次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤18(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤18の後側に、図柄を変動表示可能な表示装置17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤18を透視可能に保護する透明部材13aを窓部に備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記表示装置17は、後述する始動入賞口28a,33aへのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部17aに変動表示させる図柄変動演出を行うよう構成される。また表示装置17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出を表示部17aに表示し得るようになっている。実施例では、前記表示装置17として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
前記前枠13には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤18に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤18に形成された第1流下経路21a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤18に形成された第2流下経路21b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。
(遊技盤18について)
前記遊技盤18は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材であって、該遊技盤18の裏側に、光透過性の合成樹脂材により前方へ開口した箱状に形成されて、前記表示装置17や各種の可動演出装置60や発光演出装置61等が配設される設置部材19が配設されている。遊技盤18および設置部材19は、正面視における外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、遊技盤18の後面に設置部材19を取着した状態で、設置部材19が遊技盤18の後面を全面的に覆うよう構成されている。なお、遊技盤18は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
(レール部材23について)
前記遊技盤18の前面(盤面)には、図2,図3(a)に示す如く、略円形状に湾曲形成されたレール部材23が配設され、該レール部材23によって前面領域20が画成されている。この前面領域20は、後述する仕切部44によって、パチンコ球が流下可能な遊技領域21と、パチンコ球が流下不能な非遊技領域22とに仕切られている。なお、前記表示装置17は、設置部材19の裏側に取り付けられて、後述するように該設置部材19に設けた開口部19aおよび後述する枠状装飾体27に設けた窓口27aを介して遊技盤18の前側に臨むよう構成される。
前記レール部材23は、図2,図3(a)に示す如く、遊技盤18の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された第1レール24と、遊技盤18の右上部および右下部に至るように右方向に膨出する円弧状に形成された第2レール25と、遊技盤18の下部および左上部に至るように左方向に膨出する円弧状に形成された第3レール26とから構成されている。第2レール25は、第1レール24の右上端部に連接して遊技盤18の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材で構成される。また、第3レール26は、第2レール25の下端部に連接して遊技盤18の下部から左上部に亘って配設されて、前記第1レール24の右方(内側)に離間して位置しており、該第1レール24および第3レール26により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路23aが画成される。ここで、前記第1レール24の下端部は遊技盤18の下端に位置して、該第1レール24の下端部と第3レール26との間に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路23aに通入する下方開口23bが画成されている。また、第3レール26は、前記遊技盤18の左上部に開放端を臨ませて第1レール24との間に前記前面領域20における後述する遊技領域21に開口する打出し口23cを画成するよう構成される。すなわち、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、下方開口23bから発射通路23aに通入し、該発射通路23aを上方に飛翔して、第3レール26の開放端側の打出し口23cから遊技領域21内に打ち出されるようになっている。なお、第1レール24と第3レール26とで画成される下方開口23bは、図2に示す如く、遊技盤18の左右方向の中央より左方で、かつ第3レール26の最下部よりも左方へ偏倚している。
前記遊技盤18には、前後に貫通する装着口(図4に一部のみ図示)が前記レール部材23で画成される前記前面領域20内に複数開設されて、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられる。本実施例では、遊技盤18における前面領域20の下部位置に装着口を介して取り付けられる仕切りユニット43の仕切部44によって、該前面領域20が上側の遊技領域21と下側の非遊技領域22とに仕切られるよう構成されている。そこで、先ず遊技盤18の遊技領域21に取り付けられる各種の遊技部品について説明し、仕切りユニット43については後述する。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤18に対して取り付けられる各種の遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例の前記遊技盤18には、前記レール部材23で囲まれると共に仕切部44の上側に画成された遊技領域21の略中央の大部分が開口する第1装着口29aに、図2,図3(a))に示す如く、前後に開口する窓口27aが形成された枠状装飾体27が取り付けられ、該枠状装飾体27の窓口27aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤18の前側に臨むよう構成されている。また、遊技盤18における第1装着口29a(枠状装飾体27)の下方に開設された第2装着口29b(図4参照)に、遊技領域21(後述する第1流下経路21a,第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口28aを有する始動入賞部28が設けられた仕切りユニット43が取り付けられている。更に、遊技盤18には、第2装着口29bの左上方に開設された第3装着口に、遊技領域21(第1流下経路21a)を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口30aが設けられたサイド飾り30が取り付けられる。また、遊技盤18における第2装着口29bの右上方の第2流下経路21bに、上側から第4装着口、第5装着口、第6装着口および第7装着口が開設される。そして、第4装着口に、遊技領域21(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート31が取り付けられ、第5装着口に、遊技領域21(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口32aが設けられた普通入賞部品32が取り付けられ、第6装着口に、遊技領域21(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口33aを有する始動入賞装置33が取り付られ、第6装着口に、遊技領域21(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口34aを有する特別入賞装置34が取り付けられている。
図2,図3(a)に示すように、前記遊技盤18には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘35が設けられると共に、前記枠状装飾体27の左側方に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材36が回転自在に配設されており、遊技釘35や回転案内部材36との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成される。また、前記遊技盤18には、前記枠状装飾体27の最下部を挟む両側の下縁に沿って、該枠状装飾体27の最下部の下方に位置する前記始動入賞部28の第1始動入賞口28aに向けて下方傾斜する直線状に連続して前記遊技釘35が設けられている。なお、以下の説明では、第1流下経路21aを左側から第1始動入賞口28aへ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を第1案内連釘37と指称し、第2流下経路21bを右側から第1始動入賞口28aへ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群を第2案内連釘38と指称するものとする。また、前記各案内連釘37,38を構成する遊技釘35は、適宜位置でパチンコ球が通過可能な隙間37a,38aが空くよう設けられており、該案内連釘37,38上を移動するパチンコ球が前記普通入賞口30aや後述するアウト口52,53側へ流下し得るようになっている。更に、本実施例では、第1案内連釘37の下方に、該第1案内連釘37との間にパチンコ球が移動可能な間隔で離間して左側から右側へ向けて下方傾斜する直線状に連続した遊技釘群が設けられており、該遊技釘群を第3案内連釘39と指称する。また、この第3案内連釘39においても、パチンコ球が通過可能な隙間39aが空くよう設けられている。
(枠状装飾体27について)
前記枠状装飾体27は、前記第1装着口29aの内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤18の前面より前方に突出し、前記遊技領域21と表示装置17の表示部17aを区切る庇状部27bと、該庇状部2bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部27cとを備える(図3(a)参照)。そして、前記枠状基部を第1装着口29aに挿入すると共に台板部27cを遊技盤18の前面に当接した状態で、該台板部27cをネジ等の固定手段で遊技盤18に固定することで、枠状装飾体27が遊技盤18に取り付けられて、該枠状装飾体27の外側、具体的には庇状部27bとレール部材23および仕切部44との間にパチンコ球が流下する遊技領域21(第1および第2流下経路21a,21b)が画成されるようになっている。なお、枠状装飾体27を遊技盤18に取り付けた状態で、庇状部27bの後端縁から外方に延出する台板部27cが遊技盤18の前面に沿って延在して、該台板部27cの前側をパチンコ球が通り得るようになっている。
