JP5290851B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有する入賞装置を遊技盤に備える遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域に装飾枠部材が配設され、該装飾枠部材に形成した窓口に、機裏側に配設した液晶式やドラム式等の図柄表示装置の表示部を臨ませると共に、該図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置が遊技領域に配設されている。そして、始動入賞装置に設けた入賞口へのパチンコ球の入賞に基づいて、前記図柄表示装置で図柄組み合わせゲームやリーチ演出が行なわれ、表示部に所定の図柄が停止表示されたときに、大当り遊技状態を発生させて、遊技者に多くの賞球を獲得するチャンスを与えるようになっている。
前記パチンコ機において、遊技者は前記始動入賞装置の入賞口への入賞に期待を持って遊技を行なっているが、遊技領域を流下するパチンコ球が始動入賞装置に向けて流れていく確率が低いと、遊技者の期待感も低下してパチンコ機として飽きられてしまう。そこで、遊技盤に植設する遊技釘によって、遊技領域を流下するパチンコ球を始動入賞装置の入賞口に向けて高確率で誘導可能な誘導路を形成して、遊技者の期待感を維持し得るようにしたパチンコ機が提案されている。
ここで、パチンコ遊技場においては、パチンコ機のガラス面に磁石を近づけて遊技領域を流下するパチンコ球を始動入賞装置の入賞口に直に誘導したり、あるいは所定箇所に集めたりする「磁石によるゴト行為」と称される不正行為が行なわれることがある。例えば、前記誘導路には、始動入賞装置の入賞口へ誘導されるパチンコ球の確率を調節するための落下口が該入賞口から離間して設けられているが、磁石により誘導路に多数のパチンコ球を集めて落下口をわざと詰まらせることで、始動入賞装置の入賞口へのパチンコ球の誘導確率を高める不正行為が行なわれる虞がある。
前記磁石による不正行為に対して、例えば特許文献1のパチンコ機では、遊技盤の裏側に取付けられる集合樋の裏側に磁気センサを配置し、不正行為を意図してガラス面に磁石を近づけたときに、該磁石の磁気を磁気センサで検出して打球発射装置を停止する等の不正防止対策を講じるよう構成されている。
特開昭60−40078号公報
特許文献1のパチンコ機では、磁気センサを特定入賞口(始動入賞装置の入賞口)の直上方に配置することで、磁石によりパチンコ球を特定入賞口へ直接誘導する不正行為を検出することは可能である。しかるに、前記誘導路の落下口をパチンコ球で詰まらせることで、特定入賞口へのパチンコ球の誘導確率を高める不正行為については、前記磁気センサでの検出範囲外となって磁石を検出することができない虞がある。なお、複数の磁気センサを特定入賞口の周囲に配置することで、前記誘導路の落下口をパチンコ球で詰まらせる不正行為を検出することは可能となるが、この場合は複数の磁気センサが必要となり、コストが嵩む難点が指摘される。
特許文献1のパチンコ機では、高性能の磁気センサを用いることで、集合樋の裏側に取付けた磁気センサでガラス面に近づけた磁石の磁気を検出できるようにしてあるが、この場合は磁気センサが高価であるためにコストが嵩むと共に、集合樋から後方に突出する磁気センサが他の部材の取付けの障害となる難点もある。
また、磁気センサで均一な精度での検出を行なうには、該磁気センサの検出面とガラス板との位置関係を適正に保持する必要があるが、特許文献1には、磁気センサの具体的な取付構造は開示されておらず、磁気センサを適正な姿勢で取付ける構造が求められている。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、磁石による不正行為を広範囲に亘って低コストで検出し得る遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
前側に遊技領域(37)が画成される板部材(38)および該板部材(38)の裏側に取付けられる裏ユニット(39)を有する遊技盤(36)と、前記板部材(38)に設けられた装飾枠部材(54)より下側の遊技領域(37)に配設されて該遊技領域(37)を流下する遊技球(B)が入賞可能な入賞口(46b,46c)を有し、板部材(38)を貫通して後方に突出する本体部(50)が前記裏ユニット(39)に形成された収容部(68)に収容される入賞装置(46)と、前記装飾枠部材(54)より下側の遊技領域(37)で該入賞装置(46)の側方に臨む前記板部材(38)に植設され、該入賞装置(46)の入賞口(46b,46c)に向けて遊技球(B)を誘導可能であると共にアウト口(66)に向けて遊技球(B)が落下可能な落下口(58a,59a)を有する誘導路(58,59)を形成する複数の遊技釘(57)とを備える遊技機において、
前記裏ユニット(39)の前記収容部(68)の側方に臨む位置に、前記板部材(38)と対向してセンサ設置部(93,94)が設けられ、
前記センサ設置部(93,94)に、一対のリード片(100,100)をケーシング(99)内に接離可能に対向配置して構成された磁気センサ(96)が、該リード片(100)の延在方向を前記板部材(38)の裏面に沿わせる姿勢で設置され、
前記センサ設置部(93,94)は、設置された前記磁気センサ(96)の磁気検出可能範囲が、前記入賞装置(46)の入賞口(46b,46c)および誘導路(58,59)の落下口(58a,59a)に及ぶ位置に設けられ
前記裏ユニット(39)におけるセンサ設置部(93,94)の裏側に中継基板(114)が配設されると共に、前記収容部(68)における該収容部(68)に収容される入賞装置(46)の本体部(50)とセンサ設置部(93,94)との間に臨む位置に前後方向に貫通する配線通孔(109)が形成され、前記磁気センサ(96)における収容部(68)側の端部に接続する配線(101)が前記配線通孔(109)を介して裏ユニット(39)の裏側に引き出されて前記中継基板(114)に接続されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、磁気センサを、板部材の裏面に対向してリード片の延在方向が板部材の裏面に沿う姿勢で配置することで、1つの磁気センサにより磁石を検出し得る範囲が広くなるから、複数の磁気センサを用いることなく入賞装置の入賞口および誘導路の落下口に及ぶ広範囲での磁石による不正行為を検出することが可能となり、コストを低廉に抑えることができる。また、板部材の裏面に対向して磁気センサを裏ユニットに配設することで、磁気センサと板部材の前面との離間距離は短かくなるから、検出感度の低い磁気センサを使用することが可能となり、コストを低減することができる。更に、板部材の裏面に対向して磁気センサの設置部を裏ユニットに設けると共に、該磁気センサをリード片の延在方向が板部材の裏面に沿う姿勢で配設するようにしたから、遊技盤の後方に磁気センサが突出することはなく、磁気センサが他の部材の取付けの障害となることはない。更にまた、磁気センサは板部材と裏ユニットとの間に配設されるから、該磁気センサを保護する部品を省略することが可能となる。
また、センサ設置部に設置された磁気センサにおける配線が接続する端部が臨む収容部に配線を挿通する配線通孔を形成したから、磁気センサと裏ユニットの裏側に配設された中継基板とを接続する配線の長さを短かくすることができ、配線処理が容易となる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は
前側に遊技領域(37)が画成される板部材(38)および該板部材(38)の裏側に取付けられる裏ユニット(39)を有する遊技盤(36)と、前記板部材(38)に設けられた装飾枠部材(54)より下側の遊技領域(37)に配設されて該遊技領域(37)を流下する遊技球(B)が入賞可能な入賞口(46b,46c)を有し、板部材(38)を貫通して後方に突出する本体部(50)が前記裏ユニット(39)に形成された収容部(68)に収容される入賞装置(46)と、前記装飾枠部材(54)より下側の遊技領域(37)で該入賞装置(46)の側方に臨む前記板部材(38)に植設され、該入賞装置(46)の入賞口(46b,46c)に向けて遊技球(B)を誘導可能であると共にアウト口(66)に向けて遊技球(B)が落下可能な落下口(58a,59a)を有する誘導路(58,59)を形成する複数の遊技釘(57)とを備える遊技機において、
前記裏ユニット(39)の前記収容部(68)の側方に臨む位置に、前記板部材(38)と対向してセンサ設置部(93,94)が設けられ、
前記センサ設置部(93,94)に、一対のリード片(100,100)をケーシング(99)内に接離可能に対向配置して構成された磁気センサ(96)が、該リード片(100)の延在方向を前記板部材(38)の裏面に沿わせる姿勢で設置され、
前記センサ設置部(93,94)は、設置された前記磁気センサ(96)の磁気検出可能範囲が、前記入賞装置(46)の入賞口(46b,46c)および誘導路(58,59)の落下口(58a,59a)に及ぶ位置に設けられ、
前記磁気センサ(96)は、センサケース(97)に設けられた後方に開放する収容凹部(102)に後側から収容されると共に、該センサケース(97)の側壁(103,103)に設けたフック(104,104)に磁気センサ(96)の裏面が係脱自在に係合することでセンサケース(97)に収容保持され、該センサケース(97)に形成した通孔(105a,106a)に挿通したネジ(107,107)を、前記センサ位置決め部(95,95)に形成したネジ孔(95a,95a)に螺挿することで、当該センサケース(97)を介して磁気センサ(96)がセンサ設置部(93,94)に位置決め固定され、この固定状態においてセンサケース(97)の前面が前記裏ユニット(39)における前記板部材(38)の裏面に当接する面と同一位置に臨むよう設定されていることを特徴とする。
求項の発明によれば、磁気センサを、板部材の裏面に対向してリード片の延在方向が板部材の裏面に沿う姿勢で配置することで、1つの磁気センサにより磁石を検出し得る範囲が広くなるから、複数の磁気センサを用いることなく入賞装置の入賞口および誘導路の落下口に及ぶ広範囲での磁石による不正行為を検出することが可能となり、コストを低廉に抑えることができる。また、板部材の裏面に対向して磁気センサを裏ユニットに配設することで、磁気センサと板部材の前面との離間距離は短かくなるから、検出感度の低い磁気センサを使用することが可能となり、コストを低減することができる。更に、板部材の裏面に対向して磁気センサの設置部を裏ユニットに設けると共に、該磁気センサをリード片の延在方向が板部材の裏面に沿う姿勢で配設するようにしたから、遊技盤の後方に磁気センサが突出することはなく、磁気センサが他の部材の取付けの障害となることはない。更にまた、磁気センサは板部材と裏ユニットとの間に配設されるから、該磁気センサを保護する部品を省略することが可能となる。
