JP5583083B2 - 遊技機 - Google Patents
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遊技領域(33)が前側に設けられる遊技盤(12)と、該遊技盤(12)に設けられ、前記遊技領域(33)を流下する遊技球が入賞可能な始動口(45a)と、該始動口(45a)に入賞した遊技球を検出する球検出センサ(53)とを備え、該球検出センサ(53)による遊技球の検出を契機として、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの抽選が行なわれる遊技機において、
前記遊技盤(12)に配設され、前記始動口(45a)が前記遊技領域(33)に常に開口するように設けられた始動口飾り(45)と、
前記始動口飾り(45)に設けられ、前記始動口(45a)に入賞した遊技球を遊技盤(12)の裏面側へ導く球導入通路(54)と、
前記遊技盤(12)の裏側に配設した設置部材(14)に配設され、前記球導入通路(54)に連通する球排出通路(52)が設けられた不正検出装置(84)とを有し、
該不正検出装置(84)は、
検出コイル(88)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備え、発振回路(F)の発振を発振検出回路(G)が検出した第1状態と、該発振回路(F)の発振の停止または減衰を発振検出回路(G)が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段(85)と、
磁性体から構成され、前記発振回路(F)の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段(85)を第2状態に維持する状態維持手段(86)と、
前記検出コイル(88)内に前記状態維持手段(86)が位置するよう前記状態変化手段(85)および状態維持手段(86)を保持するケース体(51)とを備え、
前記状態変化手段は、前記検出コイル(88)、発振回路(F)および発振検出回路(G)を備えた検出センサユニット(85)であって、該検出センサユニット(85)は、前記検出コイル(88)が設けられた検出口(87a)を備え、検出センサユニット(85)は、前記検出口(87a)の開口方向に電波の検出範囲が大きく設定され、該開口方向が斜め下向きとなる姿勢で検出センサユニット(85)が前記ケース体(51)に保持され、
前記ケース体(51)に前記球排出通路(52)が形成されて、前記設置部材(14)を遊技盤(12)の裏側に配設した際に該球排出通路(52)が前記球導入通路(54)の球出口(54a)に連通するよう構成され、
前記球排出通路(52)における前記球出口(54a)との連通部に近接して前記ケース体(51)に前記球検出センサ(53)が配設されて、前記球導入通路(54)の球出口(54a)から球排出通路(52)に通入して該球排出通路(52)を流通する遊技球を該球検出センサ(53)で検出するよう構成したことを要旨とする。
請求項1の発明によれば、第2状態に維持された状態変化手段が第1状態に状態変化されることで、電磁波による不正行為を容易に検出することができる。また、状態維持手段が検出コイル内に位置するようケース体に保持されるので、状態変化手段を第2状態に確実に維持し得る。しかも、不正検出装置は、ケース体に状態変化手段、状態維持手段および球検出センサを配設する構成としたので、状態変化手段と球検出センサとの位置関係を適正に維持することができ、球検出センサに対する不正行為を確実に検出することができると共に、不正検出装置の取り扱いが容易となる。
また、球検出センサに対しては下側から不正な電磁波が照射される可能性が高く、この下側からの電磁波を確実に検出することができる。更に、始動口が設けられる始動口飾りを遊技盤に取り付ける一方、球検出センサが配設されたケース体を設置部材に取り付けるよう構成した。従って、始動口飾りを遊技盤に取り付ける際に、配線が遊技盤との間に挟み込まれるのを注意することなく組み付けることができ、作業が容易となる。
請求項2の発明によれば、ベース体にカバー体を組み付けることで、検出センサユニットを適正な姿勢に支持すると共に、状態維持手段を検出センサユニットの検出口に位置させることができ、検出センサユニットを第2状態に確実に維持し得る。