前記枠状装飾体27の庇状部27bは、枠状装飾体27(台板部27c)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇状部27bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部27b上で滞ることなく枠状装飾体27の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体27の外側に画成される遊技領域21は、図2,図3(a)に示す如く、該枠状装飾体27の左側方をパチンコ球が流下する第1流下経路21aおよび枠状装飾体27の右側方をパチンコ球が流下する第2流下経路21bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域21内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて枠状装飾体27および第1レール24、第3レール26の間に形成される第1流下経路21aか、或いは枠状装飾体27および第2レール25の間に形成される第2流下経路21bの何れかを流下するよう構成される。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ちの場合)に、パチンコ球が第2流下経路21bを流下する場合に較べて始動入賞部28の第1始動入賞口28aにパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1流下経路21aを流下する場合に較べて特別入賞装置34の特別入賞口34aや始動入賞装置33の第2始動入賞口33aへパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
前記枠状装飾体27には、図2,図3(a)に示す如く、窓口27aの下側(枠状装飾体27の内周下縁部)に、ステージ40が配設されると共に、窓口27aの左側に、前記第1流下経路21a(遊技領域21)に開口して該第1流下経路21aを流下するパチンコ球を枠状装飾体27の内側(ステージ40)に取り込む球導入部41が設けられ、該球導入部41がステージ40に連通するよう構成される。そして、球導入部41からステージ40に通出されたパチンコ球は、ステージ40上を左右に転動した後に、前記各入賞口30a,28aが設けられている遊技領域21に排出される。
前記枠状装飾体27には、図4に示す如く、前記ステージ40における球転動面40aの後端縁から立上がる後壁40bに開口して該球転動面40aからパチンコ球が通入可能な球入口42aおよびステージ40の下側で前側に開口してパチンコ球を遊技領域21に排出可能な球出口42bを連通する球通路42が設けられている。前記球出口42bは、図2に示す如く、前記第1始動入賞口28aの鉛直上方に位置しており、該球出口42bから放出されるパチンコ球は、第1始動入賞口28aに入賞し易くなっている。
(始動入賞装置33について)
前記始動入賞装置33の第2始動入賞口33aは、開閉部材33bによって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド(図示せず)の駆動に伴って開閉部材33bが第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、第2始動入賞口33aは、始動入賞ソレノイドを駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成される。なお、開閉部材33bを閉鎖位置から開放位置に変位して第2始動入賞口33aを開放する開放条件および開閉部材33bを開放位置から閉鎖位置に変位して第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖条件としては、開閉部材33bが開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口33aの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。
前記始動入賞装置33は、前記第2始動入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサ(図示せず)を備えている。第2始動入賞検出センサは、前記設置部材19の裏面に配設された図示しない制御手段に配線接続されており、該第2始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
(特別入賞装置34について)
前記特別入賞装置34の特別入賞口34aは、開閉体(開閉部材)34bによって開閉されるよう構成される。開閉体34bは、駆動手段としての特別入賞ソレノイド(図示せず)に連繋されて、該特別入賞ソレノイドを駆動することで、開閉体34bが特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置と該特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を許容する開位置との間を移動するよう構成される。また特別入賞装置34には、前記特別入賞口34aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出センサ34c(図3(a)参照)が配設されている。特別入賞検出センサ34cは、前記制御手段に配線接続されており、特別入賞検出センサ34cがパチンコ球を検出すると、検出信号を制御手段に出力し、制御手段の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、特別入賞装置34は、開閉体34bにより特別入賞口34aを常には入賞不能状態とするよう構成され、後述する大当り遊技(当り遊技)の発生に伴って特別入賞口34aを入賞可能状態とするよう構成されている。
(球通過ゲート31について)
前記球通過ゲート31には、該ゲート31を通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサ31a(図3(a)参照)が設けられている。この球通過検出センサ31aは、前記制御手段に配線接続されており、該球通過検出センサ31aから制御手段への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置33の始動入賞ソレノイドが駆動制御されて開閉部材33bが開閉動作するようになっている。なお、球通過ゲート31は、図2,図3(a)に示す如く、第2流下経路21bにおいて始動入賞装置33の第2始動入賞口33aより上流側(上側)に位置している。
(普通入賞口30a,32aについて)
前記サイド飾り30には、図2に示す如く、前記第3案内連釘39の配設位置より下側に、遊技盤18の盤面より前方に突出する2つの普通入賞部30bが設けられており、各普通入賞部30bに上方に開口する普通入賞口30aが夫々設けられている。これに対し、前記普通入賞部品32には、前記球通過ゲート31の下方に1つの普通入賞口32aが設けられている。パチンコ機10では、各普通入賞口30a,32aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出センサ(図示せず)が前記制御手段に配線接続されており、該入賞検出センサがパチンコ球を検出すると、検出信号を制御手段に出力し、制御手段の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。
(仕切りユニット43について)
実施例の前記遊技盤18には、前記レール部材23で囲まれた前面領域20における最下部より上方で開口する前記第2装着口29bに、該前面領域20を上下に仕切る仕切部44を備えた仕切りユニット43が着脱自在に取り付けられている。この仕切りユニット43は、図5,図6,図7に示す如く、合成樹脂材により形成された平板状の基体45と、該基体45の前面に設けられて前方に突出する仕切部44と、基体45における仕切部44の上側に設けられた始動入賞部28と、該基体45における仕切部44の下側に設けられた装飾部材46,47,48とを備えている。基体45の裏面には、第2装着口29bの内側に沿って延在する装着壁49が後方に突出して設けられ、該装着壁49を第2装着口29bに挿入すると共に基体45を遊技盤18の前面に当接した状態で、該基体45をネジ等の固定手段で遊技盤18に固定することで、仕切りユニット43が遊技盤18に取り付けられる。なお、基体45は光透過性に構成されて、後述する発光演出装置61から照射される光によって明輝し得るになっている。また、実施例では基体45に仕切部44を一体で形成しているが、該仕切部44を別体で形成して基体45にネジ止め固定するようにしてもよい。
(仕切部44について)
前記仕切部44は、前記基体45の前面から前方に突出して左右方向に延在するように設けられ、前記仕切りユニット43を遊技盤18に取り付けた状態で、該仕切部44は前記前面領域20の最下部を挟んで左右両側に延在すると共に、該仕切部44の左右の各端部が、図3(a)に示す如く、前記レール部材23(第2レール25および第3レール26)の内周面に近接するよう構成される。また、図4に示す如く、仕切部44の前端部から前記前枠13の透明部材13aまでの離間寸法は、パチンコ球の直径よりも小さくなるよう構成されており、該仕切部44の前側を通ってパチンコ球が非遊技領域22内に入り込まないように構成される。すなわち、前記レール部材23により画成される前記前面領域20は、仕切部44によりパチンコ球が相互に移動し得ない上側の遊技領域21と下側の非遊技領域22とに仕切られている。仕切部44で仕切られた遊技領域21には、前述したように該遊技領域21の上部に前記打出し口23cが開口しており、該打出し口23cから遊技領域21に打ち込まれたパチンコ球が、該遊技領域21を流下するよう構成される。これに対し、非遊技領域22は、仕切部44によって遊技領域21からパチンコ球が流下し得ないように仕切られており、該非遊技領域22は打球発射装置から発射されたパチンコ球が流下しない領域となっている。
次に、前記仕切部44のより具体的な構成を説明する。該仕切部44は、図3,図5に示す如く、前記始動入賞部28の入賞部28a,54(後述)を挟んで左側に位置して左右方向に延在する第1仕切部50および右側に位置して左右方向に延在する第2仕切部51とから構成される。第1仕切部50および第2仕切部51は、略一様な厚みの板状に形成されて、上下方向に大きな幅をとらないようになっている。第1仕切部50の左端部が前記第3レール26の内面に近接すると共に、第2仕切部51の右端部が前記第2レール25の内面に近接されており、両仕切部50,51の上面をパチンコ球が左右方向に移動可能に構成される。すなわち、仕切部50,51(仕切部44)の上面が、パチンコ球が左右方向に移動可能な球転動面となっている。なお、第1仕切部50の左端部と第3レール26の内面との関係および第2仕切部51の右端部と第2レール25の内面との関係は、パチンコ球が通過しないようになっていればよく、仕切部50,51の端部がレール26,25の内面に隙間なく当接する状態およびパチンコ球が通過不能な隙間を開けて近接する状態の何れであってもよい。
