JP5937477B2 - 分波器および通信用モジュール部品 - Google Patents

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本発明は、分波器および通信用モジュール部品に関するものである。
携帯電話機などの通信端末のフロントエンド部では、送受信周波数を分波する分波器が使用されている。
分波器は、アンテナ端子、送信端子、および受信端子を有し、アンテナ端子と送信端子との間には送信用フィルタが配置され、アンテナ端子と受信端子との間には受信用フィルタが配置されている。通信端末において、分波器の後段には送信回路と受信回路が配置されており、分波器は送信回路からの送信信号をアンテナ端子へ、アンテナ端子で受信した受信信号を受信回路へ分波する機能を有している。
このような分波器では、送信信号が受信回路へ流れ込まないようにするため、または受信信号が送信回路へ流れ込まないようにするために送信用フィルタと受信用フィルタとの整合をとるようにしている。
しかしながら、各フィルタの設計によっては、最も整合が取れた状態でも、例えば送信用フィルタからアンテナへのインピーダンスより受信用フィルタへのインピーダンスがわずかに低くなる場合や、アンテナから受信用フィルタへのインピーダンスより送信用フィルタへのインピーダンスがわずかに低くなる場合がある。そうすると、本来、送信用フィルタからアンテナへ抜ける信号が受信用フィルタへ流れたり、アンテナから受信用フィルタへ入力されるはずだった信号が送信用フィルタへと流れるなどして、アイソレーション特性が劣化することになる。
分波器に使用される送信用フィルタおよび受信用フィルタは圧電基板上にIDT電極を形成した弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタにより構成されること
が多いが、従来の分波器ではIDT電極の電極指間距離や電極指の本数などを変えるなどして各フィルタのインピーダンスを調整することによりアイソレーション特性の改善を図っていた(例えば、特許文献1参照)。
ところで分波器に求められる要求スペックとしては、アイソレーション特性以外に減衰特性(通過特性)も重要となってくる。アイソレーション特性、減衰特性のいずれかの特性が悪いと、携帯電話機の通話品質が劣化するなどの問題が生じるためである。
特開平5−183380号公報
しかしながら従来の調整方法では、調整可能な範囲は限られており、減衰特性を劣化させずにアイソレーション特性の改善を図ることが困難となる場合がある。
本発明は、上記課題を解決するべくなされたものであり、減衰特性を維持しつつアイソレーション特性を改善することができる分波器およびそれを用いた通信用モジュール部品を提供するものである。
本発明の一態様に係る分波器は、第1弾性波フィルタ部を下面に有する第1圧電基板と、第2弾性波フィルタ部を下面に有する第2圧電基板と、上面に前記第1圧電基板および前記第2圧電基板が取り付けられた回路基板とを備えた分波器であって、前記第1弾性波フィルタ部は不平衡信号パッドおよび平衡信号パッドを有しており、前記第1圧電基板の下面には、前記第1弾性波フィルタ部を取り囲むとともに独立して電気的に浮いている枠状配線が設けられているものである。
また本発明の一態様に係る通信用モジュール部品は、モジュール基板と、上記の分波器とを備えたものである。
上記の構成によれば、分波器の減衰特性を維持しつつアイソレーション特性を改善することができる。
本発明の実施形態に係る分波器の外観斜視図である。 実施形態の分波器の等価回路図である。 実施形態の分波器に使用される第1圧電基板を下面側から見たときの平面図である。 実施形態の分波器に使用される第2圧電基板を下面側から見たときの平面図である。 実施形態の分波器に使用される回路基板を上面側から見たときの平面図である。 図1分波器のVI−VI線における断面図である。 参照用モデルR、解析モデルAおよび解析モデルBのシミュレーション結果を示す図であり、(a)はアイソレーション特性、(b)は通過特性を示すグラフである。 参照用モデルR、解析モデルCおよび解析モデルDのシミュレーション結果を示す図であり、(a)はアイソレーション特性、(b)は通過特性を示すグラフである。 参照用モデルRおよび解析モデルEのシミュレーション結果を示す図であり、アイソレーション特性を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る通信用モジュールの図であり、(a)は斜視図、(b)はブロック回路図である。 図1に示す分波器を使用した通信装置のブロック回路図である。 本発明の別の実施形態に係る分波器の外観斜視図である。
