本発明の一実施の形態を図1ないし図16を参照して説明する。
図中の1は収納装置であるコンソールボックスで、このコンソールボックス1は、例えば小物を入れておくための車両用収納ボックスで、図16に示すように、自動車の車内において左側の助手席2と右側の運転席3との間に配設されている。
コンソールボックス1は、略矩形状の開口部4を上面に有する箱状の収納体6と、一方側である左側の前後方向の回動中心軸線aおよび他方側である右側の前後方向の回動中心軸線bのうち選択されたいずれか一方を中心として収納体6に対して上下方向に回動して開口部4を開閉する1枚板状で両開き式の蓋体7とを備えている。
この蓋体7は、アームレストを兼ねたもので、選択された回動中心軸線aまたは回動中心軸線bを中心とする開方向への略90度の回動により鉛直姿勢の開状態(フルオープン状態)となって開口部4を開口させ、選択された回動中心軸線aまたは回動中心軸線bを中心とする閉方向への略90度の回動により水平姿勢の閉状態となって開口部4を閉鎖するものである。
例えば運転席3に座った者は、蓋体7を回動中心軸線aを中心として上下方向(開方向および閉方向)に回動させることにより収納体6の開口部4を開閉させることが可能である。また、助手席2に座った者は、蓋体7を回動中心軸線bを中心として上下方向(開方向および閉方向)に回動させることにより収納体6の開口部4を開閉させることが可能である。
ここで、収納体6は、例えば上面に略矩形状の開口部4を有する有底略4角筒状をなす箱状に形成されている。
収納体6は、略矩形板状の底板部11を有し、この底板部11の前後方向端部には前板部12および後板部13がそれぞれ立設され、この底板部11の左右方向端部には左板部14および右板部15がそれぞれ立設されている。
前板部12の上端部から突出部16が前方に向かって突出している。この突出部16の上面には、互いに近接状に対向する左右方向長手状の前後1対の立設板部、つまり外側立設板部21および内側立設板部22がそれぞれ立設されている。
外側立設板部21は、上端部に下方に向けて切り欠かれた左右方向長手状の凹部分23を有している。つまり、外側立設板部21は、上端部における左右方向両端部に、凹部分23を介して互いに離間対向する左右1対の凸部分24を有している。各凸部分24は、規制体受け部25を上面部に有している。規制体受け部25は、第1板部分25aと、この第1板部分25aよりも板厚状でこの第1板部分25aよりも下方に突出する第2板部分25bとにて構成されている(図3、図5等)。
そして、図13ないし図15等に示すように、外側立設板部21の左側の凸部分24の後面には、外周面が円筒面状である丸軸状の第1軸状部26が内側立設板部22側、つまり後方に向かって一体に突設されている。外側立設板部21の右側の凸部分24の後面には、外周面が円筒面状である丸軸状の第2軸状部27が内側立設板部22側、つまり後方に向かって一体に突設されている。
内側立設板部22は、外側立設板部21と同様、上端部に下方に向けて切り欠かれた左右方向長手状の凹部分30を有している。つまり、内側立設板部22は、上端部における左右方向両端部に、凹部分30を介して互いに離間対向する左右1対の凸部分31を有している。
そして、図1、図6、図13ないし図15等に示すように、内側立設板部21の左側の凸部分31の前面には、内外周面がともに円筒面状である円筒状でかつ前面開口状の第1筒状部36が外側立設板部21側、つまり前方に向かって一体に突設されている。内側立設板部22の右側の凸部分31の前面には、内外周面がともに円筒面状である円筒状でかつ前面開口状の第2円筒状37が外側立設板部21側、つまり前方に向かって一体に突設されている。
なお、第1軸状部26と第1筒状部36とは同軸上に配設され、第1軸状部26の軸芯および第1筒状部36の中心を通る水平な線が左側の回動中心軸線aである。第2軸状部27と第2筒状部37とは同軸上に配設され、第2軸状部27の軸芯および第2筒状部37の中心を通る水平な線が右側の回動中心軸線bである。