また、磁気センサをセンサケースに収容することで、該磁気センサを確実に保護することができる。また、センサケースに収容した磁気センサを保持するフックを該磁気センサの裏面に係合するよう構成したから、磁気センサと板部材との離間距離がフックにより大きくなることはなく、磁気センサを保護しつつ検出感度の低下を抑えることができる。更に、センサケースの前面を、裏ユニットにおける板部材の裏面に当接する面と同一位置に臨ませているから、磁気センサを保護しつつ板部材にできる限り近接させることができ、磁気センサの検出感度の低下を最小限に抑え得る。
請求項に係る発明では、前記裏ユニット(39)のセンサ設置部(93,94)には、前記磁気センサ(96)におけるリード片(100)の延在方向に離間し、該磁気センサ(96)をリード片(100)の延在方向が前記板部材(38)の裏面と平行となるように位置決めする一対のセンサ位置決め部(95,95)と、両センサ位置決め部(95,95)の間において磁気センサ(96)におけるリード片(100)の延在方向に延在し、両センサ位置決め部(95,95)で位置決めされた磁気センサ(96)の裏面を支持する支持片(98)と、両センサ位置決め部(95,95)で位置決めされた磁気センサ(96)をリード片(100)の延在方向と交差する方向の両側から挟持する一対の支持部(72,86)とが設けられていることを要旨とする。
請求項の発明によれば、磁気センサにおけるリード片の延在方向に離間する2箇所で該磁気センサを位置決めすると共に、両センサ位置決め部の間において磁気センサをリード片の延在方向に沿う支持片で支持することで、磁気センサの姿勢を適正に保持することができる。しかも、磁気センサを一対の支持部でリード片の延在方向と交差する方向から挟持することで、当該磁気センサの姿勢をより適正に保持し得るから、磁気センサの全長に亘って均一な精度で不正行為を検出することができる。
請求項に係る発明では、前記裏ユニット(39)の裏側に、図柄を変動表示可能な表示部を前記遊技盤(36)に設けた可視部(38a,39a)および前記装飾枠部材(54)の窓口(54a)を介して前側から視認可能に臨ませて図柄表示装置(13)が配設され、前記板部材(38)には、遊技球(B)の入賞を契機として前記図柄表示装置(13)による図柄変動の開始条件を付与する前記入賞装置としての始動入賞装置(46)が前記装飾枠部材(54)の下方位置に配設されると共に、該始動入賞装置(46)の左右両側に該入賞装置(46)の始動入賞口(46b,46c)に向けて遊技球(B)を誘導可能な前記誘導路(58,59)が複数の遊技釘(57)によって形成され、
前記裏ユニット(39)には、前記収容部(68)を挟む左右両側に、前記磁気センサ(96)がリード片(100)の延在方向を左右方向に沿わせた姿勢で設置される前記センサ設置部(93,94)が夫々設けられることを要旨とする。
請求項の発明によれば、図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する始動入賞装置に対する磁石による不正行為を確実に検出することができる。
本発明に係る遊技機によれば、磁石による不正行為を広範囲に亘って低コストで検出することができる。
本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係るパチンコ機の背面図である。 実施例に係るパチンコ機を中枠および遊技盤を取外した状態で示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を図柄表示装置を配設した状態で示す背面図である。 実施例に係る遊技盤を板部材と裏ユニットを分解して示す側面図である。 実施例に係る遊技盤の下側部分を示す要部正面図である。 実施例に係る裏ユニットを各可動演出装置を配設した状態で示す正面図である。 実施例に係る裏ユニットを各可動演出装置を取外した状態で示す正面図である。 実施例に係る裏ユニットにおける下側部分を可動演出装置を取付けた状態で示す要部正面図である。 実施例に係る裏ユニットにおける下側部分を可動演出装置を取付けた状態で示す要部斜視図である。 実施例に係る裏ユニットにおける下部左側部分を示す要部正面図である。 実施例に係る裏ユニットにおける下部右側部分を示す要部正面図である。 図10のA−A線断面図である。 図10のB−B線断面図である。 図10のC−C線断面図である。 実施例に係る裏ユニットの左球通路を示す要部正面図である。 実施例に係る傾斜面と、該傾斜面に向けて落下したパチンコ球との関係を示す説明図である。 実施例に係る磁気センサを示す説明図である。 実施例に係る磁気センサを収容したセンサケースを示す図であって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は底面図、(d)は右側面図である。 実施例に係るパチンコ機の主要な制御ブロック図である。 案内部の第1の別実施例を示す裏ユニットの要部正面図である。 案内部の第2の別実施例を示す裏ユニットの要部正面図である。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤36(図4参照)を着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤36の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤36を透視保護するガラス板14a(図14,図15参照)を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球(遊技球)Bを貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。
(中枠について)
図3に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカ33や打球発射装置34、操作ハンドル35等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されて、これら上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が前記外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、前記上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、前記遊技盤36を設置する遊技盤保持部22として機能する。ここで、前記中枠12は、前記外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、該外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
また、図3に示すように、前記左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部22側)には、上下に離間する位置に、前記遊技盤36の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具23,23が複数設けられると共に、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)に、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具24,24が夫々設けられており、該固定具24,24により遊技盤36の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。すなわち、前記遊技盤36を中枠12に配設するには、該遊技盤36の左側端部を前記回転保持具23,23で保持した状態で、遊技盤36の右側端部を押し込んで遊技盤36の左側端部(回転保持具23,23)を中心に回動させて遊技盤36の全体を遊技盤保持部22に臨ませて、前記固定具24,24を固定位置に回転変位させて遊技盤36の右側上下端部を支持固定する。このように中枠12に組付けられる遊技盤36は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、前記回転保持具23,23および固定具24,24で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤36の前面(後述する板部材38の前面)は、該中枠12に組付けられている前記前枠14のガラス板14aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている(図14,図15参照)。
図3に示すように、前記上枠部材17の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、該上枠部材17の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク25は、前記遊技盤保持部22に配設された遊技盤36の裏側上部に重なるよう形成されており、遊技盤36の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。また、前記下枠部材18の裏側には、前記上下の球受け皿15,16に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材26が配設されている(図2参照)。なお、前記球タンク25とセット部材26とは、両部材間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出し装置27aの駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球Bを前記上下の球受け皿15,16へ給出するよう構成されている。
前記セット部材26には、図2に示すように、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置28、前記球通路ユニット27に配設した球払出し装置27aを駆動制御する払出し制御装置29、前記打球発射装置34を駆動制御する発射制御装置30、外部端末に接続されるインターフェース基板31等が配設されている。なお、これらの各装置28,29,30,31は、前記遊技盤36の裏側に配設される主制御装置32に配線接続され、該主制御装置32からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(遊技盤について)
前記中枠12の遊技盤保持部22に配設される前記遊技盤36は、図4に示すように、前面(盤面)にパチンコ球Bが流下可能な遊技領域37が画成され、合板等の木製で平板状の板部材38と、該板部材38の裏面に組付けられて前記図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、複数の可動演出装置40,41,42,43が配設される裏ユニット39とから構成され(図6参照)、該裏ユニット39に形成された前後に開口する開口部(可視部)39aを介して図柄表示装置13の表示面を前面側から視認し得るよう構成されている。裏ユニット39に形成される開口部39aは、図9に示す如く、該裏ユニット39の上下および左右幅の大部分が開口する大型の開口部であって、該開口部39aの周囲に前記可動演出装置40,41,42,43(図8参照)が配設されている。なお、実施例の板部材38は、一定の厚み寸法(10mm)の平板状に形成される。
