JP2016023442A - コーナーパネル、コーナーパネルユニット、コーナーパネルの製造方法、および、コーナーパネルユニットの製造方法 - Google Patents

コーナーパネル、コーナーパネルユニット、コーナーパネルの製造方法、および、コーナーパネルユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量気泡コンクリートから形成しつつ、その耐久性を向上させることができるコーナーパネルおよびそのコーナーパネルを作製するためのコーナーパネルユニット、ならびに、それらの製造方法を提供すること。
【解決手段】
コーナーパネル1は、複数(3つ)のコーナーパネルユニット2が縦方向に連結されることにより形成される。また、各コーナーパネルユニット2は、2つの平板パネル4を接合することによって形成される。そのため、地震が発生した際等、コーナーパネル1に応力がかかる場合には、その応力をコーナーパネルユニット2とコーナーパネルユニット2との連結部分、および、2つの平板パネル4の接合部分によって分散させることができる。その結果、コーナーパネル1を軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネル1の一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーナーパネル、詳しくは、建築物の外装材として用いられるコーナーパネルおよびそのコーナーパネルを作製するためのコーナーパネルユニット、ならびに、それらの製造方法に関する。
従来から、建築物の外装材として軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)が用いられている。軽量気泡コンクリートパネルは、建築物の外表面に取り付けられ、これにより、建築物の耐久性、防火性、遮音性等を向上させている。このような外装材のうち、建築物の角部の外表面に取り付けられる外装材として、軽量気泡コンクリートパネルを略L字状に形成したコーナーパネルが知られている。
このようなコーナーパネルとして、2枚のALCパネルをL字状に組み立てることにより構成されるALCコーナーパネルが知られている。このALCコーナーパネルは、2枚のALCパネルから構成されるため、工場における成形作業を容易に行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−149232号公報
しかるに、上記特許文献1に記載のALCコーナーパネルは、軽量気泡コンクリートから形成されるため、サイディングパネルから形成されるコーナーパネルと比較して剛直である。そのため、地震が発生した際等、ALCコーナーパネルに応力が発生する場合に、その応力がALCコーナーパネルの一部に集中すると、ALCコーナーパネルにひび割れ等が生じ、その耐久性が低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、軽量気泡コンクリートから形成しつつ、その耐久性を向上させることができるコーナーパネルおよびそのコーナーパネルを作製するためのコーナーパネルユニット、ならびに、それらの製造方法を提供することにある。
(1)本発明のコーナーパネルは、複数のコーナーパネルユニットからなるコーナーパネルであって、各コーナーパネルユニットは、2つの平板パネルを備える。各平板パネルは、軽量気泡コンクリートから、一方向に長い略矩形状に形成されている。各コーナーパネルユニットでは、一方の平板パネルと他方の平板パネルとが、それらの一方向と直交する直交方向の側端面が接合されることにより、角度をなすように配置されている。コーナーパネルは、複数のコーナーパネルユニットが、一方向に連結されてなる。
このような構成によれば、複数のコーナーパネルユニットが一方向に連結されることにより、コーナーパネルが形成される。また、各コーナーパネルユニットは、2つの平板パネルを接合することによって形成される。
そのため、地震が発生した際等、コーナーパネルに応力がかかる場合には、その応力をコーナーパネルユニットとコーナーパネルユニットとの連結部分、および、2つの平板パネルの接合部分によって分散させることができる。
その結果、コーナーパネルを軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネルの一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
