JP3868962B2 - 出隅柱および出隅柱に面取り加工を施す装置 - Google Patents

出隅柱および出隅柱に面取り加工を施す装置 Download PDF

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Description

本発明は、建物壁面の出隅部分の外装材として用いられる出隅柱、およびその頂角部に面取り加工を施すための装置に関する。
一般に、建物の壁面の出隅部分に用いられる外装材として、図8に示すような出隅柱1が知られている(特許文献1:特開2000−310024号公報など参照)。出隅柱1の製造には、通常、図9aに示すように、表面に溝部(縦目地部2、横目地部3)と溝部で区画される凸領域4とを持つ窯業建築板5が用いられ、それを縦目地部2を回避した切断位置Sで切断して、板片10,10を作る(図9b)。各板片の1つの側辺11,11を斜め(45度の角度であることが多いが、これに限らない)に切断し、切断面12,12同士を頂角部13を持つように接着剤で接合して断面略L字形とする(図9c)。
原板である窯業建築板5は、通常、前記凸領域4に表面凹凸柄部4aが形成されていることや、切断面12の形状バラツキや、断面略L字形に接着剤で接合するときに位置合わせに多少のズレが生じること、などの理由から、前記頂角部13の稜線部分で切断面先端をピッタリ重なり合わせた状態で略L字形に固着一体化させることは難しく、通常、図9cの右図に示すように、片方の板片10の先端が突き出すチグハグな格好となる部分が出てくる。また、その部分に接着剤のはみ出し部aも生じやすい。切断面先端がピッタリ重なり合った場所でも、図9cの左図に示すように、やはり接着剤のはみ出し部aが形成されることがある。
それにより頂角部の見栄えが悪くなるので、頂角部13の形状を整えるために、テノーナー切削機のような機械的手段で、頂角部13に面取り加工が施される。従来の面取り加工では、切削加工面14は幅が10mm〜20mm程度の幅広な平坦面であり、面取りされた部分(切削加工面14)は板片10の表面とは異なった色彩となるので、別途塗装が施される。特許文献1に記載のものでは、塗装に換えて、板片表面の模様、色彩とほぼ同じ模様、色彩の熱転写シートに係る転写箔を貼着するようにしている。
特許文献2(特開平6−299677号公報)には、コーナータイルの製造方法が記載されている。ここでは、L字状に固着したコーナータイルの突き合わせ部分のエッジを面取り加工するに際し、砥石の粗さを段階的に細かく変更させることにより、突き合わせ部を目立たなくして、意匠性の高いコーナータイルを得るようにしている。
特開2000−310024号公報 特開平6−299677号公報
前記のように、従来の出隅柱では、その頂角部に対してテノーナー切削機のような装置を用いて面取り加工を行っており、計算できない接着剤のはみ出し部を削除するため切削加工面は平坦かつ幅広(10mm〜20mm程度)な面となる。特に、建築板表面の凸領域4に深い表面凹凸柄部4aを形成した場合には、見栄えが悪くならない安全策の上から、面取り切削加工面はより幅広なものにならざるを得なかった。
切削面には板片10(窯業建築板5)の地色が現れるので、切削加工後に塗装を施して表面模様との調和をとるようにしているが、10mm〜20mm程度の幅広な面であることから、塗装したとしても目立ちやすく、また、平坦面であることから陰影が単調となり、凸領域4あるいはそこに形成される表面凹凸柄部4aの陰影とはどうしても異なるものとなる。特許文献1に記載のように、面取り加工部に、板片の模様、色彩とほぼ同じ模様、色彩の熱転写シートに係る転写箔を貼着する場合には、遠目での絵柄の連続性は確保できるとしても、転写シートが平坦なものである以上、陰影の違いを回避することはできない。また、そのような転写シートを準備することも容易でない。