前記第1仕切部50の上面は、図5,図6に示す如く、前記仕切部44の最上部(入賞部28a,54)から左側に向かうにつれて下方変位する第1球転動面50aと、該第1仕切部50の第3レール26に近接する左端から右側に向かうにつれて下方変位する第1端部球転動面50bと、第1球転動面50aおよび第1端部球転動面50bの間に位置して後方に向けて下方傾斜する第1排出案内面50cとから構成される。そして、前記基体45における仕切部44から上側に延出する上基部45aに、第1排出案内面50cと対応する位置で前後方向に貫通してパチンコ球を機裏側に排出可能な第1アウト口52が設けられている。すなわち、第1仕切部50における第1球転動面50aおよび第1端部球転動面50bの最下部位置に対応して第1アウト口52が開口し、第1球転動面50aおよび第1端部球転動面50bに載ったパチンコ球を第1アウト口52に案内して機裏側に排出し得るよう構成される。また、第1仕切部50は、図3(a)に示す如く、前記第1流下経路21aの下縁を構成しており、該第1アウト口52は第1流下経路21aの最下部に位置して、第1流下経路21aを流下して前記入賞口28a,30aに入賞しなかったパチンコ球を第1アウト口52から機裏側に排出し得るようになっている。実施例では、第3レール26に近接する第1仕切部50(仕切部44)の左端部に近接して第1アウト口52が位置するよう構成されており、前記ステージ40から遊技領域21に排出されて第1始動入賞口28aに入賞しなかったパチンコ球を、遊技盤18の中央側から左端側に移動して第1アウト口52から機裏側に排出するようにしている。また第1アウト口52は、前記サイド飾り30に設けられて右端部側に位置する普通入賞部30bと、該普通入賞部30bの右側に離間して位置する後述する緩衝部材57との間の下方に位置している。
前記第1球転動面50aは、図3(a)に示す如く、左側に向かうにつれて下方傾斜する角度が異なる複数の転動面を接続して全体として左下方傾斜するように形成されており、傾斜角度が急な部分と緩やかな部分を設けることで、該第1球転動面50a上をパチンコ球が移動する様子に変化を与えて興趣を向上し得るようにしてある。また、第1仕切部50には、前記第1端部球転動面50bの左端部から第3レール26の内面に沿って上方に延出する第1延出部50dが設けられており、第3レール26の内面に沿って流下してくるパチンコ球を該第1延出部50dによって第1アウト口52に速やかに案内し得るよう構成されている。
前記第2仕切部51の上面は、図5,図6に示す如く、前記仕切部44の最上部(入賞部28a,54)から右側に向かうにつれて下方変位する第2球転動面51aと、該第2仕切部51の第2レール25に近接する右端から左側に向かうにつれて下方変位する第2端部球転動面51bと、第2球転動面51aおよび第2端部球転動面51bの間に位置して後方に向けて下方傾斜する第2排出案内面51cとから構成される。そして、前記上基部45aに、第2排出案内面51cと対向する位置で前後方向に貫通してパチンコ球を機裏側に排出可能な第2アウト口53が設けられている。すなわち、第2仕切部51における第2球転動面51aおよび第2端部球転動面51bの最下部位置に対応して第2アウト口53が開口し、第2球転動面51aおよび第2端部球転動面51bに載ったパチンコ球を第2アウト口53に案内して機裏側に排出し得るよう構成される。また、第2仕切部51は、図3(a)に示す如く、前記第2流下経路21bの下縁を構成しており、該第2アウト口53は第2流下経路21bの最下部に位置して、第2流下経路21bを流下して前記入賞口32a,33a,34aに入賞しなかったパチンコ球を第2アウト口53から機裏側に排出するようになっている。実施例では、前記第2レール25に近接する第2仕切部51(仕切部44)の右端部に近接して第2アウト口53が位置するよう構成されており、前記ステージ40から遊技領域21に排出されて第1始動入賞口28aに入賞しなかったパチンコ球を、遊技盤18の中央側から右端側に移動して第2アウト口53から機裏側に排出するようにしている。また第2アウト口53は、前記特別入賞装置34(開閉体34b)の下方に位置している(図2参照)。
前記第2球転動面51aは、図3(a)に示す如く、右側に向かうにつれて下方傾斜する角度が異なる複数の転動面を接続して全体として右下方傾斜するように形成されており、傾斜角度が急な部分と緩やかな部分を設けることで、該第2球転動面51a上をパチンコ球が移動する様子に変化を与えて興趣を向上し得るようにしてある。また、第2仕切部51には、前記第2端部球転動面51bの右端部から第2レール25の内面に沿って上方に延出する第2延出部51dが設けられており、第2レール25の内面に沿って流下してくるパチンコ球を該第2延出部51dによって第2アウト口53に速やかに案内し得るよう構成されている。
(始動入賞部28について)
前記上基部45aには、前記仕切部44の最上部に対応して前記始動入賞部28が設けられている。この始動入賞部28は、上基部45aの前方および後方に延在する樋状の球通路部54と、該球通路部54における上基部45aから前方に延出する前樋部54aに取り付けられて、該球通路部54の前端を塞ぐと共に上方に向けて第1始動入賞口(入賞口)28aを開口するように形成する前飾り部材55と、第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球を検出する第1始動入賞検出センサ(球検出センサ)56とを備える。始動入賞部28の第1始動入賞口28aは、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、該第1始動入賞口28aは、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成される。また第1始動入賞検出センサ56は、前記制御手段に配線接続されており、該第1始動入賞検出センサ56によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口28aへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。実施例では、始動入賞部28の球通路部54および第1始動入賞口28aから入賞部が構成される。
前記球通路部54は、前記前樋部54aおよび上基部45aから後方に延出する後樋部54bから構成され、第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球を機裏側に通出する通路を画成している。この球通路部54にける両樋部54a,54bの上縁部に、前記第1始動入賞検出センサ56が着脱自在に取り付けられるセンサ取着部54cが設けられている。第1始動入賞検出センサ56は、パチンコ球が通過可能な球通過口(球通過検出部)80を備えた後述する誘導式近接スイッチであって、図4に示す如く、センサ取着部54cに第1始動入賞検出センサ56を取り付けた状態で、該球通過口80が遊技盤18の前面(盤面)より前方に位置するよう構成される。実施例では、第1始動入賞口28aの直下において球通過口80が上下方向に開口する姿勢で第1始動入賞検出センサ56が配置されており、第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球が該球通過口80を上方から下方へ通過することで、該第1始動入賞検出センサ56がパチンコ球を検出するよう構成される。
前記球通路部54の前樋部54aに取り付けられる前記前飾り部材55は、前記仕切部44の最上部、すなわち前記第1仕切部50の右端部と第2仕切部51の左端部との間に位置している。また、前飾り部材55の下端と仕切部44との間は、パチンコ球が通過不能に構成されており、該前飾り部材55が第1仕切部50(第1球転動面50a)と第2仕切部51(第2球転動面51a)との間でのパチンコ球の移動を規制するよう構成される。すなわち、実施例では、第1始動入賞口28aを画成する部材(前飾り部材55)が、第1球転動面50aと第2球転動面51aとの間でのパチンコ球の移動を規制する規制部として機能するよう構成してある。また、球通路部54における上基部45aから後方に延出する後樋部54bが、後述する発光演出装置61に設けられた入賞球排出部材68に連通接続されて、第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球を球通路部54を介して入賞球排出部材68に通出し得るよう構成される。
実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞部28の第1始動入賞口28aが、前記枠状装飾体27の下縁に近接している。すなわち、第1始動入賞口28aは、前記前面領域20における最下部を形成する第3レール25の最下部と枠状装飾体27との間において、枠状装飾体27側に偏って位置して、該第1始動入賞口28aが最上部に設けられる前記仕切部44と第3レール25の最下部との離間間隔を大きくして、前記非遊技領域22を広くし得るようになっている。また、第1始動入賞口28aは、図2に示す如く、遊技盤18の左右方向の中央から左方に偏って位置しており、第1始動入賞口28a(前飾り部材55)を挟んで左側に位置する第1仕切部50と右側に位置する第2仕切部51とを比較すると、第2仕切部51の左右方向の延在長さが、第1仕切部50の左右方向の延在長さより長くなるようにしてある。また、左右方向の延在長さが短い第1仕切部50の左端部側に位置する前記第1アウト口52の高さ位置より、左右方向の延在長さが長い第2仕切部51の右端部側に位置する前記第2アウト口53の高さ位置が低くなっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第1および第2始動入賞検出センサ56によるパチンコ球の検出(第1始動入賞口28aまたは第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出が実行され、該表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17の表示部17aに所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技(当り遊技)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞装置34の特別入賞口34aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。なお、前記特別入賞ソレノイドは、前記始動入賞部28または始動入賞装置33へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口34aを開放する大当り遊技(当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従って制御手段によって駆動制御される。また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態として特典遊技状態(変短状態)を付与する機能を備えている。この特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞契機が、当該特典遊技状態が付与されていない状態と較べて増加する入賞率向上状態である。そして、前述したように第2流下経路21bに、球通過ゲート31、始動入賞装置33および特別入賞装置34を配置した実施例の盤面構成では、大当り遊技および特典遊技状態が付与された場合に「右打ち」を実行することで、当該大当り遊技や特典遊技状態に係る特典を効率的に享受させ得るようになっている。
