JP5053706B2 - 出隅用タイル部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、建物の表面に貼り付けられるタイルに関し、特に、出隅個所を形成するのに好適な出隅用タイル部材の製造方法に関する。
従来、建物の表面に貼り付けられるタイルには、建物の出隅個所の見栄えを高めるために、表面(貼り付け側(裏面)とは逆側に位置する面)と同様の面加工を、当該表面に隣接する一側面にも施したものが考えられている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このものでは、互いに等しい面加工が施された表面と一側面との稜線が、建物の出隅個所に位置するように当該出隅個所の一方の壁面に一方のタイルを貼り付けるとともに、その一側面と同一平面上で表面が隣接するように当該出隅個所の他方の壁面に他方のタイルを貼り付けることにより、当該出隅個所の近傍において一方の壁面から他方の壁面に至る間の外表面を同一の加工面とすることができ、建物の全体の見栄えを高めることができる。
ところが、上記したタイルは、表面に加えて一側面にも同様の面加工を施す必要があることから製造コストが増加するとともに、予め設定された表面と一側面との角度関係に等しい角度関係の出隅個所にしか用いることができない汎用性の低いものであることから、建物のコストの上昇を招いてしまう。
また、特許文献1のタイルのように表面および一方の側面に不均一な凹凸加工を施した場合、一方のタイルの一側面と他方のタイルの表面との継目(一側面と表面との境界)の凹凸形状を完全に一致させることはとても困難であり、一方のタイルと他方のタイルとの突き合わせ部分に段差が生じ、当該突き合わせ部分の意匠性、すなわち出隅個所の意匠性が損なわれてしまう。
さらに、特許文献2のタイルのように表面および一方の側面に規則的に連続する溝を形成する加工を施した場合、一方のタイルの一側面と他方のタイルの表面との突き合わせ精度を高めないと、一方のタイルと他方のタイルとの突き合わせ部分だけ連続する溝の規則性が損なわれることとなり、当該突き合わせ部分の意匠性、すなわち出隅個所の意匠性が損なわれてしまう。
このため、上記した特殊なタイルを用いることに代えて、建物の出隅個所に、役物と呼ばれるL字型のタイル部材を貼り付けることが考えられている。このL字型のタイル部材は、平板形状のタイルを研削加工することにより、端縁部の裏面側に建物の出隅個所に適合する角度(例えば、出隅個所の両壁面が交わる角度の半分の角度)の傾斜面を設け、この傾斜面同士を突き合せて固着することにより形成される。
特開2004−324167号公報 特開2004−308256号公報
しかしながら、上記したように、平板形状のタイルの裏面側に傾斜面を設けてL字型のタイル部材を形成する場合、研削加工で適切な傾斜面を形成するためには熟練の加工技術が要求されることから、互いの切欠面を適切に突き合せることを可能としつつ突き合せ個所の見栄えすなわち建物の出隅個所の見栄えを高めることは大変困難である。
また、上記したものでは、例えば、傾斜面を形成する研削加工において、表面に罅、欠け、割れ等が生じた場合、その罅、欠け、割れ等が目立つことから歩留りの低下を招いてしまう。
そこで、本発明は、容易な作業で出隅個所の見栄えを高めることができる出隅用タイル部材の製造方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、建物の出隅個所における一方の壁面と他方の壁面との稜線を跨ぎつつ前記両壁面に面当接可能な出隅用タイル部材を製造する方法であって、所定の厚さ寸法の平板形状を呈し、表面および裏面が互いに平行な長方形状とされ長辺方向に位置する両端縁部には、前記表面から前記裏面側へ向けて傾斜する表面側傾斜面と、前記裏面から前記表面側へ向けて傾斜する裏面側傾斜面とが設けられ、前記両表面側傾斜面は不均一な凹凸状とされ、前記両裏面側傾斜面は平坦状とされ、前記表面には短辺方向に平行に延在し不均一な凹凸面を有する溝が設けられているタイルを、前記両端縁部のうち一方の端縁部から所定の長さ寸法となる位置で切断して第1タイル部材を形成し、かつ他方の端縁部から