特許文献2では、砥石の粗さを段階的に細かく変更することにより、突き合わせ部を目立たなくするようにしているが、複数回の砥石がけ作業は容易でないばかりか、この作業方法を窯業系材料で形成される出隅柱の頂角部に適用すると、窯業板の地色が広い範囲で出てしまうので好ましくない。また、研磨面は平坦面であり、塗装を施すとしても、陰影の違いに対する不都合は回避できない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、出隅柱の頂角部における面取り加工部をできるだけ目立たなくし、かつ面取り加工部に、凸領域に形成される表面凹凸柄部に生じる陰影と同様な陰影が形成されるようにして、面取り加工部に違和感を起こさせないようにした出隅柱と、該出隅柱の頂角部に面取り加工を施す装置を提供することを目的とする。
本発明による出隅柱は、少なくとも2枚の板片をその1つの側辺同士を頂角部を持つようにして接合して形成される出隅柱であって、該頂角部には幅の狭い面取り加工部が形成されており、該面取り加工部は平坦面ではなく不規則な凹凸を有する凹凸面とされていることを特徴とする。
本発明において、出隅柱を構成する板片は、従来知られた窯業系建築板から適宜の幅の板片に切り出したものを用いることが好ましいが、これに限らない。本発明による出隅柱では、頂角部に形成される面取り加工部は幅狭でありかつ凹凸面とされている。そのために、面取り加工部に板片の表面模様に近似した所要の塗装を施すことによって色調の違いによる違和感は小さくすることができる。また、凹凸面であることから、板片が表面凹凸柄部を持つものである場合に、そこに生じる陰影に近似した陰影を面取り加工部に生成させることができる。それにより、面取り加工部の存在そのものが目立たないものとなる。
好ましくは、出隅柱を構成する板片として、表面に溝部と該溝部で区画される凸領域が形成されており、凸領域には表面凹凸柄部が形成されているものを用いる。それにより、面取り加工部の凹凸面とよく調和した意匠性の高い出隅柱が得られる。また、出隅柱を構成する板片として、表面に頂角部に交差する方向の溝部を有しているものを用い、出隅柱の頂角部に形成される前記溝部に対応する凹部と頂角部に形成した面取り加工部との接続面は曲面状となるようにする。この構成では、板片表面の溝部および凸領域と頂角部の面取り加工部との連続性が一層確実となり、意匠性はさらに向上する。
なお、本発明による出隅柱において、板片の頂角部をなす側辺と反対側の側辺(木口面)は、垂直な切断面のままとされていてもよく、木口面での表面側稜線に面取り加工部を形成するようにしてもよい。木口面に面取り加工を施すことにより、建物本体側の窯業系建築板との見た目での連続性を確保することができる。
なお、本発明において、「面取り加工部は平坦面ではなく凹凸面とされている」というときの凹凸面とは、微視的な意味での凹凸を有する凹凸面をいうのではなく、指先で触って確認できる程度の不規則な凹凸を有する凹凸面をいっており、より具体的には、深さあるいは高さが最低部より0.3〜5mm程度の不規則な凹凸を有する凹凸面をいう。出隅柱の素材である板片が、前記のように凸領域を有し、該凸領域に表面凹凸柄部を有するものである場合に、その表面凹凸柄部に形成される凹凸(通常0.3〜5mmの深さあるいは高さである)程度の凹凸を備えた凹凸面をいう。また、面取り加工部の幅は、塗装したときのタレや、加工工程のカケの問題もあり、7mm以下が好ましく、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2〜3mmである。
本発明は、さらに、少なくとも2枚の板片をその長手方向の側辺同士を頂角部を持つようにして接合して形成される出隅柱の前記頂角部に面取り加工を施す装置であって、少なくとも頂角部を露出した状態で出隅柱を水平姿勢で支持する出隅柱支持手段と、出隅柱支持手段に支持された出隅柱の頂角部に当接して頂角部に面取り加工を施す切削部を備えた面取り加工手段と、面取り加工手段を固定機枠に対し弾性体を介して上下動可動に支持するようにした面取り加工手段支承手段と、出隅柱支持手段と面取り加工手段とに相対的な移動を与える移動手段、とを少なくとも備えていることを特徴とする、出隅柱に面取り加工を施す装置を開示する。面取り加工手段の切削部は任意のものであってよいが、エアグラインダは特に効果的である。
