JPS62342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ポリイソシアヌレートフオームより
なり、木口面に凹状切欠きを形成した芯材の表裏
面をそれぞれ面材で被覆したサンドイツチ構造の
断熱天井材に関するもので、更に詳述すると施工
の際に突付けが可能で目地幅をなくしあるいは小
さくすることができ、施工後の外観を向上させる
ことができると共に、簡単に施工を行なうことが
でき、しかも木口面が保護され、反り変形が防止
されて、比較的脆いポリイソシアヌレートフオー
ムを芯材として有効に使用し得る断熱天井材に関
する。

従来、断熱天井材として、第１図に示したよう
な合成樹脂発泡体よりなり、木口部ａに凹状切欠
きｂを形成した芯材ｃの表裏面をそれぞれ面材
ｄ，ｅで被覆したものが知られている。この種の
断熱天井材は、断熱性が良く、軽量で取り扱いが
容易であり、またジヨイントｆを使用して簡単に
断熱天井材ｇ，g′相互を接合できるなどの長所が
あるが、施工の際に少なくともジヨイントｆの厚
さ分に相当する幅の広い目地ができる。特に電線
などをジヨイントｆと共に挿入した場合には更に
幅の広い目地ができ、このため施工後の外観に問
題があり、しかも天井材割付の場合に目地幅の考
慮をしなければならず面倒であり、またジヨイン
トｆの下端部が目地から見えるためジヨイントｆ
の下端部に化粧加工をすることが必要であつた。
更に、木口部の変形防止などのために木口部に補
強材を取付けた断熱天井材の場合には、補強材の
下端部の隠れが不完全になり、目地から補強材の
下端部が見えて外観を損なうことがあつた。

更に、芯材を形成する合成樹脂発泡体としては
ポリイソシアヌレートフオームが耐燃性の点では
優れた利点を有するものの、ポリイソシアヌレー
トフオームは脆く、また強度及び接着性が他の発
泡体と比較して低いので、実用性に劣り、このた
めポリウレタンフオームが主として使用されてい
た。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、イソ
シアヌレートフオームよりなり、木口部に凹状切
欠きを形成した芯材の表裏面をそれぞれ面材で被
覆したサンドイツチ構造の断熱天井材において、
前記切欠きの下側の木口部下部を切欠きの上側の
木口部上部よりも外方に突出させると共に、表側
面材及び裏側面材の端部をそれぞれ延出させ、こ
れら両延出端部により芯材の木口部下部及び上部
の全部をそれぞれ被覆し、しかも切欠きの少なく
とも下面及び上面の一部をそれぞれ被覆して、ジ
ヨイントの接合突部を前記切欠きに挿入して天井
材相互を接合した際、前記木口部上部より外方に
突出する木口部下部を被覆する表側面材の延出端
部が互いに近接又は当接し、前記ジヨイントの下
端部を隠すよう形成することにより、突付けが可
能で施工の際に目地幅をなくしあるいは小さくす
ることができ、更に天井材相互の当接部において
表側面材の模様を一方の天井材から他方の天井材
にかけて連続的に形成することも可能で施工後の
外観を向上させることができ、かつ施工を簡単に
行なうことができて、特に目地なし天井や特殊形
状の目地を要求される場合に好適に使用し得、し
かもポリイソシアヌレートフオームを木口部、更
には切欠き内部まで面材で保護しているため、脆
くかつ強度の弱いポリイソシアヌレートフオーム
を芯材構成材料として支障なく使用することがで
き、難燃性に優れた断熱天井材を提供することを
目的とする。以下、本考案の一実施例につき第２
図を参照して説明する。図中１はイソシアヌレー
トフオームよりなる芯材であり、その表裏面には
それぞれ表側面材２及び裏側面材３が積層一体化
されて芯材１の表裏面が被覆されている。芯材１
の木口部４は上端部から下端部に向かうに従い漸
次外方に突出するテーパ面をなしており、この木
口部４に形成された凹溝状切欠き５の下側の木口
部下部４ａが切欠き５の上側の木口部上部４ｂよ
り外方に突出している。前記表側面材２の一端部
は芯材１の木口部下部４ａより外方に延出されて
おり、この延出端部２ａは内側に折曲されて芯材
１の木口部下部４ａ全面を被覆し、更に切欠き５
内に至り、この切欠き５の上面全面を被覆してい
る。また、裏側面材３の一端部も芯材１の木口部
上部４ｂより外方に延出され、この延出端部３ａ
も内側に折曲されて木口部上部４ｂ全面を被覆
し、かつ切欠き５の下面全面を被覆している。な
お、これら延出端部２ａ，３ａはいずれも芯材１
と接着されている。