(緩衝部材57について)
前記上基部45aには、図5に示す如く、前記前飾り部材55を挟む左右両側に、前方に突出する緩衝部材57が設けられており、遊技領域21を流下するパチンコ球が該緩衝部材57と接触することでパチンコ球を減勢するよう構成される。実施例では、前飾り部材55の左側に2つの緩衝部材57が左右に離間して設けられると共に、前飾り部材55の右側に1つの緩衝部材57が設けられている。また、前飾り部材55の左側に設けられた各緩衝部材57は、図2,図3(a)に示す如く、前記第1案内連釘37に設けられた隙間37aの下方に位置すると共に、前飾り部材55の右側に設けられた緩衝部材57は、前記第2案内連釘38に設けられた隙間38aの下方に位置している。すなわち、各案内連釘37,38の隙間37a,38aから落下するパチンコ球が、前記仕切部50,51(球転動面50a,51a)上に直接衝突しないよう構成してある。なお、前飾り部材55の左側に設けられた2つの緩衝部材57,57の内、左側に位置する緩衝部材57は前記第3案内連釘39の右端の下方に位置して、該第3案内連釘39の右端から落下するパチンコ球が、仕切部50,51(球転動面50a,51a)上に直接衝突しないよう構成してある。緩衝部材57は、上基部45a(基体45)に一体成形されており、遊技釘等の別部材を用いることなくパチンコ球を減勢したり流下方向を変更可能に構成されている。
前記各緩衝部材57の上面は、前記前飾り部材55側に向けて下方傾斜するように形成されて、該緩衝部材57の上面に落下したパチンコ球を前記仕切部44の最上部側に案内し得るようになっている。ここで、前記第2案内連釘38は、前記ステージ40の球転動面40aからパチンコ球が遊技領域21に排出される可能性のある最も右側の領域より右側に延在しており、ステージ40から第2案内連釘38上に落下したパチンコ球は、該第2案内連釘38の隙間38aまたは左端から落下するようになっている。また、前記第2アウト口53は、第2案内連釘38より右方に位置しており、第2案内連釘38の隙間38aおよび左端から落下したパチンコ球が直接第2アウト口53に通入しないように構成されている。
(装飾部材46,47,48について)
前記基体45における仕切部44から下側に延出する下基部45bの前面には、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタと関連する意匠が施された複数の装飾部材46,47,48が配設されており、これらの装飾部材46,47,48は、前記前枠13の透明部材13aを介して前側から視認し得るよう構成される。すなわち、装飾部材46,47,48は、仕切部44で仕切られた前記非遊技領域22に位置して、これら装飾部材46,47,48にはパチンコ球が接触しないようになっている。
(第1装飾部材46について)
前記下基部45bに配設される第1装飾部材46は、図6,図7に示す如く、略矩形状の前面板46aと、該前面板46aの外周縁部から後方に突出する側壁46bとから後方に開口した箱状に形成された部材である。前面板46aは、前面に複数の意匠部が設けられると共に、光透過性で裏面にダイヤモンドカット等の凹凸による光拡散加工が施されており、後述する発光演出装置61の発光体65aから照射される光によって前面に設けられた意匠部が明輝するよう構成してある。
前記下基部45bの裏面には、前記第1装飾部材46と対応する位置に、不透明な材料から前後方向に開口する筒状に形成された区画部材58が配設されている。区画部材58には、筒状本体58aの内側に、複数の仕切板58bによって複数(実施例では5つ)の区画室58cが画成されており、該筒状本体58aの前端を下基部45bの裏面に当接した状態で、各区画室58cが、第1装飾部材46の前面板46aの前面に設けられた各意匠部に対応して位置するよう構成される。また各区画室58cには、前記発光演出装置61の発光体65aからの光が個別に照射されるよう構成されており、各区画室58cに対応する発光体65aを発光した際に、当該発光体65aの光が他の区画室58cに漏れるのを防止するよう構成される。これにより、任意の発光体65aを発光することで、第1装飾部材46の対応する意匠部のみを任意に明輝し得るようになっている。
ここで、前記区画部材58は、図6に示す如く、前記筒状本体58aの前端から各仕切板58bの前端が突出するよう構成されると共に、前記下基部45bには、各仕切板58bと対応する位置に前後方向に貫通する位置決め用長孔45cが形成されている。すなわち、仕切板58bを対応する位置決め用長孔45cに後側から挿通して筒状本体58aの前端を下基部45bの裏面に当接することで、前記各区画室58cが、第1装飾部材46の前面板46aの前面に設けられた各意匠部に対応するように位置めされるようになっている。
(第2装飾部材47について)
前記下基部45bには、前記第1装飾部材46を挟む両側に第2装飾部材47が夫々配設されている。図7に示す如く、各第2装飾部材47の裏面に磁気センサ設置部47aが設けられており、該磁気センサ設置部47aに磁気センサ59が配設されている。この磁気センサ59は、前記制御手段に配線接続されており、前記透明部材13aに近づけられた磁石の磁気を検出して、その検出信号を制御手段に入力するよう構成される。そして、制御手段は、磁気センサ59から入力された検出信号に基づいて、磁石による不正行為が行われていると判断し得るようになっている。図3(a)に示す如く、左側の第2装飾部材47に設けられた磁気センサ59は、前記複数の普通入賞口30aが設けられたサイド飾り30の下方に近接位置すると共に、右側の第2装飾部材47に設けられた磁気センサ59は、前記特別入賞装置34の下方に近接位置しており、磁石によってパチンコ球を普通入賞口30aや特別入賞口34aへ不正に入賞させる行為を磁気センサ59,59によって検出し得るようになっている。また、左側の第2装飾部材47は、前記第1アウト口52の前側において第1仕切部50(第1球転動面50a、第1端部球転動面50b、第1排出案内面50c)の前端から上方に突出して、該第2装飾部材47が第1アウト口52の一部に重なるよう構成されている。また、同様に右側の第2装飾部材47は、前記第2アウト口53の前側において第2仕切部51(第2球転動面51a、第2端部球転動面51b、第2排出案内面51c)の前端から上方に突出して、該第2装飾部材47が第2アウト口53の一部に重なるよう構成されている。実施例では、各アウト口52,53の高さ方向の略下半分が第2装飾部材47と重なり、アウト口52,53が目立たないようになっている。
(第3装飾部材48について)
前記下基部45bには、前記前飾り部材55の下方において仕切部44と第1装飾部材46との間に、第3装飾部材48が配設されている。なお、実施例では、第3装飾部材48は、第1装飾部材46を下基部45bに固定する共通のネジによって下基部45bに固定されている。また、下基部45bには、第3装飾部材48の配設位置に対応して前後方向に開口する通孔が形成されており、該開口の前側を第3装飾部材48で塞ぐことで、該第3装飾部材48の後側には、図4に示す如く、前記球通路部54と第1装飾部材46および区画部材58との間に、仕切りユニット43の裏側に開口する収容凹部101が画成されて、該収容凹部101に後述する発光演出装置61に設けられたセンサ設置部76の前設置部77が収容されるように構成される。なお、第3装飾部材48は不透明に構成されて、収容凹部101に収容された前設置部77(センサ設置部76)に設置されている後述する不正検出装置81が前側から視認し得ないようにしてある。
(設置部材19について)
前記設置部材19は、前記遊技盤18の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤18の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤18と設置部材19とがネジ止め固定される。そして、前記設置部材19において前記遊技盤18との間に画成される空間に、動作により演出を行う各種の可動演出装置60や発光演出装置61等が設置されて(図4参照)、設置部材19を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。前記設置部材19の背面板には、前記枠状装飾体27の窓口27aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部19aが前後に開口するよう開設される(図4参照)。そして、背面板の裏面に配設した前記表示装置17の表示部17aが、前記開口部19aおよび窓口27aを介して遊技盤18の前側に臨むようになっている。
(発光演出装置61について)
前記設置部材19に配設される発光演出装置61は、図8〜図11に示す如く、カバー部材62の後側にベース部材63を組み付けて構成される本体64の内部に、前面にLED等の複数の発光体65a,65bを実装した発光基板65が収容されて構成される。発光演出装置61は、前記遊技盤18の裏側に設置部材19を取り付けた状態で、図4に示す如く、前記仕切りユニット43の裏側に本体64が対向位置して、発光基板65に設けた発光体65a,65bを発光することで、仕切りユニット43を発光装飾し得るよう構成されている。また、カバー部材62の前面には、所要の意匠が施された光透過性の装飾シート66が取り付けられている。なお、遊技盤18と設置部材19とを組み付けた状態で、仕切りユニット43に設けた前記区画部材58における筒状本体58aおよび仕切板58bの後端が装飾シート66の前面に当接するよう構成される。
前記本体64(カバー部材62およびベース部材63)、発光基板65および装飾シート66には、前記仕切りユニット43における基体45に設けられた後方に延出する前記後樋部54bに対応する位置に、前後方向に貫通する樋用通孔67が形成されており、該樋用通孔67に後樋部54bの後端部が挿通されている。また、本体64の裏面に、ベース部材63の樋用通孔67に連通する入賞球排出部材68が配設されている。すなわち、前記第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球は、前記球通路部54を介して入賞球排出部材68に通出されて、該入賞球排出部材68内を流下して機外に排出されるよう構成される。なお、実施例では、ベース部材63に入賞球排出部材68を配設することで、両部材63,68の間に、第1始動入賞口28aに入賞したパチンコ球を流下させる排出路が画成される。また、入賞球排出部材68とベース部材63とで画成される排出路は、左右に蛇行するよう形成されて、該排出路を流下するパチンコ球を減勢し得るようになっている。
