JP2011104291A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】裏ユニットに配設する可動体の移動範囲や寸法等の設計の自由度が高い遊技機を提供する。
【解決手段】裏ユニット19における透明板の第1可視部の裏側に、側部発光装置49が配設される。側部発光装置49の基板ケース73の裏面における装飾部材から離間する左側端縁に沿って、第2の特別入賞装置の入賞口に連通する縦球通路部81が上下方向に延在するように配設される。裏ユニット19の下対向面部に、左右方向に揺動する下可動体46aが配設される。縦球通路部81と装飾部材との間における基板ケース73の裏面と裏ユニット19の左対向面部44cとの間に、前記下可動体46aを収容可能な第1空間S1が画成される。
【選択図】図11

Description

この発明は、遊技盤の遊技領域に配設した枠状の装飾部材の上部に、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口を設けた遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、前面に遊技領域が画成される板部材と、該板部材の裏側に配設された裏ユニットとから遊技盤が構成されると共に、板部材の略中央位置に枠状の装飾部材が配設されて、該装飾部材の窓口から裏ユニットの裏側に配設した液晶式やドラム式等の図柄表示装置を前側に臨ませると共に、該遊技盤における装飾部材の下方位置に、パチンコ球の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置や大当り時に入賞口を開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。この種のパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動ゲームに伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、前記特別入賞装置の入賞口が開放して多数の賞球を獲得し得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のパチンコ機では、遊技領域に対してパチンコ球が打ち出される装飾部材の上部に、前記図柄表示装置での大当り時に入賞口を開放する別の特別入賞装置を配設し、遊技の興趣を向上するようにしている。そして、別の特別入賞装置の入賞口に入賞したパチンコ球は、装飾部材の内周縁部に設けた球排出通路を流下して機裏側の球回収部に排出されるようになっている。
特願2008−296925号公報
近年では、視覚的な演出効果を高めるために、図柄表示装置における表示部の前側を移動する可動体を備えた演出装置を裏ユニットに配設し、該可動体を図柄表示装置で行なわれる遊技演出に合わせて動作させることが行なわれている。この場合に、特許文献1に開示のパチンコ機では、装飾部材の内周縁部に形成した前記球排出通路と、機裏側に設けた球回収部とを連通する連絡通路が、窓口に近接する装飾部材の側部裏側で前後方向に延在しているため、図柄表示装置における表示部の前側、すなわち装飾部材の窓口内で移動する可動体は連絡通路と干渉しない範囲でしか移動させることができず、可動体の移動範囲や寸法が規制されたり、該可動体の配設位置が限定される難点が指摘される。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、裏ユニットに配設する可動体の移動範囲や寸法等の設計の自由度が高い遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(18a)が前側に設けられる板部材(18)および前側に開口する箱状に形成されて該板部材(18)の裏側に配設された裏ユニット(19)を備える遊技盤(17)と、該板部材(18)に配設され、遊技領域(18a)を流下する遊技球が入賞可能な入賞口(29a)が上部に設けられた枠状の装飾部材(26)と、前記裏ユニット(19)の裏側に配設され、各種図柄を可変表示可能な表示部を装飾部材(26)の窓口(26a)に後方から臨ませた図柄表示装置(13)と、前記裏ユニット(19)に配設されて動作により演出を行なう可動体(46a)と、機裏側に設けられて遊技球を回収する球回収部とを備えた遊技機において、
前記板部材(18)における装飾部材(26)の側方に設けられた可視部(53b)と、
前記裏ユニット(19)における前記可視部(53b)の裏側に臨む位置に配設され、該裏ユニット(19)の後壁(44)から前側に離間する基板ケース(73)と、
前記基板ケース(73)に収容され、前記可視部(53b)に向けて光を照射する発光体(71)が配設された発光基板(72)と、
前記基板ケース(73)の裏面における装飾部材(26)から離間する側端縁に沿って上下方向に延在するよう配設され、該基板ケース(73)の裏面との間に前記球回収部に連通する球通路(81a)を形成する縦球通路部(81)と、
前記縦球通路部(81)の上端に設けられて球通路(81a)に前記入賞口(29a)を連通するよう接続する上球通路部(82)とを備え、
前記縦球通路部(81)と装飾部材(26)との間における基板ケース(73)の裏面と裏ユニット(19)の後壁(44)との間に、前記可動体(46a)を収容可能な空間(S1)を画成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、入賞口に接続する球通路を画成する縦球通路部を、装飾部材の側方に臨む基板ケースの裏面における装飾部材から離間する端縁に沿って配設して、装飾部材の裏側に可動体を収容可能な空間を画成するようにしたから、裏ユニットに配設する可動体の移動範囲、寸法および配設位置等の設計の自由度を高くすることができる。すなわち、大型の可動体を配設して、該可動体を図柄表示装置の表示部の前側に臨む位置と、表示部の前側から退避して装飾部材の裏側に臨む位置との間で可動体を移動させることができ、インパクトのある演出を行なうことが可能となる。また、基板ケースと縦球通路部とで球通路を画成するようにしたから、縦球通路部のみで球通路を画成する場合に比べ、基板ケースの裏面からの縦球通路部の突出寸法を抑制し得る。
請求項2に係る発明では、前記球回収部に下端で連通する下球通路(84c)を画成する下球通路部(84)が、前記裏ユニット(19)の側壁内面および下壁内面に沿って設けられ、該下球通路部(84)の上端に、前記縦球通路部(81)の下端に形成した球出口(81b)に連通可能な球入口(84a)が形成されると共に、
前記縦球通路部(81)には、前記下球通路部(84)に設けた係合部(85)に係合して縦球通路部(81)の球出口(81b)と下球通路部(84)の球入口(84a)とを整合するよう位置決めする被係合部(83)を設けたことを要旨とする。
請求項2の発明によれば、縦球通路部の球出口と下球通路部の球入口とを確実に整合して接続することができ、球通路内での球詰りの発生を防止し得る。
請求項3に係る発明では、前記基板ケース(73)に発光基板(72)を固定するネジ(79)が螺挿されるネジ孔(78a)を形成したボス部(78)が、前記球通路(81a)内に遊技球が接触可能に突出していることを要旨とする。
請求項3の発明によれば、発光基板を基板ケースに固定するためのボス部を利用して球通路を流下する遊技球の勢いを弱めることができるから、遊技球の勢いを弱めるための専用の部分を設ける必要はなく、縦球通路部自体の構成を簡略化し得る。
本発明に係る遊技機によれば、裏ユニットに配設する可動体の移動範囲、寸法および配設位置等の設計の自由度を高くし得る。