上記装置を用いることにより、本発明による出隅柱を容易に製造することができる。製造に際して、最初に、少なくとも2枚の板片をその長手方向の側辺同士を頂角部を持つようにして接合して形成される出隅柱を従来と同様にして用意する。用意した出隅柱を頂角部が例えば上方に露出した姿勢として出隅柱支持手段に取り付ける。
面取り加工手段の切削部を、出隅柱支持手段に支持された出隅柱の頂角部に当接させ、出隅柱支持手段と面取り加工手段とに相対的な移動を与える。好ましくは、面取り加工手段を固定し、出隅柱支持手段を移動させて、面取り加工手段の切削部に対して出隅柱の頂角部の全稜線部分を通過させる。面取り加工手段を移動させ、出隅柱支持手段を固定するようにしてもよく、両者を反対方向に向けて移動させるようにしてもよい。速度差をもって両者が同方向に移動させるようにしてもよい。
本発明による装置は、面取り加工手段を固定機枠に対し弾性体を介して上下動可動に支持するようにした面取り加工手段支承手段を備える。弾性体により全自重が支えられて、面取り加工手段は浮いた状態で維持されており、切削部と出隅柱の頂角部との接触態様に応じて、面取り加工手段は機枠に対して上下方向に移動する。また、面取り加工手段の自重と弾性体の長さやバネ定数を選択することにより、非接触状体にあるときの、加工しようとする出隅柱の頂角部に対する切削部の上下方向の位置決めと、出隅柱の頂角部と切削部とが衝接しているときの、一方が他方に与える荷重およびその変量とを適宜設定することができる。
非接触状態で切削部が出隅柱の頂角部よりある距離だけ下位に位置するように設定する。その状態で切削部を上昇させ、出隅柱支持手段を移動させて出隅柱を切削部の下に入れた後、切削部と出隅柱の頂角部とを接触した状態とする。その状態で出隅柱を頂角部の稜線方向に移動させる(前記のように、出隅柱を固定して面取り加工手段を移動させてもよい)。この移動により、切削部は頂角部に生じている凹凸をなぞった形で上下動しながら頂角部の稜線部を切削(面取り加工)していく。それにより、面取り加工後の出隅柱の稜線部分には当初頂角部が有していた凹凸をなぞったような形状の凹凸面が形成される。
面取り加工をしようとする出隅柱の頂角部の硬さに応じて、あるいは、場合によって接着剤のはみ出し固化した形状に応じて、弾性体のバネ定数を適宜設定することにより、切削深さあるいは凹凸の程度を適宜調整することもできる。また、切削深さや切削面の平坦度は、出隅柱と切削部との相対速度差および切削具として回転するグラインダを用いる場合にはその回転数などによっても変化するので、得ようとする面取り加工部の幅や凹凸の程度に応じて、実験的にあるいは計算により最適のバネ定数を持つ弾性体を選択する。
一定の設定で複数個の出隅柱の面取り加工を連続して行うときに、出隅柱を作るときの都合で頂角部での板片のズレが大きくなりすぎた出隅柱が混在していると、そのような出隅柱については飛び出ている方の稜線部分の切削のみで面取り加工が終了してしまうことが起こり得る。その対策として、切削部よりも出隅柱の送り方向上流側に、規定値以上に飛び出ている稜線部分がある場合に、それを切削除去するための固定した切削具を備えておくようにしてもよい。
本発明の出隅柱の好ましい態様では、板片同士を接着する接着剤が湿気硬化型接着剤であることを特徴とする。湿気硬化型接着剤としては湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤は特に好ましい。出隅柱を構成する板片が小木片状のチップを混入した窯業系建築板の場合には、大気中の水分のみならずチップ中に内在している水酸基も接着剤の重合と硬化に寄与するようになるので、接着剤が湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤であることは特に好ましい。
さらに好ましい態様として、接着剤が硬化する前に板片の切断面あるいは頂角部とその近傍に水を霧状に供与することが望ましい。霧状になった水分は板片の切断面から板片内部へ浸透しやすくなり、内部浸透した水分に誘因されて湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤の硬化が促進されて急激に膨張することにより、板片内部にまで入り込んで硬化する結果、より強固に板片同士の接着接合が進行する。
