JP5043883B2 - ジホスフィン化合物の製造法およびその製造中間体 - Google Patents

ジホスフィン化合物の製造法およびその製造中間体 Download PDF

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Description

本発明は、ジホスフィン化合物の製造法に関する。さらに詳しくは、ホスフィンボラン錯体を用いた、遷移金属触媒の配位子として不斉合成反応に有用なホスフィノビナフチルの製造法に関する。
[発明の背景]
遷移金属に光学活性ホスフィンを配位させた触媒を用いる不斉還元、不斉異性化等において、光学活性ホスフィンとして2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(以下、BINAPと省略することもある)が汎用されているものの、基質の種類によっては反応性、立体選択性、触媒効率等の点で十分ではないため、種々の光学活性ホスフィンが製造され報告されている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、2,2'-ビス(ジ(p-トルイル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを配位子としたルテニウム錯体が炭素-炭素二重結合の不斉還元において有用であることが記載され、特許文献2には、2,2'-ビス(ジ(3,5-ジアルキルフェニル)ホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを配位子としたルテニウム錯体がβ-ケトエステルの不斉還元において有用であることが記載されている。
そして、BINAPおよびBINAP類縁体の製造法として、
1)特許文献2には、式
Figure 0005043883
〔式中、Rは低級アルキル基を示す〕で表される化合物(以下、3,5-DABINと略称する)の製造法として下記反応式が記載されている。
Figure 0005043883
上記光学分割については、ラセミ体化合物(IX)を四塩化炭素に加熱溶解し、(-)-ベンゾイル酒石酸のエーテル溶液を加えて撹拌すると、結晶が析出し、該析出結晶を再結晶して、結晶物の旋光度が一定値を示すまで、同様の操作を繰り返す。次いで精製結晶を塩化メチレン下に懸濁しておき、2N水酸化ナトリウムを加えて、(-)体の遊離のホスフィンオキサイド(-)-(IX)を得る、と記載されている。
2)特許文献3または特許文献4には、式
Figure 0005043883
〔式中、Rはトリフレート、メシレートまたはトシレートを示す〕で表される化合物を、アミン塩基とニッケル触媒の存在下にジフェニルホスフィンと反応させるBINAPの製造法が記載されている。
3)特許文献5には、光学活性な2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルに、遷移金属-ホスフィン錯体の存在下、式 A2P(O)H 〔式中、Aはフェニル基、置換フェニル基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基で置換されてもよいナフチル基を示す〕で表されるホスフィンオキサイドを反応させることによって光学活性ジホスフィン化合物及び/又は光学活性ジホスフィンモノオキサイド化合物を含む混合物を合成し、さらに光学活性ジホスフィン化合物及び/又は光学活性ジホスフィンモノオキサイド化合物を含む混合物に還元剤を反応させ、式
Figure 0005043883
〔式中、Aは前記と同意義を示す〕で表される光学活性ジホスフィンを得る製造法が記載されている。
4)非特許文献2には、(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルとジフェニルホスフィンクロライドとを、NiCl2・[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]および亜鉛の存在下反応させ、(S)-BINAPを得る製造法が記載されている。
5)特許文献6には水素、アミン、水素化触媒および遷移金属触媒の存在下で、式
Figure 0005043883
〔式中、R1は、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基またはパーフルオロアリール基を示す〕で表される光学活性2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチルのスルホン酸エステルと式
Figure 0005043883
〔式中、R2およびR3は、同じでも異なっていてもよく、それぞれアリール基またはシクロアルキル基を示す〕で表されるクロロジ置換ホスフィンを反応させることを特徴とする光学活性2,2'-ビス(ジ置換ホスフィノ)-1,1'-ビナフチルの製造法が記載されている。
6)特許文献7には、アミンおよび遷移金属の存在下で式
Figure 0005043883
〔式中、R1およびR2は、それぞれ置換されていてもよいアルキルスルホニル基または置換されていてもよいアリールスルホニル基を示す〕で表される化合物と置換基を有するジフェニルホスフィンとを反応させることを特徴とする式
Figure 0005043883
〔式中、環A、環B、環Cおよび環Dはそれぞれ置換基を有するベンゼン環を示す〕で表される化合物の製造法が記載されている。
また、ホスフィン-ボラン錯体として、
7)非特許文献3には、遷移金属と塩基の存在下でアリールトリフレート又はアリールノナフレートとジフェニルホスフィン-ボラン錯体とを反応させモノホスフィン化合物を得る製造法が記載されている。
8)非特許文献4には、2,2’-ジメトキシ-7,7’-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1’-ビナフチルとジフェニルホスフィン-ボラン錯体とを遷移金属存在下で反応させるジホスフィン化合物の合成が成功しなかったことが記載されている。
9)フェニル基に置換基を有するジフェニルホスフィン-ボラン錯体に関しては、特許文献8にビス(p-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(p-ビフェニリル)ホスフィン-ボラン錯体およびビス(2-ナフチル)ホスフィン-ボラン錯体が、非特許文献5にビス(4-メトキシ-2-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体が記載されている。
特開昭63-63690号公報 特開平3-255090号公報 特表平10-501234号公報 国際公開第WO 95/32934号パンフレット 特開平9-124669号公報 特開2000-7688号公報 特開2000-136194号公報 米国特許第2,926,194号明細書
Handbook of Enantioselective Catalysis with Transition Metal Compounds, VCH 出版社発行,1993年 ケミカル・コミュニケーションズ(Chemical Communications)、 2359-2360頁、1997年 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、40号、201-204頁、1999年 テトラへドロン・アシンメトリー(Tetrahedron Asymmetry)、5号、325-328頁、1994年 テトラへドロン(Tetrahedron)、51号、7655-7666頁、1995年
前記2)、4)、5)および6)では、反応試薬として酸化されやすく不安定な3価の有機リン化合物を、前記1)、3)では、還元剤としてトリクロロシランをそれぞれ用いているため、工業的に有利な実施方法であるとはいえず、工業的大量生産に適したBINAPおよびBINAP類縁体の製造法の確立が望まれる。
一方、前記7)および8)では、安定で取り扱いの容易なジフェニルホスフィン-ボラン錯体とアリールトリフラートとを反応させることが試みられているが、7)ではモノホスフィン化合物のみの合成に成功しているのに対して、8)に記載のようにBINAPの製造法として必要なジホスフィン化合物の合成には成功していない。
また、種々のBINAP類縁体をジフェニルホスフィン-ボラン錯体から合成するには、フェニル基に置換基を有するジフェニルホスフィン-ボラン錯体が必要となるが、9)には4種類のジフェニルホスフィン-ボラン錯体の合成例が記載されているのみである。
本発明者らは、工業的大量生産に適したBINAP類縁体の製造法について種々検討し、式
Figure 0005043883
〔式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2fはそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、カルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基を、Xは脱離基を示す〕で表される化合物〔以下、化合物(II)と省略することもある〕またはその塩と式
Figure 0005043883
〔式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基を示し、R3とR4およびR7とR8は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員の同素環または複素環を形成してもよい〕で表されるホスフィン-ボラン錯体〔以下、化合物(III)と省略することもある〕またはその塩とを、アミンおよびニッケル触媒の存在下に溶媒中で初めて反応させたところ、式
Figure 0005043883
〔式中、記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物〔以下、化合物(I)と省略することもある〕またはその塩が、短工程で、異性化を起こさず効率的に得られ、簡便性、経済性、原料の安定性に基づく操作の容易性等の点で工業的に優れた製造法であることを見いだし、これらに基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
〔1〕式
Figure 0005043883
〔式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2fはそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、カルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基を、Xは脱離基を示す〕で表される化合物またはその塩と式
Figure 0005043883
〔式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基を示し、R3とR4およびR7とR8は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員の同素または複素環を形成してもよい〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩とをアミンおよびニッケル触媒の存在下に溶媒中で反応させることを特徴とする式
Figure 0005043883
〔式中、記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩の製造法、
〔2〕Xが置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基または置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基である前記〔1〕記載の製造法、
〔3〕R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2fがそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、カルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基、R3、R4、R5、R6、R7およびR8がそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基、R9およびR10がともに水素原子、Xが置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基または置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基である前記〔1〕記載の製造法、
〔4〕R1aとR2a、R1bとR2b、R1cとR2c、R1dとR2d、R1eとR2eおよびR1fとR2fがそれぞれ同一の基である前記〔3〕記載の製造法、
〔5〕R1a、R1f、R2aおよびR2f が水素原子である前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔6〕R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2fが水素原子である前記〔3〕記載の製造法、
〔7〕R3、R5、R6およびR8が低級アルキル基であり、R4およびR7が水素原子または低級アルコキシ基である前記〔3〕記載の製造法、
〔8〕R3、R5、R6およびR8が水素原子であり、R4およびR7が低級アルキル基または低級アルコキシ基である前記〔3〕記載の製造法、
〔9〕R3、R4、R5、R6、R7およびR8が水素原子である前記〔3〕記載の製造法、
〔10〕Xがトリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシまたはp-トルエンスルホニルオキシである前記〔1〕記載の製造法、
〔11〕ニッケル触媒がNiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノC1-4アルカン、NiBr2、NiCl2、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィニルフェロセン、NiCl2・ビス(トリフェニルホスフィン)、Ni・テトラキストリフェニルホスフィン、Ni・テトラキストリフェニルホスファイトまたはNi・ジカルボニルビス(トリフェニル)ホスフィンである前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔12〕ニッケル触媒がNiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノC1-4アルカンである前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔13〕ニッケル触媒がNiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノエタンである前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔14〕アミンが3級アミンである前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔15〕アミンが1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンである前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔16〕溶媒がN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド、1-メチル-2-ピロリドンまたは1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンから選ばれる1種または2種以上の混合溶媒である前記〔1〕ないし〔3〕記載の製造法、
〔17〕R1a、R1b、R1c、R1f、R2a、R2b、R2cおよびR2fが水素原子、R1dおよびR2dが水素原子またはC6-10アリール基、R1eおよびR2eが水素原子またはC1-6アルコキシ基、R3が水素原子またはC1-6アルキル基、R4が水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基またはジC1-6アルキルアミノ基、もしくはR3とR4が隣接する炭素原子と共にベンゼン環または1,3-ジオキソラン環を形成し、R5が水素原子またはC1-6アルキル基、R6が水素原子またはC1-6アルキル基、R7が水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基またはジC1-6アルキルアミノ基、もしくはR6とR7が隣接する炭素原子と共にベンゼン環または1,3-ジオキソラン環を形成し、R8が水素原子またはC1-6アルキル基、R9が水素原子またはC1-6アルキル基、R10が水素原子またはC1-6アルキル基、Xがトリフルオロメタンスルホニルオキシ、ニッケル触媒がNiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノエタンである前記〔1〕記載の製造法、
〔18〕式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物および式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物の軸不斉部がともに(R)体である前記〔1〕記載の製造法、
〔19〕ラセミ化を伴わずに反応させることを特徴とする前記〔18〕記載の製造法、
〔20〕式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物および式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物の軸不斉部がともに(S)体である前記〔1〕記載の製造法、
〔21〕ラセミ化を伴わずに反応させることを特徴とする前記〔20〕記載の製造法、
〔22〕式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物および式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記〔1〕記載と同意義を示す〕で表される化合物の軸不斉部がともにラセミ体である前記〔1〕記載の製造法、
〔23〕2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルまたはその塩、
〔24〕式
Figure 0005043883
〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、低級アルコキシ基、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’は低級アルキレンジオキシ基を形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’およびR8’が全て水素原子である場合は除く)〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩、
〔25〕R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子または低級アルキル基、R4’およびR7’がそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、低級アルコキシ基、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基である前記〔24〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔26〕R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がフッ素原子、塩素原子、低級アルコキシ基またはジ低級アルキルアミノ基である前記〔25〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔27〕R3’、R5’、R6’およびR8’が低級アルキル基であり、R4’およびR7’が水素原子である前記〔25〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔28〕R3’、R5’、R6’およびR8’が低級アルキル基であり、R4’およびR7’が低級アルコキシ基である前記〔25〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔29〕R5’およびR8’が水素原子であり、R3’とR4’およびR7’とR8’でメチレンジオキシ基を形成する前記〔24〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔30〕R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がC2-6アルキル基である前記〔24〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔31〕R4’、R5’、R7’およびR8’が水素原子であり、R3’およびR6’が低級アルキル基である前記〔24〕記載のホスフィン-ボラン錯体、
〔32〕式
Figure 0005043883
〔式中、R9’およびR10’はそれぞれ低級アルキル基を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体、
〔33〕式
Figure 0005043883
〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、低級アルコキシ基、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基を、R9’およびR10’はそれぞれ水素原子または低級アルキル基を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’は低級アルキレンジオキシ基を形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’、R8’、R9’およびR10’が全て水素原子である場合は除く)〕で表される化合物またはその塩を、塩化セリウムおよび水素化ホウ素ナトリウムの存在下、水素化リチウムアルミニウムで還元することを特徴とする式
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩の製造法、
〔34〕式
Figure 0005043883
〔式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2f はそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、カルボキシル基または置換されていてもよいカルバモイル基を、Xは脱離基を示す〕で表される光学活性化合物またはその塩と式
Figure 0005043883
〔式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同一または異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基を示し、R3とR4およびR7とR8は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員の同素環または複素環を形成してもよい〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩とをアミンおよびニッケル触媒の存在下に溶媒中で反応させることにより得られる式
Figure 0005043883
〔式中、記号は前記と同意義を示す〕で表される光学活性化合物またはその塩の存在下に被還元化合物を還元することを特徴とする、光学活性化合物の製造法、
〔35〕不斉還元により光学活性化合物を製造するための式
Figure 0005043883
〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、低級アルコキシ基、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’は低級アルキレンジオキシ基を形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’およびR8’が全て水素原子である場合は除く)〕で表されるホスフィン-ボラン錯体もしくは式
Figure 0005043883
〔式中、R9’およびR10’はそれぞれ低級アルキル基を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはそれらの塩の使用、
〔36〕不斉還元により光学活性化合物を製造するための(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルもしくは(R)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルまたはそれらの塩の使用等に関する。
[発明の詳細な説明]
化合物(I)および化合物(II)は、(R)体、(S)体および(R)体と(S)体との混合物(両者の比率は限定しない)を示す。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の「アルキル基」とは、例えば低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基)などを示す。
該「アルキル基」の置換基としては、ニトロ、ニトロソ、シアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシ基)、ホルミル、低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどのC1-6アルキル-カルボニル基)、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどのC1-6アルコキシ-カルボニル基)、カルボキシル、N-モノ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N-イソブチルカルバモイル、N-tert-ブチルカルバモイルなどのN-モノC1-6アルキル-カルバモイル基)、N,N-ジ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジイソプロピルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルなどのN,N-ジC1-6アルキル-カルバモイル基)などが挙げられる。これらの置換基から選ばれる1ないし3個を置換可能な位置に有していてもよい。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいシクロアルキル基」の「シクロアルキル基」とは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキル基などを示す。
該「シクロアルキル基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアリール基」の「アリール基」とは、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルなどのC6-10アリール基などを示す。
該「アリール基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」の置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基)、置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどのC1-6アルキル-カルボニル基)などが挙げられる。
該「置換されていてもよいヒドロキシ基」の置換基としての、「置換されていてもよい低級アルキル基」および「置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基」が有していてもよい置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基)、置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどのC1-6アルキル-カルボニル基)などが挙げられ、これらの置換基でモノ置換またはジ置換されていてもよい。
該「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としての、「置換されていてもよい低級アルキル基」および「置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基」の有していてもよい置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキルカルボニル基」の「アルキルカルボニル基」としては、例えば低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどのC1-6アルキル-カルボニル基)などが挙げられる。
該「置換されていてもよいアルキルカルボニル基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」の「アルコキシカルボニル基」としては、例えば低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどのC1-6アルコキシ-カルボニル基)などが挙げられる。
該「置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいカルバモイル基」の置換基としては、例えば置換されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基)、置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどのC1-6アルキル-カルボニル基)などが挙げられ、これらの置換基でモノ置換またはジ置換されていてもよい。
該「置換されていてもよいカルバモイル基」の置換基としての、「置換されていてもよい低級アルキル基」および「置換されていてもよい低級アルキルカルボニル基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、Xで表される脱離基としては、例えば、臭素原子、ヨウ素原子、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基などが挙げられる。Xで表される脱離基としての「置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ等)から選ばれる置換基を1ないし13個有していてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシなど)などが挙げられる。
前記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基」としては、例えば1ないし13個、好ましくは1ないし9個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を有していてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)などが挙げられる。
Xで表される脱離基としての「置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基」の具体例としては、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、クロロメタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシなどが挙げられる。このうち、好ましくはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどである。
Xで表される脱離基としての「置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ等)、ニトロおよびシアノから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC6-10アリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、1-ナフタレンスルホニルオキシ、2-ナフタレンスルホニルオキシ等)などが挙げられる。具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、1-ナフタレンスルホニルオキシ、2-ナフタレンスルホニルオキシ、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、m-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、m-トルエンスルホニルオキシ、o-トルエンスルホニルオキシ、4-クロロベンゼンスルホニルオキシ、3-クロロベンゼンスルホニルオキシ、4-メトキシベンゼンスルホニルオキシなどが挙げられる。このうち、好ましくはp-トルエンスルホニルオキシなどである。
Xとしてメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシなどが好ましく、特にトリフルオロメタンスルホニルオキシが好ましい。
前記式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9またはR10で表される「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
該「アルキル基」とは低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基)などを示す。
該「アルケニル基」とは低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル、3-オクテニルなどのC2-6アルケニル基)などを示す。
該「アルキニル基」とは低級アルキニル基(例えば、エチニル、2-プロピニル、ブチニル、3-ヘキシニルなどのC2-6アルキニル基)などを示す。
該「シクロアルキル基」とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキル基などを示す。
該「アリール基」とは、例えば、フェニル、ナフチルなどのC6-10アリール基などを示す。
該「アラルキル基」とは、例えば、ベンジル、フェネチルなどのC7-10アラルキル基などを示す。
R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9またはR10で表される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
前記式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9またはR10で表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」とは、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」と同様のものが挙げられる。なかでも、低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)、すなわち、低級アルキル基(C1-6アルキル基)で置換されたヒドロキシ基が好ましい。
前記式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9またはR10で表される「置換されていてもよいアミノ基」とは、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアミノ基」と同様のものが挙げられる。なかでも、ジ低級アルキルアミノ基(ジC1-6アルキルアミノ基)、すなわち、低級アルキル基(C1-6アルキル基)でジ置換されたアミノ基が好ましい。
前記式中、R3とR4およびR7とR8が一緒になって隣接する炭素原子とともに形成してもよい「5ないし8員の同素環」としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ベンゼン等が挙げられる。
該「5ないし8員の同素環」は、置換基を有していてもよく、その置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
該「5ないし8員の同素環」としては、シクロヘキサン、ベンゼンなどの6員の同素環が好ましく、なかでもベンゼンが好ましい。
前記式中、R3とR4およびR7とR8が一緒になって隣接する炭素原子とともに形成してもよい「5ないし8員の複素環」としては、例えば、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピペリジン、ピリミジン、オキサゾール、フラン、ピラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
該「5ないし8員の複素環」は、置換基を有していてもよく、その置換基としては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eまたはR2fで表される「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
該「5ないし8員の複素環」としては、含酸素複素環が好ましく、なかでも1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン等が好ましく、特に1,3-ジオキソランが好ましい。
化合物(II)としては、R1aとR2a、R1bとR2b、R1cとR2c、R1dとR2d、R1eとR2eおよびR1fとR2f がそれぞれ同一の基であるものが好ましく、なかでもR1a、R1f、R2aおよびR2fが水素原子であるものが好ましい。さらには、R1a、R1b、R1c、R1f、R2a、R2b、R2cおよびR2fが水素原子、R1dおよびR2dが水素原子またはC6-10アリール基、R1eおよびR2eが水素原子またはC1-6アルコキシ基であるものが好ましく、特にR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2a、R2b、R2c、R2d 、R2eおよびR2fが全て水素原子であるものが好ましい。
化合物(II)の具体例としては、2,2'-ビス(メタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(p-トルエンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、6,6’-ジフェニル-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、7,7’-ジメトキシ-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルなどが挙げられる。このうち好ましくは、2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、6,6’-ジフェニル-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル、7,7’-ジメトキシ-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルなど、より好ましくは2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルが挙げられる。
化合物(II)としては、光学活性な化合物(II)〔(R)体または(S)体〕が好ましい。光学活性な化合物(II)の例として、例えば、(R)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルは、式
Figure 0005043883
で表される化合物を、(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチルは、式
Figure 0005043883
で表される化合物を示す。
化合物(III)としては、R3が水素原子またはC1-6アルキル基、R4が水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基またはジC1-6アルキルアミノ基、もしくはR3とR4が隣接する炭素原子と共にベンゼン環または1,3-ジオキソラン環を形成し、R5が水素原子またはC1-6アルキル基、R6が水素原子またはC1-6アルキル基、R7が水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1-6アルキル基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基またはジC1-6アルキルアミノ基、R8が水素原子またはC1-6アルキル基、もしくはR7とR8が隣接する炭素原子と共にベンゼン環または1,3-ジオキソラン環を形成し、R9が水素原子またはC1-6アルキル基、R10が水素原子またはC1-6アルキル基であるものが好ましい。
なかでも、R3、R5、R6およびR8が同一の基、R4およびR7が同一の基、R9およびR10が水素原子であるものが好ましい。例えば、(i)R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が水素原子であるもの、(ii)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7がフッ素原子または塩素原子であるもの、(iii)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であるもの、(iv)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)であるもの、(v)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7がジ低級アルキルアミノ基(ジC1-6アルキルアミノ基)であるもの、(vi) R3、R5、R6およびR8が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4、R7、R9およびR10が水素原子であるもの、(vii)R3、R5、R6およびR8が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4およびR7が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)であり、R9およびR10が水素原子であるものおよび(viii)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7がC6-10アリール基であるものが挙げられる。
特に、(i) R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が水素原子であるもの、(ii)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であるもの、(iii)R3、R5、R6、R8、R9およびR10が水素原子であり、R4およびR7が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)であるもの、(iv)R3、R5、R6およびR8が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4、R7、R9およびR10が水素原子であるものおよび(v) R3、R5、R6およびR8が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4およびR7が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)であり、R9およびR10が水素原子であるものが好ましい。
