JP5041479B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。
この軸受は、外側に転走面が形成された内方部材と、内側に転走面が形成された外方部材と、両転走面間に転動自在に配置される転動体と、からなる。従来、この内方部材と外方部材は、旋削等で形成されるが、軽量・低コスト化を狙い内方部材と外方部材を、板材又はパイプ材からプレス成形する方法が考案されている。
特許文献1、特許文献2には、この内方部材と外方部材を、板材又はパイプ材で成形する例が示されている。特許文献1においては、内方部材が一対の内輪からなり、その内輪と外方部材の間にボールが転動自在に配置されている。この例では、内輪に軸方向から重錘を載せて予圧を与えている。また、特許文献2においては、内方部材の環状曲部に、複列のボールをそれぞれ環状に配列して、油圧プレスローラにより外方部材に環状凹部が形成されている。このプレス形成時に内方部材と外方部材とボールとの間に予圧が与えられる。
実開平6−1835号公報 特開平1−210612号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に示す車輪用軸受装置に泥水等がかかった場合には、その泥水等が内方部材と外方部材のすきまから軸受内に浸入し、軸受の寿命に悪影響を与える。また、軸受内部に封入された潤滑グリースが漏洩して軸受の寿命に悪影響を与えることもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軸受内への泥水等の侵入を防ぎ、高寿命な車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列のボールと、を備え、前記外輪及び内輪が板材又はパイプ材からプレス加工又はローリング加工にて形成されると共に、前記外輪の外周面が略円筒状をなし、径方向内方に突出部が形成されたナックルに圧入固定され、前記突出部に前記外輪の側面が当接することで位置合わせがなされ、前記外輪の内周面の略中央部に径方向内方に突出する環状凸部が形成され、この環状凸部の両側方の内周面には、断面が略円弧状の前記外側転走面が形成され、さらに、その側方には軸方向外方に延びる円筒部が形成されると共に、前記一対の内輪は、同形状をしたものが左右対称に隙間なく突き合わせ状態に配置され、突き合わせ部から軸方向に延びる第1の円筒部と、その側方の外周面には、断面が略円弧状をした内側転走面がそれぞれ形成され、前記内側転走面の両側方に軸方向に延びる第2の円筒部が形成され、この第2の円筒部の内周面は前記第1の円筒部の内周面よりも大径であり、前記内輪の内側転走面に対する前記第2の円筒部の外周面の高さが前記外輪の複列の外側転走面に対する前記環状凸部の内周面の高さよりも高く、前記外輪の円筒部の内周と前記内輪の円筒部の第2の外周とで形成される環状空間の開口部にシールが装着され、前記内輪が嵌合する小径段部を有するハブ輪と、該ハブ輪に嵌合された等速自在継手の外側継手部材と、を固着手段によって固着し、前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで前記一対の内輪に圧力をかけて軸受に予圧が付与されている構成を採用する。
このように、外輪の円筒部の内周と前記内輪の円筒部の第2の外周とで形成される環状空間の開口部にシールが装着され、内輪が嵌合する小径段部を有するハブ輪と、該ハブ輪に嵌合された等速自在継手の外側継手部材と、を固着手段によって固着し、ハブ輪の肩部と外側継手部材の肩部とで一対の内輪に圧力をかけて軸受に予圧が付与されているので、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止でき、高寿命な車輪用軸受装置を提供することができる。また、外輪と内輪に円筒部を設けることで、シールを装着する空間が確保でき、好適にシールを行うことができる。さらに、円筒部の長さを調節することにより、従来のハブ輪や等速自在継手の外側継手部材を設計変更すること無しに、軸受装置の組立が行えるので、装置を安価にできる。また、軸受装置を組立てるのと同時に予圧を付与することができるので、予圧工程を別に設ける必要がなく、コストを削減できる。また、適正な予圧を付与することができるので、安定した軸受性能を維持でき、軸受装置の長寿命化を実現できる。
また、本発明は、前記外輪及び前記内輪の両方が、防錆能を有する板材又はパイプ材から形成されるので、外輪及び内輪が錆びて軸受性能が低下し、軸受装置の寿命が短くなることがない。
