以下、本発明のテーブル装置及びコンソールボックスの一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
図13及び図14において、10はコンソールボックスで、このコンソールボックス10は、図示しない車両の内装部材であり、この車両の座席の側方、例えば運転席と助手席との間に位置して配置されるいわゆるセンターコンソールを構成している。なお、以下、前後方向、上下方向、及び、両側方向などの方向は、車両の直進状態を基準として説明する。
そして、このコンソールボックス10は、被設置部を有する合成樹脂などにて形成されたコンソールボックス本体11と、このコンソールボックス本体11に少なくとも一部が引き出し可能に収納されるテーブル装置12とを備えており、テーブル機能を備えたコンソール、いわばコンソール収納式テーブルを構成している。
コンソールボックス本体11は、前後方向の中央部に、上側を開口したコンソールボックス収納部13が形成され、蓋体であるコンソールリッド14により開閉可能になっている。また、このコンソールボックス収納部13の前方には、テーブル装置12が取り付けられるテーブル装置収容部15が設けられ、このテーブル装置収容部15の前方に前席用のカップホルダ16が形成され、コンソールボックス収納部13の後方には、後席用のカップホルダ17が形成されている。
さらに、コンソールボックス本体11の前端部には、テーブル装置12の係止用の係止受部18と、テーブル装置12の支持用の荷重受部19とが形成されている。
そして、テーブル装置12は、図12などに示すように、テーブル23と、このテーブル23をテーブル装置収容部15に対して収納及び引き出し可能とする収納機構24とを有している。
テーブル23は、テーブル本体としての第1のテーブル本体25及び第2のテーブル本体26が、ヒンジ機構を構成する回動軸であるシャフト27及び抜け止め部材であるEリング28により回動可能連結されているとともに、第2のテーブル本体26の先端部である前端部すなわち第1のテーブル本体25と反対側の端部の下部に、テーブル23をコンソールボックス本体11に対して固定するロック機構を兼ねる脚装置29が取り付けられている。
なお、これら各テーブル本体25,26の下面には、脚装置29を収納する脚体収納部30とともに、図示しない凹部が形成されている。
そして、テーブル23は、図4ないし図11などに示すように、第1及び第2のテーブル本体25,26を水平面状に開いた展開状態と、これら第1及び第2のテーブル本体25,26を折り重ねて垂直状とした重合状態とに変形可能であり、展開状態では、上面に、これら第1及び第2のテーブル本体25,26にまたがる載置面31が形成され、重合状態では、第1及び第2のテーブル本体25,26の下面同士が突き合わされ、展開状態での前後方向の長さ寸法に対し、約半分の高さ寸法となる。
第1のテーブル本体25は、図11(a)、図11(b)及び図12などに示すように、第1上板部35と、この第1上板部35の下面側に組み合わせられる第1下板部36とを嵌合して構成されている。そして、この第1のテーブル本体25の上面である第1上板部35の上面には、載置面31の後側部が形成されている。さらに、この第1のテーブル本体25の基端部である後端部の両側には、それぞれ両側方向を軸方向として、収納機構24側に摺動可能かつ回動可能に保持される角筒状のスライド軸37がそれぞれ突設されている。また、第1のテーブル本体25の前端部の下部の両側には、若干前側に突出した状態で、ヒンジ機構の軸受部を構成する円筒状をなす第1の軸部38がそれぞれ形成されている。さらに、これら第1の軸部38の端面、ここでは互いに対向する軸方向に沿った内側の端面には、凸形状の図示しない係合突部が突設されている。
ここで、スライド軸37の外側面には、このスライド軸37の軸方向に沿って、位置合わせ及び回り止め用のガイドキーであるスライド軸突出部39が突設されている。
