JP5826036B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタ、SAWデュプレ
クサ等の弾性表面波装置に関する。
携帯電話機などの携帯情報端末に搭載されるフィルタまたはデュプレクサにはSAWを利用したデバイスが広く使用されている。
SAWデバイスに対しては、通過周波数帯域外における減衰量が大きいことが要求される。例えば、ワイヤレスLANにおいては、その通過周波数帯域における3倍波の周波数が7.5GHzに存在するため、7.5GHz付近の減衰量を大きくする必要がある。
通過周波数帯域外の減衰量を大きくする技術としては、縦結合共振子型のSAWフィルタを2段にカスケード接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これは1段目のSAWフィルタにおいてある程度通過周波数帯域外の減衰を確保し、2段目のSAWフィルタによってさらに通過周波数帯域外の減衰を大きくするものである。
特開平5−110377号公報
しかしながら縦結合共振子型のSAWフィルタを2段にカスケード接続する方法では、高周波側における通過帯域外の減衰量が不十分な場合がある。この場合、さらに別のSAWフィルタをカスケード接続すれば帯域外減衰量を大きくすることができるものの、一方で通過周波数帯域における挿入損失特性が劣化する。また、SAWフィルタが1つ増えるためSAW装置の大型化を招くこととなる。
そこで通過周波数帯域における挿入損失特性を劣化させることなく、帯域外減衰量を大きくすることができる小型の弾性表面波装置が望まれている。本発明はかかる弾性表面波装置を提供するものである。
本発明の一態様に係る弾性表面波装置は、圧電基板と、該圧電基板の主面上に配置された、前記圧電基板の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に伸びた電極指を複数本有しているIDT電極を複数個有し、これら複数個のIDT電極が前記伝搬方向に沿って配列されている縦結合共振子型のSAWフィルタ部と、前記伝搬方向に沿って伸びている対向部を有し、前記SAWフィルタ部に電気的に接続された基準電位配線と、前記対向部に並んで配置された、前記伝搬方向に沿って伸びているLC形成部を有し、一端が前記SAWフィルタ部に接続されている入力信号配線とを備えたものである。
上記の弾性表面波装置によれば、LC形成部が形成するキャパシタンスおよびインダクタンスが付加されることによって、通過周波数帯域の挿入損失を大きく劣化させることなく、通過周波数帯域外の減衰特性を大幅に改善することができる。また、新たな素子を付加する必要もないため、弾性表面波装置の全体構造が大型化することもない。
本発明の第1の実施形態に係るSAW装置の斜視図である。 図1に示すSAW装置に使用される圧電基板の平面図である。 図2の第1SAWフィルタ部を抜き出した平面図である。 図1に示すSAW装置に使用される回路基板の各層の平面図である。 図1に示すSAW装置の回路図である。 図1に示すSAW装置を用いた通信用モジュール部品の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るSAW装置に使用される圧電基板の平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るSAW装置に使用される圧電基板の平面図である。 図8のa−a’線における拡大断面図である。
以下、本発明のSAW装置の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する図面において同様の箇所には同じ符号を付すものとする。また、各配線の大きさ、電極間の距離、電極指の本数等については、説明のために模式的に図示したものであるので、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るSAW装置200の斜視図である。図1に示すSAW装置200は、複数の誘電体層を積層することによって形成された回路基板100と、回路基板100に実装された圧電基板101とから主に構成されている。圧電基板101の回路基板100の上面100Aと向かい合う主面(下面101A)には、図2に示すように、第1フィルタF1および第2フィルタF2が形成されている。第1フィルタF1と第2フィルタF2とは異なる通信システムに対応したフィルタであり、互いに通過周波数帯域が異なっている。すなわち、SAW装置200は2つのフィルタが1つのチップに形成されたいわゆる2 in 1タイプのフィルタを構成するものである。
