JP5033518B2 - 空気調和装置、及び、空気調和装置の制御方法 - Google Patents

空気調和装置、及び、空気調和装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物(以下、単にウィルス等という)の除去が可能な空気除菌装置および空気除菌機能を備えた空気調和装置、及び、空気調和装置の制御方に関する。
従来、ウィルス等の除去を目的として、空気中に電解水ミストを拡散させて、この電解水ミストをウィルス等に直接接触させ、ウィルス等を不活化する除菌装置が提案されている。この除菌装置では、空気中に電解水ミストを拡散させるために、次亜塩素酸を含む電解水を不織布からなる加湿エレメント(気液接触部材)に供給して浸透させ、送風機により加湿エレメントに送風することにより、加湿エレメントの水分を放出させるようになっている。また、このような除菌装置を備えた空気調和装置についても開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−181358号公報
ところで、空気除菌運転が行われている間は、除菌効果を有する電解水が加湿エレメントに常時供給されるため、加湿エレメントにおける細菌、真菌(カビ)等の発生、増殖は防止される。
しかしながら、空気除菌運転停止中には電解水の供給も停止される。また、除菌装置を組み込んだ空気調和装置では、除菌運転機能に係る構成部材、空気調和運転機能に係る構成部材等の様々な構成部材が筐体内に組み込まれている。このため、筐体内でエレメントを完全に乾燥するためには時間を要する。特に、梅雨時など湿度の高い時期などにエレメントが湿気を含んだ状態で長期間放置された場合には、加湿エレメントに付着した異物による細菌、真菌等の発生、増殖等が懸念される。エレメントに細菌、真菌等が発生した場合には、エレメントの洗浄作業等のメンテナンスが必要になる他、細菌、真菌等の増殖の度合いによってはエレメントの交換を要することになる。
本発明の課題は、気液接触部材への細菌、真菌等の発生を防止して、メンテナンスの頻度の低減および気液接触部材の長寿命化を図ることのできる空気調和装置、及び、空気調和装置の制御方を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の空気調和装置は、筐体内に送風ファンを有し、室内熱交換器が、前記送風ファンを取り囲むように曲げられて備えられた天井埋込型の空気調和装置において、前記筐体の側板と、前記室内熱交換器との間に、気液接触部材と、前記気液接触部材の上端面から活性酸素種を含む電解水を供給する電解水供給部と、前記送風ファンにより送風され前記室内熱交換器を通過した空気を、前記気液接触部材の上端側に導く羽板を有する風向ガイドと、を備え、前記電解水供給部による前記気液接触部材に対する電解水の供給を停止した状態で、前記送風ファンに前記気液接触部材に所定の時間継続して送風させて前記気液接触部材を乾燥させる気液接触部材乾燥運転を制御する乾燥運転制御部を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、電解水供給部は室内ユニットに設けられた気液接触部材に電解水を供給する。送風ファンは、気液接触部材に送風するとともに、室内熱交換器による熱交換後の空気を室内に送風する。気液接触部材において電解水と空気が接触されると、空気が除菌され、除菌後の空気が室内に送風される。そして、乾燥運転制御部は、送風ファンにより気液接触部材に所定の時間継続して送風させる気液接触部材乾燥運転を制御する。このため、電解水が供給されて湿った状態となった気液接触部材を乾燥させて気液接触部材に対する細菌、真菌等の発生・増殖を防止することができ、メンテナンスの頻度の低減および気液接触部材の長寿命化を図ることができる。
上記構成において、前記空気調和運転が行われている間は、前記電解水供給部により前記気液接触部材に対して前記電解水が供給されることが好ましい。
上記構成によれば、空気調和運転が行われている間は、電解水供給部により気液接触部材に対して電解水が供給されるため、空気調和運転が行われている間は送風ファンにより室内に送風される空気を除菌後の空気とすることができる。
上記構成において、前記乾燥運転制御部は、前記空気調和運転時の前記室内ユニットの運転状態が前記室内熱交換器を蒸発器として作用させる第一の運転状態と前記室内熱交換器を凝縮器として作用させる第二の運転状態との間で切り換えられた後に、初めて前記空気調和運転が停止されたときに前記気液接触部材乾燥運転を行うことが好ましい。
上記構成によれば、乾燥運転制御部は、空気調和運転時の室内ユニットの運転状態が室内熱交換器を蒸発器として作用させる第一の運転状態と、室内熱交換器を凝縮器として作用させる第二の運転状態との間で切り換えられた後に、初めて空気調和運転が停止されたときに気液接触部材乾燥運転を行う。第一の運転状態と第二の運転状態との間で運転状態が切り換えられるのは年に数回程度であると考えられる。この運転状態が切り換えられるタイミングで気液接触部材乾燥運転を行うことにより、年に数回程度気液接触部材を完全に乾燥させることができる。また、第一の運転状態と第二の運転状態との間で運転状態が切り換えられるのは、季節が移り変わる時期等であるのが一般的である。このような季節の移り変わる時期は、空気調和運転が行われる時間が比較的少ない中間期である。このため、空気調和運転に影響を及ぼさない時期に気液接触部材乾燥運転を行うように制御することができる。また、例えば、梅雨時や秋の長雨の時期等の湿度の高い時期は、中間期に該当し、この様な外気の湿度が高く、外気温度が寒くもなく暑くもないような時期はカビ等が発生しやすい時期でもある。このような時期に気液接触部材乾燥運転を行って、細菌、真菌等の発生、増殖を効率的に防止することができる。
但し、第一の運転状態として、例えば、冷房運転状態や除湿運転状態などが含まれる。また、第二の運転状態としては、暖房運転状態が挙げられる。
上記構成において、前記乾燥運転制御部は、前記空気調和運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定された気液接触部材乾燥運転開始期間に達したときに前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、が好ましい。
上記構成によれば、乾燥運転制御部は、空気調和運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定された気液接触部材乾燥運転開始期間に達したときに気液接触部材乾燥運転を行うので、長期に渡って空気調和運転が停止されている場合に、気液接触部材が湿気を含んだ状態で放置されるのを防止することができる。
上記構成において、前記乾燥運転制御部は、前記気液接触部材乾燥運転を完了する前に前記空気調和運転が開始された場合は、次に前記空気調和運転が停止されたときに、前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、が好ましい。
上記構成によれば気液接触部材乾燥運転を完了する前に空気調和運転が開始された場合には気液接触部材の乾燥が完了する前に再び電解水が供給される恐れがある。しかし、乾燥運転制御部は、次に空気調和運転が停止されたときに、気液接触部材乾燥運転を行うので、気液接触部材には所定時間送風されて気液接触部材を乾燥させて気液接触部材の細菌、真菌等の発生を防止して、メンテナンスの頻度の低減および気液接触部材の長寿命化を図ることができる。
上記構成において、前記乾燥運転制御部は、前回、前記気液接触部材乾燥運転を完了した時点から、所定の期間以上経過している場合に前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、が好ましい。
上記構成によれば、乾燥運転制御部は、気液接触部材乾燥運転が頻繁に行われすぎることを防止し、適切な期間を経過した場合に気液接触部材乾燥運転を行うようにすることができる。
上記構成において、前記気液接触部材は、前記送風ファンにより送風された空気と前記電解水とが接触される気液接触面を有し、前記送風ファンにより送風される空気を前記気液接触面に対して導く風向ガイドを備えること、が好ましい。
上記構成によれば、気液接触部材は、送風ファンにより送風された空気と電解水が接触される気液接触面を有し、この気液接触面に対して送風ファンにより送風される空気を導く風向ガイドが供えられているので、空気除菌運転時には気液接触面に対して風を効率よく導くことができる。また、気液接触部材乾燥運転時にも気液接触面に対して風を効率よく導くことができる。
上記構成において、前記電解水供給部は、前記気液接触面の上端側から前記電解水を滴下することにより前記気液接触部材に前記電解水を供給し、前記風向ガイドは、前記気液接触面の上端側に前記空気を導くこと、が好ましい。