また、本発明は、前記外輪及び前記内輪の前記転走面が、焼入れによる硬化層を有するので、転動体が転走面を転動することによって摩擦が生じ、転走面が削れたり、変形することを低減できる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列のボールと、を備え、前記外輪及び内輪が板材又はパイプ材からプレス加工又はローリング加工にて形成されると共に、前記外輪の外周面が略円筒状をなし、径方向内方に突出部が形成されたナックルに圧入固定され、前記突出部に前記外輪の側面が当接することで位置合わせがなされ、前記外輪の内周面の略中央部に径方向内方に突出する環状凸部が形成され、この環状凸部の両側方の内周面には、断面が略円弧状の前記外側転走面が形成され、さらに、その側方には軸方向外方に延びる円筒部が形成されると共に、前記一対の内輪は、同形状をしたものが左右対称に隙間なく突き合わせ状態に配置され、突き合わせ部から軸方向に延びる第1の円筒部と、その側方の外周面には、断面が略円弧状をした内側転走面がそれぞれ形成され、前記内側転走面の両側方に軸方向に延びる第2の円筒部が形成され、この第2の円筒部の内周面は前記第1の円筒部の内周面よりも大径であり、前記内輪の内側転走面に対する前記第2の円筒部の外周面の高さが前記外輪の複列の外側転走面に対する前記環状凸部の内周面の高さよりも高く、前記外輪の円筒部の内周と前記内輪の円筒部の第2の外周とで形成される環状空間の開口部にシールが装着され、前記内輪が嵌合する小径段部を有するハブ輪と、該ハブ輪に嵌合された等速自在継手の外側継手部材と、を固着手段によって固着し、前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで前記一対の内輪に圧力をかけて軸受に予圧が付与されているので、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止でき、高寿命な車輪用軸受装置を提供することができる。また、外輪と内輪に円筒部を設けることで、シールを装着する空間が確保でき、好適にシールを行うことができる。さらに、円筒部の長さを調節することにより、従来のハブ輪や等速自在継手の外側継手部材を設計変更すること無しに、軸受装置の組立が行えるので、装置を安価にできる。また、軸受装置を組立てるのと同時に予圧を付与することができるので、予圧工程を別に設ける必要がなく、コストを削減できる。また、適正な予圧を付与することができるので、安定した軸受性能を維持でき、軸受装置の長寿命化を実現できる。
内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列のボールと、を備え、前記外輪及び内輪が板材又はパイプ材からプレス加工又はローリング加工にて形成されると共に、前記外輪の外周面が略円筒状をなし、径方向内方に突出部が形成されたナックルに圧入固定され、前記突出部に前記外輪の側面が当接することで位置合わせがなされ、前記外輪の内周面の略中央部に径方向内方に突出する環状凸部が形成され、この環状凸部の両側方の内周面には、断面が略円弧状の前記外側転走面が形成され、さらに、その側方には軸方向外方に延びる円筒部が形成されると共に、前記一対の内輪は、同形状をしたものが左右対称に隙間なく突き合わせ状態に配置され、突き合わせ部から軸方向に延びる第1の円筒部と、その側方の外周面には、断面が略円弧状をした内側転走面がそれぞれ形成され、前記内側転走面の両側方に軸方向に延びる第2の円筒部が形成され、この第2の円筒部の内周面は前記第1の円筒部の内周面よりも大径であり、前記内輪の内側転走面に対する前記第2の円筒部の外周面の高さが前記外輪の複列の外側転走面に対する前記環状凸部の内周面の高さよりも高く、前記外輪の円筒部の内周と前記内輪の円筒部の第2の外周とで形成される環状空間の開口部にシールが装着され、前記内輪が嵌合する小径段部を有するハブ輪と、該ハブ輪に嵌合された等速自在継手の外側継手部材と、を固着手段によって固着し、前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで前記一対の内輪に圧力をかけて軸受に予圧が付与されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の図面左側)、中央寄り側をインナー側(図1の図面右側)という。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と等速自在継手3を着脱自在にユニット化している。
