JP5042810B2 - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、記録紙が収納される給紙トレイを備えた給紙装置と、その給紙装置を備えた画像形成装置に関する。

従来から、記録紙が収納される給紙トレイと、画像形成装置の本体内に設けられ給紙トレイを挿脱可能に支持させるガイド部とを備えた給紙装置、及び、この給紙装置を備えた画像形成装置がある。この給紙装置は、例えば、給紙カセット（給紙トレイ）の底側にコロを設けることで、矩形穴状に形成された装着部（ガイド部）内を転がせるようにしているのが一般的である（例えば特許文献１参照）。
特開２００６−３６４９１公報（第６頁、図１）

しかしながら、従来の給紙装置は、給紙トレイ側にのみコロが設けられているため、給紙トレイの挿脱時において、コロ同士の間に位置した給紙トレイの底面が装着部の入り口の縁に当接して、ガタガタとした挿脱作業となってしまう場合が往々にしてあった。
また、この種の給紙装置では、装着部内に上述した給紙トレイが装着される際、給紙トレイの幅方向（挿脱方向と直交する水平方向）の位置決めも重要であり、これを満足するために、給紙トレイの外側面と装着部内の内側面とが摺動する構成（多少のクリアランスは設けている）にしているのが一般的であるが、そのため、やはり、ガタガタとした挿脱作業となってしまう場合があった。
そこで本発明は、給紙トレイの幅方向（挿脱方向と直交する水平方向）の位置決めを容易にしつつ、より軽い操作力で給紙トレイのスムーズな挿脱作業が可能な給紙装置とその給紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。

上記技術課題を達成するために、本発明にかかる給紙装置及び画像形成装置は、下記の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項１にかかる給紙装置は、記録紙が収納される給紙トレイと、画像形成装置の本体内に設けられ前記給紙トレイを挿脱可能に支持させるガイド部とを備えてなり、該ガイド部は、前記給紙トレイの外底面に当接されると同時に前記給紙トレイの外側面に当接または近接され、前記給紙トレイの挿脱に応じて回動可能な回動部材を備えた給紙装置において、前記回動部材は、前記外側面と当接可能なフランジの面に、前記給紙トレイの外側面と前記フランジの面との接触面がより小さくなるような環状リブを突設させたことを特徴とする。
請求項２にかかる画像形成装置は、請求項１に記載の給紙装置を備えたことを特徴とする。

本発明によれば、記録紙を収納する給紙トレイを挿脱可能に支持するガイド部に給紙トレイの挿脱に応じて回動する回動部材を設けて、給紙トレイの底面がガイド部の入り口の縁に当接することがなくなったから、給紙トレイのスムーズな挿脱作業ができる。しかも、その回動部材が、給紙トレイの外底面に当接して給紙トレイを支持すると同時に給紙トレイの外側面に当接または近接して幅方向の移動を回転しながら規制をするから、給紙トレイの幅方向（挿脱方向と直交する水平方向）の位置決めを容易にしつつ、給紙トレイのスムーズな挿脱作業ができる。また、この回動部材は、給紙トレイの外側面と当接可能なフランジの面に環状リブを突設させたことで、給紙トレイの外側面とフランジの面との接触面がより小さくなり摩擦抵抗が低減するから、より軽い操作力で給紙トレイの挿脱ができる。

次に、本発明にかかる給紙装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。図１乃至図７は実施の形態１を、図８は回動部材の他の態様を、図９は実施の形態２を、図１０及び図１１は他の態様の給紙装置を夫々示す。また、図中、符号１は給紙トレイを、符号２はガイド部を夫々示す。

（実施の形態１）
実施の形態１にかかる給紙装置は、図１に示すように、給紙トレイ１とガイド部２とを備えて構成される。
給紙トレイ１は、記録紙（図示せず）を上方から収納可能な略箱状に形成されている。さらに、この給紙トレイ１は、後述するガイド部２への挿脱方向と直交する水平方向の両外側面１ａの一方側上下部に支持軸１ｂが突設されており、この支持軸１ｂに、後述する上レール２１ａと下レール２１ｂとの夫々に転動可能に上コロ１ｃと下コロ１ｄとが軸支されている。
また、支持軸１ｂは、後述するガイドレール２１の側壁２１ｃに近接または軽く当接するように、上コロ１ｃ及び下コロ１ｄより突出している。
この上コロ１ｃと下コロ１ｄとが配設されている側が、画像形成装置（図示せず）の本体内、内方となり、その反対側が、画像形成装置の本体の外面と略面一となるようになっている。なお、給紙トレイ１の装置側外方の面（化粧面）には、把持用凹部（図示せず）が設けられている。

ガイド部２は、ガイドレール２１と、回動部材２２とを備えて構成される。
ガイドレール２１は、帯板状の上レール２１ａと、その上レール２１ａよりも所要長さ短い帯板状の下レール２１ｂとが、一端側を揃えて平行配置されると共に、その上レール２１ａと下レール２１ｂの縁部同士が側壁２１ｃで接続されて、図３に示すように、縦断面視略コ字状に一体成形されていると共に、下レール２１ｂの他端側の側壁２１ｃが下方に延出されて、後述する回動部材２２を軸着させる軸支部２１ｄが形成されている。