本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る可動演出装置を配設した裏ユニットを前側から視た状態で示す概略斜視図である。 実施例に係る装飾部材に配設された第2の特別入賞装置を示す要部正面図である。 実施例に係る遊技盤における要部正面図である。 実施例に係る装飾部材に配設された第2の特別入賞装置を示す縦断側面図である。 実施例に係る遊技盤の縦断側面図である。 実施例に係る遊技盤における第2の特別入賞装置や左可動演出装置の配設部位を示す要部横断底面図である。 実施例に係る裏ユニットから側部発光装置の基板ケースを取外した状態で示す要部正面図である。 実施例に係る裏ユニットの横断平面図であって、下可動体は待機位置に臨んでいる。 図10における左側部分を拡大して示す裏ユニットの横断平面図である。 実施例に係る裏ユニットから左可動演出装置および下球通路部を取外した状態で示す要部概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットに配設されている左可動演出装置を示す正面図である。 実施例に係る裏ユニットに配設されている左可動演出装置を示す概略斜視図である。 実施例に係る裏ユニットを左対向面部で縦断して左可動体と中継基板との配線の接続状態を示す要部側面図である。 実施例に係る裏ユニットを左対向面部で縦断して中継基板の取付け部分を示す要部側面図である。 実施例に係る左可動体を前側から視た状態で示す分解斜視図である。 実施例に係る左可動体を後側から視た状態で示す分解斜視図である。 実施例に係る側部発光装置を前側から視た状態で示す分解斜視図である。 実施例に係る球排出通路部材、球通路部材および下球通路部の関係を示す概略背面図である。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤17(図2参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられて、該遊技盤17の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤17を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。また、前記中枠12の裏側には、遊技に供されたパチンコ球を遊技店側に設けた球回収設備に排出する球回収部(図示せず)が設けられている。
(遊技盤について)
前記中枠12に配設される前記遊技盤17は、図2,図3または図7に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域18aが画成され、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の透明板(板部材)18と、該透明板18の裏面に組付けられて前記図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、何れも後述する可動演出装置46,47,48や発光装置49,50(図3,図10参照)が配設される合成樹脂材で形成された裏ユニット19とから構成され、該裏ユニット19に形成された前後に開口する開口部19aを介して図柄表示装置13の表示部を前面側から視認し得るよう構成されている。裏ユニット19に形成される開口部19aは、図3に示す如く、該裏ユニット19の上下および左右幅の大部分が開口する大型の開口部である。ここで、前記透明板18および裏ユニット19は、外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、該透明板18と裏ユニット19とを組付けた状態で透明板18の裏面を裏ユニット19で全面的に覆うよう構成される。
(透明板について)
図1または図2に示すように、前記透明板18の前面には、円弧状に形成した案内レール20が配設されると共に、該案内レール20の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した第1盤面飾り部材21が配設されている。そして、前記案内レール20および第1盤面飾り部材21により前記遊技領域18aが略円形状に画成され、該遊技領域18aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域18a内に打ち出されて、該遊技領域18a内をパチンコ球が流下して遊技が行なわれるようになっている。なお、打球発射装置から発射されたパチンコ球は、透明板18の下側から左側に案内レール20で案内されて、遊技領域18aの左上部に打ち出される。また、前記透明板18の遊技領域18a内には、多数の遊技釘(図示せず)が植設されており、該遊技領域18aを流下するパチンコ球は、遊技釘との接触により流下方向が不規則に変更させられるよう構成してある。
前記透明板18の盤面には、前記案内レール20の左方(遊技領域18aの外側)の上下位置に第2盤面飾り部材22が夫々が配設されている。前記第1および第2盤面飾り部材21,22の夫々は、不透明な合成樹脂材から形成されており、透明板18において該第1および第2盤面飾り部材21,22が配設された部分を除いた領域(すなわち遊技領域18a)で裏側(裏ユニット19)を視認し得るよう構成されている。すなわち、前記裏ユニット19に配設される可動演出装置46,47,48や発光装置49,50は、透明板18を介して前側から視認し得るようになっている。実施例では、透明板18に配設される後述する始動入賞装置23、第1の特別入賞装置24、普通入賞装置25、装飾部材26等の部品における不透明な部分を除く透明板18の略全体が可視部となっている。
前記透明板18には、後述する装飾部材26の配設位置より下方位置に、前記遊技領域18aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置23や第1の特別入賞装置24が配設されており、始動入賞装置23の始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として、所定数のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿15,16に払い出されると共に前記図柄表示装置13の表示部において図柄変動演出が開始されるようになっている。また、前記第1の特別入賞装置24は、入賞口24aが開閉扉24bで常には閉鎖されており、前記図柄表示装置13での図柄変動の結果、図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉24bが開放するよう作動制御されて、入賞口24aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。なお、透明板18には、第1の特別入賞装置24の左右両側に普通入賞装置25が夫々が配設されている。
(装飾部材について)
前記透明板18には、前後に貫通する貫通孔が形成されており、該貫通孔に対して前後に開口する枠状の装飾部材26が嵌め込まれるようにして着脱自在に配設される。そして、前記裏ユニット19の開口部19aから臨む前記図柄表示装置13の表示部は、装飾部材26における前後に開口する窓口26aを介して透明板18(遊技盤17)の前側に露出して、該図柄表示装置13の表示部で展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。
前記装飾部材26には、上縁部から左右両縁部に亘り、透明板18の前面より前方に突出する円弧状の庇状部26bが設けられており、前記遊技領域18aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部26bで案内し得ると共に、該パチンコ球が装飾部材26の窓口26aを横切って流下するのを庇状部26bで規制している。また装飾部材26には、図2に示す如く、窓口26aの下側に、光透過性のステージ27が配設されると共に、窓口26aの左側に、遊技領域18aに開口して該遊技領域18aを流下するパチンコ球を取込んでステージ27に案内する球導入部28が設けられ、該球導入部28からステージ27に通出されたパチンコ球は、ステージ27上を左右に転動した後に、前記各入賞装置23,24,25が配設されている遊技領域18aに排出される。
前記装飾部材26は、透明な(光透過性の)合成樹脂材料で形成された本体部に、めっき等により不透明とされた各種装飾体を部分的に配設して構成されて、装飾体が配設されていない部分においては本体部を透して後側が前側から視認し得るよう構成されている。そして実施例では、装飾部材26における左上部分、すなわち前記球導入部28の上端から後述する第2の特別入賞装置29の配設位置までの間に亘って装飾体が配設されない透明部分26cが設定されて、該透明部分26cを透して後述する左可動体51を前側から視認し得るようにしてある(図5参照)。
(第2の特別入賞装置について)