そして、第1軸状部26と第1筒状部36とにて第1支持部41が構成され、第2軸状部27と第2筒状部37とにて第2支持部42が構成されている。なお、図4等に示すように、外側立設板部21と内側立設板部22との間には、所定の大きさの規制体収納部43が形成されている。
また、図11ないし図15等に示すように、収納体6の後板部13の上端部には、内側立設板部22と離間対向して位置する立設板部45が立設されている。
立設板部45は、収納体6の後板部13の上端部に立設された本体部分46と、この本体部分46の上端部における左右方向両端部から外側方に向かってそれぞれ突出する突出部分47とを有している。そして、左側の突出部分47には、回動中心軸線aが中心を通る円形状の第1孔部51が形成されている。右側の突出部分47には、回動中心軸線bが中心を通る円形状の第2孔部52が形成されている。
蓋体7は、例えば略矩形状をなす1枚板状のもので、平面視で前端部が前方に向かって凸の略円弧状であり、前端部以外の後端部および左右端部がそれぞれ略直線状となっている。
蓋体7は、図13ないし図15等に示すように、前方への移動により前面部から突出する突出状の係合状態となり後方への移動により前面部から突出しない非突出状の非係合状態となる非丸軸状の第1軸部である第1非丸軸部61を左側前部に有し、かつ、前方への移動により前面部から突出する突出状の係合状態となり後方への移動により前面部から突出しない非突出状の非係合状態となる非丸軸状の第2軸部である第2非丸軸部62を右側前部に有している。
また、蓋体7は、後方への移動により後面部から突出する突出状の係合状態となり前方への移動により後面部から突出しない非突出状の非係合状態となる丸軸状の第1丸軸部63を左側後部に有し、かつ、後方への移動により後面部から突出する突出状の係合状態となり前方への移動により後面部から突出しない非突出状の非係合状態となる丸軸状の第2丸軸部64を右側後部に有している。
これら各軸部61,62,63,64は、図4等に示すように、例えば蓋体7内に前後方向にスライド可能に配設された外形略直方体状のスライド部材65に一体に突設され、このスライド部材65のスライドによって軸用孔部66を通って外部に突出するようになっている。
前側の左右1対の非丸軸部61,62は、互いに左右対称のもので、図7および図8等に示すように、外周面が円筒面状ではなく、3つの平面部分67と1つの曲面部分68とを外周面に有している。左側の第1非丸軸部61の曲面部分68が回動中心軸線aを中心とする略半円弧面状に形成され、右側の第2非丸軸部62の曲面部分68が回動中心軸線bを中心とする略半円弧面状に形成されている。曲面部分68は、蓋体7の閉状態時には、非丸軸部61,62の外周面下側に位置する。また、前側左右の非丸軸部61,62の先端部外周側には、先端側ほど軸芯側に向かうように傾斜する傾斜状の嵌入案内用のガイド面69が形成されている。
後側の左右1対の丸軸部63,64は、外周面が円筒面状である。つまり、左側の第1丸軸部63は第1孔部51に嵌脱可能に嵌入されるもので、この第1丸軸部63の外周面が車前後方向を軸方向とする回動中心軸線aを中心とする円筒面状に形成されている。右の第2丸軸部64は第2孔部52に嵌脱可能に嵌入されるもので、この第2丸軸部64の外周面が車前後方向を軸方向とする回動中心軸線bを中心とする円筒面状に形成されている。
なお、第1非丸軸部61と第1丸軸部63とは、同時に移動して係合状態または非係合状態になるように、図示しない連結手段にて互いに連結されている。第2非丸軸部62と第2丸軸部64とは、同時に移動して係合状態または非係合状態になるように、図示しない連結手段にて互いに連結されている。
