JP5044949B2 - 栄養指導システム - Google Patents

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Description

この発明は、食事制限を有する病気の患者等である利用者に対する栄養指導を支援する栄養指導システムに関するものである。
従来、利用者に対して食事指導を支援するシステムが存在する。例えば、特許文献1には、予防・対症・治療の目的に合致した食事献立の選択を支援し、選択された食事について提供の手配を受付、利用者の居宅に配送すると共に、利用者が摂取した食事内容と健康管理情報とを管理して利用者個別の食事管理を支援する食事管理支援システムが開示されている。また、特許文献2には、糖尿病患者等の対象者から送信された食事画像に基づいて、栄養士が対象者の栄養計算を行い、計算結果を対象者に返信する栄養管理システムが開示されている。
特開2003−242261号公報 特開2004−259162号公報
ところで、従来の食事指導を支援するシステムにおいては、利用者の食事記録に基づいて栄養バランスや栄養の過不足に対する指導を支援するに留まっており、食事由来の病態変化や利用者毎の食品の摂取可能性の提示は行っていない。即ち、食事制限を有する病気の患者等である利用者の中には、特定の病気に罹患している患者に対して一般的に摂取が可能とされている素材を制限の範囲内で摂取したにも拘らず、体調が悪化し病態が変化する利用者も存在する。このような場合には、摂取が可能とされている素材であっても、その利用者に対しては個別に、一般的な制限とは異なるその利用者専用の制限を設けなければ、食事由来の病態変化を適切に防止することができない。
また、一般的に摂取が可能とされている素材を制限を超えて摂取した場合であっても、体調が悪化せず病態が安定している利用者も存在する。この場合には、その利用者にとっては、一般的な制限を超えて素材を摂取することが可能であり、一般的な制限とは異なる制限を設けることにより、利用者の食品摂取の可能性を拡大することができる。
しかしながら、利用者が過去に摂食した食事を構成する食品の素材の中で、何れの素材が利用者の病態変化を引き起こした増悪因子であるか、または、利用者の体調が安定している期間において利用者が摂食した食事を構成する食品を素材に分類して素材毎の摂取量を算出する等の分析を行い、一般的な制限の範囲を超えて利用者が摂取した素材を、医師や栄養士等が分析し、個別の利用者毎に摂取可能な素材の範囲を示す利用者基準値を設定等するのは困難である。
この発明の課題は、食事制限を有する病気の患者等である利用者の食事履歴に基づいて、利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補を判定すると共に、利用者の食事履歴に基づいて、個別の利用者毎に設けられた食品の素材毎に摂取可能な範囲を示す利用者基準値を調整することによって、食事由来の病態変化及び利用者の食品摂取の可能性拡大を支援する栄養指導システムを提供することである。
請求項1記載の栄養指導システムは、利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値であって、前記利用者により判断された体調情報に基づいて調整された前記利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、前記体調履歴記憶部に記憶された体調履歴により前記利用者の体調悪化が示された場合に、調整された前記利用者基準値を用いて、前記食事履歴により示される前記利用者が摂取した素材毎に、何れの素材が前記増悪因子候補であるかを判定する増悪因子候補判定部とを備えることを特徴とする。
この請求項1記載の栄養指導システムによれば、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶し、利用者の体調が悪化した場合には、利用者基準値を用いて利用者が摂取した素材の中の何れの素材が利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補であるかの判定を行っている。即ち、利用者毎に設定された利用者基準値を用いて増悪因子候補を判定することにより、個々の利用者について該利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を判定することができる。
また、請求項2記載の栄養指導システムは、前記増悪因子候補判定部において前記増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、前記利用者が摂取した素材の中で最も前記利用者基準値に近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定する増悪因子候補特定部を更に備えることを特徴とする。
この請求項2記載の栄養指導システムによれば、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、利用者が摂取した素材の中で、利用者基準値に最も近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定している。従って、利用者が利用者基準値の範囲内において素材を摂取しているにも拘らず体調が悪化した場合であっても、利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を特定することができる。
また、請求項3記載の栄養指導システムは、利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、前記体調履歴記憶部に記憶された体調履歴により前記利用者の体調悪化が示された場合に、前記利用者基準値を用いて、前記食事履歴により示される前記利用者が摂取した素材毎に、何れの素材が前記増悪因子候補であるかを判定する増悪因子候補判定部と、前記増悪因子候補判定部において前記増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、前記利用者が摂取した素材の中で最も前記利用者基準値に近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定する増悪因子候補特定部と、前記増悪因子候補特定部により特定された増悪因子候補である素材について、前記基本情報記憶部に記憶されている該素材の利用者基準値を引き下げる調整を行う利用者基準値調整部と、前記利用者基準値調整部により調整が行われた前記基本情報記憶部に記憶されている利用者基準値を参照し、前記食事情報記憶部に記憶されている食事メニュー情報の中から前記利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する食事メニュー抽出部と、前記食事メニュー抽出部により抽出された食事メニューを出力する出力部とを備えることを特徴とする。
この請求項3記載の栄養指導システムによれば、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶し、利用者の体調が悪化した場合には、利用者基準値を用いて利用者が摂取した素材の中の何れの素材が利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補であるかの判定を行っている。また、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、利用者が摂取した素材の中で、利用者基準値に最も近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定し、増悪因子候補として特定された素材の利用者基準値を引き下げる調整を行っている。そして、調整された利用者基準値を含む利用者毎に設けられた各素材の利用者基準値を参照して、利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出し、抽出された食事メニューを出力している。従って、個々の利用者に対して、各利用者が摂取可能な範囲の素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出しているため、食事制限を有する利用者が安心して摂食可能な食事メニューを出力することができる。
また、請求項4記載の栄養指導システムは、前記利用者基準値が、所定期間内における素材の摂取回数及び所定期間内における素材の摂取量の少なくとも一方であることを特徴とする。
この請求項4記載の栄養指導システムによれば、利用者基準値として示される所定期間内における素材の摂取回数を超えて摂取された素材、又は利用者基準値として示される所定期間内における素材の摂取量を超えて摂取された素材を増悪因子候補と判定することができるため、利用者の素材摂取状況を適切に反映させて利用者基準値の調整を行うことができる。