所定の長さ寸法となる位置で切断して第2タイル部材を形成する工程と、前記第1タイル部材の前記一方の端縁部と前記第2タイル部材の前記他方の端縁部とを適切に突き合せるための傾斜面を形成する研削加工を行うことなく、前記第1タイル部材の前記裏面側傾斜面と前記第2タイル部材の前記裏面側傾斜面とを接着剤を介在させて付き合わせる工程とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、前記第2タイル部材は、前記第1タイル部材を形成した前記タイルの残部から形成し、単独の前記タイルから形成した前記第1タイル部材の前記裏面側傾斜面と前記第2タイル部材の前記裏面側傾斜面とを付き合わせることを特徴とする。
請求項3に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1または請求項2に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、前記両表面側傾斜面は、前記表面に対する傾斜角度が互いに異なっていることを特徴とする。
請求項4に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、前記溝は、前記表面において、互いの間隔が不均一に増減するように長辺方向に並列して複数設けられ、前記各溝は、長辺方向で対向する2つの傾斜面部を有し、該両傾斜面部は、前記表面に対する傾斜角度が互いに異なっていることを特徴とする。
請求項5に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、前記両裏面側傾斜面は、前記裏面に対して略45度の傾斜角度とされていることを特徴とする。
請求項6に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、含水率7〜9%の杯土からプレス成型により形成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の出隅用タイル部材の製造方法は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法であって、前記両表面側傾斜面は、前記両裏面側傾斜面よりも小さな厚さ寸法とされていることを特徴とする。
本発明に係るタイルによれば、両端縁部の裏面側には予め裏面側傾斜面が設けられていることから、裏面側に傾斜面を設けるための研削加工を施すことなく、両裏面側傾斜面を突き合せるように固着することができ、容易な作業でL字型のタイル部材(出隅用タイル部材)を形成することができる。この出隅用タイル部材では、出隅個所に位置される互いの突き合わせ個所の外表面側(以下、出隅部分という。)において、互いの突き合わせ個所を挟むように不均一な凹凸状とされた2つの表面側傾斜面が隣接しつつ並列されることから、突き合わせ個所を目立たなくさせることができる。換言すると、並列して隣接する2つの表面側傾斜面の不均一な凹凸面が与えるばらつき感の中に、当接突き合わせ個所を溶け込ませることができる。
また、出隅部分において互いの突き合わせ個所を挟むように不均一な凹凸状とされた2つの表面側傾斜面を隣接させつつ並列するように出隅用タイル部材を形成すれば、建物の出隅個所の見栄えを高めることができることから、突き合わせられる両裏面側傾斜面の裏面に対する傾斜角度を足し合わせた角度よりも大きな角度であれば、あらゆる角度の出隅個所に用いることができる。
上記した構成に加えて、両表面側傾斜面が、表面に対する傾斜角度が互いに異なっていると、出隅用タイル部材の出隅部分では、それぞれ並列して隣接する各表面側傾斜面と表面との角度関係が互いに異なることとなるので、並列して隣接する2つの表面側傾斜面のばらつき感をより自然なものとすることができる。
上記した構成に加えて、溝が、表面において、長辺方向に並列して複数設けられていると、出隅部分の見栄えを向上させつつ全体の印象に統一感がある出隅用タイル部材を形成することができる。
上記した構成に加えて、各溝が、互いの間隔が不均一に増減するように並列していると、全体の印象に統一感を持たせつつ規格品が生み出す画一化された雰囲気が薄められた、自然な風合いを醸し出す出隅用タイル部材を形成することができる。