また、コーナーパネルは、複数のコーナーパネルユニットで構成されるため、建築物に歪みや傾きが発生しても、各コーナーパネルユニットを建築物の外表面に沿わせた状態を保つことができる。
その結果、建築物とコーナーパネルとの密着性を向上できる。
(2)また、各平板パネルは、一方向の長さが、590mm〜610mmであってもよい。
このような構成によれば、一方向の長さが比較的短いコーナーパネルユニットを形成できる。
そして、複数のコーナーパネルユニットを連結することにより、所望の長さのコーナーパネルを形成できる。
また、このようなコーナーパネルは、コーナーパネルユニットの一方向の長さが比較的短いので、コーナーパネルに応力がかかっても、その応力を柔軟に分散させることができる。
(3)また、平板パネルは、一方向の端部および一方向と反対側の端部において、目地止材を充填するための段差部を備えてもよい。一方向において互いに隣接するコーナーパネルユニットは、一方のコーナーパネルユニットの段差部と、他方のコーナーパネルユニットの段差部とに跨って、目地止材が充填されることにより連結されてもよい。
このような構成によれば、コーナーパネルユニットを一方向に連結することにより、段差部を隣接させて、目地止材を充填するための領域を十分に確保できる。
また、一方のコーナーパネルユニットの段差部と、他方のコーナーパネルユニットの段差部とに跨って、目地止材が充填される。
そのため、コーナーパネルユニットの連結部分を目地止材により確実に被覆できる。
(4)また、本発明のコーナーパネルユニットは、コーナーパネルを作製するためのコーナーパネルユニットであって、2つの平板パネルを備える。各平板パネルは、軽量気泡コンクリートから、一方向に長い略矩形状に形成される。一方の平板パネルと他方の平板パネルとが、それらの一方向と直交する直交方向の側端面が接合されることにより、角度をなすように配置されている。各平板パネルは、一方向の長さが、590mm〜610mmである。
このような構成によれば、一方向の長さが比較的短いコーナーパネルユニットを形成できる。
そして、複数のコーナーパネルユニットを一方向に連結すれば、所望の長さのコーナーパネルを形成できる。
また、コーナーパネルを複数のコーナーパネルユニットにより形成した場合において、地震が発生した際等、コーナーパネルに応力がかかる場合には、その応力をコーナーパネルユニットとコーナーパネルユニットとの連結部分、および、2つの平板パネルの接合部分によって分散させることができる。
とりわけ、コーナーパネルユニットの一方向の長さが比較的短いので、コーナーパネルに応力がかかっても、その応力を柔軟に分散させることができる。
その結果、コーナーパネルユニットおよびコーナーパネルを軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネルユニットおよびコーナーパネルの一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
(5)また、本発明のコーナーパネルユニットの製造方法は、建築現場から、余剰となった590mm〜610mmの長さを有する軽量気泡コンクリートパネルを回収する工程と、軽量気泡コンクリートパネルを、縦方向の長さ590mm〜610mm、横方向の長さ90mm〜150mmに切出して、平板パネルを作製する工程と、作製した平板パネルを2つ用意する工程と、一方の平板パネルと他方の平板パネルとを、角度をなすように、それらの横方向の側端面を接合してコーナーパネルユニットを作製する工程と、を含む。
このような方法によれば、建築現場から、余剰となった590mm〜610mmの長さを有する軽量気泡コンクリートパネルを回収する。そして、軽量気泡コンクリートパネルを、縦590mm〜610mm、横90mm〜150mmに切出して、平板パネルを作製し、その平板パネルからコーナーパネルユニットを作製する。
そのため、環境負荷を軽減しつつ、低コストでコーナーパネルユニットを形成できる。
すなわち、通常、建築現場において廃材が発生する場合には、その廃材を産業廃棄物として処理する必要があり、処理作業および処理コストが発生する。
しかるに、本発明のコーナーパネルユニットの製造方法は、余剰となった軽量気泡コンクリートパネルを利用するため、建築現場において発生する産業廃棄物を減らすことができる。
その結果、環境負荷を軽減しつつ、低コストでコーナーパネルユニットを形成できる。
また、縦方向の長さが比較的短く、横方向の長さが適切なサイズのコーナーパネルユニットを形成できる。
そして、複数のコーナーパネルユニットを縦方向に連結すれば、所望の長さのコーナーパネルを形成できる。