また、請求項5記載の栄養指導システムは、利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、前記利用者の体調履歴を参照して、該利用者の食事履歴の中から体調が安定している安定期間の食事履歴を抽出する食事履歴抽出部と、前記食事履歴抽出部により抽出された安定期間の食事履歴により示される、前記安定期間内に前記利用者が摂取した素材毎に、前記利用者基準値を用いて利用者の素材の摂取状況を分析する摂取素材分析部と、前記摂取素材分析部による分析結果により、前記利用者基準値を超えて摂取された素材が示された場合には、前記基本情報記憶部に記憶されている前記利用者基準値を引き上げる調整を行う利用者基準値調整部と、前記利用者基準値調整部により調整が行われた前記基本情報記憶部に記憶されている利用者基準値を参照し、前記食事情報記憶部に記憶されている食事メニュー情報の中から前記利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する食事メニュー抽出部と、前記食事メニュー抽出部により抽出された食事メニューを出力する出力部とを備えることを特徴とする。
この請求項5記載の栄養指導システムによれば、利用者の体調が所定期間以上安定している場合に、利用者の体調が安定している期間(安定期間)における利用者の食事履歴を抽出し、抽出された食事履歴を利用者基準値を用いて分析した結果、利用者基準値を超えて摂取されている素材が存在する場合には、該素材の利用者基準値を引き上げる調整を行っている。そして、調整された利用者基準値を含む個別の利用者毎に設定されている各素材の利用者基準値を参照して、利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出し出力している。即ち、食事制限を有する病気の患者である利用者の中には、制限の範囲を超えて素材を摂取した場合であっても、体調が安定している場合がある。従って、そのような利用者に対しては、素材の摂取許容範囲を示す利用者基準値を引き上げる調整を行うことによって、利用者が摂食可能な食事メニューを拡大することができ、制限の範囲内における利用者の安全な食生活を適切に支援することができる。
また、請求項6記載の栄養指導システムは、前記利用者が、生活習慣病、消化器系疾患、代謝性疾患、慢性炎症性疾患、慢性循環器疾患、慢性呼吸器疾患、妊娠中毒症または老人性栄養代謝障害に罹患している患者であることを特徴とする。
この請求項6記載の栄養指導システムによれば、生活習慣病、消化器系疾患、代謝性疾患、慢性炎症性疾患、慢性循環器疾患、慢性呼吸器疾患、妊娠中毒症及び老人性栄養代謝障害のように、摂取する食品内容が疾患の病態に影響を及ぼす可能性のある疾患に罹患している患者を利用者としている。従って、摂取する食品内容により病態が変化する可能性を有する利用者に対して、利用者が摂取可能な食品により構成された適切な食事メニューを提供することができ、食品由来の病態変化を適切に防止することができる。
また、請求項7記載の栄養指導システムは、前記利用者が、クローン病に罹患している患者であることを特徴とする。また、請求項8記載の栄養指導システムは、前記利用者が、食物アレルギーを有する患者であることを特徴とする。更に、請求項9記載の栄養指導システムは、前記利用者が、アトピー性皮膚炎に罹患している患者であることを特徴とする。
これら請求項7〜請求項9記載の栄養指導システムによれば、食事の病態への関与が明確に認められる疾患の患者、即ち、クローン病の患者、食物アレルギーを有する患者、アトピー性皮膚炎の患者が利用者であるため、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示した利用者基準値の範囲内において、利用者が摂取可能な素材のみを用いた安全な食事メニューを利用者に提供することによって、食事により利用者の体調が悪化することを適切に防止することができる。
また、請求項10記載の栄養指導システムは、前記生活習慣病が、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患、高脂血症、高血圧または肥満であることを特徴とする。また、請求項11記載の栄養指導システムは、前記消化器系疾患が、潰瘍性大腸炎、肝炎、肝硬変、慢性膵炎、急性膵炎、食物アレルギーまたは過敏性腸症候群であることを特徴とする。また、請求項12記載の栄養指導システムは、前記代謝性疾患が、骨粗しょう症または痛風であることを特徴とする。また、請求項13記載の栄養指導システムは、前記慢性炎症性疾患が、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息、湿疹または関節リウマチであることを特徴とする。また、請求項14記載の栄養指導システムは、前記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患であることを特徴とする。また、請求項15記載の栄養指導システムは、前記慢性循環器疾患が、ネフローゼ、慢性腎炎または急性腎炎であることを特徴とする。
これら請求項10〜請求項15記載の栄養指導システムによれば、摂取する食品内容が疾患の病態に影響を及ぼす可能性がある各種の疾患に罹患している患者を利用者としている。従って、病気病態毎に示される利用者が摂取可能な食品により提供可能な素材により構成された食事メニューを利用者に提供し、食事由来の病態変化を適切に防止することができる。
この発明によれば、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶し、利用者の体調が悪化した場合には、利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を増悪因子候補として判定している。従って、食事制限を有する疾患に罹患している患者が、食事を摂取することによって体調が悪化した場合に、個々の利用者について、該利用者の利用者基準値を参照して体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を増悪因子候補として判定し、適切な栄養指導を行う際の有益な資料を得ることができる。
また、この発明によれば、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶し、利用者基準値の範囲内で素材を摂取したにも拘らず、利用者の体調が悪化した場合には、利用者基準値を引き下げる調整を行っている。即ち、個々の利用者毎に摂取を制限する必要が有る素材を特定し、特定された素材の摂取許容範囲を示す利用者基準値を調整している。そして、利用者基準値を超えない範囲の素材を用いた食品で構成される食事メニューを抽出し、抽出された食事メニューを出力している。従って、個々の利用者に対して、その利用者が摂取しても体調悪化を引き起こさない素材を用いた食品により構成された食事メニューを提供することによって、食事由来の病態変化を適切に防止すると共に、利用者が食事に対する安心感を抱くことができるように利用者の食生活を適切に支援することができる。
また、この発明によれば、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶し、利用者基準値の範囲を超えて素材を摂取したにも拘らず、利用者の体調が安定している場合には、利用者基準値を引き上げる調整を行っている。即ち、制限範囲を超えて摂取した場合に体調悪化を引き起こす可能性を有するとされている素材が制限を超えて摂取されていた場合には、その素材の利用者基準値を引き上げる調整を行っている。そして、利用者基準値を超えない範囲の素材を用いた食品で構成される食事メニューを抽出し、抽出された食事メニューを出力している。従って、個々の利用者について食事履歴を分析して利用者基準値を調整することにより、利用者の食品摂取の可能性を拡大し、利用者が摂食可能な食事メニューの範囲を拡大して、利用者の充実した食生活を適切に支援することができる。
また、この発明においては、利用者の食事履歴を分析し利用者基準値の調整を行っているため、例えば、医師や栄養士等が利用者に対して栄養指導を行う際の有益な資料として利用者基準値を参照することができ、栄養指導を適切に支援することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態に係る栄養指導システムについて説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る栄養指導システム2を含むシステム全体を示すブロック構成図である。図1に示すように、栄養指導システム2は、ネットワーク4を介して食事制限を有する病気の患者等である個々の利用者がそれぞれ使用する利用者端末6a、6b、6cと、利用者に対する病気診断や栄養指導等を行う診療所や医療機関等の病院に設置されている病院端末8a、8b、8cと接続されている。
