次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24と、が設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
また、前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
また、上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
また、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
また、球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156と、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、主として、始動口56Bと、センター役物64と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
センター役物64は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、演出図柄表示装置(図柄表示装置)62と、ランプ類66と、装飾部材200と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
演出図柄表示装置62の近傍には、装飾部材200が設けられている。
ここで、本発明の要部である装飾部材200の構成について詳細に説明する。
図5乃至図7に示すように、装飾部材200は、アーム部材202を備えている。アーム部材202の下方側取付部204には、軸部206が設けられている。この軸部206には、第1駆動力伝達部材が設けられている。第1駆動軸伝達部材は、軸部206に固定される筒状部208と、筒状部208に形成された駆動片210と、で構成されている。駆動片210には、後述の上下駆動部材230から駆動力が伝達され、この駆動力を受けてアーム部材202が軸部206の軸回りに所定の回転角度の範囲だけ往復回転運動(回転運動)する。また、アーム部材202の軸部206の近傍には、位置決めピン212が設けられている。位置決めピン212が後述の上下駆動部材230の係合部234と係合することにより、アーム部材202と上下駆動部材230との相対的な位置関係を規定している。また、アーム部材202の下方側取付部204には、楕円状の開口部214が形成されている。この開口部214には、後述の上下駆動部材230の位置決めピン240が挿通されている。アーム部材202が軸部206の軸回りに回転すると、上下駆動部材230の位置決めピン240が開口部214の内部を移動するとともに、開口部214の端面で位置決めされる。このため、上下駆動部材230の位置決めピン240とアーム部材202の開口部214とは、アーム部材202が往復回転運動を円滑かつ確実に実行するための、ガイド部材として機能する。以上のように、アーム部材202の下方側取付部204には、駆動力伝達機構や位置決め機構などが設けられている。
アーム部材202の下方側取付部204には、上方側取付部216が一体形成されている。上方側取付部216には、複数(本実施形態では3個)の小型風車(第2役物)220が回転可能に設けられている。すなわち、アーム部材202の上方側取付部216には複数の貫通孔218が形成されており、各小型風車220の各回転軸(孔部)222が対応する各貫通孔218に挿入されることにより、各小型風車220がアーム部材202に対して回転可能となるように支持されている。なお、各小型風車220の各回転軸222は、アーム部材202の各貫通孔218に挿入された後、ねじ及び座金などの固着具224により上方側取付部216の各貫通孔218の開口縁に固定される。これにより、各小型風車220は、アーム部材202の上方側取付部216から離脱しないようになっている。
各小型風車220は、相互に90度の角度を開けて形成された4つの羽根部226と、4つの羽根部226の表面側中心に取り付けられた中央装飾部229と、4つの羽根部226の裏面側中心に取り付けられた上記回転軸222と、で構成されている。4つの羽根部226には、風の作用を受けて各羽根部226を回転させるための空気流調整部228が形成されている。このように、アーム部材202の上方側取付部216には、小型風車220などの装飾部材が設けられている。
ここで、図7に示すように、アーム部材202の貫通孔218の内径(直径)が各小型風車220の各回転軸222の外径(直径)よりも大きくなるように設定されている。このため、各小型風車220の各回転軸222が各貫通孔218に挿入された状態では、各回転軸222の外周と各貫通孔218の内周との間には、所定の隙間Dが形成される。このように、各小型風車220は、いわゆるフリーの状態でアーム部材202に設けられている。この結果、各小型風車220が回転するときに各回転軸222と貫通孔218との間で大きな摩擦力が発生することを抑制できるため、各小型風車220の各回転軸222回りの回転動作が著しく容易になる。なお、各小型風車220の各回転軸222には、アーム部材202の上方側取付部216の裏面側から貫通孔218の直径よりも大きな直径の座金を介してねじで固定されているため、各回転軸222の外周と各貫通孔218の内周との間に、所定の隙間Dが形成された場合でも、各小型風車220が上方側取付部216から抜け落ちてしまうことがない。