また、コーナーパネルユニットは、2つの平板パネルを接合することによって形成される。
そのため、コーナーパネルユニットを建築物に取り付けた状態において、地震が発生した際等、コーナーパネルユニットに応力がかかる場合には、その応力を2つの平板パネルの接合部によって分散させることができる。
その結果、コーナーパネルユニットを軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネルユニットの一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
(6)また、本発明のコーナーパネルの製造方法は、コーナーパネルユニットを、2つ以上用意する工程と、2つ以上のコーナーパネルユニットを、鉛直方向に連結する工程と、を含む。
このような方法によれば、2つ以上のコーナーパネルユニットが縦方向に連結されることにより、コーナーパネルが形成される。
そのため、地震が発生した際等、コーナーパネルに応力がかかる場合には、その応力をコーナーパネルユニットとコーナーパネルユニットとの連結部分によって分散させることができる。
とりわけ、コーナーパネルユニットの縦方向の長さが比較的短いので、コーナーパネルに応力がかかっても、その応力を柔軟に分散させることができる。
その結果、コーナーパネルを軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネルの一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
また、コーナーパネルは、2つ以上のコーナーパネルユニットで構成されるため、建築物に歪みや傾きが発生しても、各コーナーパネルユニットを建築物の外表面に沿わせた状態を保つことができる。
その結果、建築物とコーナーパネルとの密着性を向上できる。
本発明のコーナーパネル、コーナーパネルユニット、コーナーパネルの製造方法、および、コーナーパネルユニットの製造方法によれば、コーナーパネルまたはコーナーパネルユニットを軽量気泡コンクリートから形成しつつ、その耐久性を向上させることができる。
図1Aは、本発明のコーナーパネルの一実施形態を示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示すコーナーパネルのA−A線に沿う断面図である。 図2Aは、図1Aに示すコーナーパネルのコーナーパネルユニットの斜視図である。図2Bは、図2Aに示すコーナーパネルユニットの平面図である。 図3Aおよび図3Bは、図2Aに示すコーナーパネルユニットの製造方法を説明するための工程図であって、図3Aは、ALCパネルを用意する工程を示す平面図である。図3Bは、図3Aに示すALCパネルの側面図である。 図4Aおよび図4Bは、図3Aおよび図3Bに引き続き、コーナーパネルユニットの製造方法を説明するための工程図であって、図4Aは、余剰ALCパネルを回収する工程を示す平面図である。図4Bは、図4Aに示す余剰ALCパネルの側面図である。 図5Aおよび図5Bは、図4Aおよび図4Bに引き続き、コーナーパネルユニットの製造方法を説明するための工程図であって、図5Aは、余剰ALCパネルから平板パネルを切り出す工程を示す平面図である。図5Bは、図5Aに示す余剰ALCパネルの側面図である。 図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに引き続き、コーナーパネルユニットの製造方法を説明するための工程図であって、図6Aは、平板パネルを用意する工程示す平面図である。図6Bは、図6Aに示す平板パネルの側面図である。
1.コーナーパネル
図1Aおよび図1Bに示すように、本発明の一実施形態としてのコーナーパネル1は、建築物の外装材として用いられる長手の部材であって、詳しくは、建築物の角部の外表面に取り付ける部材として用いられる。コーナーパネル1は、長手方向と直交する方向の断面が略L字形状に形成されており、複数のコーナーパネルユニット2を備えている。
なお、以下の説明において、コーナーパネル1およびコーナーパネルユニット2の方向に言及するときには、コーナーパネル1の長手方向を上下方向に沿わせた状態、すなわち、コーナーパネル1が建築物に取り付けられた状態を基準とする。すなわち、図1Aの紙面上方が上方であり、紙面下方が下方である。また、コーナーパネル1が建築物に取り付けられた状態において、外表面となる側を外側とし、建築物との接触面となる側を内側とする、すなわち、図1Aの紙面手前側が外側であり、紙面奥側が内側である。また、図1Aの右方が外側であり、左方が内側である。
