JP2004225467A - タイル - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時及び施工時のコストの増大を防止し、建物の出隅部を見栄え良く仕上げることができるタイルを提供する。
【解決手段】タイル10は長方形の平板材からなり、長手方向における対向辺に、裏面16に対しほぼ135°となるように傾斜部20が形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル10の傾斜部20が突き合わされることによって、ほぼ90°の出隅部に対応した形状となり、これらのタイル10が接着剤で下地サイディングに貼り付けられる。これにより、従来の役物タイルが不要となり、1枚の平面形状のタイル10で平面、出隅部、入隅部等のすべての部位を施工できる。
【選択図】 図1
【解決手段】タイル10は長方形の平板材からなり、長手方向における対向辺に、裏面16に対しほぼ135°となるように傾斜部20が形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル10の傾斜部20が突き合わされることによって、ほぼ90°の出隅部に対応した形状となり、これらのタイル10が接着剤で下地サイディングに貼り付けられる。これにより、従来の役物タイルが不要となり、1枚の平面形状のタイル10で平面、出隅部、入隅部等のすべての部位を施工できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅、鉄筋住宅などの建造物に用いられるタイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造住宅、鉄筋住宅などの建造物の外壁には、陶器、磁器などの硬質のタイルが貼り付けられており、このような外壁用タイルとして、例えば図9及び図10に示すようなタイル100が一般的に知られている。
【0003】
このタイル100は、長方形の平板材からなり、この平板材の四辺は表面106とほぼ直角の小口104となっている。このタイル100は、躯体壁面103の下地サイディング101に接着剤で貼着され、出隅部101Aには、長辺部110とこれに対して直角をなす短辺部112とを有する折曲形状の役物タイル114が貼着されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−270201号公報(段落[0006]、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出隅部101Aに接着された役物タイル114は、強風等による躯体の動きに追従して長辺部110と短辺部112の連結部にヒビや欠けなどの破損が発生することが多い。
【0006】
また、役物タイル114は平面タイルとは別の金型で焼成して成形する必要があり、成形時に厚みなどの寸法が変わってくるという問題もある。
【0007】
このため、標準仕様のタイル100を中央部付近で切断し、さらに切断面を45°に切断し、 両者の切断面を突き合わせて接着し役物タイルを手加工している。しかし、タイル100は工場で生産したものがそのまま現場に搬入されるのに対し、手加工の役物タイルは一旦加工屋で接着加工を施した後、現場に搬入されることになり、工期の遅延につながる。
【0008】
また、接着手加工、焼成品のいずれの場合も、役物タイルは平面タイルと別に作製する必要があるため、手間がかかり、施工コストが増大するという問題がある。
【0009】
一方、役物タイル114を使用せずに出隅部101Aも平面状のタイル100で処理することも考えられるが、図11に示すように、平面状のタイル100の小口104が見えてくるため、見栄えが悪く、ほとんど行われていない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、役物タイルを使用せずに出隅部を見栄え良く仕上げることができるタイルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、矩形の平板材であり、裏面を建造物の躯体壁面に接着して取り付けられるタイルであって、前記平板材の裏面の四辺の少なくとも一辺の角部が面取られ傾斜部が形成されたことを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、板状材の裏面の四辺の少なくとも一辺に傾斜部が形成されているので、出隅部で2枚のタイルの傾斜部を突き合わせて2枚のタイルがほぼ直角になるように配置し、これらのタイルの裏面を接着剤により躯体壁面に接着することができる。
【0013】
このため、出隅部で傾斜部を突き合わせた分だけ、露出する小口の面積が小さくなるので見栄え良く納まり、また、タイルは平板材でできているため、平面、入隅等の躯体壁面のすべての部位を施工することができる。このため、従来用いられていた役物タイルが不要となり、タイルの生産工程が簡略化できるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記傾斜部は、前記平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、傾斜部が板状部材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されているので、2枚のタイルの傾斜部を突き合わせることにより、出隅部で2枚のタイルをほぼ90°の折曲形状となるように配設することができる。このため、出隅部を見栄え良く仕上げることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記平板材が、長方形であり、その長手方向における対向辺に前記傾斜部が形成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、平板材の対向辺に傾斜部が設けられているので、長方形のタイルを横方向に接着する際に、タイルの向きに制約されることなく(向きを気にせず)、出隅部に2枚のタイルを効率良く貼り付けることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記平板材の四辺の角部がすべて面取られ前記傾斜部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、平板材の四辺に傾斜部が設けられているので、タイルを横方向に限らず縦方向に配列したときの縦方向の出隅部の見栄えも良くすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるタイルの第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0021】