また、図1,図2,図4または図5に示すように、前記装飾部材26の上部位置には、前記図柄表示装置13での図柄の変動結果に応じて入賞口29aが開放することで前記遊技領域18aを流下するパチンコ球が入賞可能な第2の特別入賞装置(入賞装置)29が設けられている。第2の特別入賞装置29は、前記装飾部材26の上部位置に、左方向に開口するよう開設された入賞口29aをフラップ状の開閉部材29bにより閉鎖するよう構成されており、該開閉部材29bが左方向に傾倒することで、該入賞口29aが遊技領域18a内に開口するようになっている。入賞口29aは、左方、後方および下方に開口する透明な口画成部材30を装飾部材26の前面に取付けることで画成され、該口画成部材30の下端に、後述する球排出通路部材36の一端が接続される。また、口画成部材30の左側に位置する開閉部材29bは、装飾部材26に軸を介して回動自在に枢支されると共に、該軸から偏倚した位置に連繋ピン(図示せず)が後方に突出するように設けられ、該連繋ピンを後述する駆動手段31により作動することで開閉部材29bが開閉されるよう構成される。
前記第2の特別入賞装置29の入賞口29aは、前記開閉部材29bにより常には閉鎖されており(図4参照)、前記図柄表示装置13での図柄変動の結果、前記第1の特別入賞装置24の開閉扉24bを開放させる前記所定の図柄組み合わせ以外の特定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が図柄表示装置13に停止表示されることで発生する「大当り」により、該開閉部材29bを開放するよう駆動手段31が作動制御されて、入賞口29aへのパチンコ球の入賞を許容するようになっている。そして、前記第2の特別入賞装置29の入賞口29aに入賞したパチンコ球を、前記口画成部材30に配設した球検出センサ32(図6参照)が検出することで、遊技者が多数の賞球を獲得し得るようになっている。すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、「大当り」の発生時に開放可能な2つの特別入賞装置24,29が配設されており、「大当り」の発生条件に応じて、第1の特別入賞装置24および第2の特別入賞装置29の何れかの入賞口24a,29aが開放されるようになっている。ここで、前記第2の特別入賞装置29は、装飾部材26の左上部位置に設けられていることから、前記第1の特別入賞装置24に較べて、遊技領域18aの左上部に打ち出されたパチンコ球が入賞し易くなっている。
前記第2の特別入賞装置29の開閉部材29bを開閉作動する前記駆動手段31は、図4または図6に示す如く、駆動源としてのソレノイド33と、該ソレノイド33におけるプランジャ33aの延出端に連結された連繋部材34とを備え、該連繋部材34が開閉部材29bに設けた前記連繋ピンに連繋されている。駆動手段31は、前記装飾部材26における前記口画成部材30の配設部分に対応する裏側において、長手方向を上下方向に沿わせた縦向きに設置されると共に、ソレノイド33の下側に設けられる連繋部材34が連繋ピンに連繋される。すなわち、ソレノイド33は、プランジャ33aの進退方向が上下方向に沿うように倒立姿勢(ソレノイド本体からプランジャ33aが下向きに突出する姿勢)で配置されると共に、プランジャ33aの下端に連結した連繋部材34が連繋ピンに連繋されている。ソレノイド33は、非励磁状態ではプランジャ33aが圧縮コイルバネ35によって常には下方(ソレノイド本体から延出する方向)に向けて付勢されて、この状態で前記連繋部材34に連繋ピンを介して連繋されている開閉部材29bは入賞口29aを閉成する状態に保持される。そして、ソレノイド33を励磁することでプランジャ33aが圧縮コイルバネ35の弾力に抗して上方(ソレノイド本体内に引き込まれる方向)に引き上げられることで、連繋部材34と連繋ピンとの連繋作用下に開閉部材29bが傾動して入賞口29aを開放する状態となるよう構成される。なお、装飾部材26における前記駆動手段31の前側に臨む部分には、ダイヤモンドカットや梨子地加工等の各種の乱反射加工等を施して、後側の駆動手段31が前側から視認され難くしてある。また、装飾部材26に、不透明なシールを貼着したり不透明な塗料を塗布する等によって、後側に臨む駆動手段31が装飾部材26を透しては完全に見えないようにしてもよい。
前記連繋部材34に対する連繋ピンの連繋構造は、ソレノイド33の励磁により連繋部材34を正規に引き上げる動作による開閉部材29bの開放動作は許容するが、ソレノイド33の非励磁状態において開閉部材29bを強制的に開放するよう回動する場合には該開閉部材29bの開放動作を規制するよう構成されている。すなわち、開閉部材29bを不正に開放することでパチンコ球を不正に獲得する行為を防止し得るようになっている。
(球排出通路部材について)
前記装飾部材26の内周端縁(開口上縁部)、すなわち前記庇状部26bの内側には、右端(一端)が前記第2の特別入賞装置29の入賞口29aに連通するよう前記口画成部材30の下端に連通接続すると共に、左端(他端)が後述する上球通路部82に連通する球排出通路部材36が左右方向に延在するように配設されている。この球排出通路部材36は、左端に向けて下方傾斜すると共に後方に偏倚するように延在し(図7,図8参照)、前記透明板18の後端より後側に臨む左端部において後側に向けて球出口36aが開口するよう構成される(図20参照)。球排出通路部材36は、図6に示す如く、後方に開口する樋状本体38と、該樋状本体38の後部開口を閉塞する後壁39とから構成されて、樋状本体38の左端部に、後壁39で閉塞されない前記球出口36aが形成される。また、球排出通路部材36は透明な(光透過性の)合成樹脂材から形成されると共に、図2および図5に示す如く、前記窓口26a内に臨んで前側から視認可能な位置に設けられ、前記入賞口29aに入賞したパチンコ球が球排出通路部材36に内部画成される上球通路36bを流下する様子を前側(遊技者)から視認し得るよう構成される。なお、樋状本体38の左端部には、前記球出口36aに対応する位置に外方に延する蓋部38aが設けられ、該蓋部38aによって上球通路部82の後述する球入口82bを部分的に閉塞するようになっている。
前記球排出通路部材36の右端部は、前記開閉部材29bを開閉作動する駆動手段31における連繋部材34の前側に臨んでいる。そして、球排出通路部材36における連繋部材34の前側に臨む部位の後壁39に、該連繋部材34を前側から視認し得ないようにする目隠し加工が施された目隠し部39aが設けられている。目隠し部39aに施される目隠し加工としては、梨子地加工、不透明なシールの貼付、不透明な塗料の塗布等、各種の加工を採用し得る。なお、前記球排出通路部材36は、後述する左可動体51の前側に臨むよう位置決めされると共に、該左可動体51と前後に重なる部分は目隠し加工は施されておらず、該球排出通路部材36を透して左可動体51を前側から視認し得るよう構成してある(図5参照)。
(装飾部材の可動演出装置について)
前記装飾部材26には、前記第2の特別入賞装置29の配設位置より右側の庇部26bの下側に、図2に示す如く、上下方向に揺動可能な上可動体40aを備えた上可動演出装置40が配設されており、前記図柄表示装置13で行なわれる図柄変動ゲームに合わせて上可動体40aを作動させることで、遊技の興趣を向上するよう構成してある。前記上可動体40aには、照明装置が内蔵されており、該上可動体40aの前面は照明装置によって裏側から照明されるようになっている。また装飾部材26における右下部には、回転する右下可動体41aを備えた右下可動演出装置41が配設されており、前記図柄表示装置13で行なわれる図柄変動ゲームに合わせて右下可動体41aを回転させることで、遊技の興趣を向上するよう構成してある。なお、右下可動演出装置41も右下可動体41aを裏側から照明する照明装置を備えており、上可動演出装置40および右下可動演出装置41の各照明装置は、制御手段からの制御信号に基づいて制御されて発光演出を行なうよう構成される。
(裏ユニットについて)
前記裏ユニット19は、図3に示すように、前方に開口する矩形箱状に形成された箱状本体42と、該箱状本体42の開口前端部に形成されて当該箱状本体42の開口外側へ延出し、前記透明板18の裏面に当接する取付部43とから構成される。箱状本体42は、前記透明板18に対向する矩形板状に形成された対向面部(後壁)44と、該対向面部44における上下左右の各縁部から前方に延出する画壁部45a,45b,45c,45dとから前方に開口するよう形成されて、各画壁部45a,45b,45c,45dの前端部から箱状本体42の開口外側へ向けて延出するよう前記取付部43が形成されている。そして、取付部43の前面を透明板18の裏面に当接した状態で、ネジを介して透明板18に裏ユニット19が着脱自在に固定される。
前記対向面部44に、上下および左右幅の大部分が開口する大型の前記開口部19aが形成されており、以下の説明において、対向面部44における開口部19aに対する上下左右に位置する部分について、上対向面部44a、下対向面部44b、左対向面部44c、右対向面部44dと夫々指称し、該上下左右の対向面部44a,44b,44c,44dに対応する画壁部を、上画壁部45a、下画壁部45b、左画壁部45c、右画壁部45dと夫々指称するものとする。
前記透明板18の裏側に裏ユニット19を取付けた状態で、該裏ユニット19の対向面部44と透明板18との間に所要の空間が画成され、前記対向面部44に設けられる前記可動演出装置46,47,48や発光装置49,50が該空間に臨むよう構成される。実施例では、図3に示す如く、下対向面部44bに下可動演出装置46が配設され、左対向面部44cに左可動演出装置47が配設され、右対向面部44dに右可動演出装置48が配設される。また左対向面部44cには、前記左可動演出装置47の前側に臨むように側部発光装置(発光装置)49が配設されると共に、下対向面部44dには、下可動演出装置46の前側に臨むように下部発光装置50,50が配設されている(図10参照)。
(下可動演出装置について)
前記裏ユニット19の下対向面部44bに配設される下可動演出装置46は、図3また図10に示す如く、下対向面部44bに対して左右方向に回動自在に配設された一対の下可動体(可動体)46a,46aと、両下可動体46a,46aを相互に反対方向に揺動するよう駆動する下駆動機構46bとを備え、下駆動機構46bによって両下可動体46a,46aは、前記図柄表示装置13における表示部の前側に臨む作動位置と該表示部の前側から退避する待機位置との間を揺動するよう構成される。両下可動体46a,46aは、何れも作動位置において前記窓口26aの下端縁部から図柄表示装置13における表示部の略中央部まで延出する大型のものであって、両下可動体46a,46aが表示部中央で合体することで一つの意匠を構成するようになっている。左側の下可動体46aは、作動位置から左側に傾動した待機位置において、左対向面部44cおよび下対向面部44bと側部発光装置49および左側の下部発光装置50との間に画成される第1空間S1に収容され、また右側の下可動体46aは、作動位置から右側に傾動した待機位置において、右対向面部44dおよび下対向面部44bと右可動演出装置48および右側の下部発光装置50との間に画成される第2空間S2に収容されるよう構成してある(図10参照)。
(左可動演出装置について)
前記裏ユニット19の左対向面部(設置部)44cに配設される左可動演出装置47は、図9または図12に示す如く、左対向面部44cに沿って斜め上下方向に移動自在な左可動体(可動体)51と、該左可動体51を駆動する左駆動機構(駆動手段)52とを備え、該左駆動機構52によって左可動体51は斜め上下方向に往復移動するよう構成される。左可動体51は、図2に示す如く、前記装飾部材26における左上隅部の後側に臨むように位置決めされて、一部が前記球排出通路部材36および後述する上球通路部82の後方において窓口26a内に臨んでいる。また左可動体51は、装飾部材26の前記透明部分26cを挟んで該装飾部材26の外側で前記第2の特別入賞装置29の左側方に臨む透明板19の可視部(この可視部を特に区別する場合は第1の可視部53aと指称する)の後方にも臨んでおり(図5参照)、当該左可動体51は、球排出通路部材36、上球通路部82、装飾部材26の透明部分26cおよび透明板18の第1の可視部53aを透して前側から視認し得るよう構成される。
前記左可動体51は、図9,図12,図13等に示す如く、矛状に形成されて、その先端を斜め上向きの姿勢で配設され、その先端部分が前記第1の可視部53aの後側において第2の特別入賞装置29を向くようになっている。すなわち、左可動体51が斜め上下方向に移動することで、左可動体51の先端部が第2の特別入賞装置29に対して近接・離間移動する状態が、第1の可視部53aを透して遊技者から視認できるようになっており、遊技者の関心を第2の特別入賞装置29に向けさせ得るよう構成される。なお、左可動体51は、左対向面部44c(遊技盤17の盤面となる透明板18の板面)に沿って移動することで、前後方向には変位しないように構成されて、前記上球通路部82や球排出通路部材36と干渉することはない。
前記左可動演出装置47は、図12に示す如く、前記左可動体51および左駆動機構52を、金属製の板金からなる取付部材54に配設してユニット化されて、該取付部材54を介して左対向面部44cに着脱自在に配設される。取付部材54の前面には、該取付部材54の前面から離間した位置で左可動体51を摺動自在に支持する支持部材54aが配設されると共に(図8参照)、左駆動機構52を構成するモータ52aが配設される。モータ52aにより回転駆動される駆動ギヤに噛合する従動ギヤ55が取付部材54に回動自在に軸支されており、該従動ギヤ55に一体的に設けたアーム55aが、左可動体51に配設した連繋部51aに連繋されている。そして、モータ52aの駆動により従動ギヤ55を正転および逆転することで、左可動体51は支持部材54aに沿って往復移動するよう構成される。
(左可動演出装置の配線構造について)
前記左可動体51は、図17および図18に示す如く、後方に開口する光透過性のカバー体56と、該カバー体56の裏側に配設され、前面に複数のLED(発光体)57を実装したLED基板(電気部品)58とを備え、LED57を発光することでカバー体56を裏側から照明し得るよう構成される。カバー体56は、主カバー部59と、該主カバー部59における長手方向の一端(第2の特別入賞装置29から離間する側)に配設される副カバー部60とから構成される。前記LED基板58における副カバー部60の裏側に位置する端部裏面に、該副カバー部60の開放端(主カバー部59から離間する端)に向けて接続口を開口した第1コネクタ61が配設されており、該第1コネクタ61に配線としてのフレキシブルフラットケーブル(以後、単にケーブルと称す)62の一端が、フラットな面が前後を向く姿勢で差込み接続されている。このケーブル62は、副カバー部60の裏面に着脱自在に配設される挟持部材63と、該副カバー部60における開放端側の壁部60aとによって第1コネクタ61との接続部近傍が挟持されて(図15参照)、該ケーブル62が第1コネクタ61から簡単には抜けないよう構成される。
前記左対向面部44cには、前記左可動体51における副カバー部60に対し、該左可動体51による第2の特別入賞装置29から離間する方向への移動方向側に離間する位置に、図12および図13に示す如く、前記左画壁部45c側に開口するコ字状の基板装着部64が突設されて、該基板装置部64および左画壁部45cによって周縁部が位置規制された状態で図示しない制御手段に接続する中継基板(基板)65が配設される。この中継基板65の前面には、前記副カバー部60の開放端縁に向けて接続口を開口した第2コネクタ66が配設されており、該第2コクネタ66に前記ケーブル62の他端が差込み接続されている。なお、前記左可動演出装置47の取付部材54および支持部材54aを介して左対向面部44cに配設される左可動体51におけるLED基板58の第1コネクタ61と、左対向面部44cに直に配設される中継基板65の第2コネクタ66とは、図15および図16に示す如く、前後方向に偏倚しているが、正面視においては両コネクタ61,66の接続口は左可動体51の往復移動方向に整列しており、第1コクネタ61と第2コネクタ66との間においてケーブル62は、正面視においては左可動体51の往復移動方向に略沿って引き回されるようになっている。
前記基板装着部64の上辺(保持部)64aの上側(外側)には、図12に示す如く、左右方向(横方向)に離間して一対の固定部67,67が突設されており、両固定部67,67に前側から配線ガイド68が着脱自在に配設される。配線ガイド68は、前記上辺64aと平行に延在する本体部68aと、該本体部68aの裏面(左対向面部44cと対向する面)において左右方向に離間して突設されて各固定部67に係合可能な一対の被固定部68b,68bとを備え、両被固定部68b,68bを対応する固定部67,67に係合した状態で、被固定部68bおよび本体部68aに形成した通孔68cに挿通したネジを対応する固定部67に螺設したネジ孔67aに螺挿することで、当該配線ガイド68が固定部67,67(左対向面部44c)に固定されるようになっている。一対の固定部67,67および被固定部68b,68bの離間寸法は、前記ケーブル62のフラット面に沿う横幅寸法より大きく設定されて、両固定部67,67に係合している一対の被固定部68b,68bの間をケーブル62が挿通されるよう構成してある(図14参照)。また配線ガイド68における本体部68aは、図15に示す如く、前記基板装着部64の上辺64aの前面にケーブル62を挟んで対向して、該ケーブル62における第2コネクタ66との接続部近傍を挟持し、ケーブル62が第2コネクタ66から簡単には抜けないよう構成される。
