次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る遊技機であるパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央には施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図3参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板32を前面枠16の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠16の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板32に替えて、透明な樹脂板を前面枠16に取り付けることができる。
また、図1及び図2に示すように、前面枠16の左上方側及び右上方側には、メインスピーカ(図示省略)から出力された音声を前面枠16の外部に導くための導音部34がそれぞれ設けられている。各導音部34は、円筒状の導音部本体36と、導音部本体36に形成された複数のスリット38と、で構成されている。
また、前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸し操作部155と、がそれぞれ設けられている。
また、上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
また、図1及び図2に示すように、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28(図3参照)の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26(図3参照)が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置(球貸部)154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
また、球貸し操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数に対応する数量の遊技球(貸球)が上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置154の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置154内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチ156を押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額に対応する数量の遊技球(貸球)が上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について図3を参照して説明する。
遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、中央装置54と、始動口56Bを有する普通電動役物(入賞装置)56と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60と、風車63等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置62と、センター役物64と、ランプ装置66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、後述の主制御基板102(図4参照)やサブ制御基板106(図4参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の映像画面を有している。この映像画面上には、特別図柄の擬似図柄である擬似特別図柄(擬似図柄)が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の映像画面上には、1又は複数の擬似特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する擬似特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左擬似特別図柄(左擬似図柄)を表示する左擬似特別図柄表示領域、中央擬似特別図柄(中央擬似図柄)を表示する中央擬似特別図柄表示領域、及び右擬似特別図柄(右擬似図柄)を表示する右擬似特別図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各擬似特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の擬似特別図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が普通電動役物56の始動口56Bに入球することにより、その映像画面の表示領域に表示される各擬似特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、擬似特別図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置80に配設された後述の大入賞装置(入賞装置)84の大入賞口(開口部)86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では普通電動役物56の始動口56Bに遊技球が入球すると、各擬似特別図柄がそれぞれ変動され、擬似特別図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態は、大当り(確変大当り、通常大当りの2種類の大当り意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、普通電動役物56の始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、普通電動役物56の始動口56Bは、普通図柄に当選することにより開放する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物56の開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物56の開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
