JP2012132568A - 車輪用軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、温度上昇による予圧低下と軸受クリープを防止した車輪用軸受を提供する。
【解決手段】外周の中央部に環状凹部18を有し、内周に径方向内方に突出し、内径がフラットな環状凸部17と、この両側に複列の円弧状の外側転走面12aが一体に形成された外方部材12と、外周に複列の外側転走面12aに対向する円弧状の内側転走面13aと、この大径側から軸方向に延びる肩部20が形成された一対の内輪13と、両転走面間に収容された複列のボール15を備え、一対の内輪13が、小径側端面13bが突合せ状態で衝合した状態で軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、外方部材12と内輪13がパイプ材から塑性加工によって形成され、環状凹部18に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンド21が射出成形によって充填されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受、詳しくは、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、軸受の耐久性の向上を図った車輪用軸受に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外方部材回転の両方式が一般的に採用されている。この車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
従来から、内輪および外輪が鋼板からプレス加工によって形成された構造のアンギュラ玉軸受が知られている。例えば、図5に示すアンギュラ玉軸受50は、磁気ハードディスク装置等に使用されるものであるが、外輪(外方部材)51および一対の内輪52、53は、ステンレス鋼板からプレス加工またはローリング加工によって形成されている。
外輪51は、内周面の略中間部に径方向内方に突出する環状凸部51aが形成され、この環状凸部51aの両側の内周面に外側転走面51b、51cが形成されている。この外輪51は、外周面がハウジング54の穴に嵌合され、一端部に形成されたフランジ51dがハウジング54の端面に当接されて、軸方向の位置決めが行われている。また、環状凸部51aにより、外輪51の外周面には環状凹部51eが形成され、この環状凹部51eに接着剤が充填されてハウジング54の穴に外輪51が固定されている。
一方、内輪52、53は、外輪51の複列の外側転走面51b、51cの内側に軸方向の両側からそれぞれ嵌合される。これら内輪52、53の軸方向外端外周には、湾曲肩部52a、53aが形成され、この湾曲肩部52a、53aに内側転走面52b、53bが形成されている。そして、複列のボール56、56がこれらの内側転走面52b、53bと外輪51の複列の外側転走面51b、51cとの間に配置され、保持器57、57により各列毎に保持されている。
内輪52、53の内周面には、軸部材55に隙間嵌めされる嵌合部52c、53cが形成されている。内輪52、53が軸部材55に軸方向から隙間嵌めされた後、一方の内輪52の湾曲肩部52aに重量が一定の円筒形の重錘59が乗せられ、この重錘59の重量により、内輪52、ボール56、外輪51、ボール56を経由して他方の内輪53が押圧され、湾曲肩部53aが軸部材55の鍔部55aに当接するまで嵌合される。これにより、アンギュラ玉軸受50に適正な予圧が設定される。
この隙間嵌めが完了すると、一方の内輪52の湾曲肩部52aと軸部材55との間の隙間に接着剤60が充填され、この接着剤60で一方の内輪52の嵌め外れが防止されると共に、軸部材55の鍔部55aで他方の内輪53の嵌め外れが防止される。
実開平6−1835号公報
この種のプレス製のアンギュラ玉軸受50を車輪用軸受として使用した場合、予圧抜けを防止するためにアンギュラ玉軸受50の初期予圧量を高く設定すると、当然のことながらアンギュラ玉軸受50に余分な荷重を常時負荷することになって軸受寿命が短くなる。また、温度変化によって予圧量が大きく変化するに伴い軸受剛性が変動し、車両の走行安定性に悪影響を及ぼす。さらには、クリープを防止するために初期のシメシロを大きく設定すると、アンギュラ玉軸受50を圧入する時にハウジング(ナックル)54をかじる恐れがあるため、ハウジング54を予め加熱した状態でアンギュラ玉軸受50を圧入する必要がある。これでは組立工数がアップしてコスト高騰を招来することになる。ここで、クリープとは、嵌合シメシロ不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼付きや溶着する現象をいう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と低コスト化を図ると共に、温度上昇による予圧低下と軸受クリープを防止した車輪用軸受を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周の中央部に環状凹部を有し、内周の中央部に径方向内方に突出し、内径がフラット形状に形成された環状凸部と、この環状凸部の両側に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記一対の内輪が、その小径側端面が突合せ状態で衝合した状態で、所定の軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形によって充填されている。