前記固定部67は、下端側が前記上辺64aに接するよう円筒状に形成されるのに対し、該固定部67に係合する被固定部68bは、固定部67に外嵌可能な後方に開口する円筒体を下側半分だけを切欠いた半円筒状に形成されている(図17参照)。そして、被固定部68bを固定部67に係合した状態で、被固定部68bの下側半分を切欠くことで形成された本体部68aのフラット部分(図16参照)で、前記ケーブル62を上辺64aとの間で挟持するよう構成される。
前記左対向面部44cにおける固定部67,67の形成位置より上側(左可動体51側)には、前記ケーブル62の引き回し経路上において、前記上辺64aと平行に延在するリブ69が突設されている。このリブ69の左右方向の長さ寸法は、ケーブル62の横幅寸法より長く設定されると共に、該リブ69の左対向面部44cからの突出寸法は、固定部67の突出寸法より低く設定されて、図15に示す如く、配線ガイド68の本体部68aとリブ69との間にケーブル62を挿通可能なスリット状の開口70を画成するよう構成される。またリブ69は、その下端縁が固定部67,67の上端縁から前記被固定部68bにおける壁の厚み寸法だけ離間する位置に臨むように形成されており、前記配線ガイド68の被固定部68bを固定部67に係合した状態で、該配線ガイド68の上側への移動をリブ69で規制するよう構成されている(図16参照)。すなわち、被固定部68bが固定部67とリブ69との間に挿入されることで、固定部67のネジ孔67aに被固定部68bの通孔68cが整合する位置に配線ガイド68が位置決めされて、該配線ガイド68のネジ止め固定を容易に行ない得るようになっている。
(右可動演出装置について)
前記裏ユニット19の右対向面部44dに配設される前記右可動演出装置48は、右対向面部44dに対して左右方向に回動自在に配設された右可動体48aと、該右可動体48aを左右方向に揺動するよう駆動する右駆動機構48bとを備え、右駆動機構48bによって右可動体48aは、前記図柄表示装置13における表示部の前側に臨む作動位置と該表示部の前側から退避する待機位置との間を揺動するよう構成される。右可動体48aは、作動位置において前記窓口26aの右端縁部から図柄表示装置13における表示部の略中央部まで延出する大型のものであって、前記下可動体46a,46aと干渉することがないように、下可動体46a,46aの移動経路より前側を揺動するよう構成される。右可動体48aには、照明装置が内蔵されており、該右可動体48aの前面は照明装置によって裏側から照明されるようになっている。
(側部発光装置について)
前記左可動演出装置47の前側に配設される前記側部発光装置49は、図19に示す如く、前面に複数のLED(発光体)71を実装した発光基板72と、該発光基板72が収容される基板ケース73を備える。基板ケース73は、非光透過性の合成樹脂材から形成されたものであって、平板状の本体板74の外周縁に前側に突出するよう壁部75を形成した前方に開口する箱状に形成されて、その前端には光透過性の合成樹脂材から形成された装飾板76が配設されて(図8,図10,図11参照)、発光基板72の前側を覆うようになっている。基板ケース73は、前記裏ユニット19における左対向面部44cの上下方向の全長に亘って延在すると共に、その上端部は上対向面部44aにおける左端部の前側まで延在するように配置されて、前記装飾部材26の外側における遊技領域18aの左側方および左上隅部の透明板18における可視部(この可視部を特に区別する場合は第2の可視部53bと指称する)の裏側に臨んで、該透明板18を透して装飾板76を視認可能に構成される。そして、前記LED71から前方(第2の可視部53b)に向けて光を照射することで、裏側から照明された装飾板76が透明板18を透して前側から視認されるようになっている。なお、装飾板76には、パチンコ機10のモチーフとなる各種の図柄が描かれており、装飾板76が裏側から照明されることによって発光による演出効果が向上する。また基板ケース73は、前記LED71から照射されて装飾板76で反射した光を反射するリフレクタとしても機能し、前記壁部75で囲われた前方開口部分(装飾板76)を効率的に照明し得るようになっている。
前記基板ケース73は、左対向面部44cの複数箇所において前方に向けて突設された突出部77の前端に本体板74がネジ止め固定されて、該本体板74(基板ケース73)の裏面は、図8および図11に示す如く、左対向面部44cおよび上対向面部44aから前側に離間して、両対向面部44a,44cとの間に、前記左可動演出装置47の設置空間および前記左側の下可動体46aが収容される第1空間S1を画成するよう構成される。また基板ケース73の本体板74には、前記発光基板72を固定するためのネジ孔78aを形成したボス部78が、複数箇所において後方に延出するように形成されている。そして、発光基板72の裏面を本体板74の前面に当接した状態で、各ボス部78に対応する位置において発光基板72に形成した通孔72aに前側から挿通したネジ79を対応するボス部78のネジ孔78aに螺挿することで、当該発光基板72が本体板74に位置決め固定される。
ここで、前記側部発光装置49の上部における右端縁は、図5に示す如く、前記第2の特別入賞装置29の左側方において装飾部材26の透明部分26cより上方に臨むよう設定されており、前記左可動体51は、該側部発光装置49の上部右端縁より左側に臨む前記第1の可視部53aにおいて前側から視認可能に構成される。すなわち、実施例において左可動体51は、側部発光装置49と一部が前後方向に離間して重なるように位置決めされて、該左可動体51の動作によって前側から視認可能な部位が変化するよう構成される。
(球通路部について)
前記基板ケース73の裏面には、図20に示す如く、上端部において前記球排出通路部材36に連通接続すると共に、下端部において後述する下球通路部84に連通接続する球通路部材80が配設されている。この球通路部材80は、基板ケース73の本体板74における左側端縁(装飾部材26から離間する側端縁)に沿って上下方向に延在する縦球通路部81と、該縦球通路部81の上端に連設されて右方向(装飾部材26側)に向けて斜め上方に傾斜するように延在する上球通路部82とから構成される(図9参照)。球通路部材80は、図19に示す如く、前側に開口する樋状に形成されて、該球通路部材80を基板ケース73に配設することで、本体板74の裏面と縦球通路部81との間に上下方向に延在する縦球通路(球通路)81aが画成されると共に、本体板74の裏面と上球通路部82との間に上球通路82aが画成される。そして、基板ケース73を前記裏ユニット19に配設した状態では、前記縦球通路部81が図9に示すように前記左画壁部45cに沿って延在し、縦球通路部81と装飾部材26との間における本体板74(基板ケース73)の裏面と裏ユニット19の左対向面部44cとの間に、前記左側の下可動体46aを収容可能な前記第1空間S1が画成されるようになっている。
前記上球通路部82は、右端部が基板ケース73の右端縁から所定長さだけ延出し(図8,図19参照)、この延出部分において前側に開口する球入口82bが形成されて、該球入口82bが、前記球排出通路部材36における左端部において後側に開口する球出口36aに連通するよう構成される。すなわち、前記縦球通路部81の縦球通路81aは、上球通路部82の上球通路82aおよび球排出通路部材36の上球通路36bを介して前記第2の特別入賞装置29の入賞口29aに連通するよう構成されている。なお、上球通路部82の球入口82bの開口寸法は、球排出通路部材36の球出口36aの開口寸法より大きく設定されて、該球出口36aから球入口82bへのパチンコ球の流通を円滑に行ない得ると共に組付け誤差にも対応し得るようにしてある。なお、前述したように球排出通路部材36の樋状本体38には蓋部38aが設けられて、球出口36aの外側に臨む球入口82bを該蓋部38aで塞ぐことで(図20参照)、パチンコ球の飛出しや通路内へのゴミ等の侵入を防止するよう構成される。上球通路部82における基板ケース73からの延出部分は、図5に示す如く、前記装飾部材26における透明部分26cの後側に臨んでいる。また、球通路部材80は透明な合成樹脂材から形成されており、上球通路部82における基板ケース73からの延出部分においては、後側に臨む前記左可動体51を装飾部材26の透明部分26cおよび該上球通路部82の延出部分を透して前側から視認し得るよう構成される。
