンク102がカーソル81で選択される前は改善提案91のみを表示することで、改善提案91を非抽出項目96よりも優先的に出力したことになる。また、表示ダイアログ105で改善提案91とは別の表示領域に非抽出項目96を表示することで、改善提案91を非抽出項目96と識別可能な形態で出力したことになる。こうした表示によっても、対象受診者の行動に対するモチベーションを高確率で上げることが可能となる。
なお、リンク102がカーソル81で選択された場合に、図26から図25の健診結果表示画面95の表示形態に遷移してもよい。図21の健診結果表示画面35、図25の健診結果表示画面95、図26および図27の健診結果表示画面100の表示形態を、利用者が選択可能に構成してもよい。
このように、改善提案91は、他よりも優先的に、および他と識別可能な形態で出力されてもよいし、他よりも優先的に、または他と識別可能な形態で出力されてもよい。
[第1-2実施形態]
図28に示す第1-2実施形態では、格納検索部61は検索部として機能し、対象受診者に類似する受診者である類似受診者を検索する。導出部62は、類似受診者を、測定値の推移と行動の因果関係を統計的に分析する母集団とする。
上記第1-1実施形態では、導出部62は、格納検索部61からの全ての統合情報26について、測定値の推移と行動との因果関係を統計的に分析している。つまり、統計分析の母集団は対象患者を除く全ての受診者である。対して本第1-2実施形態では、統計分析の母集団を類似受診者に絞る。
図28において、格納検索部61は、対象受診者と測定値が類似する受診者、および対象受診者と属性が同じ受診者を、類似受診者として検索する。より詳しくは、格納検索部61は、対象受診者の測定値±α(αは予め設定された値)、および対象受診者の属性を検索条件として、統合情報DB25内の統合情報26を検索する。そして、検索条件を満たす統合情報26をもつ受診者を、類似受診者として導出部62に出力する。導出部62は、格納検索部61からの類似受診者の統合情報26について、測定値の推移と行動との因果関係を統計的に分析する。
検索条件とする測定値は、例えば異常範囲にある測定値である。また、検索条件とする属性は、例えば性別および年齢である。図28では、対象受診者の中性脂肪の測定値が異常範囲の200で、属性が男性、年齢が40歳代であった場合を例示している。なお、検索条件とする測定値は、異常範囲にある測定値に限定してもよいし、異常、正常関係なく全ての測定値でもよい。検索条件とする測定値を予め設定しておいてもよいし、利用者が設定可能としてもよい。検索条件とする属性も同様に、性別および年齢に限らない。図3で例示した住所、職業、体型、飲酒有無、喫煙有無、さらには既往症、アレルギー情報、遺伝情報等でもよい。
このように、格納検索部61で類似受診者を検索し、検索した類似受診者を、導出部62で測定値の推移と行動の因果関係を統計的に分析する母集団とするので、より対象受診者と健康状態が類似した受診者の改善行動を導出することができる。
なお、図28では、対象受診者と測定値が類似する受診者、および対象受診者と属性が同じ受診者を、類似受診者として検索しているが、対象受診者と測定値が類似する受診者、または対象受診者と属性が同じ受診者のいずれかを、類似受診者として検索してもよい。
[第1-3実施形態]
図29および図30に示す第1-3実施形態では、改善提案91が複数ある場合、異常項目の測定値が異常範囲から正常範囲となるのに掛かる改善所要期間が短い順に、改善提案を表示する。改善所要期間は、具体的には、図29にT1で示す、異常範囲にある測定値V1Aが測定された時点から、行動AC1を実施して測定値が正常範囲となったと推定される時点までの期間の平均値である。
図30は、改善提案91が複数ある場合、画面出力制御部66により、改善所要期間が短い順に、改善提案を表示する様子を示す図である。図30Aには、3つの改善提案91A~91Cと、それらの改善所要期間を示す。改善提案91Aは、異常項目I10および改善行動AC10で構成され、改善所要期間は6か月である。改善提案91Bは、異常項目I11および改善行動AC11で構成され、改善所要期間は1か月である。改善提案91Cは、異常項目I12および改善行動AC12で構成され、改善所要期間は3か月である。つまり、改善所要期間は、改善提案91B、91C、91Aの順に短い。
この場合、画面出力制御部66は、図30Bの健診結果表示画面35に示すように、改善所要期間が一番短い改善提案91Bを改善提案表示領域90の最上部に表示する。次いで改善提案91Cを表示し、改善所要期間が一番長い改善提案91Aを最下部に表示する。また、異常項目、改善行動、および改善した受診者の割合に加えて、改善所要期間を含めた文章とする。
このように、異常項目の測定値が異常範囲から正常範囲となるのに掛かる改善所要期間が短い順に改善提案91を表示するので、改善所要期間が短く効果が出やすい改善行動が一目で分かる。改善所要期間が長い改善行動が目立つと、対象受診者の行動に対するモチベーションが下がってしまう可能性があるが、そうしたことを防ぐことができる。
なお、図30では、それぞれ異常項目が異なる改善提案91A~91Cを例示したが、異常項目が同じで改善行動が異なる複数の改善提案についても、本実施形態は適用可能である。
[第1-4実施形態]
図31~図33に示す第1-4実施形態では、受付部64は回答受付部として機能し、改善行動が対象受診者のタイプに合っているか否かを見極めるための設問に対する回答を受け付ける。抽出部65で1つの異常項目に対応する改善行動が複数抽出された場合、画面出力制御部66は、複数の改善行動のうち、受付部64で受け付けた回答に応じた改善行動を、改善提案91として出力する。
画面出力制御部66は、タブ80Bの選択に応じて改善提案91を表示する前に、図31に示す設問回答ダイアログ110を表示させる。設問回答ダイアログ110には、4つの回答ボタン111A、111B、111C、111DとOKボタン112が設けられている。これらはカーソル81で選択することが可能である。
回答ボタン111A~111Dは、改善行動が対象受診者のタイプに合っているか否かを見極めるための設問に対する回答をするためのボタンである。回答ボタン111A~111Dは、いずれか1つを選択することが可能である。回答ボタン111Aが選択されてOKボタン112が選択された場合は、運動が苦手である旨の回答が受付部64で受け付けられる。同様に、回答ボタン111Bの場合はお酒が大好きである旨、回答ボタン111Cの場合はアクティブである旨、回答ボタン111Dの場合は栄養の偏りを感じている旨のそれぞれの回答が受付部64で受け付けられる。
図32に示す表115は、抽出部65で1つの異常項目に対応する改善行動が複数抽出された場合に、画面出力制御部66がしたがう回答毎の改善行動の出力条件を示す。回答が「運動が苦手」であった場合の出力条件は、「運動に係る行動は除外」である。同様に、回答が「お酒大好き」であれば「禁酒は除外」、回答が「アクティブ」であれば「運動に係る行動を優先的に出力」、回答が「栄養の偏りを感じる」であれば「栄養補助食品の購入に係る行動を優先的に出力」である。
図33は、回答が「運動が苦手」であった場合の例である。抽出部65からは、1つの異常項目I20に対応する改善行動として、行動AC20(運動系)、AC21(食事系)、AC22(食事系)の計3つが抽出されている。この場合、画面出力制御部66は、表115の回答「運動が苦手」に対する出力条件「運動に係る行動は除外」にしたがって、行動AC20(運動系)を除外する。このため、健診結果表示画面35の改善提案表示領域90には、行動AC21(食事系)、AC22(食事系)の改善提案91は表示されるが、行動AC20(運動系)の改善提案91は表示されない。
