JP3038852U - 建材用パネルの接合構造及び建材用パネルの表面材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、例えば複数の建材パネルの端部を
接合する際、接合部の防水性を向上させ、同時に断熱
性、防音性等の向上を図ることを目的とする。 【解決手段】 発泡樹脂素材２の外面を覆う金属製の表
面材３の片側端部を折曲げて嵌合凸部３ｔを形成し、他
端側端部を折曲げで嵌合凹部３ｏを形成するようにした
壁パネル１において、嵌合凹部３ｏの凹部ｏの陥没深さ
を、嵌合凸部３ｔの凸部ｔの突出長さ以上にし、凸部ｔ
と凹部ｏを嵌合させた際、凸部ｔの頂面と凹部ｏの底面
との間に隙間が生じるようにする。この隙間にシーリン
グ材４を装入して組み付けても良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えばユニット住宅に使用される壁パネル等の建材パネルの接合構 造及び建材パネルの接合部の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ユニット住宅に使用される壁パネル等の建材用パネルにおいて、軽量の 発泡ポリウレタン等の表面を、金属製の表面材で覆って規定寸法の単位パネルを 成形し、この単位パネルを広い面積に組み付けてゆくことが出来るよう、例えば 表面材の左右両端部の一端側に嵌合凸部を形成し、他端側に嵌合凹部を形成する とともに、隣接するパネルの嵌合凸部と嵌合凹部同士を嵌合させながら組み付け るような建材用パネルが知られている。

【０００３】 そして、このような嵌合凸部と嵌合凹部は、金属製の表面材の端部を折曲げ加 工して一端側を凸部に他端側を凹部に成形するとともに、この凸部と凹部は、両 者が密着状に嵌合するような形状に成形するのが一般的である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが従来の場合、パネルの接合が、金属板を折曲げ成形した嵌合凸部と嵌 合凹部とを単に嵌合させているだけであるため、特に嵌合部の密着性が低下した 場合等において、例えば雨水等の侵入を完全に阻止することが出来なかった。 また嵌合部の防音性、断熱性等の面からも改良の余地があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、かかる防水性の向上、及び防音性、断熱性等の向上を目的と し、請求項１において、パネルの表面を装飾する金属製表面材の片側端部の嵌合 凸部と、隣接するパネルの金属製表面材の片側端部の嵌合凹部とを嵌合させて両 パネルを接合するようにした建材用パネルの接合構造において、嵌合凹部の陥没 深さを嵌合凸部の突出長さ以上とし、嵌合時に嵌合凹部の底面と嵌合凸部の頂面 との間に隙間が形成されるようにした。

【０００６】 ここで、嵌合状態として、例えば凸部の側面と凹部の側面を密着させて嵌合内 部に密封空間部が形成されるようにすれば、嵌合部の金属板全体を密着させて嵌 合することに較べて、特に嵌合部の断熱性を向上させることが出来る。

【０００７】 また請求項２では、前記隙間にシーリング材を介装するようにした。 このようにシーリング材を装入することによって、防水性を向上させることが 出来、しかも、断熱性を更に良好にすることが出来、しかも、防音性も良好に出 来る。

【０００８】 また請求項３では、左右両端部の一方側端部に嵌合凸部が形成され、他方側端 部に嵌合凹部が形成された建材用パネルの金属製の表面材において、嵌合凹部の 陥没深さを、嵌合凸部の突出長さ以上にした。 そしてこのような表面材を用いたパネル同士を組み付けて、請求項１のような 接合構造とし、必要に応じて請求項２のようにシーリング材を介装した接合構造 とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。 ここで図１は本考案の建材用パネルの表面材の断面図、図２は表面材の装飾の 一例を示す図１のＡ矢視による正面図、図３は本考案の接合構造の説明図、図４ は接合構造の別構成例図である。

【００１０】 本考案に係る建材用パネルは、例えばユニット住宅に使用される規定寸法の矩 形状の壁パネル１であって、図１に示すように、発泡樹脂素材２の外観面側を、 エンボス加工した鋼板、銅板等の金属製の表面材３で覆って装飾するとともに、 この表面材３の側部一端側を縁部に沿って折曲げ加工して嵌合凸部３ｔを形成し 、他端側を縁部に沿って折曲げ加工して嵌合凹部３ｏを形成している。

【００１１】 そして表面材３の外観面３ａに形成されるエンボス加工の一例は、実施形態で は図２に示すような石組み形状であり、その他、ブロック積み形状、タイル貼り 形状等任意である。