上記構成によれば、電解水供給部は、気液接触面の上端側から電解水を滴下することにより気液接触部材に電解水を供給し、風向ガイドは気液接触面の上端側に空気を導くので、濡れやすい部分に風を効率よく送ることができる。
また、本発明の空気調和装置の制御方法は、筐体内に送風ファンを有し、室内熱交換器が、前記送風ファンを取り囲むように曲げられて備えらたれた天井埋込型の空気調和装置の制御方法であって、前記空気調和装置は、前記筐体の側板と、前記室内熱交換器との間に、気液接触部材と、前記気液接触部材の上端面から活性酸素種を含む電解水を供給する電解水供給部と、前記送風ファンにより送風され前記室内熱交換器を通過した空気を、前記気液接触部材の上端側に導く羽板を有する風向ガイドと、を備え、前記電解水供給部による前記気液接触部材に対する電解水の供給を停止した状態で、前記送風ファンに前記気液接触部材に所定の時間継続して送風させて、前記風向ガイドにより前記気液接触部材の上端側に前記室内熱交換器を通過した乾燥空気を導いて前記気液接触部材を乾燥させる気液接触部材乾燥運転を行う過程を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、気液接触部材乾燥運転制御部は、電解水供給部による気液接触部材に対する電解水の供給を停止した状態で、送風ファンに気液接触部材に所定の時間継続して送風させて気液接触部材を乾燥させるので、気液接触部材への細菌、真菌等の発生を防止して、メンテナンスの頻度の低減および気液接触部材の長寿命化を図ることができる。
〔第一の実施の形態〕
以下、本発明の第一の実施の形態を図1〜図7を参照しながら説明する。第一の実施の形態では、本発明を適用した空気調和装置の一例として、四方向吹き出し型の天井埋込型の空気調和装置100について説明する。
図1に本実施形態における空気調和装置100の概略構成を示す。この空気調和装置100は、図1に示すように、被調和室の外に設置される室外ユニット1と、被調和室内に設置される室内ユニット2とを備えた分離型のヒートポンプ式空気調和装置であり、被調和室を空調(冷房及び暖房)する。
室外ユニット1の室外冷媒配管10と室内ユニット2の室内冷媒配管34とは連結配管35を介して連結されており、これら室外ユニット1および室内ユニット2は、室内ユニット2に内蔵される制御ユニット(乾燥運転制御部)8の制御の下に運転される。
室外ユニット1は、図1に示すように、室外冷媒配管10に圧縮機11が配設され、この圧縮機11には、その吸込側にアキュムレータ12が接続され、その吐出側には四方弁13と室外熱交換器14と電動膨張弁15とが順に接続されている。また、室外ユニット1には、室外熱交換器14へ向かって送風する室外ファン16が配設されている。
室内ユニット2は、空気の吸込口31および吹出口32を備えた筐体20内に、室内熱交換器21と、空気の吸込口31から吹出口32に向けて筐体20内に空気を導通させる送風ファン22とを備える。さらに、室内ユニット2には、送風ファン22により筐体20内に導入される空気を除菌する除菌ユニット150が取り付けられている。この除菌ユニット150は、室内ユニット2に導入される空気に活性酸素種を含む電解水を接触させて空気の除菌を行う空気除菌部4と、所定のイオン種を含む水を電気分解して、活性酸素種を含む電解水を生成して空気除菌部4に供給する電解水生成部5とを備える。
本実施の形態では、空気除菌部4に対して送風ファン22により風を導入するための風向ガイド7が設けられている。なお、風向ガイド7については後述する。
制御ユニット8は、図示しないCPUと、CPUにより実行される制御プログラム、及び、この制御プログラムに係る制御用データ等を格納したROMと、CPUにより処理されるプログラムや各種データを一時的に記憶するRAMとを備える。さらに、制御ユニット8は、室内ユニット2の装置外のリモコン装置(図示略)から送信される赤外線信号を受信する赤外線受信部を備える。CPUは、赤外線受信部により受信した赤外線信号に基づき、上記リモコン装置による指示を受け、この指示に従ってROM内に格納した制御プログラムを読み出し、RAMに展開して実行することにより、空気調和装置100全体の制御を行う。また、当該制御ユニット8の制御の下、冷房や暖房等の空気調和運転とともに除菌ユニット150による空気除菌運転を行う他、空気調和運転とは独立して、後述するエレメント乾燥運転(気液接触部材乾燥運転)が行われる。
空気調和装置100では、四方弁13を切り換えることにより冷媒回路100aを流れる冷媒の流れを切り換えて冷房運転と暖房運転とを切り換えるよう構成されている。冷房運転時には図中に示す実線矢印の方向に冷媒が流れ、暖房運転時には破線矢印の方向に冷媒が流れる。
すなわち、冷房運転時には、圧縮機11から吐出された高圧の冷媒がアキュムレータ12を経て室外熱交換器14に達し、室外熱交換器14において凝縮されて電動膨張弁15に送られる。この高圧の冷媒は電動膨張弁15を通過して膨張し、蒸発器として作用する室内熱交換器21において気化された後に圧縮機11の吸込側に戻る。一方、暖房運転時には、圧縮機11から吐出された高圧の冷媒が室外冷媒配管10を経て凝縮器として作用する室内熱交換器21に送られ、室内熱交換器21において凝縮し、電動膨張弁15に送られる。この冷媒は電動膨張弁15において膨張して室外熱交換器14に送られ、室外熱交換器14で気化して、四方弁13を介してアキュムレータ12に送られ、圧縮機11の吸込側に戻る。
図2は、本発明の実施形態に係る空気調和装置100に使用される室内ユニット2が、天井に埋め込まれた状態を示す側断面図である。また、図3は、図2に示す室内ユニット2の上下方向を逆にして分解した状態を示す分解斜視図である。
室内ユニット2は、筐体20の内部に室内熱交換器21や送風ファン22等を備え、この筐体20の被調和室内側には化粧パネル30が取り付けられる。
筐体20の四隅には、吊り金具103が取り付けられている。室内ユニット2は、図2に示すように、室外ユニット1が設置される建屋の天井板101に略四角形に形成された天井孔102に、被調和室側から天井板101の裏側に埋め込まれ、天井裏から垂下する吊りボルト104に吊り金具103が止着されることにより、天井空間に吊り下げられるようになっている。
筐体20は、被調和室側の面(図2では下側の面、図3では上側の面)が開口した多角形状の箱形に形成されている。具体的には筐体20は、略長方形の3枚の側板20aと、同じく略長方形の1枚の側板20eと、これら側板20a、20eが接続される天板20bとを備える。上記各側板の間には、それぞれ別の平板20gが介在されており、これら側板及び平板20gは、全体として略八角形の枠を形成する。
3枚の側板20aには、それぞれノックアウトホール部20cが形成されている。このノックアウトホール部20cは、側板20aの一部を構成する一枚の板により塞がれた略長方形の孔であり、必要に応じて押し込むことにより上記孔を塞ぐ板が脱落して開口部20dが形成される。この開口部20dには、空気除菌部4を外側から差し込むことにより、上記した除菌ユニット150が取り付けられる。本実施形態では、3枚の側板20aのうち、ドレンポンプ27が配設される一隅部に近接する1枚の側板20aのノックアウトホール部20cを開口させ、この開口部20dに除菌ユニット150が取り付けられている。このように、3枚の側板20aには、すべてノックアウトホール部20cが形成されているため、側板20aの任意の位置に除菌ユニット150を取り付けることが可能となり、室内ユニット2が設置される周囲の環境に応じて、除菌ユニット150の取付位置を選択することができる。
また、側板20eの一端側には、室内ユニット2内の室内熱交換器21に繋がる室内冷媒配管34等を導くための切り欠き部20fが形成され、他端側には、後述するドレンポンプ27によって汲み上げられたドレン水を外部に排出するためのドレンホース接続口28が設けられている。
化粧パネル30は、平面視において略四角形、より具体的には略正方形に形成されており、この化粧パネル30によって筐体20の開口面および天井孔102が覆われている。この化粧パネル30には、平面視における略中央部に位置する吸込口31と、化粧パネル30の四辺の近傍に、それぞれの辺に沿って長尺に形成された吹出口32とが形成されている。吹出口32は、上述した側板20a、20eにほぼ平行に延びており、室内熱交換器21を通過した空気が効率よく排出される構成となっている。
また、吸込口31の内側、すなわち天井板101裏側には、この吸込口31を通じて筐体20内に流入する空気中に含まれる塵埃を除去するフィルタ33が装着されている。本構成では、室内ユニット2は、この吸込口31から被調和室内の空気を筐体20の内部へ吸い込み、筐体20内で空気の熱交換を行った後、四つの吹出口32から被調和室内に向けて空気を四方向に吹き出すようになっている。