また、湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤を塗布後、水分を霧状に散布すると、水分を散布しないときには板片同士の接合時に未硬化状態の接着剤が頂角部からはみ出して出隅柱の表面に沿って流れ出ることが起こり得るところ、水分を霧状に散布することにより、散布した水の水酸基により接着剤の重合と硬化が早期に進み、接着剤のタレを防止できることから、外観低下を阻止する効果ももたらされる。なお、接着剤の硬化には高周波加熱を利用することが望ましい。
本発明によれば、出隅柱の頂角部における面取り加工部をできるだけ目立たなくし、かつ面取り加工部に表面凹凸柄部に生じる陰影と同様な陰影が形成されるようにして、面取り加工部に違和感を起こさせないようにした出隅柱を得ることができる。また、面取り加工部を不規則な凹凸を有する凹凸面とすることにより、面取り加工部にたとえ若干の広幅部があったとしても違和感をなくすことができる。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1は本発明による出隅柱に面取り加工を施す装置の一形態を出隅柱の送り方向に直交する方向から見て示す概略図であり、図2はそれを送り方向に平行な方向から見て示す概略図である。また、図3〜図6は上記装置を用いて製造される面取り加工後の出隅柱を説明するための図である。
図1および図2に示す本発明による装置は、送りローラ21を備える出隅柱支持手段20と、エアグラインダ31を備える面取り加工手段30と、弾性体としてのコイルバネ41を備える面取り加工手段支承手段40とを備え、送りローラ21を作動することにより出隅柱支持手段20に支持された出隅柱1は、固定して備えられる面取り加工手段30に対して相対的に移動する。従って、この例では、出隅柱支持手段20は、出隅柱支持手段20と面取り加工手段30とに相対的な移動を与える移動手段をも兼ねている。図示しないが、出隅柱支持手段20を固定しておき、適宜の手段により面取り加工手段30を移動するようにしても同じ作用効果が得られる。
この例において、出隅柱支持手段20は、複数個の送りローラ21を水平方向に配列しており、送りを安定させるために全体に平ベルト22が巻装されている。従来法と同様にして断面視ほぼL字状とされた出隅柱1が頂角部13を上方に露出するようにして送りローラ21の上に乗せられ、送りローラ21が図2で矢印a方向回転することにより、出隅柱1は矢印A方向に移送される。出隅柱1の送りを安定させるために、図2に示すように押さえロール23を設けることが望ましいが、省略してもよい。
出隅柱支持手段20の側方には、固定した機枠42に立設した支柱43が設けられ、該支柱43に対して面取り加工手段30の一部を構成するブロック32が上下動可動に取り付けてある。ブロック32は面取り加工手段30に切削に必要な所要の荷重を与えるためのものであり、実機に応じて適切な重さのものが選定される。ブロック32には適宜の圧空源に接続する空圧式回転装置33が備えられ、該空圧式回転装置33の先端にエアグラインダ31が回転軸心Cを水平方向となるようにして取り付けてある。図1に示すように、エアグラインダ31の軸心線Cの向きは出隅柱1の送り方向Aに直交する方向であり、その切削領域31aが送られる出隅柱1の頂角部13の稜線方向に直交した状態で乗るようにされている。
固定機枠42と前記ブロック32との間には、支柱43に外挿したコイルバネ41が配置してある。コイルバネ41の強さ(バネ定数)は、ブロック32がフリーな状態でコイルバネ41の上に載ったときに、エアグラインダ31の最下面のレベルL1が、移送される出隅柱1の頂角部13のレベルL2よりも、所定距離hだけ下方に下がった位置(図2でのP1の位置)となるように調整される。実際には、多数の出隅柱1に対して連続的に面取り加工を行う場合、個々の出隅柱でその頂角部13のレベルL2はわずかに変化する。従って、予測される平均的な値をレベルL2として用いることとなる。
