JP2002317091A - アクリル系エラストマー組成物 - Google Patents

アクリル系エラストマー組成物

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JP2002317091A JP2001122394A JP2001122394A JP2002317091A JP 2002317091 A JP2002317091 A JP 2002317091A JP 2001122394 A JP2001122394 A JP 2001122394A JP 2001122394 A JP2001122394 A JP 2001122394A JP 2002317091 A JP2002317091 A JP 2002317091A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な加硫特性を有し、機械的性質や圧縮永
久歪に優れ、且つ良好な耐スコーチ性を有するアクリル
系エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 (A)特定の化学式で表されるアクリル
酸アルキルエステル及び/または特定の化学式で表され
るアクリル酸アルコキシアルキルエステル単位と、
(B)特定の化学式で表されるマレイン酸モノアルキル
エステル及び/または特定の化学式で表されるマレイン
酸モノアルコキシアルキルエステル単位からなり、
(B)の含有量が1〜12質量%であるアクリル系エラ
ストマーと脂肪族モノアミンを含有することを特徴とす
るアクリル系エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は良好な加硫特性を有
し、機械的性質や圧縮永久歪に優れ、且つ良好な耐スコ
ーチ性を有するアクリル系エラストマー組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、産業の大型化、高速化に伴い、こ
れらに使用されるゴム部品はますます高度の耐久性を保
持することが要求されている。特に、大型化、高速化
は、機械・装置の運転温度の上昇を招くため、ゴム部品
に対して、高度の耐熱性が要求され、同時に潤滑油温度
の上昇のためにゴム部品に対して耐油性の向上が要求さ
れている。また、産業活動の広域化に伴う寒冷地等の苛
酷な環境における使用により、ゴム部品に対する耐寒性
の要求も強まっている。
【0003】一方、自動車エンジンルーム内は、排ガス
対策、エンジンの高出力化などにより、熱的条件が更に
厳しさを増してきたため、自動車用耐潤滑油系ホース等
においては従来のニトリル・ブタジエンゴムに代わって
耐熱性と耐油性に優れたアクリルゴムが使用されてき
た。ところが、エンジン及びエンジンルーム内の熱的条
件の苛酷化は、エンジン油それ自身が劣化する環境を生
じ、この劣化エンジン油が更にゴムホースを攻撃してゴ
ム材料を劣化させることが知られるようになり、耐熱性
・耐油性材料として潤滑油ホース材料に用いられるよう
になったアクリルゴムに対して、これまで以上の耐油
性、耐寒性及び耐熱性が求められている。更に、自動車
用潤滑油の高性能化による潤滑油の低粘度化に伴い、更
なる耐油性の改良が要求されるようになってきた。
【0004】特公昭59−14498号公報には、エチ
レン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル及び架橋サイト
モノマーとして、グリシジルメタクリレートなどのモノ
エポキシモノオレフィン化合物よりなる共重合体と加硫
剤からなるゴム組成物が、耐油性、耐熱性および耐候性
に優れていることが記載されている。これらの組成物で
は、耐油性、耐熱性および耐候性のバランスが良好であ
ることも認められるが、上記のような使用条件の苛酷化
から、耐油性、耐寒性および耐熱性のバランスにおい
て、更なる改良が求められていた。
【0005】更に、これらの組成物は、脂肪酸石けん/
イオウ、ポリアミン系または、有機カルボン酸およびそ
のアンモニウム塩などの加硫系を用いて加硫することが
でき、機械的性質も良好であるが、加硫速度が遅いとい
う欠点を有している。即ち、所期の物性を得るために、
通常の加硫を行った後、後加硫を行っているのが現状で
あり、この後加硫に要する時間を短縮するか、完全に省
くことが可能となれば、その工業的意義は非常に大き
く、そのためにこれらが改良されたゴム組成物への要望
が急速に高まってきた。
【0006】特公昭55−5527号公報には、エチレ
ン(A)/アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルから
選択したアクリル酸アルキル(B)/及び1,4−ブテ
ンジオン酸モノアルキルエステル(C)からなる共重合
体で、重合体100g当たり0.0025〜0.077
モルの(C)/重合体100g当たり0.64〜0.8
0モルの(−CO2−)単位(B及びCのエステル基の
合計)/及び残部が(A)の組成を持つ共重合体が良好
な耐寒性、耐油性及び耐熱性を併せ持つことが記載され
ている。これらの共重合体は機械的性質と加硫性に優
れ、脆化点を尺度とした耐寒性、及び耐油性のバランス
も良好であるが、エチレン含有量が多く、低温領域での
圧縮永久歪みが劣るため、低温圧縮永久歪の要求が厳し
い部品には使用できないといった欠点を有している。
【0007】また、アクリル酸アルキルまたはエチレン
/アクリル酸アルキルを主成分とし、架橋サイトモノマ
ーとして、ブテンジオン酸モノアルキルエステルを用い
たエラストマー組成物は、良好な加硫速度を有すること
が特開昭50−45031号公報で公知となっている。
【0008】しかしながら耐熱性、耐寒性、耐油性や機
械的性能に加えて加硫速度が改善されたとしても、混練
加工工程でスコーチする欠点の発生が問題となる場合が
多く、その改善が求められてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決し、良好な加硫特性を有し、機械的性質や圧縮永
久歪に優れ、且つ良好な耐スコーチ性を有するアクリル
系エラストマー組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(A)特定
のアクリル酸アルキルエステル及び/または特定のアク
リル酸アルコキシアルキルエステル単位と、(B)特定
のマレイン酸モノアルキルエステル及び/または特定の
マレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位からな
り、(B)の含有量が1〜12質量%であるアクリル系
エラストマーと脂肪族モノアミンを含有するアクリル系