図1に示すように、タイル10は、長方形の平板材からなり、表面14には光沢ある石目調の装飾が施され、裏面16には接着性を高めるための凸状部18が長手方向に沿って形成されている。タイル10の長手方向における対向辺には、平板材の角部が面取られた傾斜部20が形成されており、この傾斜部20は平板材の裏面16に対しほぼθ=135°となっている。また、傾斜部20が設けられた平板材の側面側は、表面14とほぼ直角の小口11となっている。
【0022】
このようなタイル10は、図2に示すように、木造住宅の躯体壁面12の下地サイディング28に接着剤で貼着されるものであり、複数のタイル10が規則正しく配列されて躯体壁面全体に貼り付けられる。
【0023】
ここで、上記タイル10の施工方法について説明する。
【0024】
図2及び図3に示すように、躯体壁面12にはパネル22が取り付けられ、このパネル22の表面に防水紙24が敷設される。防水紙24の表面には、胴縁26を介して下地サイディング28がビス30によって取り付けられ、下地サイディング28の間にはコーキング32が施される。なお、ビス30に代えて釘を用いることもできる。
【0025】
この下地サイディング28の表面にはグレー又は黒に着色された一般的なタイル用接着剤34が塗布され、その塗布面にタイル10の裏面16が貼り付けられる。その際、寒暖差によるタイルの熱膨張に対応するため、隣り合うタイル10には2mm以上の隙間が設けられる。タイル10の接着後、表面14を押し付けることにより、傾斜部20と下地サイディング28との間、及び2枚のタイル10の隙間に接着剤34が入り込んでくる。このようにして順次複数のタイル10が下地サイディング28の全面に貼り付けられる。
【0026】
図3及び図4に示すように、出隅部28Aでは2枚のタイル10が傾斜部20を突き合わせるように配置され、下地サイディング28に貼り付けられる。この傾斜部20はタイルの裏面16に対しほぼ135°となるように形成されているので、各傾斜部20を突き合わせることにより、2枚のタイル10がほぼ90°の折曲形状となる。このため、露出するタイルの小口11の面積が小さくなり、出隅部28Aが見栄え良く納まる。
【0027】
また出隅部28Aでは、図4に示すように、建物の壁面寸法に合わせて、タイル10を長手方向と直交する方向に切断し、複数のタイルが交互に規則正しく配列するように貼り付けられている。
【0028】
また、図3に示すように、入隅部28Bではタイル10が下地サイディング28に貼り付けられ、そのタイル10の表面と直角方向に当接するように次のタイル10が貼り付けられている。なお、壁面の寸法に合わせてタイルを長手方向と直交する方向に切断して用いてもよい。
【0029】
本実施形態によれば、一枚の形状のタイル10を平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。また、長手方向における対向辺に傾斜部20が設けられているので、タイルを横方向に接着する際にタイルの向きに制約されることなく、出隅部28Aに2枚のタイルを効率良く貼り付けることができる。従って、従来用いられていた役物タイルが不要となり、タイルの生産工程が簡略化されるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。また、生産、輸送、加工、施工の各場面において無駄な時間を短縮することができる。
【0030】
ここで、タイルの製造方法について説明する。
【0031】
タイル10の製造には、図5(a)に示すように、タイル10の外形をした一対の金型36を用いる。金型内に一般的な磁器質タイルの原材料38(例えば、粘土、珪石、長石、陶石など)を詰め込み重ね合わせる。その後、厚み方向の中央部付近を例えばピアノ線により切出し、図5(b)に示すように金型36を分割する。次に、金型36を所定温度で焼成し、焼成後、金型36からタイルを取り出し、表面に磨き加工などの装飾仕上げを施し、2枚のタイル10を製造する。
【0032】
なお、本実施形態では、焼成によりタイル10を成形する方法を示したが、これに限らず、他の方法により製造してもよい。例えば、プレス成形、すなわちプレス機で磁器質タイルの原材料に圧力を加えて加工することにより、タイル10を製造することができる。また、押し出し成形、すなわち磁器質タイルの原材料を加熱軟化して絞り口から押し出し、冷却して成形することにより、タイル10を製造することもできる。
【0033】
次に、本発明におけるタイルの第2実施形態を図6に基づいて説明する。
【0034】
このタイル40は、長方形の平板材の短辺の一つに傾斜部50が設けられたものであり、この傾斜部50は第1実施形態と同様に平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル40が傾斜部50を突き合わせるようにしてほぼ直角に配置され、下地サイディング28に貼着されている。タイルの傾斜部50が設けられていない側には、約2mm以上の隙間をおいて隣り合うタイル40が貼着されている。
【0035】
このようなタイル40を用いることにより、出隅部28Aが見栄え良く納まり、一枚の形状のタイルを平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。
【0036】
次に、本発明におけるタイルの第3実施形態を図7に基づいて説明する。
【0037】