以下、本発明にかかる分波器の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する図面において同様の箇所には同じ符号を付すものとする。また、各パターンの大きさやパターン間の距離、あるいはビアの本数や直径や形状等については、説明のために模式的に図示したものであるので、これらに限定されるものではない。
<分波器>
本発明の実施形態にかかる分波器200の斜視図を図1に示す。図1に示す分波器200は、複数の誘電体層を積層することにより形成された回路基板100と、回路基板100に実装された第1圧電基板101および第2圧電基板102とから主に構成されている。第1圧電基板101および第2圧電基板102は、回路基板100の上面100Bに実
装されている。
第1圧電基板101の回路基板100の上面100Bと向い合う面(下面101A)には、第1弾性波フィルタ部5が形成されている。第2圧電基板102の回路基板100の上面100Bと向い合う面(下面102A)には、第2弾性波フィルタ部6が形成されている。
第1圧電基板101および第2圧電基板102は、全体が封止樹脂103(図では点線で示す)によって覆われて保護されている。
回路基板100の下面100Aには送信信号端子1、第1、第2受信信号端子2、3、アンテナ端子4および基準電位端子Gなどの各種端子が形成されている。
回路基板100の厚みは、例えば、150μm〜400μm、第1圧電基板101および第2圧電基板102の厚みは、例えば、230μm〜280μmである。
図2は分波器200の等価回路図である。第1弾性波フィルタ部5は、アンテナ端子4と第1、第2受信信号端子2,3との間に配置されており、例えば、受信用フィルタとして機能する。一方、第2弾性波フィルタ部6は、アンテナ端子4と送信信号端子1との間に配置されており、例えば、送信用フィルタとして機能する。
第1弾性波フィルタ部5と第2弾性波フィルタ部6とは通過帯域周波数が互いに異なるように設定されている。本実施形態では、第1弾性波フィルタ部5の通過周波数帯域が、第2弾性波フィルタ部6の通過周波数帯域よりも高くなるように設定されており、例えば、第1弾性波フィルタ部5の通過周波数帯域は1850〜1910MHzであるのに対し、第2弾性波フィルタ部6の通過周波数帯域は1930〜1990MHzである。
アンテナ(Ant)から第1弾性波フィルタ部5に入力される信号は不平衡信号であり、第1弾性波フィルタ部5から出力される信号は平衡信号である。第1弾性波フィルタ部5は、2つのSAWフィルタ71,72と3つのSAW共振子73〜75とから主に構成されている。SAWフィルタ71,72は、二重モード型のSAWフィルタである。
送信信号端子1から第2弾性波フィルタ部6に入力される信号および第2弾性波フィルタ部6からアンテナに出力される信号はともに不平衡信号である。
第2弾性波フィルタ部6は3つの直列共振子61〜63と3つの並列共振子65〜67とから主に構成されている。直列共振子61〜63と並列共振子65〜67がラダー型に接続されることによって第2弾性波フィルタ部6はラダー型フィルタを構成している。第2弾性波フィルタ部6の並列共振子65〜67は、それぞれ基準電位配線52を介して基準電位端子Gに接続されている。基準電位配線52は、所定の大きさのインダクタンスを有しており、このインダクタンスと並列共振子の容量とが所定の周波数で共振することにより帯域外に減衰極を形成し、帯域外の減衰量を大きくしている。
図3は、本実施形態にかかる分波器に使用される第1圧電基板101を下面101A側から見たときの平面図である。
SAWフィルタ71は、SAW共振子73を介して受信側入力パッド24に接続されている。受信側入力パッド24はアンテナ端子4に電気的に接続されるパッドである。一方、SAWフィルタ72は、SAW共振子74を介して受信側第1出力パッド22に接続されている。受信側第1出力パッド22は、第1受信信号端子2に電気的に接続されるパッ