上記した構成に加えて、両裏面側傾斜面が、裏面に対して略45度の傾斜角度とされていると、両裏面側傾斜面を面当接するように突き合せて固着することで、直交する角度関係とされた出隅用タイル部材を容易に形成することができる。
上記した構成のタイルを、含水率7〜9%の杯土からプレス成型により形成すると、容易にかつ高精度に、両表面側傾斜面、両裏面側傾斜面および溝の形状を成形することができる。
本発明を図1ないし図9に示した実施例に沿って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るタイル10が適用される場面を示す模式的な斜視図である。図2は、本実施例に係るタイル10を示す模式的な斜視図であり、図3は、図2に示す矢印A1から見たタイル10の模式的な斜視図である。図4は、図2に二点鎖線で示す領域Tを部分的に拡大して示す部分拡大図であり、図5は、図2のI−I線に沿って得られた部分的な断面図である。
タイル10は、図1に示すように、建物の出隅個所Eに貼り付ける出隅用タイル部材30を形成するのに好適なタイルである。タイル10は、本実施例では、含水率7〜9%の杯土からプレス成型により形成され、図2および図3に示すように、所定の厚さ寸法の板形状を呈しており、表面11の形状が全体に長方形状とされている。ここで、タイル10において、表面11の長辺方向Lで見た両端に位置する個所(表面11側から見て短辺に相当する個所)を一端縁部12および他端縁部13とする。また、表面11とは、建物の壁面(31)(図7参照)に貼り付けられた状態で外側に位置される面であり、建物の壁面(31)へと貼り付けられる面を裏面14とする。表面11と裏面14とは、互いに平行とされている。
タイル10の表面11には、複数の溝15が設けられている。各溝15は、全体として(表面11(タイル10)の全体を視界に入れるように巨視的に見ると)表面11の短辺方向Sに沿って延在している。各溝15は、本実施例では、短辺方向Sに不均一な間隔で並列されており、その一つが例示された図4および図5に示すように、長辺方向Lで対向する2つの傾斜面部16、17と、底面部18とを有する。各溝15は、互いに等しい深さ寸法(タイル10の厚さ方向で見た寸法)とされている。その両傾斜面部16、17は、表面11に対して互いに異なる傾斜角度とされ、不均一な凹凸面とされている。これにより、各溝15は、図2および図3に示すように、全体に短辺方向Sに沿って延在し、かつ長辺方向Lの寸法を幅寸法W1(図5参照)とすると、タイル10の短辺方向Sに沿って見る位置により、幅寸法W1が不均一に増減する構成とされている。
このタイル10の一端縁部12および他端縁部13には、表面側傾斜面19、20および裏面側傾斜面21、22が設けられている。表面側傾斜面19、20は、図4および図5に示すように、表面11から所定の厚さ寸法Hdに至る間で、一端縁部12または他端縁部13(他端縁部13側および表面側傾斜面20は図示せず。)を表面11に対して所望の傾斜角度で切り欠くように形成されている。両表面側傾斜面19、20は、不均一な凹凸面とされ、本実施例では、一方の表面側傾斜面19と他方の表面側傾斜面20とでは、表面11に対して互いに異なる傾斜角度とされている。このため、表面側傾斜面19および表面側傾斜面20は、全体に短辺方向Sに沿って延在し、かつ長辺方向Lの寸法を幅寸法W2(図5参照)とすると、タイル10の短辺方向Sに沿って見る位置により、幅寸法W2が不均一に増減する構成とされている。
裏面側傾斜面21、22は、裏面14から所定の厚さ寸法Hbに至る間で、一端縁部12または他端縁部13(他端縁部13側および裏面側傾斜面22は図示せず。)を裏面14に対して所望の傾斜角度α(図5参照)の傾斜角度で切り欠くように形成されている。裏面側傾斜面21、22は、平坦面とされ、本実施例では、双方とも裏面14に対して45度の傾斜角度とされている。この裏面側傾斜面21、22は、後述するように、出隅用タイル部材30を形成する際に、第1タイル部材28と第2タイル部材29とを適切な角度関係で結合すべく互いにつき合わせるための傾斜面である。
