JP2006070455A - 出隅柱及びその製造方法並びに面取り加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2枚の平板状の窯業系板片2を、窯業系板片2の側辺24において略直角状に接合してなる出隅柱1。窯業系板片2は、意匠面21に凹部22を部分的に有している。出隅柱1は、2枚の窯業系板片2の接合部23の意匠面21側に形成された頂部11に、面取り部12を設けてなる。2枚の窯業系板片2の接合部23の裏側角部13と面取り部12との距離である角部厚みtを、凹部22が配された部分においては小さくすることにより、面取り部12の幅wを略一定にしている。
【選択図】図1
Description
該出隅柱は、2枚の平板状の窯業系板片を、該窯業系板片の側辺において略直角状に接合してなる。そして、上記出隅柱は、2枚の窯業系板片の接合部の意匠面側に形成された頂部に、面取り部を設けてなる。
該面取り部は、上記2枚の窯業系板片を接合した後、上記頂部を切削加工することにより形成する。
そして、、もともと軽いエンボス模様を形成した意匠面の場合には、上記の凹部は目立ちにくいが、平坦な意匠面を有する窯業形板片の場合には、上記の凹部が目立ちやすい。
上記窯業系板片は、意匠面に凹部を部分的に有しており、
上記出隅柱は、上記2枚の窯業系板片の接合部の上記意匠面側に形成された頂部に、面取り部を設けてなり、
上記2枚の窯業系板片の接合部の裏側角部と上記面取り部との距離である角部厚みを、上記凹部が配された部分においては小さくすることにより、上記面取り部の幅を略一定にしていることを特徴とする出隅柱にある(請求項1)。
上記出隅柱においては、上記角部厚みを、上記凹部が配された部分においては小さくする。これにより、上記面取り部の幅を略一定にすることが可能となる。その結果、外観意匠性に優れた出隅柱を得ることができる。
そこで、上記凹部が配された部分においては、上記角部厚みを小さくすることにより、即ち面取り部を上記裏側角部に近付けることにより、面取り部の幅を大きくする。これにより、凹部が配されていない部分と同等の幅を有する面取り部を形成し、全体として、略一定幅の面取り部を形成することができる。
切削カッターが配設された切削基台上において上記接合体を長手方向に移動させて、上記切削カッターによって上記頂部を切削することにより、上記面取り部を形成するに当り、
上記接合体を弾性変形させると共にその弾性変形量を被削部分ごとに調整し、上記凹部が配された上記被削部分を含めて切削深さを略一定とすることにより、一定幅の上記面取り部を形成することを特徴とする出隅柱の製造方法にある(請求項4)。
仮に、接合体を弾性変形させずに切削加工しようとすると、上記凹部が配された被削部分は、切削深さが浅くなり、その結果、面取り部の幅が小さくなる。また、同様に接合体を弾性変形させずに、凹部が配された被削部分の面取り幅を設計値どおりにしようとすると、他の被削部分の切削深さが深くなりすぎ、面取り部の幅が設計値よりも広がりすぎてしまう。
切削深さが略一定となれば、一定幅の上記面取り部を形成することができ、外観意匠性に優れた出隅柱を製造することができる。
該面取り加工装置は、上記2枚の窯業系板片を接合してなる接合体を載置して搬送するための切削基台と、該切削基台に取付けられ、上記窯業系板片の意匠面側に形成された上記接合体の頂部を切削して面取り部を形成するための切削カッターとからなり、
上記切削基台は、下方に配設され上記接合体の一方の意匠面を支承する複数の水平ガイドロールと、側方に配され上記接合体の他方の意匠面をガイドする複数の垂直ガイドロールと、上記水平ガイドロールの上方から、上記窯業系板片を押圧しつつ上記接合体を送り出す押圧ロールとを有し、
上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールのうち、上記切削カッターによる切削加工点付近に配された上下調整用ガイドロール及び左右調整用ガイドロールは、他の上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールよりも大きい半径を有し、
上記上下調整用ガイドロール及び上記左右調整用ガイドロールは、上記接合体の被削部分を上記切削カッターから遠ざける方向に押圧して上記接合体を弾性変形させ、上記切削カッターによる上記頂部への切削深さを略一定とすることができるよう構成してあることを特徴とする面取り加工装置にある(請求項8)。
その結果、面取り部の幅を略一定とすることができ、外観意匠性に優れた出隅柱を製造することができる。
また、上記凹部は、例えば0.1〜2.5mmの深さを有する。
この場合には、上記面取り部の幅の変化が外観上目立ちにくく、略一定幅として認識することができる。そのため、外観意匠性に優れた出隅柱を得ることができる。
この場合には、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。即ち、上記平均の幅が3mm未満の場合には、頂部に破損を生じやすくなるおそれがある。一方、上記平均の幅が12mmを超える場合には、本発明の手段を用いなくても、窯業系板片の凹部に起因する面取り部の幅の変化が目立ちにくく、本発明の作用効果を充分に発揮することが困難である。
