JP5040137B2 - 車両用フック構造 - Google Patents
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Description
このような技術の一例として、以下の特許文献1の技術が挙げられる。この特許文献1の技術においては、その図3などに示されるように、フック本体(10)とは別に蓋(30)を設け、この蓋(30)によりフック本体(10)に保持された手荷物が、フック本体(10)から容易に外れないようにすることを狙っている。
この構造においては、シート103のシートバック104に固定されたケース101内にフック102を収容できるようになっている。そして、フック102を使用する場合にのみ、このフック102をケース101から引き出して使用するようになっている。なお、図10中、フック102に支持されているのは、持ち手部分Hを有する紙袋Bである。
また、この図10に示す構造が適用された車両の乗員は、フック102をケース101に収納してある場合は、衣服などが引っかからないように注意を払う必要はないものの、フック102を使用している場合には、特許文献1の技術と同様に、このような注意を払う必要がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、フックを使用している場合であっても、車室内のデザイン性の向上を図りながら、且つ、フックによる荷物の保持性を高めることができる、車両用フック構造を提供することを目的とする。
また、本発明の車両用フック構造は、該ロック機構は、該フックを該収納状態および該突出状態に保持することが好ましい。
また、本発明の車両用フック構造は、該ヒンジ機構は、該ケースの下端部側に設けられ、該連通路は、該ヒンジ機構の上方で且つ該ヒンジ機構に近接して形成されていることが好ましい。
また、本発明の車両用フック構造は、該連通路は、該フックの両側に形成された切り欠きであるフック切り欠き部であることが好ましい。
さらに、本発明の車両用フック構造は、該フックが出し入れされる開口部を有し、該開口部は、その縁部が該壁面と略同じ高さで形成され、該フックは、該ケースに収納された状態で該開口部の該縁部と略同じ高さとなるように形成されていることが好ましい。これにより、フックがケースに収納された状態で、車室の壁面に隆起した部分や陥没した部分が形成されることを防ぎ、車室内の美観をさらに向上させることができる。
また、ケースから突出した状態のフックに荷物の持ち手部分を引っ掛け、その後、フックをケース内に収納することで、荷物がフックから容易に外れることを防ぐとともに、車室内の美観を向上させることができる。
また、ヒンジ機構を中心にフックを回動させるだけで、フックを容易にケースから突出させたり、フックを容易にケース内に収納させたりすることができる。
また、荷物に作用する重力により、フックには、連通路内に配設された持ち手部分を介して下向きの荷重が作用するが、このとき、連通路がヒンジ機構の上方で且つヒンジ機構に近接して形成されているのでフックに生じるモーメントを極力小さくすることが可能となる。
また、ケース内に収容フックに生じるモーメントを極力小さくすることが可能となる。
また、フックの両側に形成された切り欠きであるフック切り欠き部を連通路とすることで、容易に連通路を形成することができる。
また、ケースの縁部に形成された形成された切り欠きであるケース切り欠き部を連通路とすることで、容易に連通路を形成しながら、フックの剛性を高めることができる。
これらのうち、ケース11は、フック12を収納する樹脂製の部品であって、図示しない車両の室内の壁面に固定されている。
これらのうち、枠部13は、ケース11の前面を形成する部分であって、窪み部14の開口部17(図1参照)における縁部を形成している。また、この枠部13は、車室の壁面の高さと略同じ高さとなるように形成されている。
また、この窪み部14は、その上端がドーム形状のドーム面14Aとして形成され、その下端が右下方へ傾いた傾斜面14Bとして形成されている。
そして、これらのヒンジ穴部には、フック12のヒンジ突起部(図示略;後述する)が嵌まり込むようになっている。