具体的には、コーナーパネル1は、建築物に取り付けられた状態においては、複数(3つ)のコーナーパネルユニット2が上下方向に連結されることにより構成されている。また、後述するように、コーナーパネルユニット2とコーナーパネルユニット2との連結部分には、目地止材3が充填されている。
2.コーナーパネルユニット
図2Aおよび図2Bに示すように、コーナーパネルユニット2は、上下方向に長手の部材であって、長手方向と直交する方向の断面(水平方向の断面)が略L字形状に形成されている。コーナーパネルユニット2は、2つの平板パネル4を備えている。
平板パネル4は、軽量気泡コンクリート(ALC)から形成されおり、厚み方向から見た形状が、上下方向に長い略矩形状の平板状に形成されている。平板パネル4では、厚み方向一方側の表面が意匠面であり、厚み方向他方側の表面が建築物の外表面と接触する接触面である。平板パネル4の厚み方向一方側の表面には、シボ加工や、凹凸模様の仕上げ等の表面加工がなされている。平板パネル4は、上下方向両端部に配置される段差部の一例としての平板段差部5を有している。
平板段差部5は、平板パネル4の上下方向両端部において、平板パネル4の厚み方向に窪んでいる。詳しくは、平板段差部5は、平板パネル4の上下方向両端部において、平板パネル4の幅方向全域にわたり、かつ、平板パネル4の厚みの略半分まで、外側から内側に向かって窪んでいる。
これにより、平板パネル4の上下方向両端部には、平板パネル4の幅方向全域の内側部分から上下方向の外方に向かって突出する平板凸部6が形成されている。
図2Bに示すように、平板パネル4の幅方向一方側には、接合面7が配置されている。
接合面7は、平板パネル4の幅方向一方側の側端面であって、上下方向に延びている。接合面7は、平板パネル4の厚み方向に対して傾斜している。詳しくは、接合面7は、厚み方向に対する角度が、30°〜60°となるように、具体的には、略45°となるように傾斜している。
そして、2つの平板パネル4のそれぞれが、意匠面が外側となり、接触面が内側となるように互いに接合されることで、平面視略L字形状のコーナーパネルユニット2が形成されている。具体的には、2つの平板パネル4は、それぞれの接合面7が対向するように、後述するシーリング材8を介して接合されている。
詳しくは、2つの平板パネル4の間のなす角度が、60°〜120°であり、具体的には、略直角であり、上下方向に長手である平面視略L字形状のコーナーパネルユニット2が形成される。
これにより、2つの平板段差部5が連続することにより、コーナーパネルユニット2の上下方向両端部において、平面視略L字形状に形成され、コーナーパネルユニット2の厚み方向内側に窪むコーナー段差部10が形成される。同様に、2つの平板凸部6が連続することにより、コーナーパネルユニット2の上下方向両端部において、平面視略L字形状に形成され、コーナーパネルユニット2の上下方向両端部から上下方向の外方に向かって突出するコーナー突出部11が形成される。
3.コーナーパネルユニットの製造方法
次に、このコーナーパネルユニット2の製造方法について、図3A〜図6Bを参照して説明する。
図3Aに示すように、建築物の外装工事では、まず、建築現場において、軽量気泡コンクリートパネルの一例としての基パネル20を用意する。
基パネル20は、建築物の外装材として用いられる建築資材であって、軽量気泡コンクリートから形成される。基パネル20は、縦方向の長さL1が590mm〜610mmであり、横方向の長さL2が1800mm〜2020mmであり、厚みW1が30mm〜55mmである。具体的には、縦方向の長さL1が606mmであり、横方向の長さL2が1820mmであり、厚みW1が37mmである。基パネル20は、建築物に応じて、所定のサイズの外装材が切り出されて建築物の外表面に取り付けられ、または、当初のサイズのまま建築物の外表面に取り付けられる。
基パネル20では、厚み方向一方側の表面が意匠面であり、厚み方向他方側の表面が建築物の外表面と接触する接触面である。基パネル20の厚み方向一方側の表面には、シボ加工や、凹凸模様の仕上げ等の表面加工がなされている。基パネル20は、外周縁部全域に配置される基段差部21を有している。
基段差部21は、平板パネル4の縦方向両端部および横方向両端部において、基パネル20の厚み方向に窪んでいる。詳しくは、基段差部21は、基パネル20の縦方向両端部および横方向両端部において、基パネル20の縦方向長さおよび横方向長さの全域にわたり、かつ、基パネル20の厚みの略半分まで、厚み方向一方側から他方側に向かって窪んでいる。すなわち、基段差部21は、基パネル20の厚み方向一方側から見た形状が略矩形枠形状に形成されている。