アーム部材202の近傍には、上下駆動部材230が設けられている。この上下駆動部材230は、遊技盤26に対して位置決め固定されている。上下駆動部材230は、例えば、ソレノイド(第2駆動源)231(図4参照、駆動モータでも可能)などの駆動源により上下方向(図6中矢印X方向)に直線往復運動を実行する。なお、ソレノイド231などの駆動源は、サブ制御基板106(図3参照)、さらに具体的には装飾駆動基板114(図4参照)により駆動制御される。上下駆動部材230の側面には、複数の突起部232が上下方向(軸方向)に所定の間隔を設けて形成されている。突起部232は、アーム部材202側の駆動片210と係合している。このため、上下駆動部材230が上方向(図6中矢印A方向)に移動すると、駆動片210の下側に位置する突起部232によって駆動片210が上方向に向かって押され、アーム部材202は、所定の方向(図6中矢印S方向)に所定の回転角度だけ軸部206回りに回転する。一方、上下駆動部材230が下方向(図6中矢印B方向)に移動すると、駆動片210の上側に位置する突起部232によって駆動片210が下方向に向かって押され、アーム部材202は、所定の方向(図6中矢印T方向)に所定の回転角度だけ軸部206回りに回転する。このようにして、上下駆動部材230が上下方向(図6中矢印X方向)に移動することにより、アーム部材202は、軸部206の軸回りに所定の回転角度の範囲にわたって往復回転運動する。この現象は、遊技者側から、あたかもアーム部材202が液晶表示装置62の前方を左右方向に揺動しているかのように視認される。
また、上下駆動部材230には、アーム部材202の位置決めピン212と係合する係合部234が形成されている。係合部234は、上下駆動部材230の突起部232の近傍に上下方向に沿って延びる平面接触部236と、平面接触部236から直交する方向に突出した突出部238と、で構成されている。アーム部材202が軸部206の軸回りに回転して初期位置に戻る際に、位置決めピン212が平面接触部236に当接することにより軸回りの回転が位置決めされる。また、アーム部材202が初期位置の状態で上下駆動部材230の上下方向への移動を開始する場合には、アーム部材202は、軸回りに回転し往復回転運動(揺動)することになるが、駆動片210などの破損により上下駆動部材230の駆動力がアーム部材202に伝達しない場合には、当然ながら、アーム部材202の軸部206の軸回りに回転しない。このとき、アーム部材202の位置決めピン212が上下駆動部材230の突出部232と係合することにより、上下駆動部材230の下方向への移動を阻止することができる。
また、アーム部材202の小型風車220の近傍には、1個(単数)の大型風車(第1役物)242が設けられている。大型風車242は、3個の小型風車220の略中心に位置するように配置されている。大型風車242は、小型風車220を大型に設計したものであり、相互に90度の角度を開けて形成された4つの羽根部244と、4つの羽根部244の表面側中心に取り付けられた中央装飾部246と、4つの羽根部244の裏面側中心に取り付けられた回転軸248と、で構成されている。4つの羽根部244には、風の作用を受けて各羽根部244を回転させるための空気流調整部250が形成されている。
回転軸248の軸方向端部には、従動ギア252が取り付けられている。また、回転軸248の従動ギア252の近傍には、従動ギア252と共に回転する円板部材254が取り付けられている。この円板部材254には、大型風車242の回転位置を位置決め制御するための遮蔽部256が形成されている。また、円板部材254の近傍には、検出センサ117が設けられている。この検出センサ117は、例えば、発光部117Aと、受光部117Bと、で構成されており、発光部117Aと受光部117Bとの間に遮蔽部256が位置することにより、発光部117Aの光が受光部117Bで受光されなくなる。この性質を利用して、受光部で光が受光されているか否かを基準に、遮蔽部256の位置を特定でき、これにより、大型風車242の回転位置を把握することができる。なお、検出センサ117での検出結果は、検出信号としてサブ制御基板106(図3参照)に対して出力される。
従動ギア252の近傍には、駆動モータ(第1駆動源)258が設けられている。駆動モータ258の回転軸には、従動ギア252と噛み合う駆動ギア260が取り付けられている。駆動モータ258が駆動すると、駆動ギア260が回転軸と共に回転するとともに、従動ギア252が駆動ギア260に連動して回転する。従動ギア252が回転することにより、回転軸248が従動ギア252と共に回転し、大型風車242が回転する。なお、駆動モータ258は、サブ制御基板106(図3参照)、さらに具体的には装飾駆動基板114(図4参照)により駆動制御される。駆動モータ258及び大型風車242は、遊技盤26側に固定されている。なお、駆動モータ258及び大型風車242は、アーム部材202の往復回転運動と連動するように、遊技盤26側に対して相対移動可能に構成してもよい。
ここで、大型風車242の回転軸248とアーム部材202の上方側取付部216とには、リンク部材264が掛け渡されている。リンク部材264の一方側端部には、長孔266が形成されている。この長孔266には、アーム部材202の上方側取付部216に形成された位置決めピン268が挿通されている。リンク部材202の他方側端部には貫通孔(図示省略)が形成されている。この貫通孔には、大型風車242の回転軸248が回転可能となるように挿通されている。このため、アーム部材202が軸部206の軸回りに回転すると、大型風車及び駆動モータ258が固定されているため、アーム部材202が大型風車242の回転軸248の軸回りに、かつアーム部材202の上方側端部216及び下方側端部204と連動するように回転する。このように、リンク部材264は、大型風車242及び駆動モータ258が固定された状態で、アーム部材202が往復回転運動(回転動作)できる構成を実現している。
また、図2に示すように、遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、基板82と、大入賞装置84と、を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
また、センター役物64の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
また、遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、及び遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116を、サブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、検出センサ117と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。また、ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータが記憶されている
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
また、アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
また、装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)と、ソレノイド231と、駆動モータ258と、が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。特に、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号に基づいて、駆動モータ258及びソレノイド231の駆動を制御する。装飾駆動基板114はROM115を備えており、このROM115には、装飾部材200の動作に関する動作プログラムが記憶されている。具体的には、所定の遊技条件(例えば、大当り遊技など)が成立したときに、装飾部材200のアーム部材202が軸回りに往復回転運動(回転)する動作プログラムが記憶されている。このため、所定の遊技条件(例えば、大当り遊技など)が成立したときに、装飾部材200(特に、アーム部材202及び各風車220、242)が揺動するため、遊技者は、斬新な遊技演出に驚くことになる。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ類66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、第1実施形態に係る遊技機の作用について説明する。
なお、装飾部材200の初期位置は、図2及び図5に示すように、上下方向に直立した状態になり、遊技者は、装飾部材200の一部のみを視認することができる。ただ、当然ながら、装飾部材200の初期位置として、装飾部材200の全てを遊技者から視認不可能となるように設定してもよい。
図5乃至図9に示すように、所定の遊技条件(例えば、大当り遊技など)が成立した場合には、装飾駆動基板114により駆動モータ258が駆動される。これにより、駆動モータ258が駆動すると、駆動ギア260及び従動ギア252が回転し、大型風車が回転する。
同時に、装飾駆動基板114によりソレノイド231が駆動される。これにより、上下駆動部材230が上方向(図5及び図6中矢印A方向)に移動する。上下駆動部材230が上方向(図5及び図6中矢印A方向)に向かって所定の距離だけ移動すると、駆動片210が上下駆動部材230の突起部232により上方向に押圧される。この結果、アーム部材202の軸部206が正方向(図5及び図6中矢印S方向)に所定の角度だけ回転する。
図8及び図9に示すように、アーム部材202の軸部206が正方向(図9中矢印S方向、遊技者から見て左側)に所定の角度だけ回転すると、装飾部材200を構成する複数の小型風車220がアーム部材202と連動して左側に回転動作する。また、アーム部材202の軸部206が正方向(図9中矢印S方向、遊技者から見て左側)に所定の角度だけ回転した後、上下駆動部材230が下方向(図9中矢印B方向)に移動する。上下駆動部材230が下方向(図9中矢印B方向)に向かって所定の距離だけ移動すると、駆動片210が上下駆動部材230の突起部232により下方向(図9中矢印B方向)に押圧される。この結果、アーム部材202の軸部206が逆方向(図9中矢印T方向)に所定の角度だけ回転する。
このように、アーム部材202は、軸部206の軸回りを正方向(図5、図6及び図9中矢印S方向)又は逆方向(図5、図6及び図9中矢印T方向)に所定の角度範囲にわたって回転する。この結果、複数の小型風車220及びアーム部材202は、軸部206の回りで揺動するかのように動作する。複数の小型風車220及びアーム部材202の揺動動作により、遊技者には、複数の小型風車220及びアーム部材202が左方向(図5、図6及び図9中矢印S方向)又は右方向(図5、図6及び図9中矢印T方向)に往復回転運動(往復回転動作)しているかのように視認される。複数の小型風車220及びアーム部材202の往復回転動作は、所定の回数(所定の時間:例えば、大当り遊技が継続している時間など)だけ継続される。なお、アーム部材202の往復回転運動の際には、リンク部材264が軸方向他方側端部を中心に回転するため、大型風車242を固定した状態で、アーム部材202のみを回転動作させることができる。
ここで、アーム部材202が往復回転運動(揺動動作)すると、各小型風車220には、所定の慣性力が作用する。この慣性力は、運動している物体の質量をM、運動している物体に外部から作用している力をF、運動している物体の加速度をAとすると、その物体には、F−MA=0という力学状態(つりあい方程式)が常に成立しており、この「−MA」で表現されるものである。また、この慣性力が作用する方向は、アーム部材202の回転方向によって変化する。この結果、アーム部材202が往復回転運動(揺動動作)する度に、各小型風車220には、異なる方向の所定の慣性力が交互に作用するため、各小型風車220は、慣性力の影響を受けて、回転軸222の軸回りに回転するようになる。換言すれば、小型風車220は、自重を有するが故に慣性力が作用し、この影響を受けて回転動作を実現する。これにより、各小型風車220の各羽根部226が回転する。加えて、各小型風車220の各空気流調整部228には、アーム部材202が回転動作することにより風の作用を受けるため、これによって、各羽根部226が回転する。このように、各小型風車220はアーム部材202の回転動作に伴って慣性力の影響と風の影響を受けるため、各羽根部226の回転動作を長時間継続することができる。
特に、図7に示すように、各小型風車220の回転軸222が各貫通孔218に挿入された状態では、各回転軸222の外周と各貫通孔218の内周との間には、所定の隙間Dが形成されている。このため、各小型風車220は、いわゆるフリーの状態でアーム部材202に支持されている。これにより、各小型風車220が回転するときに各回転軸222と貫通孔218との間で大きな摩擦力が発生することを抑制できるため、各小型風車220の各回転軸222の軸回りの回転動作が容易になる。この結果、各小型風車220に、わずかな慣性力や風が作用した場合でも、各羽根部226が容易に回転することになり、斬新な演出が長時間実行されることになる。
以上のように、所定の遊技条件(例えば、大当り遊技など)が成立すると、アーム部材202が往復回転運動し、これに伴い、小型風車220が回転する。また同時に、小型風車220とは、独立して、大型風車242が回転する。アーム部材202が左方向に大きく回転したときには、遊技者は、装飾部材200のほとんどを視認することになり、突然の斬新な演出に驚くことになる。
また、駆動モータ258とソレノイド231の複数の駆動源を用いるものの、アーム部材202の回転に伴う連動動作、アーム部材の回転に伴って発生する風力及び慣性力を利用して、小型風車220の動作を実現することができる。この結果、駆動源や駆動力伝達機構を大型化することなく、大型風車242及び小型風車220の斬新な動作を実現することができる。
次に、本発明の第2実施形態のパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態のパチンコ機の構成と重複する構成には同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
図10に示すように、第2実施形態のパチンコ機の各小型風車220の回転軸222には、振り子部材270がそれぞれ設けられている。振り子部材270は、各小型風車220の質量よりも大きな質量の錘部272と、錘部272を支持する支持アーム274と、で構成されている。支持アーム274の軸方向一方側端部には、貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔には、各小型風車220の回転軸222が挿通されて固定されている。また、支持アーム274の軸方向他方側端部には、上記した錘部272が取り付けられている。このため、振り子部材270は、あたかも振り子のように、支持アーム274の軸方向一方側端部を回転中心として錘部272が揺動する。錘部272が揺動すると、その振り子部材270が固定されている固定軸222に対して回転駆動力が作用する。これにより、各小型風車220は、この回転駆動力を受けて、回転軸22と共に左方向又は右方向の回転動作を実行する。
第2実施形態のパチンコ機によれば、アーム部材202の往復回転運動が終了した後も、各振り子部材270は、錘部272に作用する慣性力の影響を受けて、しばらくの時間、振り子のように揺動する。このとき、振り子部材270からの回転駆動力を受けて、各振り子部材2に接続されている各小型風車220の各羽根部226も回転する。これにより、アーム部材202の往復回転運動が終了した後も、振り子部材270の作用により、各小型風車220を回転動作させることができる。
また、振り子部材270は、空気抵抗力を受けて、その往復運動が減衰され、やがて停止することになるが、その停止する時間を予め計測しておくことにより、提示時間が経過する直前に、装飾駆動基板114によりソレノイド231を再度駆動させる。これにより、アーム部材202が再度往復回転動作を行い、各小型風車220の回転及び各振り子部材270の揺動が継続する。この結果、装飾部材200による特別運出を、最小のエネルギで長時間継続させることができる。また、振り子部材270の揺動に伴い各小型風車220が回転するため、各小型風車220のそれぞれの回転動作に規則性がなくなり、斬新な遊技演出を実行することができる。