このように、改善行動が対象受診者のタイプに合っているか否かを見極めるための設問に対する回答を受け付け、抽出部65で1つの異常項目に対応する改善行動が複数抽出された場合に、複数の改善行動のうち、回答に応じた改善行動を改善提案として出力するので、対象受診者のタイプに適合した改善提案91を出力することができ、対象受診者は自分のタイプに合った改善提案91を簡単に見つけて採用することができる。
一般的な性格診断テストのように複数の設問にアンケート形式で次々と回答させ、運動に係る行動、食事に係る行動、栄養補助食品の購入に係る行動のいずれに適性があるかを判断してもよい。また、「持久走が好き」、「筋肉質になりたい」といった運動の細部にわたる設問を用意し、その回答に応じて、運動に係る行動のうちの有酸素運動と無酸素運動のいずれを優先的に出力するかを決定する等、改善行動の出力条件をより細かく設定してもよい。
なお、この場合も上記第1-3実施形態と同様に、改善提案91が複数ある場合は、改善所要期間が短い順に表示することが好ましい。
[第1-5実施形態]
図34および図35に示す第1-5実施形態では、受付部64は指定受付部として機能し、測定項目の指定を受け付ける。抽出部65は、改善提案91に加えて、受付部64で受け付けた測定項目である指定項目に対応する改善行動を抽出する。画面出力制御部66は、健診結果として、指定項目、および指定項目に対応する改善行動を出力する。
図34において、本実施形態の健診結果表示画面120は、タブ80Bが選択された直後の状態では、表示領域121には改善提案91のみが表示される。表示領域121の下部には、測定項目を指定するためのリンク122が表示される。このリンク122がカーソル81で選択された場合、測定項目の指定ダイアログ123が健診結果表示画面120上にポップアップ表示される。
指定ダイアログ123には、測定項目の入力ボックス124と、指定ボタン125と、閉じるボタン126とが設けられている。入力ボックス124に測定項目が入力された状態で指定ボタン125が選択された場合、入力ボックス124の測定項目が指定項目として受付部64で受け付けられる。なお、閉じるボタン126がカーソル81で選択された場合は、指定ダイアログ123の表示が消える。
図35は、指定項目として測定項目I31が指定され、これに対応する改善行動としてAC31が抽出部65で抽出された場合を例示している。この場合、画面出力制御部66は、異常項目I30および改善行動AC30で構成される改善提案91に加えて、指定項目I31および改善行動AC31で構成される指定改善提案130も、健診結果として表示領域121に表示させる。指定改善提案130は、改善提案91と同様に、指定項目、改善行動、および改善した受診者の割合を繋げた文章である。
このように、測定項目の指定を受け付け、この指定を受け付けた測定項目である指定項目に対応する改善行動を抽出し、指定項目、および指定項目に対応する改善行動を出力するので、異常項目に対応する改善行動だけでなく、利用者が特に知りたい指定項目に対応する改善行動も表示することができる。異常項目ではないが、利用者が普段から気になっている測定項目がある場合に、気軽に改善行動を確認することができる。
[第1-6実施形態]
図36および図37に示す第1-6実施形態では、導出部62は、測定値に有意な改善が見られなかった場合に実施した行動である非改善行動も導出する。抽出部65は、異常項目に対応する非改善行動も抽出する。画面出力制御部66は、異常項目に対応する非改善行動も出力する。
図36において、上記第1-1実施形態の図11で示したのと同じく、導出部62は、行動毎に統計表70を作成する。導出部62は、改善した受診者の割合80%以上の導出条件を満たす行動を改善行動として導出する。また、導出部62は、改善した受診者の割合20%未満の導出条件を満たす行動を非改善行動として導出する。
図36では、行動AC40と行動AC41の統計表70が例示されている。測定項目I40の改善した受診者の割合は、行動AC40が95%、行動AC41が15%である。したがってこの場合、導出結果として示すように、改善した受診者の割合が95%である行動AC40が測定項目I40の改善行動として導出される。また、改善した受診者の割合が15%である行動AC41が測定項目I40の非改善行動として導出される。
本実施形態の導出結果格納テーブル135には、改善行動に加えて非改善行動が登録される。図36では、測定項目I40の改善行動に行動AC40が、非改善行動に行動AC41がそれぞれ登録されている。
抽出部65は、抽出結果として示すように、導出結果格納テーブル135を参照して、異常項目に対応する改善行動に加えて、異常項目に対応する非改善行動も抽出する。図36では、測定項目I40が異常項目として選定され、改善行動として行動AC40、非改善行動として行動AC41がそれぞれ抽出された場合を例示している。
改善行動および非改善行動を含む抽出結果を受けて、画面出力制御部66は、図37に示す健診結果表示画面140を出力する。健診結果表示画面140の表示領域141には、改善提案91に加えて、健診結果として行動変更提案142が表示される。行動変更提案142は、異常項目、非改善行動を含み、非改善行動が異常項目の改善に効果があまりないので、他の行動に変更すべき旨の文章である。図37では、図36に引き続いて、異常項目が測定項目I40で、改善行動がAC40、非改善行動がAC41の場合を例示している。
このように、導出部62が非改善行動も導出し、抽出部65が非改善行動も抽出し、画面出力制御部66が非改善行動も出力するので、異常項目の改善効果があまり期待できない行動が一目で分かる。対象受診者が今まで非改善行動を実施していた場合は、非改善行動をやめて他の効果が期待できる行動に変更するきっかけになる。
[第1-7実施形態]
図38~図40に示す第1-7実施形態では、画面出力制御部66は、健診結果として、測定値に基づき判定された対象受診者の健康状態のレベルを出力する。また、画面出力制御部66は、健康状態のレベルに加えて、対象受診者と属性が同じ受診者に係る数値を出力する。
各受診者のレベルの判定機能は、導出部62が担う。導出部62は、例えば図38に示す表145にしたがって、最新の健診における各受診者のレベルを判定する。すなわち、最新の健診情報21の各測定項目において異常項目が選定されなかった場合(異常項目が0個の場合)はレベルをAと判定する。同様に、異常項目が1個または2個選定された場合はB、3個または4個選定された場合はC、5個以上選定された場合はDとそれぞれ判定する。つまり、健康状態はレベルAが最良で、レベルDが最悪である。導出部62は、レベルの判定結果を格納検索部61に出力する。格納検索部61は、レベルの判定結果を属性情報30に記録する。
格納検索部61は、各受診者の属性情報30に記録されたレベルの判定結果に基づいて、図39に示す表147を作成する。表147は、性別および年齢の属性別に、レベルA~Dの各々に該当する人数をカウントして記録したものである。
画面出力制御部66は、属性情報30に記録されたレベルの判定結果、および表147に基づいて、図40に示す健診結果表示画面150を出力する。健診結果表示画面150は、タブ80A、80Bに加えて、タブ80Cを備えている。タブ80Cがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面150には、レベル判定結果サマリー151と棒グラフ152とが表示される。
