JPH08302139A - 熱可塑性成形材料 - Google Patents

熱可塑性成形材料

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JPH08302139A
JPH08302139A JP7105393A JP10539395A JPH08302139A JP H08302139 A JPH08302139 A JP H08302139A JP 7105393 A JP7105393 A JP 7105393A JP 10539395 A JP10539395 A JP 10539395A JP H08302139 A JPH08302139 A JP H08302139A
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JP
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pva
resin
phosphite
molding material
degree
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JP7105393A
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Ikuro Tomaru
育郎 都丸
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 加熱溶融成形が可能で、得られる成形品も衝
撃強度が従来の熱可塑性樹脂成形品と遜色がなく、環境
変化による含有水分率変化、寸法変化も小さいという成
形品を与える、ポリビニルアルコール系樹脂とセルロー
ル繊維とからなる熱可塑性成形材料を提供する。 【構成】 本発明の熱可塑性成形材料は、平均重合度 1
00〜3,000 、鹸化度50〜98.5%のポリビニルアルコール
系樹脂とセルロース繊維とを、重量比で99〜30:1〜70
で配合してなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性成形材料、特に
は加熱溶融成形を目的とした成形機で成形可能なポリビ
ニルアルコール系樹脂とセルロース繊維とからなる熱可
塑性成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール樹脂(以下
PVA樹脂と略記する)は熱可塑性樹脂として知られて
おり、この加熱成形方法についても多くの提案がなされ
ていて、この成形品についてはフィルム状、繊維状のも
のがよく知られている。また、他方、セルロース繊維か
らなるものとしては紡織繊維、紙、パルプ、セルロース
系プラスチック、火薬などのセルロース誘導体などが知
られており、これらも広い範囲で使用されている。
【0003】このPVA樹脂とセルロース繊維との混合
物として一般によく知られているものは紙であり、これ
はセルロース繊維を主成分とするパルプにサイジング
剤、バンド剤、紙力増強剤、糊剤としてPVA樹脂を混
合または塗布したものであり、このものはPVA樹脂と
セルロース繊維の両者がOH基を持ち、水素結合を有し
ていることから、その相溶性、密着性がよいことも知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このPVA樹
脂とセルロース繊維とからなる混合物は一般の熱可塑性
樹脂と同様の加熱溶融成形方法で成形することは不可能
であることから、この成形方法としてはまずこれを水に
溶解させ抄紙して板状のよく知られている紙とする方
法、規定の型に入れて水分を蒸発させ、必要に応じて
同時に圧力をかけて多様な容器とする方法が知られてお
り、このような方法で成形加工されたものを、ついで真
空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス加工などで2
次加工するときは、これを再度水分を含浸し、軟化する
必要があり、このとき同時にあるいはその後に水分を蒸
発させて硬化させるものであるために、一般の成形材料
に比べて生産性が劣るものであった。
【0005】なお、このPVA樹脂は本来、熱可塑性樹
脂で加熱溶融成形が可能であり、フィルム状に成形され
たものの2次加熱成形性については、他の熱可塑性樹
脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネートと比べて遜色の無いものであるが、成形
品の衝撃強度は上記の他の熱可塑性樹脂と比べて低いの
で、これについてはこれに水、グリセリン、ポリエチレ
ングリコールなどを添加し、軟質化して衝撃強度を高く
することも知られているが、一般に硬質と呼ばれるもの
の材料としては充分な衝撃強度をもつものは得られてい
ない。
【0006】また、このPVA樹脂は水分吸収性の樹脂
であることから、環境湿度差により成形品の物性値が大
きく変化し、さらに環境湿度差により寸法が変化するこ
とから寸法安定性の必要な材料としては適さないとされ
ている。他方、このセルロース繊維についてはこれを材
料とした成形品としての紙を例とした場合は、充分な衝
撃強度を有し、水分吸収性ではあるが、環境湿度差によ
る物性変化および寸法変化の少ないものとされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
不利、問題点を解決したPVA樹脂とセルロース繊維と