また、(i)R3およびR6が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4、R5、R7、R8、R9およびR10が水素原子であるものおよび(ii)R3とR4およびR7とR8が一緒になって隣接する炭素原子とともにベンゼン環または1,3-ジオキソランを形成し、R5、R6、R9およびR10が水素原子であるものも好ましい例として挙げられる。
化合物(III)の具体例としては、例えば、ジフェニルホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン−ボラン錯体、ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-クロロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体などが挙げられる。
本発明で使用する「アミン」としては、例えば、1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(略称:DABCO)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n-プロピル)アミン、トリ(n-ブチル)アミン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン(略称:DBU)、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアニリン、1,4-ジメチルピペラジン、1-メチルピペリジン、1-メチルピロリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ピリジン、ジエチルアミンなどのアミン類が挙げられる。このうち好ましくは1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの3級アミンである。特に好ましくは、1,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンである。
本発明で使用するニッケル触媒としては、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノC1-4アルカン、NiBr2、NiCl2、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィニルフェロセン、NiCl2・ビス(トリフェニルホスフィン)、Ni・テトラキストリフェニルホスフィン、Ni・テトラキストリフェニルホスファイト、Ni・ジカルボニルビス(トリフェニル)ホスフィン、NiBr2・ビス(トリフェニルホスフィン)、Ni・ビス(1,5-シクロオクタジエン)、Ni・ビス(シクロペンタジエニル)、Ni・ビス(エチルシクロペンタジエニル)、NiCl2・ジメトキシエタン、Ni(BF4)2またはNi(PF3)4などが挙げられる。
なかでも、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノC1-4アルカン、NiBr2、NiCl2、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィニルフェロセン、NiCl2・ビス(トリフェニルホスフィン)、Ni・テトラキストリフェニルホスフィン、Ni・テトラキストリフェニルホスファイトまたはNi・ジカルボニルビス(トリフェニル)ホスフィンなどが好ましい。
とりわけ、NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノC1-4アルカンなどが好ましく、特にNiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィノエタンが好ましい。
化合物(I)の具体例としては、2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(2-メチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(3-メチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-メチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス[ビス(2-ナフチル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジフェニル-1,1'-ビナフチル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,7’-ジメトキシ-1,1'-ビナフチルなどが挙げられる。上記化合物は、(R)体、(S)体および(R)体と(S)体との混合物(両者の比率は限定しない)が含まれる。光学活性な化合物(I)の例として、例えば、(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルは、式
Figure 0005043883
で表される化合物を、(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルは、式
Figure 0005043883
で表される化合物を示す。
化合物(I)、化合物(II)および化合物(III)の塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、蓚酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。また、化合物(I)、化合物(II)および化合物(III)がカルボキシル基等の酸性基を有している場合には、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、アンモニアなど)との塩、または有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンなど)との塩などが用いられる。
また、化合物(III)の中で、式
Figure 0005043883
〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、低級アルコキシ基、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’は低級アルキレンジオキシ基を形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’およびR8’が全て水素原子である場合は除く)〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩〔以下、化合物(III’)と省略することもある〕および式
Figure 0005043883
〔式中、R9’およびR10’はそれぞれ低級アルキル基を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩〔以下、化合物(III”)と省略することもある〕は新規化合物である。
化合物(III’)中、R3’、R5’、R6’またはR8’で表される「低級アルキル基」とは、C1-6アルキル基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
化合物(III’)中、R3’、R5’、R6’またはR8’で表される「低級アルコキシ基」とは、C1-6アルコキシ基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシロキシなどが挙げられる。
化合物(III’)中、R4’またはR7’で表される「C2-6アルキル基」とは、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、なかでもイソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等の分枝状のC3-6アルキル基が好ましい。
化合物(III’)中、R4’またはR7’で表される「低級アルコキシ基」とは、C1-6アルコキシ基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシロキシなどが挙げられる。
化合物(III’)中、R4’またはR7’で表される「モノ低級アルキルアミノ基」とは、モノC1-6アルキルアミノ基を示し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノなどが挙げられる。
化合物(III’)中、R4’またはR7’で表される「ジ低級アルキルアミノ基」とは、ジC1-6アルキルアミノ基を示し、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノなどが挙げられる。
化合物(III’)中、R3’とR4’およびR7’とR8’で形成される「低級アルキレンジオキシ基」とは、-OCH2O-、-OCH2CH2O-、-OCH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2CH2O-などが挙げられる。なかでも-OCH2O-、-OCH2CH2O-が好ましい。
化合物(III’)として好ましい化合物として、
(i)R3’、R5’、R6’およびR8’が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4’およびR7’が水素原子である化合物、
(ii)R3’、R5’、R6’およびR8’が低級アルキル基(C1-6アルキル基)であり、R4’およびR7’が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)である化合物、
(iii)R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がフッ素原子または塩素原子である化合物、
(iv)R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’が低級アルコキシ基(C1-6アルコキシ基)である化合物または
(v)R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がジ低級アルキルアミノ基(ジC1-6アルキルアミノ基)である化合物、もしくはこれらの塩などが挙げられる。
また、
(vi) R5’およびR8’が水素原子であり、R3’とR4’およびR7’とR8’でメチレンジオキシ基を形成する化合物、
(vii)R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がC2-6アルキル基である化合物、
(viii)R4’、R5’、R7’およびR8’が水素原子であり、R3’およびR6’が低級アルキル基(C1-6アルキル基)である化合物も好ましい。
より具体的には、ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-クロロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体などが好ましい。
化合物(III”)中、R9’またはR10’で表される「低級アルキル基」とは、C1-6アルキル基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
化合物(III”)の具体例としては、ビス(2-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体などが挙げられる。
化合物(III’)および化合物(III”)の塩としては、前記した化合物(I)、化合物(II)および化合物(III)の塩と同様のものが挙げられる。
本発明の製造法は、化合物(II)と化合物(III)とを、アミンおよびニッケル触媒存在下、溶媒中で反応させ、化合物(I)を得るものである。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して約2ないし5モル、好ましくは約2ないし3モルである。
アミンの使用量は、化合物(II)1モルに対して約2ないし10モル、好ましくは約2ないし8モルである。
ニッケル触媒の使用量は、化合物(II)1モルに対して約0.01ないし10モル、好ましくは約0.05ないし1モルである。
前記反応は、不活性な有機溶媒中で行うことができる。該有機溶媒としては、炭化水素類(例、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンなど)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなど)、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼンなど)、脂肪族エステル類(例、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチルなど)、エーテル類(例、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素類など)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなど)、ケトン類(例、アセトン、エチルメチルケトンなど)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(例、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、リン酸アミド類(例、ヘキサメチルリン酸アミドなど)等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、また混合溶媒として用いてもよい。好ましい溶媒はアミド類、スルホキシド類、リン酸アミド類などである。さらに好ましくはアミド類(N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)である。
該反応における反応温度は、約30ないし180℃、好ましくは約80ないし120℃である。該反応における反応時間は、約1ないし240時間、好ましくは約24ないし168時間である。
生成物は常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
化合物(II)は、自体公知の方法、例えばテトラへドロンレターズ,31巻,985頁,1990年、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,58巻,1945頁,1993年等に記載の方法に従って製造できる。このようにして得られる化合物(II)は、単離せずに反応混合物として、化合物(III)との反応に用いてもよい。
化合物(III)は、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、33巻、3690頁、1968年に記載の方法に従って得た置換基を有するホスフィンオキサイドを、塩化セリウム、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化リチウムアルミニウムの存在下で反応させ製造できる。
Figure 0005043883
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕
塩化セリウムの使用量は、ホスフィンオキサイド1モルに対して約1ないし6モル、好ましくは約3ないし5モルである。
水素化ホウ素ナトリウムの使用量は、ホスフィンオキサイド1モルに対して約2ないし10モル、好ましくは約3ないし5モルである。
水素化リチウムアルミニウムの使用量は、ホスフィンオキサイド1モルに対して約0.25ないし5モル、好ましくは約1ないし3モルである。
前記反応は、不活性な有機溶媒中で行うことができる。該有機溶媒としては、炭化水素類(例、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンなど)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなど)、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼンなど)、エーテル類(例、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)、リン酸アミド類(例、ヘキサメチルリン酸アミドなど)等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、また混合溶媒として用いてもよい。好ましい溶媒はエーテル類、炭化水素類、芳香族炭化水素類などである。さらに好ましくはエーテル類(例、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)である。
該反応における反応温度は、約-20ないし50℃、好ましくは約-10ないし35℃である。該反応における反応時間は、約1ないし48時間、好ましくは約1ないし20時間である。
また、米国特許第2,926,194号明細書に記載の方法に準じて置換基を有するホスフィンにジボランを作用させ得てもよい。
生成物は常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
このようにして得られる化合物(III)は、単離せずに、反応混合物として、化合物(II)との反応に用いてもよい。
前記条件下で本反応を行うことにより、化合物(II)の構造を異性化させることなく化合物(I)の製造を行うことができる。すなわち、本発明において、光学活性な化合物(II)の(R)体および(S)体のどちらかの光学異性体を適宜選択すれば、目的とする化合物(I)の光学異性体を選択的に得ることができる。例えば、化合物(II)の(R)体を用いた場合、化合物(I)の(R)体が効率よく製造でき、化合物(II)の(S)体を用いた場合、化合物(I)の(S)体が効率よく製造できる。
本発明の製造法により得られる化合物(I)、特にその光学異性体は、遷移金属(例、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、ロジウム等)と錯体を形成する(例えば、特開平3-255090号公報、特開平9-124669号公報に記載の方法またはそれに準じた方法に従って錯体を形成することができる)ことにより、光学活性な医薬品(例、頻尿・尿失禁予防治療薬、アルツハイマー病予防治療薬、高脂血症予防治療薬等)またはそれらの中間体として有用な化合物を製造する際の不斉合成反応(例、炭素-炭素二重結合の不斉還元、β-ケトエステルの不斉還元等)に利用できる。該錯体は、上記不斉合成反応において、優れた立体選択率、化学収率、触媒活性等を示す。
例えば、本発明の製造法により得られた化合物(I)を被還元化合物の還元反応に共存させることにより、医薬品の中間体として有用な化合物を優れた立体選択性で得ることができる。特に化合物(I)のなかでも、2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルまたはその塩をα,β-不飽和エステルの還元反応に共存させることにより、優れた立体選択性、化学収率、触媒活性を示すことができる。
発明の実施の形態
以下に実施例および参考例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本明細書中、室温は、10℃ないし35℃を示す。なお、実施例の各物性の測定には次の機器を用いた。1H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン。13C核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:CDCl331P核磁気共鳴スペクトル(31P-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、外部基準物質:85%H3PO4水溶液。質量分析:JMS-700T(日本電子社製)。融点:530(ビュッヒ社製)。
参考例1
(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル
(S)-1,1’-ビ-2-ナフトール(26.2 g, 91 mmoL)のアセトニトリル(130 mL)溶液に、ピリジン(19.5 g, 2.7 当量)を室温で加えた。ついでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(64.2 g, 2.5 当量)を5℃で加え、5ないし10℃で2時間撹拌した。3℃で水(100 mL)を加え、ついで酢酸エチル(130 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(50 mL)で洗浄後、減圧濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル(150 mL)および活性炭(0.25 g)を加え60℃で30分攪拌した。活性炭をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(48.9 g,白色結晶)を得た。収率97%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.33 (d, 2H, J = 8.14 Hz), 7.34-7.46 (m, 2H), 7.57-7.63 (m, 2H), 7.68 (d, 2H, J = 9.09 Hz), 8.03 (d, 2H, J = 8.23 Hz), 8.16 (d, 2H, J = 9.08 Hz).