このタイル60は、長方形の平板材の全辺に傾斜部70が設けられており、この傾斜部70は平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル60が傾斜部70を突き合わせるようにしてほぼ直角に配置され、下地サイディング28に貼着されている。
【0038】
このようなタイル60を用いることにより、出隅部28Aが見栄え良く納まり、一枚の形状のタイルを平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。また、タイル60の全辺に傾斜部70が設けられているので、図8に示すように、タイルを横方向に限らず縦方向に配列して貼り付ける際にも、2枚のタイルの傾斜部70を突き合わせてほぼ90°に配置することができる。このため、タイルの配列方向の制約を受けることなく、効率よくタイルを貼り付けることができるとともに、縦方向の出隅部の見栄えも良くすることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、タイルとして長方形のものを用いたが、この形状に限定されるものではなく、例えば正方形のものを使用することもできる。
【0040】
また、本実施形態では、出隅部にタイルを貼り付ける場合を図示したが、これに限定されるものではなく、例えばバルコニーの手すりなど、建物のあらゆるコーナー部にタイルを貼り付ける際にも適用可能である。また、建物の外壁に限らず、内壁に使用することもできる。
【0041】
なお、本実施形態のタイルは、サッシの上下等の平面に縦方向に貼り付けると、水切りとして使用することもできる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るタイルによれば、建造物の出隅部を見栄え良く納めることができ、従来用いられていた役物タイルが不要となる。このため、タイルの生産工程を簡略化できるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタイルを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された建造物の外壁を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された状態を示す平断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るタイルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るタイルが出隅部で縦方向に貼着された状態を示す斜視図である。
【図9】従来のタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図10】従来のタイルが貼着された状態を示す平断面図である。
【図11】従来の平面状タイルを出隅部に使用した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,40,60 外壁用タイル
14 表面
16 裏面
20,50,70 傾斜部
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅、鉄筋住宅などの建造物に用いられるタイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造住宅、鉄筋住宅などの建造物の外壁には、陶器、磁器などの硬質のタイルが貼り付けられており、このような外壁用タイルとして、例えば図9及び図10に示すようなタイル100が一般的に知られている。
【0003】
このタイル100は、長方形の平板材からなり、この平板材の四辺は表面106とほぼ直角の小口104となっている。このタイル100は、躯体壁面103の下地サイディング101に接着剤で貼着され、出隅部101Aには、長辺部110とこれに対して直角をなす短辺部112とを有する折曲形状の役物タイル114が貼着されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−270201号公報(段落[0006]、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出隅部101Aに接着された役物タイル114は、強風等による躯体の動きに追従して長辺部110と短辺部112の連結部にヒビや欠けなどの破損が発生することが多い。
【0006】
また、役物タイル114は平面タイルとは別の金型で焼成して成形する必要があり、成形時に厚みなどの寸法が変わってくるという問題もある。
【0007】
このため、標準仕様のタイル100を中央部付近で切断し、さらに切断面を45°に切断し、 両者の切断面を突き合わせて接着し役物タイルを手加工している。しかし、タイル100は工場で生産したものがそのまま現場に搬入されるのに対し、手加工の役物タイルは一旦加工屋で接着加工を施した後、現場に搬入されることになり、工期の遅延につながる。
【0008】
また、接着手加工、焼成品のいずれの場合も、役物タイルは平面タイルと別に作製する必要があるため、手間がかかり、施工コストが増大するという問題がある。
【0009】
一方、役物タイル114を使用せずに出隅部101Aも平面状のタイル100で処理することも考えられるが、図11に示すように、平面状のタイル100の小口104が見えてくるため、見栄えが悪く、ほとんど行われていない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、役物タイルを使用せずに出隅部を見栄え良く仕上げることができるタイルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、矩形の平板材であり、裏面を建造物の躯体壁面に接着して取り付けられるタイルであって、前記平板材の裏面の四辺の少なくとも一辺の角部が面取られ傾斜部が形成されたことを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、板状材の裏面の四辺の少なくとも一辺に傾斜部が形成されているので、出隅部で2枚のタイルの傾斜部を突き合わせて2枚のタイルがほぼ直角になるように配置し、これらのタイルの裏面を接着剤により躯体壁面に接着することができる。