また、この上レール２１ａと下レール２１ｂと離間距離（長さ）は、給紙トレイ１の下コロ１ｄを下レール２１ｂの被転動面に当接させた際に上コロ１ｃと上レール２１ａとの間に、所要のクリアランスＬが形成される距離（長さ）になっている。
このガイドレール２１は右勝手と左勝手の一対からなり、給紙トレイ１の両外側面１ａ側の端部を覆うように、画像形成装置の本体内に水平に、かつ、軸支部２１ｄが画像形成装置の本体内外方に位置するように架設されている。
回動部材２２は、図２に示すように、給紙トレイ１の外底面１ｅと外側面１ａとが交わるコーナー部１ｆと当接可能なフランジ２２ａ付き軸状に形成されており、下レール２１ｂの他端側の側壁２１ｃが下方に延出されて形成された軸支部２１ｄに軸支されている。この回動部材２２は、高摺動性材料で構成されており、例えば、ＰＯＭ樹脂が好ましいものである。

このように構成された回動部材２２は、給紙トレイ１の挿脱に応じて回動するようになっており、給紙トレイ１がガイドレール２１内に収納される際に、給紙トレイ１の外底面１ｅに当接させて給紙トレイ１を支持していると同時に、給紙トレイ１の外側面１ａにフランジ２２ａが当接または近接して、給紙トレイ１の幅方向の移動を回転しながら規制するようになっている。
また、この回動部材２２は、図８に示すように、給紙トレイ１の外側面１ａと当接可能なフランジ２２ａの面に環状リブ２２ｂを突設させても良い。このリブ２２ｂを設けることで、給紙トレイ１の外側面１ａとフランジ２２ａの面との接触面がより小さくなり摩擦抵抗が低減するから、より軽い操作力で給紙トレイ１の挿脱ができる。

次に、以上のように構成された実施の形態１にかかる給紙装置の一連の動作を説明する。
まず、給紙トレイ１のセット時を説明する。
記録紙をセットした給紙トレイ１を、図４に示すように、上コロ１ｃ及び下コロ１ｄが配設されている側を先にしてガイドレール２１に挿入する。このとき、上コロ１ｃと下コロ１ｄの挿脱方向の位置を異ならせていることで、容易にガイドレール２１に挿入することが可能になる。

給紙トレイ１のガイドレール２１への挿入途中（または引き出し途中）を図５に示す。図５に示すように、給紙トレイ１を押し込むことで、下コロ１ｄが下レール２１ｂに転動すると共に、給紙トレイ１の外底面１ｅに当接した回動部材２２が給紙トレイ１の水平方向の移動に伴って回転し、給紙トレイ１が所定位置まで移動してセットが完了する（図６参照）。なお、給紙トレイ１が所定位置まで達すると、図示しない挿脱可能な嵌合手段（例えば凹部と凸部などの周知の嵌合手段）により、給紙トレイ１がガイド部２に保持される。
このとき、回動部材２２は、図２に示すように、給紙トレイ１の外側面１ａにフランジ２２ａが当接または近接して、給紙トレイ１の幅方向の移動を回転しながら規制する。また、上コロ１ｃ及び下コロ１ｄの夫々の支持軸１ｂも、図３に示すように、その支持軸１ｂの先端面が側壁２１ｃに当接または近接して、給紙トレイ１の幅方向の移動を規制する。

次に、給紙トレイ１の引き出し時を説明する。
給紙トレイ１を所要の力で引っ張ることで、図示しない嵌合手段の嵌合状態が解かれ、図５に示すように、下コロ１ｄが下レール２１ｂに転動すると共に、給紙トレイ１の外底面１ｅに当接した回動部材２２が給紙トレイ１の水平方向の移動に伴って回転して、給紙トレイ１が外方に向かって移動する。
給紙トレイ１をある程度引っ張りだすと、装置外方へ突出した側の重みによって、回動部材２２を支点にして給紙トレイ１が回転する（図７において反時計方向）が、上コロ１ｃが上レール２１ａに当接・転動することで、スムーズな引き出しを確保する。

なお、操作者は、通常、給紙トレイ１をセットする際は、記録紙の重さが加わることもあり、まず、給紙トレイ１を両手でしっかり把持し、ガイド部２に挿入した後も、挿入が安定するまで給紙トレイ１を保持しているのが一般的な操作であるため、上コロ１ｃと上レール２１ａはあまり接触・転動しない。その逆に、給紙トレイ１を引き出す際は、把持用凹部（図示せず）を把持して給紙トレイ１が落下しない程度まで無造作に引っ張る場合が多く、その場合、本実施の形態のように上コロ１ｃと上レール２１ａとを設けたことで、操作者の挿脱作業の仕方にかかわらず、常に、スムーズな引き出しを確保する。

