JP2004308256A - タイル及びタイル貼設方法 - Google Patents

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JP2004308256A
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Takeshi Kojima
健 小島
Yoshiisa Nakaya
吉功 仲谷
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Taisei Corp
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Abstract

【課題】目地幅に制約されることなく設計の自由度が増し、施工性がよく、意匠性を向上させるタイル及びタイル貼設方法を提供する。
【解決手段】所定の厚さを有する矩形形状のタイル10を用いて、このタイルの表面部13に短手方向の一辺Pと平行となる向きに複数の表面溝13Aが形成され、同様に、この表面部13と接する短手方向の一面部14に、短手方向の一辺Pと平行となる向きに複数の側面溝14Aが形成されている。このタイル10と同一向きに、その表面部12に複数本の表面溝12Aが形成されているタイル11とを、前記タイル10と前記タイル11とが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイル及び出隅部におけるタイル貼設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、壁体の出隅部(隣接する壁面が90度となるコーナー部)にタイルを貼設する作業は、以下の方法で行われていた。まず、タイルの寸法形状と壁体の寸法形状及び窓部や建具等の寸法形状を考慮して、目地幅を縦方向及び横方向に調節して、壁体にタイルの割り付け行う。タイルの割り付け後、壁体の出隅部に役物と呼ばれるL字型のタイルを貼設し、その後、この役物に合わせて壁体の表面に、貼設された役物のタイルの貼設位置に合わせて、所定の範囲を覆うようにユニット化された複数の平物と呼ばれるタイルの貼設を行う。このとき、縦方向及び横方向に所定の幅の目地を設けてタイルを固定していた。
また、L字型のタイルは、各平物の一方の小口面を45度の角度で形成し、その45度の角度で形成した小口面同士を突き合わせることにより形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−299677号公報([0002]−[0011]、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタイル貼設方法は、目地幅を均一に保つことでタイルの貼り付けのバランスを保たなくてはならないという制約により正確なタイルの割り付けが必要であり、中途半端な長さのタイルを使用することがあることによる設計の自由度が小さいという問題があった。
また、従来のような45度の角度で形成した小口面同士を突き合わせて形成したL字型のタイルを壁体のコーナー部に用いると、このL字型のタイルの貼設位置を基準にして壁体に貼設しなければならないため、貼設の施工の手間が多くかかり、壁体の意匠性を保持するのにも手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、目地幅に制約されることなく設計の自由度が増し、施工性がよく、意匠性を向上させるタイル及びタイル貼設方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、所定の厚さを有する矩形形状のタイルであって、表面部において、その一辺に平行となる向きに複数本の表面溝又は表面凸条が形成されるとともに、前記表面部に接する少なくとも一面部に、前記表面溝又は表面凸条と平行となる方向の側面溝又は側面凸条が形成されている第1のタイルと、前記第1のタイルと同一向きに、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条が形成されている第2のタイルとを用い、前記第1のタイルと前記第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するタイル貼設方法であって、前記第1のタイルにおける前記一面部が前記構造体の外側面に位置するように配置するとともに、前記第2のタイルにおける前記表面溝又は前記表面凸条が、前記第1のタイルにおける前記側面溝又は前記側面凸条と平行となる向きに位置するように配置するタイルの貼設方法とすれば、以下の点で好的である。
【0007】
本発明によれば、前記第1のタイルと、前記第1のタイルと同一向きに、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条が形成されている第2のタイルとを、前記第1のタイルと前記第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するので、出隅部のタイルの貼設が意匠性を損なうことなく施工も容易となり、設計の自由度を増すようにすることができる。
また、前記構造体の外側面に位置するように配置した前記第1のタイルにおける前記一面部が、前記第2のタイルにおける前記表面溝又は前記表面凸条と平行となる向きに位置するように配置するので、タイル同士を突き合わせてできた継ぎ目を隠すことができ、タイルの貼設後の壁体の意匠性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明は、所定の厚さを有する矩形形状のタイルであって、表面部において、その一辺に平行となる向きに複数本の表面溝又は表面凸条が形成されるとともに、前記表面部に接する少なくとも一面部に、前記表面溝又は表面凸条と接続する直交方向の側面溝又は側面凸条が形成されている第1のタイルと、前記第1のタイルと同一向き及び同一間隔に、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条が形成されている第2のタイルとを用い、前記第1のタイルと前記第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するタイル貼設方法であって、前記第1のタイルにおける前記一面部が前記構造体の外側面に位置するように配置するとともに、前記第2のタイルにおける前記表面溝又は前記表面凸条が、前記第1のタイルにおける前記側面溝又は前記側面凸条と接続される向きに位置するように配置するタイルの貼設方法とすれば、以下の点で好的である。
【0009】
本発明によれば、前記第1のタイルと、第1のタイルと同一向き及び同一間隔に、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条を形成した第2のタイルとを、第1のタイルと第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するので、出隅部のタイルの貼設の施工が容易となり、設計の自由度を増すようにすることができる。
また、第1のタイルにおける一面部を構造体の外側面に位置するように配置し、第2のタイルにおける表面溝又は表面凸条を、第1のタイルにおける側面溝又は側面凸条と接続される向きに位置するように配置するので、仕上がった構造体の壁体表面に統一的な意匠を形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明を省略するものとする。
【0011】
本発明のタイルは、構造物の壁体の出隅部における表面部に水平に(横方向に)貼設するために用いられ、このタイルの寸法形状を考慮して壁体の表面部に割り付けられる。このとき、タイルの割り付けは、縦方向の目地を設けないように、隣接して配置されるタイルの隣り合う側面部同士を横方向に突き合わせて貼設するため、タイルの上部及び下部に水平に形成される目地のみを考慮して行われる。また、本発明のタイルの割り付けは、従来から採用されている通し目地、馬目地等、様々な貼設の態様に対して、タイル同士を突き合せて接合部を目立たなくすることができる。
