JPH06177697A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH06177697A
JPH06177697A JP32186992A JP32186992A JPH06177697A JP H06177697 A JPH06177697 A JP H06177697A JP 32186992 A JP32186992 A JP 32186992A JP 32186992 A JP32186992 A JP 32186992A JP H06177697 A JPH06177697 A JP H06177697A
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acoustic wave
surface acoustic
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electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低損失化のために電極数を多くしても整合が取
り易く、かつ帯域外特性が良好な弾性表面波フィルタを
提供する。 【構成】入出力電極が交互に配置される多電極型弾性表
面波フィルタ2の入出力端にそれぞれ反共振周波数は多
電極型弾性表面波フィルタ2の通過帯域外にあり、かつ
通過帯域内においてはほぼ静電容量として動作する共振
器としての電極6、7を各別に電気的に直列接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波フィルタに関
し、特に、移動体通信等で使用されるRF帯低損失の弾
性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図3に正規型電極を用いた従来の多電極
型弾性表面波フィルタ11の構成図を示す。図3におい
て、符号111は基板を示している。多電極型弾性表面
波フィルタ11の双方向性損失BL(dB)は、電極数
を(2m+1)とすると(1)式で示される。
【0003】 BL=10 log{(2m+2)/2m} (dB) …(1) (1)式に示す結果を表にまとめると、
【0004】
【表1】
【0005】に示すようになる。図3は5電極の例であ
るので、この場合の双方向性損失は1.80dBであ
る。電極数を多くすることが低損失化のために有効であ
ることがわかる。
【0006】一方、電極の入力アドミタンスYは、
(2)式で示される。
【0007】 Y=Ga+jBa+jωCT …(2) ここで、 Ga=Ga′(sin x/x)2 …(3) Ba=Ga′(sin 2x−2x)/2x2 …(4) Ga′=4k2 ω0 S 2 /π …(5) x=Nπ(ω−ω0 )/ω0 …(6) CT =NCS …(7) CS =ε0 εr W …(8) ω=2πf ω0 =2πf0 但し、CS は1対当たりの容量、fは周波数、f0 は中
心周波数、Nは電極指対数、Wは開口長、ε0 は真空誘
電率、εr は基板比誘電率、kは電気機械結合係数であ
る。
【0008】すなわち、電極指対数が多くなると放射コ
ンダクタンスGaが大きくなり、入力インピーダンスが
小さくなる。また、多電極では電極が電気的に並列に接
続されるために、電極数(2m+1)が多いと入力イン
ピーダンスは小さくなる。
【0009】弾性表面波フィルタの通過帯域を狭帯域に
するためには、各電極の電極指対数を大きくするので、
各電極の入力インピーダンスが小さくなり、インピーダ
ンスの制限から多電極の電極数を多くすることができな
くなる。このため、結果として双方向性損失が大きくな
り、挿入損失が大きくなるという問題点がある。
【0010】例えば、入力電極の1電極当たりの電極指
対数が22対、出力電極の1電極当たりの電極指対数が
30対、開口長が20λ(λは入力信号の波長)、5電
極の場合における多電極型弾性表面波フィルタ11(図
3においては電極指対数は少なく示してある)のインピ
ーダンスの計算結果を規格化周波数0.9〜1.1の範
囲に対して図4に示す。ここで図4Aは入力側の計算結
果を、図4Bは出力側の計算結果をそれぞれ示す。50
Ω系の場合には、回路として図5Aで示す回路を使用す
ることにより入出力で整合できる。
【0011】5電極の場合の双方向性損失は1.80d
Bであることから(表1参照)、低損失化するには電極
数を増やす必要がある。しかし、電極数を増加させると
低インピーダンスになる。例えば、図6に示すように1
3電極における弾性表面波フィルタ12の場合、インピ
ーダンスは規格化周波数0.9〜1.1の範囲に対して