レベル判定結果サマリー151は、対象受診者の健康状態のレベル、対象受診者と属性が同じ受診者の総人数、当該受診者のうち、対象受診者とレベルが同じ者の人数等を含む文章である。棒グラフ152は、対象受診者と属性が同じ受診者について、各レベルA~Dに該当する人数を、棒153の高低および棒153内の数値で表したものである。棒153は、各レベルA~Dで異なる色に着色(例えばレベルAが青色、レベルBが緑色、レベルCが黄色、レベルDが赤色等)されている。対象受診者のレベルに対応する棒153の上部には、対象受診者が当該レベルであることを示す吹き出し154が表示される。
レベル判定結果サマリー151の対象受診者と属性が同じ受診者の総人数と、対象受診者とレベルが同じ者の人数は、対象受診者と属性が同じ受診者に係る数値に相当する。また、棒グラフ152の各レベルA~Dに該当する人数を表す数値も、対象受診者と属性が同じ受診者に係る数値に相当する。
このように、健診結果として対象受診者の健康状態のレベルを出力するので、対象受診者がどういった健康状態にあるのかが一目で分かる。また、対象受診者と属性が同じ受診者に係る数値を出力するので、属性が同じ受診者の中で、対象受診者の健康状態がどういった位置付けにあるのかも一目で分かる。レベルが悪ければ、対象受診者にこのままではいけないという危機感を植え付けることができ、改善行動の実施にも繋がる。
なお、次に説明する第1-8実施形態のように、脂質代謝、糖代謝、肝機能といったカテゴリ毎にレベルを判定し、カテゴリ毎にタブ80Cを設けて、カテゴリ毎にレベルを出力してもよい。
[第1-8実施形態]
図41および図42に示す第1-8実施形態では、画面出力制御部66は、健診結果として健康状態表示マップを出力する。
図41において、本実施形態の健診結果表示画面160は、タブ80A、80Bに加えて、タブ80Dを備えている。タブ80Dがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面160には、健康状態表示マップ161とコメント確認アイコン162とが表示される。
健康状態表示マップ161は、横軸の第1軸163と、第1軸163と直交する縦軸の第2軸164と、円形のマーク165と、比較矢印166とを有する。第1軸163には、対象受診者の健康状態の複数段階のレベルA~Dが並べられている。上記第1-7実施形態と同じく、健康状態はレベルAが最良で、レベルDが最悪である。
第2軸164には、対象受診者の健康状態を判定するための複数のカテゴリが並べられている。カテゴリには、肥満度、脂質代謝、血圧、糖代謝、肝機能、および腎機能その他がある。各カテゴリのレベルは、1つまたは複数の測定項目の測定値に基づいて導出部62で判定される。例えば肥満度はBMI、脂質代謝は総コレステロールとHDLコレステロールとLDLコレステロールと中性脂肪、血圧は血圧(上)(下)、糖代謝は空腹時血糖とHbA1cに基づいてそれぞれレベルが判定される。この導出部62による各カテゴリのレベルの判定結果は格納検索部61に出力され、格納検索部61により属性情報30に記録される。
第2軸164において、レベルがCまたはDのカテゴリ(図41では脂質代謝と血圧)は、ハッチングで示すように、レベルがAまたはBのカテゴリと識別可能に表示される。
マーク165は、第1軸163のレベルと第2軸164のカテゴリの交点に表示される。マーク165は、その大きさで、対象受診者と属性が同じ受診者の人数の多寡を表現している。すなわち、マーク165が大きい程、当該カテゴリの当該レベルに属する受診者の人数が多い。例えば肥満度のカテゴリにおいては、レベルB、レベルA、レベルC、レベルDの順にマーク165が小さいので、受診者の人数もレベルB、レベルA、レベルC、レベルDの順に少ないことが分かる。なお、属性は、性別および年齢である。
マーク165は、上記第1-7実施形態の棒153と同じく、各レベルA~Dで異なる色に着色(例えばレベルAが青色、レベルBが緑色、レベルCが黄色、レベルDが赤色等)されている。また、マーク165には、色の濃度が濃いマーク165Aと、色の濃度が薄いマーク165Bとがある。色の濃度が濃いマーク165Aは、対象受診者のレベルに該当する交点に配置される。一方、色の濃度が薄いマーク165Bは、対象受診者のレベルに該当する交点以外に配置される。図41では、対象受診者のレベルが、肥満度および糖代謝がA、肝機能および腎機能その他がB、脂質代謝および血圧がCであった場合を例示している。
比較矢印166は、前回の健診から、各カテゴリのレベルが良化したか悪化したかを示すものである。比較矢印166には、前回の健診と今回の健診でレベルが同じであることを示す比較矢印166A(右横を示す)と、今回の健診でレベルが良化したことを示す比較矢印166B(右上を示す)と、今回の健診でレベルが悪化したことを示す比較矢印166C(右下を示す)とがある。
コメント確認アイコン162は、対象受診者と各カテゴリのレベルが類似(一致も含む)する受診者のコメントを確認する際にカーソル81で選択される。コメント確認アイコン162には、対象受診者と各カテゴリのレベルが類似する受診者の顔写真のサムネイル167と、当該受診者の健康状態表示マップ161のサムネイル168とが表示される。
コメント確認アイコン162がカーソル81で選択された場合、図42に示すコメント表示ダイアログ170が健診結果表示画面160上にポップアップ表示される。コメント表示ダイアログ170には、コメント確認アイコン162と同じく、サムネイル167、168が表示される。また、コメント表示ダイアログ170には、吹き出し171と閉じるボタン172が表示される。吹き出し171内には、対象受診者と各カテゴリのレベルが類似する受診者のコメントや、受診者が推奨するウェブサイトのリンク173が表示される。コメント表示ダイアログ170は、閉じるボタン172をカーソル81で選択することで表示が消える。
コメントはクライアント端末11を介して入力され、受付部64で受け付けられて格納検索部61により属性情報30に予め記録されている。対象受診者と各カテゴリのレベルが類似する受診者は、格納検索部61が検索する。
このように、健診結果として、対象受診者の健康状態のレベルが並べられた第1軸163と、健康状態を判定するための複数のカテゴリが並べられた第2軸164と、対象受診者のレベル、および対象受診者と属性が同じ受診者の人数の多寡を表現するマーク165とを有する健康状態表示マップ161を出力するので、対象受診者のカテゴリ別の健康状態が一目で分かり、かつ属性が同じ受診者の中で、対象受診者のカテゴリ別の健康状態がどういった位置付けにあるのかも一目で分かる。
比較矢印166を表示するので、前回の健診と同じレベルのカテゴリ、今回の健診でレベルが良化または悪化したカテゴリが一目で分かる。今回の健診でレベルが悪化したことを示す比較矢印166Cが表示されたカテゴリの測定項目を含む改善提案91がなされた場合は、前回の健診時のレベルに戻したいという心理が働くので、より改善行動に対するモチベーションが上がる。なお、上記第1-7実施形態の図40に示す健診結果表示画面150に、比較矢印166を表示してもよい。
対象受診者と各カテゴリのレベルが類似する受診者のコメントを表示するので、当該受診者に倣って行動を起こそうというきっかけを対象受診者に与えることができる。コメントと一緒に受診者の顔写真のサムネイル167も表示すれば、コメントの信頼性が増すのでより好ましい。なお、画像投稿サイトやつぶやき投稿サイトのように、各カテゴリのレベルが類似する受診者の中から特定の受診者をフォローする仕組みを設けてもよい。
上記第1-2実施形態において、各カテゴリのレベルを検索条件として、各カテゴリのレベルが類似する受診者を類似受診者として検索してもよい。
カテゴリの種類やレベルの数は、図41に例示したものに限らない。また、第1軸163を縦軸、第2軸164を横軸としてもよい。