エアグラインダ31を例えば25000rpm程度で回転させた状態で、出隅柱1を送り込む。ブロック32はコイルバネ41から上に向いた力を受けており、容易に上方に移動することができるので、送られてくる出隅柱1の頂角部13の上に自動的に乗ることができる。もちろん、予め適宜の手段で上方に持ち上げておいてもよい。
エアグラインダ31が図2にP2で示すように頂角部13に乗った状態で、矢印A方向に出隅柱1は送られる。前記のように、コイルバネ41の存在によりエアグラインダ31の切削面(すなわち頂角部13)に作用する荷重は小さくなっており、エアグラインダ31は頂角部13に生じている凹凸をなぞる形で上下動しながら頂角部13の稜線部を切削(面取り加工)していく。結果として、面取り加工後の出隅柱1の稜線部分には、当初に頂角部13が有していた凹凸をなぞったような形状の凹凸面が形成される。
上記の装置において、面取り加工をしようとする出隅柱1の頂角部13の硬さに応じて、コイルバネ41のバネ定数を適宜設定することにより、切削深さあいるは凹凸の程度を適宜調整できる。また、切削深さや切削面の平坦度は、出隅柱1の送り速度やエアグラインダ31の回転数によっても変化するので、得ようとする面取り加工部の幅や凹凸の程度に応じて、実験的にあるいは計算により最適のバネ定数を持つコイルバネ41を選択すればよい。一般に、エアグラインダ31の回転数が遅い場合は深い凹凸となり、回転数が早い場合には微小な(浅い)凹凸となる。また、送り速度は1m/秒程度が標準的であるが、速度が遅いと深い凹凸となり、速いと微小な(浅い)凹凸となる。
なお、図2において、35はエアグラインダ31よりも出隅柱1の送り方向上流側に配置した機枠に固定した固定切削具である。固定切削具35は移送される出隅柱1の頂角部13のレベルL2(平均的なレベル)よりも幾分高い位置にセットされる。エアグラインダでもよくテノーナー切削機のような切削具でもよい。このような固定切削具35を配置することにより、規定値以上に飛び出ている稜線部分を持つ出隅柱が送られてきたような場合に、その部分を予め切削してしまうことが可能となり、上下動するエアグラインダ31が飛び出ている方の稜線部分のみを切削して面取り加工が終了してしまうことを回避することができる。
次に、上記の装置により製造される出隅柱1を説明する。図3は、前記図9に基づき説明したようにして作られた出隅柱1の側面図であり、面取り加工前の状態を示している。出隅柱1を構成する2枚の板片10、10の接合には、湿気硬化型接着剤(例えば湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤)が好適に用いられ、接着剤硬化方法としては、例えば高周波接着技術が好適に用いられる。また、図示しないが、2枚の板片10、10を接合した後、切削面とその近傍を中心に、その他、頂角部およびその近傍に水をスプレーすることにより、湿気硬化型ウレタン樹脂接着剤の重合と硬化を促進できるので、頂角部からはみ出した接着剤が板辺10の表面に沿って垂れ下がり表面の意匠を損なうのを効果的に阻止することができるとともに、強固に接着固化一体化できる。
また、図示のものでは、板片10は複数本の溝部3(図9aでいう横目地部3)とそれに区画される複数個の凸領域4を有しており、凸領域4には深さ0.3mm〜5mm程度の表面凹凸柄部4aが形成されている。そのために、図示のように、頂角部13の稜線部分には凸領域4に形成した表面凹凸柄部4aに起因する凹凸が残っており、また溝部3に対応する頂角部13aは、溝部3の深さだけ頂角部13の稜線部分よりも下がった位置となっている。なお、図3で13bは反対側に位置する板片10の稜線部(図4も参照)を示している。図4は出隅柱1の断面を模式的に示しており、前記したように、頂角部13には前記した稜線方向での凹凸と共に、左右の板片10、10の先端でのズレSも生じがちであり、接着剤のはみ出し部aも存在する。