参考例2
ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
(製造法1)
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(25 g, 0.95 当量)および少量のヨウ素のTHF (250 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。5-ブロモ-m-キシレン(200 g, 1.08 moL)を48℃で加えた後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(78.3 g, 0.52 当量)を加えた後、5℃で2時間撹拌した。3℃で水(200 mL)を加え、ついでトルエン(200 mL)、6M-HCl(160 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(100 mL)、5%NaHCO3水溶液(100 mL)、5%NaCl水溶液(100 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル-ヘプタンより再結晶し、表題化合物(43.3 g, 白色結晶)を得た。収率33.3%。
(製造法2)
窒素気流下、マグネシウム(3.28 g, 4.01 当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのTHF(10 mL)溶液を室温で1.5時間撹拌した。5-ブロモ-m-キシレン(25.2 g, 4.05 当量)のTHF(100 mL)溶液を25℃で加えた後、40℃で40分間攪拌した。ついで-33℃で亜リン酸ジエチル(4.64 g, 33.6 mmol)のTHF(5 mL)溶液を加えた後、0℃で30分間撹拌した。3℃で水(30 mL)を加え、ついで6M-HCl(20 mL)、トルエン(50 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を10%NaHCO3水溶液(30 mL)で洗浄し、有機層を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、乾燥後(減圧、50℃)、表題化合物(6.80 g,白色粉末)を得た。収率78.3%。融点:82.4℃。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.35 (s, 12H), 7.18 (s, 2H), 7.28 (s, 2H), 7.33 (s, 2H), 7.94 (d, 1H, JH-P= 477.0 Hz).
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 23.89 (d, quint, JH-P = 477.1 Hz, JHCC-P = 13.7 Hz).
参考例3
ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(6.5 g, 1.0 当量)および少量のヨウ素のTHF(65 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。4-ブロモアニソール(50 g, 0.27 moL)を42℃で加えた後、5℃で1時間攪拌した。ついで15ないし20℃で亜リン酸ジエチル(18.4 g, 0.50 当量)を加えた後、5℃で1時間撹拌した。3℃で水(60 mL)を加え、ついでトルエン(120 mL)、6M-HCl(60 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(60 mL)で3回抽出した。ついで合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(18.9 g, 白色結晶)を得た。収率54.1%。融点126.0℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.85 (s, 6H), 6.99 (d, 2H, J = 8.79 Hz), 7.00 (d, 2H, J = 8.73 Hz), 7.61 (dd, 4H, J = 8.73 Hz, 13.13 Hz), 8.02 (d, 1H, J = 477.2 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 21.21 (dquint, J = 474.1 Hz, 13.0 Hz).
元素分析 C14H15O3Pとして
計算値; C: 64.12, H: 5.77, P:11.81.
実測値; C: 64.12, H: 5.89, P:11.78.
参考例4
ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(3.0 g, 1.0 当量)および少量のヨウ素のTHF(30 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。4-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン(25 g, 0.125 moL)を45℃で加えた後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(8.63 g, 0.50 当量)を加えた後、5℃で1時間撹拌した。3℃で水(30 mL)を加え、ついでトルエン(60 mL)、6M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をNaOHで中和しTHF(30 mL)で抽出した。ついで合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(9.53 g, 微褐白色結晶)を得た。収率52.9%。融点152.1℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.01 (s, 12H), 6.71 (d, 2H, J = 8.94 Hz), 6.72 (d, 2H, J = 8.94 Hz), 7.48 (d, 2H, J = 8.91 Hz), 7.52 (d, 2H, J = 8.88 Hz), 7.96 (d, 1H, J = 470.1 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.78 (dquint, J = 469.2 Hz, 12.7 Hz).
元素分析 C16H21N2OPとして
計算値; C: 66.65, H: 7.34, N:9.72, P:10.74.
実測値; C: 66.56, H: 7.43, N:9.57, P:10.79.
参考例5
ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(6.95 g, 1.0 当量)および少量のヨウ素のTHF(70 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(50 g, 0.286 moL)を40℃で加えた後、3℃で1時間攪拌した。ついで13ないし19℃で亜リン酸ジエチル(19.7 g, 0.50 当量)を加えた後、5℃で1時間撹拌した。4℃で水(45 mL)を加え、ついでトルエン(150 mL)、6M-HCl(45 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、ついで有機層を水、5%NaHCO3水溶液(50 mL)、5%NaCl水溶液(50 mL)で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0→3/1)で精製した。表題化合物(12.0 g, 薄赤色オイル)を得た。収率35.2%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.01-7.03 (m, 4H), 7.64-7.74 (m, 4H), 8.08 (d, 1H, J = 485.8 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 19.39 (dquint, J = 485.7 Hz, 13.3 Hz).
参考例6
4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルアニソール
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(50 g, 0.175 moL)および炭酸カリウム(96.7 g, 4.0 当量)のアセトン(750 mL)溶液に硫酸ジメチル(38.6 g, 1.75 当量)を22℃で加えた後、還流下で13時間攪拌した。不溶物をろ去後、溶媒を減圧留去した。酢酸エチル(150 mL)、水(100 mL)を加え、分液し、有機層を水(100 mL)、5%NaHCO3水溶液(100 mL)、5%NaCl水溶液(100 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。表題化合物(56.1 g,褐色オイル)を得た。収率95.2%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.41 (s, 18H), 3.68 (s, 3H), 7.33 (s, 2H).
参考例7
ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(4.0 g, 0.95 当量)および少量のヨウ素のTHF(50 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。参考例6で合成した4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルアニソール(52 g, 0.175 moL)を46℃ないし53℃で加えた後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(11.4 g, 0.52 当量)を加えた後、5℃で1時間撹拌した。3℃で水(50 mL)を加え、ついでトルエン(50 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(20 mL)、5%NaHCO3水溶液(20 mL)、5%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(11.6 g,薄黄白色結晶)を得た。収率20.5%。融点166.1℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.38 (s, 36H), 3.68 (s, 6H), 7.49 (s, 2H), 7.54 (s, 2H), 8.01 (d, 1H, J = 474.4 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 23.57 (dquint, J = 474.1 Hz, 14.0 Hz).
元素分析 C30H47O3Pとして
計算値; C: 74.04, H: 9.73, P:6.36.
実測値; C: 74.13, H: 9.93, P:6.20.
参考例8
ビス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(3.55 g, 1.0 当量)および少量のヨウ素のTHF (30 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。p-トリルブロマイド(25 g, 0.146 moL)のTHF (5 mL)溶液を30℃で加えた。ついで45℃で30分間攪拌した後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(10.08 g, 0.5 当量)を加えた後、5℃で1時間、室温(25℃)で30分間撹拌した。3℃で水(10 mL)を加え、ついでトルエン(40 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル-ヘプタンより再結晶し、表題化合物(7.78 g,白色結晶)を得た。収率46.3%。融点93.7℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.41 (s, 6H), 7.26-7.31 (m, 4H), 7.54-7.61 (m, 4H), 8.03 (d, 1H, J = 477.5 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 22.05, 128.22, 129.89, 130.07, 131.06, 131.22, 143.43.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.72 (dquint, J = 477.1 Hz, 13.8 Hz).
元素分析 C14H15OPとして
計算値; C: 73.03, H: 6.57, P:13.45.
実測値; C: 72.80, H: 6.58, P:13.31.
参考例9
ビス(2-メチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(3.55 g, 1.0 当量)および少量のヨウ素のTHF (40 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。o-トリルブロマイド(25 g, 0.146 moL)のTHF (5 mL)溶液を30℃で加えた。ついで40℃で30分間攪拌した後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(10.08 g, 0.5 当量)のTHF(10 mL)溶液を加えた後、5℃で1時間撹拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(50 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(6.70 g,白色結晶)を得た。収率39.9%。融点91.3℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.37 (s, 6H), 7.18-7.26 (m, 2H), 7.29-7.34 (m, 2H), 7.43-7.48 (m, 2H), 7.70 (d, 1H, J = 15.06Hz), 7.72 (d, 1H, J = 14.82Hz), 8.21 (d, 1H, J = 476.9 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 20.59, 126.36, 126.53, 129.04, 130.36, 131.55, 131.69, 132.76, 132.93, 141.44, 141.57.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 16.66-17.93 (m), 20.26-21.86 (m).
参考例10
ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(2.26 g, 0.95 当量)、少量のヨウ素および少量の1,2-ジブロモエタンのTHF (25 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。4-ブロモ-2,6-ジメチルアニソール(20 g, 0.093 moL)のTHF (10 mL)溶液を20℃で加えた。ついで40℃で30分間攪拌した後、5℃で30分間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(7.53 g, 0.5 当量)のTHF (10 mL)溶液を加えた後、5℃で2時間撹拌した。3℃でトルエン(50mL)を加え、ついで3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 20 g、トルエン→酢酸エチル)で精製した。表題化合物(6.91 g,無色オイル)を得た。収率46.7%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.30 (s, 12H), 3.74 (s, 6H), 7.34 (d, 4H, J = 13.74Hz), 7.91 (d, 1H, J = 476.8 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.63 (dquint, J = 477.0 Hz, 13.6 Hz).
参考例11
ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(3.01 g, 1.0 当量)、少量のヨウ素および少量の1,2-ジブロモエタンのTHF (30 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。5-ブロモ-1,3-ベンゾジオキソール(25 g, 0.124 moL)のTHF (20 mL)溶液を35℃で加えた。ついで40℃で30分間攪拌した後、5℃で30分間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(10.07 g, 0.5 当量)のTHF (10 mL)溶液を加えた後、5℃で1時間撹拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(70 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。THF (30 mL)加え、反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(7.75 g,白色結晶)を得た。収率43.1%。融点127.9℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 6.01 (s, 4H), 6.90 (dd, 2H, J = 7.86Hz, 2.22Hz), 7.04 (dd, 2H, J = 12.87Hz, 1.14Hz), 7.18-7.26 (m, 2H), 7.92 (d, 1H, J = 483.0 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 102.14, 109.31, 109.53, 110.25, 110.44, 124.35, 125.76, 126.52, 126.69, 148.60, 148.85, 151.80.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.59 (dquint, J = 483.5 Hz, 13.4 Hz).
元素分析 C14H11O5Pとして
計算値; C: 57.94, H: 3.82, P:10.67.
実測値; C: 57.88, H: 3.83, P:10.57.
参考例12
ビス(2-ナフチル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(2.94 g, 1.0 当量)、少量のヨウ素および少量の1,2-ジブロモエタンのTHF (30 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。2-ブロモナフタレン(25 g, 0.121 moL)のTHF (20 mL)溶液を35℃で加えた。ついで40℃で30分間攪拌した後、5℃で30分間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(9.77 g, 0.5 当量)のTHF (10 mL)溶液を加えた後、5℃で3時間撹拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(60 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル-ヘプタンより再結晶し、表題化合物(9.62 g,白色結晶)を得た。収率53.0%。融点98.3℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.49-7.64 (m, 6.5H), 7.86-7.95 (m, 6H), 8.40 (d, 2H, J = 15.75Hz), 9.15 (s, 0.5H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 125.07, 125.23, 127.13, 127.76, 127.93, 128.81, 128.96, 132.43, 132.62, 132.82, 132.96, 135.05.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.99 (dquint, J = 481.0 Hz, 13.3 Hz).