前記ベース体(55)とカバー体(56)とを組み付けた状態で、前記検出センサユニット(85)における検出口(87a)が設けられると共に前記発振回路(F)および発振検出回路(G)が形成されたセンサ装置本体(87)の後面が前記後壁(89b)に当接すると共に、該センサ装置本体(87)の前面に前記第1支持部(90a,90a)が当接することで、該検出センサユニット(85)が上側から下側に向かうにつれて後方傾斜する姿勢で位置決めされ、
前記後壁(89b)における前記センサ装置本体(87)に設けられた前記検出口(87a)に対応する位置に、後方に向けて凹む半球状の球受部(89e)が形成され、前記ベース体(55)とカバー体(56)とを組み付けた状態で、前記球受部(89e)と前記第2支持部(90b)とで支持された前記状態維持手段としての検出用金属球(86)の中心が検出口(87a)における開口方向の中央部と略一致するように位置決めされ、
前記後壁(89b)に、上面が後側から前側に向かうにつれて下方傾斜するように形成された規制部(89d,89d)が前記左右の側壁(89a,89a)に沿って前方に向けて突設されると共に、前記カバー体(56)における前記第2支持部(90b)より上側の壁裏面に、下面が前記規制部(89d)の上面と平行に延在するように形成された支持突片(90c)が設けられ、
前記ベース体(55)とカバー体(56)とを組み付けた状態で、前記センサ装置本体(87)の上下面に前記支持突片(90c)および規制部(89d)が当接して該センサ装置本体(87)の上下方向の移動を規制するよう構成されたことを要旨とする。
請求項4の発明によれば、球検出センサに対して照射される不正な電磁波を確実に検出することができる。
図4に示すように、前記遊技盤12は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材やベニア等の木板から前記中枠13の遊技盤保持部21に整合する略矩形平板状に形成され、該遊技盤12の前面(盤面)に配設された略円形状に湾曲形成された案内レール32により、パチンコ球が流下可能な遊技領域33が画成されている。また、遊技盤12の裏面に、前記図柄表示装置15が取り付けられた前記設置部材14が配設されている。
実施例の前記遊技盤12には、前記案内レール32で囲まれた前記遊技領域33の略中央の大部分が開口する第1装着口37aに、前後に開口する窓口(開口部)41aが形成された枠状装飾体41が取り付けられ、該枠状装飾体41の窓口41aを介して図柄表示装置15の表示部15aが遊技盤12の前面側に臨むよう構成される。枠状装飾体41は、前記第1装着口37aに沿って延在する環状に形成された薄板状の固定板41bと、該固定板41bの開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部(図示せず)と、該固定板41bの開口内周に沿って設けられて、遊技盤12の前面より前方へ突出する庇部41cとを備える。そして、枠状装飾体41は、第1装着口37a内に内周壁部を挿入した状態で、遊技盤12に固定板41bが前側からネジ止めされている。前記固定板41b、内周壁部および庇部41cの夫々は一体に樹脂形成する構成であっても、別部材として形成する構成であってもよい。
前記遊技盤12に配設される第1始動入賞装置(始動入賞装置)44は、図7に示す如く、遊技領域33に常に開放して該遊技領域33を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動口(始動口)45aを備えた前記始動口飾り45と、遊技盤12の裏側に配設された設置部材14に取り付けられ、該始動口飾り45から裏側に通出されたパチンコ球を機外に排出する球排出通路52が形成されたケース体(設置部)51と、該ケース体51に配設されて球排出通路52を流通するパチンコ球を検出する第1始動球検出センサ(球検出センサ)53とを備える。第1始動球検出センサ53は、パチンコ機10の裏側に配設された主制御装置31に図示しない中継基板を介して電気的に接続されている(図18参照)。
前記ケース体51は、図11,図12に示す如く、前方に開口するベース体55の前側に、該ベース体55の前方開口を覆うように透明なカバー体56が組み付けられて構成され、該ベース体55とカバー体56との間に画成された空間に、前記第1始動球検出センサ53および後述する検出センサユニット85および検出用金属球86を収納するように配設して、ユニットとして取り扱い得るようになっている。ケース体51は、ベース体55が前記設置部材14の後述するケース設置部72に着脱自在に取り付けられ、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態では、ケース体51に画成した球排出通路52の後述する球入口52aが、前記始動口飾り45に形成した前記球導入通路54の球出口54aに連通するよう構成される(図7参照)。