また、本実施例のタイル10では、各縁部傾斜面22、23と裏面側傾斜面21、22との間に、一端縁面23および他端縁面24(図6参照)が設けられている。この一端縁面23および他端縁面24(図7参照)は、短辺方向Sおよびタイル10の厚さ方向を含む面に沿って延在されており、タイル10を表面11側から正面視した場合の直線状の一端縁25または他端縁26(図2および図3参照)を規定している。
さらに、本実施例のタイル10では、表面11のうち各溝15を除く平面部分に、不均一な大きさ寸法および形状の凹所27が複数設けられている。この各凹所27は、その設けられている位置および個数に、規則性を有する必要はない。この各凹所27は、各溝15および表面側傾斜面19、20とともに、規格化された製品がもつ画一化された印象(人工的な印象)を弱めて、自然な風合いを醸し出すことができるように、位置、個数、大きさ寸法および形状等を適宜設定すればよい。
このようなタイル10として、例えば、長辺方向Lの大きさ寸法を217mmとし、短辺方向Sの大きさ寸法を60mmとし、厚さ寸法を、図5に示すように、各表面側傾斜面19に相当する個所Hdを2.5mmとし、一端縁面23に相当する個所Heを0.5mmとし、裏面側傾斜面21に相当する個所Hbを6.5mmとして形成した。また、各溝15の深さ寸法を表面側傾斜面19、20に相当する個所の厚さ寸法Hdと等しくし、各凹所27の深さ寸法を寸法Hdよりも小さいものとした。このタイル10では、各溝15の底部から表面10に至る領域(タイル10の厚さ方向で見て図5に符号Hdで示す領域)が建物の外観を装飾する装飾部となり、裏面14から各溝15の底部に至る領域(タイル10の厚さ方向で見て図5に符号HbおよびHeで示す領域)が建物への取り付けのための基部となる。
次に、タイル10から、90度とされた建物の出隅個所E(図1および図7参照)に貼り付ける出隅用タイル部材30を製造する工程について説明する。
先ず、単独のタイル10を、一端縁25から所望の長さ寸法L1となる位置(図3の符号C1参照)で切断するとともに、他端縁26から所望の長さ寸法L2となる位置(図3の符号C2参照)で切断する。この各所望の長さ寸法は、建物の壁面におけるタイルの貼り付け位置を勘案しつつ、建物の出隅個所E(図1および図7参照)に適合する長さ寸法とすればよい。この一例として、上記した大きさ寸法のタイル10(全長が217mm)を用いて、長さ寸法L1を141.5mmとし、長さ寸法L2を25mmとした。以下では、タイル10から切り出された部材のうち、一端縁部12を含む側(長さ寸法L1側)を第1タイル部材28とし、他端縁部13を含む側(長さ寸法L2側)を第2タイル部材29とする。
次に、第1タイル部材28の一端縁面23の下端(裏面14側)と、第2タイル部材29の他端縁面24(図6参照)の下端(裏面14側)とを一致させるように、第1タイル部材28の裏面側傾斜面21と、第2タイル部材29の裏面側傾斜面22とを接着剤を介在させて付き合わせる(図6の符号P参照)。このとき、タイル10では、プレス成型により形成された時点で、裏面側傾斜面21および裏面側傾斜面22が設けられていることから、裏面側に傾斜面を設けるための研削加工を施すことなく、裏面側傾斜面21および裏面側傾斜面22を突き合せて、第1タイル部材28と第2タイル部材29とを結合することができる。これにより、図6に示すように、全体にL字状を呈する出隅用タイル部材30が形成される。図1および図7に示す例では、建物の出隅個所Eが直交された壁面により形成されていることから、第1タイル部材28の裏面側傾斜面21と、第2タイル部材29の裏面側傾斜面21とが、面当接するように付き合わされて固着されて、出隅用タイル部材30が形成されている。
この出隅用タイル部材30は、図1に示すように、建物の出隅個所Eを構成する壁面(本実施例では下地パネル31(図7参照))に接着剤32(図7参照)を塗った上から押し当てられて(矢印A3参照)、建物の出隅個所の下地パネル31に貼り付けられる(図7参照)。この本発明に係るタイル10およびそれから形成された出隅用タイル部材30では、以下のaないしhで述べる効果を得ることができる。