ドである。またSAWフィルタ72は、SAW共振子75を介して受信側第2出力パッドに接続されている。受信側第2出力パッドは、第2受信信号端子3に電気的に接続されるパッドである。なお、受信側入力パッド24は本発明の「不平衡信号パッド」の一態様である。また、受信側第1出力パッド22および受信側第2出力パッド23は、本発明の「平衡信号パッド」の一態様である。
SAWフィルタ71とSAWフィルタ72とは信号配線81を介して互いに接続されている。またSAWフィルタ71、72は基準電位配線82を介して基準電位パッド25に接続されている。SAWフィルタ71とSAWフィルタ72との間の領域において、信号配線81と基準電位配線82とは、絶縁体を両配線の間に挟むことにより立体的に交差している。その他の部分でも、異なる電位となる配線同士が交差する部分では絶縁体を介して立体的な交差となっている。
第1弾性波フィルタ部5全体を取り囲むようにして第1圧電基板101の下面101Aには枠状配線9(図2では便宜的に斜線を付してある)が設けられている。枠状配線9は、例えば、第1圧電基板101の下面101Aの外周に沿って矩形状に形成されている。枠状配線9の形状はこれに限らず、第1弾性波フィルタ部5全体を覆う形状であればどのような形状でもよい。例えば、図3に示すような角部が直角状の矩形状でなく外方に凸の曲面状となっている矩形状であってもよいし、各辺が直線状でなく他のパッドなどに合わせて曲線状になっていてもよい。
この枠状配線9は第1弾性波フィルタ部5を構成している各フィルタ、共振子、配線およびパッドのいずれにも電気的な接続はされておらず、回路基板100側にも電気的な接続はされていない。すなわち、枠状配線9は独立して電気的に浮いた状態となっている。このように枠状配線9は他の配線などには電気的に接続されず、回路基板100に実装する際もここに半田などが塗布されるわけでもないため、その幅を比較的狭くすることができ、例えば、その幅は10μm〜30μmである。
このような枠状配線9を設けることによって、後述するように分波器200のアイソレーション特性を向上させることができる。
図4は本実施形態にかかる分波器200に使用される第2圧電基板102を下面102A側から見たときの平面図である。
図4に示すように第2弾性波フィルタ部6を構成する直列共振子61、62、63および並列共振子65、66、67はそれぞれSAW共振子からなる。そのうち、直列共振子61、62、63および並列共振子65、66は直列分割された共振子である。
直列共振子のうち一方端に配置された直列共振子61は送信側出力パッド34に接続されている。送信側出力パッド34はアンテナ端子4に電気的に接続されるパッドである。直列共振子のうち他方端に配置された直列共振子63は送信側入力パッド31に接続されている。送信側出力パッド31は送信信号端子1に電気的に接続されるパッドである。また、各並列共振子65,66,67はそれぞれ送信側基準電位パッド35に接続されている。送信側基準電位パッド35は基準電位端子Gに電気的に接続されるパッドである。
図5は回路基板100の上面100Bの平面図である。図5において、左側の領域に第1圧電基板101が実装され、右側の領域に第2圧電基板102が実装される。なお、第2圧電基板102の実装領域を便宜的に点線で示している。
回路基板100の上面100Bには導体パターン群が形成されている。具体的には、第
1圧電基板101の実装領域には、受信側第1導体パターン22’、受信側第2導体パターン23’、受信側第3導体パターン24’および受信側第4導体パターン25’を含む第1導体パターン群が形成されている。一方、第2圧電基板102の実装領域には、送信側第1導体パターン31’、送信側第2導体パターン34’および送信側第3導体パターン35’を含む第2導体パターン群が形成されている。
これらの各導体パターンは、第1圧電基板101および第2圧電基板102を回路基板100に実装したときに、第1圧電基板101および第2圧電基板102に設けた各パッドと対応する位置に形成されており、それらのパッドと半田などの導電性接合材によって接続される。