これにより、基パネル20の縦方向両端部および横方向両端部には、基パネル20の縦方向全域の厚み方向他方側部分、および、横方向全域の厚み方向他方側部分から横方向の外方、および、縦方向の外方に向かって突出する基凸部22が形成されている。すなわち、基凸部22は、基パネル20の厚み方向一方側から見た形状が略矩形枠形状に形成されている。
基段差部21は、厚み方向の長さが、基パネル20の厚みの略1/3〜2/3であり、具体的には、基パネル20の厚みの略半分である。すなわち、基段差部21の厚み方向の長さは、15mm〜28mmであり、具体的には、19mmである。
また、基段差部21は、縦方向および横方向の長さが、1mm〜20mmである。
基凸部22の厚み方向の長さは、基パネル20の厚み方向の長さから基段差部21の長さを除いた長さである。また、基凸部22の縦方向および横方向の長さは、基段差部21は、縦方向および横方向の長さと同一である。
そして、図4Aおよび図4Bに示すように、基パネル20から、所定のサイズの外装材25が切り出される。外装材25は、図示されないが、建築物の外表面に取り付けられる。基パネル20から外装材25が切り出されると、基パネル20の残存部分が余剰パネル30となる。
余剰パネル30は、縦方向の長さが、基パネル20の縦方向の長さL1であり、横方向の長さL3が、90mm以上であり、厚みが基パネル20の厚みW1である。なお、余剰パネル30の横方向の長さL3は、後述するように、平板パネル4を2つ切り出す場合には、180mm以上である。また、図4Aでは、余剰パネル30は、厚み方向に見たときの形状が略長方形状であるが、上記した長さを有していればよく、厚み方向に見たときの形状が略台形状であってもよい。
これにより、余剰パネル30は、少なくとも縦方向の両端部において基段差部21(基凸部22)が残った状態となっている。
コーナーパネルユニット2の製造方法では、まず、建築現場において、余剰パネル30を回収する。すなわち、コーナーパネルユニット2の製造方法では、通常、産業廃棄物として処理される余剰パネル30を回収して再利用する。
そして、図5Aおよび図5Bに示すように、余剰パネル30に対して、複数の切込みを入れて平板パネル2を切り出す。
詳しくは、余剰パネル30に複数(3つ)の縦切込み40を入れる。各縦切込み40は、余剰パネル30を縦方向および厚み方向に沿って切断している。横方向における各縦切込み40の間の長さL4は、90mm〜150mmである。横方向における外側の2つの縦切込み40は、余剰パネル30の両端縁から所定長さだけ内方に配置されている。
そして、余剰パネル30に2つの傾斜切込み41を入れる。各傾斜切込み41は、余剰パネル30を、縦方向に沿って切断し、かつ、厚み方向に対して所定角度傾斜して切断している。
詳しくは、図5Bに示すように、縦方向に見たときに、各傾斜切込み41は、横方向における中央の縦切込み40の厚み方向一方側の端縁から、厚み方向他方に向かうに従って横方向外方に向かうように傾斜している。各傾斜切込み41の厚み方向に対する角度は、30°〜60°であり、具体的には、略45°である。
そして、余剰パネル30に対して各縦切込み40および各傾斜切込み41を入れると、図6Aおよび図6Bに示すように、2つの平板パネル2が切り出される。
平板パネル2は、縦方向の長さが、余剰パネル30(基パネル20)の縦方向の長さL1であり、横方向の長さL4が、90mm〜150mmであり、厚みが余剰パネル30(基パネル20)の厚みW1である。
また、平板パネル2では、図5Bに示すように、傾斜切込み41によって切断された部分、すなわち、横方向の内側の側端面が接合面7として形成される。さらに、図6Aに示すように、基段差部21であった部分が平板段差部5として形成され、基凸部22であった部分が平板凸部6として形成される。
このように、2つの平板パネル4を用意した後、図2Aおよび図2Bに示すように、2つの平板パネル4を、それぞれの接合面7が対向するようにシーリング材8を介して接合する。シーリング材8は、例えば、ウレタンシーリング材である。
これによって、コーナーパネルユニット2が形成される。
4.コーナーパネルの製造方法
コーナーパネル1の製造方法では、このようにして製造したコーナーパネルユニット2を、図1Aおよび図1Bに示すように、縦方向に連結させる。