一方、第2のテーブル本体26は、第2上板部41と、この第2上板部41の下面側に組み合わせられる第2下板部42とを嵌合して構成されている。そして、この第2のテーブル本体26の上面である第2上板部41の上面には、載置面31の前側部が形成されている。また、第2のテーブル本体26の後端部の下部の両側には、若干後側に突出した状態で、円筒状をなす図示しない第2の軸部がそれぞれ形成されている。さらに、これら第2の軸部の端面、ここでは互いに離反する軸方向に沿った外側の端面には、凹形状である係合受部が複数設けられている。そして、第2のテーブル本体26の両側には、テーブル装置収容部15内でのテーブル23の摺動を案内する案内受部47(一方のみ図示)がそれぞれ設けられている。
また、脚装置29は、第2のテーブル本体26の前端部の下部に両側方向を軸方向とする軸部51により回動可能に支持された長手状の脚体52を有している。この脚体52は、前側である基端側に、つまみ部53が設けられているとともに、後側である先端側に、コンソールボックス本体11の係止受部18に係脱可能な爪状の係止部54が設けられている。さらに、脚装置29は、軸部51に設けられた付勢手段である図示しないスプリング体の付勢力により、脚体52の係止部54が第2のテーブル本体26の第2下板部42に接近する方向に付勢されている。そして、脚体52は、第2のテーブル本体26の第2下板部42の下面に形成された脚体収納部30に収納可能になっている。
そして、テーブル23は、第1のテーブル本体25の第1の軸部38と第2のテーブル本体26の第2の軸部とが同軸に嵌合された状態で、これら第1の軸部38と第2の軸部とにシャフト27が挿入されてEリング28により抜け止めされることにより、各テーブル本体25,26が互いに回動可能に連結されている。また、この状態で、第1のテーブル本体25の各第1の軸部38の係合突部が、第2のテーブル本体26の各第2の軸部のいずれかの係合受部に係合されるか、第2の軸部の端面に弾性的に圧接されるようになっていることで、ヒンジ機構が、テーブル23の展開状態、あるいは、重合状態を、いわば仮ロックして保持可能となり、第1のテーブル本体25と第2のテーブル本体26とのがたつきを防止している。さらに、テーブル23は、展開状態で、脚装置29の脚体52の下端部がコンソールボックス本体11の荷重受部19に支持されるとともに、係止部54が係止受部18に係合されることにより、コンソールボックス本体11に固定されるように構成されている。
一方、収納機構24は、テーブル23を内部に収容可能な案内部材としてのポケット部61と、テーブル23のスライド軸37,37とそれぞれ接続されてポケット部61の両側を挟持するカム62,62とを備えている。
ポケット部61は、両側方向に沿って長手状に形成された板状のポケット部本体板部65の両側近傍から、後方へと支持板部66,66がそれぞれ板状に突設されている。
ポケット部本体板部65は、テーブル装置収容部15に収容されたテーブル23の前方に位置する部分であり、このテーブル装置収容部15の開口の前縁部に沿って上端部が形成されている。そして、このポケット部本体板部65は、上端部から前方へと水平状に補強用のフランジ部71が突設され、このフランジ部71の両側方向の中心部に、コンソールボックス本体11に固定される固定部72が突設されている。
また、各支持板部66は、ポケット部本体板部65の両側近傍から後方へと略垂直に突設された支持板本体75を有し、この支持板本体75の外縁部に沿って、フランジ部71から連続した支持板フランジ部76が形成されている。また、この支持板本体75の前後方向の略中心域には、長孔状の案内部77が上下方向に沿って穿設され、かつ、この案内部77の外縁部からポケット部61の側方である各カム62側へと、これら各カム62を案内するレール状の案内部フランジ部78が突設されている。そして、この支持板フランジ部76と案内部フランジ部78との間に、上下複数箇所にて、補強用のリブ79が水平状に形成されている。