(板部材について)
図1または図4に示すように、前記板部材38の前面には、円弧状に形成した案内レール44が配設されると共に、該案内レール44の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した第1盤面飾り部材45aが配設されている。そして、前記案内レール44および第1盤面飾り部材45aにより前記遊技領域37が略円形状に画成される。また、前記板部材38の盤面には、前記案内レール44の左方(遊技領域37の外側)の上下位置に第2盤面飾り部材45bが夫々が配設されている。更に、板部材38の遊技領域37には、前記裏ユニット39に形成された開口部39aの前側に前後に貫通する貫通口(可視部)38aが形成されており、裏ユニット39に形成された開口部39aおよび板部材38の貫通口38aから遊技盤36の可視部が構成される。そして、該貫通口38aに対して、後述する前後に開口する枠状の装飾枠部材54が配設されるようになっている。
前記板部材38には、後述する装飾枠部材54の下方位置に、前記遊技領域37を流下するパチンコ球Bが入賞可能な始動入賞装置(入賞装置)46や特別入賞装置47が配設されている。また、板部材38には、特別入賞装置47の左右両側に、後述する普通入賞口60a,60bが夫々が設けられている。
前記始動入賞装置46は、図7に示す如く、前記板部材38の前面にネジ固定される第1取付ベース板46aの前面側に、前記遊技領域37を流下するパチンコ球Bが入賞可能な上下の始動入賞口(入賞口)46b,46cが設けられる。そして、前記始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cへ入賞したパチンコ球Bが始動入賞センサ48(図21参照)で検出されることで、図柄表示装置13の表示面で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球Bが賞球として前記上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。なお、前記下側の始動入賞口46cを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材49,49が設けられており、第1取付ベース板46aの後面側に固定された装置本体(本体部)50(図6参照)に設けた図示しないソレノイドの駆動により羽根部材49,49を揺動することで、下側の始動入賞口46cが開閉されるようになっている。始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cについて、区別する場合には上側のものを上部始動入賞口46bと指称すると共に、下側のものを下部始動入賞口46cと指称する。
前記特別入賞装置47は、板部材38の前面にネジ固定される第2取付ベース板47aに、前後に開口する横長の特別入賞口47bが開設されると共に、該第2取付ベース板47aの後面側に、該特別入賞口47bを介してパチンコ球Bが入賞可能な入賞空間が形成された装置本体(本体部)51(図6参照)が設けられている。また、前記特別入賞口47bを開閉自在に閉成する開閉扉52を装置本体51に設けた図示しないソレノイドの駆動により開閉することで、特別入賞口47bが開閉されるようになっている。そして、前記図柄表示装置13で行なわれる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより特別入賞装置47の特別入賞口47bが開放され、該特別入賞口47bに入賞したパチンコ球Bが特別入賞センサ53(図21参照)で検出されることで、多数の賞球が上下の下球受け皿15,16に払い出されるよう構成される。なお、始動入賞装置46の装置本体50および特別入賞装置47の装置本体51は、板部材38に穿設された挿通口38bを介して板部材38の後方に所定長さで延出し、両装置本体50,51が裏ユニット39の後述する収容部68に収容されるようになっている。
前記板部材38の前面には、前記装飾枠部材54の左側に臨む遊技領域37に、該遊技領域37を流下するパチンコ球Bが通過可能な球通過ゲート21が配設されている。球通過ゲート21には、該ゲート21を通過するパチンコ球Bを検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力する普通図柄入球検出手段(図示せず)が配設されている。この普通図柄入球検出手段は、前記主制御装置32に電気的に接続され、該主制御装置32は、球通過ゲート21を通過するパチンコ球Bを普通図柄入球検出手段が検出したことを条件として、前記始動入賞装置46の羽根部材49,49を開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。
(装飾枠部材について)
前記板部材38に形成されている前記貫通口38aに対し、前後に開口する枠状の装飾枠部材54が配設される。すなわち、前記裏ユニット39の開口部39aから臨む前記図柄表示装置13の表示面は、前記装飾枠部材54における前後に開口する窓口54aを介して板部材38の前側に露出して、該図柄表示装置13の表示面で展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。実施例では、装飾枠部材54の窓口54aに対応する領域が、図柄表示装置13の表示部を前側から視認可能とする遊技盤36の可視部と対応している。また、装飾枠部材54には、上縁部から左右両縁部に亘り、板部材38より前面に突出する円弧状の庇状部54bが設けられており、前記遊技領域37に打ち出されたパチンコ球Bが装飾枠部材54の窓口54aを横切って流下するのを該庇状部54bで規制している。
前記装飾枠部材54には、図4に示す如く、窓口54aの下側に、枠内に取込まれたパチンコ球Bを左右に転動可能なステージ55が配設されており、該ステージ55から遊技領域37に排出されたパチンコ球Bが、前記始動入賞装置46の始動入賞口46b,46c、特別入賞装置47の特別入賞口47bまたは普通入賞口60a,60b等に入賞可能に構成される。また、装飾枠部材54には、窓口54aの左側に、遊技領域37を流下するパチンコ球Bをステージ55に案内する球通路部56が設けてある。
(誘導路について)
前記板部材38の遊技領域37には、複数の遊技釘57が植設されており、遊技領域37を流下するパチンコ球Bは、該遊技釘57によって流下方向が変更されるようになっている。特に、前記装飾枠部材54の下側で前記始動入賞装置46を挟む左右両側の遊技領域37には、前記遊技釘57によって始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cに向けてパチンコ球Bを誘導可能な誘導路58,59が夫々形成されている。左右の誘導路58,59の構成は、図7に示すように流路の長さが異なるだけで基本的な構成は同じであるので、左側の誘導路58,59の構成についてのみ説明する。
前記誘導路58,59は、始動入賞装置46に設けられる上下の始動入賞口46b,46cに対応して上下2段で形成されている。上側に位置する上段誘導路58は、複数の遊技釘57を、始動入賞装置46の上部始動入賞口46bに向けて斜め下方に傾斜する線に沿って基本的にはパチンコ球Bの直径より小さい間隔(パチンコ球Bが落下しない間隔)で板部材38に植設して形成されて、該上段誘導路58に沿って流下するパチンコ球Bを上部始動入賞口46bに向けて誘導可能に構成される。また下段誘導路59は、始動入賞装置46の下部始動入賞口46cに向けて斜め下方に傾斜する線に沿って複数の遊技釘57を、基本的にはパチンコ球Bの直径より小さい間隔(パチンコ球Bが落下しない間隔)で板部材38に植設して形成されて、該下段誘導路59に沿って流下するパチンコ球Bを下部始動入賞口46cに向けて誘導可能に構成される。上下の誘導路58,59には、その流路の途中に、隣接する遊技釘57,57の間隔をパチンコ球Bの直径より大きくすることで誘導路58,59に沿って流下するパチンコ球Bを誘導路外に落下させる複数(実施例では2つ)の落下口58a,59aが設けられており、該落下口58a,59aによって前記上下の始動入賞口46b,46cへのパチンコ球Bの誘導確率を調節するようになっている。
(普通入賞口について)
前記板部材38には、前記下段誘導路59の下方位置に、前記特別入賞装置47を挟む左右両側に普通入賞口60a,60bが夫々設けられている。実施例では、図7に示す如く、特別入賞装置47を挟む左側および右側の夫々に、2つの普通入賞口60a,60bが、対応する下段誘導路59に略沿った階段状となるよう上下および左右に離間して設けられている。そして、普通入賞口60a,60bに入賞したパチンコ球Bを、前記裏ユニット39の後述する球通路80,81に設けた普通入賞センサ(球検出手段)88,89(図12,図13,図21参照)が検出することで、所定数(例えば10個)の賞球が前記上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。なお、下段誘導路59と各普通入賞口60a,60bとの間の遊技領域37にも複数の遊技釘57が植設されて、各普通入賞口60a,60bへのパチンコ球Bの入賞確率を調節するよう構成される。また、普通入賞口60a,60bについて、特別入賞装置47を挟んで左側に設けられる普通入賞口と右側に設けられる普通入賞口とを区別する場合は、左普通入賞口、右普通入賞口と指称する場合もある。
前記特別入賞装置47の左側に設けられる前記左普通入賞口60a,60bは、前面側に所要の装飾が施されて前記板部材38に配設される左装飾体61に形成されている。この左装飾体61は、図7に示す如く、前記案内レール44の内側に沿って、特別入賞装置47の左側方から前記下段誘導路59の上端部より上方まで延在する大型の部品であって、板部材38の対応する位置に形成された左取付孔62aを塞ぐように前面にネジ止めされている。2つの左普通入賞口60a,60bは、左装飾体61の下部側において上下2段で形成されており、各左普通入賞口60a,60bに対応して左装飾体61の裏面に突設された図示しない樋部が、左取付孔62aに挿通されて、各左普通入賞口60a,60bは、前記裏ユニット39に形成されている後述する左球通路80に樋部を介して連通するよう構成される。
前記左装飾体61には、2つの左普通入賞口60a,60bの下側に臨む位置に孔部61aが形成されると共に、該孔部61aは光透過性を有する発光用装飾部品63で覆われている。この発光用装飾部品63は、前記板部材38の左取付孔62a内に臨んで、後述する左発光装置74からの光が透過することで、左普通入賞口60a,60bの下側を発光により装飾し得るよう構成してある。また、左装飾体61における上側に位置する左普通入賞口60aより上側の部分には、裏側からの光を透過可能な光透過部61bが設けられ、該光透過部61bの後方に前記左発光装置74が臨んで、該左発光装置74の発光により遊技領域37を装飾し得るようになっている。