複列の転がり軸受2は、図2にも示すように、内周に複列の外側転走面4a、4aが形成された外輪4と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面5a、5aが形成された一対の内輪5、5と、両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)6、6とで構成されている。外輪4と内輪5は、防錆能を有するステンレス鋼製の平板もしくはパイプ材を素材とし、プレス加工又はローリング加工にて形成されている。
外輪4の外周面は略円筒状となっており、ナックル7に圧入固定されている。ナックル7の径方向内方には、突出部7aが形成されている。突出部7aが外輪4の側面に当接することで、外輪4の位置合わせがなされている。突出部7aの断面高さは、外輪4の側面の高さに略等しくなっている。
外輪4の内周面の略中央部には、プレス加工又はローリング加工により、径方向内方に突出する環状凸部4bが形成されている。この環状凸部4bの両側方の内周面には、断面が略円弧状をした複列の外側転走面4a、4aが形成されている。外側転走面4a、4aの両側方には、軸方向に延びる円筒部4c、4cが形成されている。円筒部4c、4cの肉厚は、外側転走面4a、4aの肉厚に比べ、薄くなっている。外輪4の少なくとも両外側転走面4a、4aには、浸炭焼入れなどの表面硬化処理が施されている。
内輪5、5は、同形状をしたものが左右対称に突き合わされるように配置されている。その突合せ部5bには隙間が設けられていない。内輪5、5には、その突合せ部5bから軸方向に延びる第1の円筒部5c、5cが形成されている。第1の円筒部5c、5cの側方の外周面には、断面が略円弧状をした内側転走面5a、5aがそれぞれ形成されている。内側転走面5a、5aの両側方には、軸方向に延びる第2の円筒部5d、5dが形成されている。内輪5、5の少なくとも両内側転走面5a、5aには、浸炭焼入れなどの表面硬化処理が施されている。
外側転走面4a、4aと内側転走面5a、5aの間には、複列の転動体6、6がそれぞれ収容されている。転動体6、6は、保持器8、8によって転動自在に保持されている。なお、この例では、転動体6にボールを使用した例を示したが、転動体6に円錐ころを使用した複列の円錐ころ軸受であっても良い。
外輪4の円筒部4c、4cと内輪5、5の第2の円筒部5d、5dとの間に形成された環状空間の開口部にはシール13、13が装着されている。シール13、13は、断面略くの字型をした芯金11、11と、芯金11、11に接合されたシール部材12、12と、からなる。芯金11、11は、防錆能を有する板材又はパイプ材からプレス加工にて形成されている。芯金11、11の外周面は、外輪4の円筒部4c、4cの内周面に圧入固定されている。シール部材12、12は、芯金11、11に接合される接合部12a、12aと、2枚のシールリップ12b、12bとシールリップ12c、12cと、からなる。シールリップ12b、12bとシールリップ12c、12cの端部は、内輪5、5の第2の円筒部5d、5dの外周面に摺接している。シールリップ12b、12bとシールリップ12c、12cには弾力性があり、また、芯金11、11は断面くの字型をしているので、シール13、13は、外輪4の円筒部4c、4cと内輪5、5の第2の円筒部5d、5dとの間に好適な弾性変形をした状態で装着されているので、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを好適に防止できる。
ハブ輪1のインナー側には、軸方向に延びる円筒状をした小径段部1aが形成されている。この小径段部1aの外周面には、内輪5、5が嵌合されている。小径段部1aの外周面と内輪5、5の第1の円筒部5c、5cとは、隙間なく嵌合されている。
ハブ輪1のアウター側の端部には、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ1bが形成されている。車輪取付フランジ1bの周方向には、ハブボルト挿通孔1cが等配穿設されている。ハブボルト挿通孔1cには、車輪を固定するハブボルト(図示せず)が植設される。ハブ輪1の内周には、トルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1dが形成されている。ハブ輪1の肩部1eは、アウター側の内輪5の側面に当接している。ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、少なくとも小径段部1aの外周面に高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15とケージ16およびトルク伝達ボール17からなる。