からなる熱可塑性成形材料に関するものであり、これは
平均重合度 100〜3,000 、鹸化度50〜98.5%のPVA系
樹脂とセルロース繊維とを、重量比で99〜30:1〜70で
配合してなることを特徴とするものである。
【0008】すなわち、本発明者は熱可塑性成形材料と
してPVA系樹脂の加熱成形性を保持し、成形品がセル
ロース繊維の衝撃強度を有し、環境湿度差による物性変
化および寸法変化の少ないものになる熱可塑性成形材料
を開発すべく種々検討した結果、本来が熱可塑性樹脂で
あるPVA系樹脂を特定のものに限定し、PVA系樹脂
とセルロース繊維とを混合比が99〜30:1〜70で配合す
ると、加熱溶融成形が可能で、フィルム状に一度成形さ
れたものは2次加熱成形が可能となり、さらにはこの成
形品が充分な衝撃強度を有し、環境湿度差による物性変
化、寸法変化の少ないものになるということを見出し、
ここに使用するPVA系樹脂の物性などについての研究
を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述
する。
【0009】
【作用】本発明の熱可塑性成形材料は前記したようにP
VA系樹脂とセルロース繊維とを特定の重量比で配合し
たものである。本発明で用いられるPVA系樹脂として
は、ビニルエステルの重合体または、共重合体の鹸化物
があげられる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルを用
いるのが一般的であるが、プロピオン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル、飽和分岐
脂肪酸ビニルを用いてもよい。共重合体の場合のビニル
エステル以外のコモノマーとしてはエチレン、炭素数3
〜30のα−オレフィン、不飽和カルボン酸またはそのエ
ステル、部分エステル無水物、塩、アミド、ニトリル、
不飽和スルホン酸またはその塩、ビニルエーテル、塩化
ビニルなどがあげられる。後変性とはウレタン化、アセ
タール化、エステル化、エーテル化、グラフト化などを
いう。ビニルエステル重合体または共重合体のビニルエ
ステル成分の鹸化度は50%未満であると得られる成形品
の物性が不足し、98.5%を超えると成形が困難になるの
で50〜98.5%とすることが必要とされるが、この好まし
い範囲は70〜90%とされる。また、このものの平均重合
度は 100未満であると成形品の物性が不足し、3,000 を
超えると熱分解が生じ易く、成形が困難となるので、10
0 〜3,000 のものとすることが必要とされるが、この好
ましい範囲は 500〜2,000 とされる。
【0010】また、このPVA系樹脂については一般に
加熱溶融特性として融点と熱分解温度が近いことがよく
知られているので、加熱成形加工時の熱劣化に対する安
定化、加工機の金属処理面との剥離性と共に、加工され
たPVA系樹脂成分が高温下に曝されたときの熱劣化や
着色を改善するために、安定剤を添加することが好まし
く、この安定剤としては有機スルホン酸塩、有機リン酸
エステル化合物が知られている。
【0011】この有機スルホン酸塩については例えばデ
シルスルホン酸ナトリウムまたはカルシウム、ドデシル
スルホン酸ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カル
シウムまたはバリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリ
ウム、マグネシウムまたはカルシウムなどのアルキルス
ルホン酸の金属塩;ドデシロキシスルホン酸ナトリウ
ム、マグネシウムまたはカルシウム、トリデシロキシス
ルホン酸ナトリウム、マグネシウムまたはカルシウム、
ペンタデシロキシスルホン酸ナトリウム、マグネシウム
またはカルシウムなどのアルコキシスルホン酸の金属
塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウム、テトラ
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、マグネシウムまたはカ
ルシウムなどのアルカリールスルホン酸の金属塩;ドデ
シルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムなどの
アルキルジアリールエーテルジスルホン酸の金属塩;プ
ロピルナフタリンスルホン酸ナトリウム、マグネシウム
またはカルシウムなどのアルカリールスルホン酸の金属
塩などが挙げられるが、上記アルキル基はプロピレンテ
トラマーから誘導された分岐型のアルキル基よりも、生
分解性に優れたn−パラフィンまたはこれから誘導され
た直鎖アルキル基が好ましいものとされる。
【0012】また、この有機リン酸エステル化合物とし
ては例えばオクチルポリオキシエチレン(n、m=5〜
25:それぞれのn、mが5〜25の異なるポリエキシエチ
レン基を有する混合エステルの意、以下同じ)リン酸エ
ステル、デシルポリオキシエチレン(n、m=5〜25)
リン酸エステル、ドデシルポリオキシエチレン(n、m
=4〜10)リン酸エステル、トリデシルポリオキシエチ
レン(n、m=4〜10)リン酸エステル、オクチルフェ
ニルポリオキシエチレン(n、m=5〜55)リン酸エス
テル、ノニルフェニルポリオキシエチレン(n、m=5
〜55)リン酸エステル、ドデシルフェニルポリオキシエ
チレン(n、m=5〜55)リン酸エステルなどが挙げら
れる。