第３図乃至第６図は本考案の他の実施例を示す
もので、第３図の実施例は表側及び裏側面材２，
３の延出端部２ａ，３ａが切欠き５の下面及び上
面をそれぞれ一部被覆した例、第４図の実施例は
木口部４をテーパ面とせず、木口部４の表面を垂
直面に形成すると共に、木口部下部４ａを木口部
上部４ｂより外方に突出させたものであり、かつ
表側面材２の延出端部２ａを切欠き５の下面全面
まで延出させ、裏側面材３を切欠き５の上面全面
まで延出させた例、第５図の実施例は木口部下部
４ａの表面をテーパ面とし、木口部上部４ｂの表
面を垂直面に形成すると共に、木口部下部４ａを
木口部上部４ｂより外方に突出させたものであ
り、かつ表側及び裏側面材２，３の延出端部２
ａ，３ａが切欠き５の下面及び上面の全部を被覆
した例、第６図は木口部下部４ａの表面の下部を
上側から下側に向かうに従い漸次内方に向うテー
パ面とすると共に上部を垂直面とし、木口部上部
４ｂの表面を垂直面に形成し、更に木口部下部４
ａを木口部上部４ｂより外方に突出させたもので
あり、かつ表側及び裏側面材２，３の延出端部２
ａ，３ａで切欠き５の下面及び上面の一部を被覆
した例である。

なお、芯材１を構成するイソシアヌレートフオ
ームは、表側面材２と裏側面材３とを所定の間隔
をおいて配置させ、その間に発泡体原液を吐出し
て常温で連続的に発泡体（芯材１）を発泡形成
し、発泡層の自己接着により表裏両面材２，３を
一体化できる。この場合、ポリイソシアヌレート
フオームは耐熱性等の点で特に好ましく、従来は
ポリイソシアヌレートフオームは脆く、また強度
及び接着性が他の発泡体に比較して低いので、実
用性に劣る問題があり、採用し難かつたが、本考
案においてはポリイソシアヌレートフオームを有
効に使用できる。また、芯材１に両面材２，３を
一体化させる方法としては上記の方法に制限され
るものではなく、所定の形状に裁断した発泡体に
接着材を用いて両面材２，３を後貼りする等の方
法も採用できる。

なお、面材２，３の材質は使用目的等に応じ適
宜選択される。また、面材２，３は一層構造のも
のに限られず、多層構造のものであつてもよい。

上述した構成の天井材６は第７図に示したよう
にジヨイント７の両側突出接合部７ａ，７ａをそ
れぞれ一方の天井材６と他方の天井材６′の凹状
切欠き５，５′に嵌入することにより簡単に他の
天井材６′と接合され使用される。この場合、天
井材６の木口部下部４ａを被覆する表側面材２の
延出端部２ａと他方の天井材６′の木口部下部
４′ａを被覆する表側面材２′の延出端部２′ａと
が突き合わされ、互いに当接することにより目地
幅をなくすことができ、従つてジヨイント７の下
端部が隠されて下から見えることが防止される。