次に、筐体20の内部構成について説明する。
筐体20の側板20aの内面には、図2に示すように、発泡スチロール製の断熱体23が設けられている。また、筐体20の天板20bの内側には、モータ22aが固定され、このモータ22aのシャフトには羽根車22bが取り付けられており、これらが送風ファン22を構成している。この送風ファン22を取り囲むように曲げられた室内熱交換器21が上記発泡スチロール製の断熱体23の内側に配置されている(図3参照)。この室内熱交換器21には、送風ファン22により吸込口31から吸い込まれた空気が供給され、室内熱交換器21により熱交換された空気が各吹出口32から吹き出されるように構成されている。
室内熱交換器21は、筐体20の側板20a、20eに沿った形状を有し、これら側板20a、20eに対向する面は平らになっている。室内熱交換器21の下方には、この室内熱交換器21から流下する結露水(ドレン水)を受ける発泡スチロール製のドレンパン24が配置され、このドレンパン24の外周は筐体20の内面にほぼ接している。ドレンパン24には、図3に示すように、室内熱交換器21の一隅部に相当する位置にドレンポンプ27が配設され、ドレンパン24に貯留したドレン水はドレンポンプ27により汲み上げられる。ドレンポンプ27により汲み上げられたドレン水は、ドレンホース接続口28に接続されドレンホース(図示略)を通じて、室内ユニット2の外部に排出される。また、切り欠き部20fには、室内熱交換器21から延びる連結配管(冷媒配管)34(図1)が通っている。
ドレンパン24には、化粧パネル30の吸込口31および吹出口32に対応する位置に吸込開口25及び吹出開口26が設けられている。吸込開口25は、図3に示すように、略矩形に形成されたドレンパン24の中央に平面視略円形に形成されている。また、吹出開口26はドレンパン24の四辺に沿ってそれぞれ形成されている。ドレンパン24の吹出開口26は、室内熱交換器21の平らな部分に対応する位置にあり、この吹出開口26から上述した吹出口32を通って、被調和室内に向けて空気が吹き出される。
次に、除菌ユニット150について説明する。図4に空気除菌部4の概略構成を示し、図5(A)にエレメント41の模式図を示す。
除菌ユニット150は、筐体20の開口部20d(図3)を塞ぐベース板(板状部材)3を備え、このベース板3の筐体20の内側に臨む面3Aに空気除菌部4が配置され、このベース板3の筐体20の外側に臨む面3Bに電解水生成部5と、この電解水生成部5を制御する制御部6とが配置されている。本構成では、筐体20の外側から、開口部20dに空気除菌部4を差し込み、ベース板3と側板20aとを固定することで、開口部20dが閉鎖される。
空気除菌部4は、図3、図4および図5(A)に示すように、保水性の高いエレメント(気液接触部材)41と、このエレメント41の上部に取り付けられる分散皿42と、エレメント41の下部に取り付けられる電解水トレイ43とを備える。空気除菌部4は、図3に示すように、取付金具44により、ベース板3との間に所定の間隔を空けた位置で当該ベース板3に支持されており、このベース板3と空気除菌部4との間には、発泡スチロール製の断熱体(図示略)が設けられている。
空気除菌部4を開口部20dに差し込んで固定した状態では、図2に示すように、空気除菌部4が室内熱交換器21に隣り合うように位置する。この空気除菌部4は、室内熱交換器21の外側に位置するので、送風ファン22によって送風され、室内熱交換器21を通過した空気が風向ガイド7により空気除菌部4のエレメント41の気液接触面に吹き付けられる。
風向ガイド7は、エレメント41の支持枠410に組み付けられるフレーム枠710と、フレーム枠710に設けられた複数の羽板720とを備えている。フレーム枠710は、エレメント41の支持枠410に対してネジ等により固定されていてもよいし、脱着自在に組み付けてもよい。脱着自在に組み付ける例として、例えば、エレメント41の支持枠410にスライドレールを設け、フレーム枠710にスライドレールにスライドされるスライド部を設けることにより実現することができる。支持枠410に対して風向ガイド7をスライドさせながら脱着自在に組み付けることにより、エレメント41のメンテナンス時等には簡易に風向ガイド7を取り外すことができる。
図4に示すように、羽板720は、フレーム枠710に支持されてそれぞれ所定の向きに配置されている。各羽板720の向きはエレメント41の全域に空気が吹き付けられるようにそれぞれ設定されている。具体的には、フレーム枠710の上端側に設けられた羽板720(以下、上端側羽板720aという)は、エレメント41の上端側に主として風を導くように羽板720の向きが設定されている。また、フレーム枠710の下端側に設けられる羽板720(以下、下端側羽板720bという)は、エレメント41の下端側に主として風を導くように風向ガイド7の向きが設定されている。また、上端側羽板720aと下端側羽板720bとの間には、エレメント41の気液接触面に対して風向ガイド7の向きを略直角に配置されたエレメント41の中央部に風を導く中央部羽板720cが一または複数枚設けられる。なお、図4に示す例では中央部羽板720cを二枚設けた例を示している。また、各羽板720の枚数はエレメント41の形状や大きさに応じて、フレーム枠710に対して適宜複数枚設けてよい。
風向ガイド7を介して気液接触面に吹き付けられた空気は、エレメント41を通ることにより除菌され、空気除菌部4とベース板3との間を下方に流れて、化粧パネル30に形成された吹出口32から、被調和室に吹き出される。
エレメント41は、例えば、アクリル繊維やポリエステル繊維等で作成された不織布(フィルタ部材、濾材)で構成される。エレメント41の素材としては、電解水に対する反応性の少ない素材が好ましく、上記のアクリル繊維、ポリエステル繊維の他、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料またはセラミックス系材料等を用いることができる。
本実施形態では、エレメント41に親水処理を施すことなどにより、電解水に対する親和性を高めている。これにより、エレメント41における保水性・湿潤性が保たれ、エレメント41に導入された空気を確実に電解水に接触させて空気の除菌効率を高めている。
エレメント41は、図5(A)に示すように、波形状に曲げられた素材41Aと、平板状の素材41Bとを接合し、全体としてハニカム状に形成されたエレメント部を複数有している。このようにハニカム状にエレメント41(エレメント部)を形成することで、気体接触面積を広く確保することができ、これと同時に、目詰まりしにくい構造とすることができる。
エレメント41の上方には、分流シート41Cがエレメント41の上端面全面を覆うようにして配置されている。分流シート41Cは、矩形状に形成されており、ハニカム状に形成されたエレメント41の幅方向の長さWと略等しい長辺と奥行き方向の長さと略等しい短辺とを有している。但し、図5(A)において、奥行き方向とは紙面の厚み方向を指す。
分流シート41Cを構成する素材は、エレメント41と同様に、電解水に対する反応性の少ない素材であることが好ましく、アクリル繊維やポリエステル繊維等で作成された不織布(フィルタ部材、濾材)を用いることができる。分流シート41Cの素材としては、上記のアクリル繊維、ポリエステル繊維の他、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料またはセラミックス系材料等を用いることができる。
本実施形態では、分流シート41Cについても親水処理を施すことなどにより、電解水に対する親和性を高めている。これにより、分流シート41Cにおける保水性・湿潤性を保つことができ、電解水を分流シート41C全域に浸透させて、分流シート41Cを介してエレメント41の全域にエレメント41の上方から電解水を滴下浸透させることができる。
分散皿42は、図4に示すように、後述する電解ユニット51から電解水注入チューブ52を介して供給される電解水を、エレメント41に滴下させるものである。この分散皿42の長手方向の一端部42Aには、電解水注入チューブ52が接続される接続口42Bが形成されている。
また、分散皿42の底面には、電解水をエレメント41に滴下し、エレメント41に分散・浸潤させるための孔(図示略)が、多数形成されている。この分散皿42からエレメント41に分流シート41Cを介して電解水を滴下することで、エレメント41全体に均一に電解水が供給される。
但し、電解水注入チューブ52は、電解ユニット51において生成された電解水を分散皿42に導く管である。
電解水トレイ43は、分散皿42からエレメント41に供給された電解水がエレメント41から流下(排出)した場合に、この電解水を受けるためのトレイである。電解水トレイ43には排水口46が形成され、電解水トレイ43で受けた電解水は、この排水口46を通じてドレンパン24上に排出される。