【0012】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係るタイル10(第1のタイル10)は、図1に示すように、二丁掛タイルと呼ばれる所定の厚さを有する矩形形状のタイル10が用いられている。そして、この二丁掛タイルの表面部13に短手方向の一辺Pと平行となる向きに複数の表面溝13Aが形成され、同様に、この表面部13と接する短手方向を一辺とする一面部14に、短手方向の一辺Pと平行となる向きに複数の側面溝14Aが形成されている。
各表面溝13A及び各側面溝14Aは、所定の間隔で、かつ、所定の略同一深さを有しており、略同一の美感が奏されるように形成されている。なお、相対する側面に側面溝14Aが形成されていてもよい。
【0013】
(貼設方法)
次に、この本発明の第1実施形態に係るタイルの貼設方法について説明する。
【0014】
(割り付け工程)
図1に示す第1のタイル10と表面部12に複数本の表面溝12Aが形成されている第2のタイル11とを用いて、図2に示すように、壁体Wに各第1のタイル10と各第2のタイル11の割り付けを行う。このとき、第1のタイル10と第2のタイル11とは、縦目地を無くすために、第1のタイル10と第2のタイル11とを長手方向が水平になるように横方向に突き合わせて、壁体Wに貼設される。
ここで、第2のタイル11は、小口平タイルと呼ばれる矩形形状のタイル11で、その厚さが第1のタイル10と同じ厚さで、長手方向の長さが第1のタイル10より短くなっている。
【0015】
(出隅部貼設第1工程)
まず、第1のタイル10の長手方向の辺Qを水平方向に位置させて表面溝13Aを縦方向に向ける。この状態で、第1のタイル10の一面部14が前記構造体の外側面に位置するように、構造物の壁体Wの出隅部Dの表面に、この第1のタイル10を貼設する。ここで、第1のタイル10は、側面溝14Aが設けられた一面部14を外側にし、裏面に第2のタイル11の突き合わせ部分(第2のタイル11の厚さ分)を残して壁体Wから突出させて出隅部Dに貼設する。
【0016】
(出隅部貼設第2工程)
突出させた第1のタイル10の突き合わせ部分の裏面に第2のタイル11の一面部15を突き合わせて、第2のタイル11を出隅部Dの表面に貼設する。このとき、第1のタイル10の一面部14に設けた側面溝14Aと、第2のタイル11の表面部12に設けた表面溝12Aとが平行となっており、かつ、第1のタイル10と、第2のタイル11とを突き合わせたことにより生じた継ぎ目Tが、この第1のタイル10の側面溝14Aと第2のタイル11の表面溝12Aとで隠された状態となっている。
【0017】
ここで、第1のタイル10と第2のタイル11の貼設する順序は、施工条件により適宜変更することができる。例えば、最初に壁体表面貼設工程を行い、次に出隅部貼設第1工程から出隅部貼設第2工程まで行うという順序で貼設することができる。
【0018】
このようにして第1のタイル10と第2のタイル11とを貼設することにより、縦目地を設ける必要がないので、第1のタイル10と第2のタイル11との貼設が意匠性を損なうことなく容易となり、かつ、施工も容易となることにより、設計の自由度を増すようにすることができる。また、第1のタイル10の表面部13又は一面部14に突き合わせたときに生じる継ぎ目Tと平行となる表面溝13A又は側面溝14Aを設けたことにより、第1のタイル10(又は第2のタイル11)と第2のタイル11との継ぎ目Tを隠すことができる。そのため、第1のタイル10と第2のタイル11とを貼設した後の壁体Wの意匠性を向上させることができる。
【0019】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るタイル20(第1のタイル20)は、図3に示すように、第1実施形態に係るタイル10と同様の二丁掛タイルを用いて、この二丁掛タイルの表面部23に長手方向の一辺Qと平行となる向きに複数の表面溝23Aが形成され、この表面溝23Aと接続する直交方向を一辺とする一面部24に、側面溝24Aが形成されている。
各表面溝23A及び各側面溝24Aは、所定の間隔で設けられ、所定の幅及び深さを有している。
【0020】
(貼設方法)
次に、この本発明の第2実施形態に係るタイル20のタイル貼設方法について説明する。なお、本発明の第2実施形態に係るタイル20の使用方法は、第1実施形態に係るタイル10の使用方法における、出隅部貼設第1工程、出隅部貼設第2工程について異なっているので、この出隅部貼設第1工程、出隅部貼設第2工程について説明をする。
【0021】
(出隅部貼設第1工程)
まず、第1のタイルの長手方向の辺Qを水平方向に位置させて表面溝23Aを横方向に向ける。この状態で、第1のタイル20の一面部24が前記構造体の外側面に位置するように、構造物の壁体の出隅部の表面に、第1のタイル20を貼設する。ここで、第1のタイル20は、側面溝24Aが設けられた一面部24を外側にし、裏面に第2のタイル21の突き合わせ部分(第2のタイル11の厚さ分)を残して壁体Wから突出させて出隅部に貼設する。
【0022】
(出隅部貼設第2工程)
突出させた第1のタイル20の裏面に第2のタイル21を突き合わせて、第2のタイル21を出隅部の表面に貼設する。このとき、第1のタイル20の一面部24に設けた側面溝24Aと、第2のタイル21に設けた表面溝22Aとが接続される。
【0023】
このようにして第1のタイル20と第2のタイル21とを貼設することにより、縦目地を設ける必要がないので、第1のタイル20と第2のタイル21との貼設が容易となり、かつ、意匠性を損なうことなく施工も容易となることにより、設計の自由度を増すようにすることができる。そのため、第1のタイル20と第2のタイル21とを貼設した後の壁体Wの意匠性を向上させることができる。
【0024】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
【0025】
例えば、図4に示すように、二丁掛タイルの表面部43に長手方向の一辺Qと平行となる向きに複数の表面溝43Aが形成され、この表面部43に接する一面部44に、この表面溝43Aと接続する直交方向の側面溝44Aが形成され、そして、この二丁掛タイルの表面部43とこの表面部43と接する長手方向の一辺を含む一面部44とに接する長手方向の一面部46に、二丁掛タイルの長手方向の一辺を含む一辺Qと平行となる向きに複数の側面溝46Aが形成されている第3のタイル40を用いることもできる。
この第3のタイル40は、壁体の出隅部の最上部で用いられるものであり、壁体の3方向の意匠性を向上させることができるようになっている。
【0026】
また、本発明に用いられるタイルの形状は、二丁掛タイルの他に、四丁掛タイル、三丁掛タイル、ボーダータイル、小口平タイル等、様々な形状とすることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は前記のように構成したので、目地幅に制約されることがないので、設計の自由度を増すようにすることができる。また、目地幅に制約されないことからタイルの割り付けが容易となることから施工性を向上させることができる。また、このようなタイルを用いたことにより、構造物の意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のタイルの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のタイルの使用状態を示す部分斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態のタイルの一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、20 タイル(第1のタイル)
11 タイル(第2のタイル)
21 第2のタイル
12、22 表面部
12A、22A 表面溝
13、23、43 表面部
13A、23A、43A 表面溝
14、24、34、44 一面部
14A、24A、44A 側面溝
15、25 一面部
40 第3のタイル
46 長手方向の一面部
46A 側面溝
P 短手方向の一辺
Q 長手方向の一辺
W 壁体
D 出隅部
H 表面部
T 継ぎ目

