JP5043128B2 - フィルタおよび通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタ等のフィルタおよびこれを備えた通信装置に関するものである。
従来、携帯電話や自動車電話等の移動体通信機器のRF(無線周波数)段に用いられる周波数選択フィルタ(以下、フィルタともいう)として、弾性表面波(SAW; Surface Acoustic Wave)を利用したSAWフィルタが広く用いられている。一般に、周波数選択フィルタに求められる特性としては、広通過帯域、低損失、高減衰量等の諸特性が挙げられる。
たとえば、SAWフィルタの通過帯域を広げるために、複数のIDT(Inter Digital Transducer)電極を弾性表面波の伝搬方向に沿って配置し、IDT電極の全体の両側に反射器電極を配置した縦結合共振子型の弾性表面波素子を備えているSAWフィルタが用いられる。
このSAWフィルタの通過帯域内のインピーダンスを整合させるために、特に広通過帯域のSAWフィルタの場合、整合回路がよく用いられる。図17に、整合回路を有する従来のSAWフィルタ20aの理想的な回路構成(従来例1)を示す。SAWフィルタ20aの通過帯域内のインピーダンス整合を行うために、SAWフィルタ20aの入力側の信号端子12に接続された第1の信号線路9と出力側の信号端子13に接続された第2の信号線路10のそれぞれに、弾性表面波素子1に対して直列に第1のコンデンサ35と第2のコンデンサ37を設け、弾性表面波素子1に対して並列に第1のインダクタ36と第2のインダクタ38を設ける。第1のインダクタ36と第2のインダクタ38は接地電極8に接続されている。
図18に、図17の回路構成を有するSAWフィルタ20aの電気的特性(周波数−透過特性)のシミュレーション結果を示す。帯域幅が100MHz程度の広帯域な通過帯域を有し、インピーダンス整合が取れてリップルも小さい電気的特性となっている。
しかしながら、SAWフィルタの実使用状態では、図17のような理想的な回路構成にはならない。SAWフィルタは、一般に誘電体基板に半田で実装された状態で機能するが、誘電体基板の接地電極は電気的な評価のための接地電極8との間に配線、スルーホール導体等が存在しているために、これらの配線やスルーホール導体によるインダクタンス成分が必然的に生じる。したがって、実使用状態におけるSAWフィルタでは、第1のインダクタ36と第2のインダクタ38が、誘電体基板の寄生インダクタを介して接地電極8に接続されることとなる。このような寄生インダクタが存在するため、図17に示したSAWフィルタ20aの電気特性は実際には図20に示すようになる。図18に示した理想的な回路構成の電気的特性に比べて、通過帯域外減衰量が劣化している。これは、第1の信号線路9から第1のインダクタ36に流れた電流の一部が、誘電体基板の寄生インダクタによって接地電極8へ流れずに、第2のインダクタ38の方に流れ、第2の信号線路10に漏れてしまうためである。
本発明は、上述した従来の諸問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、通過帯域のインピーダンス整合をとりつつ、通過帯域外減衰量が大きいフィルタ、およびそれを用いた通信装置を提供することにある。
本発明の実施形態にかかるフィルタは、弾性波素子と、上面に前記弾性波素子が実装された配線基板であって、前記弾性波素子と第1の信号線路を介して電気的に接続された入力側信号端子と、前記弾性波素子と第2の信号線路を介して電気的に接続された出力側信号端子と、一端が前記第1の信号線路に接続され、他端が寄生インダクタを介して接地される第1のインダクタと、出力側コンデンサおよび前記出力側コンデンサと直列接続される第2のインダクタを有し、一端が前記第2の信号線路に接続され、他端が前記寄生インダクタを介して接地される直列共振回路とを有する配線基板と、を含むフィルタであって、前記配線基板の下面は、矩形状であり、前記配線基板の下面には、前記第1のインダクタと電気的に接続され、前記配線基板の下面の一辺に沿って配置された第1の基準電位端子と、前記第2のインダクタと電気的に接続されるとともに前記第1の基準電位端子と分離して形成され、前記配線基板の下面の前記一辺と対向する一辺に沿って配置された第2の基準電位端子とが設けられており、前記第1の基準電位端子と前記第2の基準電位端子とが、前記配線基板の下面の中心線に対し線対称に配置され、前記第1のインダクタと前記第1の基準電位端子との接続部分と、前記第2のインダクタと前記第2の基準電位端子との接続部分とが、前記配線基板の下面において対角線上に位置しているものである。