a:建物の出隅個所Eには、出隅用タイル部材30の互いの突き合わせ個所P(図7参照)の外表面側(以下、出隅部分33という。)が位置されることとなる。この出隅用タイル部材30の出隅部分33では、互いに隣接する第1タイル部材28の一端縁部12に設けられた表面側傾斜面19と、第2タイル部材29の他端縁部13に設けられた表面側傾斜面20と、が突き合わせ個所Pを挟むように隣接しつつ並列されている。このため、突き合わせ個所Pを目立たなくさせることができる。これは、突き合わせ個所Pが、隣接しつつ並列する表面側傾斜面19と表面側傾斜面20との不均一な凹凸面が与えるばらつき感、およびそれらにより形成される影の揺らぎの中に溶け込むことによる。
b:裏面14に予め裏面側傾斜面21および裏面側傾斜面22が設けられていることから、建物の出隅個所Eに適用させるべく出隅用タイル部材30を形成するために、タイルの端縁部の裏面側に傾斜面を形成する必要がない。このため、従来のように熟練の加工技術を必要とする研削加工を行うことなく、容易な作業で建物の出隅個所Eの見栄えを高めることができる。
c:両端縁部14、15に表面側傾斜面19、20および裏面側傾斜面21、22が設けられていることから、単独のタイル10で出隅用タイル部材30を形成することができるので、より出隅個所Eの見栄えを高めることができる。これは、各タイル10では、同一の素材から形成された同規格のものであっても色合い等の外観には僅かに固体差が生じることが考えられるが、同一のタイル10から形成された第1タイル部材28および第2タイル部材29を隣接させて出隅用タイル部材30を形成すれば、外観の差異をより効果的に抑制することができ、より一体感のある外観を得ることができることによる。
d:表面11に設けられた複数の溝15と、出隅個所Eで当接個所Pを介在させて隣接する第1タイル部材28の一端縁部12の表面側傾斜面19および第2タイル部材29の他端縁部13の表面側傾斜面20とが、短辺方向Sに沿って伸びつつ並列していることから、建物の外観を全体に統一感のある印象とすることができる(図2、図3および図6参照)。これに加えて、各溝15および両表面側傾斜面19、20が、短辺方向Sに沿って見る位置により幅寸法(図5の符号W1、W2参照)が不均一に増減する構成とされていることから、規格品が生み出す画一化された印象(人工的な印象)を薄めることができ、自然な風合いを醸し出すことができる。特に、上記した実施例では、不均一な間隔で並列された各溝15の両傾斜面部16、17の傾斜角度が互いに異なる構成とされるとともに、表面11に複数の凹所27が設けられていることから、画一化された雰囲気をより効果的に薄めて、自然な印象を与えることができる。
e:各溝15、各表面側傾斜面19、20および各凹所27が、規格化された製品の有する画一化された印象を弱めて、自然な風合いを醸し出すことができるように、位置、個数、大きさ寸法および形状等を設定されていることから、例えば、表面11に微少な罅、欠け、割れ等(製品としての強度、品質等の観点では問題のないもの)が生じた場合であっても、各溝15、各表面側傾斜面19、20および各凹所27による不均一な凹凸面および蛇行する稜線が与えるばらつき感の中に罅、欠け、割れ等を溶け込ませることができる。このため、歩留りを向上させることができる。
f:両裏面側傾斜面21、22が裏面14に対して45度の傾斜角度とされていることから、両裏面側傾斜面21、22を面当接するように突き合せて固着することで、直交する角度関係とされた出隅用タイル部材30を容易に形成することができる。
g:含水率7〜9%の杯土からプレス成型により形成されていることから、容易にかつ高精度に、各溝15、各表面側傾斜面19、20、裏面側傾斜面21、22および各凹所27の形状を成形することができる。