参考例13
ビス(4-クロロフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、0℃にて亜リン酸ジエチル(5.40 g, 0.033mmoL)のTHF (30 mL)溶液に4-クロロマグネシウムブロマイド 1M ジエチルエーテル溶液(100 mL, 3.0当量)を加えた後、5℃で2時間撹拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(80 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaHCO3水溶液(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(8.70 g,白色結晶)を得た。収率97.3%。融点124.0℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.47-7.52 (m, 4H), 7.57-7.65 (m, 4H), 8.05 (d, 1H, J = 487.1Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 129.13, 129.77, 129.95, 130.49, 132.36, 132.53, 139.95.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 17.59-18.54 (m), 21.62-22.70 (m).
参考例14
ビス(ビフェニル-4-イル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(2.60 g, 1.0 当量)、少量のヨウ素および少量の1,2-ジブロモエタンのTHF (20 mL)溶液を室温で30分間撹拌した。4-ブロモビフェニル(25 g, 0.107 moL)のTHF (20 mL)溶液を35℃で加えた。ついで40℃で1時間攪拌した後、5℃で30分間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(7.39 g, 0.5 当量)のTHF (10 mL)溶液を加えた後、5℃で2時間撹拌した。3℃でトルエン(60 mL)を加え、ついで、3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。THF (50 mL)を加え、反応液を分液し、有機層を5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(12.47 g,白色結晶)を得た。収率65.8%。
1H-NMR (300 MHz, THF-d8, TMS) δ: 7.34-7.43 (m, 7H), 7.57-7.66 (m, 5H), 7.78-7.87 (m, 6H), 8.11 (d, 1H, J = 479.3Hz).
13C-NMR (75 MHz, THF-d8, CDCl3) δ: 124.80, 125.06, 125.11, 125.29, 125.99, 126.58, 126.80, 128.95, 129.10.
31P-NMR (121 MHz, THF-d8, 85%H3PO4) δ: 16.35 (dquint, J = 479.5 Hz, 13.3 Hz).
参考例15
ビス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
窒素気流下、マグネシウム(3.62 g, 4.0 当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのTHF(24 mL)溶液を室温で30分間撹拌した。p-tert-ブチルブロモベンゼン(31.62 g, 3.99 当量)のTHF(130 mL)溶液を24℃で加えた後、40℃で30分間攪拌した。ついで21℃で亜リン酸ジエチル(5.14 g, 37.2 mmol)のTHF(8 mL)溶液を加えた後、22℃で30分間撹拌した。4℃で6M-HCl(20 mL)を加え、ついで水(20 mL)、トルエン(60 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(20 mL)、10%NaHCO3水溶液(20 mL)、10%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(9.17 g, 白色粉末)を得た。収率78.4%。融点:142.5℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.33 (s, 18H), 7.50-7.68 (m, 8H), 8.05 (d, 1H, JH-P = 477.2 Hz).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 31.00, 35.00, 125.88, 127.66, 129.04, 130.47, 130.63, 155.94, 155.98.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.32 (d, quint, JH-P = 478.0 Hz, JHCC-P = 13.2 Hz).
元素分析 C20H27OPとして
計算値; C: 76.40, H: 8.66, P: 9.85.
実測値; C: 76.44, H: 8.64, P: 9.53.
参考例16
ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
窒素気流下、マグネシウム(1.21 g, 3.61当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのTHF(8 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。1-ブロモ-3,5-ジ-tert-ブチルベンゼン(12.99 g, 3.49 当量)のTHF(40 mL)溶液を23℃で加えた後、40℃で30分間攪拌した。ついで24℃で亜リン酸ジエチル(1.90 g,13.8 mmol)のTHF(3 mL)溶液を加えた後、24℃で30分間撹拌した。2℃で6M-HCl(7 mL)を加え、ついで水(7 mL)、トルエン(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(7 mL)、10%NaHCO3水溶液(7 mL)、10%NaCl水溶液(7 mL)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(3.38g, 白色粉末)を得た。収率57.5%。融点:184.6℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.33 (s, 36H), 7.53 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 8.10 (d, 1H, JH-P = 474.9 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 31.23, 35.00, 124.75, 124.91, 126.49, 126.52, 129.96, 131.30, 151.30, 151.46.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 24.94 (d, quint, JH-P = 474.8 Hz, JHCC-P = 14.3 Hz).
元素分析 C28H43OPとして
計算値; C: 78.83, H: 10.16, P: 7.26.
実測値; C: 78.74, H: 9.93, P: 7.16.
参考例17
ビス(m-トリル)ホスフィンオキサイド
Figure 0005043883
窒素気流下、マグネシウム(3.60 g, 3.50当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのTHF(25 mL)溶液を室温で30分間撹拌した。m-ブロモトルエン(25.36 g, 3.51 当量)のTHF(130 mL)溶液を24℃で加えた後、40℃で30分間攪拌した。ついで25℃で亜リン酸ジエチル(5.84 g, 42.3 mmol)のTHF(10 mL)溶液を加えた後、24℃で1.5時間撹拌した。4℃で6M-HCl(20 mL)を加え、ついで水(20 mL)、トルエン(60 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を10%NaHCO3水溶液(20 mL)、水(20 mL)、10%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、さらにメンブランフィルター(0.2 μm)で減圧ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、表題化合物(9.09 g,無色オイル)を得た。収率93.3%
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.34 (s, 6H), 7.31-7.54 (m, 8H), 7.97 (d, 1H, JH-P = 479.3 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 21.25, 127.53, 127.69, 128.60, 128.78, 130.93, 131.08, 133.25, 133.29, 138.67, 138.84.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 23.25 (d, quint, JH-P = 479.2 Hz, JHCC-P = 13.8 Hz).
質量分析(FAB-HR); 計算値; 231.0939.
実測値; 231.0918(MH+).
参考例18
ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(7.89 g, 3.0 当量)のTHF(20 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.25 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例8で合成したビス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキサイド(2.5 g, 0.011 moL)および水素化リチウムアルミニウム(0.494 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で17時間攪拌した。3℃で水(10 mL)を加え、ついでトルエン(20 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(30 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaHCO3水溶液(20 mL)、5%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アルミナ 25 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(1.28 g,白色結晶)を得た。収率51.0 %。融点78.6℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.43-1.61 (m, 3H), 2.38 (s, 6H), 6.26 (dq, 1H, J = 377.5 Hz, 6.24 Hz), 7.24-7.27 (m, 4H), 7.51-7.58 (m, 4H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 21.90, 123.02, 123.81, 130.14, 130.28, 133.22, 133.35, 142.44.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -1.44- -0.16 (m), 1.62-3.19 (m).
元素分析 C14H18BPとして
計算値; C: 73.72, H: 7.95, P:13.58.
実測値; C: 73.65, H: 7.93, P:13.54.
参考例19
(S)-6,6’-ジブロモ-2,2'-ビス(メトキシメチルオキシ)-1,1'-ビナフチル
(S)-6,6’-ジブロモ-1,1’-ビ-2-ナフトール(4.0 g, 9.0 mmoL)のジクロロメタン(40 mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.49 g, 3.0 当量)を室温(25℃)で加えた。ついでクロロメチルメチルエーテル(1.59 g, 2.2 当量)を5℃で加え、室温で18時間撹拌した。3℃で水(10 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(4.28 g, 薄黄白色結晶)を得た。収率89.4%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.16 (s, 6H), 5.04 (dd, 4H, J = 32.32 Hz, 6.85 Hz), 6.98 (d, 2H, J = 9.02 Hz), 7.29 (dd, 2H, J = 9.03 Hz, 2.01 Hz), 7.60 (d, 2H, J = 9.07 Hz), 7.87 (d, 2H, J = 9.08 Hz), 8.04 (d, 2H, J = 1.93Hz).
参考例20
(S)-2,2'-ビス(メトキシメチルオキシ)-6,6’-ジフェニル-1,1'-ビナフチル
(S)-6,6’-ジブロモ-2,2'-ビス(メトキシメチルオキシ)-1,1'-ビナフチル(2.0 g, 3.76 mmoL)のジメトキシエタン(20 mL)溶液に、ジヒドロキシフェニルボラン(1.37 g, 3.0 当量)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.43 g, 0.1 当量)および炭酸ナトリウム(1.99 g, 3.0 当量)水溶液(2 mL)を室温(25℃)で加え、還流下で8時間撹拌した。3℃で水(10 mL)、酢酸エチル(20 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 25 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製した。有効分画を減圧濃縮して表題化合物(1.63 g,黄色アモルファス)を得た。収率82.2%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.22 (s, 6H), 5.10 (dd, 4H, J = 29.74 Hz, 6.77 Hz), 7.29-7.39 (m, 4H), 7.45-7.57 (m, 6H), 7.63-7.73 (m, 6H), 8.05 (d, 2H, J = 9.00 Hz), 8.12 (d, 2H, J = 1.66 Hz).
参考例21
(S)-6,6’-ジフェニル-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル
(S)-2,2'-ビス(メトキシメチルオキシ)-6,6’-ジフェニル-1,1'-ビナフチル(1.63 g, 3.08 mmoL)のTHF(5 mL)溶液に、6M-HCl水溶液(5 mL)を加え、還流下で7時間撹拌した。3℃で30%NaOH水溶液、酢酸エチル(20 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 25 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。残渣のアセトニトリル(15 mL)溶液に、ピリジン(0.86 g, 2.7 当量)を室温で加えた。ついでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.84 g, 2.5 当量)を5℃で加え、室温で2時間撹拌した。3℃で水(10 mL)を加え、ついで酢酸エチル(30 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 25 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。有効分画を減圧濃縮して表題化合物(0.74 g,無色アモルファス)を得た。収率34.0%
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.36-7.43 (m, 4H), 7.47-7.52 (m, 4H), 7.65-7.73 (m, 8H), 8.20-8.22 (m, 4H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 119.75, 125.97, 127.30, 127.39, 127.71, 127.93, 128.97, 132.16, 132.24, 132.69, 139.92, 140.03, 145.30.
元素分析 C34H20F6O6Sとして
計算値; C: 58.12, H: 2.87.
実測値; C: 57.86, H: 3.01.
参考例22
7,7’-ジメトキシ-1,1’-ビ-2-ナフトール
7-メトキシ-2-ナフトール(5.0 g, 28.7 mmoL)のジクロロメタン(50 mL)溶液に、Cu(OH)Cl-テトラメチルエチレンジアミン錯体(1.33 g, 0.1 当量)を室温(25℃)で加え、室温で8時間撹拌した。3℃で水(20 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル(50 mL)、シリカゲル(10 g)を加え、室温で1時間攪拌した後、ろ液を減圧濃縮して表題化合物(5.10 g,黄褐色アモルファス)を得た。収率100%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.58 (s, 6H), 5.07 (s,2H), 6.49 (d, 2H, J = 2.43 Hz), 7.03 (dd, 2H, J = 8.89 Hz, 2.49 Hz), 7.22 (d, 2H, J = 8.84 Hz), 7.78 (d, 2H, J = 8.90 Hz), 7.88 (d, 2H, J = 8.85 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 55.54, 103.58, 110.47, 115.50, 116.43, 125.20, 130.39, 131.51, 135.11, 153.74, 159.52.