図4(a)ないし図4(c)などに示すように、各支持板本体75は、テーブル23が位置する内側面すなわち互いに対向する面に、テーブル23の第2のテーブル本体26の案内受部47と嵌合するリブ状のテーブル案内部80が、各案内部77の前方にて、各支持板本体75の下端近傍からポケット部本体板部65の上端近傍の高さ位置まで垂直上下方向に連続して設けられている。また、各支持板本体75の上端は、ポケット部本体板部65よりも上方へと突出し、テーブル装置収容部15の開口の両側縁部に沿って位置している。したがって、各支持板本体75の上端は、テーブル装置収容部15の開口の前縁部よりも上方に位置し、コンソールリッド14を閉じた状態でこのコンソールリッド14の下部に接触している。
各案内部77は、上下方向に沿って直線状に形成された第1案内部83と、この第1案内部83の上端から後方へと鈍角をなすように屈曲された第2案内部84とを有している。
各第1案内部83は、各支持板部66の下端よりも若干上側の位置から、ポケット部本体板部65の上端よりも上方まで、テーブル案内部80と略平行に形成されており、各カム62の一部が嵌合され、各カム62を垂直上下方向に沿って摺動可能に案内する部分である。
また、各第2案内部84は、各第1案内部83と略等しい幅寸法に形成され、各カム62の一部が嵌合され、各第1案内部83の案内方向である垂直上下方向に対して鈍角をなす方向、すなわち、各第1案内部83に対して後方かつ上方へと各カム62を摺動可能かつ回動可能に案内する部分である。そして、各第2案内部84の後端部である各カム62の上昇端の位置は、各カム62の一部が嵌合可能な円弧状となっている。
さらに、各支持板フランジ部76の各第2案内部84の上方の部分には、これら第2案内部84に対向して摺動凸部86が設けられている。また、各第2案内部84の後端寄りの下側の案内部フランジ部78には、略円柱状の保持凸部87が設けられている。さらに、各第2案内部84と各第1案内部83との連続部の前方に位置するリブ79には、当接凸部88が設けられている。そして、各支持板フランジ部76の各支持板本体75の後部の下端近傍の部分には、テーブル装置収容部15の後部にてコンソールボックス本体11側と連結される連結部89がそれぞれ後方へと突設されている。
各摺動凸部86は、各支持板本体75側から、各カム62側である各支持板部66に外方へと突出し、各第2案内部84に対して上方に離間された平面状の平面部90が下部に形成されている。そして、この平面部90は、面方向が、各第2案内部84の中心線に対して後側が上方へと若干離間されるように、すなわち、各第2案内部84の中心線に対して後方に向けて若干拡開されるように、換言すれば、第1案内部83に対して第2案内部84よりも若干大きい鈍角方向に沿うように形成されて、各第2案内部84の後端部の中心に所定距離で対向している。
また、各保持凸部87及び各当接凸部88は、各支持板本体75側から、各カム62側である各支持板部66に外方へと突出している。さらに、各当接凸部88は、当接部である水平状の水平板部88aがリブ79に沿って形成され、この水平板部88aの後端部から上方へと垂直状に支持部としての垂直板部88bが連続して形成されて、側面視で略L字状をなしているとともに、垂直板部88bの前側寄りでこの垂直板部88bと離間された位置に、垂直板部88bと略平行に補強部である垂直状の補強リブ88cが形成されている。
一方、各カム62は、例えばポリアセタールなどの合成樹脂により成形されており、図12に示すように、テーブル23との間で、ポケット部61の第1案内部83及び第2案内部84の周縁部である案内部フランジ部78と支持板本体75とを挟持している。そして、各カム62は、図1ないし図4に示すように、円筒状のカム円筒部91と、このカム円筒部91の軸方向の一端面に一体に形成されたカム本体部92とを有している。さらに、各カム62には、これらカム円筒部91の中心軸位置に、カム本体部92に亘って連続した挿入孔93が穿設され、この挿入孔93に、締め付け部材としてのビス94が挿入されてスライド軸37に螺合されていることで、ポケット部61の締め付け強度を調整可能な調整機構95が構成されている。