【００１２】 そして本考案では、表面材３の嵌合凸部３ｔと嵌合凹部３ｏの形状に特徴を有 しており、以下、実施形態において厚さ１mmの金属製表面材３を使用した時の具 体的な寸法諸元について、図３に基づき説明する。

【００１３】 前記嵌合凸部３ｔは、図３（Ａ）に示すように、外観面３ａの裏面から約８mm 奥まった箇所に形成され、外側に向けて約６mmの突出長さで延出して幅約６mmの 凸部ｔを形成した後、内側に向けて約１１mmの長さで折返され、更に１８０度折 返されて約３０mm外側に向けて突出している。

【００１４】 また、嵌合凹部３ｏは、外観面３ａの裏面から約６mm奥まった箇所に形成され 、内側に向けて約９mmの深さで陥没して幅約８mmの凹部ｏを形成した後、外方に 向けて折返され約１４mmの長さで延出している。

【００１５】 このため、隣接するパネル１、１の凸部ｔと凹部ｏを嵌合させると、図３（Ｂ ）に示すように、凸部ｔの側面と凹部ｏの側面同士は密着し、凸部ｔの底面と凹 部ｏの頂面との間に約３mmの隙間が生じ密封空間部Ｈが形成される。

【００１６】 そして嵌合部にこのような密封空間部Ｈを形成すれば、嵌合部の金属接触面の 全体を密着させることに較べて断熱効果を高めることが出来る。

【００１７】 ところで図４は、この密封空間部Ｈ内にシーリング材４を介装した場合の構成 例図である。 すなわち、例えば凸部ｔと凹部ｏを嵌合させる前に、凹部ｏ内にシーリング材 ４を装入しておいて嵌合させるか、或いは、シーリング材４の一面を凸部ｔの頂 面に貼り付けておいて嵌合させる等により、嵌合させた時にシーリング材４が介 装されるようにする。

【００１８】 ここで、シーリング材４としては、例えば弾力性のあるアクリル系、ポリウレ タン系、シリコーン系、ポリ塩化ビニル系等の樹脂又はゴム等の素材が適用出来 る。

【００１９】 そしてこのようにシーリング材４を介装すれば、嵌合部をシーリング材４を介 して密着状に嵌合させることが出来、同部から水が侵入するのが防止されて防水 性が向上するとともに、断熱効果も向上し、更に防音性等の向上にも効果がある 。

【００２０】 尚、嵌合凸部３ｔ及び嵌合凹部３ｏの形状及び寸法諸元は一例であり、実施形 態に限定されるものではないことはいうまでもない。 また、壁パネル以外のパネルにも適用出来ることは勿論である。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案は、嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させて隣接するパネルを接 合する際、嵌合凹部の陥没深さを嵌合凸部の突出長さ以上としたため、嵌合時に 嵌合凹部の底面と嵌合凸部の頂面との間に隙間を形成することが出来、特に嵌合 接合部の断熱性の向上を図ることが出来る。 またこの隙間にシーリング材を介装すれば、防水性を向上させることが出来、 しかも、断熱性、防音性を更に向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の建材用パネルの表面材の断面図

【図２】表面材の装飾の一例を示す図１のＡ矢視による
正面図

【図３】本考案の接合構造の説明図で、（Ａ）は嵌合
前、（Ｂ）は嵌合後の状態図

【図４】接合構造の別構成例図

【符号の説明】

１…壁パネル、３…表面材、３ｔ…嵌合凸部、３ｏ…嵌
合凹部、４…シーリング材。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネルの表面を装飾する金属製表面材の
   片側端部の嵌合凸部と、隣接するパネルの金属製表面材
   の片側端部の嵌合凹部とを嵌合させて両パネルを接合す
   るようにした建材用パネルの接合構造において、前記嵌
   合凹部の陥没深さを前記嵌合凸部の突出長さ以上とし、
   嵌合時に嵌合凹部の底面と嵌合凸部の頂面との間に隙間
   が形成されるようにしたことを特徴とする建材用パネル
   の接合構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の建材用パネルの接合構
   造において、前記隙間にシーリング材を介装することを
   特徴とする建材用パネルの接合構造。
3. 【請求項３】 パネルの表面を装飾する矩形状の金属製
   表面材であって、左右両端部の一方側端部に嵌合凸部が
   形成され、他方側端部に嵌合凹部が形成された建材用パ
   ネルの表面材において、前記嵌合凹部の陥没深さを、前
   記嵌合凸部の突出長さ以上にしたことを特徴とする建材
   用パネルの表面材。