また、遊技領域の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて本図柄(特別図柄の本図柄及び普通図柄の本図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の本図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の本図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた図柄(例えば奇数の数字)が表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の図柄(例えば偶数の数字)が表示される。そして、各大当りのラウンド中では、7セグメント表示器70にはその図柄が表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート(遊技球通過ゲート)78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図4参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、普通電動役物56の始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、普通電動役物56の始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の本図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の擬似図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
普通電動役物56の始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図4参照)と、翼片部56Aを作動させるための普通電動役物ソレノイド130(図4参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、普通電動役物56の下方に配置されており、基板82と、大入賞装置84と、を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、正面視にて横長に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板(開閉部)88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図4参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ(遊技球検知部)126(図4参照)と、を備えている。なお、本発明の要部である大入賞装置84の構造の詳細については、後述する。
また、中央装置54の左側には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
また、大入賞装置84の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図4乃至図7に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPUと、ROMと、を備えている。
また、主制御基板102のCPUは、ROMに記憶されたデータに基づいて、後述の普通電動役物ソレノイド130、後述の大入賞口ソレノイド132、後述の図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPUは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境(演出態様)を実現させるように制御するサブ制御基板106及び払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPUは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
また、主制御基板102のROMには、主制御基板102のCPUにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板102は、中継端子板128を介して、普通電動役物ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図4及び図5に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPUと、ROMと、を備えている。
サブ制御基板106のCPUは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
また、サブ制御基板106のROMには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
また、図5に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示される擬似特別図柄のデータが記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
また、図5に示すように、アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
また、図5に示すように、装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172(66)が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からのコマンドを受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、演出ボタン基板178には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ装置66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
また、図6に示すように、主制御基板102、サブ制御基板106、払出制御基板104及び発射制御基板108には、各基板102、104、106、108に電力をそれぞれ供給するための電源基板176が接続されている。
また、図7に示すように、発射制御基板108には、発射駆動基板178を介して、発射モータ180と、発射停止スイッチ182(64)と、タッチスイッチ184と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、発射制御基板108には、球送りソレノイド186が電気的に接続されている。
ここで、本発明の要部である大入賞装置84の構造について詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、大入賞装置84は、筐体部190を備えている。筐体部190は、上蓋部192と、筐体底部194と、で構成されている。筐体部190には、上述したように、遊技領域28を落下してきた遊技球Mが内部に進入可能となる大入賞口86が形成されている。大入賞口86は、上蓋部192と筐体底部194とにより区画形成されている。また、大入賞口86は、筐体部190の幅方向(図8及び図9中矢印W方向)に長く延びるようにして形成されている。また、大入賞装置84には、上述したように、幅方向に延在し大入賞口86を開放又は閉塞する開閉板88が設けられている。開閉板88の幅方向両端部には軸部が形成されており、この軸部が大入賞口86の幅方向両端部近傍に取り付けられている。なお、開閉板88の軸部は、上蓋部192又は筐体底部194の一方を軸受けとして支持するようにしてもよいし、上蓋部192及び筐体底部194の両方を軸受けとして支持してもよい。また、図4、図10及び図11に示すように、開閉板88には大入賞口ソレノイド132(図11では図示省略)とアーム部材133が機械的に接続されており、大入賞口ソレノイド132が作動することによりアーム部材133を介して開閉板88が作動され、大入賞口86を開放又は閉塞することができるようになっている。なお、大入賞口ソレノイド132は、大入賞装置84の筐体部190を構成する筐体底部194側に取り付けられており、主制御基板102により制御される。具体的には、遊技状態が大当り遊技状態に突入すると、開閉板88は、所定の時間又は回数だけ大入賞口86を開放し、遊技状態が大当り遊技状態以外の場合には、大入賞口86を閉塞する。