制御部6は、図6に示すように、電装基板61を備え、この電装基板61は電装ボックス62に収容されている。この電装ボックス62は、前面が開口したボックス本体62Aと、この前面を覆う蓋体62Bとを備え、ボックス本体62Aは、取付金具63により、ベース板3との間に所定の間隔を空けた位置で当該ベース板3に支持されている。これによれば、電装ボックス62をベース板3に直に取り付ける場合に比べて、伝熱面積が拡大され、伝熱面積が拡大された分だけ電装基板61の冷却効率を向上できる。
電装基板61は、図示しないCPUと、CPUにより実行される制御プログラム、及び、この制御プログラムに係る制御用データ等を格納したROMと、CPUにより処理されるプログラムや各種データを一時的に記憶するRAMとを備えている。CPUは、ROM内の制御プログラムに従って、後述する電解ユニット51内の電極53a、53bに対する通電制御、水道水制御弁55の開閉制御等の各種制御を行う。例えば、CPUは、電解ユニット51において所定の濃度の電解水を生成させるため、この濃度に対応する電流密度で電極53a、53bに電流を流す。また、例えば、CPUは、電解ユニット51に対して水を供給するため、水道水制御弁55を開閉する。
さらに、電装基板61のCPUは制御ユニット8のCPUに通信回線等(図示略)を介して接続されており、制御ユニット8から入力される指示、例えば上記リモコン装置において入力された指示に従って、上記制御を実行する。これにより、例えば、当該空気調和装置100(室内ユニット2)の冷房・暖房運転に連動して、空気除菌部4に電解水を供給させることが可能となる。
また、電解水生成部5は、図6に示すように、電解ユニット51と、この電解ユニット51の上流側に配置される減圧弁54及び水道水制御弁55とを備える。これら電解ユニット51、減圧弁54及び水道水制御弁55は、ベース板3に取り付けられた支持板56上に載置され、この支持板56には、上方から略箱状のカバー体57が被せられる。これにより、電解ユニット51、減圧弁54及び水道水制御弁55は、支持板56とカバー体57とで形成されるボックス58内に収容される。
減圧弁54は、電解ユニット51に供給される水(例えば、水道水)の圧力変動を抑制し、供給される水量を略一定に保つものであり、この減圧弁54の上流側には、外部の給水源に接続される給水口54Aが形成されている。ここで、給水口54Aに接続されて、電解ユニット51に水を供給する給水源は、市水(水道水)或いは給水槽等に貯留された水等のいずれであってもよい。この給水槽等に貯留される水とは、水道水等のように塩化物イオン等のイオン種が予め含有されている水であってもよいし、井戸水等のイオン種濃度の希薄な水であってもよい。本実施形態では、これらを総称して水という。
水道水制御弁55は、制御部6の制御により開閉される電磁弁である。また、電解ユニット51に接続された電解水注入チューブ52は、上記電装ボックス62の下方を通過した後に、ベース板3を貫通し、このベース板3の裏面(すなわち、筐体20の内側に望む面)3Aに延出する。これによれば、空気除菌部4側に延在する電解水注入チューブ52の長さを最小限に抑えることができるため、エレメント41の通風抵抗の低減を図ることができる。また、本実施形態では、電解ユニット51はベース板3の一面に配置され、ベース板3の反対側の面に配置されたエレメント41に近接しているので、電解水注入チューブ52を介して活性酸素種を含む電解水をただちにエレメント41に供給することができる。
電解ユニット51は、図5(B)に示すように、水道水等の水が供給される電解ユニット本体51Aを有する。この電解ユニット本体51Aの内部には、少なくとも一対の電極53a、53bが配設され、これら電極53a、53b間に電圧を印加することにより、水を電気分解して活性酸素種を含む電解水を生成させる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
電極53a、53bは、例えば、ベースがチタン(Ti)で皮膜層がイリジウム(Ir)、白金(Pt)から構成された2枚の電極板である。
上記電極53a、53b間に電圧を印加すると、カソード電極では、水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とが下記式(1)に示すように反応する。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(1)
一方、アノード電極(陽極)では、下記式(2)に示すように水が電気分解される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(2)
とともに、アノード電極においては、水に含まれる塩素イオン(塩化物イオン:Cl-)が下記式(3)に示すように反応し、塩素(Cl2)が発生する。
2Cl-→Cl2+2e- ・・・(3)
さらに、この塩素は下記式(4)に示すように水と反応し、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
Cl2+H2O→HClO+HCl ・・・(4)
この構成では、電極53a、53b間に通電することで、殺菌力の大きい次亜塩素酸(HClO)等の活性酸素種が発生し、この活性酸素種を含んだ電解水がエレメント41に供給される。この状態で、エレメント41に空気を通過させることにより、当該エレメント41を通過する空気中に浮遊するウィルス等を不活化させて、空気を除菌することができ、さらにエレメント41自体における雑菌の繁殖を防止できる。
また、空気中の臭気等の原因物質であるガス状物質も、エレメント41を通過する際に、電解水に溶解したり、電解水に含まれる次亜塩素酸等の活性酸素種と反応したりして、空気中から除去されるので、エレメント41によって脱臭が可能である。
さらに、電極53a、53b間に所定の電流密度の電流(例えば、20mA/cm2等)を通電すると、水の電気分解によって所定の濃度の活性酸素種(例えば、遊離残留塩素濃度1mg/l等)を含む電解水を生成することができる。また、この電流値を変更することにより、電解水中の活性酸素種の濃度を変化させることが可能であり、具体的な例としては、電流値を小さくした場合には電解水の次亜塩素酸の濃度を低くすることができ、電流値を大きくした場合には電解水の次亜塩素酸の濃度を高くすることができる。
以上説明した電解水生成部5、分散皿42等により、活性酸素種を含む電解水をエレメント41に対して供給する電解水供給部を構成している。
以上の様に構成された空気調和装置100によれば、室内熱交換器21及び送風ファン22を備える天井埋込型の空気調和装置100の室内ユニット2において、電解水に浸潤されるエレメント41を、室内熱交換器21を通過した空気が通るので、冷房または暖房により温度調整された空気に含まれるウィルス等を不活化し、或いは除去することができる。これにより、空気調和装置100に空気の除菌機能を持たせることができ、被調和室内の床面における設置スペースの制約を受けずに、空気の清浄化を実現できる。
ところで、空気調和装置100において、空気調和運転と連動して空気除菌運転が行われている間は、除菌効果を有する電解水がエレメント41に常時供給されるため、加湿エレメントにおける細菌、真菌等の発生、増殖は防止される。
しかしながら、空気調和運転が停止されると、これに伴い空気除菌運転を停止され、電解水の供給も停止される。また、上述のように、除菌ユニット150を組み込んだ空気調和装置100では、室内ユニット2の筐体20内のスペースに無駄がないように各構成部材が組み込まれるため室内ユニット2の筐体20内でエレメント41を完全に乾燥するためには時間を要する。特に、梅雨時など湿度の高い時期などにエレメント41が湿気を含んだ状態で長期間放置された場合には、エレメント41に付着した異物等に起因して細菌、真菌等の発生、増殖等が懸念される。
そこで、本実施の形態の空気調和装置100では、室内ユニット2の運転状態が室内熱交換器21を蒸発器として作用させる冷房運転状態(第一の運転状態)と室内熱交換器21を凝縮器として作用させる暖房運転状態(第二の運転状態)との間で切り換えられた場合にエレメント乾燥運転を行うようにしている。また、季節の変わり目には空気調和装置100を使用しない時期もあることから、空気調和運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定されたエレメント乾燥運転開始期間に達したときに自動的にエレメント乾燥運転を開始し、エレメント41を完全に乾燥させることにより、エレメント41に対する細菌・真菌等の発生、増殖を防止するようにしたものである。
但し、エレメント乾燥運転開始期間は、エレメント41が湿気を含んだ状態で放置された場合に、細菌・真菌等が発生する前の期間(例えば、1.5日間〜3日間程度)内に設定されることが好ましい。なお、この期間は空気調和装置100が設置されている地域や、外気の湿度や温度等によって適宜適切な期間とすることができる。