前記カバー部材62の裏面には、図10に示す如く、前記樋用通孔67を挟む左右両側に磁気センサ設置部62cが夫々設けられており、該磁気センサ設置部62cに磁気センサ102が配設されている。この磁気センサ102は、前記制御手段に配線接続されており、前記透明部材13aに近づけられた磁石の磁気を検出して、その検出信号を制御手段に入力するよう構成される。そして、制御手段は、磁気センサ102から入力された検出信号に基づいて、磁石による不正行為が行われていると判断し得るようになっている。カバー部材62に設けられた左右の磁気センサ102,102は、前記始動入賞部(第1始動入賞口28a)に近接位置しており、磁石によってパチンコ球を第1始動入賞口28aへ不正に入賞させる行為を磁気センサ102,102によって検出し得るようになっている。
図9に示す如く、前記カバー部材62における前記第1アウト口52と対応する位置に前後方向に貫通する第1アウト用貫通孔62aが形成されると共に、該カバー部材62には、第1アウト用貫通孔62aを囲繞して前方に突出する筒状部69が設けられており、該筒状部69を介して第1アウト口52と第1アウト用貫通孔62aとが連通するよう接続される。また、カバー部材62の裏面に、第1アウト用貫通孔62aに連通する第1アウト球排出部材70が配設されている。すなわち、前記第1アウト口52に通入したパチンコ球は、前記筒状部69を介して第1アウト球排出部材70に通出されて、該第1アウト球排出部材70内を流下して機外に排出されるよう構成される。なお、実施例では、カバー部材62に第1アウト球排出部材70を配設することで、両部材62,70の間に、第1アウト口52に通入したパチンコ球を流下させる排出路が上下方向に延在するように画成されると共に、該排出路がカバー部材62の下端部において下方に開口するようになっている。また、該排出路を画成する第1アウト球排出部材70およびカバー部材62の対向面の夫々に、パチンコ球の流下方向と交差する方向(左右方向)に延在して排出路内に突出する複数の突条71(図9または図10参照)が上下方向に離間して設けられており、排出路を流下するパチンコ球が各突条71に接触することで減勢し得るようになっている。なお、第1アウト球排出部材70の突条71と、カバー部材62の突条71とは上下方向にズレて設けられている。前記装飾シート66には、カバー部材62の筒状部69と対応する位置に、該筒状部69の挿通を許容する切欠部66aが設けられている。
図9に示す如く、前記本体64(カバー部材62およびベース部材63)、発光基板65および装飾シート66の右端部に、前記特別入賞装置34に設けられて前記特別入賞口34aに入賞したパチンコ球を機裏側に通出する球通路(図示せず)との干渉を防ぐ特別用切欠部72が夫々形成されている。前記設置部材19には、前記仕切りユニット43に設けた第2アウト口53に対応する位置に、図8に示に示す如く、前記本体64の右側方において前方に突出する通入用筒状部73aを備えた第2アウト球排出部材73が配設されており、該第2アウト球排出部材73は第2アウト口53に通入用筒状部73aを介して連通接続される。第2アウト球排出部材73には、前記本体64の後方において通入用筒状部73aに連通する排出路(図示せず)が上下方向に延在するように画成されると共に、該排出路が設置部材19の下端部において下方に開口している。すなわち、第2アウト口53に通入したパチンコ球は、通入用筒状部73aを介して第2アウト球排出部材73の排出路に通出されて、該排出路を流下して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装飾シート66およびベース部材63には、特別用切欠部72の下側で前記通入用筒状部73aと対応する位置に第2アウト用切欠部74が夫々形成されており、該第2アウト用切欠部74を介して通入用筒状部73aが本体64の前方に突出するのを許容するよう構成してある(図8参照)。
(発光構造について)
前記発光演出装置61の発光基板65の前面に、図9に示す如く、前方に向けて光を照射するLED等の複数の第1発光体65aおよび第2発光体65bが実装されている。また、前記カバー部材62における発光基板65に設けた各第1発光体65aと前後に整列する位置に、該カバー部材62の前側および後側に延出する棒状の導光部75が夫々設けられており、第1発光体65aからの光を導光部75に個別に照射し得るよう構成されている。また、前記装飾シート66には、各導光部75と前後に整列する位置に、前後に貫通する通孔66bが穿設されており、カバー部材62の前面に装飾シート66を配設した状態で、各通孔66bから導光部75が装飾シート66の前方に突出するよう構成される(図8,図11参照)。
前記第1発光体65aおよび導光部75は、前記仕切りユニット43に設けた区画部材58の各区画室58cに対応する位置に複数ずつ設けられており、遊技盤18の裏側に設置部材19を取り付けた状態で、各区画室58c内に対応する導光部75が複数個づつ臨むよう構成される(図4参照)。すなわち、第1発光体65aを発光することで、導光部75を介して前記第1装飾部材46の各意匠部を効率的に明輝し得るよう構成される。なお、区画部材58において各区画室58cを画成する壁(筒状本体58a,仕切板58b)の後端が、対応する導光部75を囲繞するように装飾シート66の前面に当接して、導光部75から照射される光が他の区画室58cに漏れないようになっている。
前記発光基板65に設けられた第2発光体65bは、前記仕切りユニット43における上基部45aに対応する位置に設けられており、第2発光体65bを発光することで、該上基部45aを明輝し得るよう構成される。なお、前記カバー部材62には、発光基板65における樋用通孔67の右側に設けられた各第2発光体65bと前後に整列する位置に、光拡散部62bが夫々設けられており、第2発光体65bから照射された光を対応する光拡散部62bで拡散することで、上基部45aにおける前記前飾り部材55(第1始動入賞口28a)の右側に位置する領域を広範囲に明輝させ得るよう構成される。
(センサ設置部76について)
前記発光演出装置61の本体64には、前記始動入賞部28の後樋部54bに対応して形成された前記樋用通孔67の形成位置に近接する下側に、センサ設置部76が設けられており、該センサ設置部76に、後述する不正検出装置81が着脱自在に装着されるよう構成される。センサ設置部76は、図9,図10に示す如く、前記カバー部材62に設けられて前方に突出し、後方に開口する前収容室77aが画成された前設置部77と、前記ベース部材63に設けられて後方に突出し、前方に開口する後収容室78aが画成された後設置部78とから構成される。そして、図4に示す如く、不正検出装置81の前部を前収容室77aに収容した状態で、該不正検出装置81の後部を後収容室78aに収容するようにカバー部材62とベース部材63とを組み付けることで、該不正検出装置81は全体が収容室77a,78aに収容された状態で位置決め保持されるようになっている。
前記センサ設置部76は、図8に示す如く、前記発光演出装置61を設置部材19に配設した状態で、該センサ設置部76における前設置部77が設置部材19の前端から前方に突出する。そして、前記遊技盤18の裏面に設置部材19を取り付けることで、該前設置部77が、遊技盤18に配設されている前記仕切りユニット43に画成した前記収容凹部101に収容されて、前記不正検出装置81が前記第1始動入賞検出センサ56の下側に近接位置するよう構成される(図3(b),図4参照)。すなわち、不正検出装置81は、前記仕切部44により画成される非遊技領域22に配置されるようになっている。
前記前設置部77における前収容室77aを画成する上下の壁部には、図10に示す如く、左右方向の中央部に、外側に向けて凹む凹溝77b,77bが前後方向に延在するように形成されており、前記不正検出装置81が備える後述の検出用金属球83が前設置部77と干渉することなく前収容室77aに不正検出装置81を収容し得るようになっている。また、前記後設置部78には、上方および右方に開口する配線用通孔78bが形成されており、該配線用通孔78bを通して不正検出装置81に接続する配線が後収容室78aから外部に引き出されるよう構成してある。なお、前記本体64に収容される前記発光基板65には前設置部77および後設置部77の間に、不正検出装置81の挿通を許容する前後に貫通するセンサ通孔65cが形成されている。また前記装飾シート66に、前設置部77の前方への挿通を許容するセンサ通孔66cが形成されている。
(電波による不正行為について)
ここで、前述した2つの始動入賞検出センサ56や特別入賞検出センサ34cは、いわゆる誘導式近接スイッチであって、実施例のパチンコ機10では、何れも同一のセンサ(以後、これらセンサ56,34cを単に球検出センサDという場合がある)が採用されている。球検出センサDは、発振回路等を備えたセンサ本体79とコイルが設けられてパチンコ球が通過可能な球通過口(球通過検出部)80とを基本構成としている(図3(b),図4参照)。球検出センサDは、パチンコ球を検出していない状態(パチンコ球が球通過口80を通過していない状態)では、発振回路が発振して、高レベルの信号(以下、ハイレベル信号という)を出力するように設定されている。一方、球検出センサDは、パチンコ球を検出している状態(パチンコ球が球通過口80を通過している間)では、発振回路の発振が停止または減衰して、低レベルの信号(以下、ローレベル信号という)を出力するように設定されている。そして、制御手段は、球検出センサDからの出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り換わったときにパチンコ球を1カウントして賞球を払い出するよう構成される。
ところが、この球検出センサDに電波を放射して、該球検出センサDの出力信号を強制的に変更する不正行為(以下、不正電波行為という)が行われることがある。一般的に、この不正電波行為は、不正行為者が遊技盤18の斜め下方に電波発生器を隠し持ち、始動入賞装置28,33や特別入賞装置34等が設けられる遊技盤18の下部へ向けて電波を電波発生器から放射して行われる。この電波発生器から放射される電波を、パチンコ球が球通過口80を通過する間に球検出センサDが浴びると、該球検出センサDは、断続的な発振があったと誤検出してしまう。その結果、球検出センサDは、ローレベル信号およびハイレベル信号を繰り返し出力し、前記制御手段は、ハイレベル信号からローレベル信号に切り換わる度にパチンコ球をカウントすることとなる。そして、制御手段は、1個のパチンコ球が球通過口80を通過したのにも拘わらず、複数個分のカウントをして、多くの賞球を払い出したり、特図当り抽選が行われてしまう虞がある。そこで、実施例のパチンコ機10では、このような不正電波行為を検出するべく、前記センサ設置部76に不正検出装置81(不正行為検出手段)が設置されている。
(不正検出装置81について)
図12に示すように、前記不正検出装置81は、検出センサユニット(検出部)82と、検出用金属球(金属球)83と、これら検出センサユニット82および検出用金属球83を収容したケース体84とから基本的に構成されている。前記検出センサユニット82は、矩形状のセンサ装置本体85と、センサ装置本体85の厚み方向に貫通する検出口86とから基本的に構成され、実施例では、前述した始動入賞装置28,33や特別入賞装置34等に設けられる球検出センサDと同一のものが採用されている。前記検出口86の開口円の直径は、前記検出用金属球83の直径より僅かに大きく設定されている。前記検出口86には、開口縁に沿って検出コイル87(図14参照)が巻装されており、該検出コイル87により検出口86の周囲に磁界を発生させるようになっている。前記検出口86は、センサ装置本体85の長手方向の一方の端部側(センサ設置部76に設置した状態での前端部側)に偏倚して検出口86が設けられている(図4参照)。