Claims (4)

  1. 所定の厚さを有する矩形形状のタイルであって、
    表面部において、その一辺に平行となる向きに複数本の表面溝又は表面凸条が形成されるとともに、
    前記表面部に接する少なくとも一面部に、前記表面溝又は表面凸条と平行となる方向の側面溝又は側面凸条が形成されていることを特徴とするタイル。
  2. 所定の厚さを有する矩形形状のタイルであって、
    表面部において、その一辺に平行となる向きに複数本の表面溝又は表面凸条が形成されるとともに、
    前記表面部に接する少なくとも一面部に、前記表面溝又は表面凸条と接続する直交方向の側面溝又は側面凸条が形成されていることを特徴とするタイル。
  3. 請求項1に記載の第1のタイルと、
    前記第1のタイルと同一向きに、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条が形成されている第2のタイルとを、
    前記第1のタイルと前記第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するタイル貼設方法であって、
    前記第1のタイルにおける前記一面部が前記構造体の外側面に位置するように配置するとともに、
    前記第2のタイルにおける前記表面溝又は前記表面凸条が、前記第1のタイルにおける前記側面溝又は前記側面凸条と平行となる向きに位置するように配置することを特徴とするタイル貼設方法。
  4. 請求項2に記載の第1のタイルと、
    前記第1のタイルと同一向き及び同一間隔に、その表面部に複数本の表面溝又は表面凸条が形成されている第2のタイルとを、
    前記第1のタイルと前記第2のタイルとが直交するように突き合わせて構造体の出隅部に貼設するタイル貼設方法であって、
    前記第1のタイルにおける前記一面部が前記構造体の外側面に位置するように配置するとともに、
    前記第2のタイルにおける前記表面溝又は前記表面凸条が、前記第1のタイルにおける前記側面溝又は前記側面凸条と接続される向きに位置するように配置することを特徴とするタイル貼設方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008285869A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Sekisui Chem Co Ltd タイル
JP2010196363A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Inax Corp タイルユニット及びタイル壁

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