カム円筒部91には、挿入孔93の周囲に、スライド軸37が挿入嵌合される角溝状の嵌合溝97が設けられている。この嵌合溝97内には、スライド軸37のスライド軸突出部39が嵌合することでスライド軸37とカム62との位置合わせ及び回り止めとなるキー溝部98が切り欠き形成されている。
また、カム本体部92は、カム円筒部91の一端面からカム円筒部91の径方向に突出し外周面がカム円筒部91と同心の円弧をなす扇形状のカム摺接部101と、このカム摺接部101の前側部から後側へと円弧状にカム円筒部91の外周に対して離間された位置に延出するカム腕部102とを備え、これらカム摺接部101とカム腕部102との間に、嵌合切欠部103が切り欠き形成されているとともに、この嵌合切欠部103のカム円筒部91と離反する側が閉塞板部104により閉塞されている。そして、保持凸部87及び嵌合切欠部103により、案内機構105が構成されているとともに、摺動凸部86、保持凸部87、嵌合切欠部103などにより、保持機構106が構成されている。したがって、案内機構105を構成する保持凸部87及び嵌合切欠部103は、保持機構106の一部をなしている。
カム摺接部101には、カム腕部102の突出位置と反対側の後側部から若干離間された位置から、カム腕部102の基端部の近傍に亘って円弧状に、切り欠き形状である切欠溝部111が設けられている。この切欠溝部111は、所定の幅寸法で形成され、カム摺接部101の外周から若干中心側へと離間された位置に設けられており、この切欠溝部111とカム摺接部101の外周との間が圧接部112となっている。
また、カム摺接部101の外周面は、カム円筒部91の中心軸であるカム62の回動中心に対して、各第2案内部84の後端部の中心から摺動凸部86の平面部90までの距離と略等しい距離に形成されている。このため、カム摺接部101は、図5(c)に示すように、第2案内部84の後端部よりも第1案内部83側の位置で圧接部112が平面部90に対して所定の寸法dでオーバーラップしている。換言すれば、摺動凸部86は、前端側の位置が、カム摺接部101の外周面の第2案内部84の中心線に平行な接線に対して最大で寸法d分下方へと突出している。さらに、カム摺接部101の後側部と切欠溝部111の後端部との間の領域は、非中空形状、すなわち、いわゆるムク形状であるソリッド部114となっている。
図1ないし図4などに示すように、カム腕部102の基端部には、カム案内部としての案内部116が突設されている。また、カム腕部102は、カム摺接部101に対して突出した先端側が、カム摺接部101に対して離間されるように形成されている。したがって、嵌合切欠部103は、開口側が拡開されている。さらに、カム腕部102は、カム62のソリッド部114に接する仮想円よりも外方に先端側が延出している。換言すれば、カム腕部102は、カム62の回動中心から先端部までの距離が、カム62の回動中心からソリッド部114までの最大距離よりも大きく設定されている。このカム62の回動中心からカム腕部102の先端部までの距離は、カム62のカム円筒部91が第2案内部84内に位置した状態でのカム62の回動中心から保持凸部87の外周面までの距離よりも大きく設定されている。したがって、少なくともカム円筒部91が第2案内部84内に位置している状態でカム62が回動した際に、保持凸部87が嵌合切欠部103に嵌合可能となっている。なお、このカム腕部102の突出寸法は、可能な限り長く設定することが好ましいが、他の部材との兼ね合いやカム腕部102自体の強度などを考慮して設定されている。