参考例23
7,7’-ジメトキシ-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル
7,7’-ジメトキシ-1,1’-ビ-2-ナフトール(5.10 g, 14.3 mmoL)のアセトニトリル(50 mL)溶液に、ピリジン(3.05 g, 2.7 当量)を室温(25℃)で加えた。ついでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(10.12 g, 2.5 当量)を5℃で加え、室温で5時間撹拌した。3℃で水(30 mL)を加え、ついで酢酸エチル(50 mL)を加えた後、室温で30分攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(10 mL)、5%NaCl水溶液(10 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル(30 mL)、活性炭(1.0 g)を加え、室温で1時間攪拌した後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(5.80 g,赤褐白色結晶)を得た。収率66.5%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.55 (s, 6H), 6.56 (s, 2H), 7.26 (dd, 2H, J = 8.99 Hz, 2.51 Hz), 7.48 (d, 2H, J = 8.95 Hz), 7.92 (d, 2H, J = 8.98 Hz), 8.06 (d, 2H, J = 8.95 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 55.61, 105.41, 117.11, 120.49, 122.63, 128.27, 130.26, 131.86, 134.98, 146.39, 159.57.
元素分析 C24H16F6O8S2として
計算値; C: 47.22, H: 2.64.
実測値; C: 46.93, H: 2.55.
実施例1
ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
(製造法1)
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(14.3 g, 3.0 当量)のTHF(40 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(2.19 g, 3.0 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例2で合成したビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキサイド(5.0 g, 19.3 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.88 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で3時間攪拌した。3℃で水(40 mL)を加え、ついでトルエン(40 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルより再結晶し、表題化合物(2.8 g,白色結晶)を得た。収率57.4%。
(製造法2)
窒素気流下、塩化セリウム(2.87 g, 2.99 当量)のTHF(20 mL)溶液を室温(25℃)で40分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.44 g, 2.99 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで-12℃にて参考例2で合成したビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキサイド(1.00 g, 3.89 mmol)および水素化リチウムアルミニウム(0.17 g, 1.16 当量)を順次加えた後、4時間攪拌した。-10℃で水(10 mL)を加え、ついでトルエン(20 mL)、-5℃で6M-HCl(3 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を減圧濃縮した。濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g, トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(0.70 g, 白色粉末)を得た。収率70.6%。融点:106.5℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.30-1.80 (m, 3H), 2.35 (s, 12H), 6.20 (dq, 1H, JH-P = 377.4 Hz, J = 6.9 Hz), 7.14 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.30 (s, 2H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 0.88-1.32 (m), 3.32-5.02 (m).
実施例2
(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)−エタン]ジクロロニッケル(42 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(399 mg, 0.73 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(489 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例1で合成したビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(428 mg, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(329 mg, 淡黄白色結晶)を得た。収率62%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.06 (s, 12H), 2.13 (s, 12H), 6.70-6.73 (m, 10H), 6.81 (s, 2H), 6.90 (d, 2H, J = 8.46 Hz), 7.01 (dd, 2H, J = 7.14Hz, 7.14Hz), 7.39 (dd, 2H, J = 6.99Hz, 6.99Hz), 7.52 (dd, 2H, J = 8.49Hz, 2.28Hz), 7.84-7.88 (m, 4H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.25 (s).
(参照:31P-NMR (161 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.9. ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59巻,3064頁,1994年)
元素分析 C52H48P2として
計算値; C: 84.99, H: 6.58, P:8.43.
実測値; C: 84.60, H: 6.58, P:8.07.
実施例3
ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(7.03 g, 3.0 当量)のTHF(20 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.08 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例3で合成したビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド(2.5 g, 9.1 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.43 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で3時間攪拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(50 mL)、6M-HCl(10 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で3回抽出した。合わせた有機層を5%NaHCO3水溶液(20 mL)、5%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=5/1→2/1)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(0.98 g,白色結晶)を得た。収率41.3%。融点65.8℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.43-1.57 (m, 3H), 3.82 (s, 6H), 6.24 (dq, 1H, J = 377.9Hz, 6.78Hz), 6.95 (dd, 4H, J = 8.71 Hz, 1.72 Hz), 7.53-7.60 (m, 4H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -4.53- -2.73 (m), -1.26-0.40 (m), -4.15 (m).
実施例4
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(53 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(500 mg, 0.91 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(613 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例3で合成したビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(543 mg, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で48時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(444 mg, 白色結晶)を得た。収率66%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.73 (s, 12H), 6.64 (d, 4H, J = 8.35 Hz), 6.69 (d, 4H, J = 8.19 Hz), 6.80 (d, 2H, J = 8.49Hz), 6.92-7.03 (m, 10H), 7.30-7.38 (m, 2H), 7.40-7.45 (m, 2H), 7.82 (d, 2H, J = 8.13 Hz), 7.87 (d, 2H, J = 8.52 Hz).
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -17.40 (s).
(参照:31P-NMR (161 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -16.8. ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59巻,3064頁,1994年)
実施例5
ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(7.69 g, 3.0 当量)のTHF(25 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.22 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例4で合成したビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィンオキサイド(3.0 g, 10.4 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.47 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で3時間攪拌した。3℃で水(20 mL)を加え、ついでトルエン(40 mL)、6M-HCl(10 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液をNaOHで中和し、分液した。水層をTHF(50 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(0.61 g,白色結晶)を得た。収率20.5%。融点142.6℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.43-1.33 (m, 3H), 3.03 (s, 12H), 6.26 (dq, 1H, J = 375.1 Hz, 6.57 Hz), 7.51 (d, 4H, J = 8.81 Hz), 7.54 (d, 4H, J = 8.81 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -6.40- -4.73 (m), -3.33- -1.66 (m).
実施例6
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(48 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(507 mg, 0.92 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(620 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例5で合成したビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(606 mg, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で129時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(461 mg, 黄白色結晶)を得た。収率62.9%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.88 (s, 24H), 6.43 (d, 4H, J = 6.79 Hz), 6.50-6.59 (m, 4H), 6.77-7.03 (m, 12H), 7.18-7.26 (m, 2H), 7.51 (d, 2H, J = 7.13 Hz), 7.78 (d, 2H, J = 7.56 Hz), 7.83 (d, 2H, J = 8.28 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -18.00 (s).
実施例7
ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(9.31 g, 3.0 当量)のTHF(25 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.48 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例5で合成したビス(4-フルオロフェニル)ホスフィンオキサイド(3.0 g, 12.6 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.57 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で3時間攪拌した。3℃で水(10 mL)を加え、ついでトルエン(30 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アルミナ 25 g、n-ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(0.61 g,白色結晶)を得た。収率20.4%。融点71.7℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.42-1.36 (m, 3H), 6.32 (dq, 1H, J = 380.4 Hz, 6.89 Hz), 7.14-7.20 (m, 4H), 7.62-7.70 (m, 4H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -3.29- -1.21 (m), -0.29-1.91 (m).
実施例8
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-フルオロフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(48 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(507 mg, 0.92 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(620 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例7で合成したビス(4-フルオロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(500 mg, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で129時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(344 mg, 黄白色結晶)を得た。収率53.8 %。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 6.74-7.07 (m, 16H), 7.34-7.41 (m, 4H), 7.41-7.93 (m, 4H), 7.85 (d, 2H, J = 8.20 Hz), 7.91 (d, 2H, J = 8.47 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -16.63 (s).
(参照:31P-NMR (161 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -17.0. ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59巻,3064頁,1994年)
実施例9
ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(4.55 g, 3.0 当量)のTHF(25 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.72 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例7で合成したビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド(3.0 g, 6.16 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.28 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で18時間攪拌した。3℃で水(10 mL)を加え、ついでトルエン(30 mL)、6M-HCl(20 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(30 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で順次洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アルミナ 25 g、n-ヘキサン)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(1.18 g,白色結晶)を得た。収率39.6 %。融点134.7℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.37-1.08 (m, 3H), 1.39 (s, 36H), 3.69 (s, 6H), 6.23 (dq, 1H, J = 376.2 Hz, 6.78 Hz), 7.50 (d, 4H, J = 12.18 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -3.33- -1.46 (m), -0.13-1.80 (m).
実施例10
(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(48 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(507 mg, 0.91 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(620 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例9で合成したビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(1.03 g, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で153時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(737 mg, 黄白色結晶)を得た。収率69%。融点 129.5℃。旋光度:[α]D = -232°(25℃, c = 1.0, CHCl3)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.21 (s, 36H), 1.24 (s, 36H), 3.58 (s, 6H), 3.64 (s, 6H), 6.64 (d, 2H, J = 7.60 Hz), 6.77 (d, 2H, J = 7.10 Hz), 6.92-7.00 (m, 4H), 7.13-7.20 (m, 4H), 7.30-7.37 (m, 2H), 7.42-7.51 (m, 2H), 7.77 (d, 2H, J = 6.91 Hz), 7.86 (d, 2H, J = 8.02 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 33.34, 33.49, 36.96, 37.19, 65.44, 65.53, 126.64, 127.23, 128.76, 128.80, 128.92, 131.84, 132.95, 134.51, 144.02, 160.37, 161.31.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -15.02 (s).
質量分析(ESI-HR); 計算値; 1189.7332
実測値; 1189.7350(M-H)
実施例11
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-メチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(48 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(500 mg、0.91 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(610 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、参考例18で合成したビス(4-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(0.476 g, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で73時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(488 mg, 白色結晶)を得た。収率79.2%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.27 (s, 6H), 2.29 (s, 6H), 6.86-7.03 (m, 20H), 7.38-7.41 (m, 2H), 7.47-7.50 (m, 2H), 7.85 (d, 2H, J = 8.16 Hz), 7.89 (d, 2H, J = 8.48 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -15.73 (s).
元素分析 C48H40P2として
計算値; C: 84.93, H: 5.94, P:9.13.
実測値; C: 84.52, H: 5.90, P:9.09.
実施例12
ビス(2-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(8.66 g, 3.0 当量)のTHF(80 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.37 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例9で合成したビス(2-メチルフェニル)ホスフィンオキサイド(2.7 g, 11.72 mmoL)および水素化リチウムアルミニウム(0.53 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で4時間攪拌した。3℃でトルエン(80 mL)を加え、ついで、3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にトルエン(20 mL)、シリカゲル(10 g)を加え、室温で10分間攪拌した。自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に5℃にてTHF(5 mL)、BH3・THF(5mL)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮し、残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(1.15 g,白色結晶)を得た。収率43.0 %。融点78.0℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.42-1.63 (m, 3H), 2.32 (s, 6H), 6.47 (dq, 1H, J = 377.5 Hz, 6.63 Hz), 7.21-7.31 (m, 4H), 7.38-7.43 (m, 2H), 7.59 (d, 1H, J = 13.56Hz), 7.61 (d, 1H, J = 13.53Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 20.81, 20.88, 126.36, 126.52, 130.85, 130.95, 131.67, 131.70, 133.82, 134.01, 141.42.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -15.58- -14.22 (m), -12.67- -11.33 (m).
