JP5046224B2 - アクリルゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリルゴム組成物に関する。より詳しくは、機械的性質や圧縮永久歪に優れ、且つ良好な加工性を有するアクリルゴム組成物及びその加硫物に関する。
アクリルゴムやその加硫物は、耐熱性や耐油性、機械的特性、圧縮永久歪み特性等の物性に優れ、自動車のエンジンルーム内のホース部材やシール部材、防振ゴム部材品の材料として汎用されている。
これらの部材については、使用環境の高熱化が進んでおり、これまで以上に優れた耐熱性、耐油性等の性能を備えたアクリルゴムが望まれるようになっている。また、上記部材の生産性の向上を目的として、加硫速度の大きいアクリルゴムが求められている。
これらの要請に応えるため、耐熱性、耐油性に優れ、耐候性等も備えた物性バランスが良好なゴム組成物として、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル及び架橋点モノマーとしてグリシジルメタクリレートなどのモノエポキシモノオレフィン化合物よりなる共重合体と加硫剤からなるゴム組成物が開発されている(特許文献1参照)。
さらに、耐熱性や耐油性、機械的特性や圧縮永久歪特性を損なうことなく、良好な加硫速度やスコーチ安定性を兼ね備えたアクリルゴム組成物として、カルボキシル基を架橋点としたアクリルゴムが使用されるようになってきている(特許文献2参照)。
特公昭59−14498号公報 特開2002−317091号公報
上記の特許文献1に開示されるゴム組成物は、耐熱性、耐油性、耐候性等の物性バランスが良好であるが、混練時のロール粘着や成形加工時の金型粘着が酷い場合があり、金属材料との粘着性改良が要望されている。
また、特許文献2に開示されるアクリルゴム組成物も、加硫速度、機械的特性、圧縮永久歪み特性、耐熱性、耐熱性などのバランスを兼ね備えた材料であるが、特に混練時のロール粘着や成形加工時の金型粘着が酷い場合があり、金属材料との粘着性改良が要望されている。
そこで、本発明は、機械的特性や圧縮永久歪を損なうことなく、金属材料への粘着を抑えて加工性を向上させたアクリルゴム組成物及びその加硫物を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明は、(A)アクリルゴムに、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物と、(C)ステアリン酸金属塩と、(D)加硫剤と、を配合してなるアクリルゴム組成物を提供する。
(A)アクリルゴムは、カルボキシル基含有アクリルゴムが好ましい。さらには、エチレン単量体単位0.1〜5質量%と、マレイン酸モノアルキルエステル単位1〜12質量%と、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単位98.9〜83質量%とを配合したアクリルゴムがより好適である。
(B)アルキルスルホン酸金属塩にはアルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸金属塩にはアルキル硫酸ナトリウムを用いることが望ましい。また、(C)ステアリン酸金属塩には、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種を好適に採用することができる。
(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の配合量は、アクリルゴム100質量部に対して1〜4質量部とし、(C)ステアリン酸金属塩の配合量は、アクリルゴム100質量部に対して0.1〜4質量部とすることが好ましい。
(D)加硫剤としては、グアニジン化合物及びジアミン化合物が好適であり、ジアミン化合物に関しては特にヘキサメチレンジアミンカーバメートが好ましい。
アクリルゴム組成物には、1級アミン、2級アミン、3級アミン、1級アミン酢酸塩から選択される少なくとも1種以上のモノアミン化合物を配合することができる。
また、本発明は、アクリルゴム組成物を加硫して得られた加硫物をも提供するものである。
本発明により、機械的特性や圧縮永久歪を損なうことなく、金属材料への粘着を抑えて加工性を向上させたアクリルゴム組成物を得ることができる。
本発明に係るアクリルゴム組成物は、(A)アクリルゴムに、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物と、(C)ステアリン酸金属塩と、(D)加硫剤と、を含有するものである。
(A)アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルやアクリル酸アルコキシアルキルエステルの不飽和モノマーを主成分に、カルボキシル基を含有するもの、あるいはエポキシ基、活性塩素基などを含有する架橋点モノマーを共重合させることを特徴とするアクリルゴムである。
始めに、本発明において使用することができる不飽和モノマーについて説明する。以下の不飽和モノマーは、単体だけでなく2種以上のものを併用してもよい。
アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、がある。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定するものではないが、例えば、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレート、がある。