さらに、この窪み部14の側壁14Cには、ロック穴部14Dが形成されている。なお、図3では左側の側壁14Cに形成されたロック穴部14Dのみを示すが、図示しない右側の側壁においても図示しないロック穴部が形成されている。そして、これらのロック穴部14Dには、フック12のロック突起部12C(後述する)が嵌まり込むようになっている。
また、第2突部16は、第1突部15よりも上方における窪み部14の奥側の面において奥側に突出した部分であって、車室の壁面に形成された位置決め穴(図示略)に嵌入し、車室壁面に対するケース11の位置決めを容易に行うことができるようになっている。
また、このフック12のうち、ケース11に対して回転可能に支持されている部分をフック本体部12Aといい、このフック本体部12に対して略直角に突出して形成された部分をかぎ部(突出部)12Bという。
また、このフック切り欠き部19は、図4に示すように、フック12が窪み部14内に収納された状態で、斜め下方に傾斜するように形成されている。また、このフック切り欠き部19の傾斜角度は、窪み部14の傾斜面14Bの傾斜角度と概ね同じになるように設定されている。
本発明の第1実施形態に係る車両用フック構造は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図示しないユーザによってフック12がケース11から引き出されると、図1に示すように、紙袋Bの持ち手部分Hがフック12のフックかぎ部12Bに引っ掛けられる状態になる。
このとき、紙袋Bの持ち手部分Hは、フック切り欠き部19に嵌まり込むため、持ち手部分Hがフック12を収納することの妨げにはならない。
図4に示すように、フック12がケース11の窪み部14の内部に収納されると、持ち手部分Hは、重力により下方へ移動し、そして、フック切り欠き部19に嵌入する。これにより、持ち手部分Hは、フック本体12Aに保持されたまま、ケース11の窪み部14の内部から外部に亘って延在することが可能となる。
また、このフック切り欠き部19の傾斜角度は、窪み部14の傾斜面14Bの傾斜角度と概ね同じになるように設定されているので、窪み部14の傾斜面14Bに持ち手部分Hが載置された場合であっても、この持ち手部分Hを無理に折れ曲げることなく、自然な形状でフック切り欠き部19内に嵌入するよう案内することができる。
また、ケース11の枠部13が、車室の壁面の高さと略同じ高さとなるように形成されているので、フック12をケース11に収納することで、車室の壁面において隆起した部分や陥没した部分が形成されることを防ぐことができ、車室内の美観を向上させることができる。
また、このフック本体部12Aの両側にそれぞれ形成されたロック突起部12Cが、ケース11の窪み部14の両側壁部14Cにそれぞれ形成されたロック穴部14Dに嵌入することで、フック12を収納状態のまま維持することができる。
次に、図面により、本発明の第2実施形態に係る車両用フック構造について説明すると、図5はケースからフックが取り出されている場合を示す模式的な側面図、図6はケースにフックが収納されている場合を示す模式的な側面図である。
なお、フック32は、第1実施形態で説明したフック12と概ね同様の形状であるものの、実際には同じではない。他方、このケース31は、上述の第1実施形態に係るケース11を上下逆にした形状となっている。
ケース31は、フック32を収納する樹脂製の部品であって、図示しない車両の室内の壁面に固定されている。
これらのうち、枠部33は、ケース31の前面を形成する部分であって、窪み部34の開口部(図示略)における縁部を形成している。また、この枠部33は、車室の壁面の高さと略同じ高さとなるように形成されている。
また、この窪み部34は、その下端がドーム形状のドーム面34Aとして形成され、その上端が右上方へ傾いた傾斜面34Bとして形成されている。
そして、これらのヒンジ穴部には、フック32のヒンジ突起部(図示略;後述する)が嵌まり込むようになっている。
さらに、この窪み部34の側壁34Cには、ロック穴部34Dが形成されている。なお、図5では左側の側壁34Cに形成されたロック穴部34Dのみを示すが、図示しない右側の側壁においても図示しないロック穴部が形成されている。そして、これらのロック穴部34Dには、フック32のロック突起部32C(後述する)が嵌まり込むようになっている。
また、第2突部36は、第1突部35よりも上方における窪み部34の奥面において奥側に突出した部分であって、車室の壁面に形成された位置決め穴(図示略)に嵌入し、車室壁面に対するケース31の位置決めを容易に行うことができるようになっている。
また、このフック32のうち、ケース31に対して回転可能に支持されている部分をフック本体部32Aといい、このフック本体部32に対して略直角に突出して形成された部分をかぎ底部(突出部)32Bといい、また、このかぎ底部32Bに対して略直角に突出して形成された部分をかぎ壁部32Dといい、また、このかぎ壁部32Dに対して略直角に突出して形成された部分をかぎ返し部32Eという。
また、フック本体部32Aの両側には、それぞれ、ヒンジ突起部(図示略)が形成されている。これらのヒンジ突起部は、ケース31の窪み部34の側壁34Cに形成されたヒンジ穴部に対して、それぞれ嵌入するものである。そして、これらのヒンジ突起部がヒンジ穴部に嵌入することでヒンジ機構38が構成され、フック32がケース31に対して回転可能に支持されるようになっている。
また、フック32のかぎ底部32Bは、フック32が収納状態にある場合において、ヒンジ機構38の略真下に位置するように形成され、さらに、このかぎ底部32に形成されたフック切り欠き部(連通路)39が形成されている。これらのフック切り欠き部39は、フック32がケース31の窪み部34内に収納された状態で、この窪み部34の内部と外部とを連通させる通路である。
また、このフック本体32Aの背面32Fは、フック32が窪み部34に収納された状態で、ケース31の枠部33の表面33Aと略同じ高さになるように形成されている。
これらのフック切り欠き部39は、フック32がケース31の窪み部34内に収納された状態で、窪み部34の内部と外部とを連通させる通路である。
また、このフック切り欠き部39は、図6に示すように、フック32が窪み部34内に収納された状態で、上下方向に延在するように形成されている。
図示しないユーザにより、図5に示すように、フック32がケース31から引き出されると、持ち手部分H(図5では図示略)をフック32のかぎ底部32Dおよびかぎ返し部32Eに引っ掛けられる状態になる(図5中矢印A2参照)。
このとき、紙袋Bの持ち手部分Hは、フック切り欠き部39に嵌まり込むため、この持ち手部分Hがフック32を収納することの妨げにはならない。
ここで、収納状態にあるフック32についてもう少し詳しく説明する。図6に示すように、フック32がケース31の窪み部34の内部に収納されると、持ち手部分Hは、重力により下方へ引っ張られた状態でフック切り欠き部39に嵌入する。これにより、持ち手部分Hは、フック32のかぎ底部32Bに保持されたまま、ケース31の窪み部34の内部から外部に亘って延在することができるのである。
また、ケース31の枠部33が、車室の壁面の高さと略同じ高さとなるように形成されているので、フック32をケースに収納することで、車室の壁面において隆起した部分や陥没した部分が形成されることを防ぐことができ、車室内の美観を向上させることができる。
また、このフック本体部32Aの両側にそれぞれ形成されたロック突起部32Cが、ケース31の窪み部34の両側壁部34Cにそれぞれ形成されたロック穴部34Dに嵌入することで、フック32を収納状態のまま維持することができる。
次に、図面により、本発明の第3実施形態に係る車両用フック構造について説明すると、図7はケースからフックが取り出されている場合を示す模式的な斜視図、図8はケースにフックが収納されている場合を示す模式的な斜視図、図9は図8の模式的なIX−IX断面図である。
また、このケース41は、枠部43,第1突部(図示略)および第2突部(図示略)を有している。
これらのうち、枠部43は、ケース41の前面を形成する部分であって、ケース41の開口部47における縁部を形成している。また、この枠部43は、車室の壁面の高さと略同じ高さとなるように形成されている。
図示しない第1突部は、円弧部44の奥側の面において、枠部43とは反対側(即ち、奥側)に突出した部分であって、車室の壁面に形成された係合穴(図示略)に嵌入し、ケース41を車室壁面に固定することができるようになっている。
また、このケース41の円弧部44には、最も奥側に図示しない穴部が形成され、この穴部を通じて、フック42のシャフト部42A(後述する)が出入りすることができるようになっている。