マーク165は円形に限らない。また、マーク165で対象受診者のレベルを表現する方法としては、対象受診者のレベルに該当する交点に配置されるマーク165は枠で囲い、それ以外の交点に配置されるマーク165は枠で囲わない等、色の濃度を変更する他にも様々な方法を採用することができる。同様に、マーク165で対象受診者と属性が同じ受診者の人数の多寡を表現する方法としては、大きさを変更する代わりに、マーク165内に人数を示す数値を表示する等してもよい。
[第1-9実施形態]
図43~図45に示す第1-9実施形態では、画面出力制御部66は、対象受診者と属性が同じ受診者の全てを母集団とする健康状態表示マップである第1マップと、対象受診者と属性が同じ受診者のうち、行動を実施した者に母集団を限定した健康状態表示マップである第2マップとを表示切替え可能に出力する。
図43~図45において、本実施形態の健康状態表示マップ175には、カーソル81で択一的に選択可能な切替ボタン176A、176B、176Cが設けられている。これら切替ボタン176A~176Cは、対象受診者と属性が同じ受診者の全てを母集団とする健康状態表示マップ175である第1マップ175Aと、対象受診者と属性が同じ受診者のうち、行動を実施した者に母集団を限定した健康状態表示マップ175である第2マップ175B、175Cとを表示切替えするためのボタンである。すなわち、切替ボタン176Aが選択された場合は図43に示す第1マップ175A、切替ボタン176Bが選択された場合は図44に示す第2マップ175B、切替ボタン176Cが選択された場合は図45に示す第2マップ175Cがそれぞれ表示される。なお、切替ボタン176A~176Cのうち、選択されたものは、ハッチングで示すように他と識別可能に表示される。
図43の第1マップ175Aは、上記第1-8実施形態の図41で示した健康状態表示マップ161と同じである。図44の第2マップ175Bは、対象受診者と属性が同じ受診者のうち、運動に係る行動を実施した受診者に母集団を限定したものである。図45の第2マップ175Cは、対象受診者と属性が同じ受診者のうち、食事に係る行動を実施した受診者に母集団を限定したものである。第2マップ175B、175Cには、比較矢印166は表示されない。図44および図45では、第2マップ175B、175Cともに、第1マップ175AよりもレベルA、Bに該当する人数が多く、かつ第1マップ175AよりもレベルC、Dに該当する人数が少ない場合を例示している。
このように、第1マップ175Aと第2マップ175B、175Cとを表示切替え可能に出力するので、行動を実施した場合に各カテゴリの健康状態のレベルがどう変わるかを、簡単に予想することができる。本例のように、行動を実施した場合に各カテゴリの健康状態のレベルが良化する傾向にあれば、対象受診者の行動に対するモチベーションを上げることができる。
上記第1-7~第1-9実施形態においては、上記第1-2実施形態と同じく、属性は性別および年齢に限らず、住所、職業、体型、飲酒有無、喫煙有無、既往症、アレルギー情報、遺伝情報等でもよい。
[第1-10実施形態]
図46および図47に示す第1-10実施形態では、現在の生活習慣から改めるべきと思われる改善目標を対象受診者に設定させ、設定された改善目標に応じた罹患率を健診結果として出力する。
図46において、本実施形態の健診結果表示画面180は、タブ80A、80Bに加えて、タブ80Eを備えている。タブ80Eがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面180には、改善目標設定領域181と罹患率表示領域182とが表示される。
改善目標設定領域181には、複数のプルダウンメニュー183が設けられている。プルダウンメニュー183は、食事、運動、タバコ、お酒、睡眠に分類されている。例えば食事には、朝食を食べる頻度、1日の摂取カロリー、1日の間食の回数、1回の食事に掛ける時間をそれぞれ設定するためのプルダウンメニュー183が配されている。図46に示すタブ80Eが選択された直後の状態では、プルダウンメニュー183は、問診時に対象受診者が答えた内容を設定した状態である。
罹患率表示領域182には、罹患率表示バー184と現在罹患率表示ボックス185Aと設定後罹患率表示ボックス185Bとが設けられている。罹患率表示バー184は横長帯状であり、左端が罹患率0%、右端が罹患率100%である。罹患率表示バー184の下部には、三角矢印状の現在罹患率表示マーク186Aが配されている。現在罹患率表示ボックス185Aには、対象受診者の現在の罹患率(現在罹患率)が表示される。一方、設定後罹患率表示ボックス185Bには、改善目標を設定した後の対象受診者の罹患率(設定後罹患率)が表示される(図47B参照)。図46はタブ80Eが選択された直後の状態であるため、設定後罹患率表示ボックス185Bは空欄となっている。
ここで、現在罹患率は、例えば上記第1-2実施形態の手法で、プルダウンメニュー183で示される問診の内容も加味して検索した対象受診者の類似受診者が、生活習慣病等の疾患に罹っている率である。また、設定後罹患率は、対象受診者が設定した改善目標と同じ改善目標を掲げて所定期間(例えば1年)実施した上記類似受診者が、疾患に罹っている率である。
図47に示すように、設定後罹患率表示ボックス185Bの表示は、プルダウンメニュー183の設定を変更することで、リアルタイムで切り替わる。図47Aはプルダウンメニュー183の設定を変更する前、図47Bは変更した後をそれぞれ示す。図47Bにおいて、罹患率表示バー184の下部には、現在罹患率表示マーク186Aに加えて、設定後罹患率表示マーク186Bが出現する。図47では、タバコの1日の本数を15本から0本に変更した結果、現在罹患率80%から設定後罹患率50%となった例を示している。
このように、対象受診者が設定した改善目標に応じた罹患率を出力するので、現在の生活習慣から、どういったところを変えれば、どういった効果があるかがすぐに分かる。対象受診者が行動を起こすモチベーションを上げることができる。
なお、罹患率の代わりに、上記第1-7~第1-9実施形態のレベルを表示してもよい。この場合、ある特定のカテゴリの現在のレベルと、設定後の予想されるレベルとを表示する。あるいは、特定の測定項目の現在の測定値と設定後の予想される測定値とを表示してもよい。
[第1-11実施形態]
図48および図49に示す第1-11実施形態では、同一家族内で矛盾しない改善提案91を出力する。
図48は、本実施形態の導出結果格納テーブル190である。すなわち、総コレステロールが高値異常の場合は「青魚を週2日以上食べる」、「レバーを食べない」、「豆乳を毎日飲む」が、尿酸値が高値異常の場合は「青魚を食べない」、「豆乳を毎日飲む」が、赤血球数が高値異常の場合は「レバーを週2日以上食べる」が、それぞれ改善行動として登録されている。
ここで、図49に示すように、同一家族である父親が総コレステロール高値異常、母親が尿酸値高値異常、赤血球数高値異常であった場合を考える。この場合、何の制約もなければ、図49Aに示すように、抽出部65は、導出結果格納テーブル190にしたがい、父親に対しては、改善行動「青魚を週2日以上食べる」、「レバーを食べない」、および「豆乳を毎日飲む」を抽出する。一方、母親に対しては、改善行動「青魚を食べない」、「レバーを週2日以上食べる」、および「豆乳を毎日飲む」を抽出する。そうすると、父親の改善行動「青魚を週2日以上食べる」と母親の改善行動「青魚を食べない」が矛盾する。同じく、父親の改善行動「レバーを食べない」と母親の改善行動「レバーを週2日以上食べる」も矛盾する。これらの矛盾する改善行動を含む改善提案91をそのまま出力してしまうと、どういった食事にしたらいいのか迷ってしまう。