さらに、蓋体7は、第1非丸軸部61および第1丸軸部63を互いに接近方向に移動させて非係合状態にするための係合解除用(ロック解除用)の第1操作部71と、第2非丸軸部62および第2丸軸部64を互いに接近方向に移動させて非係合状態にするための係合解除用(ロック解除用)の第2操作部72とを有している。第1操作部71は、蓋体7の左側面部に車幅方向である左右方向に移動可能に設けられている。第2操作部72は、蓋体7の右側面部に左右方向に移動可能に設けられている。
また、蓋体7は、この蓋体7の閉状態時に、収納体6の外側立設板部21の凹部分23に嵌脱可能に嵌入される嵌入凸部73を前端側下部に有している。
また一方、コンソールボックス1は、収納体6の第1支持部41によって回動中心軸線aを中心として回動可能に支持され、非係合状態の第1非丸軸部61とは係合せず、この第1非丸軸部61が係合状態となった場合にこの係合状態の第1非丸軸部61と係合、例えば嵌合してこの第1非丸軸部61と一体となって蓋体7に連動して閉位置および開位置間で回動する第1回動体81を有している。また、コンソールボックス1は、収納体6の第2支持部42によって回動中心軸線bを中心として回動可能に支持され、非係合状態の第2非丸軸部62とは係合せず、この第2非丸軸部62が係合状態となった場合にこの係合状態の第2非丸軸部62と係合、例えば嵌合してこの第2非丸軸部62と一体となって蓋体7に連動して閉位置および開位置間で回動する第2回動体82を有している。
第1回動体81は、図4、図7および図8等に示すように、外側立設板部21の第1軸状部26が嵌入されこの第1軸状部26の外周面にて回動可能に支持された前側筒状部83と、内側立設板部22の第1筒状部36に嵌入されこの第1筒状部36の内周面にて回動可能に支持された後側筒状部84と、これら前側筒状部83と後側筒状部84とを連結する略円板状の連結板部85と、この連結板部85にこの連結板部85の径方向外方に向かって一体に突設された突出板部86とを有している。突出板部86には、ばね用孔部80が形成されている。
前側筒状部83は、内外周面がともに円筒面状である円筒状に形成されている。後側筒状部84は、外周面が円筒面状であるが、内周面が円筒面状ではなく、3つの平面部分87と1つの曲面部分88とを内周面に有している。つまり、第1回動体81は、第1非丸軸部61と係脱可能に係合する第1係合孔部89を後側に有し、この第1係合孔部89は、第1非丸軸部61と対応した形状のもので、3つの平面部分87および1つの曲面部分88を有している。
突出板部86は、図1に示すように、第1回動体81が閉位置に位置した状態時に、正面視略L字状のもので、正面視略矩形状の板部分91と、この板部分91の下端側内側面に内側方に向かって一体に突設された係合凸部分92とにて構成されている。この係合凸部分92は、この図1に示す蓋体7の閉状態時において、左下がりの傾斜方向に沿って位置する係合面93と、鉛直方向に沿って位置する当接面94とを有している。なお、板部分91は、係合面93に滑らかに連続する湾曲面95を内側面に有している。
第2回動動体82は、第1回動体81とは左右対称のもので、外側立設板部21の第2軸状部27が嵌入されこの第2軸状部27の外周面にて回動可能に支持された前側筒状部103と、内側立設板部22の第2筒状部37に嵌入されこの第2筒状部37の内周面にて回動可能に支持された後側筒状部104と、これら前側筒状部103と後側筒状部104とを連結する略円板状の連結板部105と、この連結板部105にこの連結板部105の径方向外方に向かって一体に突設された突出板部106とを有している。突出板部106には、ばね用孔部100が形成されている。
前側筒状部103は、内外周面がともに円筒面状である円筒状に形成されている。後側筒状部104は、外周面が円筒面状であるが、内周面が円筒面状ではなく、3つの平面部分107と1つの曲面部分108とを内周面に有している。つまり、第2回動体82は、第2非丸軸部62と係脱可能に係合する第2係合孔部109を後側に有し、この第2係合孔部109は、第2非丸軸部62と対応した形状のもので、3つの平面部分107および1つの曲面部分108を有している。