また、これらと共重合可能なアクリル酸エステルとしては、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレートなどがある。
更に、1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル、メチルアクリレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルなどを用いてもよい。
次に、本発明において使用することができる架橋点モノマーについて説明する。以下の架橋点モノマーは、単体だけでなく2種以上のものを併用してもよい。この場合において、架橋点モノマーの配合比率は全モノマー中、1〜12質量%が好ましく、1.5〜5質量%の割合がさらに好ましい。
カルボキシル基を含有する架橋点モノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸またはモノメチルマレート、モノエチルマレート、モノ−n−プロピルマレート、モノイソピルマレート、モノ−n−ブチルマレート、モノイソブチルマレート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノ−n−プロピルフマレート、モノイソプロピルマレート、モノ−n−ブチルフマレート、モノメチルイタコネート、モノエチルイタコネート、モノ−n−プロピルイタコネート、モノ−n−プロピルシトラコネート、モノ−n−ブチルシトラコネート、モノイソブチルシトラコネート等の脂肪族不飽和ジカルボン酸モノエステルの群から選ばれる少なくとも一種のモノマーが使用できる。
エポキシ基を含有する架橋点モノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物の群から選ばれる少なくとも一種のモノマーが使用できる。
活性塩素基を含有する架橋点モノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、2−クロロエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート等の活性塩素基含有不飽和化合物の群から選ばれる少なくとも一種のモノマーが使用できる。
上記の架橋点モノマーにおいて、カルボキシル基を含有する架橋点モノマーは、アクリルゴム組成物へ耐熱性や耐油性、機械的特性や圧縮永久歪特性を損なうことなく、良好な加硫速度やスコーチ安定性を付与するため特に好適に採用することができる。
アクリルゴムには、本発明の目的を損なわない範囲で上記のモノマーと共重合可能な他のモノマーを共重合させたものでもよい。共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなどのビニル及びアリルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル、アクリルアミド、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのエチレン性不飽和化合物がある。
特に、アクリルゴムにエチレンを共重合させる場合には、全モノマー中、0.1〜5質量%の割合とすることが好ましい。この際には、架橋点モノマーの割合を1〜12質量%好ましくは1.5〜5質量%とし、アクリル酸アルキルエステル等の不飽和モノマーの割合を83〜98.9質量%好ましくは90〜98.4質量%の範囲に設定するとよい。これらの範囲に設定することによって、耐寒性と耐油性のバランス及び、伸びと引張強度のバランスを著しく向上させたアクリルゴムが得られる。
アクリルゴムは、これらのモノマーを乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法により共重合することにより得られる。
以上のようにして得た(A)アクリルゴムに、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物と、(C)ステアリン酸金属塩と、(D)加硫剤と、を配合することにより、機械的特性や圧縮永久歪、耐熱性を損なうことなく、金属材料への粘着を抑えて加工性を向上させたアクリルゴム組成物を得ることができる。
(B)アルキルスルホン酸金属塩としては、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸カリウム、アルキルスルホン酸カルシウムなどがあり、金属材料への粘着抑制効果と機械的特性や圧縮永久歪特性のバランスから、アルキルスルホン酸ナトリウムが好ましい。
アルキルスルホン酸ナトリウムとしては、ブチルスルホン酸ナトリウム、ペンチルスルホン酸ナトリウム、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ウンデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、トリデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヘプタデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、ノナデシルスルホン酸ナトリウム、エイコシルスルホン酸ナトリウムなどがあり、これらの群から選ばれる少なくとも一種のものを使用できる。
アルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数に特に制限はないが、炭素数4〜25が好ましい。
(C)アルキル硫酸金属塩としては、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、アルキル硫酸カルシウムなどがあり、金属材料への粘着抑制効果と機械的特性や圧縮永久歪特性のバランスから、アルキル硫酸ナトリウムが好ましい。
アルキル硫酸ナトリウムとしては、ブチル硫酸ナトリウム、ペンチル硫酸ナトリウム、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ウンデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ヘプタデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、ノナデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウムなどがあり、これらの群から選ばれる少なくとも一種のものを使用できる。
アルキル硫酸ナトリウムの炭素数に特に制限はないが、炭素数4〜25が好ましい。
(C)ステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸銅、ステアリン酸亜鉛などがあり、これらの群から選ばれる少なくとも一種のものを使用できる。
ステアリン酸金属塩の金属種に特に制限はないが、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸亜鉛が好適に用いられる。
(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物の添加量は、アクリルゴム100質量部に対して1〜4質量部、(C)ステアリン酸金属塩の添加量は、アクリルゴム100質量部に対して0.1〜4質量部が好適である。(B)(C)の添加量が上記質量部範囲未満の場合には、金属材料との粘着性の改良が不十分で、また同範囲を超えて配合すると圧縮永久歪が悪くなり好ましくない。
アクリルゴムがカルボキシル基含有アクリルゴムである場合は、(D)加硫剤としてグアニジン化合物とジアミン化合物を用いることで、機械的特性や圧縮永久歪、耐熱性に優れたカルボキシル基含有アクリルゴム組成物が得られる。
グアニジン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、グアニジン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジンなどがあり、ジアミン化合物に対する加硫促進効果とスコーチ安定性や機械的特性、圧縮永久歪特性のバランスから、ジ−o−トリルグアニジンが好適に用いられる。
グアニジン化合物の添加量は、必要で十分な加硫反応を行わせるという観点から、カルボキシル基含有アクリルゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部の範囲が更に好ましい。
ジアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジヒドラジド、4,4’−メチレンジアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−トルイレンジアミン、m−トルイレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス(4−4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス(4−3−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンなどの芳香族ジアミンがあり、加硫速度や機械的特性、圧縮永久歪特性のバランスから、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが好適に用いられる。
加硫剤の添加量は、特に限定するものではないが、良好な加硫反応が得られるという観点からアクリルゴム100質量部に対して、0.01〜4質量部が好ましく、0.05〜3質量部の範囲が更に好ましい。
アクリルゴム組成物には、1級アミン、2級アミン、3級アミン、1級アミン酢酸塩から選択される少なくとも1種以上のモノアミン化合物を配合することができる。
1級アミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサドデシルアミン、ステアリルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、メタノールアミン、エタノールアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−アミノトルエン、3−アミノトルエン、4−アミノトルエン、2,4−ジメチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,4,5−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5,6−テトラメチルアニリン、2,4,5,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、2−エチル−3−ヘキシルアニリン、2−エチル−4−ヘキシルアニリン、2−エチル−5−ヘキシルアニリン、2−エチル−6−ヘキシルアニリン、3−エチル−4−ヘキシルアニリン、3−エチル−5−ヘキシルアニリン、3−エチル−2−ヘキシルアニリン、4−エチル−2−ヘキシルアニリン、5−エチル−2−ヘキシルアニリン、4−エチル−3−ヘキシルアニリン、6−エチル−2−ヘキシルアニリン、5−エチル−3−ヘキシルアニリン、3,4,6−トリエチルアニリン、2−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、4−メトキシアニリン、2−メトキシ−3−メチルアニリン、2−メトキシ−4−メチルアニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、2−メトキシ−6−メチルアニリン、3−メトキシ−2−メチルアニリン、3−メトキシ−4−メチルアニリン、3−メトキシ−5−メチルアニリン、3−メトキシ−6−メチルアニリン、4−メトキシ−2−メチルアニリン、4−メトキシ−3−メチルアニリン、2−エトキシアニリン、3−エトキシアニリン、4−エトキシアニリン、4−メトキシ−5−メチルアニリン、4−メトキシ−6−メチルアニリン、2−メトキシ−3−エチルアニリン、2−メトキシ−4−エチルアニリン、2−メトキシ−5−エチルアニリン、2−メトキシ−6−エチルアニリン、3−メトキシ−2−エチルアニリン、3−メトキシ−4−エチルアニリン、3−メトキシ−5−エチルアニリン、3−メトキシ−6−エチルアニリン、4−メトキシ−2−エチルアニリン、4−メトキシ−3−エチルアニリン、2−メトキシ−2,3,4−トリメチルアニリン、3−メトキシ−2,4,5−トリメチルアニリン、4−メトキシ−2,3,5−トリメチルアニリン、ビス(2−シアノエチル)アミンなどがあり、これらの群から選ばれる少なくとも一種のものを使用できる。
これら1級アミンの添加量は、特に限定するものではないが、加工性や加硫物の特性を向上させるという観点から、アクリルゴム100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜2質量部の範囲が更に好ましい。
アクリルゴム組成物には、1級アミンだけでなく、更に2級アミンや3級アミン、アミン酢酸塩などのモノアミン化合物を併用すると、混練時の加工性が向上するので好ましい。
2級アミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジフェニルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ニトロソジメチルアミン、ニトロソジフェニルアミンなどがある。
3級アミンしては、特に限定するものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリテトラデシルアミン、トリヘキサドデシルアミン、トリステアリルアミン、トリオクタデシルアミン、トリエイコシルアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン、トロシクロヘキシルアミンなどがある。
1級アミン酢酸塩としては、特に限定するものではないが、例えば、メチルアミン酢酸塩、エチルアミン酢酸塩、プロピルアミン酢酸塩、ブチルアミン酢酸塩、ペンチルアミン酢酸塩、ヘキシルアミン酢酸塩、ヘプチルアミン酢酸塩、オクチルアミン酢酸塩、ノニルアミン酢酸塩、デシルアミン酢酸塩、ウンデシルアミン酢酸塩、ドデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、ヘキサデシルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、オクタデシルアミン酢酸塩、メタノールアミン酢酸塩などがある。
これら2級アミンや3級アミン及び1級アミン酢酸塩の添加量は、特に限定するものではないが、加工性や加硫物の特性を向上させるという観点から、アクリルゴム100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜2質量部の範囲が更に好ましい。
アクリルゴム組成物は、これらの化合物を加硫温度以下の温度で混練することで得られるものである。得られたアクリルゴム組成物は、所望する各種の形状に成形された後、加硫して加硫物としたり、加硫させた後に各種の形状に成形することもできる。加硫温度はアクリルゴム組成物の配合や加硫剤の種類によって適宜設定でき、通常は130〜200℃の範囲が好ましい。
これらのアクリルゴム組成物を混練、成型、加硫する装置、およびアクリルゴム組成物の加硫物を混練、成型する装置は、通常ゴム工業で用いるものを使用することができる。
アクリルゴム組成物は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、補強剤、可塑剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、シランカップリング剤等を添加して成形、加硫を行うことができる。
充填剤、補強剤としては、通常のゴム用途に使用されている充填剤や補強剤を添加することができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤がある。これら添加剤の添加量は、合計で、アクリルゴム組成物100質量部に対して30〜100質量部の範囲が好ましい。
可塑剤としては、通常のゴム用途に使用されている可塑剤を添加することができ、例えば、エステル系可塑剤、ポリオキシエチレンエーテル系可塑剤、トリメリテート系可塑剤などがある。可塑剤の添加量は、アクリルゴム組成物100質量部に対して、50質量部程度までの範囲が好ましい。