【0013】上記した有機スルホン酸塩および有機リン
酸エステル化合物はそれぞれ一種単独で用いても良い
が、両者を併用することもできる。この場合、有機スル
ホン酸塩と有機リン酸エステル化合物との組み合わせ割
合は重量比で90:10〜30:70、特には75:25〜50:50で
あることが好ましい。また上記有機スルホン酸塩および
/または有機亜リン酸エステル化合物の添加量はPVA
系樹脂 100重量部に対して0.01〜30重量部、特には 0.1
〜8重量部であることが好ましい。
【0014】他方、ここに使用されるセルロース繊維は
セルロースを主成分とする繊維であり、これは天然セル
ロース繊維と人造セルロース繊維に大別される。この天
然セルロース繊維としては種子毛繊維、ジン皮繊維、葉
繊維、木材繊維などが挙げられ、人造セルロース繊維と
しては再生セルロース繊維、半合成繊維などが挙げられ
るが、本発明で使用するセルロース繊維は天然セルロー
ス繊維とすることが好ましい。
【0015】セルロース繊維原料は天然セルロース繊維
が主成分である古紙、木粉、麻、コットン、木材などを
処理してパルプとしたものが好ましく、このパルプの大
きさには特に限定はないが、加工性、PVA系樹脂との
相溶性、および成形品の強度を考慮した場合には直径が
5μm〜80μmで、長さが0.05〜5.0mm のものとするこ
とが好ましい。
【0016】なお、このセルロース繊維のPVA系樹脂
に対する配合量はこれが重量比で1%未満の場合は、こ
の熱可塑性成形材料を成形して得られる成形品が環境湿
度差により物性変化および寸法変化の著しく大きいもの
となるし、これが重量比で70%を超えると、加熱溶融成
形が不可能となるので、PVA系樹脂とセルロース繊維
との配合量は重量比でPVA系樹脂99〜30に対し、セル
ロース繊維1〜70とすることが必要とされる。
【0017】このようにして得られた前記したPVA系
樹脂とセルロース繊維から得られた本発明の熱可塑性成
形材料には、有機亜リン酸エステル、ヒンダードフェノ
ール類または含イオウカルボン酸アルキルエステルなど
の酸化防止剤;β−ジケトン化合物、エポキシ化合物な
どの熱安定化助剤;紫外線吸収剤などの光安定剤;塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜
鉛、塩化マグネシウムなどの無機塩、合成ハイドロタル
サイト、A型ゼオライトなどの無機複数塩などの安定化
助剤;などの各種の添加剤を併用することができる。
【0018】酸化防止剤としての有機亜リン酸エステル
には、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスフ
ァイト、アルキルアリールホスファイト、ビスフェノー
ル−A−ホスファイト、多価アルコールホスファイトな
どによって代表され、このホスファイト化合物には、例
えば、トリフェニルホスファイト、トリイソオクチルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイト、トリイソト
リデシルホスファイト、トリベンジルホスファイト、ト
リノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソオクチ
ルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、
ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、テ
トラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、
ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、トリ−2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイ
ト、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジイソデシルホス
ファイト、トリブトキシエチルホスファイト、4,4’
−イソプロピリデンジフェニールアルキル(C12
15)ジホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリ
コール)トリホスファイトなどが挙げられる。
【0019】同様に、ヒンダードフェノール類には、ア
ルキル化フェノール、アルキル化フェノールエステル、
アルキレンまたはアルキリデンビスフェノール、ポリア
ルキル化フェノールエステルなどが例示され、具体的に
はブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロキシメチル
−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−ジヒ
ドロキシ−2,2’−ジフェニルプロパン、2,2’−
メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス{3
−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート}、トリエチレングリコールビス{3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート}などが例示される。また、含イオ
ウカルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、ジラ