以下、図7を参照して、エレメント乾燥運転を含む空気調和装置100の動作を説明する。但し、動作の前提として、当該空気調和装置100はテナントビル等に設置される業務用のものであり、空気調和運転が行われている間は、電解水がエレメント41に滴下供給されて空気除菌運転が連動して行われているものとする。また、空気調和運転が停止される際には、電解ユニット51における電解水の生成動作およびエレメント41に対する電解水の供給動作が停止されるものとする。
まず、制御ユニット8は、リモコン等を介して空気調和運転開始指示が入力されたか否かを判別する(ステップS1)。空気調和運転開始指示の入力があった場合(ステップS1:Y)、次に、前回の運転状態から他の運転状態に切り換えられたか否かを判別する(ステップS2)。具体的には、前回冷房運転モードで空気調和運転が行われていた場合、すなわち第一の運転状態にあった場合には、暖房運転モード(第二の運転状態)への切り換えがあったか否かを判別する。同様に、前回暖房運転モードで空気調和運転(第二の運転状態)が行われていた場合には、冷房運転モードへの切り換えがあったか否かを判別する。
運転モードの切り換えがあったと判別された場合(ステップS2:Y)、次に制御ユニット8は、前回エレメント乾燥運転を完了した時点から所定の期間が経過しているか否かを判別する(ステップS3)。具体的には、例えば、制御ユニット8はタイマー等の計時手段を有し、過去にエレメント乾燥運転を完了した時点から計時を開始し、過去にエレメント乾燥運転を完了した時点から計時された時間が所定の期間に達しているか否かにより判別する。
ここで、所定の期間としては、例えば、0.4ヵ月程度〜1ヵ月程度が好ましい。当該期間についても、空気調和装置100が設定されている地域や外気の湿度や温度等によって適宜適切な期間とすることができる。
ステップS3において、前回エレメント乾燥運転を完了した時点から所定の期間が経過していると判別された場合(ステップS3:Y)には、制御ユニット8内のRAM等に格納されたエレメント乾燥運転実行フラグをONにして(ステップS4)、リモコン等により指定された運転モードで空気調和運転を開始する(ステップS5)。
但し、エレメント乾燥運転フラグはエレメント乾燥運転を実行させるか否かを判別させるためのフラグであり、このエレメント乾燥運転実行フラグがONに設定されている場合、制御ユニット8は、空気調和運転の停止時にエレメント乾燥運転を実行するように制御する。
一方、ステップS3において、前回エレメント乾燥運転を完了した時点から所定の期間が経過していないと判別された場合(ステップS3:N)には、ステップS5に進み、空気調和運転を行う。
次に、制御ユニット8は、リモコン等を介して空気調和運転に対する停止指示の入力があったか否かを判別し(ステップS6)、空気調和運転に対する停止指示の入力がない場合(ステップS6:N)には、ステップS2に戻る。空気調和運転に対する停止指示の入力があったと判別された場合(ステップS6:Y)、制御ユニット8はエレメント乾燥運転実行フラグがONであるか否かを判別する(ステップS7)。
エレメント乾燥運転実行フラグがONであると判別された場合(ステップS7:Y)、制御ユニット8は、エレメント乾燥運転を開始する。つまり、エレメント41に対して所定の時間継続して送風させて、エレメント41を乾燥させるべく、送風ファン22による送風を開始するとともに、計時手段による計時を開始させる(ステップS8)。
但し、予め、電解水が供給された直後のエレメント41を完全に乾燥させることのできる時間を予め実験等により求めておき、エレメント41を完全に乾燥するまでに要する時間を上記の所定の時間として設定することができる。具体的には、5時間〜12時間程度とすることができる。当該時間は、空気調和装置100が設定されている地域や外気の湿度や温度、また送風ファンの送風強度等によって適宜適切な時間に変更することができる。
次に、制御ユニット8はエレメント乾燥運転実行中に空気調和運転に対する開始指示の入力を監視し(ステップS9)、空気調和運転開始指示の入力がない場合(ステップS9:N)、所定の時間が経過する(ステップS10:Y)まで、エレメント乾燥運転を継続して行う(ステップS8)。エレメント乾燥運転実行中に、空気調和運転開始指示の入力が行われることなく、所定の時間継続してエレメント41に対して送風ファン22により送風して、エレメント乾燥運転を完了した場合(ステップS10:Y)、エレメント乾燥運転実行フラグをOFFにして(ステップS11)、処理を終了する。
ステップS9において、エレメント乾燥運転を開始してから所定の時間が経過する前(ステップS10:N)に、すなわち、エレメント乾燥運転が完了するまでの間に、空気調和運転開始指示が入力された場合(ステップS9:Y)、ステップS5に戻り空気調和運転を開始する。そして、この場合は、次に空気調和運転停止指示が入力された場合(ステップS6:Y)、エレメント乾燥運転実行フラグはONの状態のままであるので(ステップS7:Y)、エレメント乾燥運転が再び行われる。これにより、エレメント乾燥運転が完了する前に空気調和運転を行った場合は、次に空気調和運転が停止されたときにエレメント乾燥運転を最初から行うので、エレメント41を完全に乾燥させることができる。
一方、ステップS1において、空気調和運転開始指示が入力されていないと判別された場合(ステップS1:N)、制御ユニット8は空気調和運転が継続して停止状態にある期間(空気調和運転停止継続期間)が、上述したエレメント乾燥運転開始期間に達しているか否かを判別する(ステップS12)。ここで、空気調和運転停止継続期間がエレメント乾燥運転開始期間に達していない場合(ステップS12:N)はステップS1に戻り、空気調和運転停止継続期間がエレメント乾燥運転開始期間に達している場合には、ステップS13に進む。
ステップS13では、エレメント乾燥運転を開始すべく、送風ファン22によりエレメント41に対して送風を開始する。
そして、ステップS9と同様に、制御ユニット8はエレメント乾燥運転実行中に空気調和運転に対する開始指示の入力を監視し(ステップS14)、空気調和運転開始指示の入力がない場合(ステップS14:N)、ステップS15を経てステップS13に戻り、所定の時間が経過する(ステップS15:Y)まで、継続してエレメント乾燥運転を実行する(ステップS13)。途中で空気調和運転開始指示の入力が行われることなく、所定の時間継続してエレメント41に対して送風ファン22により送風して、エレメント乾燥運転を完了した場合(ステップS15:Y)、エレメント乾燥運転実行フラグをOFFにして(ステップS11)、処理を終了する。
ステップS14において、エレメント乾燥運転を開始してから所定の時間が経過する前(ステップS15:N)に、すなわち、エレメント乾燥運転が完了するまでの間に、空気調和運転開始指示が入力された場合(ステップS14:Y)、ステップS4に進み、エレメント乾燥運転実行フラグをONにした上で(ステップS4)、空気調和運転を開始する(ステップS5)。そして、この場合は、次に空気調和運転停止指示が入力された場合(ステップS6:Y)、エレメント乾燥運転実行フラグはONにされているので(ステップS7:Y)、エレメント乾燥運転が再び行われる。これにより、エレメント乾燥運転が完了する前に空気調和運転を行った場合は、次に空気調和運転が停止されたときにエレメント乾燥運転が再度最初から行われ、送風ファン22によりエレメント41に対して所定の時間継続して送風させて、エレメント41を乾燥させることができる。
以上説明した上記第一の実施の形態によれば、電解水生成部5において生成された電解水は分散皿42を介してエレメント41に活性酸素種を含む電解水を供給する。送風ファン22は、吸込口31を介して筐体20内に吸い込んだ空気をエレメント41に送風するとともに、室内熱交換器21による熱交換後の空気を吹出口32を介して室内に送風する。また、エレメント41において電解水と空気が接触されると、空気が除菌され、除菌後の空気を室内に送風することができる。そして、制御ユニット8は、送風ファン22によりエレメント41に所定の時間継続して送風させるエレメント乾燥運転を制御する。このため、上記実施の形態のように、空気調和運転と連動して空気除菌運転が行われることにより電解水が供給されて湿った状態となったエレメント41を乾燥させてエレメント41に対する細菌、真菌等の発生・増殖を防止することができ、メンテナンスの頻度の低減およびエレメント41の長寿命化を図ることができる。
また、上記実施の形態では、空気調和運転が行われている間は、エレメント41に対して電解水が供給され、空気除菌運転が連動して行われるため、空気調和運転が行われている間は送風ファン22により室内に送風される空気を除菌後の空気とすることができる。