案内部116は、カム腕部102の突出方向と反対方向に突出するように連続して形成されており、カム摺接部101の外周面に対して、その接線方向と鈍角をなす方向に傾斜した傾斜面121が傾斜状に形成されている。また、この案内部116は、カム62が保持機構106により所定の回動保持位置に保持された状態で、当接凸部88に傾斜面121が当接するように突出寸法が設定されている。さらに、傾斜面121は、当接凸部88に当接した状態で、水平方向(図3中左右方向)に対する傾斜角度が、第2案内部84よりも小さくなるように、その傾斜角度が設定されている。そして、これら傾斜面121と当接凸部88とにより、保持解除機構123が構成されている。
また、嵌合切欠部103は、ポケット部61側の保持凸部87が嵌合する溝部であり、カム摺接部101側の内側面である第1内側面125と、カム腕部102側の内側面である第2内側面126とが互いに対向して形成されている。第1内側面125は、カム円筒部91の周囲に、このカム円筒部91と同心の円弧状に形成されている。また、第2内側面126は、第1内側面125に対してカム62の径方向に離間された位置に円弧状に形成され、第1内側面125の円弧の中心と異なる位置、例えば第1内側面125の円弧の中心位置よりも後方上側にその円弧の中心が位置し、第1内側面125よりも曲率半径が大きく設定されている。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、図4(a)に示すように、テーブル装置12を収納した状態では、テーブル本体25,26が折り重ねられた重合状態で垂直状にテーブル装置収容部15に収容されている。
この状態で、テーブル本体25,26は、係合突部が一の係合受部に係合して、この重合状態を仮ロックしてがたつくことなく安定して保持しているとともに、図4(b)及び図4(c)に示すように、各スライド軸37に接続された各カム62は、カム腕部102側が下側となるように各第1案内部83の下端部に嵌合している。
次いで、使用者がテーブル装置12を使用する際は、図5(a)に示すように、テーブル23の上部を把持して上側に引き上げる。
すると、図5(b)及び図5(c)に示すように、各スライド軸37と接続された各カム62が、カム腕部102側を下側とした状態を保ったまま各第1案内部83に沿って垂直上方へと上昇する。この引き上げる動作の際は、第2のテーブル本体26の両側の案内受部47が、テーブル案内部80に係合して案内され、テーブル23が、がたつくことなく安定して移動する。
さらに、図6(a)に示すように、テーブル23を引き上げると、図6(b)に示すように、各スライド軸37と接続された各カム62が、各第1案内部83から各第2案内部84へと連続して移動する。
すると、各カム62は、図6(c)に示すように、カム摺接部101の上下が摺動凸部86及び保持凸部87にそれぞれ挟まれるように摺接し、摺動凸部86とオーバーラップした部分でこの摺動凸部86と圧接されて摺動凸部86が上方へと弾性的に変形した後、さらに各カム62が上昇端まで引き上げられて、カム摺接部101のオーバーラップした部分が摺動凸部86を通過して摺動凸部86が復帰変形し、クリック感が生じる。
この状態で、各カム62を保持機構106により各第2案内部84内に保持することで、テーブル23を、重力に抗して引き上げ状態のままで保持する。
ここで、図2に示すように、使用者がテーブル23に対して誤って後方へ荷重Fを加えた場合などに、各カム62がスライド軸37とともに、載置面31の形成方向と反対方向である後方向へと回動しようとすると、図3(a)に示すように、カム62の傾斜面121が、当接凸部88の水平板部88aと垂直板部88bとの角部の接点aに当接し、テーブル23の後方への回動を防止する。この状態で、さらにテーブル23に対して荷重Fを加えると、カム円筒部91と第2案内部84との接点bを基点として各カム62に荷重f1がカム62の回動方向に加わることで、カム62の傾斜面121と当接凸部88との接点aに加わる荷重f2が傾斜面121の傾斜方向に沿って逃げるように作用する。このとき、この状態での水平方向に対する傾斜面121の傾斜角度が第2案内部84の傾斜角度よりも小さいため、荷重F+所定値αの力がテーブル23に対して後方へ回動する方向に加わることで、傾斜面121と当接凸部88とにより構成される保持解除機構123の作用によって、図3(b)ないし図3(d)に示すように、保持機構106による回動保持位置でのカム62の保持が解除され、カム62が第1案内部83へと落下して、カム62の破損が防止される。