利用者は、利用者端末6a、6b、6cを用いてネットワーク4を介して栄養指導システム2に接続し、摂食した食事メニューの情報や体調の情報を栄養指導システム2に登録すると共に、摂取可能な素材を用いた食品により構成された食事メニューの情報等を栄養指導システム2から取得することができる。また、病院の医師等は、病院端末8a、8b、8cを用いてネットワーク4を介して栄養指導システム2に接続し、栄養指導システム2を利用している利用者が摂取した素材や体調に関する情報及び利用者が摂取可能な素材を示す利用者基準値等を閲覧し、それらの情報を参考にして利用者に対する栄養指導を行うことができる。更に、栄養士等も、病院端末8a、8b、8cを用いてネットワーク4を介して栄養指導システム2に接続し、利用者が摂取した素材や利用者の体調に関する情報、利用者が摂取可能な素材を示す利用者基準値や、病気病態別に設けられた素材の摂取許容範囲を示す一般的な基準値等を閲覧することができる。そして、栄養士等は、閲覧した情報を用いて特定の病気に罹患している利用者が摂取可能な素材により構成された食事メニュー、該食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び調理方法を示す情報を、栄養指導システム2に登録することができる。
図2は、この発明の実施の形態に係る栄養指導システム2のブロック構成図である。栄養指導システム2は、図2に示すように、栄養指導システム2におけるデータの処理を制御するデータ制御部10を備えている。このデータ制御部10には、個別履歴データベース12(個別履歴DB12)、基本情報データベース14(基本情報DB14)及び増悪因子候補データベース16(増悪因子候補DB16)が接続されている。
個別履歴DB12(食事履歴記憶部及び体調履歴記憶部に相当。)には、利用者が日々摂取した素材及び各素材の摂取量を示す食事履歴及び利用者の日々の体調を示す体調履歴等が利用者毎に、例えば、予め利用者に付与されているユニークな利用者IDに対応させて記憶されている。また、個別履歴DB12には、利用者の個人属性情報、即ち、利用者の氏名、住所、性別、生年月日、病気・病態に関する情報等が記憶されている。なお、病気・病態に関する情報は、病院での診察過程における検査情報等であり、病気・病態に関する情報を含む個人属性情報は、例えば、利用者が診察を受けた病院の医師、看護師及び栄養士等により病院端末8a、8b、8cにおいて入力され、病院端末8a、8b、8cから栄養指導システム2に対して送信されることによって、個別履歴DB12に記憶されている。ここで、病院等の医療機関においては、個人属性情報の記録フォーマット(例えば、電子カルテのフォーマット)がそれぞれ異なっている場合が多い。従って、病院端末8a、8b、8cから送信された個人属性情報は、栄養指導システム2において共通のフォーマットに変換された後、個別履歴DB12に記憶される。なお、病気・病態に関する情報のみが病院端末8a、8b、8cから栄養指導システム2に対して送信され、利用者の氏名や住所等は利用者自らが入力し、利用者端末6a、6b、6cから栄養指導システム2に対して送信され、個別履歴DB12において登録されるようにしてもよい。この場合にも、病院端末8a、8b、8cから送信された病気・病態に関する情報は、栄養指導システム2において共通フォーマットに変換された後、個別履歴DB12に登録される。
また、基本情報DB14(食事情報記憶部及び基本情報記憶部に相当。)には、利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素等を示す素材情報が記憶されている。更に、基本情報DB14には、病気病態別に摂取可能な素材毎の一般的な基準値と、利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値等が記憶されている。ここで、病気病態別の一般的な基準値とは、例えば、クローン病の緩解移行期において摂取可能な素材毎の摂取許容量を示す値、緩解期において摂取可能な素材毎の摂取許容量等を示すものである。具体的には、食べても良い素材、食べる量・頻度に注意する素材、食べる量・頻度を制限する素材の分類、各分類における素材毎の所定期間内での摂取許容量や摂取回数等である。また、利用者基準値とは、一般的な基準値と同様に、特定の病気に罹患している利用者が摂取可能な素材毎の摂取許容量等を利用者毎に示したものであり、個々の利用者毎に摂取可能な素材の分類、分類された素材毎の所定期間内における摂取回数や所定期間内での摂取量等を示すものである。なお、基準値は病気病態別に性別及び所定の年齢に対応させて記憶されており、利用者が初めて栄養指導システム2を利用する場合は、利用者の病気病態、年齢及び性別に対応した一般的な基準値が利用者基準値として用いられる。
また、増悪因子候補DB16には、個別履歴DB12に記憶されている利用者の食事履歴により示される素材の中で、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用いて増悪因子候補と判定された素材等が記憶される。なお、図2においては図示を省略しているが、データ制御部10には、処理中のデータ等を記憶するワークエリアに相当するメモリが接続されているのは当然である。
また、データ制御部10は、メニュー表示制御部100、食事履歴登録部102、体調履歴登録部104、食事履歴抽出部106、食事履歴分析部108、増悪因子候補特定部110、利用者基準値調整部112、食事メニュー抽出部114及び利用者端末6a、6b、6cと病院端末8a、8b、8cとの間の通信を制御する通信制御部(摂食情報受信部及び体調情報受信部に相当)116を備えている。
メニュー表示制御部100は、後述する食事メニュー抽出部114により抽出された食事メニューを利用者端末6a、6b、6cにおいて表示するための画面データを作成する等の処理を行う。
また、食事履歴登録部102は、例えば、利用者端末6aからネットワーク4を介して送信され通信制御部116を介して受信された摂食情報、即ち、利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す情報を用いて、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報及び素材情報を参照して利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材毎の摂取量を算出し、分類された素材及び算出された各素材毎の摂取量を利用者の食事履歴として個別履歴DB12に登録する等の処理を行う。
また、体調履歴登録部104は、例えば、利用者端末6aからネットワーク4を介して送信され通信制御部116を介して受信された体調情報を、利用者毎の体調履歴として個別履歴DB12に登録する等の処理を行う。
また、食事履歴抽出部106は、例えば、利用者の体調履歴により利用者の体調悪化が示された場合には、個別履歴DB12に記憶されている食事履歴の中から、所定期間における利用者の食事履歴、即ち、前回体調悪化が示された時点から、今回体調悪化が示された時点までの食事履歴を抽出する等の処理を行う。また、食事履歴抽出部106は、例えば、利用者の体調履歴により利用者の体調が所定期間以上安定していることが示された場合には、個別履歴DB12に記憶されている食事履歴の中から、所定期間(例えば、1週間)における利用者の食事履歴を抽出する等の処理を行う。
また、食事履歴分析部108(増悪因子候補判定部及び摂取素材分析部に相当。)は、食事履歴抽出部106により抽出された所定期間の食事履歴を分析する等の処理を行う。例えば、利用者の体調悪化が示された場合には、抽出された所定期間の食事履歴に基づいて、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用いて、所定期間内において利用者が摂取した何れの素材が利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補であるかを判定する処理を行う。なお、増悪因子候補であると判定された素材は増悪因子候補DB16に記憶される。また、食事履歴分析部108は、例えば、利用者の体調が安定していることが示された場合には、抽出された所定期間の食事履歴に基づいて、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用い、所定期間内において利用者が摂取した素材の中で利用者基準値を超えて摂取された素材が存在するかを分析する処理を行う。
また、増悪因子候補特定部110は、食事履歴分析部108において食事履歴が分析された結果、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合に、分析結果に基づいて、利用者が摂取した素材の中で最も利用者基準値に近い摂取が行われている素材を抽出し、抽出された素材を増悪因子候補として特定する処理を行う。なお、増悪因子候補として特定された素材は増悪因子候補DB16に記憶される。