h:第1タイル部材28の一端縁部12の表面側傾斜面19と、第2タイル部材29の他端縁部13の表面側傾斜面20とが、隣接して並列するように第1タイル部材28と第2タイル部材29とを当接させて出隅用タイル部材30を形成すれば、建物の出隅個所Eの見栄えを高めることができることから、種々の角度の出隅個所Eに用いることができる。この一例を図8および図9に示す。図8は、建物のボウウィンドウ部の出隅個所E´にタイル10が適用された例を示す模式的な斜視図であり、図9は、ボウウィンドウ部の出隅個所E´に取り付けるために形成された出隅用タイル部材30´である。図9の出隅用タイル部材30´は、タイル10を、一端縁25から所望の長さ寸法53mmとなる位置で切断して形成した第1タイル部材28´、および他端縁26から所望の長さ寸法53mmとなる位置で切断して形成した第2タイル部材29´を用いて形成されている。この第1タイル部材28の一端縁面23の下端(裏面14側)と、第2タイル部材29の他端縁面24(図6参照)の下端(裏面14側)とを当接させた状態で、第1タイル部材28の裏面側傾斜面21と第2タイル部材29の裏面側傾斜面22との間に、当該両裏面側傾斜面21、22がボウウィンドウ部の出隅個所E´に適合する角度関係(この例では60度)で対向するように接着剤34を介在させて付き合わされて出隅用タイル部材30´が形成されている。この出隅用タイル部材30´が、図8に示すように、建物の出隅個所E´を構成する壁面に接着剤(図示せず)を塗った上から押し当てられて(矢印A4参照)、当該出隅個所E´に貼り付けられる。このように、第1タイル部材28と第2タイル部材29との当接関係を適宜調節すると、各裏面側傾斜面21、22の裏面14に対する傾斜角度(本実施例では双方とも45度)を足し合わせた角度よりも大きな角度であれば、あらゆる角度の出隅個所に用いることができる。これは、第1タイル部材28の一端縁部12の表面側傾斜面19と第2タイル部材29の他端縁部13の表面側傾斜面20とがそれぞれ表面11に対して異なる傾斜角度とされていること、当接個所Pに並列する各溝15がそれぞれ表面11に対して異なる傾斜角度の両傾斜面部16、17を有する構成とされていることから、第1タイル部材28と第2タイル部材29との互いの角度関係が変化して出隅個所Eにおける表面側傾斜面19と表面側傾斜面20との互いの角度関係が変化することに拘わらず、全体としての不均一な印象を与えることができることによる。
したがって、本発明に係るタイル10では、容易な作業で出隅個所の見栄えを高めることができる。
なお、上記した実施例では、タイル10は、建物の出隅個所を構成する壁面としての下地パネル31に接着剤32を用いて貼り付けられる乾式工法に適用された例が示されていたが、壁面にモルタルを塗布した上から貼り付ける湿式工法であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、各溝15の両傾斜面部16、17および各表面側傾斜面19、20が不均一な凹凸状とされ、かつ各溝15の本数、各溝15の互いの間隔、各凹所27の位置、個数、大きさ寸法および形状等が、それぞれ不均一なものとされてタイル10の装飾部が構成されていたが、この装飾部は、規格化された製品の有する画一化された印象(人工的な印象)を弱めて、自然な風合いを醸し出すことができるものであれば、上記各構成の適宜取捨選択することができ、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、単独のタイル10から形成した、第1タイル部材28および第2タイル部材29を付き合わせて結合された出隅用タイル部材30を建物の出隅個所Eに貼り付けていたが、2つのタイル10を用いて出隅用タイル部材30を形成してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。しかしながら、単独のタイル10から出隅用タイル部材30を形成すると、より一体感のある外観を得ることができるので、単独のタイル10から出隅用タイル部材30を形成することが望ましい。
上記した実施例では、両裏面側傾斜面21、22が裏面14に対して45度の傾斜角度とされていたが、それ以外の傾斜角度でありかつ互いに異なる傾斜角度であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、下地パネル31により構成された建物の出隅個所Eに出隅用タイル部材30が貼り付けられていたが、建物の出隅個所に使用されるタイルパネルであっても、建物の出隅個所を構成する外壁部材であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各溝15は、2つの凹凸状の傾斜面部16、17と、底面部18とを有する構成とされていたが、凹凸状の面を有し短辺方向に平行に延在するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