ウリルチオプロピオン酸エステル、ジステアリルチオプ
ロピオン酸エステルなどが挙げられる。
【0020】熱安定化助剤としてのβ−ジケトン化合物
には、例えば、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3
−ジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−ベンゾ
イルシクロペンタノン、2−アセチルヘキサンノン、2
−ベンゾイルシクロヘキサノン、アセチルステアロイル
メタン、ベンゾイルアセトン、パルミトイルベンゾイル
メタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイル
メタン、トリベンゾイルメタン、4−メトキシベンゾイ
ル−ベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイル
メタン)、4−クロロベンゾイル−ベンゾメタン、ベン
ゾイルトリフルオロアセトン、パルミトイルテトラロ
ン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロンな
どが挙げられる。エポキシ化化合物には、エポキシ化不
飽和油脂、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル、エポキシ
シクロヘキサン誘導体などが挙げられ、具体的にはエポ
キシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ
油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪
酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸のブチル、イソオク
チル、2−エチルヘキシルなどのアルキルエステル、エ
ポキシヘキサヒドフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、3
−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、エ
ポキシ化ポリブタジエンなどが例示される。
【0021】紫外線吸収剤などの光安定剤としては、ベ
ンゾトリアゾール系およびヒンダードアミン系に代表さ
れ、例えば、2(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾールなどのベンゾトリアゾール化合物、コハク酸ジ
メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルピペ
リジン)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン)]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン)イミノ]}などが挙げられる。
【0022】また、本発明の熱可塑性成形材料には可塑
剤として多価アルコールまたはその誘導体を添加するこ
とができる。これには、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリグリセリンなどの従来から良く
知られているもののほか、モノおよびジペンタエリスリ
トール、マンニトール、ソルビトールなどもあげられ
る。これらの多価アルコールとカルボン酸、アミノ酸ま
たはロジンとのエステル化合物、例えばステアリン酸ペ
ンタエリスリトール、アジピン酸ペンタエリスリトー
ル、ピロリドンカルボン酸ジペンタエリスリトール、グ
ルタミン酸ジペンタエリスリトール、ウッドロジンペン
タエリスリトール、無水マレイン酸変性ウッドロジンペ
ンタエリスリトール、ウッドロジングリセロールエステ
ルなどが挙げられる。また、含窒素化合物であるβ−ア
ミノクロトン酸と、1,3または1,4−ブタンジオー
ル、1,2−ジプロピレングリコール、チオジエチレン
グリコール、ラウリルアルコールなどのエステル化合
物、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアネート、トリ
ス(メルカプトメチルまたはメルカプトプロピル)イソ
シアネートなどのイソシアネート化合物が例示される。
【0023】なお、本発明の熱可塑性成形材料にはさら
に必要に応じて、これに他種の熱可塑性樹脂、滑性剤、
充填剤などを添加してもよく、これらの添加剤について
は下記のものが例示される。すなわち、これについては
アクリルニトリル−スチレンコポリマー、メタクリル酸
メチルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリス
チレン、ポリアクリル酸アルキル、アクリルニトリル−
ブタンジエンラバー、アクリルニトリル−ブタジエン−
スチレングラフトコポリマー、塩素化ポリエチレン、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EV
A)、エチレン−アクリル酸エチレンコポリマー、メタ
クリル酸メチル−ブタジエン−スチレングラフトコポリ
マー、アクリルニトリル−アクリルゴム−スチレングラ
フトコポリマー、EVA−塩化ビニルグラフトポリマ
ー、アクリルニトリル−スチレン−塩素化ポリエチレン
グラフトマー、ポリウレタン、ポリエチレンオキサイ