圧電基板101は、回路基板100の上面100Aに圧電基板の下面101Aが向かい合うようにして回路基板100に実装されている。圧電基板101は、回路基板100よりも一回り小さいサイズに設定され、全体が封止樹脂103(図では点線で示す)によって覆われて保護されている。圧電基板101の厚みは、例えば170μm〜280μmであり、回路基板100の厚みは、例えば50μm〜400μmである。
図2は、SAW装置200に使用される圧電基板101を下面101A側から見たときの平面図である。SAW装置200における第1フィルタF1および第2フィルタF2は弾性表面波フィルタからなる。第1フィルタF1および第2フィルタF2は、圧電基板101の主面外周に沿って環状に形成された基準電位配線7によって囲まれている。
第1フィルタF1は、縦結合共振子型の第1SAWフィルタ部5、第1SAWフィルタ部5にカスケード接続された縦結合共振子型の第2SAWフィルタ部6、第1入力信号パッド1、第1出力信号パッド2、第2出力信号パッド3等を有している。第1SAWフィルタ部5および第2SAWフィルタ部6は、IDT電極11の相互間の音響結合によって発生する1次および3次の振動モードを利用する縦結合2重モード弾性表面波フィルタとして機能する。
図3は、図2から第1SAWフィルタ部5を抜き出した図である。第1SAWフィルタ部5は、圧電基板101の主面を伝搬するSAWの伝搬方向Pに沿って配列された3個のIDT電極11および伝搬方向Pにおいてこれら3個のIDT電極11を挟むようにして
配置された一対の反射器電極12を有する。
各IDT電極11は、一対のバスバー21および複数本の電極指22を有する。一対のバスバー21は、伝搬方向Pに沿って伸びており、互いに対向するようにして配置されている。複数本の電極指22は、一対のバスバー21のそれぞれから相手側のバスバー21に向かって伸びている。一方のバスバー21から伸びている電極指22と他方のバスバー21から伸びている電極指22とは、互いに伝搬方向において交差する部分を有するように配置されている。換言すれば、IDT電極21は、バスバー21とバスバー21から伝搬方向Pに対して直交する方向に伸びた複数本の電極指22とからなる櫛歯状電極同士を互いの電極指22が噛み合うようにして配置された構造からなる電極である。なお、一方のバスバー21から伸びた電極指22の先端との間にギャップを有するようにして、他方のバスバー21からその電極指22に向かって伸びたダミー電極指を形成してもよい。
反射器電極12は、伝搬方向Pに対して直交する方向に伸びた複数本の電極指24および電極指24が伸びた方向においてその両端に接続されたバスバー23を有している。この反射器電極12は、IDT電極11に近い領域T1では電極指24の長さが一定であるが、その領域T1より外側の領域T2では伝搬方向Pに沿って外側に向かうにつれて電極指24の長さが徐々に短くなっており、領域T2における複数本の電極指24の全体の平面形状は三角形状になっている。反射器電極12の電極指24をこのような形状とすることによって、SAWのIDT電極11側への不要な反射を抑制し、スプリアスが発生するのを抑えることができる。
図2に示す例において、第1SAWフィルタ部5にカスケード接続された第2SAWフィルタ部6も、第1SAWフィルタ部5と同様の構成を有している。すなわち、3個のIDT電極11とその両側に配置された一対の反射器電極12とを有している。
第1SAWフィルタ部5は第1入力信号パッド1と電気的に接続され、第2SAWフィルタ部6は第1出力信号パッド2および第2出力信号パッド3に電気的に接続されている。第1入力信号パッド1から入力された信号は、第1SAWフィルタ部5および第2SAWフィルタ部6によってフィルタリングされ、フィルタリングされた信号が第2出力信号パッド2および第3出力信号パッド3から出力される。
SAW装置200において、第1入力信号パッド1に入力される信号は不平衡信号であり、第1出力信号パッド2および第2出力信号パッド3から出力される信号は平衡信号である。すなわち、第1SAWフィルタ部5および第2SAWフィルタ部6は、不平衡信号と平衡信号とを相互に変換する機能を有する。
第1入力信号パッド1と第1SAWフィルタ部5とは、入力信号配線4を介して互いに接続されている。入力信号配線4は、第1SAWフィルタ部5の中央のIDT電極11から引き出され、伝搬方向Pに沿って伸びて第1入力信号パッド1に接続されている。入力信号配線4の伝搬方向Pに沿って伸びている部分がLC形成部4aである。