また、利用者基準値調整部112は、例えば、増悪因子候補特定部110により増悪因子候補として特定された素材が存在する場合には、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値において、特定された増悪因子候補である素材の利用者基準値を調整する処理を行う。即ち、食事履歴分析部106による分析結果において、利用者基準値を超えて摂取された素材が存在せず、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、利用者は許容範囲内において素材を摂取していたことになる。しかしながら、利用者の体調悪化が示されていることから、この利用者は特定の素材(例えば、特定された増悪因子候補)に関しては利用者基準値として示される範囲よりも少ない範囲で摂取しなければ体調悪化を引き起こす可能性が高いことになる。従って、この場合、利用者基準値調整部112により、増悪因子候補として特定された素材の利用者基準値を引き下げる処理が行われる。なお、利用者の体調が安定している際に、食事履歴分析を行った結果、利用者基準値を超えて摂取している素材が存在する場合には、利用者基準値調整部112によりその素材の利用者基準値を引き上げる処理が行われる。この場合、利用者は利用者基準値の範囲を超えて素材を摂取した場合であっても、体調悪化を引き起こす可能性が低いことになるため、その素材の利用者基準値を引き上げる処理が行われる。
また、食事メニュー抽出部114は、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を参照し、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報の中から、利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する等の処理を行う。
次に、図3〜図5のフローチャートを参照して、実施の形態に係る栄養指導システム2における処理について説明する。なお、摂取した食事内容が明らかに病態変化に影響を及ぼす疾患であって、かつ、摂取可能な素材や摂取可能な素材の摂取回数や摂取量に個人差を有する代表的な疾患として、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、クローン病が知られている。従って、以下においては、食事内容が明らかに病態変化に影響を及ぼし、かつ、摂取制限に個人差がある疾患に罹患している患者の中で、クローン病の患者である利用者が利用者端末6aを用いて栄養指導システム2に摂食情報等を送信する場合を例として説明する。
栄養指導システム2においては、利用者端末6aからネットワーク4を介して送信された履歴情報入力画面データの送信要求を受信する(ステップS10、図3参照)。ここで、利用者は、まず、利用者端末6aをネットワーク4を介して栄養指導システム2に接続し、栄養指導システム2へのログインを行う。例えば、栄養指導システム2に利用者を登録する際に付与された利用者ID及びパスワードを入力制御部(図示省略)を介して入力することによって、栄養指導システム2にログインする。そして、摂食した食事メニューと該食事メニューを構成する食品の摂取量とを示す情報(摂食情報)及び体調を示す情報(体調情報)を入力するための履歴情報入力画面データの送信要求を栄養指導システム2に対して行う。従って、栄養指導システム2においては、利用者端末6aからネットワーク4を介して送信された履歴情報入力画面データの送信要求を、通信制御部116を介して受信する。
次に、栄養指導システム2は、利用者端末6aに対して履歴情報入力画面データを通信制御部116及びネットワーク4を介して送信する(ステップS11)。即ち、メニュー表示制御部100は、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報を用い、利用者が食事メニューを選択することによって摂食情報を入力可能であると共に、利用者が体調を示す情報を入力可能な履歴情報入力画面を作成し、作成した履歴情報入力画面のデータを通信制御部116を介して利用者端末6aに送信する。
ここで、利用者端末6aにおいては、栄養指導システム2から送信された履歴情報入力画面データに基づいて、表示部(図示省略)に履歴情報入力画面が表示され、利用者により、摂食した食事メニューが選択されると共に、選択した食事メニューを構成する各食品の摂取量が入力制御部(図示省略)を介して入力される。また、表示されている履歴情報入力画面において、利用者により体調を示す情報が入力制御部(図示省略)を介して入力される。そして、選択された食事メニュー及び食事メニューを構成する食品の摂取量を摂食情報とし、入力された体調を示す情報を体調情報としてそれぞれが利用者端末6aから栄養指導システム2に送信される。
栄養指導システム2においては、利用者端末6aから送信された摂食情報を通信制御部116を介して受信し(ステップS12)、受信した摂食情報を用いて食事履歴を作成して個別履歴DB12に登録する(ステップS13)。即ち、食事履歴登録部102においては、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報及び素材情報を参照して、利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類する。そして、摂食情報として示されている食品の摂取量から、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された各素材毎の摂取量を食事履歴として個別履歴DB12に登録する。なお、摂食情報は、日々利用者により入力されるものであるため、摂食情報を用いて作成される食事履歴は、日付及び利用者IDに対応させて個別履歴DB12に記憶される。
次に、利用者端末6aから送信された体調情報を通信制御部116を介して受信し(ステップS14)、受信した体調情報を体調履歴として個別履歴DB12に登録する(ステップS15)。即ち、利用者端末6aにおいて、利用者が履歴情報入力画面において入力した体調情報、例えば、体調安定又は体調悪化等を示す情報を受信する。そして、受信された体調情報が、体調履歴登録部104を介して体調履歴として個別履歴DB12に登録される。なお、体調情報は、日々利用者により入力されるものであるため、体調履歴は日付及び利用者IDに対応させて個別履歴DB12に記憶される。また、上述のステップS12において摂食情報を受信し、ステップS14において体調情報を受信し、その後の処理を実行しているが、摂食情報及び体調情報を同時に受信し、ステップS13における処理とステップS15における処理がそれぞれ並行して行われるようにしてもよい。
次に、個別履歴DB12に記憶された体調履歴が体調の悪化を示している場合には(ステップS16)、食事履歴抽出部106により前回体調悪化を示した時点における食事履歴から今回登録された食事履歴までを個別履歴DB12から抽出する(ステップS17)。例えば、個別履歴DB12に記憶されている体調履歴より前回体調悪化を示したのが1週間前であることが示された場合には、今回登録された食事履歴から1週間遡った時点までの全ての食事履歴が、食事履歴抽出部106により個別履歴DB12から抽出される。
次に、抽出された所定期間の食事履歴に基づいて増悪因子候補の判定を行う(ステップS18)。即ち、食事履歴分析部108において、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用いて、食事履歴抽出部106により抽出された食事履歴を分析することにより、利用者が摂取した素材の中の何れの素材が増悪因子候補であるかの判定が行われる。
ここで、図4のフローチャートを参照して食事履歴分析部108において行われる増悪因子候補の判定処理について説明する。まず、食事履歴分析部108は、食事履歴抽出部106により抽出された所定期間内の食事履歴に含まれる各素材の総摂取回数を算出する(ステップS180)。即ち、所定期間内に利用者が摂取した素材の全てについて、総摂取回数を算出する。なお、算出された所定期間内における各素材の総摂取回数は、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される。
次に、食事履歴分析部108は、食事履歴抽出部106により抽出された所定期間内の食事履歴に含まれる各素材の総摂取量を算出する(ステップS181)。即ち、食事履歴分析部108は、所定期間内に利用者が摂取した素材の全てについて、総摂取量を算出する。なお、算出された所定期間内における各素材の総摂取量は、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される。