図7に示すようになる。ここで、図7Aは入力側の計算
結果を、図7Bは出力側の計算結果をそれぞれ示す。な
お、図6において、符号121は基板である。この場
合、低インピーダンスとなったため、整合回路を図5A
に示す整合回路にさらに入出力側にそれぞれコンデンサ
32I、32Oを付加した図5Bで示す4素子の整合回
路とすれば、通過帯域で整合することができ、図8で示
す挿入損失−周波数特性が得られる。この場合において
は、5電極の場合と比較して双方向性損失を1.0dB
程度小さくすることができるが、整合素子数が増えると
いう問題点がある。
【0012】一方、正規型電極を用いた弾性表面波フィ
ルタ12に図5Bに示す整合回路を接続した場合の挿入
損失−周波数特性は図8で示されるように、帯域外に大
きなスプリアスレスポンスが発生する。このスプリアス
レスポンスを抑圧するためには、電極に重み付けをする
必要がある。しかし、重み付け電極を用いた弾性表面波
フィルタの挿入損失−周波数特性はスプリアスレスポン
スは抑圧されるが、図8において矢印の範囲で示される
トラップ周波数帯域が広がるという問題点がある。
【0013】例えば、帯域外スプリアスレスポンスを抑
圧するために、異なる間引き電極を使用した多電極型弾
性表面波フィルタの例を図9に示す。図9に示す多電極
型弾性表面波フィルタ13は13電極の場合であり、符
号131は基板を示す。図9に示す多電極型弾性表面波
フィルタ13に図5Bの整合回路を接続した場合の挿入
損失−周波数特性例を図10に示す。図10の周波数特
性では図8の周波数特性と比較してスプリアスレスポン
スは抑圧されているが、トラップ周波数が広がったため
に、通過帯域近傍の減衰が劣化するという問題点があっ
た。
【0014】これとは別に、弾性表面波応用として図1
1で示す多数の電極指で構成された電極14が知られて
いる。このような電極指対数の多い電極14のインピー
ダンスは、図12で示すような共振特性を示す。なお、
図11において、符号141は基板を示す。よって、こ
の共振器を直列に回路に挿入すると、反共振周波数によ
って阻止域が得られることが知られている。この場合、
通過帯域では容量素子として動作するため、この容量が
大きければインピーダンスは低く損失は小さい。しか
し、通常、この容量には限界があり、インピーダンスが
低インピーダンスにならないために損失が発生するとい
う問題点があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低損失化の
ために電極数を多くしても整合が取り易く、かつ帯域外
特性が良好な弾性表面波フィルタを提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、入出力電極が交互に配置される多電極
型弾性表面波フィルタの入出力端側の少なくとも一方
に、反共振周波数は多電極型弾性表面波フィルタの通過
帯域外にあり、かつ通過帯域内においてはほぼ静電容量
として動作する少なくとも1個以上の共振器が電気的に
直列接続されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】多電極型弾性表面波フィルタの入出力端側の一
方に、共振器が接続され、かつ共振器は反共振周波数が
多電極型弾性表面波フィルタの通過帯域外にあるため、
電極指の重み付けのために劣化した減衰特性が改善され
る。さらに、共振器は多電極型弾性表面波フィルタの通
過帯域内において静電容量として動作するため、多電極
型弾性表面波フィルタの電極数を増加したことにより従
来では必要となる整合回路の直列容量が不要となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0019】図1は本発明の多電極型弾性表面波フィル
タの一実施例を示す。本実施例の多電極型弾性表面波フ
ィルタ1は入力電極31 〜37 、出力電極41 〜46
形成された異なる間引き電極を使用した13電極数の多
電極型弾性表面波フィルタ2が基板5上に形成してあ
る。
【0020】本実施例の多電極型弾性表面波フィルタ1
には多電極型弾性表面波フィルタ2の入力端子および出
力端子にそれぞれ各別に、共振器としてのノッチフィル
タに用いる電極指対数の多い電極6、7が直列に接続し
てある。ここで、電極6、7は図11で示した電極と同
一構成の共振器である。なお、電極6、7は多電極型弾
性表面波フィルタ2と同一基板5上に形成してある。
【0021】図2に多電極型弾性表面波フィルタ1の挿
入損失−周波数特性を示す。但し、入出力に整合回路と
して図5Aで示す整合回路を接続した場合の挿入損失−
周波数特性である。図2の挿入損失−周波数特性を図8