【0013】
このため、出隅部で傾斜部を突き合わせた分だけ、露出する小口の面積が小さくなるので見栄え良く納まり、また、タイルは平板材でできているため、平面、入隅等の躯体壁面のすべての部位を施工することができる。このため、従来用いられていた役物タイルが不要となり、タイルの生産工程が簡略化できるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記傾斜部は、前記平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、傾斜部が板状部材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されているので、2枚のタイルの傾斜部を突き合わせることにより、出隅部で2枚のタイルをほぼ90°の折曲形状となるように配設することができる。このため、出隅部を見栄え良く仕上げることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記平板材が、長方形であり、その長手方向における対向辺に前記傾斜部が形成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、平板材の対向辺に傾斜部が設けられているので、長方形のタイルを横方向に接着する際に、タイルの向きに制約されることなく(向きを気にせず)、出隅部に2枚のタイルを効率良く貼り付けることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記平板材の四辺の角部がすべて面取られ前記傾斜部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、平板材の四辺に傾斜部が設けられているので、タイルを横方向に限らず縦方向に配列したときの縦方向の出隅部の見栄えも良くすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるタイルの第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0021】
図1に示すように、タイル10は、長方形の平板材からなり、表面14には光沢ある石目調の装飾が施され、裏面16には接着性を高めるための凸状部18が長手方向に沿って形成されている。タイル10の長手方向における対向辺には、平板材の角部が面取られた傾斜部20が形成されており、この傾斜部20は平板材の裏面16に対しほぼθ=135°となっている。また、傾斜部20が設けられた平板材の側面側は、表面14とほぼ直角の小口11となっている。
【0022】
このようなタイル10は、図2に示すように、木造住宅の躯体壁面12の下地サイディング28に接着剤で貼着されるものであり、複数のタイル10が規則正しく配列されて躯体壁面全体に貼り付けられる。
【0023】
ここで、上記タイル10の施工方法について説明する。
【0024】
図2及び図3に示すように、躯体壁面12にはパネル22が取り付けられ、このパネル22の表面に防水紙24が敷設される。防水紙24の表面には、胴縁26を介して下地サイディング28がビス30によって取り付けられ、下地サイディング28の間にはコーキング32が施される。なお、ビス30に代えて釘を用いることもできる。
【0025】
この下地サイディング28の表面にはグレー又は黒に着色された一般的なタイル用接着剤34が塗布され、その塗布面にタイル10の裏面16が貼り付けられる。その際、寒暖差によるタイルの熱膨張に対応するため、隣り合うタイル10には2mm以上の隙間が設けられる。タイル10の接着後、表面14を押し付けることにより、傾斜部20と下地サイディング28との間、及び2枚のタイル10の隙間に接着剤34が入り込んでくる。このようにして順次複数のタイル10が下地サイディング28の全面に貼り付けられる。
【0026】
図3及び図4に示すように、出隅部28Aでは2枚のタイル10が傾斜部20を突き合わせるように配置され、下地サイディング28に貼り付けられる。この傾斜部20はタイルの裏面16に対しほぼ135°となるように形成されているので、各傾斜部20を突き合わせることにより、2枚のタイル10がほぼ90°の折曲形状となる。このため、露出するタイルの小口11の面積が小さくなり、出隅部28Aが見栄え良く納まる。
【0027】
また出隅部28Aでは、図4に示すように、建物の壁面寸法に合わせて、タイル10を長手方向と直交する方向に切断し、複数のタイルが交互に規則正しく配列するように貼り付けられている。
【0028】
また、図3に示すように、入隅部28Bではタイル10が下地サイディング28に貼り付けられ、そのタイル10の表面と直角方向に当接するように次のタイル10が貼り付けられている。なお、壁面の寸法に合わせてタイルを長手方向と直交する方向に切断して用いてもよい。
【0029】
本実施形態によれば、一枚の形状のタイル10を平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。また、長手方向における対向辺に傾斜部20が設けられているので、タイルを横方向に接着する際にタイルの向きに制約されることなく、出隅部28Aに2枚のタイルを効率良く貼り付けることができる。従って、従来用いられていた役物タイルが不要となり、タイルの生産工程が簡略化されるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。また、生産、輸送、加工、施工の各場面において無駄な時間を短縮することができる。
【0030】
ここで、タイルの製造方法について説明する。
【0031】
タイル10の製造には、図5(a)に示すように、タイル10の外形をした一対の金型36を用いる。金型内に一般的な磁器質タイルの原材料38(例えば、粘土、珪石、長石、陶石など)を詰め込み重ね合わせる。その後、厚み方向の中央部付近を例えばピアノ線により切出し、図5(b)に示すように金型36を分割する。次に、金型36を所定温度で焼成し、焼成後、金型36からタイルを取り出し、表面に磨き加工などの装飾仕上げを施し、2枚のタイル10を製造する。