前記球通路部材80における縦球通路部81の下端には、下方に開口する球出口81bが形成されている。また縦球通路部81の下端部裏側には、後方に向けて突出する被係合部83が設けられている。なお、前記本体板74における前記縦球通路81aに臨む位置において、前記ボス部78が縦球通路81a内にパチンコ球が接触可能に突出しており(図8参照)、縦球通路81aを流下するパチンコ球がボス部78に接触することで球の勢いを弱めることができるように構成される。
(下球通路部について)
前記裏ユニット19における箱状本体42の左下隅部には、図3,図9に示す如く、左画壁部(側壁)45cおよび下画壁部(下壁)45bの内面に沿って延在するよう屈曲形成された下球通路部84が配設される。この下球通路部84は、上端に上方に開口する球入口84aを有し、該球入口84aが前記縦球通路部81の球出口81bに連通するよう接続される。また下球通路部84の下端には、裏ユニット19の下端部から下方に開口する球排出口84bが形成されて、該球排出口84bは、前記中枠12に形成された前記球回収部の上方で開口するよう構成されており、該下球通路部84に内部画成される下球通路84cを通過したパチンコ球を球回収部に落下させるようになっている。
前記下球通路部84の上端には、前記縦球通路部81の被係合部83が前側から挿脱自在に係合される係合部85が設けられており(図12参照)、前記基板ケース73を前記突出部77を介して左対向面部44cに取付ける際に、被係合部83が係合部85に係合して、縦球通路部81の球出口81bと下球通路部84の球入口84aとが整合するよう構成される。
(下部発光装置について)
前記裏ユニット19の下対向面部44bには、図10に示す如く、左右方向に離間して2基の前記下部発光装置50が配設されている。両下部発光装置50,50は、図7に示す如く、前記装飾部材26におけるステージ27の下方でかつ始動入賞装置23の左右両側に位置すると共に、前方および上方に向けて光を照射する複数のLEDを備えている。そして、両下部発光装置50,50のLEDを発光することで、始動入賞装置23の左右両側を裏側から照明すると共に、ステージ27を下側から照明するよう構成される。また両下部発光装置50,50は、下対向面部44bの前面から前側に所定間隔離間した位置に配置されて、該下部発光装置50,50の裏面と下対向面部44bの前面との間に、前記下可動体46a,46aが収容可能な前記第1空間S1および第2空間S2が画成されるよう構成してある。すなわち、左側の下可動体46aは、待機位置において下対向面部44bおよび左対向面部44cと、下部発光装置50および側部発光装置49との間に画成される第1空間S1に収容され、右側の下可動体46aは、待機位置において下対向面部44bおよび右対向面部44dと、下部発光装置50および右可動演出装置48との間に画成される第2空間S2に収容される。
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
前記遊技領域18aに打ち出されたパチンコ球は、前記装飾部材26の外周囲を流下し、該パチンコ球が前記球導入部28に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ27に通出され、該ステージ27を左右に転動した後に遊技領域18aに排出され、このパチンコ球は始動入賞装置23や普通入賞装置25等に入賞可能となる。そして、始動入賞装置23にパチンコ球が入賞すると、前記図柄表示装置13の図柄が変動開始され、所要の図柄組合わせゲームが展開される。前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置13に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに大当りが発生する。そして、大当りが発生すると、図柄表示装置13に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤17の下方に設けられた第1の特別入賞装置24および前記装飾部材26の上部左側位置に設けられた第2の特別入賞装置29の何れかの入賞口24a,29aが開放される。このように、大当りの発生時に入賞口24a,29aが開放する特別入賞装置24,29を2つ設けたことで、遊技演出の多様化が図られる。
前記第2の特別入賞装置29の開閉部材29bが開放すると、遊技盤17の遊技領域18aに打ち出されたパチンコ球が該第2の特別入賞装置29の入賞口29aに入賞し得るようになる。第2の特別入賞装置29の入賞口29aに入賞したパチンコ球が前記口画成部材30に配設した球検出センサ32に検出されると、前記上球受け皿16や下球受け皿15に所定数のパチンコ球が賞球として払い出される。また、口画成部材30に接続する前記球排出通路部材36は、図2および図5に示す如く、前記装飾部材26の窓口26a内に臨むと共に透明に形成されているので、遊技者は多くの賞球を獲得し得る入賞口29aに入賞したパチンコ球が球排出通路部材36を流下する様を前側から視認し得るから、遊技者の遊技に対する優越感や昂揚感を高めることができる。
前記球排出通路部材36は、前述したようにパチンコ球の流下する様を遊技者に視認させることで遊技の興趣の向上に寄与し得るものではあるが、該球排出通路部材36が透明であるがために、球排出通路部材36の後側に位置する前記駆動手段31が前側から透して見えてしまうことで興ざめするおそれがある。しかるに、実施例では、球排出通路部材36を構成する後壁39における駆動手段31の前記連繋部材34の前側面に臨む部位に、目隠し加工を施した目隠し部39aを形成してあるから、連繋部材34が前側から視認されることはなく、駆動手段31が前側から視認されることでの遊技の興趣の低下を抑制し得る。また、駆動手段31を前側から視認できないようにするために前記窓口26aを小さくして球排出通路部材36の後側に該駆動手段31が重ならないようにする必要はなく、大型の図柄表示装置13を採用することができる。なお、目隠し部39aは後壁39にのみ形成されているから、該目隠し部39aによって上球通路36bを流れるパチンコ球が前側から視認されなくなることはない。
前記第2の特別入賞装置29は、装飾部材26の左上部位置に設けられていることから、該第2の特別入賞装置29の入賞口29aが開放された状態では遊技領域18aの左上部に打ち出されたパチンコ球が入賞し易く、短時間で多数のパチンコ球が第2の特別入賞装置29に入賞する。このため、第2の特別入賞装置29は、不正行為を意図している不正遊技者がピアノ線やその他の道具を用いた不正行為で狙われ易い部位である。しかるに、実施例では開閉部材29bを開閉作動する駆動手段31における連繋部材34と開閉部材29bの連繋ピンとの連繋構造を、前記ソレノイド33の非励磁状態での開閉部材29bの不正開放を規制するよう構成してあるから、不正行為による賞球の獲得を防止することができる。そして、このように不正行為を防止するための対策を施した連繋部材34は、不正対策を施していない連繋部材より大型化するが、前述したように球排出通路部材34の目隠し部39aによって大型化した連繋部材34が前側から視認されることはないから、不正行為を防止しつつ遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