図2に示す第1の実施形態においては、LC形成部4aは、第1SAWフィルタ部5と基準電位配線7との間に位置している。基準電位配線7のうちLC形成部4aと対向している部分が対向部7aである。すなわち、LC形成部4aは、対向部7aに並んで配置されている。入力信号配線4のLC形成部4aは長く伸びているため、そこに所定のインダクタンスLが形成されるとともに、基準電位配線7の対向部7aに対向していることから、対向部7aとの間に所定のキャパシタンスCが発生することとなる。したがって第1フィルタF1は、第1入力信号パッド1に対して並列にキャパシタンスCが付加され、第1入力信号パッド1に対して直列にインダクタンスLが付加されることとなる。
第1フィルタF1にこのようなキャパシタンスCおよびインダクタンスLが付加されることによって、挿入損失特性をほぼそのままのレベルに維持しつつ、高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。かかる効果は、本発明者が種々の配線パターンについて検討を重ねた結果見出したものである。この方法によれば、帯域外減衰量を大きくするために別途SAWフィルタ部等を形成する必要もないため、圧電基板101が大型化することもない。よってSAW装置200の大型化を招くこともない。
例えば、第1フィルタF1の通過周波数帯域が925MHz〜960MHzの場合は、キャパシタンスC(pF)を1≦C≦1.5とし、かつ、インダクタンスL(nH)を2≦L≦3の範囲とすることによって、第1フィルタF1の挿入損失特性をほぼそのままのレベルに維持しつつ、ワイヤレスLANの通過周波数帯域の3倍波の帯域である7.5GHz付近の減衰を大きくすることができる。なお、LC形成部4aは、主に対向部7aとの間に比較的大きなキャパシタンスを形成するが、対向部7a以外の基準電位とされている配線や電極(例えば、LC形成部4aの右隣に位置している反射器電極12)との間にもキャパシタンスを形成することがあるため、それらも考慮してキャパシタンスCの大きさを調整してもよい。
入力信号配線4を伝搬方向に沿って伸ばすと、その先端に配置される第1入力信号パッド1は第1SAWフィルタ部5の一方の反射器電極12側に近寄ることとなるが、この場合には、第1SAWフィルタ部5の一方の反射器電極12のバスバー23を切り欠いて、空いたスペースに第1信号入力パッド1の一部が位置するようにして入力信号パッド4を配置するとよい。これにより、第1入力信号パッド1を圧電基板101の中央側(x方向)へ寄せることができて圧電基板101を小型にすることができ、ひいてはSAW装置200を小型化することができる。また、第1入力信号パッド1が第1SAWフィルタ部5のSAWの伝搬路上に位置していると、反射器電極12から漏れた第1SAWフィルタ部5のSAWを第1入力信号パッド1によって散乱させることができる。これによって、第1SAWフィルタ部5から漏れたSAWが第2フィルタF2側に伝搬するのを抑制して、第2フィルタF2の特性が劣化するのを抑えることができる。
第2フィルタF2は、縦結合共振子型の第3SAWフィルタ部8、第3SAWフィルタ部8に直列接続されたSAW共振子9、第2入力信号パッド13、第3出力信号パッド14、および第4出力信号パッド15等を有している。
第3SAWフィルタ部8は、第1SAWフィルタ部5および第2SAWフィルタ部6と同様に、複数のIDT電極とそれらのIDT電極を挟むようにして配置された反射器電極とを有し、1次および3次の振動モードを利用する縦結合2重モード弾性表面波フィルタとして機能する。
また第2入力信号パッド13からは不平衡信号が入力され、第3出力信号パッド14および第4出力信号パッド15からは平衡信号が出力される。すなわち、第3SAWフィルタ部8は、不平衡信号と平衡信号との変換機能を有する。
SAW共振子9は、第3SAWフィルタ部8の通過周波数帯域外の減衰量を大きくするためのものである。
第1SAWフィルタ部5、第2SAWフィルタ部6および第3SAWフィルタ部8は、それぞれ基準電位配線7に接続されている。例えば、第1SAWフィルタ部5は、3個のIDT電極11および一対の反射器電極12のいずれも基準電位配線7に接続されている。これらのSAWフィルタ部と基準電位配線7とを接続するために、基準電位配線7は環
状に形成された部分から接続されるIDT電極11や反射器電極12に向かって伸びた部分を有している。なお、実際の製品では基準電位配線7と各電極とが一体的に形成されて互いの接続部分における境界が明確でない場合があるが、図2では基準電位配線7と各電極との区別をわかりやすくするため境界を明確にしている。
また、基準電位配線7と信号が流れる配線とが交差する箇所では、絶縁体10を介して両配線が立体的に交差している。
基準電位配線7のうち環状に形成された部分は、回路基板100の上面100Aに設けられた環状配線76に半田などの接合材を介して接合される。これにより、基準電位配線7および環状配線76と回路基板100の上面100Aと圧電基板101の下面101Aとで囲まれた空間に、第1フィルタF1および第2フィルタF2が気密に封止されることとなる。