具体的には受信側第1導体パターン22’、受信側第2導体パターン23’、受信側第3導体パターン24’および受信側第4導体パターン25’は受信側第1出力パッド22、受信側第2出力パッド23、受信側入力パッド24および受信側基準電位パッド25にそれぞれ接続されている。また送信側第1導体パターン31’、送信側第2導体パターン34’および送信側第3導体パターン35’は送信側出力パッド31、送信側入力パッド34および送信側第3出力パッド35にそれぞれ接続されている。
これらの導体パターンは第1圧電基板101および第2圧電基板102の各パッドに接続される一方で回路基板100の下面100Aに設けられた各端子とも接続されている。
具体的には受信側第1導体パターン22’は第1受信信号端子2に接続され、受信側第2導体パターン23’は第2受信信号端子3に接続され、受信側第3導体パターン24’はアンテナ端子4に接続され、受信側第4導体パターン25’は基準電位端子Gに接続されている。また、送信側第1導体パターン31’は送信信号端子1に接続され、送信側第2導体パターン34’はアンテナ端子4に接続され、送信側第3導体パターン35’は基準電位端子Gに接続されている。
回路基板100の上面100Bの第1圧電基板101の実装領域には、第1導体パターン群(受信側第1導体パターン22’、受信側第2導体パターン23’、受信側第3導体パターン24’および受信側第4導体パターン25’)を取り囲む枠状導体パターン11が形成されている。この枠状導体パターン11は第1導体パターン群を取り囲んでいるが、第2導体パターン群(送信側第1導体パターン31’、送信側第2導体パターン34’および送信側第3導体パターン35’)は取り囲んでいない。すなわち、枠状導体パターン11は、第1導体パターン群のみを取り囲んでいる。
この枠状導体パターン11は、いずれの導体パターンとも接続されておらず、第1圧電基板101および第2圧電基板102のパッドや枠状配線9のいずれとも接続されていない。すなわち、枠状導体パターン11は独立して電気的に浮いた状態となっている。
このような枠状導体パターン11を形成することによって、分波器200のアイソレーション特性をより向上させることができる。
枠状導体パターン11は例えば矩形状に形成されており、第1圧電基板101を回路基板100に実装した状態において、枠状配線9と重なる位置に配置されている。ただし、前述したように枠状導体パターン11と枠状配線9とは接続されない。枠状導体パターン11の形状は第1導体パターン群を取り囲んでいればどのような形状であってもよく、例えば、図5のように角部が直角状でなく丸みを帯びていてもよいし、直線状の辺を曲線状にしてもよい。また枠状導体パターン11の幅は、例えば、10μm〜40μmである。
図6は分波器200の断面図であり、図1のVI−VI線で切断したときの断面に相当する。
図6に示すように回路基板100は2層構造となっている。各層は誘電体材料などからなる。回路基板100を構成する誘電体の材料としては例えばアルミナを主成分とするセラミックスや、低温で焼結可能なガラスセラミックス、または有機材料を主成分とするガラスエポキシ樹脂等が用いられる。セラミックスやガラスセラミックスを用いる場合には、セラミックス等の金属酸化物と有機バインダとを有機溶剤等で均質混練したスラリーをシート状に成型したグリーンシートを作製し、所望の導体パターンやビアを形成した後、これらグリーンシートを積層し圧着することにより一体形成して、しかる後焼成することによって作製される。なお、回路基板100は2層構造に限られず、3層以上であってもよいし、単層であってもよい。
回路基板100の内部には、ビア導体7および内部導体パターン8が形成されている。これらのビア導体7および内部導体パターン8を介して回路基板100の上面100Bに設けられた導体パターン群が下面100Aに設けられた各端子に接続されている。なお、所定のインダクタンスを得るために渦巻き状あるいは蛇行状に形成された部分を有する内部導体パターン8を設けてもよい。
表層の導体パターン群、内部導体パターン8およびビア導体7は、アルミ、銀、銀にパラジウムを添加した合金、タングステン、銅および金などの導体材料からなる。導体パターン群および内部導体パターン8は、例えば、蒸着法あるいはスパッタリング法といった方法によって導体材料を成膜した後に、導体膜をエッチング法などによりパターニングすることによって形成される。その他、スクリーン印刷法などによっても形成することができる。ビア導体7も例えばスクリーン印刷法などによって形成することができる。導体パターン群を構成する各導体パターンには、その表面にNiあるいはAuなどによってめっき処理を施してもよい。