突出板部106は、図1に示すように、第1回動体81が閉位置に位置した状態時に、正面視略L字状のもので、正面視略矩形状の板部分111と、この板部分111の下端側内側面に内側方に向かって一体に突設された係合凸部分112とにて構成されている。この係合凸部分112は、この図1に示す蓋体7の閉状態時において、右下がりの傾斜方向に沿って位置する係合面113と、鉛直方向に沿って位置する当接面114とを有している。なお、板部分111は、係合面113に滑らかに連続した湾曲面115を内側面に有している。
さらに、コンソールボックス1は、収納体6の開口部4を開口させる場合において第1回動体81および第2回動体82のいずれか一方が蓋体7と一体となって開方向へ回動する際に、そのいずれか一方の上方回動を規制することにより、蓋体7の開方向への回動を規制して蓋体7を鉛直姿勢の開状態に停止させる回動規制手段120を有している。
回動規制手段120は、例えば収納体6に対して所定範囲内で、つまり上位置と下位置との間で水平姿勢のまま昇降可能な左右方向長手状の回動規制体121によって構成されている。回動規制体121は、収納体6の外側立設板部21と内側立設板部22との間の規制体収納部43内に上下方向長手状のガイド部(図示せず)に沿って昇降可能に配設されている。回動規制体121は、下位置に位置した状態時では、その全体が規制体収納部43内に位置して外部から見えないが、上位置に位置した状態時、つまり収納体6の規制体受け部25との当接により上昇が規制された状態時では、その一部が規制体収納部43内から出て外部に露出する。なお、回動規制手段120の左右方向長さ寸法は、収納体6の左右方向長さ寸法と略同じである。
また、回動規制体121は、左右方向長手状でかつ少なくとも左右両側面が開口した中空状の規制体本体部123と、この規制体本体部123の左右方向両端部から外側方に向かって突出する正面視略3角状の突出部124とを有している。
規制体本体部123は、図9に示すように、前板125と、後板126と、これら前板125の上端部と後板126の上端部とを連結する連結板である上板127とを有している。そして、上板127は、図3に示すように、長手方向一端部である左端部の下面に第1回動体81の当接面94との面状当接によりこの第1回動体81の上方回動を規制して蓋体7を左側で開状態に停止させる第1回動体当接受け部131を有し、かつ、長手方向他端部である右端部の下面に第2回動体82の当接面114との面状当接によりこの第2回動体82の上方回動を規制して蓋体7を右側で開状態に停止させる第2回動体当接受け部132を有している。
また、図5に示すように、規制体本体部123は、回動規制体121が上位置まで上昇した際に、規制体受け部25の第1板部分25aの下面に面状当接する当接面128を上面に有している。また、突出部124は、回動規制体121が上位置まで上昇した際に、規制体受け部25の第2板部分25bの下面に面状当接する当接面129を有している。さらに、突出部124は、外側方に行くに従って徐々に上方に向かう係合受け面130を有し、この係合受け面130は回動規制体121が下位置に位置した際に回動体81,82の係合面93,113と面状当接する。
さらに、図2および図3に示すように、規制体本体部123は、回動規制体121が上位置に位置した状態時に、側面開口から内部に入り込んだ回動体81,82の先端側を前後から覆う覆い部121a,121bを左右方向両端部にそれぞれ有している。
なお、回動体81,82は、外側立設板部21および内側立設板部22間に配設され、少なくとも外部から見えないようになっている。すなわち例えば、内側立設板部22は回動体81,82の後方部を覆う覆い部22a,22bを有し、かつ、外側立設板部21は回動体81,82の前方部および外側方部を覆う覆い部21a,21bを有している。