アクリルゴム組成物及びその加硫物は、特に、ゴムホースや、ガスケット、パッキング等のシール部品及び防振ゴム部品として好適に用いられる。
ゴムホースとしては、例えば、自動車、建設機械、油圧機器等のトランスミッションオイルクーラーホース、エンジンオイルクーラーホース、エアダクトホース、ターボインタークーラーホース、ホットエアーホース、ラジエターホース、パワーステアリングホース、燃料系統用ホース、ドレイン系統用ホース等がある。
ゴムホースの構成としては、アクリルゴム組成物及びその加硫物から得た単層のホースだけでなく、アクリルゴム組成物及びその加硫物からなる層に、例えば、フッ素ゴム、フッ素変性アクリルゴム、ヒドリンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム等を内層、中間層、あるいは外層として組み合わせた多層のホースでもよい。また、一般的に行われているように補強糸あるいはワイヤーをホースの中間あるいは、ゴムホースの最外層に設けたものでもよい。
シール部品としては、例えば、エンジンヘッドカバーガスケット、オイルパンガスケット、オイルシール、リップシールパッキン、O−リング、トランスミッションシールガスケット、クランクシャフト、カムシャフトシールガスケット、バルブステム、パワーステアリングシールベルトカバーシール、等速ジョイント用ブーツ材及びラックアンドピニオンブーツ材等がある。
防振ゴム部品としては、例えば、ダンパープーリー、センターサポートクッション、サスペンションブッシュ等がある。
アクリルゴムAの製造
内容積40リットルの耐圧反応容器に、アクリル酸エチル7.8kg、アクリル酸n−ブチル3.4kg、マレイン酸モノブチル0.5kg、部分ケン化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17kg、酢酸ナトリウム22gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換した後、エチレンを槽内上部に圧入し、圧力を20kg/cmに調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口よりt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液に硼酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行ってアクリルゴムA1を得た。このアクリルゴムAは、エチレン単量体単位2.2質量%と、マレイン酸モノブチル単量体単位2.2質量%と、アクリル酸エチル単量体単位69.3質量%と、アクリル酸n−ブチル単量体単位26.3質量%の共重合体組成であった。マレイン酸モノブチル単量体単位の定量は、共重合体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用いた中和滴定により測定した。その他の単量体単位成分は核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。
アクリルゴムAの製造
内容積40リットルの耐圧反応容器に、アクリル酸エチル7.8kg、アクリル酸−2−メトキシエチル3.4kg、マレイン酸モノブチル0.5kg、部分ケン化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17kg、酢酸ナトリウム22gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換した後、エチレンを槽内上部に圧入し、圧力を20kg/cmに調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途注入口よりt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時間で反応が終了した。生成した重合液に硼酸ナトリウム水溶液を添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行ってアクリルゴムBを得た。このアクリルゴムBは、エチレン単量体単位2.1質量%と、マレイン酸モノブチル単量体単位2.2質量%と、アクリル酸エチル単量体単位68.9質量%と、アクリル酸−2−メトキシエチル単量体単位26.8質量%の共重合体組成であった。マレイン酸モノブチル単量体単位の定量は、共重合体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用いた中和滴定により測定した。その他の単量体単位成分は核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。
このようにして得た(A)アクリルゴムA及びAに、表1に示した各材料を、8インチロールを用いて混練し、アクリルゴム組成物を得た。本実施例において、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩には、オクチルスルホン酸ナトリウムまたはドデシル硫酸ナトリウムのいずれかを用いた。また、(C)ステアリン酸金属塩には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸銅、ステアリン酸亜鉛のいずれかを用いた。