図14に示すように、前記センサ装置本体85には、発振回路F、発振検出回路Gおよび出力回路Hが形成されている。前記発振回路Fは、検出口86の磁界中に磁性体(検出用金属球83)が存在しない状態で、高周波(例えば、1MHz)で発振し、前記検出口86の磁界中に磁性体(検出用金属球83)が存在すると、該発振回路Fは、発振を停止または減衰させるようになっている。実施例の発振回路Fは、検出口86に磁性体(検出用金属球83)が存在した状態で、発振を停止させるように設定されている。
前記発振検出回路Gは、前記発振回路Fの発振状態を検出して、当該発振状態に応じた信号を出力するものである。発振検出回路Gは、発振回路Fの発振を検出すると発振検出信号を前記出力回路Hに出力すると共に、発振回路Fが発振を停止または減衰(実施例では、発振の停止)を検出すると出力回路Hに発振停止検出信号を出力するよう構成される。すなわち、検出センサユニット82は、磁性体の有無により、発振検出回路Gが発振を検出した発振検出状態(第2状態)と、発振検出回路Gが発振の停止を検出した発振非検出状態(第1状態)とに状態変化可能に構成されている。
前記出力回路Hは、前記発振検出回路Gから発振検出信号が入力されると、前記ハイレベル信号を出力し、該発振検出回路Gから発振停止検出信号が入力されると、前記ローレベル信号を出力するようになっている。前記出力回路Hは、前記制御手段に電気的に接続されており、出力回路Hから出力されたハイレベル信号およびローレベル信号は、制御手段に入力される。前記検出用金属球83は、前記発振回路Fの発振を停止させて検出センサユニット82を発振非検出状態に維持する(検出部を第1状態に維持する)ものである。実施例では、検出用金属球83として、磁性体であるパチンコ球が用いられている。後述するように、検出用金属球83は、検出口86内に位置した状態でケース体84で保持される。
実施例の不正検出装置81は、前記不正電波行為が行われていない正常時では、検出用金属球83により発振回路Fの発振が停止されて、検出センサユニット82は、発振非検出状態(第1状態)に維持される。従って、発振検出回路Gは、発振停止検出信号を出力し、出力回路Hからローレベル信号が出力されるので、前記制御手段に対して常にローレベル信号が入力される。一方、検出センサユニット82が発振非検出状態にある場合において、電波発生器から電波が検出センサユニット82に放射されると、発振回路Fは発振を停止しているのにも拘わらず、電波によって断続的な発振が強制的に生起される。従って、不正電波行為が行われると、発振検出回路Gが断続的な発振を検出して、発振検出信号および発振停止検出信号を交互に出力するようになっている。これにより、前記出力回路Hは、ハイレベル信号およびローレベル信号を制御手段に交互に出力する。実施例に係る不正検出装置81では、検出センサユニット82における電波の検出範囲Sが、図15に示す如く、前記検出口86の開口方向側(図15では上下方向)が大きくなっている。すなわち、検出センサユニット82は、検出口86の開口方向から放射される電波に反応し易い構成となっている。これに対し、図15に示すように、検出口86の開口方向と直交する方向では、検出センサユニット82における電波の検出範囲Sが検出口86の開口方向側に比して極めて小さく、検出口86の開口方向と直交する方向から放射される電波に反応し難いものとなっている。
(ケース体84について)
図12,図13に示すように、前記ケース体84は、前記検出口86の開口方向に対向する第1半体88および第2半体89から基本的に構成され、両半体88,89を組み付けることで内部に検出センサユニット82および検出用金属球83が位置決め保持されるよう構成される。前記第1半体88は、略矩形状の第1ケース基体90と該第1ケース基体90の周縁部から上方へ延出する第1壁部91とから構成され、上方に開放する箱状に形成されている。後側の第1壁部91より前側には、左右方向に離間して一対の規制片92,92が第1ケース基体90から上方に突設されており、第1壁部91および規制片92,92により画成される領域に検出センサユニット82を配置することで、第1壁部91および規制片92,92によって検出センサユニット82は前後方向および左右方向の位置規制がなされるよう構成される。また、左右の第1壁部91,91の内面には、上下方向に延在する一対の位置決めリブ93,93が対向して形成されており、該位置決めリブ93,93が、検出センサユニット82におけるセンサ装置本体85の左右両側面に形成された位置決め凹部85a,85aに嵌合することで、第1半体88に対する検出センサユニット82の確実な位置決めを行うようになっている。
前記第1半体88の第1壁部91には、下端縁から外方に延出する延出部94が複数箇所に設けられている。また、前側の第1壁部91および左右の第1壁部91,91に、外方に突出する係止突部95が夫々設けられている。更に、後側の第1壁部91における一対の規制片92,92の間に臨む内面に、内方に突出する山形の案内部96が設けられている。
図12,図13に示すように、前記第2半体89は、略矩形状の第2ケース基体97と該第2ケース基体97の周縁部から下方へ延出する第2壁部98とから構成され、下方に開放する箱状に形成されている。第2半体89の下側に開放する開口形状は、前記第1半体88における第1壁部91で形成される外形形状と略一致している。前側の第2壁部98および左右の第2壁部98,98には、内外方向に弾性変形可能な弾性係止片99が夫々形成されている。また、各弾性係止片99の下端部には、該弾性係止片99に内外方向に貫通する貫通孔を形成することで係止部99aが形成されている。そして、各弾性係止片99を弾性変形させつつ第1半体88の第1壁部91に第2半体89の第2壁部98を外嵌し、各係止部99aに対応する係止突部95が係止されることで、第1半体88および第2半体89が着脱自在に組み付けられる。第1半体88および第2半体89が組み付けられた状態では、前記第2半体89の第2壁部98の下面が、第1半体88の延出部94の上面に当接すると共に、該第1半体88および第2半体89の間に前記検出センサユニット82を収容可能な空間が画成される。
前記第1ケース基体90および第2ケース基体97には、上下方向に貫通する規制孔90a,97aが上下に整列して形成されている。規制孔90a,97aの内径は、前記検出用金属球83の直径より小さく設定されており、図4に示す如く、第1半体88および第2半体89が組み付けられた状態において、検出センサユニット82の検出口86に臨む検出用金属球83におけるセンサ装置本体85から上方および下方に突出する部位が、対応する規制孔90a,97aの内周縁に当接して位置決めされるようになっている。すなわち、検出口86内に位置する検出用金属球83は、第1ケース基体90および第2ケース基体97で挟持されて、ガタつくことなく保持される。また、両ケース基体90,97で保持された検出用金属球83は、該検出用金属球83の中心が検出口86における開口方向の中央部と略一致するよう位置すると共に、ケース体84から上下方向に突出している。更に、第2半体89には、第2ケース基体97から右側の第2壁部98にかけて内外方向に開口する配線用通孔100が形成されており、該配線用通孔100を通して不正検出装置81に接続する配線がケース体内から外部に引き出されるよう構成してある。そして、不正検出装置81を前記センサ設置部76に取り付けた状態では、ケース体84に設けた配線用通孔100と、前記後設置部78に設けた配線用通孔78bとが整合して、両配線用通孔100,78bを介して不正検出装置81に接続する配線が発光演出装置61の後側に引き出されるようになっている。なお、不正検出装置81に接続する配線は、前記第1半体88の後側の第1壁部91に設けた案内部96によって配線用通孔100に向けて引き回されるように案内され、該後側の第1壁部91と一方(図12の右側)の規制片92との間を通って配線用通孔100から引き出されるよう構成される。
前記ケース体84は、前記センサ設置部76の前設置部77および後設置部78で画成される収容室77a,78aに収容可能な外形寸法に設定されており、該ケース体84の前部が前収容室77aに収容される共に後部が後収容室78aに収容された状態で、該ケース体84の前後、左右、上下の各方向の位置決めがなされるようになっている。また、ケース体84の前部を前収容室77aに収容する際に、前記規制孔90a,97aが形成された部位、すなわち前記検出用金属球83の配設部位が前設置部77に形成した凹部77b,77bに対応するよう構成されており、ケース体84から外方(上方および下方)に突出する検出用金属球83が前設置部77の壁に干渉することなくケース体84の前収容室77aに対する収容が許容されるようになっている。なお、ケース体84の前部が前収容室77aに収容された状態で、検出用金属球83は前収容室77aを画成する壁に接触しないよう構成される。また、ケース体84が収容室77a,78aに収容された状態(不正検出装置81がセンサ設置部76に取り付けられた状態)で、前収容室77aに収容されている検出センサユニット82における前記検出口86が設置部材19の前端から前方に突出するよう構成される。そして、不正検出装置81がセンサ設置部76に取り付けられた設置部材19を遊技盤18の裏面に取り付けた状態では、図4に示す如く、前設置部77が前記仕切りユニット43の収容凹部101に収容されて、前記検出センサユニット82における前収容室77aに収容されている検出口86が遊技盤18の前面(盤面)より前方に突出するよう構成されている。なお、実施例では検出口86の一部のみが遊技盤18の前面(盤面)より前方に突出しているが、全部が遊技盤18の前面(盤面)より前方に突出するようにしてもよい。