この状態の出隅柱1が、前記した装置の出隅柱支持手段20に乗せられて、頂角部13に面取り加工が施されるが、既に記した理由により、エアグラインダ31は頂角部13に生じている凹凸をなぞった形で上下動しながら頂角部13の稜線部を切削(面取り加工)していくので、図5に面取り加工後の出隅柱1を示すように、稜線部分には幅狭(例えば2mm〜5mm程度)でかつ当初頂角部13が有していた凹凸をなぞったような形状の凹凸面15が形成される。頂角部13の接合面から硬化した接着剤が出ている場合には、接着剤との衝接によるエアグラインダ31の上下動も生じ、凹凸面15の凹凸形状が当初頂角部13が有していた凹凸とは異なった状態に変化することもある。
その後、面取り加工部には適宜の塗装が施されて出隅柱とされるが、表面凹凸柄部4aに近似した所要の塗装を施すことによって色調の違いによる違和感は小さくすることができる。また、凹凸面15であることから板片10の溝部3や表面凹凸柄部4aに生じる陰影に近似した陰影を面取り加工部に生成させることができるので、面取り加工部の存在そのものが目立たないものとなる。
左右の板片10、10の先端でのズレS(図4参照)が大きい場合には、図2に示したように固定切削具35を取り付けた装置を用いることにより、大きく飛び出ている部分を所定高さだけ予め切削することが可能となり、面取り加工部をほぼ所望どおりの凹凸面15とした出隅柱を得ることができる。
図6a〜図6cは、上記装置での面取り加工を行う場合の例を模式的に示す、前記図2に相当する図である。図6aの場合には、面取り加工開始前に、エアグラインダ31の最下面がレベルL1の位置にあるとし、加工しようとする出隅柱1の頂角部13の平均的な高さがレベルL2であるとする。最初に、エアグラインダ31は出隅柱1の前端面16に衝接しそこを切削しながら頂角部13の稜線まで上昇する。その上昇により前端面16は丸みを持った状態(曲面状)に切削される。
出隅柱1の移動により、前記したように、頂角部13は、主に凸領域4に形成した表面凹凸柄部4aの模様に起因して稜線に形成された凹凸をなぞるようにして狭い幅で削られていき、凹凸面としての面取り加工部とされる。板片10の溝部3に対応する頂角部13aに至ると、エアグラインダ31は次第に下降していき、頂角部13に形成された面取り加工部との接続面は曲面状の切削面17とされる。図示の例では、溝部3に対応する頂角部13aのレベルL3はレベルL1よりも低い位置にあり、そこを通過する間はエアグラインダ31による切削は行われない。さらに移動して、頂角部13aの反対側に達すると再びエアグラインダ31は切削しながら次第に上昇して、頂角部13の稜線に乗る。そのために、頂角部13aと頂角部13との接続面は、やはり曲面状の切削面17となる。このような加工態様が、全稜線にわたって反復して行われる。上記のように曲面状の接続部(切削面17)が頂角部13と頂角部13aとの間に形成されることから、製造される出隅柱の柄模様は高い連続性を示すようになり、一層、面取り加工部を目立たないものとすることができる。
図6bの場合には、面取り加工開始前に、エアグラインダ31の最下面が、加工しようとする出隅柱1の頂角部13の平均的な高さであるレベルL2よりわずかに下であるレベルL4の位置にある。この場合には、図示のように、エアグラインダ31は出隅柱1の頂角部13の先端近傍のみを切削していくこととなり、板片10の溝部3に対応する頂角部13aと頂角部13との接続面に丸みが形成されることはない。
図6cの場合には、面取り加工開始前に、エアグラインダ31の最下面が、加工しようとする出隅柱1における、板片10の溝部3に対応する頂角部13aの高さであるレベル3よりも下方の位置(レベルL5)にある。この場合には、頂角部13は図6aの場合よりも全体してより深く切削されると共に、溝部3に対応する頂角部13aの部分も曲面状に切削される。その部分と頂角部13の稜線との接続部も曲面状となる。
上記の実施の形態では、出隅柱1として、2枚の板片10、10の大きさが同じであり、90度の角度で交差する頂角部13を有しているものに対して、面取り加工を施すようにしたが、これは出隅柱1の一例であって、他に多くの形態のものが存在する。図7はそれらの断面を模式的に示しており、図7aの出隅柱1aは、2枚の板片10、10aの幅が異なっている点で、上記のものと相違しており、図7bの出隅柱1bは、2枚の板片10,10の間に第2の板片10Pを挟持しており、1つの出隅柱でありながら2本の頂角部13、13を有している点で、上記のものと相違している。