前記特別入賞装置47の右側に設けられる前記右普通入賞口60a,60bは、前面側に所要の装飾が施されて前記板部材38に配設される右装飾体64に形成されている。この右装飾体64は、図7に示す如く、前記案内レール44の内側に沿って延在し、左装飾体61より小型の部品であって、板部材38の対応する位置に形成された右取付孔62bを塞ぐように板部材38の前面にネジ止めされている。2つの右普通入賞口60a,60bは、右装飾体64に上下2段で形成されており、各右普通入賞口60a,60bに対応して右装飾体64の裏面に突設された図示しない樋部が、右取付孔62bに挿通されて、各右普通入賞口60a,60bは、前記裏ユニット39に形成されている後述する右球通路81に樋部を介して連通するよう構成される。なお、実施例では、左装飾体61に形成される2つの左普通入賞口60a,60bと、右装飾体64に形成される2つの右普通入賞口60a,60bとは、前記特別入賞装置47を挟んで対称となる位置に設けられている。
前記右装飾体64には、2つの右普通入賞口60a,60bの下側に臨む位置に孔部64aが形成されると共に、該孔部64aは光透過性を有する発光用装飾部品65で覆われている。この発光用装飾部品63は、前記板部材38の右取付孔62bに臨んで、後述する右発光装置76からの光が透過することで、右普通入賞口60a,60bの下側を発光により装飾し得るよう構成してある。
前記遊技領域37の最下部、すなわち前記特別入賞装置47の下側には、前記始動入賞口46b,46c、特別入賞口47bおよび各普通入賞口60a,60bに入賞することなく流下したパチンコ球Bを機裏側に排出するアウト口66が形成されている。
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット39は、図8または図9に示す如く、合成樹脂材から形成されて前側に開口する箱枠状の箱状本体67を有し、該箱状本体67の略中央位置に前記開口部39aが開設されている。箱状本体67の下および左右の3辺の前端には、外方または内方に向けて前記板部材38と平行に延在する複数のフランジ部67aが夫々形成されており、該箱状本体67は、下および左右のフランジ部67aの前面を前記板部材38の裏面に当接した状態で該板部材38に取付けられて、該板部材38の裏面と箱状本体67との間に所要の設置空間を画成するよう構成してある。そして、板部材38と箱状本体67との間に画成される設置空間に、前記複数の可動演出装置40,41,42,43や後述する発光装置74,76が配置されて、遊技盤36を装飾するようになっている。
(収容部について)
前記裏ユニット39の箱状本体67には、前記開口部39aの下方位置に、前記始動入賞装置46における板部材38から後方に突出する装置本体50を収容する収容部68が画成されている。この収容部68は、後述する左右の球通路80,81を画成する壁部86,86の間において、図10,図11に示す如く、前方および下方に開口するように画成される。そして、収容部68の上部領域に前記始動入賞装置46の装置本体50が収容されると共に、該収容部68の下部域領に前記特別入賞装置47の装置本体51が収容されるようになっている。
前記箱状本体67には、前記開口部39aの下方位置に、前記設置空間の下部側に配設される2つの可動演出装置42,43の取付部69a,69bが、前記収容部68を挟んで左右に離間して形成されている(図9参照)。
(可動演出装置について)
前記裏ユニット39に配設される可動演出装置40,41,42,43について、その基本的な構成を簡単に説明する。第1可動演出装置40は、開口部39aの左側部に本体部が配設され、該本体部に支持されて開口部39a側に延出する可動体70を、前記図柄表示装置13における表示面の前側において上下方向に移動するよう構成される。また第2可動演出装置41は、開口部39aの右上部に本体部が配設され、該本体部に支持されて開口部39a側に延出する可動体71を、図柄表示装置13における表示面の前側において左右方向に揺動するよう構成される。これに対し、第3可動演出装置42および第4可動演出装置43は、前記箱状本体67における開口部39aの下方位置に設けられた左右の取付部69a,69bに配設される。
前記左右の取付部69a,69bに配設される第3および第4可動演出装置42,43の基本的な構成は同じであって、図10または図11に示す如く、ケース体72に、モータ等の駆動手段(図示せず)および該駆動手段により作動される可動体73を配設して、ケース体単位で扱い得るユニットとして構成されて、ケース体72を対応する取付部69a,69bに着脱自在に取付けることで、可動体73が前記開口部39aに対して適正な位置に臨むように構成される。そして、実施例の第3および第4可動演出装置42,43では、駆動手段を駆動することで、各可動体73が前記図柄表示装置13における表示面の前側を上下方向に揺動するように作動して、動作による演出を行なうようになっている。なお、第3および第4可動演出装置42,43を取付部69a,69bに取付けた際に、各ケース体72の前面が箱状本体67の前端(フランジ部67aの前面)と同一位置に臨むよう設定されて、前記板部材38の裏面に裏ユニット39を取付けた際には、該各ケース体72の前面が板部材38の裏面に当接するよう構成される。
(発光装置について)
前記箱状本体67における左取付部69aに配設される第3可動演出装置42のケース体72には、前面に左発光装置74が突出する状態で配設される。この左発光装置74は、前面に複数のLED(発光体)を配設した基板を透明な左発光用ケース75に収容して構成され、左取付部69aに第3可動演出装置42を配設した前記裏ユニット39を前記板部材38に取付けた際に、該左発光用ケース75が板部材38の左取付孔62aに収容されて、前記左装飾体61の光透過部61bおよび発光用装飾部品63を裏側から照らすことができるよう構成される。また左発光用ケース75は、前記左取付孔62aにおける前記樋部が臨む位置を除く部分と略同一の外形に形成されており、第3可動演出装置42が配設された裏ユニット39を板部材38に取付ける際に、該左発光用ケース75を左取付孔62aに収容することで、裏ユニット39と板部材38とが位置決めされるようになっている。
ここで、前記裏ユニット39には、前記右装飾体64に設けた発光用装飾部品65の裏側に対応する位置に、左発光装置74と同様に、前面に複数のLED(発光体)を配設した基板を透明な右発光用ケース77に収容して構成される右発光装置76が配設されている。この右発光装置76は、裏ユニット39に対して前記フランジ部67aより前側に突出する状態で配設されて、裏ユニット39を板部材38に取付けた際に、該右発光用ケース77が板部材38の右取付孔62bに収容されて、前記右装飾体64の発光用装飾部品65を裏側から照らすことができるよう構成される。また右発光用ケース77は、前記右取付孔62bにおける前記樋部が臨む位置を除く部分と略同一の外形に形成されており、裏ユニット39を板部材38に取付ける際に、該右発光用ケース77を右取付孔62bに収容することで、裏ユニット39と板部材38とが位置決めされるようになっている。
前記遊技盤36(裏ユニット39)の裏面に着脱可能に配設される前記図柄表示装置13の裏面には、図2または図5に示す如く、該図柄表示装置13の表示を制御する演出表示制御装置78が配設されている。また図柄表示装置13の裏面には、前記可動演出装置40,41,42,43を可動制御したり、前記発光装置74,76を発光制御したり、前記スピーカ33の効果音出力制御等を行なう統括制御装置79が、演出表示制御装置78に隣接して配設されている。パチンコ機10では、制御装置同士または制御装置と遊技部品である可動演出装置40,41,42,43、発光装置74,76、図柄表示装置13、スピーカ33、始動入賞センサ48、特別入賞センサ53および後述する普通入賞センサ88,89や磁気センサ96等が配線または後述する中継基板113,114,115を介して電気的に接続される。
前記主制御装置32には、始動入賞口46b,46cに入賞したパチンコ球Bを検出した始動入賞センサ48からの検出信号や、特別入賞口47bに入賞したパチンコ球Bを検出した特別入賞センサ53からの検出信号や、普通入賞口60a,60bに入賞したパチンコ球Bを検出した普通入賞センサ88,89からの検出信号が入力される。主制御装置32は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。主制御装置32は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置32では、始動入賞センサ48から検出信号が入力されると、主制御用CPUが主制御用ROMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数と主制御用RAMの大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行なう。また主制御装置32では、前記大当り判定の結果が大当りの場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出を決定する。これに対して、前記大当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。大当り演出およびはずれ演出の決定は、前記大当り判定と同様に、主制御用CPUが主制御用ROMから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御装置32の抽選結果に応じて出力された統括制御装置79の制御信号に基づいて、演出表示制御装置78が図柄表示装置13に所定の演出表示を行なわせると共に、主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。また、パチンコ機10では、統括制御装置79の制御信号に基づいて、可動演出装置40,41,42,43を作動させたり、各発光装置74,76を発光させたり、スピーカ33から効果音を出力するようになっている。このように、始動入賞口46b,46cに入賞したパチンコ球Bを検出する始動入賞センサ48からの検出信号は図柄変動ゲームにおいて大当たり抽選の契機となるので、パチンコ機10において始動入賞口46b,46cに対する不正行為を検出する重要性が高い。
(球通路について)