このように、外周の中央部に環状凹部を有し、内周の中央部に径方向内方に突出し、内径がフラット形状に形成された環状凸部と、この環状凸部の両側に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成された一対の内輪と、これら内輪と外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、一対の内輪が、その小径側端面が突合せ状態で衝合した状態で、所定の軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、外方部材の環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形によって充填されているので、温度上昇時、ナックルと車輪用軸受の線膨張係数の違いにより、ナックルが車輪用軸受以上に熱膨張したとしても、嵌合シメシロの低下を抑制し、軸受クリープの発生を防止することができると共に、初期に設定した軸受予圧が低下するのを防止することができ、軸受剛性の変動を抑えて車両の走行安定性を確実に保つことができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記外方部材が嵌合されるナックルが軽合金からなり、このナックルの線膨張係数よりも前記樹脂バンドの線膨張係数が大きく設定されていれば、温度上昇によるシメシロ低下を防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記樹脂バンドの外径が、前記外方部材の外径よりも0〜50μm突出して形成されていれば、温度上昇によるシメシロの低下を確実に防止できると共に、樹脂バンドの剛性の低下を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内輪の肩部の内周面から面取り部に亙る環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形により充填されていれば、予圧抜けを効果的に防止することができる。
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記樹脂バンドが前記内輪の大径側端面より0〜50μm突出して形成されていれば、予圧抜けを確実に防止して初期に設定された軸受予圧を長期間に亙って保持することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記外方部材と内輪がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成されていれば、肉厚を略均等にすることができると共に、形状、寸法を所定の精度に確保することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記樹脂バンドがポリアミド系の合成樹脂からなり、その線膨張係数が8〜16×10−5/℃に設定されていれば、少なくとも嵌合される部材の線膨張係数よりも大きく、この部材が車輪用軸受以上に熱膨張したとしても、この樹脂バンドがそれ以上に膨張してその変化に追従することができる。
本発明に係る車輪用軸受は、外周の中央部に環状凹部を有し、内周の中央部に径方向内方に突出し、内径がフラット形状に形成された環状凸部と、この環状凸部の両側に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記一対の内輪が、その小径側端面が突合せ状態で衝合した状態で、所定の軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形によって充填されているので、温度上昇時、ナックルと車輪用軸受の線膨張係数の違いにより、ナックルが車輪用軸受以上に熱膨張したとしても、嵌合シメシロの低下を抑制し、軸受クリープの発生を防止することができると共に、初期に設定した軸受予圧が低下するのを防止することができ、軸受剛性の変動を抑えて車両の走行安定性を確実に保つことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の車輪用軸受を示す拡大図である。 (a)は、図2の外方部材輪単体を示す縦断面図、(b)は、同上、内輪単体を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受と本実施形態に係る車輪用軸受の温度変化と軸受予圧の変化の関係を比較測定した結果を示すグラフである。 従来の内・外輪がプレス加工によって形成された構造のアンギュラ玉軸受を示す縦断面図である。