および図10の挿入損失−周波数特性と比較すれば明ら
かなように、帯域外のスプリアスレスポンスの発生は少
なく、かつ減衰特性の劣化が改善されている。
【0022】電極6、7のインピーダンスは共振周波数
では低インピーダンス、反共振周波数では高インピーダ
ンスになるが、その他では容量素子として動作する。本
実施例では、電極6、7の反共振周波数を通過帯域近傍
に設定することにより、多電極型弾性表面波フィルタ2
の電極指の重み付けのために劣化した減衰特性が改善さ
れ、加えて、通過帯域では単に容量素子であるから、低
損失化のために電極数を多くしたことにより必要になっ
た整合回路の直列容量が不要となる。このことは、電極
6、7だけのノッチフィルタの場合には低損失化のため
には共振器の容量を限りなく大きくすることが必要だっ
たのに対し、本実施例の場合には容量値は多電極型弾性
表面波フィルタとの関係で決まる有限の最適値が存在す
ることを示しており、低損失に有利であることがわか
る。
【0023】従来では、図5Bに示すように整合回路と
して容量素子2個とインダクタンス素子2個が必要であ
り、挿入損失−周波数特性が図9に示すように通過帯域
近傍の減衰が劣化していたものが、本実施例では、整合
回路としては図5Aで示すようにインダクタンス素子2
個だけでよく、挿入損失−周波数特性も図2で示される
ように良好なものとすることができるという効果を生ず
る。
【0024】また、図11で示された電極の両側に反射
器を配置して構成された共振器でも同様の効果があるこ
とは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
共振器と多電極型弾性表面波フィルタを電気的に直列に
接続することにより、共振器を通過帯域では容量素子と
し整合回路として動作させ、さらに、所望の周波数に反
共振周波数を設定することにより減衰特性を改善するこ
とができるため、特性の良好な低損失弾性表面波フィル
タとなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の多電極型弾性表面波フィル
タの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例の多電極型弾性表面波フィル
タの周波数特性図である。
【図3】従来の多電極型弾性表面波フィルタの概略図で
ある。
【図4】図4Aは図3で示す正規型電極で構成された多
電極型弾性表面波フィルタの入力側のインピーダンス特
性図であり、図4Bは図3で示す正規型電極で構成され
た多電極型弾性表面波フィルタの出力側のインピーダン
ス特性図である。
【図5】図5Aは図3で示す多電極型弾性表面波フィル
タの整合回路を示す回路図であり、図5Bは図6で示す
多電極型弾性表面波フィルタの整合回路を示す回路図で
ある。
【図6】図3で示す5電極構成を13電極構成とした場
合の多電極型弾性表面波フィルタの概略図である。
【図7】図7Aは図6で示す多電極型弾性表面波フィル
タの入力側のインピーダンス特性図であり、図7Bは図
6で示す多電極型弾性表面波フィルタの出力側のインピ
ーダンス特性図である。
【図8】図6で示す多電極型弾性表面波フィルタに図5
Bで示す整合回路を付加した場合の周波数特性図であ
る。
【図9】異なる間引き電極で構成された13電極構成の
多電極型弾性表面波フィルタの概略図である。
【図10】図9で示す多電極型弾性表面波フィルタに図
5Bの整合回路を付加した場合の周波数特性図である。
【図11】電極指対数の多い電極の概略図である。
【図12】図11で示す電極指対数の多い電極のインピ
ーダンス特性図である。
【符号の説明】
1、2…多電極型弾性表面波フィルタ 31 〜37 …入力電極 41 〜46 …出力電極 6、7…電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入出力電極が交互に配置される多電極型弾
    性表面波フィルタの入出力端側の少なくとも一方に、反
    共振周波数は多電極型弾性表面波フィルタの通過帯域外
    にあり、かつ通過帯域内においてはほぼ静電容量として
    動作する少なくとも1個以上の共振器が電気的に直列接
    続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の弾性表面波フィルタにおい
    て、共振器と多電極型弾性表面波フィルタは同一基板上
    に構成されていることを特徴とする弾性表面波フィル
    タ。
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