前記裏ユニット39の箱状本体67における開口部39aより下方位置には、図8〜図13に示すように、前記板部材38に設けられた左右の普通入賞口60a,60bと対応する位置に、各普通入賞口60a,60bに入賞したパチンコ球Bを遊技盤36の下方へ排出案内する球通路80,81が形成されている。ここで、前記左右の球通路80,81は、基本的には左右対称であるので、左側に位置する左球通路80の構成について説明し、右側に位置する右球通路81に関しては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前記左球通路80は、図12に示す如く、前方に開口する複数の通路82,83,84,85を連通して構成され、各通路82,83,84,85を画成する壁部86の前端は、前記フランジ部67aの前面と同一面に位置しており、裏ユニット39を板部材38の裏面に取付けた際には壁部86の前端が板部材38の裏面に当接して、該左球通路80の前方開口は板部材38により塞がれるようになっている(右球通路81も同じ)。左球通路80は、上側(収容部68から離間する側)に位置する左普通入賞口60aに連通する第1傾斜通路(上傾斜通路)82と、下側(収容部68に近接する側)に位置する左普通入賞口60bに連通する第2縦通路(下縦通路)85とを、第1縦通路(縦通路)84および第2傾斜通路(傾斜通路)83を介して連通して構成されて、両普通入賞口60a,60bに入賞したパチンコ球Bを、集合して第2縦通路85の下流端(下端)に形成した球排出口87を介して前記セット部材26の球排出路に排出するよう構成される。なお、前記箱状本体67の下辺に形成されるフランジ部67aは、図9に示す如く、第2傾斜通路83を画成する壁部86の下側に一体的に形成されており、該フランジ部67aを前記板部材38に当接固定することで、左球通路80の前端を板部材38の裏面に確実に当接させるようになっている。
前記第1傾斜通路82は、上流端部が前記上側の左普通入賞口60aに樋部を介して連通し、該連通部から前記収容部68に向けて下側の左普通入賞口60bより上方位置を下方傾斜するよう形成される。この第1傾斜通路82の下流端部に、上下方向に延在する前記第1縦通路84の上端部が連通接続される。第1縦通路84の下端部側には球検出手段としての第1普通入賞センサ88が取付けられる取着部84aが形成されており、上側の左普通入賞口60aに入賞し、第1傾斜通路82から第1縦通路84に流入したパチンコ球Bを、該取着部84aに取付けた第1普通入賞センサ88で検出することで賞球が払い出されるようになっている。なお、第1傾斜通路82は、図12に示す如く、前記左発光装置74における前記発光用装飾部品63の裏側に臨む下端部74aとの干渉を避けるように、該下端部74aの上側を収容部68に向けて下方傾斜するよう形成されている。また右球通路81における第1傾斜通路82は、図13に示す如く、前記右発光装置76との干渉を避けるように、該右発光装置76の上側を収容部68に向けて下方傾斜するよう形成されている。
前記第1縦通路84の下端に前記第2傾斜通路83の上流端が連通接続され、該第2傾傾斜通路83は、前記収容部68から離間する方向に向けて下方傾斜するように形成されている。そして、該第2傾斜通路83の下流端が、前記第2縦通路85に連通接続される。この第2縦通路85は、図12に示す如く、前記第1傾斜通路82の下側において上下方向に延在するよう形成されて、前記下側の左普通入賞口60bに樋部を介して連通している。また第2縦通路85の下端部側には球検出手段としての第2普通入賞センサ89が取付けられる取着部85aが形成されており、下側の左普通入賞口60bに入賞して第2縦通路85に流入したパチンコ球Bを、該取着部85aに取付けた第2普通入賞センサ89で検出することで賞球が払い出されるようになっている。
前記両縦通路84,85に配設される普通入賞センサ88,89としては、該普通入賞センサ88,89に設けた通孔88a,89a(図11または図14参照)をパチンコ球Bが通過する際に、該パチンコ球Bによって押圧部材(図示せず)が押されることでパチンコ球Bを検出する機械式のスイッチが用いられる。普通入賞センサ88,89の通孔88a,89aは、パチンコ球Bの1個分の開口寸法で、円形または多角形状に開口されるものであって、該通孔88a,89aを通過するパチンコ球Bは、その中心が通孔88a,89aの中心に略整列した状態で落下するよう構成される。また普通入賞センサ88,89は、対応する縦通路84,85に対して、該縦通路84,85の水平断面での開口領域の中心と前記通孔88a,89aの中心とが略一致するように配設される。なお、この普通入賞センサ88,89としては、通孔をパチンコ球が通過する際の磁気や静電容量の変化によって球検出を非接触で行なう近接センサを用いることもできる。
(案内部について)
前記第1縦通路84と第2傾斜通路83とがなす屈曲部90の下隅部には、図17に示す如く、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bを第2傾斜通路83に向けて案内する案内部としての傾斜面91が設けられている。この傾斜面91は、第2傾斜通路83の傾斜角度より大きな角度で第2傾斜通路83に向けて直線状に下方傾斜するよう形成されると共に、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bの中心を通る落下中心線Cより第2傾斜通路83と反対側の外周下側が接触する位置に設けられている。より具体的には、図18に示す如く、傾斜面91にパチンコ球Bが接触したときの該パチンコ球Bの傾斜面91との接点Pと、該パチンコ球Bの中心Oとを通る跳出線Lが、前記第1縦通路84と第2傾斜通路83とがなす屈曲部90の上角部90aより第2傾斜通路83側を通るように、当該傾斜面91の位置が設定される。なお、傾斜面91の傾斜角度は、パチンコ球Bを第2傾斜通路83に向けて確実に案内すると共に、該傾斜面91の形成領域の上下寸法を小さく抑える点で、40〜50°の範囲が好ましく、45°が最も好適である。また、傾斜面91における前記接点Pから第1縦通路84の下端までの高さ寸法は、パチンコ球Bの直径の1.5〜2倍程度に設定される。
ここで、前記第1縦通路84から落下するパチンコ球Bが傾斜面91に衝突した際には、該パチンコ球Bの勢い等によっては跳出線Lに沿う方向に向けて跳ね返る可能性がある。実施例では、跳出線Lが、屈曲部90の上角部90aより第2傾斜通路83側を通るよう傾斜面91の角度および位置が設定されているから、該跳出線Lに沿う方向にパチンコ球Bが跳ね返ったとしても、該パチンコ球Bは上角部90aに対して中心より上側の部分が当たり、該パチンコ球Bが第1縦通路84側に戻るのは阻止されるようになっている。なお、屈曲部90の下隅部には肉盗み92が設けられ、樹脂材料からなる裏ユニット39の成形時におけるヒケを防止して傾斜面91を設計通りの角度に形成し得るようにしてある。また、肉盗み92を設けることによって傾斜面91の強度も均一化して耐久性が向上される。
(センサ設置部について)
前記裏ユニット39における前記収容部68を挟む左右両側に、後述する磁気センサ96を設置するためのセンサ設置部93,94が設けられている(図9参照)。収容部68の左側方に設けられる左センサ設置部93および右側方に設けられる右センサ設置部94の構成は左右対称であるので、左センサ設置部93の構成について説明し、右センサ設置部94に関しては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前記左センサ設置部93は、図12に示す如く、前記左取付部69aに配設された第3可動演出装置42と左球通路80との間に設けられている。具体的には、第3可動演出装置42のケース体72と、左球通路80における第1傾斜通路82を画成する上側の壁部86との間に左センサ設置部93が設けられる。この左センサ設置部93は、前記壁部86の前端(裏ユニット39の前端)から後方に向けて凹設され、該左センサ設置部93の後壁(裏ユニット39の壁)に、左右方向(磁気センサ96におけるリード片100,100の延在方向)に離間して一対のセンサ位置決め部95,95が前側に向けて突設されており、両センサ位置決め部95,95に、磁気センサ96がセンサケース97を介して着脱自在に位置決め固定されるようになっている。そして、センサ位置決め部95,95にセンサケース97を介して磁気センサ96を位置め固定することで、該磁気センサ96は、後述するリード片100,100の延在方向が、前記板部材38の裏面と平行となる姿勢で位置決めされる。また、左センサ設置部93に位置決め固定された磁気センサ96の磁気検出可能範囲が、前記始動入賞装置46の上下の始動入賞口46b,46c、特別入賞装置47の特別入賞口47bおよび左側の上下の誘導路58,59の落下口58a,59aに及ぶ位置に臨むように、当該左センサ設置部93の位置が設定してある。なお、実施例では、磁気センサ96の磁気検出可能範囲は、対応する側の普通入賞口60a,60bにも及ぶようにセンサ設置部93,94の位置が設定されている。また、前記各センサ位置決め部95は、円柱状に形成されると共に、ネジ孔95aが前面に開口するように形成してある。
また左センサ設置部93には、両センサ位置決め部95,95の間において左右方向(リード片100,100の延在方向)に延在する支持片98が設けられ、該支持片98は、図14または図15に示す如く、両センサ位置決め部95,95に位置決め固定された磁気センサ96の裏面に当接して、該磁気センサ96を左右方向の所定長さに亘って支持するよう構成される。前記センサ位置決め部95,95および支持片98の前端位置は、これらセンサ位置決め部95,95および支持片98を介して磁気センサ96が収容されるセンサケース97を位置め固定した際に、該センサケース97の前面が、裏ユニット39の前端(フランジ部67aの前面)と同一位置に臨むよう設定される。また、左センサ設置部93に位置決め固定されたセンサケース97は、前記第3可動演出装置42のケース体72および左球通路80の壁部86によって、上下方向(リード片100,100の延在方向と交差する方向)の両側から挟持されて、該センサケース97(磁気センサ96)の姿勢が変化するのを規制するよう構成される。すなわち、実施例では、第3可動演出装置42のケース体72および左球通路80の壁部86が、磁気センサ96をリード片100,100の延在方向と交差する方向から挟持する支持部として機能するようになっている。
なお、右センサ設置部94は、前記右取付部69bに配設された第4可動演出装置43と右球通路81との間に設けられて、第4可動演出装置43のケース体72および右球通路81の壁部86が、磁気センサ96をリード片100,100の延在方向と交差する方向から挟持する支持部として機能する。
(磁気センサについて)
前記左右のセンサ設置部93,94に配設される磁気センサ96およびセンサケース97の構成は、基本的には同一であるので、左センサ設置部93に配設される磁気センサ96およびセンサケース97の構成について説明し、右センサ設置部94に配設される磁気センサ96およびセンサケース97に関しては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前記磁気センサ96は、図19に示す如く、長方形状のケーシング99の内部に、その長手方向に沿う方向に延在する一対のリード片100,100の一部を接離可能に対向配置して構成されたリードスイッチであって、ケーシング99の長手方向の一端から配線101が延出するよう構成される。またケーシング99には、短手方向に対向する上下の両側面に外方に延出する規制部99a,99aが形成されている。