このように、空気調和運転と空気除菌運転とが連動しておこなわれる場合に、上記実施の形態において、制御ユニット8は、空気調和運転時の室内ユニット2の運転状態が室内熱交換器21を蒸発器として作用させる冷房運転状態と、室内熱交換器21を凝縮器として作用させる暖房運転状態との間で切り換えられた後に、初めて空気調和運転が停止されたときにエレメント乾燥運転を行うように制御している。冷房運転状態と暖房運転状態との間で運転状態が切り換えられるのは年に数回程度であると考えられる。この運転状態が切り換えられるタイミングでエレメント乾燥運転を行うことにより、年に数回程度エレメントを完全に乾燥させることができる。また、冷房運転状態と暖房運転状態との間で運転状態が切り換えられるのは、季節が移り変わる時期等であるのが一般的である。このような季節の移り変わる時期は、空気調和運転が行われる時間が比較的少ない中間期である。このため、制御ユニット8は、空気調和運転に影響を及ぼさない時期にエレメント乾燥運転を行うように制御することができる。また、例えば、梅雨時や秋の長雨の時期等の湿度の高い時期は、中間期に該当し、この様な外気の湿度が高く、外気温度が寒くもなく暑くもないような時期はカビ等が発生しやすい時期でもある。このような時期にエレメント乾燥運転を行って、細菌、真菌等の発生、増殖を効率的に防止することができる。
但し、上記において、冷房運転状態(冷房モード)と暖房運転状態(暖房モード)との間で運転状態が切り換えられた場合を例に挙げて説明したが、冷房運転状態又は除湿運転状態のように、室内熱交換器21が蒸発器として作用する運転状態(第一の運転状態)と、暖房運転状態のように、室内熱交換器21が凝縮器として作用する運転状態(第二の運転状態)との間で運転状態が切り換わったときであって、空気調和運転が停止したときにエレメント乾燥運転を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態によれば、制御ユニット8は、空気調和運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定されたエレメント乾燥運転開始期間に達したときにエレメント乾燥運転を行うので、長期に渡って空気調和運転が停止されている場合に、エレメント41が湿気を含んだ状態で放置されるのを防止することができる。
また、上記実施の形態によれば、制御ユニット8は、エレメント乾燥運転を完了する前に空気調和運転が開始された場合は、次に空気調和運転が停止されたときに、エレメント乾燥運転を行うように制御している。このため、エレメント41に対して所定の時間送風させてエレメント41の乾燥が完了する前に空気調和運転が開始された場合にはエレメント41に再び電解水が供給される。この様な場合に、制御ユニット8は、次に空気調和運転が停止されたときに、エレメント乾燥運転を行うので、エレメント41には所定の時間送風されて、必ずエレメント乾燥運転が完了される。
また、上記実施の形態によれば、制御ユニット8は、前回、エレメント乾燥運転を完了した時点から、所定の期間以上経過している場合にエレメント乾燥運転を行うように制御しているので、エレメント乾燥運転が頻繁に行われすぎることを防止し、適切な期間を経過した場合にエレメント乾燥運転を行うようにすることができる。
また、上記実施の形態によれば、エレメント41は、送風ファン22により送風された空気と電解水とが接触される気液接触面を有し、送風ファン22により送風される空気を気液接触面に対して導く風向ガイド7を備えている。このため、風向ガイド7により、空気調和運転時には気液接触面に対して風を効率よく導いて、空気除菌を効率的に行わせることができる。また、エレメント乾燥運転時にも気液接触面に対して風を効率よく導いて、効率よくエレメント41を乾燥させることができる。
また、上記実施の形態によれば、エレメント41に対して電解水を供給する際に、エレメント41の気液接触面の上端側から前記電解水を滴下している。また、本実施の形態では、エレメント41の気液接触面の全域に均一に電解水を滴下供給するためにエレメント41の上端面前面を覆うように分流シート41Cを設けている。風向ガイド7に設けられた上端側羽板720aによりエレメント41の上端側に空気を導くようにしているため、濡れやすい部分、また分流シート41Cに風を効率よく送って、これらの部分の乾燥効率を高めることができる。
さらに、上記実施の形態では、風向ガイド7に複数枚の羽板720を設け、各羽板720によりエレメント41の気液接触面の全域に風が分散して送風されるようにしているので、気液接触面全域に効率よく風を送って、空気除菌を効率良く行わせることができる。
また、上記実施の形態では、ベース板3を介して除菌ユニット150をユニット化して、筐体20に取り付けているため、空気除菌部4のエレメント41を交換する場合、ベース板3を筐体20の開口部20dから取り外すだけで、除菌ユニット150全体を室内ユニット2から取り外すことができるため、この取り外した除菌ユニット150を床上に降ろし、床上で上記エレメント41の交換を実施することができる。これによれば、天井裏空間での高所作業が低減し、除菌ユニット150のメンテナンス作業を容易に、かつ、安全に実施することができる。
また、電解水生成部5が筐体20の外側の面3Bに配置されているため、この電解水生成部5の存在により風の流路が狭くなることがないため、通風抵抗の増加等の不都合を招くことがなく、筐体20内のスペースを有効に利用できる。また、電解水生成部5の電解ユニット51のメンテナンスを容易に実施することもできる。
また、本実施形態によれば、空気除菌部4を開口部20dから筐体20の内部に入り込ませて、当該筐体20の外側から取り付け可能としているため、この空気除菌部4を室内ユニット2に容易に取り付けることができる。
以上、上記実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記実施形態では、活性酸素種として次亜塩素酸を発生させる構成について説明したが、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を発生させる構成としても良い。この場合、電極53a、53bとして白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水からでも、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
すなわち、電極53a、53b間に通電することにより、アノード電極では、下記式(5)〜(7)に示す反応が起こり、オゾンが生成される。
2H2O→4H++O2+4e- ・・・(5)
3H2O→O3+6H++6e- ・・・(6)
2H2O→O3+4H++4e- ・・・(7)
一方、カソード電極では、下記式(8)及び(9)に示す反応が起こり、電極反応により生成したO2 -と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H22)が生成される。
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-) ・・・(8)
2 -+e-+2H+→H22 ・・・(9)
この構成では、電極53a、53bに通電することにより、殺菌力の大きいオゾンや過酸化水素が発生し、これらオゾンや過酸化水素を含んだ電解水を作ることができる。そして、この電解水中におけるオゾンもしくは過酸化水素の濃度を、対象ウィルス等を不活化させる濃度に調整し、この濃度の電解水が供給されたエレメント41に空気を通過させることにより、空気中に浮遊する対象ウィルス等を不活化することができる。また、臭気等のガス状物質もエレメント41を通過する際に、電解水に溶解したり、電解水中のオゾンまたは過酸化水素と反応したりすることにより、空気中から除去されるため、脱臭することができる。
また、室内ユニット2では、イオン種が希薄な水(純水、精製水、井戸水、一部の水道水等を含む)を用いた場合も同様の反応を起こさせることが可能である。すなわち、イオン種が希薄な水にハロゲン化合物(食塩等)を添加すれば、上記式(3)及び(4)と同様の反応が起こり、活性酸素種を得ることができる。つまり、除菌ユニット150は、塩素化合物が十分に添加された水道水に限らず、他の水を用いた場合であっても、十分な空気清浄効果(ウィルス等の不活化、殺菌、脱臭等)を発揮できる。
この場合、電解ユニット51に導入される水に、薬剤(ハロゲン化合物等)が供給される構成とすればよい。例えば、上記薬剤を供給する薬剤供給装置を室内ユニット2に設けてもよく、この薬剤供給装置は、給水口54Aから電解ユニット51に至る経路上において薬剤を注入するものであってもよいし、電解ユニット51に直接薬剤を注入する構成としてもよい。