ド、ナイロンなどの熱可塑性樹脂、澱粉、キサンタンガ
ム、カラギナン、キチン、キトサンなどの多糖類、ステ
アリン酸、ベヘニン酸、リン酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリアルキルエ
ーテル、酸アミドなどの滑性剤、タルク、炭酸カルシウ
ムなどの充填剤、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸
銅、硫酸コバルト、酢酸第一すず、蟻酸鉛、臭化マンガ
ンなどの着色防止剤、酸化チタン、カーボンブラックな
どの各種着色剤、発泡剤、pH調製剤などを添加してもよ
い。
【0024】このようにして調製された本発明の熱可塑
性成形材料は加熱成形性を有しているので、適宜の条件
下でのカレンダー成形、射出成形、押出成形、注型成
形、圧延成形、圧縮成形などの任意の加工方法による加
工が可能であり、これにより幅広い成形品、例えばフィ
ルム、容器、ペレットなどに加工し得るが、このように
して得られた成形品にはそれがセルロース繊維が含有し
ていることから、充分な衝撃強度を有し、循環湿度差に
よる物性変化、および寸法変化の少ないものになるとい
う有利性が与えられる。
【0025】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中におけるローリング(混練)試験法および環境変化
による含有水分率変化、寸法変化の測定法は下記による
ものである。
【0026】(ローリング試験法)ロール温度 210〜 2
20℃のミキシングロール(電気誘導加熱式の可変速度テ
ストロール機、 155mmφ×380mm 、ロール間隔=0.3mm
、前ロール回転数=22rpm、後ロール回転数=20rpm )
によって10分間ローリングしてローリング試験を行な
い、シートが成形されるかどうかを試験した。 〇…可能、 ×…不可。
【0027】(含有水分率変化、寸法変化率の測定法)
厚さ 0.3mmで 120mm×120mm のサンプルシートを30℃×
0%RHの環境に24時間放置した後の含有水分率と寸法
を測定し、ついで30℃×80%RHの環境に24時間放置し
た後の含有水分率と寸法を測定して、これら両者の変化
と変化率を測定した。 なお、この場合の水分含有率は (揮発水分/不揮発分)×100 =含有水分率(%) として算出した。
【0028】実施例1〜7、比較例1〜5 PVA樹脂として下記6種のPVA樹脂A〜F PVA樹脂−A:鹸化度98.5モル%、重合度1,700 PVA樹脂−B:鹸化度88.0モル%、重合度1,800 PVA樹脂−C:鹸化度88.0モル%、重合度1,040 PVA樹脂−D:鹸化度88.0モル%、重合度 600 PVA樹脂−E:鹸化度99.0モル%、重合度1,700 PVA樹脂−F:鹸化度88.0モル%、重合度3,100 を準備し、ついで表1に示したようにこのPVA樹脂30
〜90重量部に、天然セルロース繊維製直径50μm、長さ
0.1mmのパルプ10〜70重量を配合すると共に、これに安
定剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム5
重量と可塑剤としてのグリセリンを0〜5重量部添加し
て実施例用のサンプル1〜7を調製した。
【0029】また、これについては表1に示したよう
に、PVA系樹脂と天然セルロース繊維製パルプにドデ
シルベンゼンスルホン酸カルシウムとグリセリンを配合
して、比較例用のサンプル1〜5を調製した。
【0030】つぎに、これらのサンプルをよくかき混
ぜ、 100℃に加熱した高温乾燥機に30分入れたのち取り
出して十分に混合し、これについてローリング試験を行
なったところ、表1に併記したとおりの結果が得られ
た。また、これについてはこのローリング試験で得られ
た実施例3、比較例4のシート片サンプルと下記組成 ポリ塩化ビニル樹脂(重合度 700) 100重量部、 安定剤(Ca−Zn系) 2重量部、 可塑剤(エポキシ大豆油) 2重量部、 改質剤(MBS) 10重量部、 滑剤(ステアリン酸) 1重量部、 からなるポリ塩化ビニル樹脂配合物を実施例と同じよう
に処理したシート片サンプルとの物性(引張破壊強さ、
引張破壊伸び、シャルピー衝撃強度、環境変化に伴なう
含有水分率の変化と寸法変化)をしらべたところ、表2
に示したとおりの結果が得られた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明はPVA系樹脂とセルロース繊維
とからなる熱可塑性成形材料に関するものであるが、こ
れによれば加熱溶融成形が可能で、成形品の衝撃強度も
従来の熱可塑性樹脂と遜色なく、環境変化による含有水
分率変化、寸法変化も少ないものが得られるので、多種
多様の成形品を従来の熱可塑性樹脂と同様の加工方法で
得られる熱可塑性成形材料が与えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均重合度 100〜3,000 、鹸化度50〜9
    8.5%のポリビニルアルコール系樹脂とセルロース繊維
    とを、重量比で99〜30:1〜70で配合してなることを特
    徴とする熱可塑性成形材料。
JP7105393A 1995-04-28 1995-04-28 熱可塑性成形材料 Pending JPH08302139A (ja)

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