前記磁気センサ96は、センサケース97に収容された状態で、前記左センサ設置部93に配設される。このセンサケース97は、図20に示す如く、前記ケーシング99を収容可能な収容凹部102を後方に開放する箱状に形成されて、該収容凹部102に磁気センサ96が後方から収容されるよう構成される。また、センサケース97の上下に対向する側壁103,103には、前記ケーシング99に設けた規制部99a,99aが嵌合する溝部103a,103aが形成されており、該溝部103a,103aに規制部99a,99aを嵌合することで、センサケース97に対して磁気センサ96が適正な姿勢に位置決めされるようになっている。更に、センサケース97の前記側壁103,103には後方に延出するフック104,104が設けられており、収容凹部102に磁気センサ96を収容した際に、該フック104,104が磁気センサ96(ケーシング99)の裏面に係脱自在に係合して、該磁気センサ96をセンサケース97に収容状態で保持するよう構成される。なお、各フック104は、図20(c)に示す如く、側壁103に形成された前記溝部103aに隣接して設けられると共に、該側壁103にはフック104を挟んで溝部103aと反対側に切欠部103bが形成されており、溝部103aおよび切欠部103bによってフック104が弾性変形可能に構成される。
前記センサケース97には、長手方向の一端において該長手方向に沿って延出する第1鍔部105が設けられると共に、長手方向の他端部側において短手方向に沿って延出する第2鍔部106が設けられており、各鍔部105,106に前後方向に貫通する通孔105a,106aが穿設されている。また各鍔部105,106の裏面には、対応する通孔105a,106aを囲むように円筒状の突部105b,106bが形成されて、該突部105b,106bの内側に、前記センサ位置決め部95の前端が嵌挿可能な凹部105c,106cが形成されている。そして、センサケース97は、第1鍔部105が前記左センサ設置部93における収容部68から離間する方向を向く姿勢で、第1および第2鍔部105,106の凹部105c,106cに対応するセンサ位置決め部95,95の前端部を嵌挿した状態で、該鍔部105,106の通孔105a,106aに前側から挿通したネジ107,107を、対応するセンサ位置決め部95,95のネジ孔95a,95aに螺挿することで、当該センサケース97が左センサ設置部93に位置決め固定されるよう構成される。なお、前記センサケース97に設けられるフック104,104は、前記センサ位置決め95,95と干渉しない位置に設けられると共に、該フック104,104の後端は、裏ユニット39の前端から凹設される左センサ設置部93に収容されて、センサケース97(磁気センサ96)のセンサ位置決め部95,95による位置決めを阻害しないようにしてある。
前記センサケース97における第2鍔部106が設けられる長手方向の他端側(収容部68を向く側)の側壁108に後方および左右方向に開口する切欠部108aが形成されており、前記収容凹部102に収容される前記磁気センサ96の長手方向の一端にコネクタ接続される配線101が、該切欠部108aを介して外部に引き出されるよう構成される。なお、前記磁気センサ96に対して配線101は、該磁気センサ96における切欠部108aに対応する端部に設けられたソケットの切欠部108a側に向けて開口する接続口に、該配線101の一端に接続するプラグを差込んで接続されるようになっている。
(配線の通孔について)
前記裏ユニット39における前記収容部68を画成する後壁68aには、該収容部68に収容される始動入賞装置46の装置本体50と左センサ設置部93との間に臨む位置に前後方向に貫通する配線通孔109が形成されている(図12参照)。そして、前記磁気センサ96に接続される配線101が、前記配線通孔109を介して裏ユニット39の裏側に引き出されて、後述する第2中継基板114に接続されるようになっている。また後壁68aには、配線通孔109の形成位置より始動入賞装置46の装置本体50が収容される側に、前方に所定長さだけ突出する仕切壁68b(図16参照)が形成されており、装置本体50の後端が収容される領域と配線101が引き回される領域とを仕切るよう構成してある。
前記裏ユニット39の裏面には、前記箱状本体67に配設された前記図柄表示装置13の下方位置に、図16に示す如く、第1〜第3中継基板設置部110,111,112が左右方向に隣接して形成されている。そして、前記第1〜第3中継基板設置部110,111,112には、複数のコネクタ接続部が設けられた第1〜第3の中継基板113,114,115が配設されて、該第1〜第3の中継基板113,114,115に設けたコネクタ接続部に対して、前記可動演出装置40,41,42,43や発光装置74,76等の遊技部品に接続した配線が接続されると共に、前記統括制御装置79に接続した配線を第1〜第3の中継基板113,114,115にコネクタ接続するよう構成されている。図16において左側に位置する第1中継基板設置部110は、前記左球通路80の裏側に位置し、図16において右側に位置する第3中継基板設置部112は、前記右球通路81の裏側に位置し、図16において中央に位置する第2中継基板設置部111は、前記収容部68の裏側に位置している。そして、前記配線通孔109から裏ユニット39の裏側に引き出された前記配線101は、第2中継基板設置部111に配設された第2中継基板(中継基板)114にコネクタ接続されて、前記磁気センサ96が統括制御装置79に電気的に接続されるようになっている。そして、磁気センサ96が磁気を検出すると、検出信号が第2中継基板114を介して統括制御装置79に送られ、該統括制御装置79では、異常報知を行なうよう設定される。この異常報知としては、例えばパチンコ機10に設けられる全ての発光装置を消灯したり、スピーカ33により異常を音声により報知する等が挙げられる。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
前記遊技領域37に打ち出されたパチンコ球Bは、前記装飾枠部材54の主に左側の遊技領域37を、前記複数の遊技釘57によって不規則な流路を流下する。そして、遊技領域37を流下するパチンコ球Bが装飾枠部材54の前記球通路部56に通入すると、該パチンコ球Bは前記ステージ55に通出され、該ステージ55を左右に転動した後に遊技領域37に排出され、このパチンコ球Bは始動入賞装置46の上部始動入賞口46bや普通入賞口60a,60bに入賞可能となる。何れの入賞口46b,60a,60bにも入賞しなかったパチンコ球Bは、前記アウト口66から盤裏側に排出される。
前記球通路部56に通入しなかったパチンコ球Bは、前記左側の上下の誘導路58,59の傾斜上端部に至る。そして、上段誘導路58に導入されたパチンコ球Bは、前記始動入賞装置46の上部始動入賞口46bに向けて誘導され、該上部始動入賞口46bに入賞可能となる。また、下段誘導路59に導入されたパチンコ球Bは、始動入賞装置46の下部始動入賞口46cに向けて誘導される。なお、前記羽根部材49,49が閉鎖状態であれば、下部始動入賞口46cにはパチンコ球Bが入賞不能な状態であるので、下段誘導路59で誘導されたパチンコ球Bは遊技領域37を最下端まで流下して前記アウト口66から盤裏側に排出される。なお、前記上下の誘導路58,59には、複数の落下口58a,59aが形成されているから、該誘導路58,59で誘導される全てのパチンコ球Bが上下の始動入賞口46b,46cまで誘導されるものではなく、一部のパチンコ球Bは誘導途中で落下口58a,59aから路外に落下する。但し、上段誘導路58の落下口58aから落下したパチンコ球Bは、下段誘導路59で始動入賞装置46の下部始動入賞口46cに向けて誘導される可能性はある。
前記下段誘導路59の落下口59aから落下したパチンコ球Bは、遊技釘57によって不規則に方向を変えつつ流下し、前記複数の普通入賞口60a,60bに入賞可能となる。また、普通入賞口60a,60bに入賞しなかったパチンコ球Bは、前記アウト口66から盤裏側に排出される。
前記左側の遊技領域37を流下するパチンコ球Bが前記球通過ゲート21を通過すると、前記普通図柄入球検出手段の球検出に基づいて前記普通図柄表示装置による抽選が行なわれる。そして、抽選の結果、当りとなった場合は、前記始動入賞装置46の羽根部材49,49が開放されて、下部始動入賞口46cへの入賞確率が高まる。始動入賞装置46の上部または下部の始動入賞口46b,46cにパチンコ球Bが入賞すると、前記主制御装置32の制御信号に基づいて、前記図柄表示装置13の図柄が変動開始され、所要の図柄組合わせゲームが展開される。そして、前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置13に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに、前記特別入賞装置47の開閉扉52が閉状態から開状態に作動することで特別入賞口47bを開放して所謂大当りが発生し、多数の賞球の獲得が可能となる。
(磁気センサに関する作用について)
前述したように、前記図柄表示装置13による図柄変動ゲームを開始させる契機となる始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cは、不正行為を意図している不正遊技者が磁石を用いた不正行為で狙われ易い部位である。この不正行為としては、前記ガラス板14aに近づけた磁石でパチンコ球Bを吸着して、上部始動入賞口46bや開放状態となった下部始動入賞口46cに直にパチンコ球Bを入賞させる行為や、前記上下の誘導路58,59の落下口58a,59aの下側に磁石でパチンコ球Bを集めてわざと詰まらせる行為が挙げられる。
この場合に、前記板部材38の裏側における前記始動入賞装置46を挟む両側に、図7に示す如く、前記磁気センサ96,96が配設され、しかも各磁気センサ96,96は、磁気検出可能範囲が、始動入賞装置46の上下の始動入賞口46b,46cおよび対応する側の上下の誘導路58,59の落下口58a,59aに及ぶ位置に臨むように配置されている。従って、上下の始動入賞口46b,46cの前側に臨むガラス板14aおよび上下の落下口58a,59aの下側に臨むガラス板14aに磁石が近づけられたときには、該磁石の磁力を磁気センサ96,96で検出して不正行為が行なわれていることを発見することができる。そして、磁気センサ96,96が磁気を検出した場合は、前記統括制御装置79の制御下に異常報知が行なわれ、不正行為を防ぐことができる。