本実施形態の通信装置は、上記のフィルタを有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたものである。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本実施形態のフィルタについて回路構成の1例を示す回路図である。 本実施形態のフィルタについて弾性波素子の電極構造の1例を示す平面図である。 図1に示すフィルタ回路と配線基板との関係を示す回路図である。 プリント基板60に実装された状態のフィルタ50aを示す図である。 プリント基板60に実装された状態のフィルタ50aを示す図である。 配線基板23に実装された状態の弾性表面波素子1を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 配線基板23の層構成を示す平面図である。 図1に示すフィルタ回路と配線基板との関係を示す回路図である。 他の実施形態にかかるフィルタの回路図である。 本実施形態のフィルタについて弾性波素子の電極構造の他例を示す平面図である。 本実施形態のフィルタについて配線基板に形成された基準電位端子の配置構成の1例を示す斜視図である。 配線基板裏面に形成された基準電位端子の配置構成の例を示す平面図である。 配線基板裏面に形成された基準電位端子の配置構成の例を示す平面図である。 他の実施形態にかかるフィルタの回路図である。 本実施形態の通信装置のブロック回路図である。 本実施の形態の通信装置のブロック回路図である。 実施例1および比較例1のフィルタについて通過帯域近傍の周波数−透過特性を示すグラフである。 実施例2および比較例1のフィルタについて通過帯域近傍の周波数−透過特性を示すグラフである。 実施例3,4のフィルタについて通過帯域近傍の周波数−透過特性を示すグラフである。 従来のSAWフィルタの回路図の1例である。 図17のSAWフィルタについて通過帯域近傍の周波数−透過特性を示すグラフである。 比較例のSAWフィルタの回路図である。 図17に示すSAWフィルタの実使用状態における通過帯域近傍の周波数−透過特性を示すグラフである。 実施例1のフィルタについて整合回路を構成する素子の容量およびインピーダンスの調整方法を説明するための図である。 実施例1のフィルタについて整合回路を構成する素子の容量およびインピーダンスの調整方法を説明するための図である。 実施例1のフィルタについて整合回路を構成する素子の容量およびインピーダンスの調整方法を説明するための図である。
以下、本実施形態のフィルタについて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお本実施形態におけるフィルタは、弾性波素子として共振器型の弾性表面波素子を用いた弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタとも称する)である。各電極の大きさや電極間の距離等、電極指の本数や間隔等については、説明のために模式的に図示している。
図1に本実施形態にかかるフィルタの回路図を示す。また図2は、本実施の形態のフィルタにおける弾性表面波素子の電極構成の平面図である。
図1に示すように、本実施形態のフィルタ50aは、弾性表面波素子1と、弾性表面波素子1に接続された入力側の不平衡信号端子12および出力側の不平衡信号端子13と、一方の不平衡信号端子12に接続された第1の信号線路9および他方の不平衡信号端子13に接続された第2の信号線路10と、第1および第2の信号線路9,10間を弾性表面波素子1に対して並列に接続する分流回路40と、を備えている。またフィルタ50は、弾性表面波素子1に対して直列となるように第1の信号線路9に設けられた入力側コンデンサ2と、分流回路40の第1の信号線路9側に設けられた第1のインダクタ3と、分流回路40の第2の信号線路10側に設けられた出力側コンデンサ4および第2のインダクタ5を有する直列共振回路11と、を具備している。
入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、並びに第2のインダクタ5の容量およびインダクタンスを調整することによって、フィルタ50aの整合回路を構成している。
このように、整合回路として第1、第2のインダクタ3,5を用いるフィルタ回路において、出力側の整合回路を構成する第2のインダクタ5を用いて直列共振回路11を構成することによって、インピーダンスを広帯域な周波数帯域において整合させつつ、出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5による直列共振の共振周波数を、高減衰を必要とする周波数帯付近に合わせることにより、SAWフィルタの通過帯域外減衰特性を高減衰にすることができる。
また、第1の信号線路9に、弾性表面波素子1に対して直列接続された入力側コンデンサ2が設けられていることから、第1の信号線路9を伝送する信号の直流成分は、入力側コンデンサ2で遮断されて弾性表面波素子1には殆ど流れず、第1のインダクタ3を通って接地に流れる。その結果、弾性表面波素子1に大きな直流電流が流れることによる静電破壊が大幅に抑制され、弾性表面波素子1の静電破壊に対する耐性が向上する。
弾性表面波素子1は、図2に示すように、圧電基板20上に形成された、圧電基板20上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配設された3個のIDT電極14,15,16と、これらIDT電極14〜16の両側に配置された反射器電極17と、を有する。IDT電極14〜16および反射器17は、弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に伸びる複数本の電極指を備えている。