また、本実施例において、(D)加硫剤には、ジ−o−トリルグアニジン及びヘキサメチレンジアミンカーバメートを用い、それぞれアクリルゴム100質量部に対して1.5質量部、0.6質量部を配合した。なお、老化防止剤はユニロイヤル社製のナウガード445、カーボンブラックは東海カーボン株式会社製のシースト3、流動パラフィンはカネダ株式会社製のハイコールK−230、ステアリルアミンは花王株式会社製のファーミン80、そのほかの材料はそれぞれ市販品を用いた。
アクリルゴム組成物を、スチーム加熱式の熱プレスにて170℃×20分間加熱処理して一次加硫物とした後、熱空気(ギヤーオーブン)にて170℃×4時間加熱処理してアクリルゴム組成物の加硫物を得た。
得られたアクリルゴム組成物の加硫物について、引張強度、破断時伸び、硬さ、圧縮永久歪、および金属材料との粘着性を以下の条件で評価した。
(1)引張強度・破断時伸び
JIS K6251に準拠して測定した。
(2)硬さ
JIS K6253に準拠してデュロメータ硬さ計を用いて測定した。
(3)圧縮永久歪み試験
JIS K6262(試験条件:150℃×70時間)に準拠して測定した。
(4)金属材料との粘着性
8インチロール混練時のロール表面への粘着性の評価を行なった。ロール表面への粘着性は、粘着がなく容易に混練作業ができるものを○、やや粘着があるものを△、粘着が酷いものを×とした。また、熱プレスを用いて、真鍮製の板状材料とアクリルゴム組成物を圧着し、引張試験機により剥離強度を測定して求めた。真鍮製の板状材料の寸法は、長さ90mm、幅25.4mm(1inch)、厚さ2mm、真鍮製の板状材料とアクリルゴム組成物の圧着は、熱プレスを用い、圧着後のアクリルゴム組成物の厚さが1mmとなるように金型のキャビティーを調整し、荷重100トン、170℃×20分で行った。得られた剥離試験片を剥離速度50mm/分、剥離方向180°で剥離試験を行い、粘着強さをkg/inchの単位で求めた。
Figure 0005046224
実施例1〜9では、(A)アクリルゴムとしてアクリルゴムAを用い、実施例10〜12ではアクリルゴムAを用いた。
実施例1〜8では、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキル硫酸金属塩であるドデシル硫酸ナトリウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。また、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸銅、ステアリン酸亜鉛のいずれかを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。
実施例1〜8の加硫物は、引張強度、破断時伸び、硬さ、圧縮永久歪の物性を損なうことなく、ロール表面への粘着がなく、真鍮板との剥離強度が0.22kg/inch以下と後述する比較例に比して、金属材料への粘着性が抑制されている。
このうち特に、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸マグネシウム(実施例2)、ステアリン酸亜鉛(実施例8)を配合した加硫物では、真鍮板との剥離強度がそれぞれ0.10kg/inch,0.09kg/inchとなり、金属材料への粘着性の改善が特に顕著であった。
実施例9は、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキル硫酸金属塩であるドデシル硫酸ナトリウムに換えて、アルキルスルホン酸金属塩であるオクチルスルホン酸ナトリウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。また、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸マグネシウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。
実施例9の加硫物においても、引張強度、破断時伸び、硬さ、圧縮永久歪の全てにおいて良好な成績が得られ、ロール表面への粘着がなく、真鍮板との剥離強度が0.15kg/inchと金属材料への粘着性が抑制された。
実施例10及び11では、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキル硫酸金属塩であるドデシル硫酸ナトリウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。また、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムのいずれかを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。
実施例10及び11の加硫物は、引張強度、破断時伸び、硬さ、圧縮永久歪の物性を損なうことなく、ロール表面への粘着がなく、真鍮板との剥離強度が0.14kg/inch以下と後述する比較例に比して、金属材料への粘着性が抑制されている。
実施例12は、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキル硫酸金属塩であるドデシル硫酸ナトリウムに換えて、アルキルスルホン酸金属塩であるオクチルスルホン酸ナトリウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。また、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸マグネシウムを、アクリルゴム100質量部に対して2質量部配合した。