なお、上記の所定値αは、傾斜面121が当接凸部88に当接した状態での水平方向に対する傾斜面121の傾斜角度が、この水平方向に対する第2案内部84の傾斜角度よりも小さくなるにしたがって小さくなる。
そして、図7(a)ないし図7(c)及び図8に示すように、使用者が第1のテーブル本体25に対して第2のテーブル本体26を前側から上側に回動させると、第1のテーブル本体25の係合突部が第2のテーブル本体26の係合受部から外れて第2の軸部の端面に弾性的に圧接された状態を経て他の係合受部に係合し、第1のテーブル本体25と第2のテーブル本体26とが開いた状態に仮ロックされ保持される。同時に、スプリング体の付勢力により、脚体収納部30に収納された脚体52の係止部54側が第2のテーブル本体26の下面から離間する方向へと回動する。
さらに、この状態から、図9(a)に示すようにテーブル23を下方に回動させると、図9(b)及び図9(c)に示すように、保持凸部87が嵌合切欠部103に嵌合し、保持凸部87の上部前側の外周面と下部後側の外周面とに、第1内側面125と第2内側面126とが互いに異なる角度で当接する。
具体的に、各内側面125,126は、各カム62が第2案内部84から第1案内部83へと落下する軌跡に対して、第1内側面125と第2内側面126との保持凸部87への当て角度が、相対的に所定角度異なり、かつ、第2内側面126の保持凸部87への当て角度が、各カム62の落下時の保持凸部87の各カム62に対する相対的な移動方向に対向する成分を有する角度、換言すれば、保持凸部87に対して後方から前方へと向かう成分を有する角度で当接する。
このため、各カム62が第2案内部84から第1案内部83側へと滑り落ちる軌跡に対して保持凸部87と第2内側面126との当接部でロックがかかり、各カム62を第2案内部84内に保持して、各カム62とともにテーブル23が各第1案内部83側へと落下することを防止するとともに、カム摺接部101の圧接部112の上方の外周面も摺動凸部86の平面部90に摺接することで、各カム62を保持凸部87と摺動凸部86とにより挟持して各カム62を定位置に保持し、テーブル23ががたつきなく回動する。
また、例えば使用者が、テーブル23を上方へ引き出した際に、少なくともいずれか一方のカム62が図6に示すように保持機構106によって保持される回動保持位置まで充分に引き上げられていない状態、すなわちカム62が回動保持位置よりも下側の所定の領域、例えば第2案内部84内の上端部よりも下側の領域などに位置した状態で、誤ってテーブル23を載置面31が形成される前方へと回動させた際には、図1(a)ないし図1(d)に示すように、このカム62が、摺動凸部86との当接位置である平面部90との接点cを基点としてカム腕部102(嵌合切欠部103)が上方へと移動するように回動し、嵌合切欠部103の第2内側面126が保持凸部87に接触する。さらに、この状態からカム62が回動されることで、図1(e)ないし図1(h)に示すように、嵌合切欠部103が保持凸部87を巻き込むように動くことにより、これら保持凸部87と嵌合切欠部103とにより構成される案内機構105の作用によって、カム62がこの位置から正規の回動保持位置である第2案内部84の上端部へと案内されて引き上げられ、保持機構106の作用により、この回動保持位置に保持される。
このとき、テーブル23の引き上げ時と同様に、カム摺接部101の上下が摺動凸部86及び保持凸部87にそれぞれ挟まれるように摺接し、摺動凸部86とオーバーラップした部分でこの摺動凸部86と圧接されて摺動凸部86が上方へと弾性的に変形した後、さらに各カム62が上昇端まで引き上げられて、カム摺接部101のオーバーラップした部分が摺動凸部86を通過して摺動凸部86が復帰変形し、クリック感が生じる。