外側継手部材14は、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる軸部20と、さらに軸方向に延びるおねじ部21と、を有する。マウス部18の内周および継手内輪15の外周には、軸方向に延びる曲線状のトラック溝18a、15aがそれぞれ形成されている。外側継手部材14の軸部20の外周には、トルク伝達用のセレーション(またはスプライン)20aが形成されている。外側継手部材14の肩部19は、インナー側の内輪5の側面に当接している。また、外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、トラック溝18a、15aをはじめ、肩部19から軸部20に亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
ハブ輪1の内周には、外側継手部材14の軸部20が嵌合される。ハブ輪1のセレーション1dに、外側継手部材14の軸部20のセレーション20aが噛合することにより、トルクが伝達される。ハブ輪1に内嵌された外側継手部材14は、そのおねじ部21にスピンドルナット22が螺合され、一定のトルクで固定される。このとき、ハブ輪1の肩部1eがアウター側の内輪5の側面に当接し、外側継手部材14の肩部19がインナー側の内輪5の側面に当接しているので、スピンドルナット22を締め上げたときに、内輪5、5が両側から圧力をかけられ、軸受2に予圧が付与される。
次に、外輪4と内輪5の製造方法について説明する。
図3は、外輪4の製造方法を示す図であり、(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態を示す。図4は、内輪5の製造方法を示す図であり、(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態を示す。
図3(a)の中央には、外輪4の基材となる防錆能を有するステンレス鋼製のパイプ材31の断面が示されている。このパイプ材31は、長尺のパイプ材から所望の長さに切断され、切断したパイプ材の両端のバリ取りを行い、内径面と外径面の旋削を行って形成されたものである。パイプ材31の内方には、軸方向に延びたマンドレル32がパイプ材31の内周面とすきまをもって挿嵌されている。マンドレル32の外周面には、外輪4の外側転走面4a、4aを形成するための凸部32a、32b等の型が形成されている。パイプ材31の外方には、パイプ材31の外周面に接触させる成型ロール33が配置されている。成型ロール33の周面には、外輪4の径方向内方に突出する環状凸部4bを形成するための凸部33a等の型が形成されている。
図3(b)に示すように、加工する際には、成型ロール33とマンドレル32でパイプ材31を挟み込む。そうして、成型ロール33とマンドレル32の少なくとも一方を回転させることにより、パイプ31の周面にわたって、所望の形状を形成することができる。最後に、加工されたパイプ材31の端部の不要な部分を機械加工により取り除く。このような冷間ローリング加工により、外輪4が形成される。
図4(a)の中央には、内輪5の基材となる防錆能を有するステンレス鋼製のパイプ材41の断面が示されている。このパイプ材41は、長尺のパイプ材から所望の長さに切断され、切断したパイプ材の両端のバリ取りを行い、内径面と外径面の旋削を行って形成されたものである。パイプ材41の内方には、軸方向に延びた内型42がパイプ材41の内周面とすきまをもって挿嵌されている。内型42の外周面には、内輪5の内周面を形成するための型が形成されている。パイプ材41の外方には、パイプ材41の外周面に接触させる外型43が配置されている。外型43には、内輪5の内側転走面5aを形成するための凸部43a等の型が形成されている。
図4(b)に示すように、加工する際には、内型42と外型43でパイプ材41を挟み込んでプレスすることにより、パイプ41の周面にわたって、所望の形状を形成することができる。最後に、加工されたパイプ材41の端部の不要な部分を機械加工により取り除く。このようなプレス加工により、内輪5が形成される。