こうした同一家族内の改善行動の矛盾を避けるため、本実施形態の画面出力制御部66は、図49Bに示すように、矛盾する改善行動を除外して改善提案91を出力する。図49Bでは、父親の改善行動「青魚を週2日以上食べる」、「レバーを食べない」と母親の改善行動「青魚を食べない」、「レバーを週2日以上食べる」を除外し、「豆乳を毎日飲む」のみを出力する場合を例示している。
このように、同一家族内で矛盾しない改善提案91を出力するので、対象受診者がどういった行動をとればいいか迷うことがなくなる。
[第1-12実施形態]
図50に示す第1-12実施形態では、対象受診者のスケジュールと絡めて改善提案91を出力する。
図50において、本実施形態の健診結果表示画面195は、タブ80A、80Bに加えて、タブ80Fを備えている。タブ80Fがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面195には、スケジューラ196と改善ポイント表示ダイアログ197とが表示される。
スケジューラ196には、対象受診者が自ら登録した1日のスケジュールが表示される。スケジュールには、朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯、掃除、買い物等がある。なお、この他にも通勤、帰宅、仕事等がある。改善ポイント表示ダイアログ197には、対象受診者がスケジュールの中で無理なく取り組めそうな改善行動の情報(改善ポイント)が表示される。
図50は、買い物のスケジュールと絡めて、改善行動として60分以上の有酸素運動を勧める改善ポイントの例である。より詳しくは、改善ポイント表示ダイアログ197には、徒歩または自転車で普段より遠回りして買い物に行くことを推奨する文章と、普段の遠回りしない場合の消費カロリーと遠回りした場合の消費カロリーの対比とが記載されている。
このように、スケジュールと絡めて改善提案91がなされれば、対象受診者は日常のスケジュールの中で無理なく改善行動に取り組むことができる。なお、改善ポイントとしては、ご飯のスケジュールと絡めて食事に係る改善行動を推奨するといった内容でもよい。
測定値の改善目標の数値を入力させ、改善目標の数値とするために最適な行動を改善行動として出力してもよい。この場合、各測定項目の測定値の改善目標の数値に応じた改善行動を予め導出部62で導出しておく。なお、この場合も上記第1-3実施形態と同様に、改善提案91が複数ある場合は、改善所要期間が短い順に表示することが好ましい。
改善提案91で出力した改善行動を所定期間実施しているにも関わらず、改善効果が一向に表れない対象受診者は、何らかの疾患に罹っていることが原因でそうなっている可能性が高い。そこで、そうした対象受診者に対しては、保健指導を受けること、または医師の診断を受けることを促すメッセージを健診結果表示画面に表示することが好ましい。
対象受診者と同じような改善行動(例えば有酸素運動)を実施している受診者を類似受診者として格納検索部61で検索してもよい。この場合、検索した受診者を改善行動の頻度や強度で複数のグループ(例えば週2日30分の有酸素運動を実施しているグループと週3日1時間の有酸素運動を実施しているグループ)に分け、グループ毎に測定値の改善度合いを表示する。こうすれば、行動の頻度や強度をどう上げればどういった効果があるのかが一目で分かるため好ましい。
異常項目の測定値の推移を示す折れ線グラフに、対象受診者の行動履歴23を重ねて表示してもよい。こうすれば、どういった行動が実際に測定値の良化に貢献したのかが一目で分かり、対象受診者自らが自分に合った改善行動を導出することができる。このため、例えば広告バナー92にしたがって購入した栄養補助食品が測定値の良化に貢献していないと判断した場合に、当該栄養補助食品の購入を中止する等、あまり広告に流されずに実施すべき改善行動を取捨選択することができる。
対象受診者の全身写真を属性情報30に登録しておき、改善行動実施前と実施後の全身写真を比較可能に表示してもよい。この場合、両目頭間の距離等を基準に、改善行動実施前と実施後の全身写真のスケールを画像処理等で合わせる。そして、改善行動実施前と実施後とで、体重、BMI、腹囲、腕回り、太もも回り等の各測定値の変化度合い(体重5%減、腹囲-10cm等)を表示する。
行動履歴23の提供の見返りとして、データセンター24から、健診結果出力サーバ12を介して、保健サービス企業16に健診情報21を無償提供してもよい。一方、行動履歴23の提供をせずに、健診情報21の提供のみを希望する保健サービス企業16に対しては、有償で健診情報21を提供することが好ましい。こうすれば、保健サービス企業16に行動履歴23を提供するインセンティブが働き、より行動履歴23がデータセンター24に集まりやすくなる。
健診情報21に加えて、異常項目の情報や改善提案91、類似受診者の情報、改善行動前後の測定値の変化量の平均値等を保健サービス企業16に提供してもよい。これら各情報の活用方法は、保健サービス企業16に委ねればよい。
健診情報21だけでなく、行動履歴23も保健サービス企業16に提供してもよい。この場合、例えばフィットネスジムからの行動履歴23を献立提供サイトの運営会社に提供する等、業種が異なる保健サービス企業16の行動履歴23を提供することが考えられる。この場合、業種が異なる保健サービス企業16の行動履歴23は、提供先の保健サービス企業16ではそのままでは理解できない。このため、業種が異なる保健サービス企業16の行動履歴23に関しては、提供先でも内容が分かるように、テキスト情報に変換して提供することが好ましい。
行動履歴23は、クライアント端末11Aを介して受診者が直接入力してもよい。
2.第2発明
図51~図61に示す第2発明では、画面出力制御部66は、健診結果として、正規化測定値を測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフを出力する。格納検索部61は、標準化測定値をパラメータとして、対象受診者と類似受診者の候補との類似度を算出する。なお、以下では、上記第1発明と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図51において、第2発明の健診結果出力サーバ200のストレージデバイス40Bには、作動プログラム201が格納されている。作動プログラム201は、健診結果出力サーバ200を構成するコンピュータを、健診結果出力装置として機能させるためのアプリケーションプログラムである。
作動プログラム201が起動されると、健診結果出力サーバ200のCPU42Bは、メモリ41等と協働して、上記第1発明の取得部60、格納検索部61、受付部64、および画面出力制御部66に加えて、標準化処理部205および正規化処理部206として機能する。この場合、格納検索部61は、統合情報DB25に格納する統合情報26に含まれる健診情報21を、標準化処理部205および正規化処理部206に出力する。
図52に模式的に示すように、標準化処理部205は、複数の測定値Vのそれぞれを、健診の複数の受診者の測定値Vの平均値V(μ)と標準偏差V(σ)を用いて標準化測定値V(Z)とする標準化処理機能を担う。より具体的には、標準化処理部205は、1年のうちで同じ時期に測定した受診者の測定値Vの平均値V(μ)と標準偏差V(σ)を、測定項目毎に算出する。ここで同じ時期とは、季節変動によって測定値Vに有意なばらつきが生じない期間であり、例えば図2で示したように同じ月の同じ週の同じ曜日等である。
標準化処理部205は、下記式(2)により標準化測定値V(Z)を算出する。
V(Z)={V-V(μ)}/V(σ)・・・(2)
例えば標準化処理する測定値Vが100で、平均値V(μ)が130、標準偏差V(σ)が1.5であった場合、標準化測定値V(Z)は、
V(Z)=(100-130)/1.5=-20