このように実施の形態１にかかる給紙装置は、記録紙を収納する給紙トレイ１を挿脱可能に支持するガイド部２に給紙トレイ１の挿脱に応じて回動する回動部材２２を設けたことで給紙トレイ１のスムーズな挿脱作業ができるようになっている。しかも、その回動部材２２が、給紙トレイ１の外底面１ｅに当接して給紙トレイ１を支持すると同時に給紙トレイ１の外側面１ａに当接または近接して幅方向の移動を回転しながら規制をするから、給紙トレイ１の幅方向（挿脱方向と直交する水平方向）の位置決めを容易にしつつ、給紙トレイ１のスムーズな挿脱作業ができるようになっている。

（実施の形態２）
次に実施の形態２にかかる給紙装置を説明する。実施の形態２にかかる給紙装置は、回動部材２２の形状、及び、その回動部材２２と係合する給紙トレイ１の他の態様を例示している。なお、ガイドレール２１、上コロ１ｃと下コロ１ｄ等、他の構成は、実施の形態１と同一である。
実施の形態２にかかる給紙トレイ１は、図９に示すように、その外底面１ｅ縁部が、給紙トレイ１の挿脱方向の外側面１ａと面一となる所要の幅で、所要長さ下方に延出されてリブ１ｇが構成されている。
回動部材２２は、リブ１ｇの幅より僅かに長い丸軸部２２ｃと、その丸軸部２２ｃの両側に外方に向かって漸次拡径する斜面状の内側面２２ｄが形成されたフランジ２２ａを備えて、外観視、略糸巻き状に形成されている。このように形成された回動部材２２は、ガイドレール２１に形成した軸支部２１ｄに軸支されている。

以上のように構成された実施の形態２にかかる給紙装置は、給紙トレイ１のセット時、給紙トレイ１のリブ１ｇが回動部材２２のフランジ２２ａ間に遊嵌し、実施の形態１と同じく、給紙トレイ１の水平方向の移動に伴って回動部材２２が回動する。このとき、回動部材２２に形成したフランジ２２ａは、リブ１ｇと対峙する内側面２２ｄを軸方向外方に向かって漸次拡径する斜面状に形成してあることで、給紙トレイ１の挿脱作業の際に、仮に、給紙トレイ１が幅方向に移動しても、即座に丸軸部２２ｃに戻り、確実に位置決めをしながら給紙トレイ１のスムーズな挿脱作業ができる。

また、この実施の形態２では、フランジ２２ａの、リブ１ｇと対峙する内側面２２ｄを軸方向外方に向かって漸次拡径する斜面状に形成して、少なくとも給紙トレイ１の外側面１ａに近接（非接触）した構成にしたから、実施の形態１より軽い力で挿脱作業ができる。
なお、フランジ２２ａを斜面状にせずに、外観視、略Ｈ字状の回動部材２２にしても良い。また、給紙トレイ１にリブ１ｇを設けずに実施の形態１で例示した給紙トレイ１とし、実施の形態１で例示した回動部材２２のフランジ２２ａを斜面状に形成しても良いものである。

以上、本実施の形態にかかる給紙装置を説明したが、この給紙装置を備えた画像形成装置でもよいものである。この場合、画像形成装置の作像プロセスは、電子写真方式、インクジェット方式等、特に限定されない。
また上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。

実施の形態１にかかる給紙装置の斜視図である。 部分拡大正面図である。 図１のＹ−Ｙ線に沿える部分拡大縦断面図である。 給紙トレイとガイド部の斜視図である。 給紙トレイをガイド部の中間に位置させた状態の説明図である。 給紙トレイをガイド部にセットした状態の説明図である。 給紙トレイをガイド部から引き出し途中の説明図である。 他の態様の、回動部材の斜視図である 実施の形態２にかかる給紙装置の部分拡大正面図である。

符号の説明

１ 給紙トレイ、１ａ 外側面、１ｂ 支持軸、１ｃ 上コロ、１ｄ 下コロ、１ｅ 外底面、１ｆ コーナー部、１ｇ リブ、２ ガイド部、２１ ガイドレール、２１ａ 上レール、２１ｂ 下レール、２１ｃ 側壁、２１ｄ 軸支部、２２ 回動部材、２２ａ フランジ、２２ｂ 環状リブ、２２ｃ 丸軸部、２２ｄ 内側面、Ｌ クリアランス

Claims (2)

1. 記録紙が収納される給紙トレイと、
   画像形成装置の本体内に設けられ前記給紙トレイを挿脱可能に支持させるガイド部とを備えてなり、
   該ガイド部は、
   前記給紙トレイの外底面に当接されると同時に前記給紙トレイの外側面に当接または近接され、前記給紙トレイの挿脱に応じて回動可能な回動部材を備えた給紙装置において、
   前記回動部材は、前記外側面と当接可能なフランジの面に、前記給紙トレイの外側面と前記フランジの面との接触面がより小さくなるような環状リブを突設させたことを特徴とする給紙装置。
2. 請求項１に記載の給紙装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

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