そして、図10(a)ないし図10(c)に示すように、テーブル23がコンソールボックス本体11上に載置されるまで回動すると、図11に示すように、脚装置29の脚体52は、係止部54がコンソールボックス本体11の係止受部18に係止され、この係止がスプリング体の付勢力により保持される。この状態で、第2のテーブル本体26の先端部であるテーブル23の先端部が、脚体52によりコンソールボックス本体11の前側の荷重受部19に支持された状態となり、テーブル23がコンソールボックス本体11上に安定して支持され、前後方向に長い平面状の載置面31が構成される。
このとき、各カム62は、ソリッド部114の外周面に摺動凸部86が接触するとともに嵌合切欠部103の閉塞端近傍に保持凸部87が位置し、これら摺動凸部86と保持凸部87とにより各カム62が切欠溝部111などの中空部分を介さないムク形状部分で上下から挟持されることにより、テーブル23に加わる矢印X方向の荷重を受け止めることができる。
一方、テーブル23を収納する際は、脚装置29の脚体52のつまみ部53を引き上げるように操作し、脚装置29の係止部54と係止受部18との係止を解除した状態で、上記の工程と逆の工程を行い、円滑に収納できる。
このように、上記一実施の形態によれば、ポケット部61の第2案内部84から第1案内部83側への各カム62の落下に対して、保持機構106により各カム62を第2案内部84に保持することで、各カム62にスライド軸37を接続したテーブル23を上昇端近傍まで引き上げた状態で、このテーブル23が自重により収納状態へと戻ることを防止でき、この回動保持位置でテーブル本体25,26を回動させることにより、テーブル23が載置面31を形成する。また、この回動保持位置よりも下側の所定の回動案内範囲でカム62を回動させた際に、案内機構105がカム62を回動保持位置へと案内することで、使用者が誤って不充分な引き上げ状態でテーブル23を前方向へと回動させた際にカム62に過大な荷重が加わることを防止でき、この荷重によりカム62が破損することなどを防止できる。
このため、テーブル23を上昇端まで一旦引き上げれば、その後はテーブル23を重力に抗して使用者が保持することなくテーブル23を回動させることができ、また、テーブル23を収納する際にも同様であるから、使用者がテーブル装置12を片手で容易に操作できるだけでなく、仮にテーブル23を上昇端まで充分に引き上げきらずにテーブル23を回動させた場合などでも、各カム62を確実に正規の回動保持位置まで引き上げて保持できる。
特に、車両のコンソールボックス本体11に設置したテーブル装置12の場合には、車両内の限られたスペース内で、かつ、使用者の一側のみでテーブル23の引き出し及び展開の作業をしなければならないので、使用者が両手を使用して作業することが煩雑であるため、上記のように片手でテーブル23を引き出し及び展開できるようにすることで、使い勝手が向上する。
また、少なくともいずれか一方のカム62が保持機構106により保持される回動保持位置よりも下側の所定の回動案内範囲内にて前方向に回動することで保持凸部87がカム62の嵌合切欠部103に嵌合するとともに、この嵌合状態でさらにカム62が回動することで、嵌合切欠部103がカム62を案内部77に沿って上側の回動保持位置へと引き上げることにより、回動案内範囲にて回動するカム62を回動保持位置へと案内する構成を容易に実現できる。
さらに、嵌合切欠部103の互いに対向する第1内側面125と第2内側面126とのそれぞれの一部が、保持凸部87の外周面に互いに異なる当て角度で当接して各カム62の第2案内部84から第1案内部83側への移動を規制することで、案内機構105をなすこれら保持凸部87と嵌合切欠部103とを保持機構106の一部として共用し、各カム62を第2案内部84に保持する構成を容易に実現できる。