ここで、薬剤としては食塩または食塩水を用いることができる。例えば、電解ユニット51中の食塩水の濃度を2〜3%(重量パーセント)程度に調整すれば、電解ユニット51において食塩水を電気分解することにより次亜塩素酸もしくは過酸化水素を含んだ電解水(0.5〜1%)を生成できる。この構成によれば、電解ユニット51に導入される水中のイオン種が希薄な場合でも、食塩または食塩水を添加することにより、イオン種を増加させて、水の電気分解時に、高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
また、上記実施の形態では、空気調和運転が停止しているときに、エレメント乾燥運転を行うものとして説明したが、エレメント乾燥運転を行うに先立って、クリーニング運転を行ってもよい。ここで、クリーニング運転とは、空気調和運転停止時(空気除菌運転停止時を含む)にエレメント41に対して、空気除菌に供するよりも活性酸素種濃度の高い電解水を供給することにより、エレメント41および電解水の供給経路上に付着した異物等による細菌、真菌等を除菌し、エレメント41を清浄する運転モードである。このような、クリーニング運転を行った上で、エレメント乾燥運転を行うことによりエレメント41に対する真菌、細菌等の発生、増殖をさらに抑制することができる。特に、空気調和運転停止継続期間が乾燥運転開始期間に達した場合等、エレメント41に対して電解水の供給が継続して停止されていた期間がある場合には、クリーニング運転を行った上でエレメント乾燥運転を行うことで、より一層の効果が得られる。
また、上記実施の形態のエレメント乾燥運転において、空気調和運転停止継続期間が乾燥運転開始期間に達した場合は、ステップS3の所定の期間の経過の有無によらず、エレメント乾燥運転を行う場合について説明したが、空気調和運転停止継続期間が乾燥運転開始期間に達した場合についても、所定の期間の経過の有無を判別した上でエレメント乾燥運転を実行するようにしてもよい。空気調和運転が長期間に亘って行われない状態で、すなわち、上記実施の形態では、エレメント41に対する電解水の供給が長期間に亘って行われない状態にある場合に、当該期間内に複数回に亘ってエレメント乾燥運転を行う必要はないためである。しかしながら、上記所定の期間内に、エレメント41に電解水が間欠的に供給されるような場合であって、空気調和運転停止継続期間が乾燥運転開始期間に達するような場合はエレメント41に対する細菌、真菌等の発生・増殖等が懸念される。したがって、この様な場合にはエレメント乾燥運転を行うことが好ましい。
また、上記実施の形態において、空気調和装置100の細部構成については、任意に変更可能であることは勿論である。
また、図7では、空気調和運転を行うときには、空気調和運転と連動して空気除菌運転を行う構成として説明したが、空気調和運転と空気除菌運転とは必ずしも連動している必要はない。例えば、春や秋などの中間期においては、空気調和運転を停止させて空気除菌運転のみを行う構成としてもよい。その場合は、空気除菌運転が行われていない場合に、上記のエレメント乾燥運転を行うものとする。また、空気除菌運転が停止されている間に、空気調和運転が行われている場合は、送風ファン22により室内ユニット2の筐体20内に導入された空気はエレメント41に対しても送風されるので、これによりエレメントを乾燥させることができる。
また、上記実施の形態では、除菌ユニット150をユニット化し、空気調和装置100に対してオプションとして取付自在に構成した例を示したが、除菌ユニット150の構成は上記実施の形態に限定されるものではないのは勿論である。
〔第二の実施の形態〕
次に、第二の実施の形態として、図8〜図10を参照して本発明を適用した空気除菌装置70について説明する。図8は空気除菌装置70の外観構成例を示すもので、図9は空気除菌装置70の主要な内部構成を模式的に示したものである。図8に示すように、空気除菌装置70は、床置き式の縦長の筐体71を備え、筐体71の下部に吸込口72が形成され、筐体71の上部に吹出口73が形成されている。また、筐体71の内部には図示しない送風ファンにより、吸込口72から吸い込まれた空気が送風ファンの送風経路上に配置される空気除菌部75において除菌され、吹出口73から除菌後の清浄な空気が室内に吹き出されるように構成されている。
空気除菌装置70は、図9に示すように、主要な内部構成として、送風ファンの送風経路上に配置されるエレメント75aを有する空気除菌部75と、エレメント75aに対して電解水を供給する電解水供給循環部(電解水供給部)76と、空気除菌装置70の各部を制御する制御ユニット(乾燥運転制御部)(図示略)とを備えている。
空気除菌部75は、上記第一の実施の形態の空気除菌部4と略同様の構成を有し、エレメント75aの上方には図示しない分流シートが配置されるとともに、エレメント75aの上部には分散皿77が取り付けられ、エレメント75aの下部にはエレメント75aから流下(排出)する電解水を受けるとともに、外部の給水源あるいは給水タンク80から供給される水を貯留する水受け皿78が配置される。但し、図9(A)には、給水タンク80により水が供給される例を示した。エレメント75a、分流シート、分散皿77の構成は、第一の実施の形態のエレメント41、分流シート41C、分散皿42と略同様の構成を有するので、ここでは説明を省略する。
また、エレメント75aの支持枠750には、第一の実施の形態と同様にフレーム枠91に複数枚の羽板92を有する風向ガイド9が組み付けられており、風向ガイド9の上端側羽板92aによりエレメント75aの上端側に風が導入されるように構成されており、下端側羽板92bはエレメント75aの下端側に風を導き、中央部羽板92cはエレメント75aの中央部に風を導いている。これにより、エレメント75a全域に風を吹き付けるとともに、エレメント75aの上端側および分流シートについても乾燥させることができる。
電解水供給循環部76は、上記分散皿77および水受け皿78と、上記第一の実施の形態と略同様の構成を有する電解ユニット79と、水受け皿78内の水を電解ユニット79に循環する循環ポンプ81とを備えている。水受け皿78内に貯留された水(エレメント75aから流下した電解水を含む)は、循環ポンプ81により汲み上げられて、再び電解ユニット79に導かれる。電解ユニット79は、第一の実施の形態の電解ユニット51と略同様の構成を有し、図9(B)に示すように少なくとも一対の電極79a、79bを有し、電解ユニット79内に供給される水を電気分解して電解水を生成する。
この様に、第二の実施の形態では、エレメント75aの下方に配置された水受け皿78によりエレメント75aから流下された電解水を受けて電解ユニット79に循環させて使用することにより、空気除菌運転に伴う水の消費量を低減することができるように構成されている。但し、本実施の形態では、水受け皿78は、エレメント75aの下方に配置され、エレメント75aから流下する電解水を受ける水受け部78aと、水受け部78aにおいて受けた電解水が流入し、給水タンク80から供給される水を貯留する貯留部78bとを備え、水受け部78aと貯留部78bとの間には濾材82が配置され、水受け部78a側から貯留部78b側にスケール等の不溶物が流入しないようになっている。また、貯留部78bの底部には排水管83が接続されており、排水管83に設けられた開閉弁83aを開閉することにより貯留部78b内に貯留された水を排水タンク84に排出することができるようになっている。
制御ユニットは、図示しないCPUと、CPUにより実行される制御プログラム、及び、この制御プログラムに係る制御用データ等を格納したROMと、CPUにより処理されるプログラムや各種データを一時的に記憶するRAMとを備える。筐体71には、装置電源のON/OFFボタン、風量設定ボタン等を備える操作パネルが設けられている。制御ユニットは装置電源のON/OFFボタンを介してON信号が入力されると空気除菌運転を開始し、OFF信号が入力されると空気除菌運転を停止する。
次に、図10を参照して、エレメント乾燥運転を含む空気除菌装置70の動作を説明する。まず、制御ユニットは、空気除菌運転が停止状態にあるか否かを判別する(ステップS21)。空気除菌運転が継続して停止状態にある期間(運転停止継続期間)がエレメント乾燥運転開始期間に達しているか否かを判別する(ステップS22)。ここで、運転停止継続期間がエレメント乾燥運転開始期間に達していない場合(ステップS22:N)はステップS21に戻る。ステップS22において、運転停止継続期間がエレメント乾燥運転開始期間に達していると判別された場合(ステップS22:Y)、制御ユニットはエレメント乾燥運転を開始するとともに計時手段による計時を開始する(ステップS23)。