また、コンソールボックス1は、回動規制体121を上方に向けて付勢してこの回動規制体121を上昇させることにより蓋体7を中間開状態になるまで開方向に回動させてこの蓋体7を中間開状態に維持する規制体付勢手段135を備えている。
ここでいう蓋体7の中間開状態とは、例えば水平方向に対して傾斜角度θ、例えば略40度をもって傾斜する傾斜姿勢の半開き状態(開き出し状態)である。なお、この開き出し角度である傾斜角度θは、規制体付勢手段135の付勢力の変更により調整可能である。
規制体付勢手段135は、例えば弾性変形可能な左右1対の弾性部材である圧縮コイルばね(開き出し専用のスプリング)136にて構成されている。圧縮コイルばね136は、収納体6の突出部16の上面と回動規制体121の下面との間に圧縮状態で配設されている。
さらに、コンソールボックス1は、第1回動体81を第1回動体当接受け部131側、つまり当接面94が第1回動体当接受け部131に接近する方向に向けて付勢する第1付勢体141と、第2回動体82を第2回動体当接受け部132側、つまり当接面114が第2回動体当接受け部132に接近する方向に向けて付勢する第2付勢体142とを備えている。
第1付勢体141は、例えば弾性変形可能な第1ねじりばね143にて構成され、この第1ねじりばね143の一端部が収納体6の内側立設板部22の左端部に固着され、他端部が第1回動体81のばね用孔部80に固着されている。第2付勢体142は、例えば弾性変形可能な第2ねじりばね144にて構成され、この第2ねじりばね144の一端部が収納体6の内側立設板部22の右端部に固着され、他端部が第2回動体82のばね用孔部100に固着されている。なお、第1ねじりばね143の円筒状の中間部は第1回動体81の前側筒状部83の外周面を覆うように配設され、第2ねじりばね144の円筒状の中間部は第2回動体82の前側筒状部103の外周面を覆うように配設されている。
そして、収納体6の左右の規制体受け部25との当接により上昇が規制された回動規制体121によって、第1回動体81および第2回動体82のいずれか一方の上方回動が規制された状態時に、対応する第1ねじりばね143および第2ねじりばね144のいずれか一方の付勢力(弾性復元力)によって蓋体7が鉛直姿勢の開状態に維持される。
次に、コンソールボックス1の作用等を説明する。
図1、図10および図13には、水平姿勢の閉状態の蓋体7によって、収納体6の開口部4が閉鎖された状態が示されている。
このとき、第1非丸軸部61、第1丸軸部63、第2非丸軸部62および第2丸軸部64は、いずれも係合状態となっており、それぞれ対応する第1係合孔部89、第1孔部51、第2係合孔部109および第2孔部52に嵌入されて係合(嵌合)している。つまり、蓋体7は、収納体6に対して左右両側でロック状態となっている。
またこのとき、回動規制体121は、下位置に位置して圧縮コイルばね136にて上方へ付勢された状態となっている。そして、回動規制体121の上板127の上面が、収納体6の外側立設板部21の凹部分23に嵌入した嵌入凸部73の下面に当接し、この当接により回動規制体121の上昇が規制されている。また、回動体81,82は、閉位置に位置してねじりばね143,144にて当接受け部131,132側へ付勢された状態となっている。そして、回動体81,82の係合面93,113が回動規制体121の突出部124の係合受け面130に当接し、この当接により回動体81,82の上方回動が規制されている。
ここで、例えば図14に示すように、運転席3に座った者が右側の第2操作部72を蓋体7内へ押し込むように押圧操作して左方向へ移動させると、第2非丸軸部62および第2丸軸部64が互いに接近方向に移動して第2係合孔部109内および第2孔部52内から抜け出して非係合状態となり、蓋体7が右側ロック解除状態となる。なお、第1非丸軸部61および第1丸軸部63は、係合状態のままである。