圧電基板101は、圧電効果を示す圧電体によって形成されている。圧電体は、例えばLiNbOやLiTaOである。圧電基板30は、例えば直方体状である。圧電基板30が直方体状である場合に、その横幅の寸法(X方向の寸法)および縦幅の寸法(Y方向の寸法)は、例えば、0.5mm〜2.0mmである。
圧電基板に形成された各種の配線、電極およびパッドは、例えば、金属によって形成されている。金属は、例えばAl、Alを主成分とする合金(Al合金)などを使用することができる。Al合金としては、例えば、AlにCuを添加したAl−Cu合金などが使用できる。また、単一の金属だけでなく、複数の金属材料を積層することによってこれらの配線などを形成してもよい。積層構造としては、例えば、Tiの上にAlを積層したものが挙げられる。また、圧電基板101を他の基板に半田を用いてフリップチップ実装する場合には、実装に用いられるパッドあるいは配線に、Cr、Ni、Auなどをこの順に積層してもよい。
また、各種の配線、電極および端子を、SiOやSiNなどの絶縁材料からなる保護膜で被覆してもよい。これによって各種の配線、電極、および端子が腐食するのを抑制することができる。なお、圧電基板101を他の基板に実装するために使用する部分は、保護膜で覆われないようにしておく。
また、回路基板101の上面101Bには全面にわたって裏面電極19が形成されている。温度変化等によって圧電基板101には電荷がチャージされることがあるが、裏面電極19が設けられていることによって、チャージされた電荷を放電することができ、IDT電極11がチャージされた電荷によって破壊されるのを抑制することができる。さらに、裏面電極19は入力信号配線4のLC形成部4aに圧電基板101を介して対向しているため、この部分に生じるキャパシタンスを利用することもできる。
次に、回路基板100について説明する。図4は、回路基板100を構成する各誘電体層を示すものである。
SAW装置200に使用される回路基板100は、2層の誘電体層を積層して形成されている。回路基板100の上面100A側の層を1層目とし、下面100B側の層を2層目とすると、図4(a)が1層目の平面図であり、図4(c)が2層目の平面図であり、図4(e)が2層目の平面透視図に該当する。また、図4(b)は1層目の配線パターンと2層目の配線パターンとを接続する1層目に形成されたビア導体の位置を示す図であり、図4(d)は2層目の配線パターンと2層目の裏面に形成された端子とを接続する2層目に形成されたビア導体の位置を示す平面図である。なお、1層目の主面が回路基板10
0の上面100Aに相当し、2層目の裏面が回路基板100の下面100Bに相当する。
回路基板100の1層目(図4(a))の主面に形成された各配線パターンは、圧電基板101の各信号パッドに半田などの接合材を介して接続される。具体的には、第1入力信号パッド1は配線パターン70に接続され、第2入力信号パッド13は配線パターン73に接続される。また、第1、第2出力信号パッド2、3はそれぞれ配線パターン71、72に接続され、第3、第4出力信号パッド14、15はそれぞれ配線パターン74、75に接続される。
図4(e)に示すように、回路基板100の下面100Bには、第1入力信号端子31、第2入力信号端子32、第1出力信号端子33、第2出力信号端子34、第3出力信号端子35、第4出力信号端子36、および複数の基準電位端子37を含む端子群が形成されている。これらの端子群と第1フィルタF1および第2フィルタF2とが、回路基板100の各層に設けられた配線パターンやビア導体を介して接続されることとなる。
第1入力信号端子31から入力された平衡信号は、ビア導体40、配線パターン50、ビア導体60、配線パターン70を介して、第1フィルタF1に入力される。第1フィルタF1から出力された平衡信号の一方は、配線パターン71、ビア導体61、配線パターン51、ビア導体41を介して、第1出力信号端子33から出力される。第1フィルタF1から出力された平衡信号の他方は、配線パターン72、ビア導体62、配線パターン52、ビア導体42、第2出力信号端子34から出力される。
また、第2入力信号端子32から入力された不平衡信号は、ビア導体43、配線パターン53、ビア導体63、配線パターン73を介して、第2フィルタF2に入力される。第2フィルタF2から出力された平衡信号の一方は、配線パターン74、ビア導体64、配線パターン54、ビア導体44を介して、第3出力信号端子35から出力される。第2フィルタF2から出力された平衡信号の他方は、配線パターン75、ビア導体65、配線パターン55、ビア導体45を介して、第4出力信号端子36から出力される。