また、弾性表面波素子1のIDT電極14〜16の接地側の電極指は、接地電極端子18,19に接続されている。接地電極端子18,19は図1に示すように接地用線路6を介して接地電極8に接続されている。
第1のインダクタ3、接地用線路6および直列共振回路部11は接地電極8に接続されているが、第1のインダクタ3、接地用線路6および直列共振回路部11と、接地電極8との間には、寄生インダクタ7が介在されている。寄生インダクタ7のインダクタンス値は、たとえば0.01nH〜1nHである。
図3〜図5および図6A〜図6Fを用いて図1に示すフィルタ50aを配線基板等につくり込んだ場合の一例を説明する。
図3は、図1に示すフィルタ50aのうち、配線基板23に形成される素子を破線で囲ったものである。すなわち、フィルタ50aを構成する素子のうち、入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、並びに第2のコンデンサ5は配線基板23に形成されている。
このように整合回路を構成する入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、並びに第2のコンデンサ5を配線基板23に形成することによって、整合回路を構成するために、別途、チップコンデンサやチップインダクタをフィルタの外部に設ける必要がなくフィルタ回路全体としてみたときにその全体構造を小型化することができる。
図4Aおよび図4Bは、プリント基板60に実装された状態のフィルタ50aを示す図である。図4Aは、斜視図であり、図4Bは、図4Aの切断面線A−Aにおける断面図である。
プリント基板60は、樹脂基板61と、樹脂基板61の表層に形成された入力信号配線62と、出力信号配線63と、接地電極8を構成する接地配線導体64とを備えている。樹脂基板61は、ガラス・エポキシ樹脂、紙フェノールなどからなる平板状の絶縁基板である。入力信号線62、出力信号線63、および接地配線導体64は、Cuなどの金属材料からなり所定の形状にパターニングされている。
フィルタ50aの入力側の不平衡信号端子12は入力信号線62に接続され、出力側の不平衡信号端子13は出力信号配線63に接続されている。また図3に示す基準電位端子25は、樹脂基板61の表層に配置された接地配線導体64に接続されている。なお、本実施形態および以下の実施形態において「基準電位」とは、グランド電位のことをいうが必ずしもゼロボルトである必要はない。
配線基板23側の各種端子とプリント基板60側の各種配線との接続は、はんだなどの接続導体65を介して行われる。
また、配線基板23は、プリント基板60に対向する面とは反対の面に圧電基板20を実装している。圧電基板20は、弾性表面波素子1が形成された面が配線基板23と向かい合うようにフェイスダウンで実装される。配線基板23と圧電基板20上の弾性表面波素子1との接続も、はんだなどの接続導体を介して行われる。配線基板23上に実装された圧電基板20は、エポキシ樹脂などからなる保護樹脂70によってモールドされ、弾性表面波素子1が外部から保護される。
本実施形態にかかるフィルタ50aの場合、プリント基板60の表層および内層に設けられた接地配線導体64が、寄生インダクタ7を形成することになる。
図5は、配線基板23に実装された弾性表面波素子1を示す平面図である。図5では、弾性表面波素子1の配線パターンが分かりやすいように、圧電基板20を裏面側から透過して見たときの平面図を示している。なお、図5に示す例では、第2の信号線路10における出力側の不平衡信号端子13への経路と直列共振回路部11側への経路の分岐は、弾性表面波素子1側の配線パターン24aにおいて行われる。
弾性表面波素子1の配線パターンは、圧電基板20の一表面に形成されるため、異なる種類の信号配線が交差する場合は、一方の配線を圧電基板20表面に形成したのち、交差部分で一方の配線状に絶縁層28を設け、絶縁層28上にさらに他方の配線を形成している。このように異なる信号配線同士を絶縁層28を介して交差させる構造とすることによって、信号配線を迂回させなくても済むため弾性表面波素子1を小型化することができる。
弾性表面波素子1において、入力信号用パッド12a、出力信号用パッド13a、基準電位用パッド19および共振回路出力用パッド13bは、圧電基板の各角部に相当する位置にそれぞれ配置されている。また基準電位用環状パッド29は、他のパッドやIDT電極などを囲むように環状に形成されている。これらのパッドは配線基板23表面の対応する各端子に接続される。
配線基板23は、複数の誘電体層を積層した多層配線構造を成し、弾性表面波素子1の各パッドと接続するための端子を表層に備えるとともに、第1のコンデンサ2、第1のインダクタ3、直列共振回路11を内蔵している。
各誘電体層は、たとえばガラスセラミックスなどで構成され、各配線パターンは、銀、銅、金、タングステンなどを主成分とする金属材料で構成される。
図6A〜図6Fは、配線基板23の層構成を示す平面図である。図6A〜図6Fは、圧電基板20を実装する実装面200側から見たときの各層の配線パターンを示している。
図6A〜図6Fに示す配線基板23は、5枚の誘電体層からなる。図6Aは、第1層201の配線パターンを示し、図6Bは、第2層202の配線パターンを示し、図6Cは、第3層203の配線パターンを示し、図6Dは、第4層204の配線パターンを示し、図6Eは、第5層205の配線パターンを示す。図6Fは、第5層205の裏面側の配線パターンを示す。