詳しくは、コーナーパネルユニット2を複数(3つ)用意する。そして、1つのコーナーパネルユニット2の縦方向一端が、もう1つのコーナーパネルユニット2の縦方向他端と接触するようにして、2つのコーナーパネルユニット2を縦方向に隣接させる。
このとき、一方のコーナーパネルユニット2のコーナー突出部11の一端と、他方のコーナーパネルユニット2のコーナー突出部11の他端とが付き合わされる。そうすると、一方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10と他方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10とが縦方向に連続し、それら2つのコーナー段差部10が凹溝を形成する。
そして、縦方向において連続するコーナー段差部10(凹溝)に、目地止材3が跨るように充填される。目地止材3の外側表面は、コーナーパネルユニット2の外側表面と面一に形成される。
目地止材3は、例えば、ウレタンシーリング材である。
その後は、上記と同様に、コーナーパネルユニット2を、縦方向に連結しているコーナーパネルユニット2の一端または他端に接触するようにして、縦方向に隣接させる。
そして、縦方向において連続するコーナー段差部10に目地止材3を充填すれば、コーナーパネル1が形成される。
このようにして製造したコーナーパネル1は、再度、建築現場に搬入され、内側面が建築物の角部に沿うようにして、建築物の外表面に取り付けられる。
5.作用効果
(1)このコーナーパネル1およびコーナーパネル1の製造方法によれば、図1Aに示すように、複数のコーナーパネルユニット2が縦方向に連結されることにより、コーナーパネル1が形成される。また、各コーナーパネルユニット2は、2つの平板パネル4を接合することによって形成される。
そのため、地震が発生した際等、コーナーパネル1に応力がかかる場合には、その応力をコーナーパネルユニット2とコーナーパネルユニット2との連結部分、および、2つの平板パネル4の接合部分によって分散させることができる。
その結果、コーナーパネル1を軽量気泡コンクリートから形成しつつ、発生する応力がコーナーパネル1の一部に集中することを抑制でき、その耐久性を向上できる。
また、コーナーパネル1は、複数のコーナーパネルユニット2で構成されるため、建築物に歪みや傾きが発生しても、各コーナーパネルユニット2を建築物の外表面に沿わせた状態を保つことができる。
その結果、建築物とコーナーパネル1との密着性を向上できる。
(2)また、従来のALCコーナーパネル(特許文献1に記載のALCコーナーパネル)は、長さ1820mm、幅606mm、厚さ37mmのALCパネルから、長さ1820mm、幅200mmの2枚のパネルを切り出し、この2枚のパネルによって形成される。
そのため、従来のALCコーナーパネルでは、長手方向の長さは、1820mmとなる。
一方、このコーナーパネル1およびコーナーパネル1の製造方法によれば、図6Aに示すように、平板パネル4の縦方向の長さL1は、590mm〜610mmである。
そのため、縦方向の長さが比較的短いコーナーパネルユニット2を形成できる。
そして、複数のコーナーパネルユニット2を縦方向に連結することにより、所望の長さのコーナーパネル1を形成できる。
また、コーナーパネル1では、コーナーパネルユニット2の縦方向の長さが比較的短いので、コーナーパネル1に応力がかかっても、その応力を柔軟に分散させることができる。
(3)また、このコーナーパネル1およびコーナーパネル1の製造方法によれば、図2Aに示すように、コーナーパネルユニット2は、長手方向両端部において、コーナーパネルユニット2の厚み方向内側に窪むコーナー段差部10を備えている。そして、図1Aに示すように、長手方向(縦方向)において互いに隣接するコーナーパネルユニット2は、一方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10と、他方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10とに跨って、目地止材3が充填されることにより連結されている。
そのため、コーナーパネルユニット2を長手方向(縦方向)に連結することにより、コーナー段差部10を隣接させて、目地止材3を充填するための領域を十分に確保できる。
また、一方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10と、他方のコーナーパネルユニット2のコーナー段差部10とに跨って、目地止材3が充填される。
そのため、コーナーパネルユニット2の連結部分をコーナーパネルユニット2により確実に被覆できる。