図4において符号を付していない配線パターンおよびビア導体は、いずれも基準電位端子37に接続されるものである。
図4(c)に示すように、圧電基板101の第1入力信号パッド1に電気的に接続される配線パターン50は、圧電基板101の基準電位配線7に電気的に接続される配線パターン56と対向配置されている。よって、この部分においてもキャパシタンスが付加されているため、この部分におけるキャパシタンスを特性の調整のために利用することも可能である。
回路基板100を構成する誘電体の材料としては、例えばアルミナを主成分とするセラミックスや、低温で焼結可能なガラスセラミックス、または有機材料を主成分とするガラスエポキシ樹脂等が用いられる。セラミックスやガラスセラミックスを用いる場合には、セラミックス等の原料粉末である金属酸化物と有機バインダとを有機溶剤等で均質混練したスラリーをシート状に成型してグリーンシートを作製し、所望の導体パターンやビア導体を形成した後、これらグリーンシートを積層し圧着することによって一体形成して、これを焼成することによって作製される。
各配線パターンは各誘電体層の表面に導体によって作製され、誘電体層間は導体を充填したビア導体で接続される。ここで導体としては、銀、銀にパラジウムを添加した合金、タングステン、銅および金などを用いることができる。これらの配線パターンは、金属導体をスクリーン印刷、あるいは蒸着やスパッタリング等の成膜法とエッチングとの組合せ
等によって形成されて作製される。フィルタと直接接続されるパターンや、PCB(プリント回路基板)等の外部回路に分波器を搭載する際に接続する端子には、さらにフィルタの接続端子との良好な接合に必要であれば、表面にNiあるいはAu等のめっきを施してもよい。
図5はSAW装置200の等価回路図である。この回路図に示すように、入力信号配線4と基準電位配線7との間に形成されたキャパシタCが第1入力信号端子31に対して並列に接続され、入力信号配線4によって形成されたインダクタLが第1入力端子31に対して直列に接続されている。このキャパシタCの値CおよびインダクタLの値Lを変えたときの第1フィルタF1における帯域外減衰量および挿入損失について、シミュレーション計算により調べた。帯域外減衰量の結果を表1に、挿入損失の結果を表2にそれぞれ示す。なお、第1フィルタF1の通過周波数帯域は925MHz〜960MHzである。また、帯域外減衰量は、ワイヤレスLANの3倍波の帯域に相当する7.5GHz付近の減衰量である。
Figure 0005826036
Figure 0005826036
これらの結果から、基準値(C=0、L=0のときの値)と比較した場合に、キャパシタンスC(pF)を1≦C≦1.5とし、かつ、インダクタンスL(nH)を2≦L≦3の範囲とすることによって、第1フィルタF1の挿入損失特性を基準値と同等のレベル(1.90dB)に維持しつつ、ワイヤレスLANの通過周波数帯域の3倍波の帯域である7.5GHz付近の減衰を基準値(41dB)よりも大きくすることができることを確認できた。
次に、第2の実施形態に係るSAW装置300について説明する。図7は、SAW装置300に使用される圧電基板301を下面301A側から見たときの平面図である。
SAW装置300に使用される圧電基板301は、SAW装置200に使用される圧電基板101とは基準電位配線7の形状が異なっている。SAW装置200に使用される圧電基板101では、基準電位配線7が圧電基板101の外周に沿って一続きの枠状に形成されていたが、SAW装置300に使用される圧電基板301においては、基準電位配線7は枠状になっていない。具体的には、圧電基板301の上面301Aのほぼ中央に位置する基準電位パッド17から基準電位配線7が上下左右の方向(X方向およびY方向)に伸びて、さらに伸びた先が各SAWフィルタ部5、6、8を取り囲むように折れ曲がった形状となっている。その基準電位配線7のうち、基準電位パッド17から左方向に伸びた部分は、その先が第1SAWフィルタ部5の一方の反射器電極12および1つのIDT電極11のバスバーに接続されるように折れ曲がっており、この折れ曲がった部分がLC形成部4aと並んで配置されて対向部7aとなっている。
SAW装置200と同様にSAW装置300においても、LC形成部4aは対向部7aに並んで配置されており、これらLC形成部4aと対向部7aとの間に形成される所定のキャパシタンスCと、LC形成部4aが有する所定のインダクタンスLとが第1フィルタF1に付加されることによって、挿入損失特性が大きく劣化することなく、高周波側の帯域外減衰量を大きくすることができる。
また、SAW装置300によれば、基準電位配線7が圧電基板301の上面301Aの外周に沿って形成されていない分、圧電基板301を小さくすることができ、ひいてはS