図3(b),図4に示すように、前記不正検出装置81がセンサ設置部76に取り付けられた状態では、該不正検出装置81は、前記仕切りユニット43に設けられた球通路部54の下方に近接位置する。すなわち、不正検出装置81は、球通路部54に配設されている前記第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の下側に近接位置して、該不正検出装置81による検出範囲Sに、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80が入るよう構成される(図15参照)。第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)と不正検出装置81との位置関係を更に具体的に説明すると、前記検出センサユニット(検出部)82に設けられた検出口86の開口方向(検出向き)が、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80に対するパチンコ球の通過方向(球通過口80の開口方向)と同じ向きとなる姿勢で、不正検出装置81が第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の下側に位置している。すなわち、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)と検出センサユニット82とで同一構成の誘導式近接スイッチを用いている実施例では、球通過口80の開口方向と検出口86の開口方向とが揃うように、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に対して検出センサユニット(検出部)82が配置される。また、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の下面と検出センサユニット(検出部)82の上面との離間距離が、前記検出範囲Sの中心から最外縁までの距離の半分より短くなるように近接配置される。すなわち、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)と検出センサユニット82とで同一構成の誘導式近接スイッチを用いている実施例では、球通過口80の開口方向と検出口86の開口方向とが揃うように、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に対して検出センサユニット(検出部)82が配置される。なお、前記検出センサユニット(検出部)82の検出向きとは、当該検出センサユニット82における電波の検出範囲Sが大きくなる方向であって、該検出範囲Sが大きくなる方向が、球通過口80に対するパチンコ球の通過方向に揃うようにして不正検出装置81が第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に対して配置されている。また、検出センサユニット(検出部)82は、該検出センサユニット(検出部)82と第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80とが、前後方向と交差する方向で少なくとも一部が重なるような前後位置関係で配置される。実施例では、検出センサユニット(検出部)82と第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80とが、前記通過方向で少なくとも一部が重なる前後関係で配置されている。
更に、図15(a)に示すように遊技盤18の正面視において、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80が、不正検出装置81の不正電波の検出範囲Sに入ると共に、図15(b)に示すように遊技盤18の側面視において、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80が、不正検出装置81の不正電波の検出範囲Sに入るようになっている。これによって、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)をめがけて遊技盤18の前側下方から放射される不正電波を、不正検出装置81によって確実に検出し得るようになっている。ここで、検出センサユニット(検出部)82と第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)の球通過口80との前後位置が同じとは、検出センサユニット(検出部)82の検出口86の中心位置と球通過口80の中心位置とが前後方向で一致する状態だけでなく、該球通過口80の中心位置に対して検出口86の中心位置がズレて位置する状態も含むものである。すなわち、球通過口80と検出口86との中心位置の前後方向のズレが、検出センサユニット(検出部)82における不正電波の検出範囲Sに球通過口80が収まる範囲であれば、遊技盤18の前側下方から第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に向けて放射される不正電波を不正検出装置81によって確実に検出することができる。
(制御手段の不正判定について)
前述のように、前記制御手段は、正常時(発振非検出状態=第1状態)には、不正検出装置81からローレベル信号が入力される。また、不正電波行為により検出ユニットが発振検出状態(第2状態)に状態変化されると、出力回路Hからハイレベル信号が入力される。そして、制御手段は、不正検出装置81からの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定するようになっている。すなわち、検出用金属球83により発振非検出状態に維持されている筈の検出センサユニット82が発振検出状態に状態変化されると、制御手段は不正電波行為を検出する。なお、制御手段は、不正電波行為を検出した場合は、不正行為の発生を、パチンコ機10が備える表示装置17、ランプ装置、スピーカ等によって報知するよう構成される。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤18に設けたレール部材23により画成された下方開口23bから発射通路23aに入り、該発射通路23aを上方に飛翔して打出し口23cから遊技領域21内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域21の第1流下経路21aまたは第2流下経路21bをパチンコ球が流下する。
前記第1流下経路21aを流下する「左打ち」となるようにパチンコ球が打ち出され、該第1流下経路21aを流下するパチンコ球が前記球導入部41に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ40に通出される。このパチンコ球は、ステージ40の球転動面40a上を左右に転動した後、球転動面40aの前端または前記球通路42の球出口42bから枠状装飾体27の下方の遊技領域21に排出され、このパチンコ球は前記始動入賞部28の第1始動入賞口28aに入賞可能となる。また、球導入部41に通入することなく第1流下経路21aを流下するパチンコ球が前記第1案内連釘37上に落下すると、該パチンコ球は第1案内連釘37上を前記始動入賞部28の第1始動入賞口28aに向けて案内されて、該第1始動入賞口28aに入賞可能となる。なお、第1案内連釘38上を流下する途中に隙間37aから落下するパチンコ球は、前記仕切りユニット43の緩衝部材57に衝突して減勢された後に前記第1仕切部50上に落下する。そして、第1仕切部50に落下したパチンコ球は、前記第1球転動面50aに沿って左側に移動して、前記第1アウト口52から機裏側に排出される。また、第1流下経路21aを流下するパチンコ球が前記第3案内連釘39上に落下すると、該パチンコ球は第3案内連釘39上を右側に向けて案内されて、仕切りユニット43の左端に位置する緩衝部材57に衝突して減勢された後に第1仕切部50上に落下する。なお、第3案内連釘39上を流下する途中に隙間39aから落下するパチンコ球は、前記普通入賞口30aに入賞可能となる。そして、緩衝部材57に衝突して減勢されて第1仕切部50上に落下したパチンコ球や、普通入賞口30aに入賞することなく第1仕切部50上に落下したパチンコ球は、前記第1球転動面50aまたは第1端部球転動面50bに沿って第1アウト口52に移動して該第1アウト口52から機裏側に排出される。
前記ステージ40から遊技領域21に排出されたパチンコ球や、前記第1案内連釘37で始動入賞部28に向けて案内されたパチンコ球が前記第1始動入賞口28aに入賞すると、該パチンコ球の入賞を前記第1始動入賞検出センサ56が検出する。第1始動入賞検出センサ56から検出信号が前記制御手段に入力されると、該制御手段の制御に基づいて前記表示装置17での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、表示装置17の表示部17aに所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、表示部17aに表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤18に設けられた特別入賞装置34の特別入賞口34aを開閉する開閉体34bが所定条件で開放制御される大当り遊技が実行されると共に、制御手段の制御に基づいて表示装置17の表示部17aにおいて大当り演出が行われる。また、前記発光演出装置61においても、制御手段の制御に基づいて大当り演出が行われる。
前記パチンコ機10において、前記大当り遊技が付与されたり特典遊技状態となった場合に、前記操作ハンドル16の操作レバー16aを回転操作して打球発射装置によるパチンコ球の打球力を高め、前記第2流下経路21bに向けてパチンコ球を打ち出す「右打ち」を行うと、該右打ちに際して第2流下経路21bに打ち出されたパチンコ球は、前記枠状装飾体27と第2レール25との間の第2流下経路21bを流下する。第2流下経路21bを流下するパチンコ球が前記球通過ゲート31を通過すると、該パチンコ球の通過を球通過検出センサ31aが検出する。球通過検出センサ31aから球検出信号が前記制御手段に入力されると、該制御手段は、普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行する。そして、普図当り抽選の結果が当選の場合は、制御手段は前記始動入賞ソレノイドを駆動制御することで前記開閉部材33bを開閉動作する。これにより、始動入賞装置33の第2始動入賞口33aへのパチンコ球の入賞が可能となる。また、大当り遊技が付与されている場合では、第2流下経路21bを流下するパチンコ球が高確率で特別入賞口34aに入賞し、多くの賞球が獲得可能となる。そして、「右打ち」した場合に、第2流下経路21bに配置される各種入賞口32a,33a,34aに入賞しなかったパチンコ球は、前記第2仕切部51上に落下し、該第2仕切部51の前記第2球転動面51aまたは第2端部球転動面51bに沿って第2アウト口53に移動して該第2アウト口53から機裏側に排出される。
実施例のパチンコ機10では、図2,図3(a)に示す如く、前記始動入賞部28の下側に配設されて左右方向に延在する前記仕切部44によって、前記レール部材23により画成される前面領域20を、パチンコ球が流下可能な上側の遊技領域21と、パチンコ球が流下しない下側の非遊技領域22とに仕切り、第1流下経路21aの最下部に第1アウト口52を設けると共に第2流下経路21bの最下部に第2アウト口53を設けるようにしている。そして、パチンコ球を機裏側に排出するアウト口52,53より下側に設けられた非遊技領域22に、機前側から視認可能な各種の装飾部材46,47,48を配設し、該装飾部材46,47,48を前記発光演出装置61によって裏側から発光演出し得るよう構成されている。すなわち、アウト口52,53より下側の非遊技領域22を利用した斬新な盤面構成を採用することができ、他機種との差別化を図ると共に興趣を向上し得る。すなわち、遊技者の訴求力を高めることができ、パチンコ機10の稼働率を向上することが可能となる。