前記第2始動入賞装置46には、図4に示す如く、開閉体46b,46bによって常には閉鎖される第2始動口46aが設けられ、該第2始動口46aは、所定の開放条件および閉鎖条件(何れも後述)に従って開閉体46b,46bにより開閉されるよう構成される。第2始動口46aに入賞したパチンコ球は遊技盤12の後方へ送られ、前記設置部材14に設けた始動口用球通路63(図14参照)を流下して下方へ排出されるよう構成される。そして、この始動口用球通路63に、前記主制御装置31に接続された第2始動球検出センサ62が配設されて、前記第2始動口46aに入賞したパチンコ球を第2始動球検出センサ62で検出し得るよう構成されている。
前記特別入賞装置47は、図4に示す如く、遊技領域33に臨む横長の特別入賞口(第2入賞口)47aが開閉部材47bで常には閉鎖されており、前記第1または第2始動口45a,46aへのパチンコ球の入賞を契機とした前記大当り抽選の結果、大当りが発生すると、前記図柄表示装置15に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されると共に、開閉部材47bが開放するよう作動制御されて、特別入賞口47aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るよう構成されている。特別入賞装置47の装置本体47c(図13,図18参照)には、前記主制御装置31に電気的に接続された特別球検出センサ(第2検出手段)64が設けられている。特別球検出センサ64がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御装置31に出力し、主制御装置31は、前記払出制御装置29に制御信号を出力して、前記球払出装置28に多数の賞球を払い出させる。なお、図16に示すように、特別入賞装置47の装置本体47cは、遊技盤12に設けた前記第4装着口37dを介して遊技盤12の後方に突出している。
また、実施例のパチンコ機10では、前記第2始動入賞装置46の第2始動口46aを開放する開放条件および該第2始動口46aを閉鎖する閉鎖条件は、遊技状態に応じて設定される。すなわち、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に較べて、前記第2始動入賞装置46の第2始動口46aが開放され易くなるよう前記開放条件や閉鎖条件が設定されて、第2始動口46aへの入賞率を高くするよう構成されている。具体的には、実施例では、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に較べて、前記始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が短くなるよう設定されると共に、第2始動口46aの1回の開放毎の開放時間を長く設定することで、確率変動状態および時間短縮状態における第2始動口46aへの入賞確率を高くしている。例えば、遊技状態が通常状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略30秒で、かつ第2始動口46aの開放時間が0.1秒/1回に設定されるのに対し、遊技状態が確率変動状態および時間短縮状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略2秒で、かつ第2始動口46aの開放時間が2秒/1回に設定されている。
前記第1普通入賞装置49は、図4に示す如く、複数(実施例では、3つ)の第1普通入賞口49aを備え、該第1普通入賞口49aに入賞したパチンコ球は遊技盤12の後方へ送られる。そして、遊技盤12の後方へ送られたパチンコ球は、設置部材14に設けた後述する第1球通路部材73(図6参照)に形成した第1球通路73aを流下して下方へ排出されるよう構成される。