AW装置300を小型化することができる。
次に、第3の実施形態に係るSAW装置500について説明する。図8はSAW装置500に使用される圧電基板501を下面501A側から見たときの平面図である。
SAW装置500には、圧電基板501の上面501Aのうち、第2SAWフィルタ部6と第3SAWフィルタ部8との間の領域に仕切部材18が形成されている。
この仕切部材18は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂を主成分とする材料からなる。
第2SAWフィルタ部6と第3SAWフィルタ部8とは、SAWの伝搬路が互いに同一直線上に位置する位置関係にあるが、2つのSAWフィルタ部がこのような位置関係にあると、例えば、第2SAWフィルタ部6から漏れ出たSAWが第3SAWフィルタ部8に到達し、SAW装置の電気的な特性を劣化させる要因になる。
そこで、仕切部材18を第2SAWフィルタ部6と第3SAWフィルタ部8との間に形成しておけば、一方のSAWフィルタ部から漏れ出たSAWが仕切部材18において吸収もしくは散乱されるため、SAW装置の電気的な特性が劣化するのを抑制することができる。
実際にポリイミド樹脂からなる仕切部材18を第2SAWフィルタ部6と第3SAWフィルタ部8との間に配置してフィルタ特性を測定したところ、第1フィルタF1の通過周波数帯域外における減衰特性が改善されることが確認できた。
仕切部材18は、外周縁が第2SAWフィルタ部6および第3SAWフィルタ部8それぞれのSAW伝搬方向に対して傾斜している。仕切部材18をこのような形状としておけば、仕切部材18で散乱されたSAWが第2SAWフィルタ部6および第3SAWフィルタ部8とは別の方向に向かうため、外周縁がSAWの伝搬方向に対して傾いていないものに比べて、漏れ出たSAWに起因するSAW装置の電気的な特性の劣化をより抑制することができる。
図9は仕切部材18をY方向に沿って切断したときのa−a’線における拡大断面図である。SAWフィルタ部から漏れ出たSAWが仕切部材18に到達すると、そのうちの一部は仕切部材18に吸収され、一部は仕切部材18によって反射されるが、反射したSAWが再びSAWフィルタ部、特に電極指の交差領域に伝搬すると、スプリアスの発生や減衰特性の劣化の要因となる。
そこで、SAW装置500では、仕切部材18によって反射したSAWに起因するスプリアスの発生や減衰特性の劣化を抑制するために、図9に示すように、仕切部材18は、SAWの伝搬方向に沿って切断したときの断面形状が山なりになるようにしている。換言すれば、SAWの伝搬方向に沿って切断したときの仕切部材18の断面形状は、中央に向かうにつれて漸次厚みが大きくなっている。仕切部材18に到達したSAWは、仕切部材18の厚みが小さいところでは反射量が小さく、厚みが大きいところでは反射量が大きいと考えられる。そこで、仕切部材18を図9に示したような断面形状となるように形成すれば、仕切部材18によって反射されるSAWは、仕切部材18の裾付近では反射量が小さく、仕切部材18の中央付近では反射量が大きくなるため、全体としてみれば反射されるSAWが分散されることとなる。したがって、仕切部材18において一度に大きなSAWの反射が起きることが抑制され、スプリアスの発生や減衰特性の劣化を抑制することができる。
また、仕切部材18は絶縁体10と同一の材料からなる。仕切部材18の材料として絶縁体10と同一のものを使用することにより、絶縁体10と同一の工程で形成することが可能となり、別途、仕切部材18を形成するための工程を設ける必要がないため、生産効率がよい。
(通信用モジュール部品)
次に、第1の実施形態に係るSAW装置200を使用した通信用モジュール部品の実施形態について説明する。図6は、本実施形態にかかる通信用モジュール部品400の斜視図である。通信用モジュール部品400は、SAW装置200の他にパワーアンプPA、バンドパスフィルタBPFなどを含み、例えば、携帯電話機などの送信用モジュールとして使用される。
通信用モジュール部品400は、モジュール用基板300の上面にSAW装置200、パワーアンプPA、バンドパスフィルタBPFを実装した上で、これらの部品を樹脂301によって被覆したものである。本実施形態の通信用モジュールは、上述したSAW装置200を搭載していることにより、電気特性に優れている。なお、SAW装置200の回路基板100の内部パターンをモジュール用基板300の内部に形成し、モジュール用基板300に圧電基板101を直接実装することも可能である。
なお、通信モジュール部品400には、第2の実施形態におけるSAW装置300および第3の実施形態におけるSAW装置500が搭載されてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