前記図柄表示装置13で展開される図柄変動ゲームの演出に応じて、前記可動演出装置40,41,46,47,48の各可動体40a,41a,46a,46a,51,48aが作動されて動的な演出により遊技の興趣が高められる。また、側部発光装置49や下部発光装置50および遊技盤17に配設されている他の各種照明装置等も、図柄変動ゲームの演出に応じて発光されて、発光による演出により遊技の興趣が向上される。特に前記左可動演出装置47の左可動体51は、図5に示す如く、前記球排出通路部材36、装飾部材26の透明部分26cおよび第2の特別入賞装置29の左側に設けられた前記第1の可視部53aを透して前側から視認可能に構成されているから、球排出通路部材36の上球通路36bを流れるパチンコ球と左可動体51とが前後に重なった状態で該左可動体51が動作することで、演出効果が相乗的に高められる。しかも、左可動体51は、先端部が第2の特別入賞装置29に対して近接・離間するよう往復移動するよう構成してあるから、該左可動体51の往復移動によって第2の特別入賞装置29に対する注目度を高めることができると共に、遊技者に注意を喚起することができる。従って、例えば、遊技の内容を把握していない遊技者であっても、左可動体51の動作によって第2の特別入賞装置29の開放状態等を遊技者が見逃すのを防ぐことができ、遊技者が遊技に対して不満を持つのを抑制し得る。
また、前記第2の特別入賞装置29における駆動手段31を縦向き姿勢で配置することで、第2の特別入賞装置29の側方(実施例では左側方)に前記左可動体51を、駆動手段31に干渉することなく近接して配置することができる。更に、第2の特別入賞装置29の側方に近接して前記第1の可視部53aを設けても、該第1の可視部53aと駆動手段31とが前後に重なることはなく、該第1の可視部53aを透して左可動体51を第2の特別入賞装置29に近接した位置において前側から視認させることで、該第2の特別入賞装置29の注目度を高めると共に遊技の興趣を向上し得る。すなわち、駆動手段31を横向き姿勢で配置する場合は、第2の特別入賞装置29における開閉部材29bの後側において駆動手段31が占める左右方向の寸法が長くなり、該駆動手段31と干渉したり前側から透して視認されることがないように第2の特別入賞装置29から離間して左可動体51や第1の可視部53aを設けなければならない場合に比べて、実施例では左可動体51および第1の可視部53aを第2の特別入賞装置29に近接して設けることができるものである。
前記球排出通路部材36に上球通路部82を介して連通する縦球通路部81は、前記基板ケース73における装飾部材26から離間する左側端縁に沿って上下方向に延在するように配設したから、装飾部材26の裏側において下可動体46aを収容可能な広い第1空間S1を画成することができる。従って、下可動体46aとして大型の可動体を採用して、該下可動体46aを図柄表示装置13の表示部の前側に臨む作動位置と、表示部の前側から退避して装飾部材26の裏側に臨む退避位置との間で下可動体46aを大きく移動させることができ、インパクトのある演出を行なうことができる。すなわち、前記第2の特別入賞装置29の入賞口29aに入賞したパチンコ球を球回収部に排出するための球通路部によって可動体の移動範囲、寸法および配設位置等の設計の自由度が低下するのを抑制し得、興趣の高いパチンコ機10を提供できる。また、縦球通路部81の下端に接続する下球通路部84は、裏ユニット19における左下隅部において左画壁部45cおよび下画壁部45bに沿うように屈曲形成されているから(図9参照)、左画壁部45cの右側方(装飾部材26側)および下画壁部45bの上方(装飾部材26側)により広い第1空間S1を確保することができ、前記下可動体46aの移動範囲や寸法をより大きくし得る。
前記基板ケース73と球通路部材80とで上球通路82aや縦球通路81aを画成するよう構成したから、球通路部材のみで球通路を画成する場合に比べ、基板ケース73の裏面からの球通路部材80の突出寸法を抑制し得る。すなわち、前記左対向面部44cと球通路部材80との間の離間寸法(第1空間S1の奥行き寸法)を、パチンコ機自体の前後寸法を増やすことなく大きく確保することができる。これにより、第1空間S1に収容される下可動体46aとして、内部に照明装置を配設したり各種の装飾を施すことで前後寸法が大きくなった可動体を余裕を持って収容することができ、下可動体46aによる演出効果を向上し得る。
ここで、前記装飾部材26に配設される前記球排出通路部材36と、前記裏ユニット19に配設される上球通路部82とは、係合手段等を介して連結する構造を採用しておらず、前記透明板18の裏側に裏ユニット19を取付けたときに球排出通路部材36における球出口36aの後側に上球通路部82の球入口82bが連通するように臨むよう構成されている(図20参照)。この場合に、上球通路部82の球入口82bの開口寸法を、球排出通路部材36の球出口36aの開口寸法より大きく設定してあるから、裏ユニット19に対する側部発光装置49の組付け誤差や、透明板18に対する装飾部材26の組付け誤差等によって前記上球通路部82と球排出通路部材36とが許容範囲で位置ずれしていても球出口36aと球入口82bとを確実に連通して、球排出通路部材36から上球通路部82へのパチンコ球の流通を円滑に行なうことができ、球詰り等の発生を防止し得る。また、球排出通路部材36と上球通路部82とを係合手段等によって連結して球出口36aと球入口82bとを強制的に整合させる必要はないから、組付け誤差が生じている場合において係合手段等によって球出口36aと球入口82bとを無理矢理整合させることで球排出通路部材36や上球通路部82が変形してパチンコ球の流れを阻害する等の不具合の発生を防止することができる。なお、開口寸法が大きな球入口82bに対して開口寸法が小さな球出口36aが連通するように前後に臨む状態で、球入口82bにおける球出口36aの外側にはみ出している部分は、前記樋状本体38の蓋部38aにより前側から塞がれ、パチンコ球が球入口82bから飛出したり、該球入口82bから上球通路82a内にゴミ等が侵入するのを防止し得る。
前記縦球通路部81は、被係合部83を下球通路部84の係合部85に係合することで該縦球通路部81の球出口81bと下球通路部84の球入口84aとは確実に連通する状態に保持される。従って、縦球通路部81から下球通路部84へのパチンコ球の流通は円滑になされ、球通路内での球詰りの発生を防止し得る。
ここで、前記第2の特別入賞装置29の開閉部材29bが開放した状態では、前述したように短時間で多数のパチンコ球が入賞口29aに入賞する。この場合に、略直線的に上下方向に延在する前記縦球通路部81の縦球通路81aを多数のパチンコ球が相互に接触した状態で連なって落下すると、屈曲形状に形成されている前記下球通路部84の下球通路84cに流入した際に球詰まりを発生するおそれがある。しかるに、実施例では縦球通路81a内に突出するボス部78が設けられているから、該縦球通路81aを落下するパチンコ球がボス部78に接触して勢いが弱められると共に、上下に連なるパチンコ球の間に隙間を形成することができ、下球通路84c内において球詰まりが発生するのを防止し得る。しかも、前記ボス部78は、パチンコ球の勢いを弱めるための専用のものではなく、前記基板ケース73に対して発光基板72を固定するネジ79が螺挿されるものであるから、球通路部材80にパチンコ球の勢いを弱めるための専用の部分を設ける必要はなく、該球通路部材80の構成を簡略化し得る。
前記左可動体51に内蔵の前記LED基板58の第1コネクタ61と、前記左対向面部44cの基板装着部64に配設されている中継基板65の第2コネクタ66とに接続されているケーブル62は、各コネクタ61,66に対する差込み部近傍が、図15に示す如く、副カバー部60の壁部60aと挟持部材63、および基板装着部64の上辺64aと配線ガイド68とで夫々挟持されているから、左可動体51の往復移動に際してケーブル62がコネクタ61,66から抜けるのは防止される。また、LED基板58と中継基板65とを接続する配線として、厚みの薄いケーブル62を採用することで、該ケーブル62を引き回すために必要となる空間の大きさ(前後寸法)を小さくすることができる。