第1層201の実装面200には、弾性表面波素子1の各パッドと接続するための実装端子201a、201b、201c、201dおよび環状実装端子201eが設けられている。実装端子201aは、入力用信号パッド12aと接続される端子であり、実装端子201bは、共振回路出力用パッド13bと接続される端子である。また、実装端子201cは、出力信号用パッド13aと接続される端子であり、実装端子201dは、基準電位用パッド19と接続される端子である。環状実装端子201eは、基準電位用環状パッド29と接続される端子である。
実装端子201aは、ビアなどの貫通導体によって第2層202に形成された第1コンデンサ用導体206に接続される。第1コンデンサ用導体206は、第2層202の誘電体層を挟んで、第3層203に形成された第2コンデンサ用導体207とともに入力側コンデンサ2を構成する。
第1のコンデンサ2の容量値は、第1コンデンサ用導体206および第2コンデンサ用導体207の面積、第2層202の誘電体層の比誘電率、第1コンデンサ用導体206および第2コンデンサ用導体207の間隔(第2層202の誘電体層の厚み)によって調整可能である。
第2コンデンサ用導体207は、貫通導体によって第4層204に形成された第1インダクタ用導体208に接続される。第1インダクタ用導体208は、貫通導体によって第5層205に形成された第2インダクタ用導体209に接続され、さらに第5層205の裏面に設けられた基準電位端子25aに接続される。また、第2コンデンサ用導体207は、第4層204および第5層205に設けられた貫通導体を介して第5層205の裏面に設けられた入力側の不平衡端子12と接続される。
直列接続された第1インダクタ用導体208と第2インダクタ用導体209とによって、第1のインダクタ3が構成される。第1のインダクタ3のインダクタンス値は、近傍の接地電位の配線パターンとの距離や、導体材料の種類、配線幅および配線厚み、配線長さによって決定され、主に配線長さによって調整される。
このようにして、配線基板23の内部に入力側コンデンサ2および第1のインダクタ3を設けることができる。
実装端子201bは、貫通導体によって第2層202に形成された第3コンデンサ用導体212に接続されている。第3コンデンサ用導体212は、第2層202の誘電体層を挟んで、第3層203に形成された第4コンデンサ用導体213とともに出力側コンデンサ4を構成する。
出力側コンデンサ4の容量値は、第3コンデンサ用導体212および第4コンデンサ用導体213の面積、第2層202の誘電体層の比誘電率、第3コンデンサ用導体212および第4コンデンサ用導体213の間隔(第2層202の誘電体層の厚み)によって調整可能である。
第4コンデンサ用導体213は、貫通導体によって第4層204に形成された第3インダクタ用導体214に接続される。第3インダクタ用導体214は、貫通導体によって第5層205に形成された第4インダクタ用導体215に接続され、さらに第5層205の裏面に設けられた基準電位端子25bに接続される。
直列接続された第3インダクタ用導体214と第4インダクタ用導体215とによって、第2のインダクタ5が構成される。第2のインダクタ5のインダクタンス値は、近傍の接地電位の配線パターンとの距離や、導体材料の種類、配線幅および配線厚み、配線長さによって決定され、主に配線長さによって調整される。
このようにして、配線基板23の内部に出力側コンデンサ4および第2のインダクタ5を直列接続した直列共振回路部11を設けることができる。
実装端子201cは、貫通導体によって、第1層201、第2層202、第3層203を貫通して、第4層204に形成された短い配線パターン217に接続される。配線パターン217は、さらに貫通導体によって第4層204、第5層205を貫通して、第5層205の裏面に設けられた出力側の不平衡信号端子13に接続される。
実装端子201dは、貫通導体によって、第1層201〜第5層205まで貫通して第5層205の裏面の基準電位端子25bに接続される。
また環状実装端子201eは、第1層201〜第5層205の各層に設けられた貫通導体を介して第5層205の裏面に設けられた25a、25bに接続される。
次に、図5に示すフィルタについて、その作製方法の一例を述べる。まず、38.7°YカットのX方向伝搬とするLiTaO3単結晶などからなる圧電基板上に、Al(99質量%)−Cu(1質量%)合金から成る、IDT電極14〜16および反射器電極17を形成する。またこのとき同時に各パッド12a、13a、13b、19の下地層も形成される。
各電極は、スパッタリング装置により成膜した後、縮小投影露光機(ステッパー)、およびRIE(Reactive Ion Etching)装置によりフォトリソグラフィを施すことによりパターニングすることで形成される。
圧電基板上に電極を形成した後、保護膜を形成する。保護膜は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置により、各電極を覆うSiO膜を成膜することによって形成される。なお、配線基板23の端子と接続される各パッド部分は保護膜から露出させておく。