となる。標準化処理部205は、こうして算出した標準化測定値V(Z)を、格納検索部61に受け渡す。
式(2)から明らかなように、標準化測定値V(Z)は、標準化処理の対象の測定値Vから、母集団である同じ時期に測定した測定値Vの平均値V(μ)を減算し、その結果をさらに母集団である同じ時期に測定した測定値Vの標準偏差V(σ)で除算したものである。標準化測定値V(Z)はZ値とも呼ばれる。標準化測定値V(Z)は、測定値Vが平均値V(μ)と等しい場合に0となる。また、標準化測定値V(Z)は、測定値Vが平均値V(μ)からかけ離れている程、絶対値が大きくなる。
正規化処理部206は、複数の測定値Vのそれぞれを、正常範囲の上限値ULおよび下限値LLが各測定項目で一律同じ値となる正規化測定値V(N)とする正規化処理機能を担う。具体的には図53に示すように、正規化処理部206は、上限値ULおよび下限値LLを平均値V(μ)および標準偏差V(σ)を用いて標準化上限値UL(Z)および標準化下限値LL(Z)とする。そして、標準化上限値UL(Z)および標準化下限値LL(Z)に応じて標準化測定値V(Z)を正規化測定値V(N)とする。
さらに詳しくは、正規化処理部206は、標準化測定値V(Z)と同様、下記式(3)、(4)に示すように、各測定項目の上限値ULおよび下限値LLを、標準化上限値UL(Z)および標準化下限値LL(Z)とする。
UL(Z)={UL-V(μ)}/V(σ)・・・(3)
LL(Z)={LL-V(μ)}/V(σ)・・・(4)
なお、上限値ULまたは下限値LLのいずれか一方のみが設定された測定項目については、正規化処理部206は設定されたもののみを標準化する。
例えば総コレステロールの測定値の平均値V(μ)が180で、標準偏差V(σ)が2であった場合、図20によれば、総コレステロールの上限値ULは219、下限値LLは150であるので、標準化上限値UL(Z)、標準化下限値LL(Z)は、
UL(Z)=(219-180)/2=19.5
LL(Z)=(150-180)/2=-15
となる。
正規化処理部206は、各測定項目の標準化上限値UL(Z)と標準化下限値LL(Z)の中間値(標準化した正常範囲の中心値)が0となり、かつ各測定項目の標準化上限値UL(Z)および標準化下限値LL(Z)が一律同じ値、例えば標準化上限値UL(Z)=1、標準化下限値LL(Z)=-1となるようにする。そのために、正規化処理部206は、標準化測定値V(Z)から、標準化上限値UL(Z)と標準化下限値LL(Z)の中間値を減算する。次いで、標準化測定値V(Z)から中間値を減算した値を、標準化上限値UL(Z)から中間値を減算した値で除算して正規化測定値V(N)を算出する。すなわち、標準化上限値UL(Z)と標準化下限値LL(Z)の中間値をIVとした場合、下記式(5)により正規化測定値V(N)を算出する。
V(N)={V(Z)-IV}/{UL(Z)-IV}・・・(5)
標準化上限値UL(Z)が20、標準化下限値LL(Z)が-10であった場合を考える。この場合、中間値IVは(20-10)/2=5である。この値5を0とするためには、標準化上限値UL(Z)を、20から5を減算した15、標準化下限値LL(Z)を、-10から5を減算した-15に変更すればよい。そして、この変更した標準化上限値UL(Z)および標準化下限値LL(Z)を一律同じ値、すなわち標準化上限値UL(Z)=1、標準化下限値LL(Z)=-1とするためには、15で除算すればよい。したがって、例えば標準化測定値V(Z)が9.5であった場合、正規化測定値V(N)は、
V(N)=(9.5-5)/(20-5)=0.3
となる。正規化処理部206は、こうして算出した正規化測定値V(N)を、格納検索部61に受け渡す。
格納検索部61は、標準化処理部205からの標準化測定値V(Z)、および正規化処理部206からの正規化測定値V(N)を、健診情報21の測定値Vと関連付けて統合情報26に登録する。また、格納検索部61は、受付部64からの健診結果表示画面210(図54参照)の配信要求に応じて、対象受診者の最新の正規化測定値V(N)を画面出力制御部66に出力する。
図54において、本実施形態の健診結果表示画面210は、タブ80A、80Bに加えて、タブ80Gを備えている。タブ80Gがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面210には、折れ線グラフ211と検索ボタン212とが表示される。
図55に示すように、折れ線グラフ211は、横軸に測定項目、縦軸に正規化測定値V(N)を割り当てたもので、対象受診者の最新の正規化測定値V(N)を測定項目毎にプロットして線で結んだものである。折れ線グラフ211の右側には、正常範囲と異常範囲を示す矢印が表示される。また、折れ線グラフ211内において、異常範囲は、ハッチングで示すように正常範囲と識別可能に表示される。画面出力制御部66は、この折れ線グラフ211を健診結果として出力する。
正規化測定値V(N)は、前述のように、正常範囲の中心値が0となり、正常範囲の上限値ULおよび下限値LLが各測定項目で一律同じ値となるよう、正規化処理部206で算出したものである。このため、縦軸の正規化測定値V(N)においては、正常範囲の中心値が0となっている。また、上限値ULが1、下限値LLが-1と、それぞれ同じ値に統一されている。
検索ボタン212は、カーソル81で選択することが可能である。検索ボタン212がカーソル81で選択された場合、クライアント端末11のブラウザ制御部51から健診結果出力サーバ200の受付部64に、対象受診者に類似する受診者である類似受診者を検索する検索要求が発行される。
類似受診者の検索要求が受付部64で受け付けられた場合、格納検索部61は検索部として機能し、類似受診者を検索する検索機能を担う。格納検索部61は、標準化測定値V(Z)をパラメータとして、対象受診者と類似受診者の候補との類似度を算出する。ここで類似受診者の候補とは、文字通り類似受診者となり得る受診者のことである。類似受診者の候補は、例えば、統合情報DB25に統合情報26が格納されている、対象受診者以外の全受診者である。全受診者ではなく、対象受診者と属性が同じ受診者のみを、類似受診者の候補としてもよい。
図56に示すように、格納検索部61は、対象受診者の最新の標準化測定値VT(Z)i(i=1、2、3、4、・・・)と、類似受診者の候補の過去、例えば1年前の標準化測定値VC(Z)iとを統合情報DB25から読み出す。次に、格納検索部61は、対象受診者と類似受診者の候補の類似度Sを、下記式(6)により算出する。
S=[{Σ(VT(Z)i-VC(Z)i)2}1/2]・・・(6)
すなわち、式(6)は、対象受診者の標準化測定値VT(Z)iと類似受診者の候補の標準化測定値VC(Z)iをパラメータとする式である。なお、iは、各測定項目に便宜上付けた番号であり、測定項目の個数分ある。
類似度Sは、対象受診者の標準化測定値VT(Z)iと類似受診者の候補の標準化測定値VC(Z)iとの差分(VT(Z)i-VC(Z)i)の二乗の総和の平方根である。すなわち類似度Sは、対象受診者の標準化測定値VT(Z)iを要素とする多次元ベクトルと類似受診者の候補の標準化測定値VC(Z)iを要素とする多次元ベクトルとの距離である。このため、対象受診者と類似受診者の候補の類似性が高ければ、両多次元ベクトルの距離が短くなるので、類似度Sの値は小さくなる。格納検索部61は、予め設定された検索条件を満たす類似受診者の候補、例えば類似度Sの小さい順の順位が所定位(例えば20位)以下の類似受診者の候補を、類似受診者として検索する。なお、(VT(Z)i-VC(Z)i)の二乗が個別類似度に相当し、類似度Sが総合類似度に相当する。