なお、この実施例では、パイプ材を基材として外輪4と内輪5を加工する例を示したが、本発明は、外輪4と内輪5を平板とし、同様の加工方法で形成することができる。また、この実施例では、外輪4をローリング加工で形成し、内輪5をプレス成型する例を示したが、本発明は、外輪4をプレス成型し、内輪5をローリング加工で形成することもできる。さらに、外輪4又は内輪5の内、少なくとも一方が板材又はパイプ材からプレス加工又はローリング加工にて形成されていればよく、他方は鍛造等で加工することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、自動車等の車輪を回転自在に支承する所謂第世代の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 外輪4の製造方法を示す図であり、(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態を示す。 内輪5の製造方法を示す図であり、(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態を示す。
符号の説明
1・・・・・・・・ハブ輪
1a・・・・・・・小径段部
1b・・・・・・・車輪取付フランジ
1c・・・・・・・ハブボルト挿通孔
1d・・・・・・・セレーション
1e・・・・・・・肩部
2・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・外輪
4a・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・環状凸部
4c・・・・・・・円筒部
5・・・・・・・・内輪
5a・・・・・・・内側転走面
5b・・・・・・・突合せ部
5c・・・・・・・第1の円筒部
5d・・・・・・・第2の円筒部
6・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・ナックル
7a・・・・・・・突出部
8・・・・・・・・保持器
11・・・・・・・芯金
12・・・・・・・シール部材
12a・・・・・・接合部
12b、12c・・シールリップ
13・・・・・・・シール
14・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・トラック溝
16・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・肩部
20・・・・・・・軸部
20a・・・・・・セレーション
21・・・・・・・おねじ部
22・・・・・・・スピンドルナット
31、41・・・・パイプ材
32・・・・・・・マンドレル
32a、32b・・凸部
33・・・・・・・成型ロール
33a・・・・・・凸部
42・・・・・・・内型
43・・・・・・・外型
43a・・・・・・凸部

Claims (3)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列のボールと、を備え、
    前記外輪及び内輪が板材又はパイプ材からプレス加工又はローリング加工にて形成されると共に、
    前記外輪の外周面が略円筒状をなし、径方向内方に突出部が形成されたナックルに圧入固定され、前記突出部に前記外輪の側面が当接することで位置合わせがなされ、前記外輪の内周面の略中央部に径方向内方に突出する環状凸部が形成され、この環状凸部の両側方の内周面には、断面が略円弧状の前記外側転走面が形成され、さらに、その側方には軸方向外方に延びる円筒部が形成されると共に、
    前記一対の内輪は、同形状をしたものが左右対称に隙間なく突き合わせ状態に配置され、突き合わせ部から軸方向に延びる第1の円筒部と、その側方の外周面には、断面が略円弧状をした内側転走面がそれぞれ形成され、前記内側転走面の両側方に軸方向に延びる第2の円筒部が形成され、この第2の円筒部の内周面は前記第1の円筒部の内周面よりも大径であり、
    前記内輪の内側転走面に対する前記第2の円筒部の外周面の高さが前記外輪の複列の外側転走面に対する前記環状凸部の内周面の高さよりも高く、
    前記外輪の円筒部の内周と前記内輪の円筒部の第2の外周とで形成される環状空間の開口部にシールが装着され、
    前記内輪が嵌合する小径段部を有するハブ輪と、該ハブ輪に嵌合された等速自在継手の外側継手部材と、を固着手段によって固着し、前記ハブ輪の肩部と前記外側継手部材の肩部とで前記一対の内輪に圧力をかけて軸受に予圧が付与されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記外輪及び前記内輪の両方が、防錆能を有する板材又はパイプ材から形成される請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記外輪及び前記内輪の前記転走面が、焼入れによる硬化層を有する請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
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