上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールのうち、上記切削カッターによる切削加工点付近に配された上下調整用ガイドロール及び左右調整用ガイドロールは、他の上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールよりも大きい半径を有し、
上記上下調整用ガイドロール及び上記左右調整用ガイドロールによって、上記接合体の被削部分を上記切削カッターから遠ざける方向に押圧して上記接合体を弾性変形させ、上記切削カッターによる上記頂部への切削深さを略一定とすることができる(請求項5)。
この場合には、略一定幅の面取り部を有する外観意匠性に優れた出隅柱を、効率的に製造することができる。
本例の出隅柱1は、図1に示すごとく、2枚の平板状の窯業系板片2を、該窯業系板片2の側辺24において略直角状に接合してなる。
上記窯業系板片2は、意匠面21に凹部22を部分的に有している。
上記2枚の窯業系板片2の接合部23の裏側角部13と上記面取り部12との距離である角部厚みtを、上記凹部22が配された部分においては小さくすることにより、上記面取り部12の幅wを略一定にしている。
また、上記出隅柱1は、長手方向の長さが3030mmである。そして、窯業系板片2の厚みは、凹部22を除いて、16mmである。また、上記凹部22は、0.1〜2.5mmの深さを有する。従って、凹部22における窯業系板片2の厚みは13.5〜15.9mmである。
次いで、図6に示すごとく、窯業系建築板20の一方の側辺24を約45°の角度に切断すると共に、その切断面同士を接着して、2枚の窯業系建築板20を接合する。
該面取り加工装置3は、上記接合体10を載置して搬送するための切削基台32と、該切削基台32に取付けられ、窯業系板片2の意匠面21側に形成された上記接合体10の頂部11を切削するための切削カッター31とからなる。
上記上下調整用ガイドロール330及び左右調整用ガイドロール340の半径は、他の水平ガイドロール33及び垂直ガイドロール34の半径よりも2mm大きい。
なお、上記上下調整用ガイドロール330は2個、左右調整用ガイドロール340は1個配設されているが、これらの個数は特に限定されるものではない。
また、上記切削カッター31は、回転円盤310の外周に多数の刃部311を形成してなる。そして、回転円盤310が回転することにより、刃部311が接合体10の被削部分を切削できるよう構成されている。なお、本明細書において、「切削カッター」を「刃部」と同義に用いることもある。
このとき、図7〜図12に示すごとく、上記接合体10を弾性変形させると共にその弾性変形量を被削部分ごとに調整し、図6に示すごとく、上記凹部22が配された上記被削部分を含めて切削深さdを略一定とする。これにより、図1〜図3に示すごとく、一定幅wの上記面取り部12を形成する。
即ち、上下調整用ガイドロール330及び左右調整用ガイドロール340によって、上記接合体10の被削部分を切削カッター31から遠ざける方向に押圧して接合体10を弾性変形させ、切削カッター31による頂部11への切削深さdを略一定とする。
これにより、凹部22の存在する頂部11と凹部22の存在しない頂部11とを、略同一の切削深さdで切削することができ、面取り部12の幅wを略一定とすることができる。具体的には、切削深さdを3.0±0.5mmとすることにより、面取り幅wを6.0±1.0mmとすることができる。
上記出隅柱1においては、上記角部厚みtを、上記凹部22が配された部分においては小さくする。これにより、上記面取り部12の幅wを略一定にすることが可能となる。その結果、外観意匠性に優れた出隅柱1を得ることができる。
そこで、図3に示すごとく、上記凹部22が配された部分においては、上記角部厚みtを小さくすることにより、即ち面取り部12を上記裏側角部13に近付けることにより、面取り部12の幅を大きくする。これにより、図2、図3に示すごとく、凹部22が配されていない部分と同等の幅wを有する面取り部12を形成し、図1に示すごとく、全体として、略一定幅の面取り部12を形成することができる。
仮に、接合体10を弾性変形させずに切削加工しようとすると、上記凹部22が配された被削部分は、切削深さdが浅くなり、その結果、面取り部12の幅wが小さくなる(比較例参照)。また、同様に接合体10を弾性変形させずに、凹部22が配された被削部分の面取り幅wを設計値どおりにしようとすると、他の被削部分の切削深さが深くなりすぎ、面取り部12の幅wが広がりすぎてしまう。
切削深さdが略一定となれば、図1に示すごとく、一定幅wの上記面取り部12を形成することができ、外観意匠性に優れた出隅柱1を製造することができる。
また、面取り部12は、平均の幅wが6.0mmであるため、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。
本例は、図13〜図20に示すごとく、同一平面上に面取り部92が形成された出隅柱9及びその製造方法の例である。
また、上記出隅柱9は、実施例と同様に、意匠面21に凹部22を部分的に有する2枚の窯業系板片2を略直角状に接合してなる。
上記面取り加工装置8は、図17〜図20に示すごとく、切削基台82と切削カッター81とからなる。
上記複数の水平ガイドロール83及び垂直ガイドロール84は、全て同等の半径を有しており、接合体10を特に弾性変形させることなく真直ぐな状態で搬送する。
そして、図17〜図20に示すごとく、接合体10を弾性変形させずに、切削カッター81によって切削加工する。