他方、フック42は、荷物の持ち手部分が引っ掛られることで、この荷物を保持する樹脂製の部品であって、円筒形状のシャフト部42Aと、円盤形状のエンド部材42Bとから形成されている。なお、図7および図8においても、荷物の一例として、持ち手部分Hを有する紙袋Bを示す。
ロック機構48は、ケース41の円弧部44の裏面に備えられ、フック42を、ケース41に収納された状態(即ち、収納状態)、および、ケース41から突出した状態(突出状態)のうちいずれか一方の状態で保持するものである。つまり、図7中矢印A4で示すように、突出状態のフック42が奥側へ押し込まれると、フック42は、シャフト部42Aの軸線Cに沿って矢印A4の方向へ変位し、その後、図8に示すように、ロック機構48により、収納状態で保持されるようになっている。
なお、このロック機構48の具体的な構造については、公知技術であるので、ここでは詳しい説明は省略する。
本発明の第3実施形態に係る車両用フック構造は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
その後、図7中矢印A4で示すように、フック42がユーザにより押し込まれると、図8で示すように、フック42がケース41内に収容される。
また、連通路49は、円弧部44と、フック42のエンド部材42Bとの間に形成され、且つ、この円弧部44の曲率は、フック42のシャフト部42Aが出し入れされる穴部よりも上方では大きく設定され、また、上記の穴部よりも下方では小さく設定されている。
これにより、持ち手部分Hは、ケース41の内部から連通路49を通じて、ケース41の下方へ延在することを許容しながら、ケース41の内部から連通路49を通じて、ケース41の上方へ変位し、この持ち手部分Hがフック42から外れる事態を防ぐことができる。
したがって、このフック42に荷物を引っ掛けたことにより、収納状態にあるフック42が、ユーザの意図に反して、自然に突出状態になってしまうような事態を防ぐことができる。
以上、本発明の第1〜第3実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
12,32,42 フック
12B, かぎ部(突出部)
18,38 ヒンジ機構
19,39フック切り欠き部(連通路)
32B かぎ底部(突出部)
49 連通路
48 ロック機構
B 紙袋(荷物)
H 持ち手部分
Claims (7)
- 車室内に設けられ荷物の持ち手部分が引っ掛けられるフックを有する車両用フック構造であって、
該車室内に固定され該フックを収納するケースを備え、
該フックは、該ケースから突出した突出状態と、該ケースの内部に収納された収納状態との間で変位可能に構成されると共に、
該フックが該収納状態のときに該フックに引っ掛けられた該持ち手部分が嵌まり込むように該ケースの内部と外部とを連通させる連通路と、
該フックを該収納状態に保持するロック機構とを備える
ことを特徴とする、車両用フック構造。 - 該ロック機構は、該フックを該収納状態および該突出状態に保持する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用フック構造。 - 該フックの一端部側と該ケースとを回動可能に接続するヒンジ機構を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用フック構造。 - 該ヒンジ機構は、該ケースの下端部側に設けられ、
該連通路は、該ヒンジ機構の上方で且つ該ヒンジ機構に近接して形成されている
ことを特徴とする、請求項3記載の車両用フック構造。 - 該ヒンジ機構は、該ケースの上端部側に設けられ、
該フックは、その他端部側に突出部を有し、
該突出部は、該フックが該ケース内に収納された状態で略水平方向に延在し且つ該ヒンジ機構の略真下に位置するように形成されている
ことを特徴とする、請求項3記載の車両用フック構造。 - 該連通路は、該フックの両側に形成された切り欠きであるフック切り欠き部である
ことを特徴とする、請求項4または5記載の車両用フック構造。 - 該連通路は、該ケースの縁部に形成された切り欠きであるケース切り欠き部である
ことを特徴とする、請求項2〜5のうちいずれか1項記載の車両用フック構造。
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