ここで、前記始動入賞口46b,46cに直にパチンコ球Bを入賞させる不正行為や、前記誘導路58,59の落下口58a,59aをパチンコ球Bで塞ぐ不正行為がなされた場合は、始動入賞口46b,46cへの入賞確率が異常に上昇するため、遊技店では不正行為を容易に知ることができる。このため、不正遊技者は、磁石を用いて前記普通入賞口60a,60bに直にパチンコ球Bを入賞させることで、賞球を不正に稼ぐ行為を行なう場合がある。しかるに、前記磁気センサ96,96の磁気検出可能範囲は、普通入賞口60a,60bにも及ぶように設定されているから、該普通入賞口60a,60bに直にパチンコ球Bを不正入賞させるためにガラス板14aに近づけた磁石の磁気も、該磁気センサ96,96で検出することができる。すなわち、実施例の磁気センサ96,96では、始動入賞装置46へのパチンコ球Bの誘導確率を不正に上げるための行為および普通入賞口60a,60bへ直にパチンコ球Bを不正入賞させる行為の何れをも検出することができる。また、実施例の磁気センサ96,96の磁気検出可能範囲は、特別入賞装置47の特別入賞口47bにも及ぶように設定されているから、「大当り」の発生時において特別入賞口47bが開放された際に、パチンコ球Bを磁石を用いて不正入賞させる行為も検出することができる。
前記各磁気センサ96は、前述したようにリード片100の延在方向が前記板部材38の裏面と平行で、かつリード片100の延在方向が左右方向に沿う姿勢で配置されるから、1つの磁気センサ96により磁気を検出し得る範囲は広く、複数の磁気センサを用いることなく始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cおよび誘導路58,59の落下口58a,59aに及ぶ広範囲での磁石による不正行為を検出することが可能となり、コストを低廉に抑えることができる。また、図14または図15に示す如く、前記板部材38の裏面に対向して磁気センサ96を裏ユニット39に配設することで、磁気センサ96と板部材38の前面との離間距離は短かくなるから、検出感度の低い磁気センサ96を使用することが可能となり、コストを低減することができる。しかも、磁気センサ96のセンサ設置部93,94を裏ユニット39に設け、かつ磁気センサ96の姿勢を長手方向(リード片100の延在方向)が左右方向に沿うようにしているから、遊技盤36の後方に磁気センサ96が突出することはなく、磁気センサ96が他の部材の取付けの障害となることはない。
前記センサ設置部93,94に対して磁気センサ96は、リード片100の延在方向に離間する2つのセンサ位置決め部95,95で位置決めされると共に、リード片100の延在方向に沿う支持片98で裏面が支持され、かつ裏ユニット39に配設される可動演出装置42,43のケース体72と球通路80,81の壁部86により上下方向から挟持されるので、当該磁気センサ96は適正な姿勢に保持される。すなわち、センサ設置部93,94に取付けられた磁気センサ96は、板部材38の裏面に対して上下、左右および前後方向が適正な位置に保持され、該磁気センサ96の全長に亘って均一な精度で不正行為を検出することができる。また、磁気センサ96を支持するケース体72や壁部86は、他の機能を有する部材であるから、磁気センサ96を支持するための専用の部材を裏ユニット39に成形する場合に比べて該裏ユニット39の構成を簡略化することができ、金型費等の製造コストを低く抑えることができる。
前記磁気センサ96は、センサケース97に収容された状態でセンサ設置部93,94に配設されるから、該磁気センサ96を確実に保護することができる。また、センサケース97に収容した磁気センサ96を保持するフック104,104は、磁気センサ96の裏面に係合するよう構成してあるから、磁気センサ96の前面と板部材38の裏面との離間距離がフック104,104により大きくなることはなく(図14,図15参照)、磁気センサ96を保護しつつ検出感度の低下を抑えることができる。更に、センサ設置部93,94に配設したセンサケース97の前面は、裏ユニット39を板部材38の裏面に取付けた際に該板部材38の裏面に当接するよう設定してあるので、磁気センサ96を保護しつつ板部材38にできる限り近接させることができ、磁気センサ96の検出感度の低下を最小限に抑え得る。
前記センサ設置部93,94に対し、磁気センサ96は、図12,図13または図16に示す如く、該磁気センサ96に配線101が接続する長手方向の端部(配線101を接続するためのソケットの接続口が向く側)を裏ユニット39の収容部68側に臨ませた姿勢で配設される。また、該配線101を裏ユニット39の裏側に引き出すための配線通孔109が、収容部68に収容される始動入賞装置46の装置本体50と球通路80,81の壁部86との間に臨む該収容部68の後壁68aに形成したから、磁気センサ96と裏ユニット39の裏側に配設された第2中継基板114とを接続する配線101の長さを短かくすることができ、配線処理が容易となる。しかも、収容部68に収容される始動入賞装置46の装置本体50と配線通孔109との間に仕切壁68bを形成してあるから、裏ユニット39を板部材38の裏側に取付ける際に、該収容部68に収容される装置本体50と配線101とが干渉するのを仕切壁68bで防止でき、取付けが容易になると共に配線101が磁気センサ96から外れるのも防ぐことができる。
(普通入賞センサのチャタリング防止について)
前記上側の普通入賞口60aに入賞したパチンコ球Bは、前記第1傾斜通路82を流下し、前記第1縦通路84に通入して落下する過程で、前記第1普通入賞センサ88の通孔88aを通過し、該第1普通入賞センサ88がパチンコ球Bを検出する。この第1普通入賞センサ88によるパチンコ球Bの検出信号に基づき、前記主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、前記球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。そして、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bは、図17に示す如く、前記傾斜面91に当って前記第2傾斜通路83に向けて案内され、該第2傾斜通路83を流下して前記第2縦通路85に通入し、球排出口87から排出される。また、前記下側の普通入賞口60bに入賞したパチンコ球Bは、第2縦通路85に通入して落下する過程で、前記第2普通入賞センサ89の通孔89aを通過し、該第2普通入賞センサ89がパチンコ球Bを検出する。この場合も、前記球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。なお、主制御装置32では、第1普通入賞センサ88によるパチンコ球Bの検出信号に続いて第2普通入賞センサ89によるパチンコ球Bの検出信号が入力された場合は、上側の普通入賞口60aにパチンコ球Bが入賞したものと判断し、第2普通入賞センサ89によるパチンコ球Bの検出信号のみが入力された場合は、下側の普通入賞口60bにパチンコ球Bが入賞したものと判断するよう構成される。
前記第1縦通路84から落下するパチンコ球Bは、図18に示す如く、該パチンコ球Bにおける落下中心線Cより第2傾斜通路83と反対側の外周下側が傾斜面91に接触するよう該傾斜面91の位置が設定されているから、傾斜面91に当ったパチンコ球Bは真上に跳ね返ることなく第2傾斜通路83に向かうように移動方向が確実に変更される。すなわち、パチンコ球Bの傾斜面91からの跳ね返りによる第1普通入賞センサ88のチャタリング発生を防止し得る。また傾斜面91は、第2傾斜通路83の傾斜角度より大きい角度で傾斜しているから、該傾斜面91に落下したパチンコ球Bは速やかに第2傾斜通路83に向けて移動し、屈曲部90にパチンコ球Bが滞留することはない。従って、上側の普通入賞口60aに短時間で複数のパチンコ球Bが入賞した場合であっても、第1縦通路84から落下した先行するパチンコ球Bに後続のパチンコ球Bが当って跳ね返ることはなく、第1普通入賞センサ88のチャタリング発生を防止し得る。
更に、図18に示す如く、前記傾斜面91に当ったパチンコ球Bの傾斜面91との接点Pとパチンコ球Bの中心Oを通る跳出線Lが、前記屈曲部90の上角部90aより第2傾斜通路83側を通るように傾斜面91の角度および位置を設定したから、該跳出線Lに沿う方向にパチンコ球Bが跳ね返ったとしても、該パチンコ球Bは上角部90aに対して中心Oより上側の部分が当たり、該パチンコ球Bが第1縦通路84側に戻るのは確実に阻止される。従って、第1普通入賞センサ88のチャタリング発生を確実に防止し得る。
ここで、前記第1縦通路84から落下するパチンコ球Bを第2傾斜通路83に速やかに移動させるには、該第2傾斜通路83自体の水平面に対して第1縦通路84側から第2縦通路85側へ下方傾斜する角度を大きくして第1縦通路84に接続することでも対応可能である。しかるに、位置が決まっている第2縦通路85に接続する第2傾斜通路83の傾斜角度を大きくするためには、上下方向に大きな領域が必要となるが、普通入賞口60a,60bに入賞したパチンコ球Bを機外に排出するための球通路80,81が形成される裏ユニット39の下部側において、該球通路80,81を形成し得る領域の上下寸法は小さく、パチンコ球Bの確実かつ速やかな移動を達成するのに必要な傾斜角度で第2傾斜通路83を形成することは困難である。これに対し、実施例では、第1縦通路84と第2傾斜通路83とが接続される屈曲部90に、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bを確実かつ速やかに第2傾斜通路83に向けて移動させる傾斜面91を形成することで、第2傾斜通路83の傾斜角度を小さくすることができ、上下寸法が制限されている裏ユニット39の下部側において複数の普通入賞口60a,60bを集合するために屈曲する複数の通路を収めることができる。しかも、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bを傾斜面91によって第2傾斜通路83に速やかに移動させ得るから、第2傾斜通路83の傾斜角度を小さくしてもパチンコ球Bのスムーズな流下を確保し得る。
前記左右の発光装置74,76を発光することで、遊技者が注目する前記普通入賞口60a,60bの下側に設けられている発光用装飾部品63,65を発光装飾することができ、遊技の興趣を高めることができる。そして、普通入賞口60a,60bの下側を発光装飾する発光装置74,76を裏ユニット39に配設した構成において、該発光装置74,76と干渉しないように前記球通路80,81を複雑な形状で形成する場合においても、前記第1縦通路84と第2傾斜通路83とが接続される屈曲部90に、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bを確実かつ速やかに第2傾斜通路83に向けて移動させる傾斜面91を形成することで、前記第1普通入賞センサ88のチャタリング発生を抑制し得る。
(別実施例)
図22および図23は、第1縦通路84と第2傾斜通路83とがなす屈曲部90の下隅部に形成される案内部の別実施例を示すものであって、実施例と異なる部分についてのみ説明し、同一部分には同じ符号を付すものとする。