次に、食事履歴分析部108は、食事履歴抽出部106により抽出された所定期間内の食事履歴を用いて、該所定期間内において利用者が摂取した制限栄養素別摂取量を算出する(ステップS182)。即ち、食事履歴分析部108は、増悪因子候補DB16において利用者IDに対応させて記憶されている所定期間内における各素材の総摂取量を抽出し、抽出された各素材の総摂取量を用いて所定期間内の食事履歴に含まれる栄養素別の摂取量を算出する。なお、算出された制限栄養素別摂取量は、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される。
次に、食事履歴分析部108は、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用いて制限素材群についての分析を行う(ステップS183)。即ち、食事履歴分析部108は、利用者基準値として示される摂取が制限されている素材群の分類を用い、抽出された所定期間内の食事履歴に摂取が制限されている素材群の何れかの分類に該当する素材が含まれているか否かを分析する。なお、制限素材群の分析結果は、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される。
次に、食事履歴分析部108は、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を用いて素材交換表に基づく分類を行う(ステップS184)。即ち、食事履歴分析部108は、抽出された所定期間内における食事履歴に含まれる全ての素材を穀類、イモ類、きのこ類等に分類する。なお、素材交換表の分類結果は、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される。
次に、利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶されている素材摂取回数、素材摂取量、制限栄養素別摂取量、制限素材群の分析結果及び素材交換表に基づく分類結果を用い、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を参照して、所定期間内に利用者が摂取した素材の中から、利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補を判定する(ステップS185)。例えば、増悪因子候補DB16に記憶されている所定期間(例えば、1週間)における素材摂取回数が、キャベツ6回、ベーコン1回、スパゲティ1回等となっており、1週間における素材摂取量がキャベツ120g、ベーコン35g、鶏皮15g、スパゲティ100g等となっていたとする。また、例えば、1週間における制限栄養素別摂取量が、繊維質150g、脂肪30g、蛋白質100g等、1週間において利用者が摂取した制限素材群に該当する素材が鶏皮等、1週間において利用者が摂取した素材交換表を用いた分類結果が、穀類、イモ類、きのこ類等であるとする。
ここで、利用者基準値として、例えば、キャベツの摂取回数は週に4回まで、1週間におけるキャベツの摂取量は100g以下、1週間における脂肪の摂取量は30g以下、食べる頻度を制限する必要がある素材は肉類として鶏皮、ロース肉、素材分類中の穀類について摂取頻度に注意する素材はそば、ビーフン、スパゲティ等となっているとする。そして、この利用者基準値と上述の算出された素材摂取回数、摂取量、制限栄養素別摂取量、制限素材群の分析結果、素材交換表に基づく分類結果とを比較することによって、増悪因子候補が判定される。
具体的には、例えば、上述のように利用者は1週間の間に、利用者基準値として示される摂取回数、摂取量を超えてキャベツを摂取しているが、利用者基準値として示される食べる頻度を制限する必要がある鶏皮と摂取頻度に注意する分類に含まれる素材であるスパゲティはそれぞれ1回だけ摂取している。従って、最も利用者の体調悪化を引き起こした可能性が高い素材としてキャベツが増悪因子候補として判定される。ここで、例えば、利用者がキャベツを利用者基準値として示される摂取回数及び摂取量の範囲内で摂取している場合には、鶏皮及びスパゲティが増悪因子候補として判定される。
また、例えば、利用者が全ての素材について摂取回数及び摂取量の範囲内において摂取し、かつ、食べる頻度を制限する必要がある素材、摂取頻度に注意する分類に含まれる素材の何れをも摂取していないが、制限栄養素別の摂取量において、繊維質の素材の摂取量が利用者基準値を超えているとする。この場合には、利用者が摂取した素材の中で、繊維質を有する全ての素材が増悪因子候補として判定される。
なお、ステップS185における増悪因子候補の判定は、摂取回数や摂取量等の項目毎に利用者基準値との比較を行い、全ての項目における比較結果を用いて増悪因子候補を判定しているが、その他の方法により増悪因子候補を判定するようにしてもよい。例えば、素材毎の各項目における比較結果を数値化し、全項目における比較結果の合計点を算出し、合計点が予め設定された閾値を超えた素材を増悪因子候補として判定するようにしてもよい。
次に、増悪因子候補の判定処理において増悪因子候補として判定された素材が存在する場合には(ステップS19、図3参照)、食事履歴分析部108により、該素材が増悪因子候補として利用者IDに対応させて増悪因子候補DB16に記憶される(ステップS22)。
一方、ステップS18における増悪因子候補判定において、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には(ステップS19)、増悪因子候補特定部110において、利用者の食事履歴に含まれる素材の中から、増悪因子候補が特定される(ステップS20)。即ち、増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合、利用者が所定期間内に摂取した素材は、全て利用者基準値の範囲内ということになる。従って、所定期間内の食事履歴に含まれる素材の中で、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値に最も近い摂取を行っている素材を、増悪因子候補として特定する。例えば、増悪因子候補DB16において利用者IDに対応させて記憶されている所定期間内における各素材の総摂取回数及び所定期間内における各素材の総摂取量に基づいて、各素材について1回当りの摂取量を算出する。そして、算出された1回当りの摂取量と利用者基準値として示される1回当りの摂取量とを比較し、最も利用者基準値に近い値を示している素材を増悪因子候補として特定する。なお、例えば、素材毎の各項目における利用者基準値との比較結果を数値化し、全項目における比較結果の合計点が閾値を超えている場合に増悪因子候補と判定しており、閾値を超える素材が存在しない場合には、閾値に最も近い合計点を示す素材を増悪因子候補として特定するようにしてもよい。
次に、ステップS20において特定された増悪因子候補に基づいて、利用者基準値調整部112により、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を引き下げる調整が行われる(ステップS21)。即ち、利用者基準値調整部112は、例えば、利用者基準値における各素材の1回当りの摂取量を、ステップS20において算出された実際の摂取量を下回る値に引き下げる調整を行う。具体的には、キャベツの1回当りの摂取量が利用者基準値として25gとなっており、利用者が1回当りに実際に摂取した摂取量が20gとなっている場合には、キャベツの利用者基準値を20g未満、例えば、15g等に引き下げる調整を行う。
次に、食事メニュー抽出部114により、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報の中から利用者に提供可能な食事メニューを抽出する(ステップS23)。即ち、食事メニュー抽出部114は、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値(調整された利用者基準値を含む)を用い、利用者基準値により示される各素材の摂取量と食事メニューを構成する各食品の素材の使用量とを比較し、利用者基準値を超えない範囲の素材を使用した食品により構成される食事メニューを基本情報DB14の食事メニュー情報の中から抽出する。なお、増悪因子候補DB16に増悪因子候補が記憶されている場合には、食事メニュー抽出部114は、利用者基準値を用いると共に増悪因子候補を参照し、増悪因子候補として特定された素材を使用しておらず、かつ、利用者基準値を超えない範囲の素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する。