エラストマー組成物により、上記の課題が解決されるこ
とを見出し本発明を完成させるに到った。すなわち、本
発明は、(A)下記の一般式(1)で表されるアクリル
酸アルキルエステル及び/または下記の一般式(2)で
表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステル単位
と、(B)下記の一般式(3)で表されるマレイン酸モ
ノアルキルエステル及び/または下記の一般式(4)で
表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単
位からなり、(B)の含有量が1〜12質量%であるア
クリル系エラストマーと脂肪族モノアミンを含有するこ
とを特徴とするアクリル系エラストマー組成物である。
【0011】
【化9】
【0012】(式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基
を表す。)
【0013】
【化10】
【0014】(式中のR2は炭素数1〜4のアルキレン
基、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0015】
【化11】
【0016】(式中のR4は炭素数1〜4のアルキル基
を表す。)
【化12】
【0017】(式中のR5は炭素数1〜4のアルキレン
基、R6は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0018】また、本発明は、アクリル系エラストマー
が、(A)上記の一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステル及び/または上記の一般式(2)で表さ
れるアクリル酸アルコキシアルキルエステル単位98.
9〜83質量%、(B)上記の一般式(3)で表される
マレイン酸モノアルキルエステル及び/または上記の一
般式(4)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキ
ルエステル単位1〜12質量%及び(C)エチレン単量
体単位0.1〜5質量%未満からなるアクリル系エラス
トマーであり、これと脂肪族モノアミンを含有すること
を特徴とするアクリル系エラストマー組成物である。
【0019】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
アクリル酸アルキルエステルとしては上記の一般式
(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルが用いら
れるが、具体的にはメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げら
れ、機械的性質、実用的な耐寒/耐油バランスの点で、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレートが好ましい。
【0020】本発明のアクリル酸アルコキシアルキルエ
ステルとしては上記の一般式(2)で表されるアクリル
酸アルコキシアルキルエステルが用いられるが、具体的
には2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエ
チルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアク
リレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、
3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロ
ピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルア
クリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレー
トなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げ
られる。
【0021】本発明のマレイン酸モノアルキルエステル
としては上記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノ
アルキルエステルが用いられるが、具体的にはマレイン
酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ
ブチルが挙げられる。
【0022】本発明のマレイン酸モノアルコキシアルキ
ルエステルとしては上記の一般式(4)で表されるマレ
イン酸モノアルコキシアルキルエステルが用いられる
が、具体的にはマレイン酸モノメトキシエチル、マレイ
ン酸モノエトキシエチル、マレイン酸モノメトキシブチ
ル、マレイン酸モノエトキシブチルなどが挙げられる。
【0023】本発明のアクリル系エラストマーは、
(A)上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキ
ルエステル及び/または上記の一般式(2)で表される
アクリル酸アルコキシアルキルエステル単位と、(B)
上記の一般式(3)で表されるマレイン酸モノアルキル
エステル及び/または上記の一般式(4)で表されるマ
レイン酸モノアルコキシアルキルエステル単位からな
り、(B)の含有量が1〜12質量%であることが好ま
しい。また、本発明のアクリル系エラストマーは、
(A)上記の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキ
ルエステル及び/または上記の一般式(2)で表される
アクリル酸アルコキシアルキルエステル単位98.9〜
83質量%、(B)上記の一般式(3)で表されるマレ
イン酸モノアルキルエステル及び/または上記の一般式
(4)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエ
ステル単位1〜12質量%及び(C)エチレン単量体単
位0.1〜5質量%未満からなるアクリル系エラストマ
ーであることが好ましい。
【0024】本発明のアクリル系エラストマー組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で上記の単量体と共
重合可能な他の単量体を共重合させたものでもよい。共
重合可能な他の単量体としては、n−デシルアクリレー
ト、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアク
リレート、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチ
ルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−
シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアク
リレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シア
ノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレー
ト、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8
−シアノオクチルアクリレートなどのアクリル酸アルキ
ルエステルが挙げられる。
【0025】更に、1,1−ジヒドロペルフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオ
ロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒ
ドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,
1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオ
ロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペ
ルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジ
ヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの
含フッ素アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどの水酸基含有アクリル酸エステル、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有アク
リル酸エステル、メチルメタクリレート、オクチルメタ
クリレートなどのメタクリレート、メチルビニルケトン
のようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテ
ル、アリルメチルエーテルなどのビニル及びアリルエー
テル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリ
ル、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、アル
キルフマレートなどのエチレン性不飽和化合物が挙げら
れる。
【0026】また、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸などのカルボン酸基含有化合物、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル、メタアリルグリシジルエーテルなどのエポキ
シ基含有化合物、2−クロルエチルビニルエーテル、2
−クロルエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライ
ド、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテート
などの活性塩素基含有化合物が挙げられる。
【0027】本発明のアクリル系エラストマー組成物
は、上記の単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊
状重合などの公知の方法により共重合することにより得
られる。
【0028】本発明の脂肪族モノアミンとしては、n−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミ
ン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、
n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデ
シルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシ
ルアミンなどが挙げられ、炭素数8〜18のn−オクチ
ルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミ
ン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n
−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンが特に
好適に用いられる。
【0029】脂肪族モノアミンの添加量は、アクリル系
エラストマー100質量部に対して、0.02〜0.8
質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部が更に好まし
い。0.02質量部未満ではスコーチ性改良効果が乏し
く、0.8質量部を越えると加硫反応が十分に行われ
ず、圧縮永久歪が悪くなる。
【0030】本発明のアクリル系エラストマー組成物
は、アクリル系ゴムに通常用いられる加硫系を用いて加
硫して用いられるが、適用される加硫系としては、脂肪
族、芳香族ポリアミン類が適当であり、これにグアニジ
ン系化合物を加えた加硫系が好適に用いられる。
【0031】脂肪族ポリアミンとしては、ヘキサメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、テ
トラメチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン、芳香
族ポリアミンとしては、4,4’−メチレンジアニリ
ン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、4,
4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、4,4’
−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミ
ンが挙げられ、4,4’−メチレンジアニリンまたはヘ
キサメチレンジアミンカーバメイトが特に好適に用いら
れる。
【0032】グアニジン系化合物としては、グアニジ
ン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン、ジ
フェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジンなどが
挙げられ、ジ−o−トリルグアニジンが好適に用いられ
る。
【0033】ポリアミン類の添加量は、アクリル系エラ
ストマー組成物100質量部に対して、0.2〜5質量
部が好ましく、0.5〜3質量部が更に好ましい。0.