図10及び図11に示すように、筐体部190を構成する筐体底部194には、上述したカウントスイッチ126が取り付けられている。このカウントスイッチ126は、全体として略直方体状に形成されており、カウントスイッチ126の幅方向一方側端部側にはその厚み方向に貫通した円形の開口孔である遊技球通過部196が形成されている。また、遊技球通過部196の円縁には、遊技球Mの通過を検知するセンサ部198が取り付けられている。なお、センサ部198で遊技球Mの通過が検知されると、カウントスイッチ126により通過した遊技球Mの個数がカウントされて、その結果が検知信号として主制御基板102に出力されるようになっている。
ここで、カウントスイッチ126は、その長手方向(図11に示す平面視にてカウントスイッチ126の幅方向に沿って延びる上面部126Aの延在方向)が筐体部190の幅方向(図11中矢印W方向、大入賞口86の開口面)に対して傾斜するように、配置されている。すなわち、カウントスイッチ126は、筐体底部194の中央側に位置するカウントスイッチ126の幅方向他方側端部126Lが筐体底部194の後方側(大入賞装置84が遊技盤26に取り付けられた状態で遊技者側と反対側)に位置し、筐体底部194の幅方向端部側に位置するカウントスイッチ126の幅方向一方側端部126Rが筐体底部194の前方側(大入賞装置84が遊技盤26に取り付けられた状態で遊技者側と反対側)に位置するように、配置されている。従来の遊技機では、カウントスイッチ126は、筐体部190の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して平行に配置され、かつ筐体部190の後方側に位置していたが、本実施形態の遊技機では、カウントスイッチ126が筐体部190の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して傾斜しているため、カウントスイッチ126を収納する筐体部190の幅方向(図10中矢印W方向)寸法を短く設定することができる。
また、図8及び図9に示すように、カウントスイッチ126は、水平面(水平線)に対し、遊技球通過部196が遊技球通路200を通過する遊技球Mの遊技球通過方向上流側から下流側に向けて下り傾斜するように、配置されている。すなわち、図12に示すように、カウントスイッチ126は、遊技球通過部196の厚み方向に沿って延びる部位126Bの延在方向が水平方向に対して遊技球通過方向上流側(図12中矢印A方向側)から下流側(図12中矢印B方向側)に向けて下り傾斜するように、配置されている。このため、遊技球通過部196の大入賞口86側に位置する遊技球移動方向上流側(図12中矢印A方向側)の表面側通過部196Aの位置が、大入賞口86側と反対側に位置する遊技球移動方向下流側(図12中矢印B方向側)の裏面側通過部196Bの位置よりも高くなっている。具体的には、カウントスイッチ126は水平線Lに対して傾斜しており、その傾斜角度αは約80度(換言すれば、鉛直方向に対して約10度)に設定されている。また、遊技球通路200は、遊技球通過方向上流側(図12中矢印A方向側)から下流側(図12中矢印B方向側)に向けて(筐体部190の前方側から後方側に向けて)下り傾斜するように形成されており、カウントスイッチ126は遊技球通路200の底面に対して略垂直になっている。さらに、大入賞装置84は、遊技球通過部196の円縁の下端部が遊技球通路200の底面と略一致するように、配置されており、遊技球通路200を通過してきた遊技球Mが円滑に遊技球通過部196に進入できるようになっている。
また、図8及び図9に示すように、筐体部190を構成する筐体底部194には、大入賞口86とカウントスイッチ126の遊技球通過部196とを接続する遊技球通路200が形成されている。この遊技球通路200は、上蓋部192の壁部202により区画形成されている。遊技球通路200の延在方向一方側端部は、大入賞口86の開口部を閉塞する開閉板88の幅方向一方側端部寄り(大入賞口86の開口部を閉塞する開閉板88の幅方向一方側端部と幅方向他方側端部の両方に接続されていない状態)に位置している。また、遊技球通路200は遊技球通過部196に向かって略直線状に延在しているため、平面視(図9参照)において遊技球通路200の延在方向は筐体部190の幅方向(図9中矢印W方向)に対して傾斜した構成となっている。
また、図10に示すように、筐体部190の裏面側(遊技者側と反対側)には、装飾駆動基板114を一構成要素であるLED基板204が取り付けられている。このLED基板204には、LED206が取り付けられており、LED基板204による発光制御に基づいて大入賞装置84の裏面側から遊技者側に向けて発光することができる。このように、大入賞装置84に、電飾効果を与えることができる。特に、カウントスイッチ126が大入賞装置84の幅方向に対して傾斜しているため、LED206から出射された光の光量がカウントスイッチ126により干渉されて低減されることがなく、カウントスイッチ126を設けたことによる電飾効果の低減を防止することができる。
また、図13に示すように、大入賞装置84の表面側(遊技者側)には、遊技盤26に大入賞装置84を取り付けるための固定片208が接続されている。この固定片208にはビスなどの固着具が貫通する孔(図示省略)が形成されており、固定片208が固着具により遊技盤26に固定されることにより、大入賞装置84が遊技盤26に取り付けられている。
すなわち、図14に示すように、遊技盤26には、大入賞装置84を装着させるための厚み方向に貫通した貫通孔(孔部)210が形成されている。大入賞装置84は、この貫通孔210に装着されるとともに、上述した固定片208を介して遊技盤26に保持されている。ここで、大入賞装置84が遊技盤26に取り付けられた状態では、大入賞装置84に設けられたカウントスイッチ126(より具体的には、遊技球通過部196)が遊技盤26の厚み内部に相当する空間部Sに位置している。換言すれば、カウントスイッチ126の遊技球通過部196は、遊技盤26の前方側(遊技者側)に位置することなく、後方側(遊技者側と反対側)に位置することもなく、遊技盤26の厚み内部に相当する部位に位置している。
次に、本実施形態の遊技機の作用について説明する。
図3、図8及び図9に示すように、大当りに当選すると、大入賞装置84の開閉板88は、主制御基板により制御信号を受けた大入賞口ソレノイド132により駆動されて、所定の時間及び所定の回数だけ大入賞口86を開放する。このため、遊技盤26に打ち出された遊戯球の一部は、大入賞口86から内部に進入する。遊技球Mは、大入賞口86から内部に進入すると、遊技球通路200を通ってカウントスイッチ126の遊技球通過部196に導かれる。遊技球Mは、遊技球通過部196を通過することでカウントスイッチ126により検知され、遊技球通過部196を通過した遊技球Mの個数がカウントされる。なお、カウントスイッチ126でカウントされた遊技球Mの個数は、検知信号として主制御基板102に送信される。