図57に示すように、格納検索部61は、検索した類似受診者の統合情報26から、類似受診者の最新の正規化測定値V(N)と1年間の行動履歴23を読み出す。そして、類似受診者の最新の正規化測定値V(N)を測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフ211を、予め設定された振り分け条件にしたがって、第1グループ215Aと第2グループ215Bに分ける。
第1グループ215Aは、週2日以上、30分以上の有酸素運動が、1年間の行動履歴23に登録されていた類似受診者の折れ線グラフ211の集合である。対して第2グループ215Bは、運動に係る行動が、1年間の行動履歴23に登録されていなかった類似受診者の折れ線グラフ211の集合である。図57では、受診者IDがP100の類似受診者は、週2日、30分の有酸素運動が1年間の行動履歴23に登録されているので、格納検索部61は第1グループ215Aに振り分ける。一方、受診者IDがP110、P200の類似受診者は、運動に係る行動が1年間の行動履歴23に登録されていないので、格納検索部61は第2グループ215Bに振り分ける。格納検索部61は、第1グループ215Aおよび第2グループ215Bのいずれにも振り分けられない類似受診者の折れ線グラフ211は破棄する。
格納検索部61は、類似受診者の最新の折れ線グラフ211を第1グループ215Aおよび第2グループ215Bにグループ化した結果を、画面出力制御部66に出力する。画面出力制御部66は、各グループ215A、215Bのそれぞれにおける、各測定項目の正規化測定値V(N)の平均値を算出する。そして、この算出した平均値を測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフ211AVEを、類似受診者の折れ線グラフとして、対象受診者の折れ線グラフ211と比較可能に出力する。
より具体的には図58に示すように、画面出力制御部66は、対象受診者の折れ線グラフ211に、折れ線グラフ211AVEを重畳表示する。この場合、画面出力制御部66は、折れ線グラフ211、211AVEのプロットの形状と線種を変える等して、これららを識別可能に表示する。そして、折れ線グラフ211、211AVEの凡例218を表示する。
以下、本第2発明の構成による作用について、図59~図61のフローチャートを参照して説明する。まず、図59において、健診情報21および属性情報30と行動履歴23が、取得部60で取得され(ステップST102、取得ステップ)、これらが統合情報26として統合情報DB25に格納される(ステップST103)までは、上記第1発明と共通である。
健診情報21は、格納検索部61から標準化処理部205および正規化処理部206に出力される。標準化処理部205では、図52で示したように、健診情報21の複数の測定値Vのそれぞれを標準化測定値V(Z)とする標準化処理が実施される(ステップST200、標準化処理ステップ)。また、正規化処理部206では、図53で示したように、健診情報21の複数の測定値Vのそれぞれを正規化測定値V(N)とする正規化処理が実施される(ステップST201、正規化処理ステップ)。標準化測定値V(Z)および正規化測定値V(N)は、格納検索部61により健診情報21の測定値Vと関連付けて統合情報26に登録される(ステップST202)。
画面出力制御部66には、格納検索部61から対象受診者の最新の正規化測定値V(N)が入力される。図60に示すように、健診結果表示画面210においてタブ80Gがカーソル81で選択された場合、健診結果表示画面210の編集要求が受付部64で受け付けられる(ステップST210でYES)。この場合、画面出力制御部66では、格納検索部61からの対象受診者の最新の正規化測定値V(N)に基づき、対象受診者の最新の正規化測定値V(N)を測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフ211が生成される。この折れ線グラフ211を含む健診結果表示画面210は、編集要求の要求元のクライアント端末11に出力される(ステップST211、出力制御ステップ)。
健診結果表示画面210の編集要求の要求元のクライアント端末11では、図54および図55で示したように、健診結果表示画面210がディスプレイ43Aに表示される。
折れ線グラフ211によれば、正常範囲の上限値ULおよび下限値LLが各測定項目で一律同じ値となるので、各測定項目の測定値を同じ尺度で評価することができる。折れ線グラフ211は非常に端的な表現方法であるため、利用者が折れ線グラフ211の閲覧に慣れてくれば、折れ線グラフ211の形状を見ただけで、対象受診者のおおよその健康状態を把握することが可能となる。利用者が保健指導員の場合は、折れ線グラフ211の形状を見ただけで保健指導の内容が即座に浮かぶようになるため効率がよい。
図61において、健診結果表示画面210の検索ボタン212がカーソル81で選択された場合、類似受診者の検索要求が受付部64で受け付けられる(ステップST220でYES)。この場合、図56で示したように、格納検索部61において、標準化測定値V(Z)、より詳しくは対象受診者の最新の標準化測定値VT(Z)iと、類似受診者の候補の過去の標準化測定値VC(Z)iをパラメータとして、対象受診者と類似受診者の候補との類似度Sが算出される(ステップST221、検索ステップ)。そして、類似度Sおよび検索条件に基づいて、類似受診者が検索される(ステップST222、検索ステップ)。
次いで、格納検索部61では、図57で示したように、類似受診者の折れ線グラフ211がグループ化される(ステップST223)。このグループ化の結果は、格納検索部61から画面出力制御部66に出力される。
画面出力制御部66では、各グループにおける各測定項目の正規化測定値V(N)の平均値が算出される(ステップST224)。そして、平均値を測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフ211AVEが、対象受診者の折れ線グラフ211と比較可能に出力される(ステップST225)。
類似受診者の検索要求の要求元のクライアント端末11では、図58で示したように、折れ線グラフ211、211AVEが重畳表示された健診結果表示画面210がディスプレイ43Aに表示される。
標準化測定値V(Z)をパラメータとして類似度Sを算出し、これに基づいて類似受診者を検索するので、正規化測定値V(N)をパラメータとした場合のように、類似度Sが対象受診者と類似受診者の候補の健康状態の類似性を反映したものとならないという不都合がない。このため、より確度の高い類似受診者を検索することができる。
このように、正規化測定値V(N)は折れ線グラフ211用、標準化測定値V(Z)は類似検索用と用途を分けたので、複数の測定値を同じ尺度で評価することができるという効果と、対象受診者と類似受診者の候補の健康状態の類似性を正確に反映した類似検索を行うことができるという効果を、両方享受することができる。
対象受診者の折れ線グラフ211と類似受診者の折れ線グラフ211AVEを比較可能に出力するので、対象受診者と類似受診者の健康状態の比較が容易である。
格納検索部61は、対象受診者の最新の標準化測定値VT(Z)iと、類似受診者の候補の過去の標準化測定値VC(Z)iに基づいて類似受診者を検索し、検索した類似受診者の最新の折れ線グラフ211を複数のグループ215に分ける。画面出力制御部66は、複数のグループ215のそれぞれにおける正規化測定値V(N)の平均値の折れ線グラフ211AVEを、類似受診者の折れ線グラフとして生成する。折れ線グラフ211AVEは、いわば対象受診者の将来の健康状態のモデルである。このため、各グループ215の折れ線グラフ211AVEを出力することで、対象受診者が将来どういった健康状態となるのかを、グループ215別に報せることができる。特に図57で例示したように、グループ215を、何らかの行動を実施したグループ215Aと、行動を実施しなかったグループ215Bとに分ければ、折れ線グラフ211、211AVEを比較することで、行動を実施したか否かで健康状態がどうなるかが一目で分かる。