次に保護膜から露出する各パッドの下地層の上にCr層、Ni層、Au層を積層してパッド12a、13a、13b、19、29を形成する。その後、印刷法およびリフロー炉を用いて、弾性表面波素子1を配線基板23にフリップチップ実装するための半田バンプをパッド上に形成する。
次に、弾性表面波素子が形成された圧電基板をフリップチップ実装装置によってパッドの形成面を下面にして、配線基板に実装することによって、図3に示すフィルタ50aが完成する。
図7は、図1に示すフィルタ50aを配線基板等につくり込んだ場合の他の例である。図3と同様に配線基板23の部分を破線で示している。
図7に示す例では、配線基板23には弾性表面波素子1のみ実装され、それ以外のフィルタ50aを構成する素子は、すべて配線基板23の外部に形成されている。すなわち、入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、および第2のインダクタ5は、配線基板23が実装されるプリント基板60側に設けられている。入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、および第2のインダクタ5は、たとえば、チップコンデンサやチップインダクタなどからなる。この場合、整合回路を構成する入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、および第2のインダクタ5を、フィルタの整合に適したものに後から調整できるという利点がある。
図8に別の実施形態にかかるフィルタ50bの回路図を示す。図9は、図8のフィルタ50bにおける弾性表面波素子1の電極構造の平面図である。
図8に示すフィルタ50bは、入力側コンデンサ2,出力側コンデンサ4がそれぞれ、圧電基板20上に形成された弾性表面波共振子30,31により構成されている。
図9に示すように本実施形態に使用される圧電基板20には、弾性表面波素子1の他に弾性表面波共振子30、31が設けられている。弾性表面波共振子30は弾性表面波素子1と入力用接地パッド12aとの間に配置され、弾性表面波共振子31は弾性表面波素子1と共振回路出力用パッド13bとの間に配置されている。
このように入力側コンデンサ2,出力側コンデンサ4を弾性表面波共振子30,31によって形成することで、配線基板23内にコンデンサ用導体を形成する場合に比べ、配線基板23を小型化することができ、ひいてはフィルタの全体構造を小型化することができる。また、弾性表面波共振子30,31は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜形成法により形成されるので、入力側コンデンサ2,出力側コンデンサ4を配線基板内にコンデンサ用導体によって形成する場合に比べ、製造ばらつきが少なく、静電容量の大きさのばらつきを小さくすることができる。また、弾性表面波共振子30,31の共振周波数を、高減衰を必要とする周波数帯付近に合わせることにより、SAWフィルタの通過帯域外減衰特性を高減衰にすることができる。
次に、配線基板23の下面に形成される基準電位端子25の好適な配置場所および形状について、図10A〜図10Cを用いて説明する。図10Aは、圧電基板20を配線基板23に実装した状態における透過斜視図であり、図では第1、第2のインダクタ3,5および第1、第2の基準電位端子25a、25bのみ示している。
図10Bは第1、第2の基準電位端子25a、25bを、入力側の不平衡信号端子12,出力側の不平衡信号端子13を間に挟むようにして、配線基板23の裏面の両側に分離して配置した場合の例である。同図に示すように、第1の基準電位端子25aと第2の基準電位端子25bとは、中心線34に対し線対称の位置に配置されている。
一方、図10Cは、入力側の不平衡信号端子12,出力側の不平衡信号端子13を間に挟むようにして第1、第2の基準電位端子25a、25bを配置している点は図10Bに示すものと同じであるが、図10Cに示す例では、第1の基準電位端子25aと第2の基準電位端子25bとが互いに接続されている。第1の基準電位端子25aと第2の基準電位端子25bとを接続する部分は、入力側の不平衡信号端子12と出力側の不平衡信号端子13との間に配置されている。第1の基準電位端子25aと第2の基準電位端子25bとは、接続部分も含めて中心線34に対し線対称の位置に配置されている。
図10A〜図10Cに示すような形状および配置関係によって第1、第2の基準電位端子25a、25bを形成することによって、一方の信号線路9から、他方の信号線路10への信号の漏れが少なくなり、SAWフィルタの通過帯域外減衰特性をさらに高減衰にすることができる。
図11は、他の実施形態に係るフィルタの回路図である。
図11に示すフィルタ50cは、図1に示したフィルタ50aと類似の構成を有しており、弾性表面波素子1からの出力が、不平衡信号ではなく、平衡信号であることが異なっている。出力信号が平衡信号であることから、偶数個の出力端子が必要で、本実施形態では、弾性表面波素子1が、平衡信号端子13cと平衡信号端子13dの2つの出力端子を備える。平衡信号端子13cから出力される平衡信号と、平衡信号端子13dから出力される平衡信号とは位相を反転させている。