上述した実施形態では、基準電位配線7が環状に形成されている例について説明したが、基準電位配線7の形状はこれに限られず、例えば直線状のものでもよい。
また、上述した実施形態では、2つのフィルタを備えたSAW装置について説明したが、フィルタの数はこれに限らず、例えば1つだけでもよい。
また、上述した実施形態では、SAWフィルタ部が不平衡信号と平衡信号とを変換する機能を有していたが、必ずしもこの機能を備えている必要はなく、例えば入力信号および出力信号がともに不平衡信号のものであってもよい。
1・・・第1入力信号パッド
2・・・第1出力信号パッド
3・・・第2出力信号パッド
4・・・入力信号配線
4a・・・LC形成部
5・・・第1SAWフィルタ部
6・・・第2SAWフィルタ部
7・・・基準電位配線
7a・・・対向部

Claims (7)

  1. 圧電基板と、
    該圧電基板の主面上に配置された、前記圧電基板の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に伸びた電極指を複数本有しているIDT電極を複数個有し、これら複数個のIDT電極が前記伝搬方向に沿って配列されている縦結合共振子型のSAWフィルタ部と、
    前記伝搬方向に沿って伸びている対向部を有し、前記SAWフィルタ部に電気的に接続された基準電位配線と、
    前記対向部に並んで配置された、前記伝搬方向に沿って伸びているLC形成部を有し、一端が前記SAWフィルタ部に接続されている入力信号配線とを備え
    前記入力信号配線の他端に接続された入力信号パッドをさらに備え、
    前記SAWフィルタ部は、前記伝搬方向に沿った方向において複数個の前記IDT電極の両側に配置された一対の反射器電極を有し、
    一対の前記反射器電極のうち前記入力信号パッドに近い方の反射器電極は一部が切り欠かれており、該反射器電極が切り欠かれて空いた領域に前記入力信号パッドの少なくとも一部が位置している弾性表面波装置。
  2. 圧電基板と、
    該圧電基板の主面上に配置された、前記圧電基板の主面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に伸びた電極指を複数本有しているIDT電極を複数個有し、これら複数個のIDT電極が前記伝搬方向に沿って配列されている縦結合共振子型のSAWフィルタ部と、
    前記伝搬方向に沿って伸びている対向部を有し、前記SAWフィルタ部に電気的に接続された基準電位配線と、
    前記対向部に並んで配置された、前記伝搬方向に沿って伸びているLC形成部を有し、一端が前記SAWフィルタ部に接続されている入力信号配線とを備え
    前記SAWフィルタ部に電気的に接続された、第1出力信号パッドおよび第2出力信号パッドをさらに備え、
    前記入力信号パッドに不平衡信号が入力され、前記第1出力信号パッドおよび前記第2信号出力パッドから平衡信号が出力される弾性表面波装置。
  3. 前記基準電位配線は、前記圧電基板の主面の外周に沿って環状に形成されている請求項1または2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記LC形成部と前記対向部との間に発生するキャパシタンスをC(pF)とし、前記LC形成部が有するインダクタンスをL(nH)としたときに、
    1≦C≦1.5
    および
    2≦L≦3
    を満たしている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  5. 前記SAWフィルタ部の弾性表面波の伝搬路と同一の直線上に弾性表面波の伝搬路が位置するように前記圧電基板の主面上に配置された別のSAWフィルタ部と、
    前記SAWフィルタ部と前記別のSAWフィルタ部との間に配置された、樹脂を主成分とする仕切部材とをさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
  6. 前記仕切部材は、前記SAWフィルタ部の前記弾性表面波の伝搬方向に沿って切断したときの断面形状における厚みが、中央に向かうにつれて漸次大きくなっている請求項5に記載の弾性表面波装置。
  7. 前記反射器電極は、前記基準電位配線に接続されており、
    前記入力信号配線は、前記反射器電極と対向する部分を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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