前記第2普通入賞装置50は、図4および図15に示す如く、遊技領域33(第2経路33b)に常に開放する第1入賞口としての第2普通入賞口(普通入賞口)50aと、該第2普通入賞口50aに通入したパチンコ球を遊技盤12の後方へ送る樋部50bとを備え、該樋部50bは前記第7装着口37gの後端で開口している。そして、樋部50bの後端の出口50cから通出したパチンコ球は、前記設置部材14に設けた後述する第2球通路部材76の第2球通路75を流下して下方へ排出されるよう構成される。
図6に示すように、前記設置部材14は、前記遊技盤12に対向する略矩形状の対向面部67と、該対向面部67の周縁部から前方に延出する外周壁部68とから前方に開放する箱状に形成され、全体が透明の部材で構成されている。前記外周壁部68の前端部には、設置部材14の開口外側へ延出する設置固定部69が複数形成されている。そして、設置固定部69を遊技盤12の裏面に当接した状態で、各設置固定部69を遊技盤12にネジ止めすることで、設置部材14が遊技盤12に着脱自在に取り付けられる。設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態では、該遊技盤12および設置部材14の間に所要の設置スペースが画成される。設置部材14には、遊技状態に合わせて発光演出や可動演出を行なう複数の演出装置70が配設されており、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、これら演出装置70が設置スペースに臨むようになっている。
図6,図11に示すように、前記開口部14aより下側の下対向面部67aの前側中央部には、前記第1始動入賞装置44のケース体51が着脱自在に配設されるケース設置部72が設けられる。このケース設置部72には、複数(実施例では3つ)の取着柱72aが上下および左右に離間して突設され、各取着柱72aの前端部を、ケース体51(ベース体55)に形成した対応の受け部55cに夫々嵌合したもとで、各受け部55cの通孔を介して取着柱72aにネジを螺挿することで、ケース体51がケース設置部72(設置部材14)に位置決め固定される。そして、設置部材14を遊技盤12に取り付けた状態で、ケース体51の前端面が、遊技盤12の裏面に近接するよう構成される(図7参照)。
前記下対向面部67aには、図6に示す如く、前記ケース設置部72の左方に、前記第1普通入賞装置49の第1普通入賞口49aに入賞したパチンコ球を機外に排出する第1球通路73aが形成された第1球通路部材73が配設されている。第1球通路73aは、前記3つの第1普通入賞口49aの夫々に連通する分岐前通路と、これら分岐前通路が合流する合流通路とからなり、合流通路の下流端に、パチンコ球を機外に排出する出口73bが形成されている。また第1球通路部材73には、前記合流通路に対応する位置に、合流通路(第1球通路73a)を流通するパチンコ球を検出する第1普通球検出センサ74が着脱自在に取り付けられる。第1普通球検出センサ74は、図18に示す如く、前記主制御装置31に電気的に接続され、第1普通球検出センサ74がパチンコ球を検出すると、検出信号が主制御装置31に出力されるようになっている。そして、主制御装置31は、第1普通球検出センサ74から検出信号が入力されると、前記払出制御装置29に制御信号を出力し、球払出装置28に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
前記下対向面部67aには、図6および図14に示す如く、前記ケース設置部72の右方に、前記第2普通入賞装置50の第2普通入賞口50aに入賞したパチンコ球を機外に排出する第2球通路(球通路)75が形成された第2球通路部材76が配設されている。第2球通路部材76の上端部には、前方に向けて開口する入口76aが形成され、該入口76aが、第2普通入賞装置50の出口50cに連通するよう構成される。第2球通路75は、図17に示す如く、上端部で入口76aに連通して略鉛直下方に延在する第1縦通路部75aと、該第1縦通路部75aの下流端に接続して左方に向けて斜め下方に延在する傾斜通路部75bと、該傾斜通路部75bの下流端に接続して略鉛直下方に延在する第2縦通路部75cとから構成され、該第2縦通路部75cの下流端に出口76bが形成され、第2球通路75を流通するパチンコ球は、出口76bから機外に排出されるよう構成される。