而して、本考案の天井材は、イソシアヌレート
フオームよりなり、木口部に凹状切欠きを形成し
た芯材の表裏面をそれぞれ面材にて被覆してなる
天井材において、前記切欠きの下側の木口部下部
を切欠きの上側の木口部上部よりも外方に突出さ
せると共に、表側面材の端部を延出させ、この延
出端部により少なくとも芯材の木口部下部の全部
と少なくとも切欠きの下面の一部を被覆し、かつ
裏側面材の端部を延出させ、この延出端部により
芯材の木口部上部の全部と少なくとも切欠きの上
面の一部を被覆して、ジヨイントの接合突部を前
記切欠きに挿入して天井材相互を接合した際、こ
れら前記木口部下部より外方に突出する木口部下
部を被覆する表側面材の延出端部が互いに近接又
は当接し、前記ジヨイントの下端部を隠すよう構
成したことにより、突付けが可能で施工の際目地
幅をなくしあるいは小さくすることができ、しか
も目地幅をなくすように施工した場合、両天井材
の表側面材が当接するので、表側面材の模様が当
接部で途切れることがなく模様を連続させること
ができ、施工後の外観が非常に良いものである。
従つて、本考案の天井材は目地なし天井や特殊形
状の目地を要求される場合に好適である。また天
井材割付の場合に目地幅の考慮をしなくてもよ
く、施工が簡単であり、また目地幅をなくすこと
によつてジヨイントの下端部を下から見えないよ
うに隠すことができるので、ジヨイントの下端部
の化粧加工をする必要がなく、施工やコスト面で
非常に有利である。また、表裏側面材の延出端部
でそれぞれ木口面及び切欠き下面と上面を被覆す
ることにより、木口面が保護されると同様に天井
材の反り変形も防止され、比較的脆くかつ強度の
小さいポリイソシアヌレートフオームが保護さ
れ、補強材を使用しなくともジヨイントを切欠き
に嵌入した場合に欠けなどが生ぜず、運搬、施工
時の損傷も確実に防止され、かつ面材の剥がれ、
反り、木口面が広がる等の変形も確実に防止され
る。更に、芯材をイソシアヌレートフオームで形
成しているので断熱性が良く、軽量で取り扱いが
容易であり、本考案によれば従来は接着性が悪
く、脆い等の点で採用し難かつた耐燃性の高いポ
リイソシアヌレートフオームを芯材として支障な
く使用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の断熱天井材の施工例を示す一部
省略断面図、第２図乃至第６図はそれぞれ本考案
の一実施例を示す一部省略断面図、第７図は本考
案断熱天井材の施工例を示す一部省略断面図であ
る。 １……芯材、２……表側面材、２ａ……延出端
部、３……裏側面材、３ａ……延出端部、４……
木口部、４ａ……木口部下部、４ｂ……木口部上
部、５……凹状切欠き、６，６′……天井材、７
……ジヨイント、７ａ……ジヨイント接合突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ポリイソシアヌレートフオームよりなり、木
   口部４に凹状切欠き５を形成した芯材１の表裏
   面をそれぞれ面材２，３にて被覆してなる断熱
   天井材において、前記切欠き５の下側の木口部
   下部４ａを切欠き５の上側の木口部上部４ｂよ
   りも外方に突出させると共に、表側面材２の端
   部を延出させ、この延出端部２ａにより芯材１
   の木口部下部４ａの全部と少なくとも切欠き５
   の下面の一部を被覆し、かつ裏側面材３の端部
   を延出させ、この延出端部３ａにより芯材１の
   木口部上部４ｂの全部と少なくとも切欠き５の
   上面の一部を被覆して、ジヨイント７の接合突
   部７ａを前記切欠き５に挿入して天井材６，
   ６′相互を接合した際、前記木口部上部４ｂよ
   りも外方に突出する木口部下部４ａを被覆する
   表側面材２の延出端部２ａが互いに近接又は当
   接し、前記ジヨイント７の下端部を隠すように
   したことを特徴とする断熱天井材。 ２ 木口部４の表面がテーパ面をなす実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の断熱天井材。