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪にセレーションを介して内嵌された等速自在継手の外側継手部材と、懸架装置を構成する軽合金からなるナックルと、このナックルと前記ハブ輪の小径段部との間に所定のシメシロで嵌合された車輪用軸受とを備え、この車輪用軸受を介して前記ハブ輪が前記ナックルに対して回転自在に支承されている車輪用軸受装置において、前記車輪用軸受が、外周の中央部に環状凹部を有し、内周の中央部に径方向内方に突出し、内径がフラット形状に形成された環状凸部と、この環状凸部の両側に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、前記一対の内輪が、その小径側端面が突合せ状態で衝合した状態で、所定の軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形によって充填されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受を示す拡大図、図3(a)は図2の外方部材単体を示す縦断面図、(b)は、図2の内輪単体を示す縦断面図、図4は、従来の車輪用軸受と本実施形態に係る車輪用軸受の温度変化と軸受予圧の変化の関係を比較測定した結果を示すグラフである。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1に示す車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入され、ナックル2に対してハブ輪1を回転自在に支承する車輪用軸受3とを主たる構成としている。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪WおよびブレーキロータBを取り付けるための車輪取付フランジ4と、この車輪取付フランジ4から肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部5が形成されている。車輪取付フランジ4には車輪WおよびブレーキロータBを締結するハブボルト4aが周方向等配に植設されている。また、ハブ輪1の内周面にはセレーション(またはスプライン)6が形成され、小径段部5の外周面には後述する車輪用軸受3が圧入されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、鍛造加工後の生のままである。なお、曲げ強度に対する疲労強度増加のために鍛造加工後に調質処理を行う方法や、肩部1aから小径段部5に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理をしても良い。
車輪用軸受3は、等速自在継手7を構成する外側継手部材8の肩部9とハブ輪1の肩部1aとで挟持された状態で固定されている。外側継手部材8は、肩部9から軸方向に延びるステム部10が一体に形成されている。このステム部10の外周には、ハブ輪1のセレーション6に係合するセレーション(またはスプライン)10aと、このセレーション10aの端部に雄ねじ10bが形成され、エンジンからのトルクを図示しないドライブシャフトおよび等速自在継手7、そしてこのセレーション6、10aを介してハブ輪1に伝達している。
ここで、セレーション10aには軸線に対して所定の角度傾斜した捩れ角が設けられ、外側継手部材8の肩部9が車輪用軸受3に当接するまでステム部10がハブ輪1に内嵌され、ハブ輪1のセレーション6に圧入嵌合されている。これにより、セレーション6、10aの嵌合部に予圧を付与し周方向のガタを殺している。また、ステム部10の端部に形成された雄ねじ10bに固定ナット11が所定の締付トルクで締結され、所望の軸受予圧が付与された状態で、ハブ輪1と等速自在継手7が分離可能に結合されている。
一方、ナックル2は、アルミ合金等の軽合金で形成されている。これにより、従来の鋳鉄等に比べ、剛性不足を補うために各部を肉厚に設計したとしてもその重量は半減する。そして、このナックル2に車輪用軸受3が所定のシメシロで圧入されている。
車輪用軸受3は、図2に拡大して示すように、内周に複列の円弧状の外側転走面12a、12aが一体に形成された外方部材12と、外周にこれら複列の外側転走面12a、12aに対向する円弧状の内側転走面13a、13aが形成された一対の内輪13、13と、両転走面間に保持器14、14を介して転動自在に収容された複列のボール15、15と、外方部材12の両端部に装着されたシール16、16とを備えている。そして、内輪13の小径(正面)側端面13bを突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。
シール16は、外方部材12の円筒部12bに嵌合される芯金16aと、この芯金16aに加硫接着等により一体に接合され、ニトリルゴム等のエラストマーからなるシール部材16bからなり、内輪13の外径面に摺接する一対のラジアルリップを備えている。これにより、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。また、図示していないが、こうしたシール16以外に他の構造のシールを用いても良い。すなわち、内輪13の外径にスリンガを圧入すると共に、このスリンガに対向して環状のシール板を外方部材12の円筒部12aに装着し、このシール板のシールリップをスリンガに摺接させる、所謂パックシールを用いても良い。