そして、回動保持位置にて保持された各カム62に対して後方向へ荷重Fが加わると、保持解除機構123がこの荷重を逃がして保持機構106による各カム62の保持を解除させることで、テーブル23の誤操作などにより各カム62に過大な荷重が加わることを防止でき、この荷重による各カム62の破損などをも防止できる。
また、各カム62が回動保持位置に保持された状態で後方向に回動することでポケット部61から突設した当接凸部88に対して各カム62の傾斜面121が当接し、これら傾斜面121が、各カム62にさらに荷重が加わることで各カム62を保持機構106による保持に抗して落下方向へと案内することで、荷重を逃がして保持機構106による各カム62の保持を解除させる保持解除機構123の構成を容易に実現できる。
さらに、第2案内部84に位置する各カム62が保持凸部87と摺動凸部86とで挟持されて各カム62が保持されることで、テーブル23を回動させて載置面31を形成する際のがたつきを防止できる。
そして、第1案内部83と第2案内部84との一方から他方へと各カム62が摺動する際に、圧接部112が摺動凸部86に圧接されてこの摺動凸部86が弾性的に変形し、さらにテーブル23を摺動させて各カム62が第1案内部83、あるいは第2案内部84に位置する状態で摺動凸部86の弾性変形が復帰するため、各カム62が第2案内部84に位置するまでテーブル23を引き上げた際、あるいは、この引き上げ状態からテーブル23を下げた際に、摺動凸部86の変形によってクリック感が生じ、良好な操作感が得られる。また、テーブル23を引き上げる際には、このクリック感により、テーブル23を上昇端まで引き上げたことを使用者に報知できるため、使用者がテーブル23を上昇端の位置から誤ってさらに引き上げようとすることを防止可能となり、この上昇端からの引き上げに伴う負荷によってテーブル装置12あるいはコンソールボックス本体11などが破損することをも防止できる。
さらに、カム62が案内機構105の作用により所定の回動案内範囲から回動保持位置へと引き上げられる際にも、上記と同様のクリック感が生じることで、良好な操作感が得られるだけでなく、各カム62が保持機構106によって正規の回動保持位置で保持された、すなわちロックが確実に掛かったことを使用者が認識できる。
しかも、上記クリック感は、各カム62と保持凸部87とのオーバーラップの寸法dと切欠溝部111の幅寸法Lとを変化させるだけで容易に調整できる。
そして、テーブル23とカム62とによるポケット部61の挟持の締め付け力を調整機構95のビス94の締め付けなどで調整することで、テーブル23を上下させて各カム62を摺動させる際のテーブル23及びカム62とポケット部61との摺動抵抗を調整でき、テーブル23を上下させる際の操作力を調整できる。
また、収納機構24は、ポケット部61と各カム62とで構成しているため、構成が簡略化され、少ないスペースでの設置が可能になる。
さらに、テーブル23を展開してコンソールボックス本体11へと固定した際に、摺動凸部86と保持凸部87とにより、各カム62を、切欠溝部111などの中空部分を介さないムク形状部分で上下から挟持することで、テーブル23に加わる矢印X方向の荷重を受け、この状態でのテーブル23のずり落ちを防止できる。
そして、互いに回動可能に連結されたテーブル本体25,26を折り重ねた状態でテーブル23を収納できることで、テーブル23の収納状態で省スペース化できる。
このようにして、座席に着席した乗員に対して利便性の高いテーブル装置12及びコンソールボックス10を提供できる。
なお、上記一実施の形態では、テーブル23を、各テーブル本体25,26により重合及び展開可能なものとしたが、この構成に限定されず、例えば1つの部材のみで形成したテーブル、あるいは3つ以上の部材を連結して形成したテーブルなどでもよい。
また、例えばポケット部61の案内部77は、第1案内部83と第2案内部84とにより形成された屈曲状の溝部でなくても、例えば直線状など、任意の形状とすることができる。
さらに、案内機構105と保持機構106とを全く別個の構成でそれぞれ設けてもよい。