2質量部未満では加硫反応が十分に行われず、5質量部
を越えると過加硫となり、高温での圧縮永久歪は共に悪
くなる。
【0034】本発明のアクリル系エラストマー組成物
は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、可
塑剤、安定剤、滑剤、補強剤等を添加して成形、加硫を
行うことができる。カーボンブラック、無水ケイ酸、表
面処理炭酸カルシウムなどの充填剤、補強剤は要求され
るゴム物性から、2種類以上を混合して使用することも
可能であり、これらの添加量は合計で、アクリル系エラ
ストマー組成物100質量部に対して通常用いられる3
0〜100質量部が好ましい。
【0035】また、本発明のアクリル系エラストマー組
成物及びその加硫物を混練、成型、加硫する機械として
は、通常ゴム工業で用いるものを使用することができ
る。
【0036】本発明のアクリル系エラストマー組成物及
びその加硫物は特にゴムホースやガスケット、パッキン
グ等のシール部品として好適に用いられる。また、ゴム
ホースとしては、具体的には自動車、建設機械、油圧機
器の各種配管系等に使用されるホースに用いられる。特
に、本発明のアクリル系エラストマー組成物及びその加
硫物から得られるゴムホースは、機械的性質が優れてい
ることに加えて、耐寒性、耐油性及び耐熱性に優れるた
め、特に最近の使用環境が苛酷になっている自動車用ゴ
ムホースとして極めて好適に用いられる。
【0037】ゴムホースの構成としては、本発明のアク
リル系エラストマー組成物から得た単一ホース、あるい
は、ゴムホースの用途によっては、本発明のアクリル系
エラストマー組成物からなる層に本発明のアクリル系エ
ラストマー組成物以外の合成ゴム例えば、フッ素系ゴ
ム、フッ素変性アクリルゴム、ヒドリンゴム、CSM、
CR、NBR、エチレン・プロピレンゴム等を内層、中
間層、あるいは外層として組み合わせた複合ホースへの
適用も可能である。また、ゴムホースに要求される特性
によっては、一般的によく行われているように補強糸あ
るいはワイヤーをホースの中間あるいは、ゴムホースの
最外層に設けることも可能である。
【0038】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限さ
れるものではない。 実験例1 アクリル系エラストマーAの製造 内容積40リットルの耐圧反応容器に、アクリル酸エチ
ル5.6Kg、アクリル酸n−ブチル5.6Kg、マレ
イン酸モノブチルを560g、部分ケン化ポリビニルア
ルコール4質量%の水溶液17Kg、酢酸ナトリウム2
2gを投入し、攪拌機であらかじめよく混合し、均一懸
濁液を作製した。槽内上部の空気を窒素で置換後、エチ
レンを槽上部に圧入し、圧力を20Kg/cm2に調整
した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、別途
注入口よりt−ヒドロペルオキシド水溶液を圧入して重
合を開始させた。反応中槽内温度は55℃に保ち、6時
間で反応が終了した。生成した重合液に硼酸ナトリウム
水溶液を添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行っ
てアクリル系エラストマーAとした。
【0039】実験例2 アクリル系エラストマーBの製造 アクリル系エラストマーAと同様な方法であるが、エチ
レンの圧入を行わず重合を開始させ、アクリル系エラス
トマーBを得た。
【0040】分析試験方法(アクリル系エラストマー
A、アクリル系エラストマーB) マレイン酸モノアルキルエステル単位またはマレイン酸
モノアルコキシアルキルエステル単位の定量は、共重合
体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用い
た中和滴定により測定した。その他の共重合体組成は、
核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。ア
クリル系エラストマーA、アクリル系エラストマーBに
ついての共重合体組成分析結果を表1及び表2に示し
た。
【0041】実施例1〜7、比較例1、2 表3の配合組成により、8インチオープンロールで混練
を行い、厚さ約2.4mmのシートに分出しした後、プ
レス加硫機で170℃20分間のプレス加硫を行い、一
次加硫物として物性試験に供した。更に、この加硫物を
ギヤーオーブン内で170℃4時間の熱処理を行い、二
次加硫物として物性試験に供した。
【0042】物性試験方法 ムーニースコーチ時間はJIS K6300に準拠し、
125℃でのt5を測定した。引張強さ、伸びはJIS
K6251に準拠して測定した。硬さは、JIS K
6253に準拠して測定した。低温圧縮永久歪みは、J
IS K6262に準拠した方法だが、試験条件を0℃
22時間として、歪みを測定した。高温圧縮永久歪み
は、JIS K6262に準拠した方法だが、試験条件
を150℃70時間として、歪みを測定した。耐油性
(△V)は、JIS K6258に準拠し、IRM−9
03号油に150℃70時間浸漬後の体積変化△V
(%)を求めた。耐寒性(Tb)は、JIS K626
1に準拠し、脆化温度(Tb)を求めた。耐熱性AR
(EB)は、JIS K6257に準拠し、150℃×
70時間曝露後の引張試験の伸び保持率AR(EB)