導体パターン群と第1回路基板101および第2回路基板102の各パッドとの接続は半田などの導電性接合材10を介して行われる。これによって第1回路基板101および第2回路基板102と回路基板100とが電気的・機械的に接続されることになる。
回路基板100に実装された第1回路基板101および第2回路基板102は全体が封止樹脂103によって覆われている。封止樹脂103は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂材料からなる。この封止樹脂103は、第1圧電基板101の下面の第1弾性波フィルタ部5が形成された部分および第2圧電基板102の下面の第2弾性波フィルタ部6が形成された部分に入り込まないように、粘性を調整したり、所定の作製方法を採用している。
次に、枠状配線9および枠状導体パターン11の電気特性への影響について考察した結果を図7〜図9を用いて説明する。具体的には、上述した分波器200において、枠状配線9および枠状導体パターン11を形成していないものを参照用モデルRとし、この参照用モデルRと、枠状配線9および枠状導体パターン11について態様の異なる解析モデルA〜Eとの電気特性を比較することによって考察を行った。なお、電気特性はいずれもシミュレーションによる計算によって求めたものである。また、分波器の通過周波数帯域は受信側(第1弾性波フィルタ部5)が1930〜1990MHzであり、送信側(第2弾性波フィルタ部6)が1850〜1910MHzである。
図7は解析モデルAおよび解析モデルBの参照用モデルRとの比較結果である。図7(a)はアイソレーション特性を示すグラフであり、図7(b)は通過特性を示すグラフで
ある。図7において、通常のノーマル線が参照用モデルR、破線が解析モデルA、一点鎖線が解析モデルBの計算結果である。
解析モデルAは第1圧電基板101に枠状配線9を形成し、回路基板100に枠状導体パターン11を形成していない分波器である。これは分波器200から枠状導体パターン11を省いたものに対応する。
解析モデルBは回路基板100に枠状導体パターン11を形成し、第1圧電基板101に枠状配線9を形成していない分波器である。これは分波器200から枠状配線9を省いたものに対応する。
図7(a)に示す結果から解析モデルAおよび解析モデルBのいずれも参照用モデルRに比べて送信側の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性が改善することが確認できた。特に解析モデルAは解析モデルBに比べて大幅な改善効果が見られた。具体的には、解析モデルBの改善量が1dBであるのに対し、解析モデルAの改善量は6dBであった。
一方、図7(b)に示すように解析モデルAおよび解析モデルBのいずれも参照用モデルRに比べ通過特性の劣化は見られなかった。
図8は解析モデルCおよび解析モデルDの参照用モデルRとの比較結果である。図8(a)はアイソレーション特性を示すグラフであり、図8(b)は通過特性を示すグラフである。図8において、通常のノーマル線が参照用モデルR、点線が解析モデルC、太い一点鎖線が解析モデルDの計算結果である。
解析モデルCは第1圧電基板101に枠状配線9を形成し、回路基板100に枠状導体パターン11を形成した分波器である。これは分波器200に対応する。
解析モデルDは第1圧電基板101に枠状配線9を形成し、回路基板100に枠状導体パターン11を形成し、枠状配線9と枠状導体パターン11とを電気的に接続した分波器である。
図8(a)に示す結果から解析モデルCおよび解析モデルDのいずれも参照用モデルRに比べて送信側の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性が改善することが確認できた。特に解析モデルCは解析モデルDに比べて大幅な改善効果が見られた。具体的には、解析モデルDの改善量が2.5dBであるのに対し、解析モデルCの改善量は7dBであった。
一方、図8(b)に示すように解析モデルCおよび解析モデルDのいずれも参照用モデルRに比べ通過特性の劣化は見られなかった。