第2の信号線路10には、出力側コンデンサ4および第2のインダクタ5を有する直列共振回路部11が設けられる。第2の信号線路10aには、出力側コンデンサ4aおよび第2のインダクタ5aを有する直列共振回路部11aが設けられる。
これにより、出力信号が平衡信号であっても、インピーダンスを広帯域な周波数帯域において整合させて、SAWフィルタの通過帯域を広帯域で低損失とし、また、出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5による直列共振の共振周波数および出力側コンデンサ4aと第2のインダクタ5aによる直列共振の共振周波数を、高減衰を必要とする周波数帯付近に合わせることにより、SAWフィルタのコモンモードの通過帯域外減衰特性を高減衰にすることができる。
また、本発明のフィルタを通信装置に適用することができる。すなわち、少なくとも受信回路または送信回路の一方を備え、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いる。たとえば、送信回路から出力された送信信号をミキサでキャリア周波数にのせて、不要信号をバンドパスフィルタで減衰させ、その後、パワーアンプで送信信号を増幅して、デュプレクサを通ってアンテナより送信することができる送信回路を備えた通信装置、または、受信信号をアンテナで受信し、デュプレクサを通った受信信号をローノイズアンプで増幅し、その後、バンドパスフィルタで不要信号を減衰して、ミキサでキャリア周波数から信号を分離し、この信号を取り出す受信回路へ伝送するような受信回路を備えた通信装置に適用可能である。
図12は、本発明の通信装置の一実施形態の通信装置を示すブロック図である。図12において、アンテナ140に送信回路Txと受信回路Rxが分波器150を介して接続されている。送信される高周波信号は、フィルタ240によりその不要信号が除去され、パワーアンプ220で増幅された後、アイソレータ230と分波器150をとおり、アンテナ140から放射される。また、アンテナ140で受信された高周波信号は、分波器150をとおりローノイズアンプ160で増幅されフィルタ170でその不要信号を除去された後、アンプ180で再増幅されミキサ190で低周波信号に変換される。
したがって、本実施形態のフィルタを採用すれば、感度が格段に良好な優れた通信装置を提供できる。
図13は、他の実施形態の通信装置を示すブロック図である。本実施形態における通信装置は、たとえば無線LAN用通信モジュールである。本実施形態では、上述したいずれかの実施形態におけるフィルタをバンドパスフィルタ250として用いる。送信時のモジュールの動作としては、まず高周波集積回路(RF−IC)260の送信回路部から出力される送信信号を、パワーアンプ(PA)270で増幅し、送信側に切り替えられたスイッチ280を通ってバンドパスフィルタ(BPF)250に入力される。本発明のフィルタを採用したバンドパスフィルタ250では、送信信号に含まれる不要信号を減衰させてアンテナ290から高周波信号を放射する。
送信時のモジュールの動作としては、アンテナ290で高周波信号を受信し、本発明のフィルタを採用したバンドパスフィルタ250で、受信信号に含まれる不要信号を減衰させ、受信側に切り替えられたスイッチ280を通って、平衡−不平衡変換器300で変換を行い、高周波集積回路260の受信回路部に入力される。平衡−不平衡変換器300は、さらに本発明のフィルタを採用したバンドパスフィルタで置き換えてもよい。
したがって、本実施形態のフィルタを採用すれば、感度が格段に良好な優れた無線LAN用通信モジュールを提供できる。
また、本実施形態のフィルタを用いて、デュプレクサを使用しない周波数フィルタを構成することができる。すなわち、本実施形態のフィルタを通信装置のアンテナ側の信号線路に挿入することが好ましい。たとえば、図1のフィルタの第1のインダクタ3が接続されている第1の信号線路9をアンテナに最も近い側として、通信装置のアンテナ側の信号線路に挿入する。この場合、アンテナで受信した受信信号の直流成分は、入力側コンデンサ2で遮断されて弾性表面波素子1には流れず、第1のインダクタ3を通って接地電極8に流れる。その結果、弾性表面波素子1に大きな直流電流が流れることによる静電破壊が大幅に抑制され、弾性表面波素子1の静電破壊に対する耐性が向上する。
次に本発明のフィルタの実施例について以下に説明する。
(実施例1)
実施例1として、図2に示す電極構造を有する弾性表面波素子1を用いて図3に示す回路構成からなるフィルタ50aを作製した。また比較例1として図2に示す電極構造を有する弾性表面波素子を用いて図19に示す回路構成からなるフィルタ20bを作製した。実施例1、比較例1それぞれの電気的特性をコンピュータシミュレーションによって求めた。フィルタの動作周波数は1500〜3000MHzであり、通過帯域周波数は、2410〜2510MHzである。
また、実施例1の入力側コンデンサ2は4.3pF、出力側コンデンサ4は1.7pF、第1のインダクタ3は3.5nH、第2のインダクタ5は4.1nHとした。比較例1の入力側コンデンサ35と出力側コンデンサ37はそれぞれ4.0pF、第1のインダクタ36と第2のインダクタ38はそれぞれ1.6nHとした。