標準化測定値V(Z)を算出するための母集団である複数の受診者の測定値Vを、1年のうちで同じ時期に測定されたものとしたので、標準化測定値V(Z)、ひいては正規化測定値V(N)から、季節変動の影響を排除することができる。
なお、類似度Sの算出式、類似受診者の検索条件、グループ215の振り分け条件等は、上記に例示したものに限らない。例えば類似度Sの算出式は、個別類似度の(VT(Z)i-VC(Z)i)の二乗に適当な重み付け係数Wiを乗算したものでもよい。類似受診者の検索条件は、類似度Sが閾値以下の類似受診者の候補を類似受診者として検索する、等でもよい。グループ215の振り分け条件は、食事に係る行動を実施したか否かでもよい。
振り分け条件を特に設定せずに、データ解析手法としてよく知られているクラスタリングを用いて類似受診者の折れ線グラフ211をグループ化してもよい。この場合、クラスタリングで分けられたグループ(クラスタと呼ばれる)は、振り分け条件を設定した場合のように、行動を実施したか否かで分けられるものでない可能性がある。このように、グループが行動を実施したか否かで分けられない場合は、凡例218の表記はグループ1、2等のグループ名のみに留め、折れ線グラフ211、211AVEとは別に、各グループの類似受診者の行動履歴23を表示することが好ましい。
上記第1-2実施形態において、類似度Sに関する検索条件で類似受診者を検索してもよい。この場合の類似度Sは、標準化測定値V(Z)をパラメータとした上記式(6)で求めたものでもよいし、標準化測定値V(Z)に代えて測定値Vをパラメータとした式で求めたものでもよい。
本発明の健診結果出力装置に相当する健診結果出力サーバ12、200を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。具体的には、健診結果出力サーバ12、200を、処理能力および信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のサーバコンピュータで構成することが可能である。例えば、健診結果出力サーバ12の取得部60、格納検索部61、受付部64の機能と、導出部62、導出結果管理部63の機能と、抽出部65、画面出力制御部66の機能とを、3台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は3台のサーバコンピュータで健診結果出力装置を構成する。
また、上記各実施形態では、健診結果出力サーバ12、200で各種表示画面を生成し、健診結果出力サーバ12、200からの各種表示画面の画面データに基づいて、クライアント端末11側で各種表示画面を再現してディスプレイ43に表示する態様を例示したが、各種表示画面の生成の元となるデータを健診結果出力サーバ12、200からクライアント端末11に送信し、クライアント端末11側で各種表示画面を生成してもよい。この場合、画面出力制御部66はクライアント端末11のCPU42Aに構築される。
さらに、健診結果出力サーバ12、200のCPU42Bに構築した各処理部をクライアント端末11のCPU42Aに構築し、クライアント端末11を健診結果出力装置として稼働させてもよい。この場合、受付部64は、配信要求等に代えて、GUI制御部50からの指示を直接受け付ける。また、画面出力制御部66は、生成した各種表示画面をGUI制御部50に出力する。また、健診情報サーバ17を健診結果出力装置として稼働させてもよい。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム55、201等のアプリケーションプログラムについても、安全性および信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
上記各実施形態では、健診結果の出力の一形態として、健診結果表示画面を例示したが、本発明はこれに限定されない。健診結果の出力形態は、紙媒体への印刷出力、もしくは電子メール等によるファイル出力も含む。
上記各実施形態において、例えば、取得部60、格納検索部61、導出部62、導出結果管理部63、受付部64、抽出部65、画面出力制御部66、標準化処理部205、正規化処理部206といった各種の処理を実施する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。
各種のプロセッサには、CPU、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、専用電気回路等が含まれる。CPUは、周知のとおりソフトウエア(プログラム)を実施して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサである。PLDは、FPGA(Field Programmable Gate Array) 等の、製造後に回路構成を変更可能なプロセッサである。専用電気回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実施させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
上記記載から、以下の付記項1、2に記載の健診結果出力装置を把握することができる。付記項1は第1発明の健診結果出力装置、付記項2は第2発明の健診結果出力装置に相当する。
[付記項1]
健診に係る複数の測定項目に対応する複数の測定値と、前記健診の受診者の行動の履歴である行動履歴とを取得する取得プロセッサと、
前記測定値の推移と前記行動との因果関係を統計的に分析し、前記測定値に有意な改善が見られた場合に実施した前記行動である改善行動を導出する導出プロセッサと、
健診結果を出力する対象の前記受診者である対象受診者の前記測定値のうち、異常範囲にある前記測定値の前記測定項目である異常項目に対応する前記改善行動を抽出する抽出プロセッサと、
前記健診結果の出力を制御する出力制御プロセッサであり、前記健診結果として、前記異常項目、および前記異常項目に対応する前記改善行動で構成される改善提案を、他よりも優先的に、または/および、他と識別可能な形態で出力する出力制御プロセッサとを備える健診結果出力装置。
[付記項2]
健診に係る複数の測定項目に対応する複数の測定値を取得する取得プロセッサと、
複数の前記測定値のそれぞれを、前記健診の複数の受診者の前記測定値の平均値と標準偏差を用いて標準化測定値とする標準化処理プロセッサと、
複数の前記測定値のそれぞれを、正常範囲の上限値および下限値が各測定項目で一律同じ値となる正規化測定値とする正規化処理プロセッサと、
健診結果の出力を制御する出力制御プロセッサであり、前記健診結果として、前記正規化測定値を前記測定項目毎にプロットして線で結んだ折れ線グラフを出力する出力制御プロセッサと、
前記健診結果を出力する対象の前記受診者である対象受診者に類似する前記受診者である類似受診者を検索する検索プロセッサであり、前記標準化測定値をパラメータとして、前記対象受診者と前記類似受診者の候補との類似度を算出する検索プロセッサとを備える健診結果出力装置。
本発明は、上述の種々の実施形態あるいは種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本発明は、プログラムに加えて、プログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶ。