以下、発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。まず最初に、本発明の実施の形態例に係る可動役物(遊技機用役物)SYが搭載されるパチンコ機Pについて説明すると、図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置(図示せず)と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図4に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、および普通図柄表示制御部12fと、払出制御処理部12eと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。
次に、遊技盤3は、図3に示すように、その盤面(前面)に遊技領域31を有しており、前面枠2に遊技盤3が装着された後には、ガラス板10から遊技領域31が観察できるようになっている。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、本発明の実施の形態例に係る可動役物SYが設けられるほか、演出表示装置34、スルーチャッカ21、電動チューリップ49、ステージ36、始動入賞口37、一般入賞口38、アウト口39、遊技釘、風車、アタッカー装置41等の各種部品が設けられている。
遊技盤3に取り付けられたこれらの各種部品について簡単に説明を加えると、まず、演出表示装置34は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示(演出用の図柄を変動表示)するものであって、液晶表示器が用いられている。また、可動役物SYは、詳しくは後述するが、演出表示装置34の右側部に3個設けられ、演出表示装置34と連動して可動する装置である。スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46(図5参照)が内蔵されている。このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選が行われ、当選すると電動チューリップ49が一定時間開放することとなる。その電動チューリップ49は、始動入賞口37の入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、始動入賞口37の入口を拡大するようになっている。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には始動入賞口37が配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で始動入賞口37へと導かれる。アタッカー装置41は、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41が開放すると、大入賞口42が露呈し、そこに遊技球が入賞することで多くの賞球が獲得できるようになっている。また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、始動入賞口37や一般入賞口38に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、始動入賞口37、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43、44、45(図5参照)が設けられている。
次に、前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、始動入賞口37に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選部110と、この特別図柄抽選部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄を決定する特別図柄決定部120と、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部140と、特別図柄抽選部による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、を備えて主制御処理部11は構成されている。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について簡単に説明すると、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行っている。なお、払出制御処理部12e、および発射制御処理部13は前面枠2の裏面下部に設けられている。
演出制御処理部12aは、主制御処理部11からのコマンドを受けて、演出表示装置34に表示する画像を決定したり、決定した画像を所定のタイミングで表示したりといった制御を行っている。加えて、この演出制御処理部12aは、所定のタイミングで可動役物SYを可動させるよう動作の制御も行っている。また、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120が決定した特別図柄のコマンドと、変動パターンコマンド決定部140が決定した変動パターンコマンドに基づいて特別図柄の表示を制御している。普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部170による普通図柄に係る抽選結果のコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄の表示の制御を行っている。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、始動入賞口37などに遊技球が入賞した場合に所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御している。発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
続いて、本発明の実施の形態例に係る可動役物(遊技機用役物)SYについて、図6〜図26を参照しながら詳細に説明していくことにする。可動役物SYは、図6〜図11に示すように、ケーシング50と、このケーシング50の開口部51の内部に取り付けられ、開口部51を開閉するシャッター部材60と、ケーシング50の内部であって、シャッター部材60の裏面側に配置された発光体90と、この発光体90の裏面側に配置され、シャッター部材60を開閉駆動するソレノイド(駆動装置)80と、シャッター部材60とソレノイド80とを連結するリンク機構70とを備えて構成されている。
ケーシング50は、円筒形状を成し、その円形断面の開口部51を正面側に向けた状態で(遊技者を向くようにして)遊技盤3に取り付けられている。なお、遊技盤3への取り付けは、ケーシング50の後端側の上部に2か所と下部に2か所の合計4か所に設けられた取付座52a〜52d(図7参照)にネジ止めすることにより行われる。
シャッター部材60は、図13および図14に主に示すように、6個のシャッター小片65a〜65fを備えている。シャッター小片65a〜65fは、開口部51に上下方向に一列に整列して並べられており、これらのシャッター小片65a〜65fが回動することにより、開口部51の内部が遮蔽されたり露呈されたりするようになっている。
シャッター小片65aは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61aと、この短冊状部材61aのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62aが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61aは、分割により形成された直線状の辺と、この辺の両端を結ぶ円弧で形成された半月板の如き形状を成しており、軸部62aは、短冊状部材61aの直線状の辺の両端部近傍の位置から互いに水平(直線状の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65aは、上記した辺が下側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62aの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62a回りに短冊状部材61aを回動しても、短冊状部材61aがケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62aの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63aが設けられており、このクランクアーム63aの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65aが回動するようになっている。
シャッター小片65bは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61bと、この短冊状部材61bのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62bが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61bは、分割により形成された直線状の2つの辺と、これら2つの辺の両端同士を結ぶ2つの円弧で形成された略台形の如き形状を成しており、軸部62bは、短冊状部材61bの直線状の2つの辺のうち長い辺の両端部近傍の位置から互いに水平(長い方の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65bは、上記した2つの辺のうち長い辺が下側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62bの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62b回りに短冊状部材61bを回動しても、短冊状部材61bの両角部がケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62bの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63bが設けられており、このクランクアーム63bの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65bが回動するようになっている。
シャッター小片65cは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61cと、この短冊状部材61cのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62cが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61cは、分割により形成された直線状の2つの辺と、これら2つの辺の両端同士を結ぶ2つの円弧で形成された略台形の如き形状を成しており、軸部62cは、短冊状部材61cの直線状の2つの辺のうち長い辺の両端部近傍の位置から互いに水平(長い方の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65cは、上記した2つの辺のうち長い辺が下側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62cの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62c回りに短冊状部材61cを回動しても、短冊状部材61cの両角部がケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62cの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63cが設けられており、このクランクアーム63cの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65cが回動するようになっている。
シャッター小片65dは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61dと、この短冊状部材61dのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62dが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61dは、分割により形成された直線状の2つの辺と、これら2つの辺の両端同士を結ぶ2つの円弧で形成された略台形の如き形状を成しており、軸部62dは、短冊状部材61dの直線状の2つの辺のうち長い辺の両端部近傍の位置から互いに水平(長い方の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65dは、上記した2つの辺のうち長い辺が上側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62dの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62d回りに短冊状部材61dを回動しても、短冊状部材61dの両角部がケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62dの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63dが設けられており、このクランクアーム63dの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65dが回動するようになっている。
シャッター小片65eは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61eと、この短冊状部材61eのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62eが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61eは、分割により形成された直線状の2つの辺と、これら2つの辺の両端同士を結ぶ2つの円弧で形成された略台形の如き形状を成しており、軸部62eは、短冊状部材61eの直線状の2つの辺のうち長い辺の両端部近傍の位置から互いに水平(長い方の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65eは、上記した2つの辺のうち長い辺が上側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62eの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62e回りに短冊状部材61eを回動しても、短冊状部材61eの両角部がケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62eの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63eが設けられており、このクランクアーム63eの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65eが回動するようになっている。
シャッター小片65fは、開口部51に合致する(開口部51と略同一径の大きさの)円盤状部材を水平方向に6個に分割した形状の短冊状部材61a〜61fのうちの1つの短冊状部材61fと、この短冊状部材61fのうち分割により形成された辺の略延長線上に軸部62fが一体的に取り付けられて構成されている。より詳細に言えば、短冊状部材61fは、分割により形成された直線状の辺と、この辺の両端を結ぶ円弧で形成された半月板の如き形状を成しており、軸部62fは、短冊状部材61fの直線状の辺の両端部近傍の位置から互いに水平(直線状の辺の略延長線上の方向)かつ外方に向かって延びている。
そして、このシャッター小片65fは、上記した辺が上側を向くようにしてケーシング50の開口部51の内部に配置され、この状態で軸部62fの両端部がケーシング50に軸支される。よって、軸部62f回りに短冊状部材61fを回動しても、短冊状部材61fがケーシング50の内壁と干渉することはないのである。なお、軸部62fの一方の端部(図14では右側の端部)には、クランク状に曲げられたクランクアーム63fが設けられており、このクランクアーム63fの端部を回転させると、この回転に伴ってシャッター小片65fが回動するようになっている。
ここで、シャッター小片65aとシャッター小片65fとは、同一形状をなす一対のシャッター小片であり、シャッター小片65bとシャッター小片65eとは、同一形状をなす一対のシャッター小片であり、シャッター小片65cとシャッター小片65dとは、同一形状をなす一対のシャッター小片である。即ち、シャッター部材60は、一対のシャッター小片を3組備えて構成されており、それぞれの対のうちの一方であるシャッター小片65a、シャッター小片65b、およびシャッター小片65cにより第1シャッター小片の群が構成され、それぞれの対のうちの他方であるシャッター小片65d、シャッター小片65e、およびシャッター小片65fにより第2シャッター小片の群が構成されている。これら第1シャッター小片の群と第2シャッター小片の群は、それぞれのシャッター小片の軸部が水平線に沿って互いに平行に並べられると共に、開口部51の中心点を通る水平線(中心線)を対称軸として線対称となるように配置されている。
また、図10、図12および図14に主に示すように、シャッター小片65a〜65fが閉じている状態において、短冊状部材61aの直線状の辺と、短冊状部材61bの2つの辺のうち短い方の辺とは、前後方向に重なり合っており、短冊状部材61aの表面のうち直線状の辺の縁辺部には、コーナーエッジを辺に沿って切り落としたテーパ状の傾斜66aが形成されている。一方、短冊状部材61bの裏面のうち短い辺(上側の辺)の縁辺部にも、同様にコーナーエッジを辺に沿って切り落としたテーパ状の傾斜66b−1が形成されている。この傾斜66aと傾斜66b−1とが重なり合うことで、シャッター小片65aとシャッター小片65bとが隙間なくぴったりと接触するため、後述する発光体90の光が外部に漏れることが防止されるのである。
同様にして、シャッター小片65bの短冊状部材61bの表面のうち長い辺(下側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66b−2が設けられ、シャッター小片65cの短冊状部材61cの裏面のうち短い辺(上側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66cが設けられており、この傾斜66b−2と傾斜66cとが重なり合うことにより、シャッター小片65bとシャッター小片65cとが隙間なく接触するようになっている。同じように、シャッター小片65dの短冊状部材61dの裏面のうち短い辺(下側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66dが設けられ、シャッター小片65eの短冊状部材61eの表面のうち長い辺(上側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66e−2が設けられており、シャッター小片65eの短冊状部材61eの裏面のうち短い辺(下側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66e−1が設けられ、シャッター小片65fの短冊状部材61fの表面のうち直線上の辺(上側の辺)の縁辺部にもテーパ状の傾斜66fが設けられている。そして、隣り合う短冊状部材の傾斜同士が隙間なく接触することにより、発光体90からの光の漏えいを防止している。
ここで、シャッター小片65cとシャッター小片65dとは互いに逆向きに回動するようになっているため、これらのシャッター小片の短冊状部材同士が重なり合うような構成とはなっていない。即ち、短冊状部材61cの長い辺の部分(下側の辺)と短冊状部材61dの長い辺の部分(上側の辺)にはテーパ状の傾斜は形成されていないのである。
なお、図10および図12において、隣り合うシャッター小片の短冊状部材が重なり合う部分、即ち傾斜が形成されている部分は、隙間が生じているような図になっているが、これはテーパ状の傾斜が形成されていることを明確に示すためにこのような図となっているだけであり、シャッター小片65a〜65fが図10にあるように閉じた状態では、実際には傾斜同士は接触している。
次に、リンク機構70について説明すると、図13、図15および図16に主に示すように、リンク機構70は、サブアーム71と、一端側がサブアーム71と係合し、他端側がシャッター小片65a〜65fのクランクアーム63a〜63fと係合するメインアーム73とを備えて構成されている。具体的な構成について説明すると、まず、サブアーム71は、L字型の形状をなす1対のL字アーム71a、71bと、これら1対のL字アーム71a、71bをそれぞれ回動自在に支持する軸72a、72bとを備えている。L字アーム71aは、その一端にソレノイド80の可動鉄心80aの先端に取り付けられた連結バー81と係合するための係合穴71a−1が設けられ、他端に、先端側が開放された断面U字状の保持部71a−2が設けられ、L字状に屈曲した屈曲部に軸72aを挿し込むための軸穴が設けられた形状からなり、ソレノイド80の可動鉄心80aの直動動作により、軸72aを中心に保持部71a−2が回動するようになっている。