次に、食事メニュー抽出部114により抽出された食事メニューを通信制御部116を介して利用者端末6aに送信する(ステップS24)。即ち、メニュー表示制御部100により、利用者に提供可能な食事メニューとして抽出された食事メニュー情報をリスト状に示したメニュー選択画面が作成され、作成された食事メニュー選択画面のデータが、通信制御部116を介して利用者端末6aに送信される。
利用者端末6aにおいては、栄養指導システム2からネットワーク4を介して送信された食事メニュー選択画面のデータが受信される。この場合、利用者端末6aにおいては、受信した食事メニュー選択画面のデータを用いて、食事メニュー選択画面が表示部(図示省略)に表示される。従って、利用者は、表示された食事メニューの中から好みの食事メニューを選択し、選択した食事メニューを構成する食品、各食品の使用量及び調理法等の情報を得ることができる。
次に、図5のフローチャートを参照して、利用者の体調が悪化していないと判断された場合に、実施の形態に係る栄養指導システム2において行われる処理について説明する。
まず、個別履歴DB12に記憶された体調履歴により、利用者の体調悪化が示されていない場合には(ステップS16、図3参照)、利用者の体調が所定期間以上安定しているか否かを判断する(ステップS30、図5参照)。即ち、個別履歴DB12に記憶されている利用者の体調履歴を参照して、所定期間以上、例えば、1週間以上、利用者の体調が安定しているか否かを判断する。なお、上述の処理は、以下に説明するステップS31の処理と共に食事履歴抽出部106により行われる。
利用者の体調が所定期間以上安定していると判断された場合には(ステップS30)、個別履歴DB12に記憶されている食事履歴の中から、利用者の体調が安定している所定期間(安定期間)の食事履歴を抽出する(ステップS31)。即ち、個別履歴DB12に記憶されている食事履歴の中から、例えば、現時点から過去1週間の安定期間における食事履歴を、食事履歴抽出部106により抽出する。なお、利用者の体調が所定期間以上は安定していないと判断された場合には、後述するステップS35の処理へ進む。
次に、食事履歴抽出部106により抽出された食事履歴を、食事履歴分析部108により分析する(ステップS32)。即ち、食事履歴分析部108は、抽出された安定期間、例えば、1週間において利用者が摂取した各素材毎の摂取回数及び摂取量を算出する。次に、算出された摂取回数及び摂取量を用いて各素材の1回当りの摂取量を算出する。そして、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値である各素材の1回当りの摂取量と、算出された1回当りの摂取量とを比較し、算出された1回当りの摂取量が利用者基準値として示される1回当りの摂取量を超えているか否かの分析を行う。なお、食事履歴分析部108による食事履歴の分析結果は、利用者IDに対応させて基本情報DB14に記憶される。
次に、分析結果の中に摂取量が利用者基準値を超えている素材がある場合には(ステップS33)、分析結果を用いて基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を調整する(ステップS34)。即ち、利用者基準値調整部112は、例えば、利用者基準値として示されている各素材の1回当りの摂取量を、分析結果により示される実際に摂取された1回当りの摂取量に引き上げる調整を行う。なお、分析結果の中に利用者基準値を超えて摂取されている素材が存在しない場合には(ステップS33)、利用者基準値の調整を行うことなく後述するステップS35に進む。
次に、食事メニュー抽出部114は、基本情報DB14に記憶されている利用者基準値を参照して、基本情報DB14に記憶されている食事メニュー情報の中から利用者に提供可能な食事メニューを抽出する(ステップS35)。即ち、調整された利用者基準値を含む素材毎の利用者基準値として示される各素材毎の摂取量と、食事メニューを構成する食品に用いられている素材の使用量とを比較し、利用者基準値の範囲内の素材を使用した食品により構成される食事メニューが抽出される。
次に、食事メニュー抽出部114により抽出された食事メニューを通信制御部116を介して利用者端末6aに送信する(ステップS36)。なお、ステップS36における処理は、図3に示すフローチャートのステップS24における処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
この実施の形態に係る栄養指導システムによれば、利用者の体調が悪化した場合には、利用者基準値を参照して、所定期間内に利用者が摂取した素材の中から、利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する増悪因子候補を判定している。従って、利用者毎に設けられた利用者基準値を参照することによって、個々の利用者について、該利用者の体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を適切に増悪因子候補として判定することができる。
また、この実施の形態に係る栄養指導システムによれば、利用者が利用者基準値の範囲内で素材を摂取したにも拘らず、体調悪化が示された場合には、利用者の過去の食事履歴を分析し、分析結果に基づいて体調悪化を引き起こした可能性を有する素材を増悪因子候補として特定している。従って、利用者基準値を参照することにより、食事制限を有する疾患に罹患している利用者について、利用者毎の個人差を適切に反映させて増悪因子候補を特定することができる。
また、この発明の実施の形態に係る栄養指導システムは、利用者が利用者基準値の範囲内で素材を摂取したにも拘らず、体調悪化が示された場合には、利用者の過去の食事履歴を分析し、分析結果に基づいて体調悪化を引き起こした素材を増悪因子候補として特定する。そして、増悪因子候補として特定された素材については、利用者が摂取可能な素材の摂取量を示す利用者基準値を引き下げる調整を行い、調整された利用者基準値を含む各素材の利用者基準値を用い、利用者基準値の範囲内の素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出し、抽出された食事メニューを利用者に提供している。即ち、利用者基準値の範囲において素材を摂取した場合であっても、利用者の中には体調悪化を引き起こす場合がある。このような場合に、上述の栄養指導システムは、利用者毎に摂取可能な素材の摂取量を示す利用者基準値を引き下げる調整を行い、利用者基準値の範囲内の素材を用いた食品により構成される食事メニューを利用者に提供しているため、食事由来の体調悪化を適切に防止することができる。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、利用者の体調が所定期間以上安定している場合には、安定期間における利用者の食事履歴を分析し、利用者基準値を超えて摂取されている素材については、利用者基準値を引き上げる調整を行っている。即ち、利用者基準値を超えて素材を摂取した場合であっても、体調悪化を示さない場合には、利用者基準値を引き上げる調整を行うことによって、利用者の摂食可能性を拡大することができる。従って、調整された利用者基準値を含む各素材の利用者基準値を用いて、利用者基準値の範囲内の素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出し利用者に提供することによって、利用者の体調を悪化させることなく、利用者が安心して摂食可能な食事メニューの範囲を拡大することができる。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムによれば、利用者固有の利用者基準値を参照して食事メニューを抽出しているため、個々の利用者に対して各利用者が安心して摂取することができる素材を用いた食品により構成された食事メニューを提供することができる。従って、食事制限を有する利用者に対して安心して摂食可能な食事メニューを提供することができるため、利用者が食事に対する楽しみを抱くことができるように利用者の食生活を支援することができる。
なお、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、食事メニューのみを提供しているが、食事メニューを提供する際に、食事メニューを構成する食品を取り扱っている商店等の情報を併せて提供するようにしてもよい。即ち、個人属性情報に含まれる住所から、利用者の居住地域における商店の情報及び該商店において取り扱っている商品の情報を、例えば、インターネット等により収集する。そして、食事メニューを提供する際に、特定の商店においてのみ取り扱われている食品が含まれている場合には、利用者の住所から最も近くに存在する取扱商店に関する情報を、食事メニューと併せて提供するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、増悪因子候補と判定または特定された素材が増悪因子候補DBに記憶されているが、増悪因子候補について医師等が評価を行うことにより、増悪因子候補の中から増悪因子を特定するようにしてもよい。例えば、医師が利用者を診察する際に、増悪因子候補DBに記憶されている増悪因子候補を参照し、該利用者にとっての増悪因子を特定するようにしてもよい。