本発明に係るタイルが適用される場面を示す模式的な斜視図である。 本発明に係るタイルを示す模式的な斜視図である。 図2に示す矢印A1から見たタイル10の模式的な斜視図である。 図2に二点鎖線で示す領域Tを部分的に拡大して示す部分拡大図である。 図2のI−I線に沿って得られた部分的な断面図である。 本発明のタイルを用いて形成された出隅用タイル部材の一例を示す模式的な斜視図である。 本発明のタイルを用いて形成された出隅用タイル部材を建物の出隅個所に貼り付けた状態を示す模式的な斜視図である。 本発明に係るタイルが適用される図1とは異なる場面を示す模式的な斜視図である。 図6とは異なる例の出隅用タイル部材を示す模式的な斜視図である。
符号の説明
10 タイル
11 表面
12 一端縁部
13 他端縁部
14 裏面
15 溝
19、20 表面側傾斜面
21、22 裏面側傾斜面
30 出隅用タイル部材
34 接着剤

Claims (7)

  1. 建物の出隅個所における一方の壁面と他方の壁面との稜線を跨ぎつつ前記両壁面に面当接可能な出隅用タイル部材を製造する方法であって、
    所定の厚さ寸法の平板形状を呈し、表面および裏面が互いに平行な長方形状とされ長辺方向に位置する両端縁部には、前記表面から前記裏面側へ向けて傾斜する表面側傾斜面と、前記裏面から前記表面側へ向けて傾斜する裏面側傾斜面とが設けられ、前記両表面側傾斜面は不均一な凹凸状とされ、前記両裏面側傾斜面は平坦状とされ、前記表面には短辺方向に平行に延在し不均一な凹凸面を有する溝が設けられているタイルを、
    前記両端縁部のうち一方の端縁部から所定の長さ寸法となる位置で切断して第1タイル部材を形成し、かつ他方の端縁部から所定の長さ寸法となる位置で切断して第2タイル部材を形成する工程と、
    前記第1タイル部材の前記一方の端縁部と前記第2タイル部材の前記他方の端縁部とを適切に突き合せるための傾斜面を形成する研削加工を行うことなく、前記第1タイル部材の前記裏面側傾斜面と前記第2タイル部材の前記裏面側傾斜面とを接着剤を介在させて付き合わせる工程とを有することを特徴とする出隅用タイル部材の製造方法。
  2. 前記第2タイル部材は、前記第1タイル部材を形成した前記タイルの残部から形成し、単独の前記タイルから形成した前記第1タイル部材の前記裏面側傾斜面と前記第2タイル部材の前記裏面側傾斜面とを付き合わせることを特徴とする請求項1に記載の出隅用タイル部材の製造方法。
  3. 前記両表面側傾斜面は、前記表面に対する傾斜角度が互いに異なっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出隅用タイル部材の製造方法。
  4. 前記溝は、前記表面において、互いの間隔が不均一に増減するように長辺方向に並列して複数設けられ、
    前記各溝は、長辺方向で対向する2つの傾斜面部を有し、
    該両傾斜面部は、前記表面に対する傾斜角度が互いに異なっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法。
  5. 前記両裏面側傾斜面は、前記裏面に対して略45度の傾斜角度とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法
  6. 含水率7〜9%の杯土からプレス成型により形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法。
  7. 前記両表面側傾斜面は、前記両裏面側傾斜面よりも小さな厚さ寸法とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の出隅用タイル部材の製造方法。
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