また、L字状アーム71bもL字状アーム71aと同じように、その一端にソレノイド80の可動鉄心80aの先端に取り付けられた連結バー81と係合するための係合穴71b−1が設けられ、他端に、先端側が開放された断面U字状の保持部71b−2が設けられ、L字状に屈曲した屈曲部に軸72bを挿し込むための軸穴が設けられた形状となっている(図11参照)。そして、ソレノイド80の動作によって、L字アーム71aと71bは一体となって軸72a、72b回りに回動する。
メインアーム73は、その一端に設けられ、複数の連結穴75a〜75fを有する連結部74と、その他端から後方に延在する一対の支持腕77a、77bと、これら一対の支持腕77a,77bから互いに近接するように鉛直方向に突出した一対のピン73a、73bとを備えた構成となっている。連結穴75a〜75fは、シャッター小片65a〜65fのクランクアーム63a〜63fの直径より若干大きい幅の長穴形状を成しており、クランクアーム63a〜63fは、連結穴75a〜75fに挿入された状態で当該連結穴の内部を移動することができるようになっている。また、一対のピン73a、73bは、L字アーム71a、71bの断面U字状の保持部71a−2、71b−2に挟まれるようにして取り付けられており、L字アーム71a、71bがソレノイド80により回動する動作に伴って、メインアーム73がピン73a、73bを介して直線運動するようになっている。
ソレノイド80は、可動鉄心80aが直動するタイプのものであって、通常はバネの付勢力によって可動鉄心80aは突出した状態となっているが、内蔵されたコイルが励磁されると、この可動鉄心80aがバネの付勢力に抗して引き込まれるようになっている。また、発光体90は、円盤状の基板91の上に複数個のLED92を設けて構成されており、シャッター部材60が開けられると、遊技者に向けて光を発することができるようになっている。なお、シャッター部材60と発光体90の間には、光を拡散するためにローレット加工が施された透明板が設けられている。
次に、このように構成された可動役物SYの開閉動作について説明する。通常の状態では、シャッター部材60は、図6に示すように閉じた状態となっている。シャッター部材60を閉じた状態にする(閉じ位置まで回動させる)には、ソレノイド80を非励磁にする。そうすると、図15に示すようにソレノイド80の可動鉄心80aがバネの付勢力により図中A方向に突出するので、サブアーム71のL字アーム71aが軸72a回りに図中B方向に回動する。同時に、L字アーム71bも軸72b回りに図中B方向に回動する。この回動により、メインアーム73のピン73a、73bが図中C方向に引っ張られるので、メインアーム73は図中C方向にスライドする。このメインアーム73のC方向へのスライド動作により、図16に示すように、第1シャッター小片の群を構成するシャッター小片65a〜65cのクランクアーム63a〜63cが、それぞれの軸部62a〜62cを中心として一斉に図中D方向(時計回り)に回動する。これにより、第1シャッター小片群65a〜65cの短冊状部材61a〜61cは、図14に示すように平伏した状態となる。
一方、第2シャッター小片の群を構成するシャッター小片65d〜65fのクランクアーム63d〜63fは、それぞれの軸部62d〜62fを中心として一斉に図中E方向(反時計回り)に回動する。これにより、第2シャッター小片群65d〜65fの短冊状部材61d〜61fは、図14に示すように平伏した状態となる。このように、ケーシング50の開口部51の内部で、シャッター小片65a〜65fが閉じた状態となって短冊状部材61a〜61fが開口部51を塞ぐため、発光体90の光路が遮断されるのである。即ち、図10、図13等に示すようにシャッター小片65a〜65fの短冊状部材61a〜61fが全て平伏した状態となるまでシャッター小片65a〜65fがそれぞれ軸部62a〜62f回りに回動した位置が発光体の光路を遮断する光路遮断位置(閉じ位置)である。この位置は、全ての短冊状部材61d〜65fにより開口部51の内径と同じ円盤形状を形成するまでシャッター小片65a〜65fが回動した位置と言うこともできる。
次に、シャッター部材60を開けた状態にする(開き位置まで回動させる)には、ソレノイド80を励磁する。そうすると、図25に示すようにソレノイド80の可動鉄心80aが磁力により図中F方向に引き込まれるため、サブアーム71のL字アーム71aが軸72a回りに図中G方向に回動する。同時に、L字アーム71bも軸72b回りに図中G方向に回動する。この回動により、メインアーム73のピン73a、73bが図中H方向に押されるので、メインアーム73は図中H方向にスライドする。このメインアーム73のH方向へのスライド動作により、図26に示すように、第1シャッター小片の群を構成するシャッター小片65a〜65cのクランクアーム63a〜63cが、それぞれの軸部62a〜62cを中心として一斉に図中I方向(反時計回り)に回動する。これにより、第1シャッター小片群65a〜65cの短冊状部材61a〜61cは、図24に示すように互いに対面するように起き上がった状態となる。
一方、第2シャッター小片の群を構成するシャッター小片65d〜65fのクランクアーム63a〜63cは、それぞれの軸部62d〜62fを中心として一斉に図中J方向(時計回り)に回動する。これにより、第2シャッター小片群65d〜65fの短冊状部材61d〜61fは、図24に示すように互いに対面するように起き上がった状態となる。このように、ケーシング50の開口部51の内部で、シャッター小片65a〜65fの短冊状部材61a〜61f全てが起き上がった状態となることにより、短冊状部材と短冊状部材との間に隙間ができるので、この隙間により発光体90の光路が開放される(遊技者に光が届く)こととなる。即ち、図21、図23等に示すようにシャッター小片65a〜65fの短冊状部材61a〜61fが全て起立した状態となるまでシャッター小片65a〜65fが軸部62a〜62f回りに回動した位置が発光体の光路を開放する光路開放位置(開き位置)である。このように、シャッター部材60はソレノイド80の励磁/非励磁により開閉動作が選択的に切り替わるのである。
以上、説明したように本実施形態に係る可動役物SYによれば、シャッター小片65a〜65fを回動させても、全ての短冊状部材61a〜61fがケーシング50の内壁と干渉することがないので、シャッター部材60を円筒状のケーシング50の開口部51の内部に取り付けることができる。そのため、矩形箱状のケーシングに比べて4つの角部の分だけ可動役物の大きさを小型化できる。
しかも、短冊状部材同士が重なり合う部分にはテーパ状の傾斜66a、66b−1、66b−2、66c、66d、66e−1、66e−2、66fがあり、シャッター部材60が閉じている状態(光路遮断位置にある状態)では、この傾斜によりシャッター小片同士が隙間なく接触することができるため、発光体90の光路を確実に遮断できる。つまり、光が漏れるのを防止できるのである。