入力側コンデンサ2および出力側コンデンサ4の容量、第1のインダクタ3および第2のインダクタ5のインダクタンスの設定は次のように行った。
図21A〜図21Cは、実施例1のフィルタについて整合回路を構成する素子の容量およびインピーダンスの調整方法を説明するための図である。
まず、整合する前の弾性表面波素子1の通過帯域のインピーダンスを計算し、スミスチャート上にプロットする。実施例1の場合、整合前のインピーダンスの軌跡の位置は図21Aの斜線で示す領域内にあった。このような領域内にある場合、インピーダンス整合は、入力側コンデンサ2と第1のインダクタ3の回路構成で行うことができる。
次に通過帯域外である1900MHzに出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5からなる直列共振回路部11の共振周波数を合わせる。共振周波数の調整は、f=1/(2π√(LC))を満たすように出力側コンデンサ4の容量Cと第2のインダクタ5のインダクタンスLを組み合わせればよいが、スミスチャート上で見て、通過帯域内のインピーダンスの軌跡の広がりが最も小さくなるように出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5の値を選択する(図21B)。
そして、広がりが小さくなった通過帯域内のインピーダンスの軌跡がスミスチャートの中央部に移動するように、入力側コンデンサ2と第1のインダクタ3の値を設定する(図21C)。
これにより入力側コンデンサ2、第1のインダクタ3、出力側コンデンサ4、および第2のインダクタ5によって、弾性表面波素子1のインピーダンス整合を行いながら、通過帯域外に共振周波数を形成して通過帯域外減衰量を大きくすることができる。
図2の弾性表面波素子1のIDT電極14,15,16の、IDT電極15の入力信号用パッド12aに接続されていない側の電極指に繋がる基準電位端子18と、IDT電極14,16の出力信号用パッド13aに接続されていない側の電極指に繋がる基準電位電極端子19は、圧電基板20上、もしくは、圧電基板20上および圧電基板20が搭載される配線基板内において、電気的に分離されて形成されていることが、SAWフィルタの通過帯域外減衰特性を高減衰とするために好ましく、実施例1では、圧電基板20上および圧電基板20が搭載される配線基板内において電気的に分離された構成とした。また、下記の実施例2,3,4ならびに比較例についても、同様の構成とした。
実施例1、比較例1の通過帯域近傍を含めた周波数−透過特性のグラフを図14に示す。図14は、SAWフィルタの信号の伝送特性を表す透過特性の周波数依存性を示すグラフである。実線は実施例1のフィルタ50aのフィルタ特性を示し、破線は比較例1のフィルタ20bのフィルタ特性を示している。実施例1のフィルタ50aの通過帯域外減衰量は、約1900MHzに出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5からなる直列共振回路部11の共振周波数を合わせている。これにより実施例1のフィルタ50は、比較例1のフィルタ20に比べて、広帯域で低損失な通過帯域を維持しながら、帯域外の減衰量を大きくすることができた。
(実施例2)
実施例2として、図2に示す電極構造を有する弾性表面波素子1を用いて図7に示す回路構成からなるフィルタ50aを作製した。実施例2と比較例1のフィルタについて、それぞれの電気的特性をコンピュータシミュレーションによって求めた。フィルタの動作周波数は1500〜3000MHzである。
実施例2における入力側コンデンサ2は4.5pF、出力側コンデンサ4は1.5pF、第1のインダクタ3は2.3nH、第2のインダクタ5は4.2nHとし、また、比較例1の入力側コンデンサ35と出力側コンデンサ37はそれぞれ4.0pF、第1のインダクタ36と第2のインダクタ38はそれぞれ1.6nHとした。
実施例2、比較例1の通過帯域近傍を含めた周波数−透過特性のグラフを図15に示す。実線は実施例2のフィルタ50aのフィルタ特性を示し、破線は比較例1のフィルタ20bのフィルタ特性を示している。実施例2のフィルタ50aは、約2000MHzに出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5からなる内部直列共振回路部11の共振周波数を合わせている。これにより、実施例2のフィルタ50aは、比較例1のフィルタ20bに比べて、広帯域で低損失な通過帯域を維持しながら、帯域外減衰量を大きくすることができた。
(実施例3,4)
実施例3として、図9に示す電極構造を有する弾性表面波素子1を用いて図8に示す回路構成からなるフィルタ50bを作製した。実施例4として、図2に示す電極構造を有する弾性表面波素子1を用いて図3に示す回路構成からなるフィルタ50aを作製した。実施例3,4について、それぞれの電気的特性をコンピュータシミュレーションによって求めた。フィルタの動作周波数は1500〜3000MHzである。
また、実施例3の入力側コンデンサ(弾性表面波共振子30)は4.3pF、出力側のコンデンサ(弾性表面波共振子31)は1.7pF、第1のインダクタ3は3.2nH、第2のインダクタ5は3.7nHとし、また、実施例4の入力側コンデンサ2は4.3pF、出力側コンデンサ4は1.7pF、第1のインダクタ3は3.5nH、第2のインダクタ5は4.1nHとした。