前記設置部材14における開口部14aより左側の対向面部67に、前記枠状装飾体41の球導入部43に近接する裏側位置に、第1センサ保持部(図示せず)が設けられ、該第1センサ保持部に、第1磁気センサ79が着脱自在に配設される。また、前記第2通路部材76の上端(入口76aの上方)に、第2センサ保持部80が設けられ、該第2センサ保持部80に、第2磁気センサ81が着脱自在に配設される。第1および第2磁気センサ79,81は、磁石等から発せられる磁気を検出するものであって、遊技盤12に磁石等を近付けて遊技領域33を流下するパチンコ球を誘導する不正行為(以下、不正磁気行為という)を検出するものである。両磁気センサ79,81は、図18に示す如く、前記主制御装置31に電気的に接続され、各磁気センサ79,81が磁気を検出した際に出力される検出信号(以下、磁気検出信号という)は、主制御装置31に入力される。
ここで、前述した2つの始動球検出センサ53,62や特別球検出センサ64は、いわゆる誘導式近接スイッチであって、実施例のパチンコ機10では、何れも同一のセンサ(以後、これらセンサ53,62,64を単に球検出センサDという場合がある)が採用されている。図19(a)に示すように、球検出センサDは、発振回路等を備えたセンサ本体82とコイルが設けられてパチンコ球が通過可能な球通過口83とを基本構成としている。図19(b)に示す如く、球検出センサDは、パチンコ球を検出していない状態(パチンコ球が球通過口83を通過していない状態)では、発振回路が発振して、高レベルの信号(以下、ハイレベル信号という)を出力するように設定されている。一方、球検出センサDは、パチンコ球を検出している状態(パチンコ球が球通過口83を通過している間)では、発振回路の発振が停止または減衰して、低レベルの信号(以下、ローレベル信号という)を出力するように設定されている。そして、主制御装置31は、球検出センサDからの出力信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り換わったときにパチンコ球を1カウントして、前記払出制御装置29を制御して球払出装置28に賞球を払い出させる。
図11,図12に示すように、前記不正検出装置84は、検出センサユニット(状態変化手段)85と、検出用金属球(状態維持手段)86と、これら検出センサユニット85および検出用金属球86を収容した前記ケース体51とから基本的に構成されている。すなわち、実施例の不正検出装置84は、前記第1始動球検出センサ53が配設されるケース体51を、検出センサユニット85および検出用金属球86を収容するケース体として兼用している。
前記ケース体51には、前記球排出通路52の側方(実施例では右方)に、前記検出センサユニット85および検出用金属球86を収納保持するセンサ設置部61が設けられる。センサ設置部61は、ベース体55に設けた後設置部89と、カバー体56に設けた前設置部90とから構成され、ベース体55にカバー体56を取り付けることで、前後の設置部89,90間に検出センサユニット85および検出用金属球86が位置決め保持されるよう構成される。後設置部89は、図11に示す如く、左右方向に離間する一対の側壁89a,89aと、両側壁89a,89aの後端縁間に設けられて、上側から下側に向かうにつれて後方傾斜する後壁89bとにより前方に開口するセンサ収容部89cが画成される。また後壁89bには、左右の側壁89a,89aに沿ってセンサ収容部89cに突出する規制部89d,89dが突設され、該規制部89dの上面は、後側から前側に向かうにつれて下方傾斜している。そして、検出センサユニット85におけるセンサ装置本体87の長手方向一端(配線の接続端)を規制部89d,89dに当接支持すると共に、該センサ装置本体87の後面を後壁89bに当接支持することで、該センサ装置本体87は、上側から下側に向かうにつれて後方傾斜する姿勢で支持される。また、後設置部89の後壁89bには、センサ装置本体87の検出口87aに対応する位置に、後方に向けて凹む半球状の球受部89eが形成されている。
前述のように、前記主制御装置31は、正常時(発振非検出状態)には、不正検出装置84からローレベル信号が入力される(図22参照)。また、不正電波行為により検出センサユニット85が発振検出状態に状態変化されると、出力回路Hからハイレベル信号が入力される。そして、主制御装置31は、不正検出装置84からの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定するようになっている(図22参照)。すなわち、検出用金属球86により発振非検出状態に維持されている筈の検出センサユニット85が発振検出状態に状態変化されると、主制御装置31は不正電波行為を検出する。