そして、蓋体7が右側ロック解除状態となると、図2および図11に示すように、回動規制体121が圧縮コイルばね136および右側の第2ねじりばね144の付勢力に基づいて規制体受け部25に当接するまで、つまり上位置まで上昇し、蓋体7がその上昇する回動規制体121にて上方へ押される形で回動中心軸線aを中心として開方向に上方回動して傾斜角度θをもった傾斜姿勢の半開き状態となる。
つまり、第2操作部72の押圧操作のみによって、蓋体7が主として圧縮コイルばね136の付勢力で閉状態から半開き状態となり、この半開き状態に維持される。なお、この半開き状態では、蓋体7は、規制体受け部25に当接して上位置に位置した回動規制体121で支持されている。すなわち、蓋体7の嵌入凸部73の長手方向端部のみが回動規制体121の上板127で支持されている。
続いて、運転席3に座った者は、例えば蓋体7の右側端部を持って、図3および図12に示すように、蓋体7をこの蓋体7が鉛直姿勢の開状態になるまでその自重に抗して手動で開方向に回動させる。なお、第1ねじりばね143の付勢力は、手動による蓋体7の上方回動を補助する。
このとき、第1回動体81が第1非丸軸部61と係合したまま蓋体7と一体となって開方向へ回動し、この第1回動体81が開位置に到達すると、当接面94が上位置に位置した回動規制体121の第1回動体当接受け部131に当接し、この当接によって第1回動体81の上方回動、つまり蓋体7の開方向への回動が規制される。また、この蓋体7の鉛直姿勢の開状態は、対応する左側の第1ねじりばね143の付勢力によって維持され、収納体6の開口部4の開口状態が保持される。
なお、収納体6の開口部4を閉鎖する場合は、蓋体7をばね136,143,144の付勢力に抗してもとの水平姿勢の閉状態になるまで回動中心軸線aを中心として閉方向に回動させる。蓋体7が閉状態になると、図示しない付勢手段の付勢力に基づいて第2非丸軸部62および第2丸軸部64が互いに離反方向に移動して第2係合孔部109内および第2孔部52内に嵌まり込んで係合状態に戻る。
また、例えば図15に示すように、助手席2に座った者が左側の第1操作部71を蓋体7内へ押し込むように押圧操作して右方向へ移動させると、第1非丸軸部61および第1丸軸部63が互いに接近方向に移動して第1係合孔部89内および第1孔部51内から抜け出して非係合状態となり、蓋体7が左側ロック解除状態となる。なお、第2非丸軸部62および第2丸軸部64は、係合状態のままである。
そして、蓋体7が左側ロック解除状態となると、図示しないが、上述の運転席3側からの場合と同様、回動規制体121が圧縮コイルばね136および左側の第1ねじりばね143の付勢力に基づいて規制体受け部25に当接するまで上昇し、蓋体7がその上昇する回動規制体121にて上方へ押される形で回動中心軸線bを中心として開方向に上方回動して傾斜角度θをもった傾斜姿勢の半開き状態となる。
続いて、助手席2に座った者が例えば蓋体7の左側端部を持って蓋体7を開状態になるまでその自重に抗して開方向に回動させる。このとき、第2回動体82が第2非丸軸部62と係合したまま蓋体7と一体となって開方向へ回動し、この第2回動体82が開位置に到達すると、当接面114が上位置に位置した回動規制体121の第2回動体当接受け部132に当接し、この当接によって第2回動体82の上方回動、つまり蓋体7の開方向への回動が規制される。また、この蓋体7の鉛直姿勢の開状態は、対応する右側の第2ねじりばね144の付勢力によって維持され、収納体6の開口部4の開口状態が保持される。
なお、収納体6の開口部4を閉鎖する場合は、蓋体7をばね136,143,144の付勢力に抗してもとの水平姿勢の閉状態になるまで回動中心軸線bを中心として閉方向に回動させる。蓋体7が閉状態になると、図示しない付勢手段の付勢力に基づいて第2非丸軸部62および第2丸軸部64が互いに離反方向に移動して第2係合孔部109内および第2孔部52内に嵌まり込んで係合状態に戻る。