【0032】
なお、本実施形態では、焼成によりタイル10を成形する方法を示したが、これに限らず、他の方法により製造してもよい。例えば、プレス成形、すなわちプレス機で磁器質タイルの原材料に圧力を加えて加工することにより、タイル10を製造することができる。また、押し出し成形、すなわち磁器質タイルの原材料を加熱軟化して絞り口から押し出し、冷却して成形することにより、タイル10を製造することもできる。
【0033】
次に、本発明におけるタイルの第2実施形態を図6に基づいて説明する。
【0034】
このタイル40は、長方形の平板材の短辺の一つに傾斜部50が設けられたものであり、この傾斜部50は第1実施形態と同様に平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル40が傾斜部50を突き合わせるようにしてほぼ直角に配置され、下地サイディング28に貼着されている。タイルの傾斜部50が設けられていない側には、約2mm以上の隙間をおいて隣り合うタイル40が貼着されている。
【0035】
このようなタイル40を用いることにより、出隅部28Aが見栄え良く納まり、一枚の形状のタイルを平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。
【0036】
次に、本発明におけるタイルの第3実施形態を図7に基づいて説明する。
【0037】
このタイル60は、長方形の平板材の全辺に傾斜部70が設けられており、この傾斜部70は平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されている。出隅部28Aでは、2枚のタイル60が傾斜部70を突き合わせるようにしてほぼ直角に配置され、下地サイディング28に貼着されている。
【0038】
このようなタイル60を用いることにより、出隅部28Aが見栄え良く納まり、一枚の形状のタイルを平面、出隅部、入隅部等の躯体壁面のすべての部位に用いることができる。また、タイル60の全辺に傾斜部70が設けられているので、図8に示すように、タイルを横方向に限らず縦方向に配列して貼り付ける際にも、2枚のタイルの傾斜部70を突き合わせてほぼ90°に配置することができる。このため、タイルの配列方向の制約を受けることなく、効率よくタイルを貼り付けることができるとともに、縦方向の出隅部の見栄えも良くすることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、タイルとして長方形のものを用いたが、この形状に限定されるものではなく、例えば正方形のものを使用することもできる。
【0040】
また、本実施形態では、出隅部にタイルを貼り付ける場合を図示したが、これに限定されるものではなく、例えばバルコニーの手すりなど、建物のあらゆるコーナー部にタイルを貼り付ける際にも適用可能である。また、建物の外壁に限らず、内壁に使用することもできる。
【0041】
なお、本実施形態のタイルは、サッシの上下等の平面に縦方向に貼り付けると、水切りとして使用することもできる。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るタイルによれば、建造物の出隅部を見栄え良く納めることができ、従来用いられていた役物タイルが不要となる。このため、タイルの生産工程を簡略化できるとともに、生産時及び施工時のコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタイルを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された建造物の外壁を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された状態を示す平断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るタイルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るタイルが出隅部で縦方向に貼着された状態を示す斜視図である。
【図9】従来のタイルが貼着された出隅部の状態を示す斜視図である。
【図10】従来のタイルが貼着された状態を示す平断面図である。
【図11】従来の平面状タイルを出隅部に使用した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,40,60 外壁用タイル
14 表面
16 裏面
20,50,70 傾斜部
Claims (4)
- 矩形の平板材であり、裏面を建造物の躯体壁面に接着して取り付けられるタイルであって、
前記平板材の裏面の四辺の少なくとも一辺の角部が面取られ傾斜部が形成されたことを特徴とするタイル。 - 前記傾斜部は、前記平板材の裏面に対しほぼ135°となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタイル。
- 前記平板材が、長方形であり、その長手方向における対向辺に前記傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイル。
- 前記平板材の四辺の角部がすべて面取られ前記傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイル。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008285869A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Sekisui Chem Co Ltd | タイル |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017399A patent/JP2004225467A/ja active Pending
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