図9は解析モデルEの参照用モデルRとのアイソレーション特性の比較結果を示すグラフである。図9において、通常のノーマル線が参照用モデルR、太い破線が解析モデルEの計算結果である。
解析モデルEは、第2圧電基板102に第2弾性波フィルタ部6を取り囲む枠状配線を形成し、回路基板100には枠状導体パターン11を形成していない分波器である。
図9に示す結果から解析モデルEでは参照用モデルRに比べて送信側の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性がやや改善するものの、受信側の通過周波数帯域における
アイソレーション特性が大きく劣化することが確認できた。
以上の結果から、少なくとも受信用フィルタとして機能する第1弾性波フィルタ部5のみを取り囲む枠状配線9を形成すれば通過特性を維持しつつアイソレーション特性を向上させることが確認できた。さらに、枠状配線9に加えて、第1弾性波フィルタ部5に電気的に接続された回路基板100の第1導体パターン群のみを取り囲む枠状導体パターン11を形成することによってアイソレーション特性をより改善することが確認できた。
このように電気的に浮いた状態の枠状配線9を設けることによってアイソレーション特性を改善することができる理由は必ずしも明確ではないが、1つの理由としては次のようなことが考えられる。
まず、第1フィルタ部5には平衡信号パッド22、23が設けられているが、枠状配線9を第1フィルタ部5を取り囲むように形成することによって、枠状配線9と平衡信号パッド22,23との間に容量が形成される。この容量を介して第1フィルタ部5を通過する信号の一部が枠状配線9に漏れる。一方、アイソレーション特性は第1フィルタ部5と第2フィルタ部6とが別個の圧電基板上に形成されている場合であっても、空間を介して第2フィルタ部6の信号が第1フィルタ部5に漏れることによって悪化する。このとき空間を介して第2フィルタ部6から第1フィルタ部5に漏れる信号が、平衡信号パッド22、23から容量を介して枠状配線9を伝搬する信号と打ち消し合うように作用し、これによってアイソレーション特性が改善すると考えられる。
<通信用モジュール部品>
次に、本発明の通信用モジュール部品の実施形態について説明する。図10は、本実施形態にかかる通信用モジュール部品400の斜視図である。通信用モジュール部品400は、分波器200の他にパワーアンプPA、バンドパスフィルタBPFなどを含み、例えば、携帯電話機などの送信用モジュールとして使用される。
通信用モジュール部品400は、モジュール用基板300の上面に分波器200、パワーアンプPA、バンドパスフィルタBPFを実装させた上、これらの部品を樹脂301により被覆したものである。本実施形態の通信用モジュールは、上述した分波器200を搭載していることにより電気特性に優れている。
<通信装置>
次に、上述した分波器200を使用した通信装置の実施形態について説明する。図11は、本実施形態にかかる通信装置のブロック図である。図11に示す通信装置は、アンテナANTと、アンテナANTに接続されるRF回路600と、RF回路600に接続されるIF回路700と、IF回路に接続される信号処理回路DSPと、信号処理回路DSPに接続されるインターフェース部800とを備えたものである。
RF回路600は、分波器200、パワーアンプPA、送信用バンドパスフィルタBPF1、ローノイズアンプLNA、受信用バンドパスフィルタBPF2、および局部発振器LOを備えている。IF回路700は、変調器MOD、ローパスフィルタLPS、および復調器De−MODを備えている。インターフェース部800は、制御部CONT,操作部KB、マイクロフォンMIC、およびスピーカーSPを備えている。
同図に示すようにマイクロフォンMICより入力された音声信号はDSP(Digital Signal Processor)でA/D変換された後、変調器MODで変調され、さらに局部発振器LOの発振信号を用いてミキサで周波数変換される。ミキサの出力は、送信用バンドパスフィルタBPF1およびパワーアンプPAを通り、分波器200を通って、アンテナANT