実施例13
(S)-2,2'-ビス[ビス(2-メチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(96 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(1.0 g, 1.81 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.22 g, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例12で合成したビス(2-メチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(0.95 g, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(684 mg, 白色結晶)を得た。収率55.5%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.01 (s, 6H), 2.03 (s, 6H), 6.91-7.31 (m, 24H), 7.68-7.89 (m, 4H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -28.67 (s).
実施例14
ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(10.54 g, 3.0 当量)のTHF(80 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.67 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例10で合成したビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキサイド(4.54 g, 0.014 moL)および水素化リチウムアルミニウム(0.65 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で4時間攪拌した。3℃でトルエン(100 mL)を加え、ついで、3M-HCl(40 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にトルエン(20 mL)、シリカゲル(10 g)を加え、室温で10分間攪拌した。自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(3.14 g, 白色結晶)を得た。収率69.6 %。融点81.6℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.37-1.56 (m, 3H), 2.27 (s, 12H), 3.72 (s, 6H), 6.13 (dq, 1H, J = 377.5 Hz, 6.84 Hz), 7.27 (d, 4H, J = 15.30Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 16.07, 59.59, 120.59, 121.37, 131.97, 132.12, 133.32, 133.45, 159.87.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -1.57- -0.32 (m), 1.38-2.83 (m).
実施例15
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(96 mg、0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(1.0 g、1.81 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.22 g、6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例14で合成したビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(1.32 g、2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(513mg, 白色結晶)を得た。収率33.1%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.07 (s, 24H), 3.64 (s, 6H), 3.66 (s, 6H), 6.70-6.96 (m, 12H), 7.30-7.40 (m, 2H), 7.51-7.53 (m, 2H), 7.79-7.92 (m, 4H).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.47 (s).
実施例16
ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(8.66 g, 3.0 当量)のTHF(80 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.37 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例11で合成したビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィンオキサイド(3.4 g, 0.012 moL)および水素化リチウムアルミニウム(0.53 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で4時間攪拌した。3℃でトルエン(80 mL)を加え、ついで、3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 25 g、トルエン)で精製した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(2.33 g,白色結晶)を得た。収率69.1 %。融点88.8℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.42-1.61 (m, 3H), 5.58 (q, 0.5H, J = 6.78 Hz), 6.01 (s, 4H), 6.84-6.90 (m, 2.5H), 7.04 (dd, 2H, J = 10.79Hz, 1.44Hz), 7.18 (dd, 1H, J = 12.37Hz, 1.45Hz), 7.21 (dd, 1H, J = 12.37Hz, 1.46Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 102.10, 109.53, 109.70, 112.43, 112.59, 118.95, 119.75, 128.37, 128.51, 148.70, 148.90, 151.15.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 1.42-2.83 (m), 4.55-6.00 (m).
元素分析 C14H14BO4Pとして
計算値; C: 58.38, H: 4.90, P:10.75.
実測値; C: 58.36, H: 4.92, P:10.67.
実施例17
(S)-2,2'-ビス[ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(86 mg、0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(0.9 g、0.91 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.1 g、6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例16で合成したビス(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ホスフィン-ボラン錯体(1.08 g、2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(310 mg, 緑白色結晶)を得た。収率23.8%。
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -12.46 (s).
(参照:31P-NMR (162 MHz, CDCl3) δ: -12.1. 特開平9-124669号公報)
実施例18
ビス(2-ナフチル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(8.66 g, 3.0 当量)のTHF(80 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.37 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例12で合成したビス(2-ナフチル)ホスフィンオキサイド(3.54 g, 0.012 moL)および水素化リチウムアルミニウム(0.53 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で3時間攪拌した。0℃でトルエン(80 mL)を加え、ついで、3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(40 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にトルエン(30 mL)、シリカゲル(10 g)を加え、室温で10分間攪拌した。自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(2.23 g,白色結晶)を得た。収率63.3 %。融点113.2℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.68-1.85 (m, 3H), 6.58 (dq, 1H, J = 378.6Hz, 6.88 Hz), 7.56-7.61 (m, 6H), 7.88-7.91 (m, 6H), 8.32 (d, 2H, J = 13.56Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 123.41, 127.53, 128.23, 128.31, 128.61, 128.97, 129.30, 129.43, 133.22, 135.00, 135.15.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 1.11-2.42 (m), 4.30-5.48 (m).
元素分析 C20H18BPとして
計算値; C: 80.03, H: 6.04, P:10.32.
実測値; C: 80.40, H: 5.92, P:9.95.
実施例19
(S)-2,2'-ビス[ビス(2-ナフチル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(96 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(1.0 g, 1.81 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.22 g, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例18で合成したビス(2-ナフチル)ホスフィン-ボラン錯体(1.25 g, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で101時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて表題化合物(875 mg, 白色結晶)を得た。収率58.7%。
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -12.99 (s).
(参照:31P-NMR (162 MHz, CDCl3) δ: -13.57. 特開平9-124669号公報)
実施例20
ビス(4-クロロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、塩化セリウム(8.66 g, 3.0 当量)のTHF(80 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(1.37 g, 3.1 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで5℃にて参考例13で合成したビス(4-クロロフェニル)ホスフィンオキサイド(3.18 g, 0.012 moL)および水素化リチウムアルミニウム(0.53 g, 1.2 当量)を順次加えた後、室温で4時間攪拌した。0℃でトルエン(80 mL)を加え、ついで、3M-HCl(30 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、水層をトルエン(20 mL)で抽出した。合わせた有機層を5%NaCl水溶液(20 mL)で洗浄した。ついで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣にトルエン(20 mL)、シリカゲル(10 g)を加え、室温で10分間攪拌した。自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に5℃にてTHF(5 mL)、BH3・THF(5mL)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮し、残渣をヘプタンより再結晶し、表題化合物(1.58 g, 白色結晶)を得た。収率50.3 %。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.41-1.60 (m, 3H), 6.28 (dq, 1H, J = 381.6Hz, 6.96 Hz), 7.36-7.44 (m, 4H), 7.54-7.65 (m, 4H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 123.83, 124.60, 128.92, 129.46, 129.61, 132.17, 134.10, 134.24, 138.62.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -1.06-0.33 (m), 2.08-3.47 (m).
実施例21
(S)-2,2'-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(96 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(1.0 g, 1.81 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.22 g, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例20で合成したビス(4-クロロフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(1.29 g, 2.6 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。反応混合物を31P-NMR測定して、表題化合物を確認した。
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -15.80 (s).
(参照:31P-NMR (161 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -16.8. ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59巻,3064頁,1994年)
実施例22
ビス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
窒素気流下、塩化セリウム(19.84 g, 2.98 当量)のTHF(160 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(3.11 g, 3.04 当量)を加えた後、室温で1.5時間攪拌した。ついで-17℃にて参考例15で合成したビス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィンオキサイド(8.49 g, 27.0 mmol)および水素化リチウムアルミニウム(1.55 g, 1.21 当量)を順次加えた後、室温で2時間攪拌した。-10℃でトルエン(80 mL)を加え、ついで6M-HCl(25 mL)、4℃で水(25 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(30 mL)、10%NaHCO3水溶液(30 mL)、10%NaCl水溶液(30 mL)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、さらにメンブランフィルター(0.2 μm)で減圧ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をTHF(100 mL)で溶解し、室温でボラン-THF錯体(10 mL, 0.38 当量)を加えた後、16時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣にトルエン(30 mL)を加えて溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100g, トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(6.33 g, 白色粉末)を得た。収率75.0%。融点151.5℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.43-1.52 (m, 3H), 1.33 (s, 18H), 6.28 (dq, 1H, JH-P = 384 Hz, J = 6.9 Hz), 7.46 (s, 1H), 7.47(s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.65 (s, 1H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 31.04, 34.91, 122.46, 123.24, 125.99, 126.13, 132.68, 132.81, 154.99, 155.02.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -2.42- -1.52 (m), 0.82-1.52 (m).
実施例23
(S)-2,2’-ビス[ビス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(0.08 g, 0.10 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2’-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1’-ビナフチル(0.78 g,1.41 mmol)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(0.94 g, 5.97 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例22で合成したビス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(1.02 g, 2.31 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMF溶液を減圧留去し、残渣にメタノールを加えると表題化合物(0.79 g, 淡黄色粉末)を得た。収率66%
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.25 (s, 18H), 1.27 (s, 18H), 6.68-6.73 (m, 4H), 6.94-6.96 (m, 4H), 7.07 (d, 4H, J = 8.0 Hz), 7.11-7.13 (m, 4H), 7.23-7.27 (m, 6H), 7.47 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.81 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.86 (d, 2H, J = 8.5 Hz).
13C-NMR (75 MHz, DMSO, DMSO) δ: 30.91, 30.94, 34.13, 34.15, 124.49, 124.54, 124.59, 124.72, 125.00, 125.66, 127.00, 127.09, 130.10, 132.33, 132.46, 132.59, 132.71, 132.97, 133.72, 133.86, 134.01, 136.21, 144.10, 150.03, 150.80.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -16.04(s).
質量分析(ESI-HR); 計算値; 847.4562
実測値; 847.4496(MH+)
実施例24
ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
窒素気流下、塩化セリウム(4.88 g, 3.00 当量)のTHF(40 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.75 g, 3.00 当量)を加えた後、室温で1時間攪拌した。ついで-9℃にて参考例16で合成したビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィンオキサイド(2.81 g, 6.6 mmol)および水素化リチウムアルミニウム(0.39 g,1.23 当量)を順次加えた後、1.5時間攪拌した。4℃でトルエン(20 mL)を加え、ついで6M-HCl(6 mL)、4℃で水(10 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、さらにメンブランフィルター(0.2 μm)で減圧ろ過後、ろ液に室温でボラン-THF錯体(7 mL, 1.08 当量)を加えた後、16時間攪拌し、減圧濃縮した。濃縮液に室温でボラン-THF錯体(10 mL, 1.55 当量)を加えた後、減圧濃縮した。残渣にトルエン(10 mL)を加えて溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル25 g, トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(2.03 g,白色粉末)を得た。収率72.7%。融点135.4℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.55-1.80 (m, 3H), 1.34 (s, 36H), 6.33 (dq, 1H, JH-P = 375.5 Hz, J = 6.8 Hz), 7.51 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.59 (s, 1H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 31.26, 34.91, 122.46, 123.24, 125.99, 126.13, 132.68, 132.81, 154.99, 155.02.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 0.95-1.22 (m), 3.88-4.75 (m).
実施例25
(S)-2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(0.07 g, 0.10 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2’-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1’-ビナフチル(0.77 g, 1.41 mmol)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(0.94 g, 5.96 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例24で合成したビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィン-ボラン錯体(1.00 g, 1.68 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMF溶液を減圧留去し、残渣にメタノールを加えると表題化合物(0.38 g, 白色粉末)を得た。収率30%。融点:217.8℃。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.11 (s, 36H), 1.14 (s, 36H), 6.71 (d, 2H, J = 8.3 Hz), 6.77-6.80 (m, 2H), 6.95-6.98 (m, 4H), 7.14-7.23 (m, 8H), 7.25-7.28 (m, 2H), 7.54 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.85 (d, 2H, 8.5 Hz).