ここで、外方部材12および内輪13は、SUJ2等の軸受鋼やSCr420やSCM415等の浸炭鋼からなるパイプ材を焼鈍した後、プレス加工または冷間のローリング加工(以下、塑性加工という)によって形成されている。そして、SUJ2はズブ焼や高周波焼入れ、浸炭鋼は浸炭焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化処理されている。外方部材12および内輪13の材質としてこれ以外にも、S50C〜S55Cや冷間圧延鋼板JIS規格のSPCC系等)等の炭素鋼あるいはSCM440等の浸炭鋼を例示することができる。
一方、冷間圧延鋼板や炭素鋼の場合、外方部材12においては、少なくとも複列の外側転走面12a、12aが、また、内輪13においては、少なくとも内側転走面13aが高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化処理が施され、転がり疲労寿命を向上させている。そして、これらの転走面12a、13aは、研削加工によって所定の寸法、精度に形成されている。なお、その後、必要に応じて超仕上げ加工が施される。
次に、図3を用いて、外方部材12および内輪13の構成について詳細に説明する。
外方部材12は、(a)に示すように、素材となるパイプ材から塑性加工により、内周に径方向内方に突出する環状凸部17と、この環状凸部17の両側に複列の円弧状の外側転走面12a、12aが形成されると共に、両端部にシール16の嵌合部となる円筒部12b、12bが形成される。
ここで、外側転走面12aから環状凸部17の肩高さを適切に確保するために、外方部材12の塑性加工時、環状凸部17の内径がフラット形状に形成されると共に、外方部材12の中央部を凹ませて環状凹部18が形成され、肩部19に素材が充足するようにされている。なお、塑性加工でバリが発生する両端面は加工後に旋削加工される。また、必要に応じて研削加工が施される。
一方、内輪13は、(b)に示すように、素材となるパイプ材から塑性加工により、外周に円弧状の内側転走面13aと、この内側転走面13aの大径側から軸方向に延びる肩部20が形成されている。ここで、この肩部20はシール16のシールランド部となり、塑性加工後に内側転走面13aと同時に研削加工され、所定の寸法、精度に形成される。なお、外方部材12と同様、塑性加工でバリが発生する両端面は加工後に旋削加工される。また、必要に応じて研削加工が施される。
本実施形態では、外方部材12および内輪13がパイプ材から塑性加工で形成されると共に、両転走面12a、13aとシール16の嵌合面となる外方部材12の円筒部12b、およびシール16のシールランド部となる内輪13の肩部20が研削加工によって形成されているので、生産性が向上して歩溜まりが良く、また、低コスト化ができると共に、従来の軸受と同等の精度や密封性を確保することができる。なお、ナックル2やハブ輪1の嵌合面となる外方部材12の外径面および内輪13の内径、さらには突合せ面となる内輪13の小径側端面13bを研削加工によって形成しても良い。これにより、従来の鍛造、削り出しの軸受と同等の軸受精度を確保することができる。
ここで、本実施形態では、図2に示すように、外方部材12の環状凹部18にPA(ポリアミド)11をベースとした耐熱性の熱可塑性合成樹脂が射出成形により充填され、樹脂バンド21が形成されている。この樹脂バンド21の外径は、外方部材12の外径より0〜50μm突出して形成されている。突出量が0以下では、温度上昇によるシメシロ低下を確実に防止することが難しく、また、突出量が50μmを超えると、ナックル2の圧入時に樹脂バンド21のむしれ等が発生し易い。なお、突出量は軸受のサイズ等によって若干異なるも、製造バラツキを考慮して10〜40μmの範囲に設定するのが好ましい。
これにより、予圧抜けと軸受クリープを効果的に防止することができる。すなわち、ナックル2と外方部材12の線膨張係数の違いにより、例えば、走行時の温度上昇によってナックル2と外方部材12との嵌合シメシロが減少したり、あるいは解放されることはなくなり、予圧抜けを防止して組立時の軸受予圧を長期間に亘って維持することができる。さらに、外方部材12がクリープを起こして焼付いたり、短寿命を誘発するのを確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、外方部材12と同様、内輪13の肩部20の内周面から面取り部13cに亙る環状凹部22にPA11からなる耐熱性の熱可塑性合成樹脂が射出成形により充填され、樹脂バンド23が形成されている。この樹脂バンド23は、内輪13の大径(背面)側端面13dより0〜50μm、好ましくは、製造バラツキを考慮して10〜40μmの範囲に突出して形成されている。
軸受予圧は、一対の内輪13、13の大径側端面13d、13dをハブ輪1の肩部1aと外側継手部材8の肩部9で挟持することにより付与されるが、こうした樹脂バンド23により、外方部材12の樹脂バンド21と相俟って予圧抜けを確実に防止して初期に設定された軸受予圧を長期間に亙って保持することができる。
また、樹脂バンド21、23の材質は、前述したPA11に限らず、アルミ合金等の軽合金からなるナックル2の線膨張係数(2〜2.3×10−5/℃)よりも大きく、線膨張係数が8〜16×10−5/℃の範囲の合成樹脂なら良い。例えば、PA66、さらにこれらの熱可塑性合成樹脂にGF(グラスファイバー)等の強化繊維を10〜30wt%の範囲で含有させたものを例示することができる。