図22に示す第1の別実施例に係る案内部としての傾斜面116は、その傾斜下端が、前記第1縦通路84に配設される第1普通入賞センサ88の配設領域(図の一点線)より第2傾斜通路83側へ延出するように形成される。また、該傾斜面116の延出端部と第1縦通路84の下端との離間距離(傾斜面116と第1縦通路84の下端とにより画成される第2傾斜通路83の球入口の上下寸法)は、パチンコ球Bの直径より大きく設定されている。なお、第1の別実施例の傾斜面116においても、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bの中心Oを通る落下中心線Cより第2傾斜通路83と反対側の外周下側に接触する位置に該傾斜面116が設けてある。
第1の別実施例に係る傾斜面116によれば、前述した実施例の作用効果の他に、該傾斜面116は、第1縦通路84における第1普通入賞センサ88の配設領域を越えて第2傾斜通路83側へ延出しているから、該傾斜面116に接触したパチンコ球Bを第1普通入賞センサ88の配設領域外の位置まで確実に誘導して第2傾斜通路83に流入させ得る。また、傾斜面116の延出端部と第1縦通路84の下端との離間距離をパチンコ球Bの直径より大きく設定してあるから、該傾斜面116で誘導されるパチンコ球Bを第2傾斜通路83へ円滑に流入させ得る。
図23に示す第2の別実施例では、案内部として突部117が設けられる。この突部117は、第2傾斜通路83に向けて突出する端部が直角に形成されたものであって、該突出端部117aは、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bの中心Oを通る落下中心線Cより第2傾斜通路83と反対側の外周下側に接触する位置に設けられる。すなわち、第1縦通路84から落下するパチンコ球Bが突部117の突出端部117aに接触した際、該パチンコ球Bが上方に向けて跳ね返ることは殆どなく、第2傾斜通路83に向けて確実に移動方向が変更され、第1普通入賞センサ88のチャタリング発生を防止し得る。また、突部117の形成は容易であるから、簡単な構成でチャタリング発生を防止することができる。なお、突部117の突出端部は直角に限らず、弧状に形成されていてもよい。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 遊技盤を構成する板部材は、木製に限らず、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる透明板であってもよい。そして、板部材を透明板で構成した場合は、貫通口を設けることなく該透明板自体を透かして図柄表示装置の表示部を前側から視認可能とし得る。
(2) 実施例では、普通入賞口に入賞したパチンコ球を第1傾斜通路を介して第1縦通路に通入するよう構成したが、始動入賞口に入賞したパチンコ球が第1縦通路に直接通入する構成であってもよい。
(3) 実施例では、遊技領域に形成される誘導路の下側に2つの普通入賞口を設けたが、該普通入賞口は1つ、あるいは3つ以上であってもよい。
(4) 実施例では、普通入賞口の下側を発光演出する左右の発光装置の形状を異なる場合で説明したが、左右の発光装置を、何れも左発光装置または右発光装置と同一(左右対称)とする構成を採用し得る。
(5) 実施例では、始動入賞装置の始動入賞口を上下2段で形成したが、上または下の何れか1つであってもよく、その場合は誘導路も対応する位置に1つ形成されていればよい。
(6) 実施例では、磁気センサを、リード片の延在方向が左右方向に沿う姿勢(横向き姿勢)で配設したが、磁気検出可能範囲が始動入賞装置の始動入賞口および誘導路の落下口に及ぶものであれば、リード片の延在方向が上下方向に沿う姿勢(縦向き姿勢)で配設する構成を採用することができる。そして、磁気センサを縦向き姿勢で配設した場合は、上下方向のより広い範囲での不正行為を検出することが可能となる。
(7) 実施例では、磁気センサをリード片の延在方向と交差する方向から挟持する支持部として、裏ユニットに配設した可動演出装置のケース体と球通路の壁部とを用いる場合で説明したが、センサ設置部に磁気センサ自体または該磁気センサを収容したセンサケースを挟持する専用の支持部を設ける構成を採用し得る。
(8) 実施例では、磁気センサをセンサケースに収容した状態で裏ユニットのセンサ設置部に取付ける場合で説明したが、磁気センサに、センサ設置部に取付けるためのフランジ部や通孔等を設けて直に取付けるよう構成してもよい。この場合に、磁気センサは裏ユニットおよび板部材で覆われるから、センサケースを用いなくても該磁気センサの保護が図られる。また、磁気センサをセンサ設置部に取付けた際に、該磁気センサの前面が板部材の裏面に当接する位置に臨むように、センサ位置決め部が設けられていればよい。
(9) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
13 図柄表示装置
36 遊技盤
37 遊技領域
38 板部材
38a 貫通口(可視部)
39 裏ユニット
39a 開口部(可視部)
46 始動入賞装置(入賞装置)
46b 上部始動入賞口(入賞口)
46c 下部始動入賞口(入賞口)
50 装置本体(本体部)
54 装飾枠部材
54a 窓口
57 遊技釘
58 上段誘導路(誘導路)
58a 落下口
59 下段誘導路(誘導路)
59a 落下口
66 アウト口
68 収容部
72 ケース体(支持部)
86 壁部(支持部)
93 左センサ設置部(センサ設置部)
94 右センサ設置部(センサ設置部)
95 センサ位置決め部
95a ネジ孔
96 磁気センサ
97 センサケース
98 支持片
99 ケーシング
100 リード片
101 配線
102 収容凹部
103 側壁
104 フック
105a 通孔
106a 通孔
107 ネジ
109 配線通孔
114 第2中継基板(中継基板)
B パチンコ球(遊技球)

Claims (4)

  1. 前側に遊技領域が画成される板部材および該板部材の裏側に取付けられる裏ユニットを有する遊技盤と、前記板部材に設けられた装飾枠部材より下側の遊技領域に配設されて該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有し、板部材を貫通して後方に突出する本体部が前記裏ユニットに形成された収容部に収容される入賞装置と、前記装飾枠部材より下側の遊技領域で該入賞装置の側方に臨む前記板部材に植設され、該入賞装置の入賞口に向けて遊技球を誘導可能であると共にアウト口に向けて遊技球が落下可能な落下口を有する誘導路を形成する複数の遊技釘とを備える遊技機において、
    前記裏ユニットの前記収容部の側方に臨む位置に、前記板部材と対向してセンサ設置部が設けられ、
    前記センサ設置部に、一対のリード片をケーシング内に接離可能に対向配置して構成された磁気センサが、該リード片の延在方向を前記板部材の裏面に沿わせる姿勢で設置され、
    前記センサ設置部は、設置された前記磁気センサの磁気検出可能範囲が、前記入賞装置の入賞口および誘導路の落下口に及ぶ位置に設けられ
    前記裏ユニットにおけるセンサ設置部の裏側に中継基板が配設されると共に、前記収容部における該収容部に収容される入賞装置の本体部とセンサ設置部との間に臨む位置に前後方向に貫通する配線通孔が形成され、前記磁気センサにおける収容部側の端部に接続する配線が前記通孔を介して裏ユニットの裏側に引き出されて前記中継基板に接続される
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前側に遊技領域が画成される板部材および該板部材の裏側に取付けられる裏ユニットを有する遊技盤と、前記板部材に設けられた装飾枠部材より下側の遊技領域に配設されて該遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を有し、板部材を貫通して後方に突出する本体部が前記裏ユニットに形成された収容部に収容される入賞装置と、前記装飾枠部材より下側の遊技領域で該入賞装置の側方に臨む前記板部材に植設され、該入賞装置の入賞口に向けて遊技球を誘導可能であると共にアウト口に向けて遊技球が落下可能な落下口を有する誘導路を形成する複数の遊技釘とを備える遊技機において、
    前記裏ユニットの前記収容部の側方に臨む位置に、前記板部材と対向してセンサ設置部が設けられ、
    前記センサ設置部に、一対のリード片をケーシング内に接離可能に対向配置して構成された磁気センサが、該リード片の延在方向を前記板部材の裏面に沿わせる姿勢で設置され、
    前記センサ設置部は、設置された前記磁気センサの磁気検出可能範囲が、前記入賞装置の入賞口および誘導路の落下口に及ぶ位置に設けられ、
    前記磁気センサは、センサケースに設けられた後方に開放する収容凹部に後側から収容されると共に、該センサケースの側壁に設けたフックに磁気センサの裏面が係脱自在に係合することでセンサケースに収容保持され、該センサケースに形成した通孔に挿通したネジを、前記センサ位置決め部に形成したネジ孔に螺挿することで、当該センサケースを介して磁気センサがセンサ設置部に位置決め固定され、この固定状態においてセンサケースの前面が前記裏ユニットにおける前記板部材の裏面に当接する面と同一位置に臨むよう設定されている
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 前記裏ユニットのセンサ設置部には、前記磁気センサにおけるリード片の延在方向に離間し、該磁気センサをリード片の延在方向が前記板部材の裏面と平行となるように位置決めする一対のセンサ位置決め部と、両センサ位置決め部の間において磁気センサにおけるリード片の延在方向に延在し、両センサ位置決め部で位置決めされた磁気センサの裏面を支持する支持片と、両センサ位置決め部で位置決めされた磁気センサをリード片の延在方向と交差する方向の両側から挟持する一対の支持部とが設けられている請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記裏ユニットの裏側に、図柄を変動表示可能な表示部を前記遊技盤に設けた可視部および前記装飾枠部材の窓口を介して前側から視認可能に臨ませて図柄表示装置が配設され、前記板部材には、遊技球の入賞を契機として前記図柄表示装置による図柄変動の開始条件を付与する前記入賞装置としての始動入賞装置が前記装飾枠部材の下方位置に配設されると共に、該始動入賞装置の左右両側に該入賞装置の始動入賞口に向けて遊技球を誘導可能な前記誘導路が複数の遊技釘によって形成され、
    前記裏ユニットには、前記収容部を挟む左右両側に、前記磁気センサがリード片の延在方向を左右方向に沿わせた姿勢で設置される前記センサ設置部が夫々設けられる請求項1〜の何れか一項に記載の遊技機。
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