また、特定された増悪因子候補の中から、医師等により増悪因子が特定された場合には、医師等により特定された増悪因子に基づいて、利用者基準値を調整するようにしてもよい。更に、利用者基準値の調整を医師等が確認し、再調整を行うことができるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、利用者端末から履歴情報入力画面データの送信要求を受信した後、履歴情報入力画面データの送信から食事メニューの提供までの処理を一連の処理として行っているが、食事メニューの提供のみを行うようにしてもよい。即ち、利用者から食事メニューの提供が要求された場合に、利用者基準値を参照し、利用者基準値の範囲内の素材を使用した食品により構成される食事メニューを抽出して利用者端末に送信するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、利用者が摂食した食事メニューを選択して摂食情報を送信しているが、利用者が摂食した食事内容を示す情報を入力することができるようにしてもよい。例えば、履歴情報入力画面において、利用者が摂食した食事メニューに該当するものが存在しない場合には、利用者自らが摂食した食品及び各食品の摂取量を利用者端末の入力制御部を介して入力するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態に係る栄養指導システムにおいては、食事制限を有する疾患であって、摂取した食事内容により病態が変化することが明らかである食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、クローン病の中で、利用者がクローン病の場合を代表的な例として説明したが、利用者はこれらの疾患に罹患している患者に限定されるものではない。即ち、本願の栄養指導システムにおいては、食事制限を有し、食品素材について一般的に摂取可能な基準値が定められている病気の患者であれば、利用者の対象となるものである。即ち、摂取する食品内容が病態に影響を及ぼす可能性のある疾患として、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患、高脂血症、高血圧または肥満などの生活習慣病、クローン病の他に潰瘍性大腸炎、肝炎、肝硬変、慢性膵炎、急性膵炎または過敏性腸症候群を含む消化器系疾患、骨粗しょう症または痛風などの代謝性疾患、乾癬、喘息、湿疹または関節リウマチなどの慢性炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患、ネフローゼ、慢性腎炎または急性腎炎などの慢性循環器疾患、妊娠中毒症及び老人性栄養代謝障害の何れかに罹患している患者であれば、利用者の対象となる。
ここで、上述の実施の形態に係る栄養指導システムの基本情報DBには、利用者の病気病態毎に提供可能な食事メニュー等の情報が記憶されている。例えば、生活習慣病である糖尿病の患者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素等を示す素材情報、糖尿病の患者毎にそれぞれの患者が摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値が記憶されている。同様に、基本情報DBには、例えば、消化器系疾患である潰瘍性大腸炎の患者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素等を示す素材情報、潰瘍性大腸炎の患者毎にそれぞれの患者が摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値、例えば、代謝性疾患である痛風の患者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素等を示す素材情報、痛風の患者毎にそれぞれの患者が摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値が記憶されている。
更に、基本情報DBには、例えば、慢性炎症性疾患である関節リウマチの患者、慢性呼吸器疾患である慢性閉塞性肺疾患の患者、慢性循環器疾患であるネフローゼの患者、妊娠中毒症の患者及び老人性栄養代謝障害の患者等、それぞれの疾患の患者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素等を示す素材情報、それぞれの疾患の患者毎に各々の患者が摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値が記憶されている。
そして、何れかの疾患に罹患している患者を利用者とする場合には、基本情報DBに記憶されている利用者の疾患に対応した食事メニュー情報、素材情報及び利用者毎に摂取可能な素材の基準値を示したそれぞれの利用者の利用者基準値を参照して、各々の利用者に適した食事メニューの提供が行われる。具体的には、例えば、糖尿病の患者を利用者とする場合には、基本情報DBに記憶されている糖尿病の患者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニュー、各食品の使用量及び調理方法等を示す食事メニュー情報、食事メニューを構成する食品の素材、各素材の使用量及び栄養素などを示す素材情報及び該糖尿病である利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を参照して、糖尿病である各々の利用者に対する食事メニューの提供が行われる。その他の疾患の患者、例えば、潰瘍性大腸炎などの消化器系疾患の患者、痛風などの代謝性疾患の患者、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患の患者、慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患の患者、ネフローゼなどの慢性循環器疾患の患者、妊娠中毒症の患者及び老人性栄養代謝障害の患者を利用者とする場合にも、基本情報DBに記憶されている情報の中で、それぞれの患者の疾患に対応した食事メニュー情報、素材情報及び利用者基準値を用い、各利用者毎の利用者基準値の範囲内の素材を用いた適切な食事メニューが利用者に提供される。
なお、食事制限を有する疾患においては、一般的に病態の変化を引き起こすことが明らかになっている素材が存在するが、該素材の摂取可能な量等は個人差を有することが知られている。例えば、高血圧においては、一般的に塩分の摂取が病態の変化を引き起こすことが知られているが、高血圧の患者の中には、多少の塩分を摂取しても病態が変化しない患者がいれば、少量の塩分を摂取した場合であっても病態が悪化する患者がいる場合もある。このような場合に、上述の実施の形態に係る栄養指導システムを用い、利用者基準値を参照して食事メニューを提供することによって、利用者毎に設定された利用者基準値の範囲内の素材を用いた食事メニュー、即ち、個々の利用者に適した食事メニューを提供することができる。また、利用者毎に利用者基準値を設けることによって、利用者が摂取可能な食事メニューの範囲を拡大し、食事制限を有する疾患に罹患している患者の食生活を適切に支援することができる。
この発明の実施の形態に係る栄養指導システムを含むシステム全体のブロック構成図である。 この発明の実施の形態に係る栄養指導システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態に係る栄養指導システムの処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態に係る栄養指導システムの処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態に係る栄養指導システムの処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
2・・・栄養指導システム、4・・・ネットワーク、6a、6b、6c・・・利用者端末、8a、8b、8c・・・病院端末、10・・・データ制御部、12・・・個別履歴DB、14・・・基本情報DB、16・・・増悪因子候補DB、100・・・メニュー表示制御部、102・・・食事履歴登録部、104・・・体調履歴登録部、106・・・食事履歴抽出部、108・・・食事履歴分析部、110・・・増悪因子候補特定部、112・・・利用者基準値調整部、114・・・食事メニュー抽出部、116・・・通信制御部。