図7cの出隅柱1cは全体が3枚の板片10をコ字状に接合しており、2本の頂角部13を有している。図7dの出隅柱1dは、出隅柱1cの各板片の間に第2の板片10Pをそれぞれ挟持しており、1つの出隅柱でありながら4本の頂角部13を有している。
このような形態の出隅柱1a,1b、1c,1dの頂角部13に対しても、上記と同様にして面取り加工を施すことによって、面取り加工部を目立たないものにできることは当然である。
図7eの出隅柱1eは、板片10、10の頂角部13をなす側辺と反対側の側辺(木口面)12aでの表面側稜線13Pにも面取り加工部を形成している点で、上記のものと相違している。このように、木口面12aに面取り加工を施すことにより、建物本体側の窯業系建築板との見た目での連続性を確保することができる。
本発明による出隅柱に面取り加工を施す装置の一形態を出隅柱の送り方向に直交する方向から見て示す概略図。 図1に示す装置を出隅柱の送り方向に平行な方向から見て示す概略図。 出隅柱の面取り加工前の状態を示す側面図。 図3に示す出隅柱の断面を模式的に示す図。 面取り加工後の出隅柱を説明するための図。 本発明による装置で面取り加工を行う場合の一例を模式的に示す図であり、図2に相当する図。 出隅柱の他の形態を示す図。 従来の出隅柱の一例を示す図。 出隅柱の作り方の一例を説明するための図。
符号の説明
1…出隅柱、2…縦目地部、3…横目地部(板片の溝部)、4…凸領域、4a…表面凹凸柄部、5…窯業建築板、10…板片、11…側辺、12…切断面、13…出隅柱の頂角部、14…切削加工面、13a…溝部に位置する頂角部、15…面取り加工部(凹凸面)、16…出隅柱の前端面、17…頂角部に形成された面取り加工部と溝部に位置する頂角部との間の曲面状の切削面、20…出隅柱支持手段、21…送りローラ、22…平ベルト、23…押さえロール、30…面取り加工手段、31…エアグラインダ、32…ブロック、33…空圧式回転装置、40…面取り加工手段支承手段、41…弾性体としてのコイルバネ、42…機枠、43…支柱、L1,L4,L5…エアグラインダの最下面のレベル、L2…移送される出隅柱の頂角部のレベル

Claims (7)

  1. 少なくとも2枚の板片をその1つの側辺同士を頂角部を持つようにして接着接合して形成される出隅柱であって、該頂角部の少なくとも一部には7mm以下である幅の狭い面取り加工部が形成されており、該面取り加工部は平坦面ではなく頂角部が有していた凹凸を、前記頂角部が水平方向となるように出隅柱を置いたときに上下方向となる方向に切削した不規則な凹凸を有する凹凸面とされていることを特徴とする出隅柱。
  2. 出隅柱を構成する板片の表面には、溝部と該溝部で区画される凸領域が形成されており、凸領域には表面凹凸柄部が形成されており、頂角部の少なくとも前記凸領域に対応する部分は前記面取り加工部とされていることを特徴とする請求項1に記載の出隅柱。
  3. 出隅柱を構成する板片の表面には、頂角部に交差する方向の溝部が形成されており、頂角部の前記溝部に対応する凹部と頂角部に形成された面取り加工部との接続面は曲面状とされていることを特徴とする請求項1に記載の出隅柱。
  4. 板片の頂角部をなす側辺と反対側の側辺の表面側稜線に面取り加工部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の出隅柱。
  5. 板片同士を接着する接着剤が湿気硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の出隅柱。
  6. 接着剤が硬化する前に木口部あるいは頂角部およびその近傍に水を供与し、その後に接着剤を硬化させたものであることを特徴とする請求項5に記載の出隅柱。
  7. 接着剤の硬化を高周波加熱を利用して行ったものであることを特徴とする請求項5または6に記載の出隅柱。
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