次に比較例について説明する。比較例1〜7では、(A)アクリルゴムとしてアクリルゴムAを用い、比較例8ではアクリルゴムAを用いた。
比較例1は、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物、及び(C)ステアリン酸金属塩の両方を配合していないアクリルゴム組成物の加硫物である。
比較例1の加硫物では、ロール表面への粘着が酷く、真鍮板との剥離強度も0.37kg/inchと高く、金属材料への粘着性が不良であった。
比較例2及び3は、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物、及び(C)ステアリン酸金属塩のいずれか一方を配合していないアクリルゴム組成物の加硫物である。
比較例2及び3の加硫物ともに、ロール表面への粘着があり、真鍮板との剥離強度もそれぞれ0.36kg/inch、0.40kg/inchと高く、金属材料への粘着性が改善されなかった。
比較例4及び5においては、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキルスルホン酸金属塩であるオクチルスルホン酸ナトリウムを用いて、その配合量を検討した。実施例9にかかる加硫物において、オクチルスルホン酸ナトリウムの配合量をアクリルゴム100質量部に対して2質量部から、0.5質量部(比較例4)、5質量部(比較例5)に変化させて配合した。
比較例4の加硫物では、ロール表面への粘着があり、真鍮板との剥離強度も0.42kg/inchと高く、金属材料への粘着性が改善されなかった。また、比較例5の加硫物では、圧縮永久歪が24%と高くなり、物性が損なわれた。
比較例6及び7においては、(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸マグネシウムを用いて、その配合量を検討した。実施例9にかかる加硫物において、ステアリン酸マグネシウムの配合量をアクリルゴム100質量部に対して0.1質量部から、0.05質量部(比較例6)、5質量部(比較例7)に変化させて配合した。
比較例6の加硫物では、ロール表面への粘着があり、真鍮板との剥離強度も0.33kg/inchと高く、金属材料への粘着性が改善されなかった。また、比較例7の加硫物では、圧縮永久歪が33%と高くなり、物性が損なわれた。
比較例8においては、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物、及び(C)ステアリン酸金属塩の両方を配合していないアクリルゴム組成物の加硫物である。
比較例8の加硫物では、ロール表面への粘着が酷く、真鍮板との剥離強度も0.41kg/inchと高く、金属材料への粘着性が不良であった。
以上、実施例と比較例の対比で示すように、本発明のアクリルゴム組成物は、機械的特性や圧縮永久歪を損なうことなく、金属材料との粘着性を改善し、加工性を向上させることのできるアクリルゴム組成物を得ることができるものである。
本発明のアクリルゴム組成物は、機械的特性や圧縮永久歪を損なうことなく、金属材料との粘着性を向上させることのできるアクリルゴム組成物が得られる。アクリルゴム組成物及びその加硫物は、ホース部品、シール部品、防振ゴム部品として利用できるものである。

Claims (5)

  1. (A)アクリルゴムに、(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物と、(C)ステアリン酸金属塩と、(D)加硫剤と、を配合してなり、
    前記(A)アクリルゴムが、エチレン単量体単位0.1〜5質量%と、マレイン酸モノアルキルエステル単位1〜12質量%と、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単位98.9〜83質量%と、からなるカルボキシル基含有アクリルゴムであり、
    前記(B)アルキルスルホン酸金属塩及びアルキル硫酸金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物として、アルキルスルホン酸ナトリウム及びアルキル硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の化合物が、アクリルゴム100質量部に対して1〜4質量部配合され、
    前記(C)ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種が、アクリルゴム100質量部に対して0.1〜4質量部配合されたアクリルゴム組成物。
  2. 前記(D)加硫剤が、グアニジン化合物及びジアミン化合物であることを特徴とする請求項1記載のアクリルゴム組成物。
  3. 前記ジアミン化合物が、ヘキサメチレンジアミンカーバメートであることを特徴とする請求項記載のアクリルゴム組成物。
  4. 1級アミン、2級アミン、3級アミン、1級アミン酢酸塩から選択される少なくとも1種以上のモノアミン化合物を配合してなる請求項1〜のいずれか1項に記載アクリルゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載アクリルゴム組成物を加硫して得られた加硫物。
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