JPH036741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建築物の壁面等を大理石等の石材で
仕上げるために用いられる複合化粧板に関するも
のである。

（従来の技術） 従来、建築物の壁面等を大理石等の石材で仕上
げる場合、石材板をモルタル等でコンクリートに
固着する方法は公知であり広く実施されている。
そして、その場合、隣接する石材板の端部同士を
突き付けて目地が目立たないような施工が採用さ
れている。

（考案が解決しようとする問題点） しかるに、上記従来のものでは、石材板を直接
コンクリートに固着するため、目地を目立たない
ように突き付け施工するには石材板の直角精度、
寸法精度および厚さ精度が要求され、更に表面に
光沢や平滑性が要求される。しかし、石材板は硬
いが脆いために搬送時や施工時に割れや角部の欠
けが生じやすく、又、石材板の鋭利な頂部で他の
石材板の表面に傷をつけ、その使用が不可能にな
るとともに、施工後に下地に歪や変形があると、
割れや欠落を生じやすく、上記欠点は石材板が薄
い程顕著である。一方、上記欠点を解消する為に
石材板を厚くすることで対応しているが、石材板
の重量が大となり、施工に時間と労力とを要し、
高価なものになるという問題があつた。それ故
に、上記欠点の為に木造建築部分には使用するこ
とが困難であつた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、大理石等の石材板
と基材とを複合一体化した複合化粧板を用い、か
つその周縁端部に適切な加工、処理を施すことに
より、上記従来の諸問題を一挙に解消して、搬送
時や施工時に欠落や割れ、傷等を生じることな
く、加工精度をさほど要さずに施工性良く且つ簡
易に、目すきのない、目地の目立たない石材板の
突き付け施工を可能にすることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案の解決手段
は、周縁端面にそれぞれ相対向する雌実部と雄実
部を設けた釘打可能な基材の上面に接着剤を介し
て一体に石材板が貼着されており、該石材板の全
周端面には弾性を有する透明樹脂層を設けたもの
である。

（作用） 上記の構成により、本考案では、表層材である
石材板の全周縁端面に設けた弾性のある透明樹脂
層によつて、搬送時や施工時に角部に欠けを生じ
たり、他の材料に傷をつけることがなく、施工後
に目地を目立たないものとするとともに施工後の
震動等に対してもそのクツシヨン性によつて割れ
や欠落を生じ難いものとし、しかも突き付け部の
目すきをなくし気密性を向上させる。さらに、基
材が石材板よりも軽量でかつその周縁端面に雌雄
実部が施されていることにより、軽量化が図れる
のは勿論のこと、釘打可能な為に雌実部に釘打す
ることで木造下地の上にも施工でき、しかも基材
と一体化されているために石材板の厚みを薄くし
ても割れ、欠け等を防止でき、また厚み調整が基
材によつて容易に行われ、しかも安価なものとな
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の基本的な実施例に係る複合化
粧板Ａを示し、該複合化粧板Ａは、基材１の表面
に接着剤を介して石材板２が複合一体化されてな
る。上記基材１としては、合板、パーテイクルボ
ード等の木質板、ケイ酸カルシウム板、ロツクウ
ール板等の無機板、あるいは樹脂板等で、石材板
２よりも比重の小さくかつ釘打可能な各種材料の
ものが用いられるこれら材料としては好ましくは
温湿度により両方向の寸法変化の小さいものを採
用するのが好ましい。上記表層の石材板２は、大
理石、花崗岩や人工大理石等の石材を板状に形成
したものである。また、上記基材１の厚さは石材
板２の厚さよりも大に設定されており、軽量化、
基材１端部の実加工性、強度、施工性、コストダ
ウン等の面で有利となるようにしている。

さらに、上記基材１の周縁端面には、それぞれ
相対向して雌雄嵌合可能な形状で且つ下地材に釘
着できる突条を有する雌実部３と雄実部４とが形
成されている。また、上記石材板２の全周縁端面
には弾性を有するシリコン、ウレタン等の透明樹
脂層５が設けられており、その厚さは１mm以下が
好ましい。上記複合化粧板Ａは、その基材１端面
の雌実部３に他の複合化粧板Ａの基材１端面の雄
実部４を嵌合することにより、両者Ａ，Ａの表層
の石材板２，２端部同士が突き付けられて施工さ
れる。

さらに、複合化粧板Ａが表層の石材板２と該石
材板２よりも軽量な基材１とからなり、該基材１
の周縁に雌雄実部３，４が施されていることによ
り、軽量化、強化およびコストダウン化を図るこ
とができることと併せて、厚み調整を基材１によ
つて容易に行うことができるとともに、雌雄実部
３，４の突条を利用して釘打ちが可能となる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、その他種々の変形例をも包含するものであ
る。第２図は変形例としての複合化粧板A′を示
し、防水性を向上させるために、基材１と石材板
２との間に防水層６を設けるとともに、基材１の
周縁端面に防水シール材７を設けたものであり、
このものは特に大理石等、斑絞状あるいは空孔を
有する石材板２を用いた場合に防水性の面で有効
である。

さらに、基材１の表面や裏面に凹条溝を刻設し
た後表層に石材板を複合一体化すると基材に伸縮
のあるものを使用した場合も反り防止に効果的に
作用する。

また、表層の石材板２はその光沢や平滑性を向
上させるために通常は水研磨されるが、基材１の
耐水性が劣る場合や基材１に変形が生じる場合に
は、石材板１の表面に粗研磨を施したのち透明樹
脂層を塗着するようにしてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の複合化粧板によ
れば、基材と石材板とを複合一体化してなり、基
材の周縁端面に雌雄実部を、石材板の全周縁端面
に弾性を有する透明樹脂層をそれぞれ設けたもの
であるので、搬送、施工時の欠けや施工後の震動
等による割れ、欠落などが防止されて耐久性を向
上できるとともに、下地の変動に対して充分気密
性を保持させることができる。さらに、軽量化が
図れるとともに基材が釘打ち施工可能であるの
で、モルタル等を用いることなく、従来施工でき
なかつた木造下地にも施工できるものであり、透
明樹脂層の為に目地が目立つことのないものであ
り、取扱い性の向上およびコストダウン化を図る
ことができるなど、実用上有用な石材仕上げ用の
複合化粧板を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は基本
例を示す断面図、第２図は変形例を示す断面図で
ある。 １…基材、２…石材板、３…雌実部、４…雄実
部、５…透明樹脂層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 周縁端面にそれぞれ相対向する雌実部と雄実
   部を設けた釘打可能な基材の上面に接着剤を介
   して一体に石材板が貼着されており、該石材板
   の全周端面には弾性を有する透明樹脂層が設け
   られていることを特徴とする複合化粧板。 (2) 基材の厚さが石材板の厚さよりも大である実
   用新案登録請求の範囲第(1)項記載の複合化粧
   板。