Claims (15)

  1. 利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、
    前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、
    前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、
    前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、
    前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値であって、前記利用者により判断された体調情報に基づいて調整された前記利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、
    前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、
    前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、
    前記体調履歴記憶部に記憶された体調履歴により前記利用者の体調悪化が示された場合に、調整された前記利用者基準値を用いて、前記食事履歴により示される前記利用者が摂取した素材毎に、何れの素材が前記増悪因子候補であるかを判定する増悪因子候補判定部と
    を備えることを特徴とする栄養指導システム。
  2. 前記増悪因子候補判定部において前記増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、前記利用者が摂取した素材の中で最も前記利用者基準値に近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定する増悪因子候補特定部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の栄養指導システム。
  3. 利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、
    前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、
    前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、
    前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、
    前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、
    前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、
    前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、
    前記体調履歴記憶部に記憶された体調履歴により前記利用者の体調悪化が示された場合に、前記利用者基準値を用いて、前記食事履歴により示される前記利用者が摂取した素材毎に、何れの素材が前記増悪因子候補であるかを判定する増悪因子候補判定部と、
    前記増悪因子候補判定部において前記増悪因子候補と判定された素材が存在しない場合には、前記利用者が摂取した素材の中で最も前記利用者基準値に近い摂取を行っている素材を増悪因子候補として特定する増悪因子候補特定部と、
    前記増悪因子候補特定部により特定された増悪因子候補である素材について、前記基本情報記憶部に記憶されている該素材の利用者基準値を引き下げる調整を行う利用者基準値調整部と、
    前記利用者基準値調整部により調整が行われた前記基本情報記憶部に記憶されている利用者基準値を参照し、前記食事情報記憶部に記憶されている食事メニュー情報の中から前記利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する食事メニュー抽出部と、
    前記食事メニュー抽出部により抽出された食事メニューを出力する出力部と
    を備えることを特徴とする栄養指導システム。
  4. 前記利用者基準値は、
    所定期間内における素材の摂取回数及び所定期間内における素材の摂取量の少なくとも
    一方であることを特徴とする請求項3記載の栄養指導システム。
  5. 利用者に提供可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューの情報である食事メニュー情報と、該食事メニューを構成する食品の素材及び各素材の使用量の情報である素材情報とを記憶する食事情報記憶部と、
    前記利用者が摂食した食事メニュー及び該食事メニューを構成する食品の摂取量を示す摂食情報を受信する摂食情報受信部と、
    前記利用者が摂取した素材及び各素材の摂取量を食事履歴として記憶する食事履歴記憶部と、
    前記摂食情報受信部により受信された前記摂食情報を用いて、前記食事情報記憶部に記憶されている前記食事メニュー情報及び前記素材情報を参照して、前記利用者が摂食した食事メニューを構成する食品を素材に分類し、分類された各素材の摂取量を算出して、分類された素材及び算出された該素材毎の摂取量を前記利用者の食事履歴として前記食事履歴記憶部に登録する食事履歴登録部と、
    前記利用者毎に摂取可能な素材毎の基準値を示す利用者基準値を記憶する基本情報記憶部と、
    前記利用者の体調を示す体調情報を受信する体調情報受信部と、
    前記体調情報受信部により受信された前記体調情報を前記利用者の体調履歴として記憶する体調履歴記憶部と、
    前記利用者の体調履歴を参照して、該利用者の食事履歴の中から体調が安定している安定期間の食事履歴を抽出する食事履歴抽出部と、
    前記食事履歴抽出部により抽出された安定期間の食事履歴により示される、前記安定期間内に前記利用者が摂取した素材毎に、前記利用者基準値を用いて利用者の素材の摂取状況を分析する摂取素材分析部と、
    前記摂取素材分析部による分析結果により、前記利用者基準値を超えて摂取された素材が示された場合には、前記基本情報記憶部に記憶されている前記利用者基準値を引き上げる調整を行う利用者基準値調整部と、
    前記利用者基準値調整部により調整が行われた前記基本情報記憶部に記憶されている利用者基準値を参照し、前記食事情報記憶部に記憶されている食事メニュー情報の中から前記利用者基準値の範囲内において利用者が摂取可能な素材を用いた食品により構成される食事メニューを抽出する食事メニュー抽出部と、
    前記食事メニュー抽出部により抽出された食事メニューを出力する出力部と
    を備えることを特徴とする栄養指導システム。
  6. 前記利用者が、生活習慣病、消化器系疾患、代謝性疾患、慢性炎症性疾患、慢性循環器疾患、慢性呼吸器疾患、妊娠中毒症または老人性栄養代謝障害に罹患している患者であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の栄養指導システム。
  7. 前記利用者が、クローン病に罹患している患者であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の栄養指導システム。
  8. 前記利用者が、食物アレルギーを有する患者であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の栄養指導システム。
  9. 前記利用者が、アトピー性皮膚炎に罹患している患者であることを特徴とする請求項1〜 請求項5の何れか一項に記載の栄養指導システム。
  10. 前記生活習慣病は、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患、高脂血症、高血圧または肥満であることを特徴とする請求項6 記載の栄養指導システム。
  11. 前記消化器系疾患は、潰瘍性大腸炎、肝炎、肝硬変、慢性膵炎、急性膵炎または過敏性腸症候群であることを特徴とする請求項6記載の栄養指導システム。
  12. 前記代謝性疾患は、骨粗しょう症または痛風であることを特徴とする請求項6記載の栄
    養指導システム。
  13. 前記慢性炎症性疾患は、乾癬、喘息、湿疹または関節リウマチであることを特徴とする請求項6記載の栄養指導システム。
  14. 前記慢性呼吸器疾患は、慢性閉塞性肺疾患であることを特徴とする請求項6記載の栄養指導システム。
  15. 前記慢性循環器疾患は、ネフローゼ、慢性腎炎または急性腎炎であることを特徴とする請求項6記載の栄養指導システム。
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