実施例3,4における第1のインダクタ3と第2のインダクタ5は、図10Bに示す中心線34によって左右に分離された第1および第2の基準電位端子25a,25bに、それぞれ接続されている。
実施例3,4のフィルタの通過帯域近傍の周波数−透過特性のグラフを図16に示す。図16において、実線は実施例3のフィルタ50b,破線は実施例4のフィルタ50aを示している。実施例3,4のフィルタ特性はともに良好であり、特にフィルタ50bのフィルタ特性は非常に良好であった。実施例3のフィルタ50bは、約2000MHzに出力側コンデンサ4と第2のインダクタ5からなる直列共振回路部11の共振周波数を、また、約2650MHzに弾性表面波共振子30の共振周波数を合わせている。これによって実施例3のフィルタ50bでは、広帯域で低損失な通過帯域を維持しながら、低周波側の帯域外減衰量のみならず、高周波側における帯域外減衰量を大きく改善することができた。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
たとえば、上述した実施形態では弾性波素子として弾性表面波素子を用いた場合を説明したが、弾性波素子として圧電薄膜を励振電極で挟み込んだ圧電薄膜共振器を用いてもよい。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。

Claims (9)

  1. 弾性波素子と、
    上面に前記弾性波素子が実装された配線基板であって、
    前記弾性波素子と第1の信号線路を介して電気的に接続された入力側信号端子と、
    前記弾性波素子と第2の信号線路を介して電気的に接続された出力側信号端子と、
    一端が前記第1の信号線路に接続され、他端が寄生インダクタを介して接地される第1のインダクタと、
    出力側コンデンサおよび前記出力側コンデンサと直列接続される第2のインダクタを有し、一端が前記第2の信号線路に接続され、他端が前記寄生インダクタを介して接地される直列共振回路とを有する配線基板と、を含むフィルタであって、
    前記配線基板の下面は、矩形状であり、前記配線基板の下面には、前記第1のインダクタと電気的に接続され、前記配線基板の下面の一辺に沿って配置された第1の基準電位端子と、前記第2のインダクタと電気的に接続されるとともに前記第1の基準電位端子と分離して形成され、前記配線基板の下面の前記一辺と対向する一辺に沿って配置された第2の基準電位端子とが設けられており、
    前記第1の基準電位端子と前記第2の基準電位端子とが、前記配線基板の下面の中心線に対し線対称に配置され、
    前記第1のインダクタと前記第1の基準電位端子との接続部分と、前記第2のインダクタと前記第2の基準電位端子との接続部分とが、前記配線基板の下面において対角線上に位置しているフィルタ。
  2. 前記第1の信号線路には、前記弾性波素子に対して直列接続された入力側コンデンサが設けられている請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記弾性波素子は、圧電基板上に形成された、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された複数個のIDT電極を有し、
    前記入力側コンデンサまたは前記出力側コンデンサの少なくともいずれか一方は、前記圧電基板上に形成された弾性表面波共振子から成る請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記弾性波素子は、圧電基板上に形成された、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された複数個のIDT電極および前記複数個のIDT電極の両端に配置された反射器電極から成る請求項1に記載のフィルタ。
  5. 前記入力側信号端子および前記出力側信号端子が不平衡信号端子である請求項1に記載のフィルタ。
  6. 記出力側コンデンサは、前記配線基板に形成されたコンデンサ用導体からなり、
    前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタは、前記配線基板に形成されたインダクタ用導体からなる請求項1に記載のフィルタ。
  7. 前記直列共振回路の共振周波数は通過帯域外に位置している請求項1に記載のフィルタ。
  8. 前記弾性波素子は、前記複数個のIDT電極のうちの1つに接続された第1の基準電位パッドと、前記複数個のIDT電極のうちの前記第1の基準電位用パッドが接続されたIDT電極とは別のIDT電極に接続された第2の基準電位用パッドとを有し、
    前記第1の基準電位用パッドと前記第2の基準電位用パッドとは、前記圧電基板および前記配線基板内において電気的に分離されている請求項4に記載のフィルタ。
  9. 請求項1に記載のフィルタを有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えた通信装置。
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