前記上辺64aと配線ガイド68とで挟持された部位から左可動体51側に引き回されるケーブル62は、図15に示す如く、該配線ガイド68における一対の被固定部68b,68bの間を、配線ガイド68の本体部68aと前記リブ69との間のスリット状の開口70を通されている。そして、左可動体51が往復移動する際には、ケーブル62が屈曲するが、前記リブ69および配線ガイド68の本体部68aにより屈曲方向が規定されることで、該ケーブル62が意図しない方向に屈曲するのは規制される。すなわち、前記中継基板65と左可動体51とが最も離間した状態から該左可動体51が中継基板65に近接するように移動する際には、中継基板65と左可動体51(LED基板58)との間のケーブル62は、左可動体51の移動に伴って中継基板側に押され、このときにケーブル62が前記リブ69に当接することで左対向面部44c側に屈曲するのは規制される。そして、左可動体51の移動に伴って更にケーブル62が押されて配線ガイド68の本体部68aに当接することで、該ケーブル62のそれ以上の中継基板側への移動が規制されて、配線ガイド68と左可動体51との間に臨むケーブル62は左対向面部44aから離間する方向に凸状に湾曲するよう屈曲する。これにより、左対向面部44cに配設される他の部品にケーブル62が当接したり引掛かったりすることはなく、左可動体51の円滑な移動が阻害されるのは防止される。また実施例では、図15および図16に示す如く、左可動体51においてケーブル62が壁部60aと挟持部材63とで挟持される位置は、該ケーブル62における前記リブ69と配線ガイド68との間の開口70に通されている位置より前側(左対向面部44cから離間する位置)に臨んでいるから、前述したように左可動体51が中継基板65に向けて近接移動する際には、ケーブル62は左対向面部44cから離間する方向に屈曲し易く、ケーブル62が左可動体51や左対向面部44cに配設されている他の部品に接触したり引掛かるのはより抑制される。
また、前記配線ガイド68とリブ69と間に形成される開口70は、フラット面を前後に向けたケーブル62を挿通可能なスリット状に形成してあるから、左可動体51が中継基板65に近接するように移動する際に押されたケーブル62が、配線ガイド68の後側(本体部68aと左対向面部44cとの間)に押し込まれるのは防止され、ケーブル62が歪な形状に折曲されて断線する等の事態の発生を防止し得る。更に、ケーブル62は、配線ガイド68における一対の被固定部68b,68bの間に通されているから、該ケーブル62の横方向の移動は該被固定部68b,68bで規制され、該ケーブル62を左対向面部44cから離間する前側へ(意図し方向)へ屈曲させることができる。
前記配線ガイド68を左対向面部44cに取付ける場合は、先ず前記基板装着部64に中継基板65を取付けたもとで、前記一対の固定部67,67に前側から被固定部68b,68bを係合する。このとき、被固定部68b,68bを前記リブ69に当接することで、配線ガイド68は、前記通孔68c,68cが固定部67,67のネジ孔67a,67aに整合する位置に位置決めされる。そして、各通孔68cに挿通したネジを対応するネジ孔67aに螺挿することで、配線ガイド68は本体部68aを、前記上辺64aとの間でケーブル62を挟持する位置に正確に位置決め固定される。また、リブ69に被固定部68b,68bを当接することで、該リブ69と本体部68aとの位置関係も規定通りに確保される。従って、リブ69および本体部68aによって屈曲方向が規定されるケーブル62は、前述したように左可動体51の往復移動時に意図した方向に屈曲することとなり、左可動体51や他の部品に接触したり引掛かるのを防ぐことができる。更に、ケーブル62の屈曲方向を規定するリブ69を、配線ガイド68を左対向面部44cに取付ける際の位置決め手段として兼用したから、左対向面部44cに位置決め専用の手段を設ける必要はなく、構造を簡略化してコストを低廉に抑えることができる。また、配線ガイド68に位置決め専用の部分を設ける必要もないので、該配線ガイド68自体の構造も簡略化し得る。
前記配線ガイド68は、本体部68aでケーブル62の屈曲方向を規定する機能だけでなく、該本体部68aでケーブル62における第1コネクタ61の接続部近傍を基板装着部64の上辺64aとの間で挟持してケーブル62の抜け止めとしても機能するよう構成したから、各機能を有する部品を別々に用意する必要はなく、部品点数を低減し得ると共に製造コストも低廉に抑えることができる。また、前記左対向面部44cに対して配線ガイド68を位置決め固定するための被固定部68b,68bの間にケーブル62を通して、該ケーブル62の横方向の移動を被固定部68b,68bで規制するよう構成してあるから、ケーブル62の横方向移動を規制する専用の部品を設ける必要がなく、更に部品点数を低減して製造コストを低く抑制し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、遊技盤を透明板と裏ユニットとから構成したが、木製の板部材と裏ユニットとから構成したものであってもよく、この構成においては板部材の後側に位置する可動体や発光装置を前側から視認可能とする可視部として、該板部材に前後に貫通する開口部を形成すればよい。
(2) 実施例では、基板ケースの裏面に配設された縦球通路部の縦球通路と第2の特別入賞装置の入賞口とを、該縦球通路部の上端に一体に形成した上球通路部と、該上球通路部とは別体に構成された球排出通路部材とを介して連通するよう構成したが、上球通路部および球排出通路部材を一体に形成したものであってもよい。
(3) 実施例では、左可動体にLEDを備えたLED基板を配設したが、左可動体に配設される電気部品としては、電気的な駆動源により動作する別の可動体、その他のものであってもよい。
(4) 実施例では、装飾部材の左上部に入賞口を設けると共に、該装飾部材の外部左側方に可視部を設け、該可視部の裏側に発光装置や可動体を配設したが、入賞口を装飾部材の右上部に設け、装飾部材の外部右側方に設けた可視部の裏側に実施例とは左右対称な構成で発光装置や可動体を配設する構成を採用し得る。
(5) 可動体の電気部品と外部の基板とを接続する配線は、フレキシブルフラットケーブルに代えて、リード線を採用し得る。
(6) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
13 図柄表示装置
17 遊技盤
18 透明板(板部材)
18a 遊技領域
19 裏ユニット
26 装飾部材
26a 窓口
29a 入賞口
44 対向面部(後壁)
46a 下可動体(可動体)
53b 第2の可視部
71 LED(発光体)
72 発光基板
73 基板ケース
78 ボス部
78a ネジ孔
79 ネジ
81 縦球通路部
81a 縦球通路(球通路)
81b 球出口
82 上球通路部
83 被係合部
84 下球通路部
84a 球入口
84c 下球通路
85 係合部
S1 第1空間(空間)

Claims (3)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域が前側に設けられる板部材および前側に開口する箱状に形成されて該板部材の裏側に配設された裏ユニットを備える遊技盤と、該板部材に配設され、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口が上部に設けられた枠状の装飾部材と、前記裏ユニットの裏側に配設され、各種図柄を可変表示可能な表示部を装飾部材の窓口に後方から臨ませた図柄表示装置と、前記裏ユニットに配設されて動作により演出を行なう可動体と、機裏側に設けられて遊技球を回収する球回収部とを備えた遊技機において、
    前記板部材における装飾部材の側方に設けられた可視部と、
    前記裏ユニットにおける前記可視部の裏側に臨む位置に配設され、該裏ユニットの後壁から前側に離間する基板ケースと、
    前記基板ケースに収容され、前記可視部に向けて光を照射する発光体が配設された発光基板と、
    前記基板ケースの裏面における装飾部材から離間する側端縁に沿って上下方向に延在するよう配設され、該基板ケースの裏面との間に前記球回収部に連通する球通路を形成する縦球通路部と、
    前記縦球通路部の上端に設けられて球通路に前記入賞口を連通するよう接続する上球通路部とを備え、
    前記縦球通路部と装飾部材との間における基板ケースの裏面と裏ユニットの後壁との間に、前記可動体を収容可能な空間を画成した
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記球回収部に下端で連通する下球通路を画成する下球通路部が、前記裏ユニットの側壁内面および下壁内面に沿って設けられ、該下球通路部の上端に、前記縦球通路部の下端に形成した球出口に連通可能な球入口が形成されると共に、
    前記縦球通路部には、前記下球通路部に設けた係合部に係合して縦球通路部の球出口と下球通路部の球入口とを整合するよう位置決めする被係合部を設けた請求項1記載の遊技機。
  3. 前記基板ケースに発光基板を固定するネジが螺挿されるネジ孔を形成したボス部が、前記球通路内に遊技球が接触可能に突出している請求項1または2記載の遊技機。
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