ここで、図10乃至図12に示すように、遊技球通過部196の厚み方向に沿って延びる部位126Bの延在方向は、水平方向(鉛直方向)に対し、遊技球通路200を通過する遊技球Mの遊技球通過方向上流側(図12中矢印A方向側)から下流側(図12中矢印B方向側)に向けて下り傾斜しているため、遊技球Mが遊技球通過部196において停滞してしまうことを防止できる。このため、遊技球通過部196近傍で遊技球Mの動きが滞ることがなく、ひいては大入賞口86から遊技球通過部196にかけての遊技球通路200上で多くの遊技球Mが停滞することを防止できる。この結果、カウントスイッチ126における遊技球Mの想定カウント数と、カウントスイッチ126において実際にカウントされる遊技球Mのカウント数(換言すれば、遊技球通過部196を実際に通過した遊技球Mの個数)と、を略一致させることができる。この点、従来の遊技機では、遊技球通路200上で多くの遊技球Mが停滞するため、カウントスイッチ126における遊技球Mの想定カウント数よりも、カウントスイッチ126において実際にカウントされる遊技球Mのカウント数(換言すれば、遊技球通過部196を実際に通過した遊技球Mの個数)が遥かに多くなっていたが、本実施形態の遊技機では両者の整合性をとることができる。
特に、図8及び図9に示すように、遊技球通路200が遊技球通過部196に向かって略直線状に延在しているため、大入賞口86から遊技球通路200に進入した遊技球Mは、遊技球通路200上を何の障害も無く進行して遊技球通過部196を通過していくことになる。このため、遊技球Mは、軌道を大きく変えることなく、遊技球通過部196を通過する。この結果、大入賞口86から内部に進入した遊技球Mが遊技球通過部196を通過するまでの時間を短くすることができる。大入賞口86から内部に進入した遊技球Mが遊技球通過部196を通過するまでの時間を短くすることができれば、大入賞口86から遊技球通過部196にかけての遊技球通路200上で多くの遊技球Mが停滞することを防止できる。
また、遊技球通路200の延在方向一方側端部が開閉板88の幅方向一方側端部寄りに位置しているため、遊技球通路200の延在方向一方側端部が開閉板88の幅方向一方側端部から他方側端部にかけて接続されている構成と比較して、遊技球Mが遊技球通路200に進入するための入口が狭くなるので、大入賞口86から遊技球通路200に進入する遊技球Mの個数を低減させることができる。この結果、大入賞口86から遊技球通過部196にかけての遊技球通路200上で多くの遊技球Mが停滞することを防止できる。
さらに、遊技球通路200の延在方向は大入賞装置84の幅方向に対して傾斜しているため、大入賞口86から遊技球通路200に進入した遊技球Mは、遊技球通路200を区画する上蓋部192の壁部202に衝突する度に、遊技球Mに作用している力(例えば、重力など)を分散させながら壁部202に沿って遊技球通路200を進むため、遊技球Mの進行速度を減速させることができる。この結果、遊技球Mは、減速された状態で遊技球通過部196を通過することになるので、遊技球通過部196における誤検知(遊技球Mの通過速度が速くなり過ぎて検知できない状態)を防止できる。
以上のように、本実施形態の遊技機では、カウントスイッチによるカウント値と実際に遊技球通過部196を通過した遊技球Mの個数とを略一致させることができる。
また、図10及び図11に示すように、カウントスイッチ126の幅方向に延びる上面部126Aの延在方向が大入賞装置84の幅方向(大入賞口96の開口面)に対して傾斜しているので、その長手方向が大入賞装置84の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して平行に配置されている構成と比較して、大入賞装置84の幅方向寸法を小さく設定することができ、ひいては大入賞装置84自体の大きさを小型化することができる。
また、遊技球通路200の延在方向が大入賞装置84の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して傾斜しているため、遊技球通路200の延在方向が大入賞装置84の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して略直交する方向(奥行き方向(図10中矢印T方向))に形成されている構成と比較して、大入賞装置84の奥行き寸法を小さく設定することができ、ひいては大入賞装置84自体の大きさを小型化することができる。このように、大入賞装置84の幅方向寸法と奥行き寸法の両方を短く設定することができるので、大入賞装置84を大幅に小型化することが可能となる。大入賞装置84を小型化することにより、その分だけ遊技盤26の遊技領域28を広くすることができるため、遊技領域28に配置される他の役物(入賞装置など)や釘などの配置設計を容易にすることができる。
なお、遊技球通路200の延在方向が大入賞装置84の幅方向(大入賞口86の開口面)に対して傾斜している構成でも、遊技球通路200が遊技球通過部196に向かって略直線状に延在しているので、遊技球通路200に進入した遊技球Mの軌道を大きく変えることなく、遊技球Mが遊技球通過部196を通過することになる。この結果、遊技球Mは、遊技球通過部196を円滑かつ迅速に通過することになる。
さらに、図14に示すように、大入賞装置84が遊技盤26の貫通孔210に装着された状態で、遊技球通過部196が遊技盤26の厚み内部に相当する空間部Sに位置しているため、不正行為者が遊技盤26の前方又は後方から遊技球通過部196にアプローチする際に、遊技盤26が邪魔になる。すなわち、不正行為者が工具を用いて遊技盤26の前方側から遊技球通過部196に細工をしようとしても、工具の侵入が遊技盤26や大入賞装置84の筐体部190に阻まれるため、遊技球通過部196に対する不正行為を防止することができる。また、同様に、不正行為者が工具を用いて遊技盤26の後方側から遊技球通過部196に細工をしようとしても、遊技球通過部196が遊技盤26の後方に突出していないため、遊技球通過部196に工具をアプローチさせることが困難となる。特に、大入賞装置84の後方側には、LED基板204が取り付けられているため、遊技盤26の後方側から工具を用いて不正行為をしようとしても、LED基板204が工具の侵入を阻むため、不正行為を防止することができる。この結果、不正行為者に不正行為を躊躇させ、不正行為の発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態のパチンコ機10は、遊技球が遊技者から見て遊技盤26の左側から右側に向けて発射されるパチンコ機を前提としているため、カウントスイッチ126が遊技盤26を正面からみて大入賞装置84の内部の右側に配置している構成のものである。つまり、遊技盤26の遊技領域28を流下した遊技球は、大入賞口86に入球しても左側から右側に転動しやすいので、カウントスイッチ126を右側に配置しているのである。
これに対して、カウントスイッチ126を大入賞装置84の内部の左側に配置してもよい。この場合には、遊技球が大入賞口86に入球したときに右側から左側に転動しやすいように、遊技球通路200の傾斜角度を上記実施形態における遊技球通路200の傾斜角度よりもさらに大きくすること(傾斜を急にすること)が好ましい。