この間、制御ユニットはエレメント乾燥運転実行中に空気除菌運転に対する開始指示の入力を監視し(ステップS24)、空気除菌運転に対する開始指示の入力がない場合(ステップS24:N)、所定の時間が経過する(ステップS25:Y)まで、エレメント乾燥運転を継続して行う(ステップS23)。エレメント乾燥運転実行中に、空気除菌運転に対する開始指示の入力が行われること(ステップS24:N)なく、所定の時間継続してエレメント75aに対して送風ファンにより送風して、エレメント乾燥運転を完了した場合(ステップS257:Y)、処理を終了する。
一方、エレメント乾燥運転実行中に空気除菌運転に対する開始指示が入力された場合(ステップS24:Y)、所定の手順に従って空気除菌運転を開始する(ステップS26)。そして、空気除菌運転に対する停止指示の入力を監視し(ステップS27)、停止指示の入力がない場合(ステップS27:N)には継続して空気除菌運転を行い(ステップS26)、停止指示の入力がある場合(ステップS27:Y)は所定の停止手順に従って空気除菌運転を停止し(ステップS28)、ステップS21に戻る。なお、ステップS21において、現在空気除菌運転が行われていると判別された場合(ステップS21:N)、ステップS27に進む。
以上説明した第二の実施の形態によれば、電解ユニット79において生成された電解水は分散皿77を介してエレメント75aに活性酸素種を含む電解水を供給する。送風ファンは、吸込口72を介して筐体71内に吸い込んだ空気をエレメント75aに送風する。エレメント75aにおいて電解水と空気が接触されると、空気が除菌される。そして、制御ユニットは、送風ファンによりエレメント75aに所定の時間継続して送風させるエレメント乾燥運転を制御する。このため、空気除菌運転時に電解水が供給されて湿った状態となったエレメント75aを乾燥させてエレメント75aに対する細菌、真菌等の発生・増殖を防止することができ、メンテナンスの頻度の低減およびエレメント75aの長寿命化を図ることができる。
また、上記実施の形態によれば、制御ユニットは、空気除菌運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定されたエレメント乾燥運転開始期間に達したときにエレメント乾燥運転を行うので、長期に渡って空気除菌運転が停止されている場合に、エレメント75aが湿気を含んだ状態で放置されるのを防止することができる。
但し、以上説明した空気除菌装置70は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、空気除菌運転の運転停止継続期間がエレメント乾燥運転開始期間に達したときにのみエレメント乾燥運転を行う例について説明したが、継続して空気除菌運転が行われている場合でも、年に数回程度はエレメント75aを完全に乾燥させることが細菌、真菌等の発生、増殖の防止を図るという観点から好ましい。したがって、例えば、制御ユニット等に設ける計時手段により、空気除菌運転が一時的に停止されている場合などに、年に数回程度定期的にエレメント乾燥運転が行われるような構成としてもよい。
本発明の第一の実施の形態における空気調和装置の概略構成を示す図である。 室内ユニットの断面図である。 室内ユニットの分解斜視図である。 エレメントと風向ガイドを示す斜視図である。 エレメント(A)と電解ユニット(B)を示す模式図である。 除菌ユニットの分解斜視図である。 第一の実施の形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施の形態における空気除菌装置の外観構成例を示す図である。 空気除菌装置の内部構成(A)と電解ユニット(B)を示す模式図である。 第二の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 室外ユニット
2 室内ユニット
4 空気除菌部
5 電解水生成部
6 制御部
7、9 風向ガイド
8 制御ユニット(乾燥運転制御部)
9 風向ガイド
11 圧縮機
13 四方弁
14 室外熱交換器
20 筐体
21 室内熱交換器
22 送風ファン
31 吸込口
32 吹出口
41、75a エレメント(気液接触部材)
42、77 分散皿
51、79 電解ユニット
70 空気除菌装置
71 筐体
72 吸込口
73 吹出口
76 電解水供給循環部

Claims (9)

  1. 筐体内に送風ファンを有し、室内熱交換器が、前記送風ファンを取り囲むように曲げられて備えられた天井埋込型の空気調和装置において、
    前記筐体の側板と、前記室内熱交換器との間に、気液接触部材と、前記気液接触部材の上端面から活性酸素種を含む電解水を供給する電解水供給部と、前記送風ファンにより送風され前記室内熱交換器を通過した空気を、前記気液接触部材の上端側に導く羽板を有する風向ガイドと、を備え、
    前記電解水供給部による前記気液接触部材に対する電解水の供給を停止した状態で、前記送風ファンに前記気液接触部材に所定の時間継続して送風させて前記気液接触部材を乾燥させる気液接触部材乾燥運転を制御する乾燥運転制御部を備えることを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1記載の空気調和装置において、
    前記空気調和運転が行われている間は、前記電解水供給部により前記気液接触部材に対して前記電解水が供給されること、
    を特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項1又は2に記載の空気調和装置において、
    前記乾燥運転制御部は、前記空気調和運転時の前記室内ユニットの運転状態が前記室内熱交換器を蒸発器として作用させる第一の運転状態と前記室内熱交換器を凝縮器として作用させる第二の運転状態との間で切り換えられた後に、初めて前記空気調和運転が停止されたときに前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、
    を特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1又は2に記載の空気調和装置において、
    前記乾燥運転制御部は、前記空気調和運転が継続して運転停止状態にある期間が予め設定された気液接触部材乾燥運転開始期間に達したときに前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、
    を特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項3又は4に記載の空気調和装置において、
    前記乾燥運転制御部は、前記気液接触部材乾燥運転を完了する前に前記空気調和運転が開始された場合は、次に前記空気調和運転が停止されたときに、前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、
    を特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和装置において、
    前記乾燥運転制御部は、前回、前記気液接触部材乾燥運転を完了した時点から、所定の期間以上経過している場合に前記気液接触部材乾燥運転を行うこと、
    を特徴とする空気調和装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気調和装置において、
    前記気液接触部材は、前記送風ファンにより送風された空気と前記電解水とが接触される気液接触面を有し、
    前記送風ファンにより送風される空気を前記気液接触面に対して導く風向ガイドを備えること、
    を特徴とする空気調和装置。
  8. 請求項7記載の空気調和装置において、
    前記電解水供給部は、前記気液接触面の上端側から前記電解水を滴下することにより前記気液接触部材に前記電解水を供給し、
    前記風向ガイドは、前記気液接触面の上端側に前記空気を導くこと、
    を特徴とする空気調和装置。
  9. 筐体内に送風ファンを有し、室内熱交換器が、前記送風ファンを取り囲むように曲げられて備えらたれた天井埋込型の空気調和装置の制御方法であって、
    前記空気調和装置は、前記筐体の側板と、前記室内熱交換器との間に、気液接触部材と、前記気液接触部材の上端面から活性酸素種を含む電解水を供給する電解水供給部と、前記送風ファンにより送風され前記室内熱交換器を通過した空気を、前記気液接触部材の上端側に導く羽板を有する風向ガイドと、を備え、
    前記電解水供給部による前記気液接触部材に対する電解水の供給を停止した状態で、前記送風ファンに前記気液接触部材に所定の時間継続して送風させて、前記風向ガイドにより前記気液接触部材の上端側に前記室内熱交換器を通過した乾燥空気を導いて前記気液接触部材を乾燥させる気液接触部材乾燥運転を行う過程を備えること、
    を特徴とする空気調和装置の制御方法。
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