次に、不正判定時における主制御装置31の制御構成について、以下説明する。前記主制御装置31は、前記断線行為および球抜行為を含む不正電波行為や不正磁気行為の発生を検出すると、これら不正行為の発生を報知する制御を行なう。すなわち、主制御装置31は、前記統括制御装置19に制御信号を出力して前記図柄表示装置15やランプ装置18、スピーカ22で不正行為の発生を報知させる。ここで、図25に示すように、実施例に係るパチンコ機10では、不正電波行為(断線行為および球抜行為を含む)および不正磁気行為で、図柄表示装置15、ランプ装置18およびスピーカ22での作動態様が異なっている。従って、主制御装置31は、発生した不正行為に対応した制御信号を統括制御装置19に出力するよう構成される。具体的には、不正電波行為が発生した場合には、図柄表示装置15の表示部15aに不正電波行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正電波行為発生の旨を音声出力させる。更に、前記ランプ装置18を第1の色(実施例では、緑色)で発光させて、不正電波行為の発生を報知させる。また、不正磁気行為が発生した場合には、図柄表示装置15の表示部15aに不正磁気行為発生の旨を表示させると共に、スピーカ22に不正磁気行為発生の旨を音声出力させる。更に、ランプ装置18を第2の色(実施例では、紫色)で発光させて、不正磁気行為の発生を報知する。
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
次に、前記不正検出装置84の作用について説明する。先ず始めに、前記検出センサユニット85および検出用金属球86をケース体51に組み付ける際には、前記ベース体55のセンサ収容部89cに検出センサユニット85を収容セットし、前記検出口87a内に検出用金属球86を挿入する。そして、前記カバー体56の第1支持部90a,90aをセンサ収容部89c内に挿入したもとで、該カバー体56をベース体55にネジ止め固定することで、検出センサユニット85および検出用金属球86はケース体51の内部に位置決め保持される。不正検出装置84は、前記第1始動球検出センサ53が取り付けられるケース体51に、検出センサユニット85および検出用金属球86を収容して第1始動球検出センサ53と一体で取り扱うことができるので、両者53,85の位置関係を適正に維持することができる。
次に、不正電波行為が行なわれた場合の作用について、説明する。なお、不正検出装置84は、不正電波行為が行なわれていない正常時では、前記検出用金属球86により検出センサユニット85が発振非検出状態に維持されて、出力回路Hからローレベル信号が出力されている。従って、図22に示すように、正常時においては、主制御装置31にローレベル信号が入力され続ける。不正電波行為が発生すると、図23に示すように、電波により発信検出回路Gが断続的な発振を誤検出して、出力回路Hは、ローレベル信号およびハイレベル信号を交互に繰り返し出力する。そして、主制御装置31は、出力回路Hからの信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったときに、不正電波行為が発生したと判定する。すなわち、実施例の不正検出装置84によれば、電波により検出センサユニット85が発振非検出状態から発振検出状態に変化するので、簡単な構造により不正電波行為を極めて容易に検出し得る。そして、実施例では、出力回路Hからの出力がローレベル信号からハイレベル信号に切り換わったことで、主制御装置31が不正電波行為の発生を判定するので、極めて簡単な制御で不正電波行為を検出することができる。従って、主制御装置31での制御負担を少なくすることができ、誤判定が生ずる可能性も少なくなる。また、検出センサユニット85に電波を検出するための回路等を別途形成することなく、既存の検出センサDと同じものを検出センサユニット85として採用し得るから、不正検出装置84の製造コストを抑制することができる。
なお、前述した実施例は、以下に示す通り、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、主制御装置は、外部端子板を介してホールコンピュータに電気的に接続する構成とした。そして、主制御装置からのセキュリティー信号は、外部端子板を介してホールコンピュータに入力されるようになっていた(図18参照)。しかしながら、例えば、図26に示すように、外部端子板91を払出制御装置29に接続して、主制御装置31が、払出制御装置29、外部端子板91を介してホールコンピュータ92に電気的に接続する構成としてもよい。この場合、主制御装置31から出力されたセキュリティー信号は、払出制御装置29→外部端子板91を経てホールコンピュータ92に入力される。