13C-NMR (75 MHz, DMSO, DMSO) δ: 31.03, 34.32, 34.44, 120.71, 121.90, 125.03, 125.55, 126.95, 127.06, 127.18, 127.23, 128.08, 128.23, 128.38, 130.41, 132.79, 136.79, 137.65, 145.03, 145.82, 149.22, 149.30, 149.35, 149.40.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -12.16 (s).
質量分析(ESI-HR); 計算値; 1071.7066.
実測値; 1071.7039(MH+)
実施例26
ビス(m-トリル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0005043883
窒素気流下、塩化セリウム(26.40 g, 3.00 当量)のTHF(220 mL)溶液を室温(25℃)で30分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(4.06 g, 3.00 当量)を加えた後、室温で1.5時間攪拌した。ついで-9℃にて参考例17で合成したビス(m-トリル)ホスフィンオキサイド(8.22 g, 35.7 mmol)および水素化リチウムアルミニウム(2.06 g, 1.22 当量)を順次加えた後、3時間攪拌した。-3℃で6M-HCl(33 mL)を加え、ついで水(33 mL)、4℃でトルエン(130 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水(50 mL)、10%NaHCO3水溶液(50 mL)、10%NaCl水溶液(50 mL)で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、自然ろ過し、さらにメンブランフィルター(0.2 μm)で減圧ろ過後、ろ液に0℃付近でボラン-THF錯体(36 mL, 1.02 当量)を加えた後、室温で13.5時間攪拌し、さらに、室温でボラン-THF錯体(6.2 mL, 0.18 当量)を加え、減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(1.70 g, 白色粉末)を得た。収率21%
1H-NMR (300 MHz, DMSO, TMS) δ: 0.58-1.75 (m, 3H), 2.34 (s, 6H), 5.88-5.98 (m, 0.5H), 7.20-7.31 (m, 0.5H), 7.37-7.53 (m, 8H).
13C-NMR (75 MHz, DMSO, DMSO) δ: 21.24, 126.48, 129.45, 129.60, 130.03, 130.15, 132.76, 133.07, 133.20, 139.00, 139.18.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -4.22- -3.00 (m), -0.89-0.23 (m).
実施例27
(S)-2,2’-ビス[ビス(m-トリル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(0.10 g, 0.10 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2’-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1’-ビナフチル(1.05 g, 1.91 mmol)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(1.28 g, 5.99 当量)のDMF溶液(5 mL)に、実施例26で合成したビス(m-トリル)ホスフィン-ボラン錯体(1.00 g, 2.31 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。反応混合物を31P-NMR測定して表題化合物を確認した。
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.5 (s).
(参照:31P-NMR (161 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.4. ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59巻,3064頁,1994年)
実施例28
(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジフェニル-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(52 mg, 0.1 当量)と参考例21で合成した(S)-6,6’-ジフェニル-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(700 mg, 0.99 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(670 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)にジフェニルホスフィン-ボラン錯体(0.458 g, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で90時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(412 mg, 微褐白色結晶)を得た。収率53.4%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 6.93 (d, 2H, J = 8.76 Hz), 7.12-7.22 (m, 20H), 7.29 (s, 2H), 7.35-7.51 (m, 8H), 7.64-7.67 (m, 4H), 7.99 (d, 2H, J = 8.76 Hz), 8.07 (d, 2H, J = 1.64 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 125.99, 127.74, 128.51, 128.83, 129.21, 134.66, 141.35.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -13.82 (s).
実施例29
2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,7’-ジメトキシ-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(53 mg、0.1 当量)と参考例23で合成した7,7’-ジメトキシ-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(610 mg、0.99 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(670 mg、6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)にジフェニルホスフィン-ボラン錯体(0.458 g、2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で77時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えて、表題化合物(120 mg、黄白色結晶)を得た。収率17.7%。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.16 (s, 6H), 6.05 (d, 2H, J = 2.26Hz), 7.01 (dd, 2H, J = 9.00Hz, 2.49Hz), 7.12-7.19 (m, 20H), 7.38 (d, 2H, J = 8.44Hz), 7.74 (d, 2H, J = 8.88 Hz), 7.83 (d, 2H, J = 8.38 Hz).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 54.98, 106.07, 119.52, 127.77, 128.18, 128.41, 128.97, 129.63, 132.90, 134.78, 135.08, 146.39, 159.56.
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -13.82 (s).
実施例30
(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
アルゴン雰囲気下、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-エタン]ジクロロニッケル(53 mg, 0.1 当量)と参考例1で合成した(S)-2,2'-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-1,1'-ビナフチル(500 mg, 0.91 mmoL)および1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(613 mg, 6.0 当量)のDMF溶液(5 mL)に、ジフェニルホスフィン-ボラン錯体(418 mg, 2.3 当量)を室温で加えた後、室温で30分間攪拌した。ついで110℃で96時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣にメタノールを加えると、表題化合物(401 mg, 淡黄白色結晶)を得た。収率71%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 6.83 (d, 2H, J = 8.26 Hz), 6.89-6.94 (m, 2H), 7.07-7.20 (m, 20H), 7.32-7.37 (m, 2H), 7.43-7.47 (m, 2H), 7.85 (d, 2H, J = 8.14 Hz), 7.89 (d, 2H, J = 8.49 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -14.90 (s).
質量分析(ESI-HR); 計算値; 623.2058
実測値; 623.2030(MH+)
実施例31
(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
実施例2と同様の操作に従い、用いるアミンを(1)テトラメチルエチレンジアミン、(2)トリエチルアミン、(3)ジイソプロピルエチルアミン、(4)ジエチルアミンまたは(5)ピリジンに変更して、(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルを製造した。結果を表1に示す。
Figure 0005043883
実施例32
(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
Figure 0005043883
実施例2と同様の操作に従い、ニッケル触媒を(1)NiCl2、(2)NiCl2・ビス(ジフェニル)ホスフィニルフェロセンまたは(3)NiCl2、ビス(ジフェニル)ホスフィノエタンに変更して、(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチルを製造した。結果を表2に示す。HPLC面積百分率の算出には、HPLC条件(カラム:ZORBAX Rx-C8、4.6×250 mm、溶液:MeCN/H2O = 90/10、流速:1.0 mL/min、検出波長:254 nm)を使用した。(3)においては、NiCl2とビス(ジフェニル)ホスフィノエタンをそれぞれ単独に添加した。
Figure 0005043883
実施例33
メチル (Z)-α-アセトアミドシンナメートの不斉水素化
Rh(cod)2OTf(4.27 mg、0.0091 mmoL)のメタノール(1 mL)溶液に実施例10で合成した(S)-2,2'-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル(12.65 mg、0.011mmoL)を加えた後、室温(25℃)で30分間攪拌した。メチル (Z)-α-アセトアミドシンナメート(0.10 g、0.456 mmoL)のメタノール(4 mL)溶液に上記で調整したRh錯体溶液を加え、水素圧1.0 MPa、25℃で24時間水素化を行った。反応混合物をGC(カラム:CHIRASIL VAL、0.25 mm×30 m)にて測定し、変換率 >99.9%、光学純度 91.43%ee(R)であった。
比較例1
メチル (Z)-α-アセトアミドシンナメートの不斉水素化
Rh(cod)2OTf(4.27 mg、0.0091 mmoL)のメタノール(1 mL)溶液に実施例30で合成した(S)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(6.79 mg、0.011mmoL)を加えた後、室温(25℃)で30分間攪拌した。メチル (Z)-α-アセトアミドシンナメート(0.10 g、0.456 mmoL)のメタノール(4 mL)溶液に上記で調整したRh錯体溶液を加え、水素圧1.0 MPa、25℃で24時間水素化を行った。反応混合物をGC(カラム:CHIRASIL VAL、0.25 mm×30 m)にて測定し、変換率 >99.9%、光学純度 15.33%ee(R)であった。
本発明の製造法によれば、光学活性な医薬品(例、頻尿・尿失禁予防治療薬、アルツハイマー病予防治療薬、高脂血症予防治療薬等)またはそれらの中間体として有用な化合物を製造する際の不斉合成反応に有用な化合物(I)またはその塩を効率よく製造することができる。化合物(I)またはその塩、特にその光学異性体と遷移金属との錯体は、上記不斉合成反応において、優れた立体選択率、化学収率、触媒活性等を示す。

Claims (10)


  1. Figure 0005043883

    〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、C 1-6 アルキル基またはC 1-6 アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、C 1-6 アルコキシ基、モノC 1-6 アルキルアミノ基またはジC 1-6 アルキルアミノ基を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’、-OCH 2 O-、-OCH 2 CH 2 O-、-OCH 2 CH 2 CH 2 O-または-OCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 Oを形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’およびR8’が全て水素原子である場合は除く)〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩。
  2. R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子またはC 1-6 アルキル基、R4’およびR7’がそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C 1-6 アルコキシ基、モノC 1-6 アルキルアミノ基またはジC 1-6 アルキルアミノ基である請求項1記載のホスフィン-ボラン錯体。
  3. R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がフッ素原子、塩素原子、C 1-6 アルコキシ基またはジC 1-6 アルキルアミノ基である請求項2記載のホスフィン-ボラン錯体。
  4. R3’、R5’、R6’およびR8’C 1-6 アルキル基であり、R4’およびR7’が水素原子である請求項2記載のホスフィン-ボラン錯体。
  5. R3’、R5’、R6’およびR8’C 1-6 アルキル基であり、R4’およびR7’C 1-6 アルコキシ基である請求項2記載のホスフィン-ボラン錯体。
  6. R5’およびR6’が水素原子であり、R3’とR4’およびR7’とR8’でメチレンジオキシ基を形成する請求項1記載のホスフィン-ボラン錯体。
  7. R3’、R5’、R6’およびR8’が水素原子であり、R4’およびR7’がC2-6アルキル基である請求項1記載のホスフィン-ボラン錯体。
  8. R4’、R5’、R7’およびR8’が水素原子であり、R3’およびR6’C 1-6 アルキル基である請求項1記載のホスフィン-ボラン錯体。

  9. Figure 0005043883

    〔式中、R9’およびR10’はそれぞれC 1-6 アルキル基を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体。

  10. Figure 0005043883

    〔式中、R3’、R5’、R6’およびR8’はそれぞれ水素原子、C 1-6 アルキル基またはC 1-6 アルコキシ基を、R4’およびR7’はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、C2-6アルキル基、C 1-6 アルコキシ基、モノC 1-6 アルキルアミノ基またはジC 1-6 アルキルアミノ基を、R9’およびR10’ は水素原子を示す(R3’とR4’およびR7’とR8’、-OCH 2 O-、-OCH 2 CH 2 O-、-OCH 2 CH 2 CH 2 O-または-OCH 2 CH 2 CH 2 CH 2 Oを形成してもよい)(但し、R3’、R4’、R5’、R6’、R7’、R8’、R9’およびR10’が全て水素原子である場合は除く)、あるいは、R 3’ 、R 4’ 、R 5’ 、R 6’ 、R 7’ およびR 8’ は水素原子を示し、R 9’ およびR 10’ はそれぞれC 1-6 アルキル基を示す。〕で表される化合物またはその塩を、塩化セリウムおよび水素化ホウ素ナトリウムの存在下、水素化リチウムアルミニウムで還元することを特徴とする式
    Figure 0005043883

    〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩の製造法。
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