図4は、従来の車輪用軸受と本実施形態に係る車輪用軸受のそれぞれ外方部材のみをアルミ合金からなるナックルに圧入した状態で、温度変化と軸受予圧の変化、すなわち、外方部材の外側転走面の寸法変化との関係を比較測定した結果を示している。この図でも明確なように、従来のものでは、温度上昇に比例してリニアに軸受予圧が低下しているが、本実施形態に係る車輪用軸受においては、軸受予圧は80℃近傍までは漸次低下するも、それ以降は所定の予圧量を維持することが判る。
以上、詳述したように、本実施形態では、ナックル2がアルミ合金等の軽合金で形成され、このナックル2に圧入される車輪用軸受3の外方部材12の外周にナックル2の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する樹脂バンド21が形成されると共に、内輪13の端部にも、少なくともハブ輪1および外側継手部材8の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する樹脂バンド23が形成されているので、温度上昇時、ナックル2と車輪用軸受3の線膨張係数の違いにより、ナックル2が車輪用軸受3以上に熱膨張したとしても嵌合シメシロの低下を抑制して軸受クリープの発生を防止することができると共に、ハブ輪1や外側継手部材8が熱膨張したとしても初期に設定した軸受予圧が低下するのを防止することができ、軸受剛性の変動を抑えて車両の走行安定性を確実に保つことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受は、一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に圧入された一対の内輪とを備えた第1世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
1 ハブ輪
1a、9、19、20 肩部
2 ナックル
3 車輪用軸受
4 車輪取付フランジ
4a ハブボルト
5 小径段部
6、10a セレーション
7 等速自在継手
8 外側継手部材
10 ステム部
10b 雄ねじ
11 固定ナット
12 外方部材
12a 外側転走面
12b 円筒部
13 内輪
13a 内側転走面
13b 小径側端面
13c 面取り部
13d 大径側端面
14 保持器
15 ボール
16 シール
16a 芯金
16b シール部材
17 環状凸部
18、22 環状凹部
21、23 樹脂バンド
50 アンギュラ玉軸受
51 外輪
51a 環状凸部
51b、51c 外側転走面
51d フランジ
51e 環状凹部
52、53 内輪
52a、53a 湾曲肩部
52b、53b 内側転走面
52c、53c 嵌合部
54 ハウジング
55 軸部材
55a 鍔部
56 ボール
57 保持器
59 重錘
60 接着剤
B ブレーキロータ
W 車輪

Claims (7)

  1. 外周の中央部に環状凹部を有し、内周の中央部に径方向内方に突出し、内径がフラット形状に形成された環状凸部と、この環状凸部の両側に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成された一対の内輪と、
    これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールとを備え、
    前記一対の内輪が、その小径側端面が突合せ状態で衝合した状態で、所定の軸受予圧が付与された背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受からなると共に、
    前記外方部材と内輪がパイプ材から塑性加工によって形成され、前記外方部材の環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形によって充填されていることを特徴とする車輪用軸受。
  2. 前記外方部材が嵌合されるナックルが軽合金からなり、このナックルの線膨張係数よりも前記樹脂バンドの線膨張係数が大きく設定されている請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 前記樹脂バンドの外径が、前記外方部材の外径よりも0〜50μm突出して形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受。
  4. 前記内輪の肩部の内周面から面取り部に亙る環状凹部に耐熱性の合成樹脂からなる樹脂バンドが射出成形により充填されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受。
  5. 前記樹脂バンドが前記内輪の大径側端面より0〜50μm突出して形成されている請求項4に記載の車輪用軸受。
  6. 前記外方部材と内輪がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受。
  7. 前記樹脂バンドがポリアミド系の合成樹脂からなり、その線膨張係数が8〜16×10−5/℃に設定されている請求項1乃至6いずれかに記載の車輪用軸受。
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