(2) 実施例では、何れの不正行為が発生した場合も、主制御装置が同一のセキュリティー信号を出力する構成とした。しかしながら、主制御装置が出力するセキュリティー信号を不正行為毎に変更して、ホールコンピュータでの表示内容が不正行為毎に異なるようにしてもよい。このように、不正行為の種類に応じたセキュリティー信号を出力すれば、ホールコンピュータにおいて、不正電波行為または不正磁気行為の何れが発生したかを管理者等が簡単に判別することができる。
(3) 実施例では、断線行為や球抜行為が発生した場合にも、不正電波行為の発生時と同じように図柄表示装置等に報知させる構成とした。しかしながら、断線行為や球抜行為が生じた場合に、夫々異なる態様で報知させるようにしてもよい。例えば、断線行為が発生した場合には、図柄表示装置やスピーカに断線行為が発生した旨を報知させると共に、ランプ装置を第3の色(例えば赤色)で発光させる。また、球抜行為が発生した場合には、図柄表示装置やスピーカに球抜行為が発生した旨を表示させると共に、ランプ装置を第4の色(例えば白色)で発光させる等して、断線行為や球抜行為についても夫々判別し得るようにしてもよい。
(4) 実施例では、発振検出状態で出力回路がハイレベル信号を出力し、発振非検出状態で出力回路がローレベル信号を出力する構成とし、ハイレベル信号が出力されたときに主制御装置が不正電波行為の発生を判定する構成とした。しかしながら、出力回路が出力する信号としては、発振検出状態および発振非検出状態に対応した2種類の信号であれば、如何なる信号であってもよい。例えば、実施例とは反対に、発振検出状態でローレベル信号を出力し、発振非検出状態でハイレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、ローレベル信号が入力されたときに、主制御装置は不正電波行為が発生したと判定する。
(5) 実施例では、検出センサユニット(状態維持手段)が電波により発振非検出状態(第2状態)から発振検出状態(第1状態)に状態変化される構成とした。しかしながら、磁気により状態変化手段が第2状態から第1状態に変化される構成として、磁気によって、例えば第1始動球検出センサ、特別球検出センサ等を誤作動させる行為を検出し得るようにしてもよい。
(6) 実施例では、状態維持手段としてパチンコ球である検出用金属球を採用したが、状態維持手段としては、発振回路の発振を停止または減衰させ得る磁性体であれば、如何なるものであってもよい。例えば、角柱状や円柱状の金属体を状態維持手段として採用し得る。
(7) 実施例では、遊技領域に常に開放する始動口を備える始動入賞装置の電気部品が配設されるケース体に検出センサユニットおよび検出用属球を配設したが、開閉体により開閉される始動口を備える始動入賞装置において、電気部品が配設されるケース体に検出センサユニットおよび検出用金属球を配設するものであってもよい。また、複数の不正検出装置を遊技機に設置してもよい。
(8) 実施例では、特定の条件の成立時に「右打ち」を実施することで、遊技者にとって有利な遊技を享受させ得るよう構成されたパチンコ機の場合で説明したが、「右打ち」によっても遊技者にとって有利な遊技とならないパチンコ機であってもよい。
(9) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
14 設置部材
33 遊技領域
45 始動口飾り
45a 第1始動口(始動口)
51 ケース体
52 球排出通路
53 第1始動球検出センサ(球検出センサ)
54 球導入通路
54a 球出口
55 ベース体
56 カバー体
84 不正検出装置
85 検出センサユニット(状態変化手段)
86 検出用金属球(状態維持手段、磁性体、金属球)
87 センサ装置本体
87a 検出口
88 検出コイル
89a 側壁
89b 後壁
89d 規制部
89e 球受部
90a 第1支持部
90b 第2支持部
90c 支持突片
F 発振回路
G 発振検出回路
Claims (4)