また、前記仕切部44は、遊技者が注目する始動入賞部28を挟んで左側に位置する第1球転動面50aおよび右側に位置する第2球転動面51aを、相互に離間する方向に向けて下方変位するよう構成したので、該始動入賞部28の第1始動入賞口28aに入賞することなく該球転動面50a,51a上に載ったパチンコ球を対応するアウト口52,53に速やかに移動して機裏側に排出することができる。すなわち、遊技者に利益をもたらすことがなくなったパチンコ球を、複数のアウト口52,53によって速やかに排出することができる。また、実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞部28を、遊技盤18の左右方向の中央から左側に偏って配置することで、図2に示す如く、当該始動入賞部28の側方における前記始動入賞装置33および特別入賞装置34が配置される第2流下経路21bの幅を、対応する第1流下経路21aの幅より大きく見せることができる。すなわち、大当り遊技が付与された場合や特典遊技状態となった場合に、遊技者が利益や特典を効率的に享受することができる「右打ち」によってパチンコ球が打ち出される第2流下経路21bに遊技者の注目を集めることができる斬新なデザインとして、訴求力を向上し得る。また、第1アウト口52より第2アウト口53の高さ位置を下方にずらすことで、始動入賞装置33や特別入賞装置34等の多数の遊技部品が配置される第2流下経路21bの上下方向の領域を第1流下経路21aより大きくすることができる。また、始動入賞部28の下側に大きな非遊技領域22を確保したもとで、第2流下領域21bにおける部品配置スペースも確保できる。
前記仕切部44の上側に設けた始動入賞部28の前飾り部材55によって、該仕切部44上に落下したパチンコ球が、第1仕切部50と第2仕切部51との間で行き来しないよう構成してあるので、仕切部44の最上部(球転動面の最上部)でパチンコ球が停滞することなくパチンコ球をアウト口52,53に速やかに移動させて排出し得る。また、複数のアウト口52,53は、前記流下経路21a,21bの最下部位置に設けてあるので、該流下経路21a,21bを流下するパチンコ球を対応するアウト口52,53で速やかに排出することができる。更に、前記仕切部44における対応するレール26,25に接続する左右の端部側にアウト口52,53を設けているので、遊技領域21(第1流下経路21a,第2流下経路21b)を左右に分散して流下するパチンコ球を効率的に排出することができ、遊技領域21の最下部でパチンコ球が滞留するのを防ぐことができる。
また、実施例のパチンコ機10では、図2に示す如く、前記仕切部44の最上部に始動入賞部28を配置し、該始動入賞部28から左右方向に離間するにつれて緩やかに下方変位するように第1仕切部50および第2仕切部51を設けたので、始動入賞部28とレール部材23(レール25,26)との間に大きな非遊技領域22を確保することができる。従って、該非遊技領域22を利用してパチンコ球の移動に影響を与えることなく大きな装飾部材46を配置して遊技演出を向上し得る。
(不正行為時の作用について)
次に、不正電波行為が行われた場合の作用について、説明する。なお、前記不正検出装置81は、不正電波行為が行われていない正常時では、前記検出用金属球83により検出センサユニット82が発振非検出状態に維持されて、出力回路Hからローレベル信号が出力されている。従って、正常時においては、制御手段にローレベル信号が入力され続ける。不正電波行為が発生すると、電波により発信検出回路Gが断続的な発振を誤検出して、出力回路Hは、ローレベル信号およびハイレベル信号を交互に繰り返し出力する。そして、制御手段は、出力回路Hからの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定する。すなわち、実施例の不正検出装置81によれば、電波により検出センサユニット82が発振非検出状態から発振検出状態に変化するので、簡単な構造により不正電波行為を極めて容易に検出し得る。また、検出センサユニット82に電波を検出するための回路等を別途形成することなく、既存の球検出センサDと同じものを検出センサユニット82として採用し得るから、不正検出装置81の製造コストを抑制することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、前記第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)における球通過口80に対するパチンコ球の通過方向に、検出センサユニット82における検出口86の開口方向(検出方向)を揃えると共に、該球通過口80と検出センサユニット82とが前後方向と交差する方向で少なくとも一部が重なる前後位置関係となるように球通過口80と検出センサユニット82とを近接させたので(図15参照)、第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に対する不正電波行為(不正行為)を精度よく検出することができる。また、検出センサユニット82の配置位置および姿勢によって検出精度が向上するので、不正検出装置81として許容し得る検出感度の値を低くすることができる。すなわち、コストの低い不正検出装置81を採用することができ、製造コストの上昇を抑制し得る。
図4に示す如く、前記不正検出装置81を遊技盤18の盤面より前側に突出するよう構成したので、遊技盤18の前側からの不正電波行為(不正行為)をより精度よく検出し得る。また、不正検出装置81は、遊技盤18の裏面に取り付けられる設置部材19に配設してあるので、該不正検出装置81と、設置部材19に配設される制御手段とを接続する配線の引き回しが容易である。更に、遊技盤18に設置部材19を取り付けるに際し、不正検出装置81から導出する配線を遊技盤18との間に挟み込んでしまうおそれもなく、取り付け作業が容易となる。
実施例のパチンコ機10では、前記発光演出装置61に設けたセンサ設置部76に不正検出装置81を収容したもとで、該センサ設置部76を仕切りユニット43に設けた収容凹部101に収容するよう構成したので、該不正検出装置81を好適に保護できる。また、収容凹部101の前側を塞ぐ前記第3装飾部材48を不透明として前側から不正検出装置81が見えないよう構成してあるので、不正行為者に不正検出装置81の存在を悟らせないようにすることができる。
実施例のパチンコ機10では、前記仕切部44によって仕切られてパチンコ球が流下しない非遊技領域22に不正検出装置81を配置するよう構成したので、パチンコ球の移動に影響を与えることなく第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に近接して不正検出装置81を配置して検出精度を向上することができる。すなわち、遊技盤18の前面より前方に球通過口80が臨むように配置される第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に近接して不正検出装置81を配置する場合に、従来のように始動入賞部28の周囲の全てが遊技領域であると、始動入賞部28を大型化して不正検出装置81を一体に組み込むようにしたり、遊技領域で前側に突出するようなセンサ設置部を遊技盤18に別途設ける必要があり、何れの場合も遊技領域を流下するパチンコ球の移動に影響を与えてしまう。しかしながら、実施例のように非遊技領域22を画成する仕切部44の上側に始動入賞部28を配置する構成であれば、該仕切部44の下側の非遊技領域22に不正検出装置81を配置することで、該不正検出装置81によって遊技領域21を流下するパチンコ球の移動に影響を与えることなく、該不正検出装置81を第1始動入賞検出センサ56(球検出センサD)に近接して配置することができる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、2つのアウト口を設けたが、アウト口は1つであっても3つ以上であってもよい。例えば、実施例の仕切部は左右方向の中央側に最上部を設定し、該最上部から離間するにつれて下方変位するように球転動面を形成したが、仕切部を下側に膨出する弧状に形成し、左右の端部(レールとの近接端部)が最上部となるよう形成し、左右方向の中央側に向けて球転動面が下方変位するよう構成し、該仕切部の最下位置に対応して1つのアウト口を設けてもよい。
(2) 実施例では、仕切部の最上部に位置して第1球転動面と第2球転動面との間でのパチンコ球の移動を規制する規制部として、始動入賞部を構成する前飾り部材を用いたが、始動入賞部を構成する部材とは別の部材を規制部として用いることができる。この場合に、仕切部に規制部を一体に形成したり、別体の規制部を仕切部に着脱自在に取り付ける構成を採用し得る。
(3) 実施例では、非遊技領域に、設置部材に配設した発光演出装置により発光装飾可能な装飾部材を配置したが、該非遊技領域に配置される遊技部品としては、装飾部材に限定されるものでなく、動作により演出を行う可動演出装置を配置することができる。この場合に、可動演出装置は、遊技盤に設けたり、または設置部材に設ける構成を採用し得る。
(4) 実施例では、基体に、始動入賞部、仕切部および装飾部材を配設して、基体を単位としてユニットとして扱い得るよう構成したが、始動入賞部、仕切部および装飾部材を夫々別々に遊技盤に取り付ける構成を採用し得る。例えば、始動入賞部は単独で遊技盤に取り付けるよう構成し、仕切部および装飾部材を基体に配設した仕切りユニットを遊技盤に取り付ける構成を採用することができる。
(5) 実施例では、レール部材を別体で構成された3つのレールから構成したが、1つのレールで構成したものであってもよい。
(6) 実施例では、発振検出状態で出力回路がハイレベル信号を出力し、発振非検出状態で出力回路がローレベル信号を出力する構成とし、ハイレベル信号が出力されたときに制御手段が不正電波行為の発生を判定する構成とした。しかしながら、出力回路が出力する信号としては、発振検出状態および発振非検出状態に対応した2種類の信号であれば、如何なる信号であってもよい。例えば、実施例とは反対に、発振検出状態でローレベル信号を出力し、発振非検出状態でハイレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、ローレベル信号が入力されたときに、制御手段は不正電波行為が発生したと判定する。
(7) 実施例では、検出センサユニット(検出部)が電波により発振非検出状態(第1状態)から発振検出状態(第2状態)に状態変化される構成とした。しかしながら、磁気により検出センサユニット(検出部)が第1状態から第2状態に変化される構成として、磁気によって、始動入賞検出センサ、特別入賞検出センサ、普通入賞検出センサ等を誤作動させる行為を検出し得るようにしてもよい。
(8) 実施例では、金属球としてパチンコ球を採用したが、発振回路の発振を停止または減衰させ得る磁性体であれば、如何なる金属球であってもよい。また、球体でなく円筒体や円柱体等であってもよい。
(9) 実施例では、不正検出装置を、設置部材に設けたが、仕切りユニットに設けてもよい。また、不正電波行為の対象となる各センサに近接して不正検出装置を夫々設置してもよい。
(10) 実施例では、球通過口が上下方向に開口する姿勢で配設された第1始動入賞検出センサ(球検出センサ)を対象として不正検出装置を配置したが、球通過口が左右方向または前後方向に開口する姿勢で配設された第1始動入賞検出センサ(球検出センサ)を対象とする場合は、検出センサユニットを検出口が対応するように左右方向や前後方向に向く姿勢で配置するようにすればよい。
(11) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。