そして、このようなコンソールボックス1によれば、回動規制手段120を構成する回動規制体121によって第1回動体81および第2回動体82のいずれか一方の回動を開位置で規制することにより蓋体7の開方向への回動を適切に規制でき、しかもこの際、蓋体7の回動支点側の第1回動体81および第2回動体82のいずれか他方は、蓋体7と一体となって回動しないため、外観が損なわれず、外観が良好である。
また、第1回動体当接受け部131および第2回動体当接受け部132を左右方向両端側に有する箱状の外部ストッパである回動規制体121によって、内部ストッパである回動体81,82の上方回動を規制して蓋体7の開方向の回動を規制するため、高剛性であるばかりでなく、蓋体7の開方向への回動をより一層適切に規制できる。
さらに、回動規制体121によって第1回動体81および第2回動体82のいずれか一方の回動が開位置に規制された蓋体7の開状態時(フルオープン状態)に、対応する第1ねじりばね143および第2ねじりばね144のいずれか一方の付勢力によって蓋体7が開状態に位置決めされて維持されるため、蓋体7を開状態に適切かつ安定的に維持できる。よって、例えば自動車の走行時において振動が発生しても蓋体7の開状態が対応するばね143,144の付勢力で適切に維持される。
また、回動規制体121を上方に向けて付勢して蓋体7を開方向に上方回動させて中間開状態に維持する圧縮コイルばね136を備えるため、この圧縮コイルばね136によって蓋体7を中間開状態に適切かつ安定的に維持できる。
さらに、両回動体81,82および両ねじりばね143,144は、蓋体7の状態に拘らず、収納体6の一部である覆い部21a,21b,22a,22bと回動規制体121の一部である覆い部121a,121bとによって覆われて見えないようになっているため、両回動体81,82等が外部に露出するのを防止でき、乗員の視界には入らず、見栄えがよく、外観がきわめて良好である。
また、第1非丸軸部61、第1係合孔部89、第2非丸軸部62および第2係合孔部109は、いずれも平面部分67,87,107を有するため、製造が比較的容易であるばかりでなく、孔部89,109に対する蓋体7の非丸軸部61,62の回動を確実に防止でき、第1回動体81や第2回動体82を蓋体7の回動に適切に連動させることができる。
さらに、第1操作部71や第2操作部72の押圧操作のみによって蓋体7を一旦、傾斜姿勢の中間開状態にできるため、蓋体7の操作性が良好であり、また、その蓋体7の中間開状態(傾斜開状態)の傾斜角度θは、規制体付勢手段135を構成する圧縮コイルばね136の付勢力の変更により容易に調整できる。
また、蓋体7の中間開状態と蓋体7の開状態(全開状態)とをそれぞれ別のばね136,143,144で制御しているため、蓋体7の傾斜角度θの管理が容易であるとともに、非丸軸部61,62に掛かるばね143,144の負荷を比較的小さくできる。
なお、図17には、他の実施の形態に係るコンソールボックス1の一部が示されている。
この実施の形態のように、挿脱ピンである非丸軸部61,62が2つの平面部分67および2つの曲面部分68を有し、係合孔部89,109がその非丸軸部61,62に対応して2つの平面部分87,107および2つの曲面部分88,108を有する構成等でもよい。なお、図示しないが、平面部分を有しない構成でもよく、例えば非丸軸部61,62および係合孔部89,109の断面形状を楕円状にした構成等でもよい。
また、図18には、さらに他の実施の形態に係るコンソールボックス1の一部が示されている。
この実施の形態のように、蓋体7の嵌入凸部73の下面にリブ73aが下方に向かって突設され、このリブ73aが回動規制体121の上板127の上面に当接する構成等でもよい。
さらに、例えば蓋体7の回動支点側のねじりばね143,144の付勢力のみで、蓋体7が鉛直姿勢の開状態になるまで回動するようにしてもよい。
また、回動規制手段120が昇降可能な回動規制体121で構成されたものには限定されず、例えば収納体6の一部が回動体81,82の回動を規制する回動規制手段である回動体当接受け部となっているもの等でもよい。