- 遊技領域が前側に設けられる遊技盤と、該遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な始動口と、該始動口に入賞した遊技球を検出する球検出センサとを備え、該球検出センサによる遊技球の検出を契機として、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの抽選が行なわれる遊技機において、
前記遊技盤に配設され、前記始動口が前記遊技領域に常に開口するように設けられた始動口飾りと、
前記始動口飾りに設けられ、前記始動口に入賞した遊技球を遊技盤の裏面側へ導く球導入通路と、
前記遊技盤の裏側に配設した設置部材に配設され、前記球導入通路に連通する球排出通路が設けられた不正検出装置とを有し、
該不正検出装置は、
検出コイル、発振回路および発振検出回路を備え、発振回路の発振を発振検出回路が検出した第1状態と、該発振回路の発振の停止または減衰を発振検出回路が検出した第2状態とに状態変化するよう構成されると共に、電磁波により第2状態から第1状態に状態変化される状態変化手段と、
磁性体から構成され、前記発振回路の発振を停止または減衰させて前記状態変化手段を第2状態に維持する状態維持手段と、
前記検出コイル内に前記状態維持手段が位置するよう前記状態変化手段および状態維持手段を保持するケース体とを備え、
前記状態変化手段は、前記検出コイル、発振回路および発振検出回路を備えた検出センサユニットであって、該検出センサユニットは、前記検出コイルが設けられた検出口を備え、検出センサユニットは、前記検出口の開口方向に電波の検出範囲が大きく設定され、該開口方向が斜め下向きとなる姿勢で検出センサユニットが前記ケース体に保持され、
前記ケース体に前記球排出通路が形成されて、前記設置部材を遊技盤の裏側に配設した際に該球排出通路が前記球導入通路の球出口に連通するよう構成され、
前記球排出通路における前記球出口との連通部に近接して前記ケース体に前記球検出センサが配設されて、前記球導入通路の球出口から球排出通路に通入して該球排出通路を流通する遊技球を該球検出センサで検出するよう構成した
ことを特徴とする遊技機。 - 前記ケース体は、前方に開口するベース体と、該ベース体の前側に組み付けられるカバー体とからなり、ベース体およびカバー体の間に前記検出センサユニットを収容するよう構成され、前記カバー体における検出センサユニットに対応する位置に、第1支持部および壁面を後方に凹ませた第2支持部が設けられて、ベース体にカバー体を組み付けた際に、第1支持部で検出センサユニットを開口方向が斜め下向きとなる姿勢に支持すると共に、第2支持部で前記状態維持手段を検出口内に位置するように支持するよう構成した請求項1記載の遊技機。
- 前記ベース体に設けられて上側から下側に向かうにつれて後方傾斜する後壁の左右両側に、前方に突出する一対の側壁が設けられると共に、前記カバー体に設けられて前記後壁と平行な前記第2支持部の左右両側に、前記側壁の内側に臨む間隔で後方に突出する一対の前記第1支持部が設けられ、
前記ベース体とカバー体とを組み付けた状態で、前記検出センサユニットにおける検出口が設けられると共に前記発振回路および発振検出回路が形成されたセンサ装置本体の後面が前記後壁に当接すると共に、該センサ装置本体の前面に前記第1支持部が当接することで、該検出センサユニットが上側から下側に向かうにつれて後方傾斜する姿勢で位置決めされ、
前記後壁における前記センサ装置本体に設けられた前記検出口に対応する位置に、後方に向けて凹む半球状の球受部が形成され、前記ベース体とカバー体とを組み付けた状態で、前記球受部と前記第2支持部とで支持された前記状態維持手段としての検出用金属球の中心が検出口における開口方向の中央部と略一致するように位置決めされ、
前記後壁に、上面が後側から前側に向かうにつれて下方傾斜するように形成された規制部が前記左右の側壁に沿って前方に向けて突設されると共に、前記カバー体における前記第2支持部より上側の壁裏面に、下面が前記規制部の上面と平行に延在するように形成された支持突片が設けられ、
前記ベース体とカバー体とを組み付けた状態で、前記センサ装置本体の上下面に前記支持突片および規制部が当接して該センサ装置本体の上下方向の移動を規制するよう構成された請求項2記載の遊技機。 - 前記検出センサユニットは、前記球検出センサの側方に配置される請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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