に出力される。アンテナANTからの受信信号は、分波器200を通って、ローノイズアンプLNA、受信用バンドパスフィルタBPF2を経て、ミキサへ入力される。ミキサは局部発振器LOの発振信号を用いて受信信号の周波数を変換し、変換された信号は、ローパスフィルタLPFを通って復調器De−MODで復調され、さらにDSPでD/A変換され、スピーカーから音声信号が出力される。図11に示す通信装置は、分波器200を具備しているため、通話品質が優れたものとなる。
図12は本発明の別の実施形態に係る分波器201の斜視図である。上述した実施形態における分波器200は、第1弾性波フィルタ部5と第2弾性波フィルタ部6とを別個の圧電基板に形成していたが、分波器201では第1弾性波フィルタ部5と第2弾性波フィルタ部6とを同一の圧電基板104に形成したものである。圧電基板104以外の構成は分波器200と同じである。
分波器201のように同一の圧電基板104に第1弾性波フィルタ部5および第2弾性波フィルタ部6を形成した場合も、枠状配線9を設けることによってアイソレーション特性を改善することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、上述した実施形態では第1弾性波フィルタ部5の通過周波数帯域が第2弾性波フィルタ部6の通過周波数帯域よりも高い分波器について説明したが、第2弾性波フィルタ部6の通過周波数帯域が第1弾性波フィルタ部5の通過周波数帯域よりも高い分波器にも本発明は適用可能である。
また回路基板100に設けた枠状導体パターン11を設けずに第1圧電基板101に枠状配線9のみを設けるようにしてもよい。
また上述した実施形態では、第2フィルタ部6がラダー型フィルタによって構成されている分波器について説明したが、第2フィルタ部6はこれに限らず、例えば、圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)によって構成されたフィルタでもよい。
1・・・送信信号端子
2・・・第1受信信号端子
3・・・第2受信信号端子
4・・・アンテナ端子
5・・・第1弾性波フィルタ部
6・・・第2弾性波フィルタ部
7・・・ビア導体
8・・・内部導体パターン
9・・・枠状配線
10・・・導電性接合材
11・・・枠状導体パターン
100・・・回路基板
101・・・第1圧電基板
102・・・第2圧電基板

Claims (4)

  1. 第1弾性波フィルタ部を下面に有する第1圧電基板と、第2弾性波フィルタ部を下面に有する第2圧電基板と、上面に前記第1圧電基板および前記第2圧電基板が取り付けられた回路基板とを備えた分波器であって、
    前記第1弾性波フィルタ部は不平衡信号パッドおよび平衡信号パッドを有しており、
    前記第1圧電基板の下面には、前記第1弾性波フィルタ部を取り囲むとともに独立して電気的に浮いている枠状配線が設けられており、
    前記回路基板の上面には、前記第1弾性波フィルタ部に電気的に接続された第1導体パターン群と、前記第2弾性波フィルタ部に電気的に接続された第2導体パターン群と、前記第1導体パターン群のみを取り囲むとともに独立して電気的に浮いている枠状導体パターンが設けられている分波器
  2. 前記第2弾性波フィルタ部はラダー型に接続された複数の直列共振子および複数の並列共振子を有する請求項1に記載の分波器。
  3. 第1弾性波フィルタ部および第2弾性波フィルタ部を下面に有する圧電基板と、上面に前記圧電基板が取り付けられた回路基板とを備えた分波器であって、
    前記第1弾性波フィルタ部は不平衡信号パッド、第1平衡信号パッドおよび第2平衡信号パッドを有しており、
    前記圧電基板の下面には、前記第1弾性波フィルタ部のみを取り囲むとともに独立して電気的に浮いている枠状配線が設けられており、
    前記回路基板の上面には、前記第1弾性波フィルタ部に電気的に接続された第1導体パターン群と、前記第2弾性波フィルタ部に電気的に接続された第2導体パターン群と、前記第1導体パターン群のみを取り囲むとともに独立して電気的に浮いている枠状導体パターンが設けられている分波器
  4. モジュール基板と、
    該モジュール基板に実装された請求項1乃至のいずれか1項に記載の分波器と
    を備えた通信用モジュール部品。
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