その他は、実施例と同様である。
即ち、凹部22が形成されていない部分については、図17、図19に示すごとく、意匠面21が水平ガイドロール83及び垂直ガイドロール84に接触した状態で、切削加工されるため、切削深さdが確保され、面取り部92の幅wが確保される。
そのため、図13に示すごとく、全体として、面取り部92の幅にばらつきが生じ、外観意匠性を低下させるおそれがある。
これは、接合体10を弾性変形させないと、図15、図16に示すごとく、上記面取り部92は同一平面上に形成されるが、上記窯業系板片2は、意匠面21に凹部22を部分的に有しているため、該凹部22が配される頂部91においては、面取り部92の幅wが狭くなってしまうからである。
10 接合体
11 頂部
12 面取り部
13 裏側角部
2 窯業系板片
21 意匠面
22 凹部
23 接合部
24 側辺
3 面取り加工装置
31 切削カッター
32 切削基台
33 水平ガイドロール
330 上下調整用ガイドロール
34 垂直ガイドロール
340 左右調整用ガイドロール
35 押圧ロール
Claims (8)
- 2枚の平板状の窯業系板片を、該窯業系板片の側辺において略直角状に接合してなる出隅柱であって、
上記窯業系板片は、意匠面に凹部を部分的に有しており、
上記出隅柱は、上記2枚の窯業系板片の接合部の上記意匠面側に形成された頂部に、面取り部を設けてなり、
上記2枚の窯業系板片の接合部の裏側角部と上記面取り部との距離である角部厚みを、上記凹部が配された部分においては小さくすることにより、上記面取り部の幅を略一定にしていることを特徴とする出隅柱。 - 請求項1において、上記面取り部は、最大幅と最小幅との差が2mm以下であることを特徴とする出隅柱。
- 請求項1又は2において、上記面取り部は、平均の幅が3〜12mmであることを特徴とする出隅柱。
- 意匠面に凹部を部分的に有する2枚の平板状の窯業系板片を、該窯業系板片の側辺において略直角状に接合して接合体を形成し、上記2枚の窯業系板片の接合部の上記意匠面側に形成された上記接合体の頂部に面取り部を形成して出隅柱を製造する方法であって、
切削カッターが配設された切削基台上において上記接合体を長手方向に移動させて、上記切削カッターによって上記頂部を切削することにより、上記面取り部を形成するに当り、
上記接合体を弾性変形させると共にその弾性変形量を被削部分ごとに調整し、上記凹部が配された上記被削部分を含めて切削深さを略一定とすることにより、一定幅の上記面取り部を形成することを特徴とする出隅柱の製造方法。 - 請求項4において、上記切削基台は、下方に配設され上記接合体の一方の意匠面を支承する複数の水平ガイドロールと、側方に配され上記接合体の他方の意匠面をガイドする複数の垂直ガイドロールと、上記水平ガイドロールの上方から、上記窯業系板片を押圧しつつ上記接合体を送り出す押圧ロールとを有し、
上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールのうち、上記切削カッターによる切削加工点付近に配された上下調整用ガイドロール及び左右調整用ガイドロールは、他の上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールよりも大きい半径を有し、
上記上下調整用ガイドロール及び上記左右調整用ガイドロールによって、上記接合体の被削部分を上記切削カッターから遠ざける方向に押圧して上記接合体を弾性変形させ、上記切削カッターによる上記頂部への切削深さを略一定とすることを特徴とする出隅柱の製造方法。 - 請求項4又は5において、上記面取り部は、最大幅と最小幅との差が2mm以下となるように形成されることを特徴とする出隅柱の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれか一項において、上記面取り部は、平均の幅が3〜12mmとなるように形成されることを特徴とする出隅柱の製造方法。
- 2枚の平板状の窯業系板片を、該窯業系板片の側辺において略直角状に接合してなる出隅柱に、面取り部を形成するための面取り加工装置であって、
該面取り加工装置は、上記2枚の窯業系板片を接合してなる接合体を載置して搬送するための切削基台と、該切削基台に取付けられ、上記窯業系板片の意匠面側に形成された上記接合体の頂部を切削して面取り部を形成するための切削カッターとからなり、
上記切削基台は、下方に配設され上記接合体の一方の意匠面を支承する複数の水平ガイドロールと、側方に配され上記接合体の他方の意匠面をガイドする複数の垂直ガイドロールと、上記水平ガイドロールの上方から、上記窯業系板片を押圧しつつ上記接合体を送り出す押圧ロールとを有し、
上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールのうち、上記切削カッターによる切削加工点付近に配された上下調整用ガイドロール及び左右調整用ガイドロールは、他の上記水平ガイドロール及び上記垂直ガイドロールよりも大きい半径を有し、
上記上下調整用ガイドロール及び上記左右調整用ガイドロールは、上記接合体の被削部分を上記切削カッターから遠ざける方向に押圧して上記接合体を弾性変形させ、上記切削カッターによる上記頂部への切削深さを略一定とすることができるよう構成してあることを特徴とする面取り加工装置。
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