(%)を求めた。△TB(一次加硫物と二次加硫物の引
張強さの差)は、下式により求めた。 △TB(%)=100×(TB2/TB1)−100 但し、TB2は二次加硫物引張強さを表し、TB1は一
次加硫物引張強さを表す。各実施例、比較例についての
加硫物の物性測定結果を表3に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】実施例1〜3、比較例1の比較より、本発
明の実施例1〜3はムーニースコーチ時間が長く、耐ス
コーチ性が改善されている。また、実施例1〜3、比較
例2の比較により、本発明の実施例1〜3はゴム物性の
バランスを損なうことなく耐スコーチ性が改善されてい
る。
【0047】
【発明の効果】実施例と比較例の対比で示すように、本
発明のアクリル系エラストマー組成物はムーニースコー
チ時間が長く、耐スコーチ性に優れており、且つ△TB
が小さく良好な加硫速度を有している。更にその加硫物
は、優れたゴム物性を有するとともに、耐寒性、耐油性
及び耐熱性のバランスに優れ、且つ良好な圧縮永久歪を
有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 220/12 C08F 222:12 222:12) Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 DA07 DA11 4J002 BG041 BG071 EN026 GJ02 GT00 4J100 AL03P AL04P AL08P AL08R AL36Q AL41Q BA04P BA04Q BA04R CA04 CA05 CA06 CA31 HA53 HC43 JA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記の一般式(1)で表されるア
    クリル酸アルキルエステル及び/または下記の一般式
    (2)で表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステ
    ル単位と、(B)下記の一般式(3)で表されるマレイ
    ン酸モノアルキルエステル及び/または下記の一般式
    (4)で表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエ
    ステル単位からなり、(B)の含有量が1〜12質量%
    であるアクリル系エラストマーと脂肪族モノアミンを含
    有することを特徴とするアクリル系エラストマー組成
    物。 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。) 【化2】 (式中のR2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化3】 (式中のR4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化4】 (式中のR5は炭素数1〜4のアルキレン基、R6は炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 アクリル系エラストマーが、(A)下記
    の一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステル
    及び/または下記の一般式(2)で表されるアクリル酸
    アルコキシアルキルエステル単位98.9〜83質量
    %、(B)下記の一般式(3)で表されるマレイン酸モ
    ノアルキルエステル及び/または下記の一般式(4)で
    表されるマレイン酸モノアルコキシアルキルエステル単
    位1〜12質量%及び(C)エチレン単量体単位0.1
    〜5質量%未満からなるアクリル系エラストマーである
    ことを特徴とする請求項1記載のアクリル系エラストマ
    ー組成物。 【化5】 (式中のR1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。) 【化6】 (式中のR2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化7】 (式中のR4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化8】 (式中のR5は炭素数1〜4のアルキレン基、R6は炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 脂肪族モノアミンが炭素数8〜18の脂
    肪族モノアミンであることを特徴とする請求項1または
    2記載のアクリル系エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のアク
    リル系エラストマー組成物を加硫してなることを特徴と
    する加硫物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の加硫物からなるゴムホー
    ス。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の加硫物からなるシール部
    品。
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