(4)また、このコーナーパネル1およびコーナーパネル1の製造方法によれば、図5Aに示すように、建築現場から、縦方向の長さL1が590mm〜610mmである余剰パネル30を回収する。そして、余剰パネル30から、縦590mm〜610mm、横90mm〜150mmの平板パネル4を切り出し、その平板パネル4からコーナーパネルユニット2を作製する。
そのため、環境負荷を軽減しつつ、低コストでコーナーパネルユニット2を形成できる。
すなわち、通常、建築現場において廃材が発生する場合には、その廃材を産業廃棄物として処理する必要があり、処理作業および処理コストが発生する。
しかるに、このコーナーパネル1およびコーナーパネル1の製造方法は、余剰パネル30を再利用するため、建築現場において発生する産業廃棄物を減らすことができる。
その結果、環境負荷を軽減しつつ、低コストでコーナーパネルユニット2を形成できる。
なお、上記実施形態においては、コーナーパネル1を建築物の角部に取り付けるとしたが、コーナーパネル1は、適宜、建築物の他の部分にも取り付けることができる。例えば、2つのコーナーパネル1を長手方向と直交する方向の断面が略コ字形状となるように組み合わせて、建築物の柱に取り付けてもよい。
1 コーナーパネル
2 コーナーパネルユニット
3 目地止材
4 平板パネル
5 平板段差部
7 接合面
10 コーナー段差部
30 余剰パネル

Claims (6)

  1. 複数のコーナーパネルユニットからなるコーナーパネルであって、
    各前記コーナーパネルユニットは、2つの平板パネルを備え、
    各前記平板パネルは、軽量気泡コンクリートから、一方向に長い略矩形状に形成されており、
    各前記コーナーパネルユニットでは、一方の前記平板パネルと他方の前記平板パネルとが、それらの前記一方向と直交する直交方向の側端面が接合されることにより、角度をなすように配置されており、
    複数の前記コーナーパネルユニットが、前記一方向に連結されてなる
    ことを特徴とする、コーナーパネル。
  2. 各前記平板パネルは、前記一方向の長さが、590mm〜610mmであることを特徴とする、請求項1に記載のコーナーパネル。
  3. 各前記平板パネルは、前記一方向の端部および前記一方向と反対側の端部において、目地止材を充填するための段差部を備えており、
    前記一方向において互いに隣接する各前記コーナーパネルユニットは、一方の前記コーナーパネルユニットの前記段差部と、他方の前記コーナーパネルユニットの前記段差部とに跨って、目地止材が充填されることにより連結される
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のコーナーパネル。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のコーナーパネルを作製するためのコーナーパネルユニットであって、
    2つの平板パネルを備え、
    各前記平板パネルは、軽量気泡コンクリートから、一方向に長い略矩形状に形成されており、
    一方の前記平板パネルと他方の前記平板パネルとが、それらの前記一方向と直交する直交方向の側端面が接合されることにより、角度をなすように配置されており、
    各前記平板パネルは、前記一方向の長さが590mm〜610mmであることを特徴とする、コーナーパネルユニット。
  5. 建築現場から、余剰となった590mm〜610mmの長さを有する軽量気泡コンクリートパネルを回収する工程と、
    前記軽量気泡コンクリートパネルを、縦方向の長さ590mm〜610mm、横方向の長さ90mm〜150mmに切出して、平板パネルを作製する工程と、
    作製した前記平板パネルを2つ用意する工程と、
    一方の前記平板パネルと他方の前記平板パネルとを、角度をなすように、それらの横方向の側端面を接合してコーナーパネルユニットを作製する工程と、を含む
    ことを特徴とする、コーナーパネルユニットの製造方法。
  6. 請求項5に記載のコーナーパネルユニットの製造方法により製造されたコーナーパネルユニットを、2つ以上用意する工程と、
    2つ以上の前記コーナーパネルユニットを、前記縦方向に連結する工程と、を含む
    ことを特徴とする、コーナーパネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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